JP2006177570A - 吸収ヒートポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的低温の温水を有効に利用しつつヒートポンプの効率の向上及び昇温幅の拡大を実現する吸収ヒートポンプを提供すること。
【解決手段】 第1の被加熱媒体流路11を流れる被加熱媒体11Wを加熱する第1の吸収器A1と、第2の被加熱媒体流路21を流れる被加熱媒体21Wを加熱する第2の吸収器A2と、再生熱媒体流路12内を流れる第1の熱媒体12Wで冷媒を蒸発させる再生器G1と、冷却媒体流路13内を流れる冷却媒体13Wで冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器C1と、第1の蒸発熱媒体流路14内を流れる第2の熱媒体14Wで加熱して冷媒蒸気を発生させる第1の蒸発器E1と、第2の蒸発熱媒体流路24内を流れる第2の熱媒体24Wで加熱して冷媒蒸気を発生させる第2の蒸発器E2とを備え、第1及び第2の被加熱媒体流路11、21同士、並びに第1及び第2の蒸発熱媒体流路14、24同士の少なくとも一方が直列に接続されている吸収ヒートポンプ。
【選択図】 図1

Description

本発明は吸収ヒートポンプに関し、特に効率の向上を実現するとともに被加熱媒体を多様な用途に利用可能な蒸気として取り出すことができる吸収ヒートポンプに関する。
低温の熱源から熱を汲み上げて高温の熱源にする機器であるヒートポンプが知られている。ヒートポンプの一つとして、吸収液が冷媒蒸気を吸収する際に発生する吸収熱により熱媒体を加熱する吸収ヒートポンプが知られている。吸収ヒートポンプには、駆動熱源として投入した熱量より多くの熱量を得る増熱型のヒートポンプである第一種吸収ヒートポンプと、駆動熱源温度より高い温度を取り出す昇温型のヒートポンプである第二種吸収ヒートポンプとがある。第二種吸収ヒートポンプは、一般に、吸収液に吸収させる冷媒を加熱して冷媒蒸気を発生させる蒸発器と、冷媒蒸気を吸収して濃度が薄くなった吸収液を加熱し再生する再生器とを有する。そして、蒸発器及び再生器の加熱源としてそれぞれに熱源温水を供給するが、この熱源温水の温度が低い場合は吸収器で吸収溶液の温度があまり高くならないために、充分に過熱した被加熱媒体が得られないという問題があった。このような問題を解決した吸収ヒートポンプとして、複数段の再生器及び凝縮器を設け、高圧段再生器に高温の温水を導くと同時に低圧段再生器にはその段階に応じて低温の温水を導き低温温水の熱も回収するようにしたことにより、温度低下した熱源温水を再び低圧段の再生器に導いてその熱を回収利用し、従来棄てられていた温度レベルの熱エネルギーを回収することができる吸収ヒートポンプがある(例えば特許文献1参照)。
特公昭58−18575号公報(第1頁等)
しかしながら、特許文献1に記載された吸収ヒートポンプは、それまで棄てられていたおよそ100℃以下の比較的低温の温水を有効に利用しつつ温水公害を防止するという点に焦点があてられており、ヒートポンプで汲み上げた熱を多様な用途に利用可能な形態とすること、具体的には高圧蒸気として取り出すことは提案されていなかった。
本発明は上述の課題に鑑み、比較的低温の温水を有効に利用しつつヒートポンプの効率の向上及び昇温幅の拡大を実現して、被加熱媒体を多様な用途に利用可能な蒸気として取り出すことができる吸収ヒートポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1(a)に示すように、吸収液が冷媒蒸気を吸収して第1の被加熱媒体流路11を流れる被加熱媒体11Wを加熱する第1の吸収器A1と;第1の吸収器A1から導入した吸収液が冷媒蒸気を吸収して第2の被加熱媒体流路21を流れる被加熱媒体21Wを加熱する第2の吸収器A2と;第2の吸収器A2から冷媒蒸気を吸収した吸収液を導入し、再生熱媒体流路12(22)内を流れる第1の熱媒体12W(22W)で第2の吸収器A2から導入した吸収液を加熱して冷媒を蒸発させる再生器G1(G2)と;再生器G1(G2)で蒸発した冷媒蒸気を導入し、冷却媒体流路13(23)内を流れる冷却媒体13W(23W)で導入した冷媒蒸気を冷却して凝縮させる凝縮器C1(C2)と;凝縮器C1(C2)で凝縮した冷媒液を導入し、第1の蒸発熱媒体流路14内を流れる第2の熱媒体14Wで導入した冷媒液を加熱して第1の吸収器A1の吸収液に吸収される冷媒蒸気を発生させる第1の蒸発器E1と;凝縮器C1(C2)で凝縮した冷媒液を導入し、第2の蒸発熱媒体流路24内を流れる第2の熱媒体24Wで導入した冷媒液を加熱して第2の吸収器A2の吸収液に吸収される冷媒蒸気を発生させる第2の蒸発器E2とを備え;第1及び第2の被加熱媒体流路11、21同士、並びに第1及び第2の蒸発熱媒体流路14、24同士の少なくとも一方が直列に接続されている。ここで、第2の蒸発器E2が導入する冷媒液は、第1の蒸発器E1を経由して導入する場合でも凝縮器C1(C2)で凝縮した冷媒液である。
このように構成すると、第1及び第2の被加熱媒体流路同士、並びに第1及び第2の蒸発熱媒体流路同士の少なくとも一方が直列に接続されているので、吸収液のサイクルの濃度幅を拡大させることができ、吸収ヒートポンプの効率を向上させることができる。また、第1及び第2の被加熱媒体流路同士を直列に接続した場合は、被加熱媒体の昇温幅を拡大させることができ、被加熱媒体を蒸気として取り出すことが容易になる。
また、請求項2に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1(a)に示すように、請求項1に記載の吸収ヒートポンプ1において、再生器が、第1の再生熱媒体流路12内を流れる第1の熱媒体12Wで第2の吸収器A2から導入した吸収液を加熱して冷媒を蒸発させる第1の再生器G1と、第2の再生熱媒体流路22内を流れる第1の熱媒体22Wで第1の再生器G1から導入した吸収液を加熱して冷媒を蒸発させる第2の再生器G2とを含んで構成され;凝縮器が、第1の再生器G1で蒸発した冷媒蒸気を導入し、第1の冷却媒体流路13内を流れる冷却媒体13Wで導入した冷媒蒸気を冷却して凝縮させる第1の凝縮器C1と、第2の再生器G2で蒸発した冷媒蒸気を導入し、第2の冷却媒体流路23内を流れる冷却媒体23Wで導入した冷媒蒸気を冷却して凝縮させる第2の凝縮器C2とを含んで構成されており;第1の蒸発器E1が導入する冷媒液が第1の凝縮器C1で凝縮した冷媒液及び第2の凝縮器C2で凝縮した冷媒液の少なくとも一方で、かつ第2の蒸発器E2が導入する冷媒液が第1の凝縮器C1で凝縮した冷媒液及び第2の凝縮器C2で凝縮した冷媒液の少なくとも一方であり;第1及び第2の再生熱媒体流路12、22同士、並びに第1及び第2の冷却媒体流路13、23同士がそれぞれ接続されている。
このように構成すると、第1及び第2の再生熱媒体流路同士、並びに第1及び第2の冷却媒体流路同士がそれぞれ接続されているので、両方の再生熱媒体流路で第1の熱媒体の熱を利用することができる。
また、請求項3に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1(a)に示すように、請求項2に記載の吸収ヒートポンプ1において、第1及び第2の冷却媒体流路13、23同士並びに第1及び第2の蒸発熱媒体流路14、24同士が直列に、第1及び第2の被加熱媒体流路11、21同士並びに第1及び第2の再生熱媒体流路12、22同士が並列に接続され;第2の蒸発熱媒体流路24を流れた後の第2の熱媒体24wが第1の蒸発熱媒体流路14を流れ、第2の冷却媒体流路23を流れた後の冷却媒体23Wが第1の冷却媒体流路13を流れるように構成されている。
このように構成すると、第2の蒸発熱媒体流路を流れた後の第2の熱媒体が第1の蒸発熱媒体流路を流れ、第2の冷却媒体流路を流れた後の冷却媒体が第1の冷却媒体流路を流れるので、第1の蒸発器と第2の蒸発器との間に圧力差が生じ、かつ第1の再生器と第2の再生器との間に圧力差が生じて吸収液の濃度幅が拡大し、吸収ヒートポンプの効率を向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図2(a)に示すように、請求項2に記載の吸収ヒートポンプ1において、第1及び第2の被加熱媒体流路11、21同士、第1及び第2の再生熱媒体流路12、22同士、第1及び第2の冷却媒体流路13、23同士、並びに第1及び第2の蒸発熱媒体流路14、24同士が直列に接続され;第2の被加熱媒体流路21を流れた後の被加熱媒体21Wが第1の被加熱媒体流路11を流れ、第2の再生熱媒体流路22を流れた後の第1の熱媒体22Wが第1の再生熱媒体流路12を流れ、第1の冷却媒体流路13を流れた後の冷却媒体13Wが第2の冷却媒体流路23を流れ、第1の蒸発熱媒体流路14を流れた後の第2の熱媒体14Wが第2の蒸発熱媒体流路24を流れるように構成されている。
このように構成すると、第1の蒸発器と第2の蒸発器との間に圧力差及び温度差が生じ、かつ第1の再生器と第2の再生器との間に圧力差及び温度差が生じて、吸収液の濃度幅が拡大して吸収ヒートポンプの効率を向上させることができると共に、吸収液の温度差により被加熱媒体の昇温幅を拡大することができる。
本発明によれば、第1及び第2の被加熱媒体流路同士、並びに第1及び第2の蒸発熱媒体流路同士の少なくとも一方が直列に接続されているので、吸収液のサイクルの濃度幅を拡大させることができ、吸収ヒートポンプの効率を向上させることができる。また、第1及び第2の被加熱媒体流路同士を直列に接続した場合は、被加熱媒体の昇温幅を拡大させることができ、被加熱媒体を蒸気として取り出すことが容易になる。また、蒸発熱媒体流路同士、冷却媒体流路同士を直列に接続した場合は、第1の蒸発器と第2の蒸発器との間に圧力差が生じ、かつ第1の再生器と第2の再生器との間に圧力差が生じて吸収液の濃度幅が拡大し、吸収ヒートポンプの効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似符号を付し、重複した説明は省略する。
なお、以下に説明する吸収ヒートポンプの作動媒体としては、吸収剤と冷媒の組み合わせが用いられる。以下に説明する実施の形態では、各種吸収ヒートポンプで現在最も広く用いられている、臭化リチウム(LiBr)を吸収剤として使用し、水を冷媒として使用する。しかしながらこれに限らず、例えば水を吸収剤とし、アンモニアを冷媒として使用してもよい。
(第1の実施の形態)
図1(a)のフロー図を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1の構成を説明する。
吸収ヒートポンプ1は、第1の蒸発器E1で蒸発した冷媒を吸収する第1の吸収器A1と、第2の蒸発器E2で蒸発した冷媒を吸収する第2の吸収器A2と、第2の吸収器A2から送られる吸収液(吸収剤と冷媒の混合物、以下適宜「溶液」とも呼ぶ)を加熱して冷媒蒸気を発生させる第1の再生器G1と、第1の再生器G1から導入した吸収液をさらに加熱して冷媒蒸気を発生させる第2の再生器G2と、第1の再生器G1で発生した冷媒蒸気を冷却して凝縮する第1の凝縮器C1と、第2の再生器G2で発生した冷媒蒸気を冷却して凝縮する第2の凝縮器C2と、第1の凝縮器C1と第2の凝縮器C2の少なくとも一方から送られる冷媒液を蒸発させて冷媒蒸気を発生させる第1の蒸発器E1と、第1の凝縮器C1と第2の凝縮器C2の少なくとも一方から送られる冷媒液を蒸発させて冷媒蒸気を発生させる第2の蒸発器E2とを備えている。
第1の吸収器A1は、伝熱部として第1の被加熱媒体流路としての被加熱流体管11を有している。第1の吸収器A1は、その内部に吸収液であるLiBr水溶液が散布され、LiBr水溶液が水蒸気を吸収する際に吸収熱が発生するように構成されている。この吸収熱により、被加熱流体管11を流れる被加熱媒体、具体的には給水11Wが昇温して高温水あるいは蒸気になるように構成されている。吸収器A1の下部には散布されたLiBr水溶液が貯留されるが、被加熱流体管11はLiBr水溶液に没入しない。このようにすると、被加熱流体管11の表面に濡れ広がったLiBr水溶液に水蒸気が吸収されるようになるため、LiBr水溶液と水蒸気の接触面積が大きくできるとともに、発生した吸収熱が被加熱流体管11を流れる給水11Wに速やかに伝わり、吸収能力の回復を早めることができる。
第2の吸収器A2は、伝熱部として第2の被加熱媒体流路としての被加熱流体管21を有している。また、第2の吸収器A2は、第1の吸収器A1と吸収器配管31で接続されている。第2の吸収器A2は、吸収器配管31を介して第1の吸収器A1で水蒸気を吸収したLiBr水溶液を重力により導入し、第2の吸収器A2内でLiBr水溶液が散布されて、LiBr水溶液が水蒸気を吸収する際に吸収熱が発生するように構成されている。この吸収熱により、被加熱流体管21を流れる被加熱媒体、具体的には給水21Wが昇温して高温水あるいは蒸気になるように構成されている。吸収器A2の下部には散布されたLiBr水溶液が貯留されるが、被加熱流体管21はLiBr水溶液に没入しない。このようにすると、発生した吸収熱が被加熱流体管21を流れる給水21Wに速やかに伝わり、吸収能力の回復を早めることができる。
第1の再生器G1は、伝熱部として第1の再生熱媒体流路としての再生熱源温水管12を有している。再生熱源温水管12には、第1の熱媒体として、典型的には温水12Wが流れる。第1の再生器G1は、第2の吸収器A2と希溶液配管32で接続されている。第1の再生器G1は、希溶液配管32を介して、第2の吸収器A2で水蒸気を吸収して濃度が薄くなったLiBr水溶液を重力および圧力差により導き、温水12Wの熱により水分を蒸発させて高濃度のLiBr水溶液に再生することができるように構成されている。再生熱源温水管12はLiBr水溶液に浸っており、LiBr水溶液を直接加熱している。
第2の再生器G2は、伝熱部として第2の再生熱媒体流路としての再生熱源温水管22を有している。再生熱源温水管22には、第1の熱媒体として、典型的には温水22Wが流れる。第2の再生器G2は、第1の再生器G1と再生器配管33で接続されている。第2の再生器G2は、第1の再生器G1で水分を蒸発させて濃度が濃くなったLiBr水溶液を再生器配管33を介して重力および圧力差により導き、温水22Wの熱によりさらに水分を蒸発させてより高濃度のLiBr水溶液に再生することができるように構成されている。再生熱源温水管22はLiBr水溶液に浸っており、LiBr水溶液を直接加熱している。第2の再生器G2と第1の吸収器A1とは濃溶液配管34で接続されており、第2の再生器G2で高濃度に再生されたLiBr水溶液が、濃溶液配管34に配設された溶液ポンプ16で第1の吸収器A1に圧送されるように構成されている。
希溶液配管32及び濃溶液配管34には溶液熱交換器15が配設されている。溶液熱交換器15は、第2の吸収器A2から第1の再生器G1へ流れる高温低濃度のLiBr水溶液と、第2の再生器G2から第1の吸収器A1へ圧送される低温高濃度のLiBr水溶液との間で熱交換を行なわせる機器である。溶液熱交換器15は、典型的にはプレート型熱交換器が用いられるがシェルアンドチューブ型やその他の熱交換器を用いてもよい。
第1の凝縮器C1は、伝熱部として第1の冷却媒体流路としての冷却水管13を有している。冷却水管13には、冷却媒体としての冷却水13Wが流れる。第1の凝縮器C1は、第1の再生器G1で発生した水蒸気を導入し、これを冷却水13Wで冷却して凝縮させるように構成されている。冷却水管13は、水蒸気を直接冷却することができるように、凝縮水に浸らないように配設されている。
第2の凝縮器C2は、伝熱部として第2の冷却媒体流路としての冷却水管23を有している。冷却水管23には、冷却媒体としての冷却水23Wが流れる。第2の凝縮器C2は、第2の再生器G2で発生した水蒸気を導入し、これを冷却水23Wで冷却して凝縮させるように構成されている。冷却水管23は、水蒸気を直接冷却することができるように、凝縮水に浸らないように配設されている。また、第2の凝縮器C2は、第1の凝縮器C1と凝縮器配管35で接続されており、第1の凝縮器C1の凝縮水を第2の凝縮器C2に重力により導入することができるように構成されている。また、第2の凝縮器C2には凝縮した凝縮水を第1の蒸発器E1に送る冷媒配管36が接続されている。冷媒配管36には、凝縮水を第1の蒸発器E1に圧送するための冷媒ポンプ17が配設されている。第1の凝縮器C1の凝縮水を第2の凝縮器C2に導入することにより、凝縮水を第1の蒸発器E1に圧送する冷媒ポンプ17及び冷媒配管36を共用にすることができ、部材数を削減することができる。
第1の蒸発器E1は、伝熱部として第1の蒸発熱媒体流路としての蒸発熱源温水管14を有している。蒸発熱源温水管14には、蒸発熱媒体として、典型的には温水14Wが流れる。第1の蒸発器E1は、第2の凝縮器C2と冷媒配管36で接続されている。第1の蒸発器E1は、第2の凝縮器C2から凝縮水を導き入れ、温水14Wの熱により蒸発させて水蒸気を発生させることができるように構成されている。蒸発熱源温水管14は、導入した凝縮水を蒸発熱源温水管14にスプレーするため、凝縮水に浸らないように配設されている。このようにすると、蒸発熱源温水管14の表面に接触した凝縮水が次々に蒸発し、水蒸気の発生が促進される。
第2の蒸発器E2は、伝熱部として第2の蒸発熱媒体流路としての蒸発熱源温水管24を有している。蒸発熱源温水管24には、蒸発熱媒体として、典型的には温水24Wが流れる。第2の蒸発器E2は、第1の蒸発器E1と蒸発器配管37で接続されている。第2の蒸発器E2は、蒸発器配管37を介して第1の蒸発器E1から凝縮水を重力により導き入れ、温水24Wの熱により蒸発させて水蒸気を発生させることができるように構成されている。蒸発熱源温水管24は、第2の蒸発器E2内に溜まった凝縮水を加熱するように、凝縮水に浸っている。このようにすると、第2の蒸発器E2内に溜まった凝縮水を再び第1及び/又は第2の蒸発器に散布するための循環ポンプが不要になる。
被加熱流体管11は、被加熱流体管21と接続されている。本実施の形態では、被加熱流体管11の入口側と被加熱流体管21の入口側とが接続されており、被加熱流体管11の出口側と被加熱流体管21の出口側とが接続されている。すなわち、被加熱流体管11と被加熱流体管21とは並列に接続されている。
再生熱源温水管12は、再生熱源温水管22と接続されている。本実施の形態では、再生熱源温水管12の入口側と再生熱源温水管22の入口側とが接続されており、再生熱源温水管12の出口側と再生熱源温水管22の出口側とが接続されている。すなわち、再生熱源温水管12と再生熱源温水管22とは並列に接続されている。
冷却水管13は、冷却水管23と接続されている。本実施の形態では、冷却水管23の出口側と冷却水管13の入口側とが接続されている。すなわち、冷却水管23と冷却水管13とは直列に接続されている。
蒸発熱源温水管14は、蒸発熱源温水管24と接続されている。本実施の形態では、蒸発熱源温水管24の出口側と蒸発熱源温水管14の入口側とが接続されている。すなわち、蒸発熱源温水管24と蒸発熱源温水管14とは直列に接続されている。
被加熱流体管11、21を流れる給水11W、21W、再生熱源温水管12、22を流れる温水12W、22W、冷却水管13、23を流れる冷却水13W、23W、蒸発熱源温水管14、24を流れる温水14W、24Wは、それぞれ不図示のポンプにて供給される。なお、温水12W、22W及び温水14W、24Wには、同一の温水を分配してもよく、蒸発熱源温水管と再生熱源温水管とを直列に接続してどちらか一方の管を流れた温水を他方の管に導入するようにしてもよい。
引き続き図1(a)のフロー図を参照して、第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1のサイクルについて説明する。
第1の吸収器A1に散布されたLiBr水溶液は、第1の蒸発器E1で発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。この吸収熱で被加熱流体管11内を流れる給水11Wが加熱されて飽和蒸気となる。水蒸気を吸収したLiBr水溶液は、吸収器配管31を介して第2の吸収器A2に導かれ、第2の吸収器A2に散布される。第2の吸収器A2に散布されたLiBr水溶液は、第2の蒸発器E2で発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。この吸収熱で被加熱流体管21内を流れる給水21Wが加熱されて飽和蒸気となる。
第2の吸収器A2で水蒸気を吸収して濃度が低くなったLiBr水溶液は、希溶液配管32を通って第1の再生器G1に導入される。濃度が低くなったLiBr水溶液は、第1の再生器G1に導入される途中の溶液熱交換器15で高濃度LiBr水溶液と熱交換して温度が低下する。第1の再生器G1に導入された濃度が低くなったLiBr水溶液は、再生熱源温水管12を流れる温水12Wの熱により加熱され、水蒸気を発生して濃縮される。第1の再生器G1で水蒸気を発生して濃縮されたLiBr水溶液は、再生器配管33を介して第2の再生器G2に導かれ、第2の再生器G2に散布される。第2の再生器G2に散布されたLiBr水溶液は、再生熱源温水管22を流れる温水22Wの熱により加熱され、水蒸気を発生して濃縮されて濃溶液となる。
第2の再生器G2で濃溶液となったLiBr水溶液は、濃溶液配管34内を溶液ポンプ16により圧送されて第1の吸収器A1に導かれる。高濃度となったLiBr水溶液は、第1の吸収器A1に導入される途中の溶液熱交換器15で低濃度のLiBr水溶液と熱交換して温度が上昇する。第1の吸収器A1に導入された高濃度LiBr水溶液は第1の吸収器A1内に散布され、第1の蒸発器E1で発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。このように溶液サイクルが一巡し、以下同様の溶液サイクルが繰り返される。
他方、第1の再生器G1で発生した水蒸気は第1の凝縮器C1に導かれ、冷却水管13を流れる冷却水13Wにより冷やされて凝縮し、冷媒液となる。また、第2の再生器G2で発生した水蒸気は第2の凝縮器C2に導かれ、冷却水管23を流れる冷却水23Wにより冷やされて凝縮し、冷媒液となる。第1の凝縮器C1で凝縮された冷媒液は、凝縮器配管35を介して第2の凝縮器C2に導かれる。第2の凝縮器C2に集まった冷媒液は、冷媒配管36内を冷媒ポンプ17により圧送されて第1の蒸発器E1に導入される。
第1の蒸発器E1に導入された冷媒液は散布され、蒸発熱源温水管14内を流れる温水14Wの熱により蒸発して水蒸気となる。第1の蒸発器E1で発生した水蒸気は、第1の吸収器A1の吸収液であるLiBr水溶液に吸収される。第1の蒸発器E1に散布された冷媒液で水蒸気とならなかった冷媒液は、蒸発器配管37を介して第2の蒸発器E2に導かれる。第2の蒸発器E2に導かれた冷媒液は散布され、蒸発熱源温水管24内を流れる温水24Wの熱により蒸発して水蒸気となる。第2の蒸発器E2で発生した水蒸気は、第2の吸収器A2のLiBr水溶液に吸収される。LiBr水溶液に吸収された冷媒は、LiBr水溶液と共に第1及び第2の再生器G1、G2へ導かれて水蒸気となり、第1及び第2の凝縮器C1、C2に導かれる。このように冷媒サイクルが一巡し、以下同様の冷媒サイクルが繰り返される。
以上が溶液と冷媒のサイクルである。このように、再生器と蒸発器に温水を供給し、凝縮器に冷却水を供給することにより、吸収器で熱を取り出すことができる。吸収器で取り出すことができる熱で給水を加熱し、高温水や蒸気等を生成することができる。
次に図1(b)のデューリング線図を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1の作用を説明する。
デューリング線図とは、飽和圧力と溶液(LiBr水溶液)の温度との関係を表したもので、縦軸に飽和圧力を、横軸に溶液温度をとっている。右上がりの線は溶液の等濃度線を表し、右に行くほど高濃度、左に行くほど低濃度となり、図中の原点を通る右上がりの線は溶液濃度0%(すなわち冷媒のみ)の線である。なお、本図では縦軸にその点の圧力に対応する冷媒(水)の露点温度を表示している。蒸発器における蒸発温度及び凝縮器における凝縮温度を把握しやすくするためである。他のデューリング線図も同様である。
冷却水は、最初に冷却水管23を通って凝縮熱により温度が上昇した後に冷却水管13に入る。したがって、第2の凝縮器C2の温度の方が第1の凝縮器C1の温度よりも低くなる。すなわち、露点温度(圧力)も第2の凝縮器C2(TC2)の方が第1の凝縮器C1(TC1)よりも低くなる。また、水蒸気の移動がある第1の凝縮器C1と第1の再生器G1、及び第2の凝縮器C2と第2の再生器G2は、それぞれ圧力が同じになる。他方、第1の再生器G1に供給される温水12W、第2の再生器G2に供給される温水22Wは、再生熱源温水管12、22同士が並列に接続されているのでほぼ同じ温度(TG1、TG2)になる。第1の再生器G1と第2の再生器G2とは、温度がほぼ同じで圧力が異なるため、吸収液の濃度が異なり濃度幅が大きくなる。
また、第1の蒸発器E1に供給される温水及び第2の蒸発器E2に供給される温水は、最初に蒸発熱源温水管24を通って水蒸気に潜熱を奪われて温度が下がった後に蒸発熱源温水管14に入る。したがって、第2の蒸発器E2の温度の方が第1の蒸発器E1の温度よりも高くなる。すなわち、露点温度(圧力)も第2の蒸発器E2(TE2)の方が第1の蒸発器E1(TE1)よりも高くなる。また、水蒸気の移動がある第1の蒸発器E1と第1の吸収器A1、及び第2の蒸発器E2と第2の吸収器A2は、それぞれ圧力が同じになる。他方、第1の吸収器A1に供給される給水11W、第2の吸収器A1に供給される給水21Wは、被加熱流体管11、21同士が並列に接続されているのでほぼ同じ温度になる。第1の吸収器A1と第2の吸収器A2とは、温度がほぼ同じ(TA1、TA2)で圧力が異なるため、吸収液の濃度が異なり濃度幅が大きくなる。
以上に説明した第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1について、具体的な温度条件を例示して説明する。なお、ここに示す例は、蒸発熱源温水管24、14を流れた温水が再生熱源温水管12、22に導入されるものとして説明する。
冷却水管23に導入される約30℃の冷却水は、凝縮熱により約33℃に上昇して冷却水管13に入り、凝縮熱によりさらに温度が上昇して約36℃となる。このとき、第2の凝縮器C2は約34℃、第1の凝縮器C1は約37℃となる。再生熱源温水管12、22に導入される約84℃の温水は、第1及び第2の再生器G1、G2内のLiBr水溶液中の水分を蒸発させて温度が下がり約78℃となる。再生熱源温水管12、22が並列に接続されているので、第1及び第2の再生器G1、G2は、ほぼ同じ温度である約80℃となる。ただし、第1及び第2の再生器G1、G2は、圧力が異なっているため溶液濃度が異なっている。蒸発熱源温水管24に導入される約90℃の温水は、冷媒液(水)を蒸発させて約87℃に下がった後に蒸発熱源温水管14に入り、さらに蒸発潜熱を奪われて約84℃となる。このとき、第2の蒸発器E2は約86℃、第1の蒸発器E1は約83℃となる。被加熱流体管11、21に導入される約20℃の給水は、第1及び第2の吸収器A1、A2内のLiBr水溶液が水蒸気を吸収する際の吸収熱で温度が上昇して約135℃の蒸気となる。被加熱流体管11、21が並列に接続されているので、第1及び第2の吸収器A1、A2は、ほぼ同じ温度である約136℃となる。
このように本実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1は、一般的な単段の吸収ヒートポンプを同じ温度条件で運転した場合に比べて溶液の濃度幅が大きくなるためサイクルの効率(COP)を向上させることができる。また、冷却水流路13、23を直列に接続したことにより、第1の凝縮器C1では低温の冷却水を有効に利用できる。低温の冷却水を利用可能な本吸収ヒートポンプ1は、冷却水を大温度差にすることができ、これに伴って循環ポンプを小型化することができ省電力に資することとなる。同様に、蒸発熱源温水管14、24を直列に接続したことにより、第1及び第2の蒸発器E1、E2で利用する熱源としての温水の利用可能な温度差を大きくすることができる。温水の利用可能な温度差が大きくなると循環温水量を少なくすることができ、これに伴って循環ポンプを小型化することができ省電力に資することとなる。
(第2の実施の形態)
次に図2(a)のフロー図を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2の構成を説明する。
本実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2は、第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1と比較して、被加熱流体管11、21、再生熱源温水管12、22、冷却水管13、23及び蒸発熱源温水管14、24の接続のし方が異なっている。
本実施の形態の被加熱流体管11、21の接続関係は、被加熱流体管21の出口側が被加熱流体管11の入口側と接続されている。すなわち、被加熱流体管21と被加熱流体管11とは直列に接続されている。再生熱源温水管12、22は、再生熱源温水管22の出口側が再生熱源温水管12の入口側と接続されている。すなわち、再生熱源温水管22と再生熱源温水管12とは直列に接続されている。冷却水管13、23は、冷却水管13の出口側が冷却水管23の入口側と接続されている。すなわち、冷却水管13と冷却水管23とは直列に接続されている。蒸発熱源温水管14、24は、蒸発熱源温水管14の出口側が蒸発熱源温水管24の入口側と接続されている。すなわち、蒸発熱源温水管14と蒸発熱源温水管24とは直列に接続されている。
被加熱流体管11、21を流れる給水11W、21W、再生熱源温水管12、22を流れる温水12W、22W、冷却水管13、23を流れる冷却水13W、23W、蒸発熱源温水管14、24を流れる温水14W、24Wは、それぞれ不図示のポンプにて供給される。なお、温水12W、22W及び温水14W、24Wには、同一の温水を分配してもよく、蒸発熱源温水管と再生熱源温水管とを直列に接続してどちらか一方の管を流れた温水を他方の管に導入するようにしてもよい。
ここで図2(b)のデューリング線図を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2の作用を説明する。
冷却水は、最初に冷却水管13を通って凝縮熱により温度が上昇した後に冷却水管23に入る。したがって、第1の凝縮器C1の温度の方が第2の凝縮器C2の温度よりも低くなる。すなわち、露点温度(圧力)も第1の凝縮器C1(TC1)の方が第2の凝縮器C2(TC2)よりも低くなる。冷却水管13、23を直列に接続すると冷却水を大温度差にすることができ、これに伴って循環ポンプを小型化することができ省電力に資することとなる。また、水蒸気の移動がある第1の凝縮器C1と第1の再生器G1、及び第2の凝縮器C2と第2の再生器G2は、それぞれ圧力が同じになる。第1の再生器G1及び第2の再生器G2に供給される温水は、最初に再生熱源温水管22を通って吸収液中の水分を蒸発させて温度が低下した後に再生熱源温水管12に入る。したがって、第2の再生器G2の温度(TG2)の方が第1の再生器G1の温度(TG1)よりも高くなる。この両再生器G1、G2の温度差に圧力差が加わって、両再生器G1、G2の温度差を大きく取ることができる。第1の再生器G1及び第2の再生器G2に供給する温水を大温度差にすると温水流量を少なくすることができ、搬送動力削減に伴う省電力に資することとなる。
また、第1の蒸発器E1に供給される温水及び第2の蒸発器E2に供給される温水は、最初に蒸発熱源温水管14を通って水蒸気に潜熱を奪われて温度が下がった後に蒸発熱源温水管24に入る。したがって、第1の蒸発器E1の温度の方が第2の蒸発器E2の温度よりも高くなる。すなわち、露点温度(圧力)も第1の蒸発器E1(TE1)の方が第2の蒸発器E2(TE2)よりも高くなる。蒸発熱源温水管14、24を直列に接続すると温水の利用可能な温度差が大きくなって循環温水量を少なくすることができ、これに伴って循環ポンプを小型化することができ省電力に資することとなる。また、水蒸気の移動がある第1の蒸発器E1と第1の吸収器A1、及び第2の蒸発器E2と第2の吸収器A2は、それぞれ圧力が同じになる。他方、第1の吸収器A1、第2の吸収器A2に供給される給水は、最初に被加熱流体管21を通って吸収液が水蒸気を吸収する際の吸収熱により加熱され飽和蒸気となった後に被加熱流体管11に入る。したがって、第2の吸収器A2の温度よりも第1の吸収器A1の温度の方が高くなる。この両吸収器A1、A2の温度差に圧力(露点温度)差が加わって、両吸収器A1、A2の温度差(TA1−TA2)を大きく取ることができる。これにより、第2の吸収器A2で生成された被加熱流体管21を流れる飽和蒸気は、被加熱流体管11でさらに吸収熱を得て過熱蒸気となる。このように、両吸収器A1、A2の温度差を大きく取れるので、容易に過熱蒸気を得ることができる。
ここで第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2についても、具体的な温度条件を例示して説明する。なお、ここに示す例は、蒸発熱源温水管14、24を流れた温水が再生熱源温水管22、12に導入されるものとして説明する。
冷却水管13に導入される約30℃の冷却水は、凝縮熱により約33℃に上昇して冷却水管23に入り、凝縮熱によりさらに温度が上昇して約36℃となる。このとき、第1の凝縮器C1は約34℃、第2の凝縮器C2は約37℃となる。再生熱源温水管22に導入される約84℃の温水は、第2の再生器G2内のLiBr水溶液中の水分を蒸発させて温度が下がり約81℃となる。温度が低下した温水は、次に再生熱源温水管12に入って第1の再生器G1内のLiBr水溶液中の水分に蒸発潜熱を奪われて約78℃となる。このとき第2の再生器G2は約80℃、第1の再生器G1は約77℃となる。蒸発熱源温水管14に導入される約90℃の温水は、冷媒液(水)を蒸発させて約87℃に下がった後に蒸発熱源温水管24に入り、さらに蒸発潜熱を奪われて約84℃となる。このとき、第1の蒸発器E1は約86℃、第2の蒸発器E2は約83℃となる。被加熱流体管21に導入される約20℃の給水は、第2の吸収器A2内のLiBr水溶液が水蒸気を吸収する際の吸収熱で温度が上昇して約133℃の飽和蒸気となる。飽和蒸気は次に被加熱流体管11に入って第1の吸収器A1内のLiBr水溶液が水蒸気を吸収する際の吸収熱で温度が上昇して約137℃の過熱蒸気となる。このとき第2の吸収器A2は約134℃、第1の吸収器A1は約138℃となる。
次に図3のフロー図を参照して、第2の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプ2’について説明する。
第2の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプ2’は、第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2と比べて、被加熱媒体熱交換器18、冷媒熱交換器19、凝縮予熱器28及び蒸発予熱器29が付加されている。第1及び第2の吸収器A1、A2、第1及び第2の再生器G1、G2、第1及び第2の凝縮器C1、C2、第1及び第2の蒸発器E1、E2の構成と作用、並びに被加熱流体管11、21、再生熱源温水管12、22、冷却水管13、23及び蒸発熱源温水管14、24の接続関係は、第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2と同様である。
ただし、被加熱流体管21の入口側は、第2の蒸発器E2と第1の凝縮器C1の内部を通っており、第2の蒸発器E2と第1の凝縮器C1の間の被加熱流体管51に被加熱媒体熱交換器18が配設されている。被加熱媒体熱交換器18は、被加熱流体管51と溶液熱交換器15の下流側の希溶液配管32に配設されており、被加熱流体管51を流れる給水と希溶液配管32を流れるLiBr水溶液との間で熱交換が行われる。なお、被加熱流体管51を流れる給水が希溶液配管32を流れるLiBr水溶液によって加熱される。
被加熱流体管51を流れる給水は、被加熱媒体熱交換器18の上流側の第1の凝縮器C1内に配設された凝縮予熱器28で予熱される。給水は、凝縮予熱器28を介して、第1の凝縮器C1で水蒸気が凝縮する際に発生する凝縮熱により予熱される。給水は、被加熱媒体熱交換器18の下流側の第2の蒸発器E2内に配設された蒸発予熱器29でも予熱される。給水は、蒸発予熱器29を介して、第2の蒸発器E2で蒸発した水蒸気が保有する熱により予熱される。
他方、蒸発熱源温水管24の出口側には冷媒熱交換器19が配設されている。冷媒熱交換器19は、蒸発熱源温水管24と冷媒配管36に配設されており、蒸発熱源温水管24を流れる温水と冷媒配管36を流れる冷媒液との間で熱交換が行われる。なお、冷媒配管36を流れる冷媒液が蒸発熱源温水管24を流れる温水によって加熱される。
以上説明したように、第2の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプ2’によれば、給水及び冷媒によって熱回収をすることができ、吸収ヒートポンプの効率を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
図4(a)のフロー図を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ3の構成について説明する。
吸収ヒートポンプ3は、いわゆる多段吸収ヒートポンプであり、第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1及び第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2と比べて、第1の吸収器A1が第1の高圧吸収器A1Hと第1の低圧吸収器A1Lとに、第2の吸収器A2が第2の高圧吸収器A2Hと第2の低圧吸収器A2Lとにそれぞれ分かれている。また、第1の蒸発器E1が第1の高圧蒸発器E1Hと第1の低圧蒸発器E1Lとに、第2の蒸発器E2が第2の高圧蒸発器E2Hと第2の低圧蒸発器E2Lとにそれぞれ分かれている。
また、濃溶液配管34は、低圧溶液熱交換器15Lの下流側で高圧濃溶液配管34Hと低圧濃溶液配管34Lとに分岐している。高圧濃溶液配管34Hは途中に高圧溶液熱交換器15Hを介して第1の高圧吸収器A1Hに接続されており、低圧濃溶液配管34Lは第1の低圧吸収器A1Lに接続されている。第1の高圧吸収器A1Hにおいて第1の高圧蒸発器E1Hで発生した水蒸気を吸収したLiBr水溶液は、第2の高圧吸収器A2Hに導かれて第2の高圧蒸発器E2Hで発生した水蒸気を吸収する。第1の低圧吸収器A1Lにおいて第1の低圧蒸発器E1Lで発生した水蒸気を吸収したLiBr水溶液は、第2の低圧吸収器A2Lに導かれて第2の低圧蒸発器E2Lで発生した水蒸気を吸収する。
高圧溶液熱交換器15Hは、高圧濃溶液配管34Hを流れる吸収液と、高圧希溶液配管32Hを流れる水蒸気を吸収した吸収液との間で熱交換を行なうように構成されている。低圧溶液熱交換器15Lは、高圧溶液熱交換器15Hを出た吸収液と第2の低圧吸収器A2Lから導出された吸収液とが合流した希溶液配管32を流れる吸収液と、濃溶液配管34を流れる吸収液との間で熱交換を行なうように構成されている。
冷媒配管36は、第1の低圧蒸発器E1Lに至る途中で、第1の蒸発器流路114と第2の蒸発器流路124の分岐を有している。第1の蒸発器流路114は、第1の低圧吸収器A1L内を通って第1の高圧吸収器A1Hに接続されている。第2の蒸発器流路124は、第2の低圧吸収器A2L内を通って第2の高圧吸収器A2Hに接続されている。第1の低圧吸収器A1L内の第1の蒸発器流路114が第1の高圧蒸発器E1Hを兼ねており、第2の低圧吸収器A2L内の第2の蒸発器流路124が第2の高圧蒸発器E2Hを兼ねている。第1の低圧吸収器A1Lの上流側の第1の蒸発器流路114には、第1の高圧蒸発器E1Hへ導入する凝縮水量を調整する、絞り機構としての調整可能な弁114Vが設けられている。第2の低圧吸収器A2Lの上流側の第2の蒸発器流路124には、第2の高圧蒸発器E2Hへ導入する凝縮水量を調整する、絞り機構としての流量可変の弁124Vが設けられている。第1及び第2の高圧蒸発器E1H、E2Hへ導入する凝縮水量を調整する絞り機構は、流量可変の弁に限らずオリフィスあるいは流路自体の抵抗等によって構成してもよい。第1の低圧蒸発器E1Lで蒸発しなかった冷媒液は第2の低圧蒸発器E2Lに導かれるが、第1の高圧蒸発器E1Hを兼ねる第1の蒸発器流路114と、第2の高圧蒸発器E2Hを兼ねる第2の蒸発器流路124との間の冷媒の往来はない。
被加熱流体管11は第1の高圧吸収器A1Hに設けられ、被加熱流体管21は第2の高圧吸収器A2Hに設けられている。蒸発熱源温水管14は第1の低圧蒸発器E1Lに設けられ、蒸発熱源温水管24は第2の低圧蒸発器E2Lに設けられている。その他の、第1及び第2の再生器G1、G2の構成及び作用、並びに第1及び第2の凝縮器C1、C2の構成及び作用は、前述の吸収ヒートポンプ1、2と同様である。
なお、本実施の形態は再生熱源温水管12、22が並列に接続されており、被加熱流体管11、21、冷却水管13、23、蒸発熱源温水管14、24が直列に接続されている。
本実施の形態に係る吸収ヒートポンプ3の溶液及び冷媒のサイクルを以下に説明する。第1の高圧吸収器A1Hに散布されたLiBr水溶液は、第1の高圧蒸発器E1Hで発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。水蒸気を吸収したLiBr水溶液は、高圧吸収器配管31Hを介して重力及び圧力差により第2の高圧吸収器A2Hに導かれ、第2の高圧吸収器A2Hに散布される。第2の高圧吸収器A2Hに散布されたLiBr水溶液は、第2の高圧蒸発器E2Hで発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。なお、先に被加熱流体管21に導入される給水21Wが第2の高圧吸収器A2Hで発生した熱により飽和蒸気となり、次いで被加熱流体管11内に導入された飽和蒸気11Wが第1の高圧吸収器A1Hで発生した熱により加熱されて過熱蒸気となる。
他方、第1の低圧吸収器A1Lに散布されたLiBr水溶液は、第1の低圧蒸発器E1Lで発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。この吸収熱で第1の蒸発器流路114内を流れる冷媒液が加熱され蒸発する。水蒸気を吸収したLiBr水溶液は、低圧吸収器配管31Lを介して重力及び圧力差により第2の低圧吸収器A2Lに導かれ、第2の低圧吸収器A2Lに散布される。第2の低圧吸収器A2Lに散布されたLiBr水溶液は、第2の低圧蒸発器E2Lで発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。この吸収熱で第2の蒸発器流路124内を流れる冷媒液が加熱され蒸発する。
第2の高圧吸収器A2Hで水蒸気を吸収して濃度が低くなったLiBr水溶液は、高圧希溶液配管32Hを通って高圧溶液熱交換器15Hに入り温度が低下する。高圧溶液熱交換器15Hを出たLiBr水溶液は、第2の低圧吸収器A2Lで水蒸気を吸収して濃度が低くなったLiBr水溶液と合流し、低圧溶液熱交換器15Lで温度が低下した後に第1の再生器G1に導入される。第1の再生器G1に導入された濃度が低くなったLiBr水溶液は、再生熱源温水管12を流れる温水12Wの熱により加熱され、水蒸気を発生して濃縮される。第1の再生器G1で水蒸気を発生して濃縮されたLiBr水溶液は、再生器配管33を介して重力及び圧力差により第2の再生器G2に導かれ、第2の再生器G2に散布される。第2の再生器G2に散布されたLiBr水溶液は、再生熱源温水管22を流れる温水22Wの熱により加熱され、水蒸気を発生して濃縮されて濃溶液となる。
第2の再生器G2で濃溶液となったLiBr水溶液は、濃溶液配管34内を溶液ポンプ16により圧送され、低圧溶液熱交換器15Lで温度が上昇した後に、高圧濃溶液配管34Hと低圧濃溶液配管34Lとに分岐される。高圧濃溶液配管34H内のLiBr水溶液は、高圧溶液熱交換器15Hで温度がさらに上昇した後、第1の高圧吸収器A1Hに導かれる。第1の高圧吸収器A1Hに導入された高濃度LiBr水溶液は第1の高圧吸収器A1H内に散布され、第1の高圧蒸発器E1H(第1の蒸発器流路114)で発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。他方、低圧濃溶液配管34L内のLiBr水溶液は、第1の低圧吸収器A1Lに導かれる。第1の低圧吸収器A1Lに導入された高濃度LiBr水溶液は第1の低圧吸収器A1L内に散布され、第1の低圧蒸発器E1Lで発生した水蒸気を吸収して吸収熱が発生する。このように溶液サイクルが一巡し、以下同様の溶液サイクルが繰り返される。
冷媒のサイクルを説明すると、第1の再生器G1で発生した水蒸気は第1の凝縮器C1に導かれ、冷却水管13を流れる冷却水13Wにより冷やされて凝縮し、冷媒液となる。また、第2の再生器G2で発生した水蒸気は第2の凝縮器C2に導かれ、冷却水管23を流れる冷却水23Wにより冷やされて凝縮し、冷媒液となる。第1の凝縮器C1で凝縮された冷媒液は、凝縮器配管35を介して重力及び圧力差により第2の凝縮器C2に導かれる。第2の凝縮器C2に集まった冷媒液は、冷媒配管36内を冷媒ポンプ17により圧送されて第1の低圧蒸発器E1L、並びに第1の蒸発器流路114(第1の高圧蒸発器E1H)及び第2の蒸発器流路124(第2の高圧蒸発器E2H)に導かれる。
第1の低圧蒸発器E1Lに導かれた冷媒液は散布され、蒸発熱源温水管14内を流れる温水14Wの熱により蒸発して水蒸気となる。第1の低圧蒸発器E1Lで発生した水蒸気は、第1の低圧吸収器A1Lの吸収液であるLiBr水溶液に吸収される。第1の低圧蒸発器E1Lに散布された冷媒液で水蒸気とならなかった冷媒液は、蒸発器配管37を介して重力及び圧力差により第2の低圧蒸発器E2Lに導かれる。第2の低圧蒸発器E2Lに導かれた冷媒液は散布され、蒸発熱源温水管24内を流れる温水24Wの熱により蒸発して水蒸気となる。第2の低圧蒸発器E2Lで発生した水蒸気は、第2の低圧吸収器A2LのLiBr水溶液に吸収される。
第1の蒸発器流路114に導かれた冷媒液は、第1の低圧吸収器A1L内にて吸収熱を受熱して加熱され、蒸発して水蒸気となる。第1の蒸発器流路114で発生した水蒸気は、第1の高圧吸収器A1Hの吸収液であるLiBr水溶液に吸収される。第2の蒸発器流路124に導かれた冷媒液は、第2の低圧吸収器A2L内にて吸収熱を受熱して加熱され、蒸発して水蒸気となる。第2の蒸発器流路124で発生した水蒸気は、第2の高圧吸収器A2Hの吸収液であるLiBr水溶液に吸収される。
LiBr水溶液に吸収された冷媒は、LiBr水溶液と共に再生器G1、G2へ導かれて水蒸気となり、凝縮器C1、C2に導かれる。このように冷媒サイクルが一巡し、以下同様の冷媒サイクルが繰り返される。
このように、吸収ヒートポンプのサイクルを多段にすることにより、同じ温度の熱源からより高温の熱を作り出すことができる。
次に図4(b)のデューリング線図を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ3の作用を説明する。
第1及び第2の再生器G1、G2並びに第1及び第2の凝縮器C1、C2の作用は、第1の実施の形態における第1及び第2の再生器G1、G2並びに第1及び第2の凝縮器C1、C2の作用と同様である。すなわち、冷却水は、最初に冷却水管23を通って凝縮熱により温度が上昇した後に冷却水管13に入り、第2の凝縮器C2の温度の方が第1の凝縮器C1の温度よりも低くなることにより、露点温度(圧力)も第2の凝縮器C2(TC2)の方が第1の凝縮器C1(TC1)よりも低くなる。また、第1の凝縮器C1と第1の再生器G1、及び第2の凝縮器C2と第2の再生器G2は、それぞれ圧力が同じになる。他方、第1の再生器G1に供給される温水12W、第2の再生器G2に供給される温水22Wは、再生熱源温水管12、22同士が並列に接続されているのでほぼ同じ温度になる。第1の再生器G1と第2の再生器G2とは、温度がほぼ同じ(TG1、TG2)で圧力が異なるため、吸収液の濃度が異なり濃度幅が大きくなる。
また、第1の低圧蒸発器E1Lに供給される温水及び第2の低圧蒸発器E2Lに供給される温水は、最初に蒸発熱源温水管14を通って水蒸気に潜熱を奪われて温度が下がった後に蒸発熱源温水管24に入る。したがって、第1の低圧蒸発器E1Lの温度の方が第2の低圧蒸発器E2Lの温度よりも高くなる。この蒸発温度の違いにより第1の低圧吸収器A1Lの圧力が第2の低圧吸収器A2Lの圧力よりも高くなり、加えて第1の低圧吸収器A1Lの溶液が第2の低圧吸収器A2Lの溶液よりも濃度が高くなるため、第1の低圧吸収器A1Lの温度(TA1L)が第2の低圧吸収器A2Lの温度(TA2L)よりも高くなる。なお、第1及び第2の低圧吸収器A1L、A2Lの内部を通る第1及び第2の高圧蒸発器E1H、E2Hにはほぼ同じ温度の凝縮水が導入されるが、弁114V、124Vによってそれぞれに導入される凝縮水圧に差を設けて発生蒸気圧に差を設けることにより、第1及び第2の低圧吸収器A1L、A2L間に温度差を設けることができる。第1の高圧蒸発器E1Hは第1の低圧吸収器A1L内に、第2の高圧蒸発器E2Hは第2の低圧吸収器A2L内にそれぞれ設けられているため、第1の高圧蒸発器E1Hの温度が第2の高圧蒸発器E2Hの温度よりも高くなる。
被加熱流体管を流れる給水は、最初に被加熱流体管21を流れ、吸収液が水蒸気を吸収する際の吸収熱により加熱されて湿り蒸気又は飽和蒸気となり、その後に、被加熱流体管11を流れ、吸収液が水蒸気を吸収する際の吸収熱により加熱されて過熱蒸気となる。このとき、第1の高圧蒸発器E1Hと第2の高圧蒸発器E2Hの蒸発温度の違いと相俟って、第1の高圧吸収器A1Hの温度と第2の高圧吸収器A2Hの温度との差(TA1H−TA2H)を大きく取ることができ、第1の高圧吸収器A1Hの温度を高温にすることができるので、容易に過熱蒸気を得ることができる。
以上、本発明に係る実施の形態によれば、吸収ヒートポンプを構成する吸収器、再生器、凝縮器及び蒸発器を複数設け、互いの再生熱媒体流路、冷却媒体流路、蒸発熱媒体流路及び被加熱媒体流路の少なくとも一つを状況に応じて直列に接続することにより、効率(COP)の向上や昇温幅の拡大を図ることができ、被加熱媒体を蒸気で取り出す場合はその過熱度を確保できる吸収ヒートポンプとなる。このとき、互いの再生熱媒体流路及び冷却媒体流路の少なくとも一方を直列に接続し、かつ、互いの被加熱媒体流路及び蒸発熱媒体流路の少なくとも一方を直列に接続すると、確実に吸収液の濃度幅を拡大することができるので好ましい。
以上の説明では、第2の蒸発器E2(E2L)の蒸発熱源温水管24が凝縮水に浸っているとして説明したが(段落0025)、蒸発熱源温水管24を凝縮水に浸らないように第2の蒸発器E2(E2L)内に配設し、凝縮水を蒸発熱源温水管24にスプレーするようにしてもよい。このようにすると、蒸発熱源温水管24の表面に接触した凝縮水が次々に蒸発し、水蒸気の発生が促進される。この場合、蒸発せずに蒸発器内に溜まった凝縮水を再びスプレーするための循環ポンプ及び配管を設けるとよい。他方、第1の蒸発器E1(E1L)の蒸発熱源温水管14が凝縮水に浸らないものとして説明したが(段落0024)、蒸発熱源温水管14を凝縮水に浸るように第1の蒸発器E1(E1L)内に配設してもよい。いずれにするかは、蒸発器の圧力条件等を考慮に入れて適切な手段を採用すればよい。
以上の説明では、再生器が第1の再生器G1と第2の再生器G2とに分かれており、凝縮器が第1の凝縮器C1と第2の凝縮器C2とに分かれているとして説明したが、それぞれ二つに分割せずに一つで構成されていてもよい。
以上の説明では、吸収器、再生器、凝縮器及び蒸発器がそれぞれ二つに分かれているとして説明したが、それぞれ三つ以上に分かれていてもよい。
以上の説明では、第1の凝縮器C1の凝縮水は第2の凝縮器C2を経由して冷媒ポンプで第1の蒸発器E1に圧送されるとして説明したが、第1の凝縮器C1から第1の蒸発器E1に凝縮水を送る冷媒ポンプが配設された冷媒配管を別途設けて、第1の凝縮器C1から第1の蒸発器E1に直接凝縮水を圧送するように構成してもよい。このように構成すると、別途冷媒ポンプや配管が必要になるが冷媒の流れを独立させることができ、各凝縮器及び蒸発器の容量制御が行ないやすくなる。
以上の説明では、第2の凝縮器の凝縮水を第1の蒸発器に圧送するとして説明したが、冷媒配管を第1の蒸発器E1と第2の蒸発器E2とに並列に接続して、第2の凝縮器C2の凝縮水を第1の蒸発器E1及び第2の蒸発器E2のそれぞれに圧送するように構成してもよい。なお、上述のように第1の凝縮器C1から直接蒸発器に凝縮水を圧送する場合は、第1の凝縮器C1の凝縮水を第1の蒸発器E1及び第2の蒸発器E2のそれぞれに圧送するように構成してもよいことはいうまでもない。
以上の説明では、第1の再生器G1の再生熱源温水管12及び第2の再生器G2の再生熱源温水管22、並びに第1の蒸発器E1の蒸発熱源温水管14及び第2の蒸発器E2の蒸発熱源温水管24に流す熱媒体は温水であるとして説明したが、温水以外の例えば蒸気、排ガス等の加熱源であってもよい。つまり、それぞれの圧力下で水分を蒸発させることができる熱量を加えることができればよい。
本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する図であり、(a)は吸収ヒートポンプのフロー図、(b)は吸収ヒートポンプのデューリング線図である。 本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する図であり、(a)は吸収ヒートポンプのフロー図、(b)は吸収ヒートポンプのデューリング線図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例に係る吸収ヒートポンプを説明するフロー図である。 本発明の第3の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する図であり、(a)は吸収ヒートポンプのフロー図、(b)は吸収ヒートポンプのデューリング線図である。
符号の説明
1 吸収ヒートポンプ
11 第1の被加熱媒体流路
11W、21W 被加熱媒体
12 第1の再生熱媒体流路
12W、22W 第1の熱媒体
13 第1の冷却媒体流路
13W、23W 冷却媒体
14 第1の蒸発熱媒体流路
14W、24W 第2の熱媒体
21 第2の被加熱媒体流路
22 第2の再生熱媒体流路
23 第2の冷却媒体流路
24 第2の蒸発熱媒体流路
A1 第1の吸収器
A2 第2の吸収器
C1 第1の凝縮器
C2 第2の凝縮器
E1 第1の蒸発器
E2 第2の蒸発器
G1 第1の再生器
G2 第2の再生器

Claims (4)

  1. 吸収液が冷媒蒸気を吸収して第1の被加熱媒体流路を流れる被加熱媒体を加熱する第1の吸収器と;
    前記第1の吸収器から導入した吸収液が冷媒蒸気を吸収して第2の被加熱媒体流路を流れる被加熱媒体を加熱する第2の吸収器と;
    前記第2の吸収器から冷媒蒸気を吸収した吸収液を導入し、再生熱媒体流路内を流れる第1の熱媒体で該第2の吸収器から導入した吸収液を加熱して冷媒を蒸発させる再生器と;
    前記再生器で蒸発した冷媒蒸気を導入し、冷却媒体流路内を流れる冷却媒体で該導入した冷媒蒸気を冷却して凝縮させる凝縮器と;
    前記凝縮器で凝縮した冷媒液を導入し、第1の蒸発熱媒体流路内を流れる第2の熱媒体で該導入した冷媒液を加熱して前記第1の吸収器の吸収液に吸収される冷媒蒸気を発生させる第1の蒸発器と;
    前記凝縮器で凝縮した冷媒液を導入し、第2の蒸発熱媒体流路内を流れる第2の熱媒体で該導入した冷媒液を加熱して前記第2の吸収器の吸収液に吸収される冷媒蒸気を発生させる第2の蒸発器とを備え;
    前記第1及び第2の被加熱媒体流路同士、並びに前記第1及び第2の蒸発熱媒体流路同士の少なくとも一方が直列に接続された;
    吸収ヒートポンプ。
  2. 前記再生器が、
    第1の再生熱媒体流路内を流れる前記第1の熱媒体で前記第2の吸収器から導入した吸収液を加熱して冷媒を蒸発させる第1の再生器と、
    第2の再生熱媒体流路内を流れる前記第1の熱媒体で前記第1の再生器から導入した吸収液を加熱して冷媒を蒸発させる第2の再生器とを含んで構成され;
    前記凝縮器が、
    前記第1の再生器で蒸発した冷媒蒸気を導入し、第1の冷却媒体流路内を流れる冷却媒体で該導入した冷媒蒸気を冷却して凝縮させる第1の凝縮器と、
    前記第2の再生器で蒸発した冷媒蒸気を導入し、第2の冷却媒体流路内を流れる前記冷却媒体で該導入した冷媒蒸気を冷却して凝縮させる第2の凝縮器とを含んで構成されており;
    前記第1の蒸発器が導入する冷媒液が前記第1の凝縮器で凝縮した冷媒液及び前記第2の凝縮器で凝縮した冷媒液の少なくとも一方で、かつ前記第2の蒸発器が導入する冷媒液が前記第1の凝縮器で凝縮した冷媒液及び前記第2の凝縮器で凝縮した冷媒液の少なくとも一方であり;
    前記第1及び第2の再生熱媒体流路同士、並びに前記第1及び第2の冷却媒体流路同士がそれぞれ接続された;
    請求項1に記載の吸収ヒートポンプ。
  3. 前記第1及び第2の冷却媒体流路同士並びに前記第1及び第2の蒸発熱媒体流路同士が直列に、前記第1及び第2の被加熱媒体流路同士並びに前記第1及び第2の再生熱媒体流路同士が並列に接続され;
    前記第2の蒸発熱媒体流路を流れた後の前記第2の熱媒体が前記第1の蒸発熱媒体流路を流れ、前記第2の冷却媒体流路を流れた後の前記冷却媒体が前記第1の冷却媒体流路を流れるように構成された;
    請求項2に記載の吸収ヒートポンプ。
  4. 前記第1及び第2の被加熱媒体流路同士、前記第1及び第2の再生熱媒体流路同士、前記第1及び第2の冷却媒体流路同士、並びに前記第1及び第2の蒸発熱媒体流路同士が直列に接続され;
    前記第2の被加熱媒体流路を流れた後の前記被加熱媒体が前記第1の被加熱媒体流路を流れ、前記第2の再生熱媒体流路を流れた後の前記第1の熱媒体が前記第1の再生熱媒体流路を流れ、前記第1の冷却媒体流路を流れた後の前記冷却媒体が前記第2の冷却媒体流路を流れ、前記第1の蒸発熱媒体流路を流れた後の前記第2の熱媒体が前記第2の蒸発熱媒体流路を流れるように構成された;
    請求項2に記載の吸収ヒートポンプ。
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