JP2006176434A - イネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤及び予防方法 - Google Patents

イネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤及び予防方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
毒性が低く安全性に優れたイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤及びイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防方法を提供する。
【解決手段】
海藻抽出物を含む剤を育苗期及び/又は本田期に施用することにより、イモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の発生を抑制することができる。施用時期は、育苗期の場合には播種から1.5葉期まで、本田期の場合には田植から60日までが好ましい。
本発明のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤は毒性がなく安全性に優れているため、イネの減農薬及び無農薬栽培に有用である。

Description

本発明は、イネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤、及びイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防方法に関する。
イモチ病・紋枯病・ゴマハガレ病は、それぞれイモチ病菌・紋枯病菌・ゴマハガレ病菌によって生じる病害であり、イネの枯死や収穫量の減少をもたらす。イモチ病菌は種子自体に付着している場合もあり、稲ワラから種子に付着することもあり、生育中に外部から飛散してきた菌が付着することもある。イモチ病の発病部位は広範にわたり、葉、穂クビ、枝梗、節、葉節、モミ等が罹病する。紋枯病菌は、菌核の状態で越冬し、田植後、菌核が水に浮いて稲の葉鞘に付着し、菌糸が発芽、侵入する。葉鞘、葉、穂が罹病する。ゴマハガレ病菌は、種籾や被害ワラに付着して越冬し、葉、穂クビ、モミ、節が罹病する。
この様に、イモチ病、紋枯病、及びゴマハガレ病はイネの生育の全期間にわたって生じ、その原因や発病部位も様々である。従って、その対策も各種の方法を組み合わせて行われている。例えば、イモチ病では種子感染の対策として種子の消毒、被害稲ワラの撤去が挙げられ、生育過程での対策として農薬の散布(例えば、特許文献1を参照)、適切な肥料の種類及び量の選択が挙げられる。さらに、イモチ病抵抗性の品種の導入も行われている。
しかし、今日においても、イモチ病、紋枯菌、及びゴマハガレ病の発生が十分に抑制されているとはいえない。さらに近年、環境保護や残留農薬の危険性についての関心が高まり、イネの減農薬又は無農薬栽培が求められている。
従って、化学合成された農薬を含まないイモチ病、紋枯病、及びゴマハガレ病予防剤、並びに、減農薬又は無農薬栽培に適したイモチ病、紋枯病、及びゴマハガレ病の予防方法が望まれている。
特開2002-145709号公報
本発明は上記のような事情に鑑みなされたものであり、安全性の高いイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤及びイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防方法を提供することを目的とする。
本発明者らはこれらの課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、海藻抽出物がイネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病に対する抵抗性を高めることを見出し、本発明を完成させた。農薬がイモチ病菌、紋枯病菌、又はゴマハガレ病菌に直接作用し、菌を殺滅するという従来の防除方法とは異なり、本発明の作用機作はイネ自体の免疫機構を高め耐病性を改善するというところに特徴を有する。
即ち、本発明は以下のものを提供する。
(1) 海藻抽出物を含む稲のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤。
(2) 海藻が褐藻類である、(1)に記載の稲のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤。
(3) 海藻がエクロニア属、アラリア属、ウンダリア属、ラミナリア属、マクロキスチス属、レッソニア属、ネレオキスチス属、アスコフィルム属、フカス属、ドゥルビレア属、サルガッサム属、又はこれらの組み合わせである、(1)に記載の稲のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤。
(4) 海藻抽出物を育苗期に施用することを含む、稲のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防の予防方法。
(5) 海藻抽出物を播種から1.5葉期までに施用することを含む、稲のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の予防方法。
(6) 海藻抽出物を本田期に施用することを含む、稲のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の予防方法。
(7) 海藻抽出物を田植から50日以内に施用することを含む、稲のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の予防方法。
本明細書において、イモチ病、紋枯病、ゴマハガレ病の予防は、イモチ病、紋枯病、ゴマハガレ病が発生する前に本発明の剤を予め与えておくことにより実現できる。本発明のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤は、イモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の1以上に予防効果を奏する。
本発明のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤は、海藻抽出物を含む。本明細書において、海藻抽出物とは、海藻から分離された組成物を指す。分離方法に特に制限はなく、高圧破砕、冷凍破砕、溶媒抽出及び薬品による細胞膜溶解等の従来公知の方法が挙げられる。海藻抽出物には、分離操作によって得られた組成物の濃縮物、乾燥物、及び発酵物も含まれる。さらに、海藻を粉砕して粉末としたものも含まれる。海藻抽出物には、海藻に由来する1以上の生理活性物質、その塩、又は誘導体が含まれる。
高圧破砕及び冷凍破砕では、海藻の細胞壁及び細胞膜を破砕し、濾過して固形分を除去することにより、海藻抽出物を得る。濾過にはフィルター濾過や遠心分離濾過等の任意の公知の方法を用いることができる。海藻をそのまま圧搾し、液状の抽出物を得ることもできる。
溶媒抽出には、有機溶媒中に海藻を入れ室温で抽出する方法や、加熱して抽出する方法が挙げられる。抽出後、溶媒を留去してもよく、濾過などの精製や分画操作をさらに行って純度を高めてもよい。
薬品による細胞膜溶解では、苛性ソーダ等の強アルカリ剤を用い海藻の細胞壁及び細胞膜を溶解し、酸で中和した後、濾過して固形分を除去する事により、海藻抽出物を得る。濾過にはフィルター濾過や遠心濾過等の任意の公知の方法を用いることができる。
海藻としては、褐藻類(Brown algae)(ファエオフィセアエ綱(Phaeophyceae))に属するものを用いることができる。より詳細には、ラミナリアレス目(Laminariales)アラリアシアエ科(Alaraceae)エクロニア属(Ecklonia)、アラリア属(Alaria)及びウンダリア属(Undaria)、同目ラミナリアセアエ科(Laminariaceae)ラミナリア属(Laminaria)、同目レソニアセアエ科(Lessoniaceae)マクロキスチス属(Macrocystis)、レソニア属(Lessonia)及びネレオキスチス属(Nereocystis)、並びにフカレス目(Fucales)フカセアエ科(Fucaceae)アスコフィルム属(Ascophyllum)及びフカス属(Fucus)、同目(Fucales)ドゥルビラエアセア科(Durvillaeaceae)ドゥルビレア属(Durvillaea)、及び同目(Fucales)サルガッサセアエ科(Sargassaceae)サルガッサム属(Sargassum)に属するものを用いることができる。
さらに詳細には、エクロニア・ブックシナリス(Ecklonia buccinalis、別称:エクロニア・マキシマ(Ecklonia maxima))、アラリア・エスキュレンタ(Alaria esculenta)、ラミナリア・デジタタ(Laminria digitata)、マクロキスチス・ピリフエラ(Macrocystis pyrifera)、レソニア・フラビカンス(Lessonia flavicans )、レソニア・ニグレッセンス(Lessonia nigrescens)、ネレオキスチス・ルトケナ(Nereocystis luetkeana)、ウンダリア・ピナティフィダ(Undaria pinnatifida)、アスコフィルム・ラエビガタム(Ascophyllum laevigatum、別称:アスコフィルム・ノドサム(Ascophyllum nodosum))、ドゥルビレア・ウチリス(Durvillaea utilis)、ザルガッサム・バシフエルム(Sargassum bacciferum)、フコス・ブェシキュロサス(Fucus vesiculosus)を用いることができる。
海藻抽出物は、イネにイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病に対する免疫抵抗性を付与するという点から、植物ホルモン、多糖類、アミノ酸、ミネラル、ビタミン等の生理活性成分及び/又は生理活性補助因子を含有することが好ましい。さらに、生産性の点から、藻体が大きいものが好ましい。かかる観点から、ラミナリアレス目・アラリアシアエ科・エクロニア属に属するエクロニア・ブックシナリス及びラミナリアレス目・レソニアセアエ科・マクロキスチス属に属するマクロキスチス・ピリフエラ、同目・レソニアセアエ科・レソニア属に属するレソニア・フラビカンス及びレソニア・ニグレッセンス、フカレス目・フカセアエ科・アスコフィルム属に属するアスコフィルム・ノドサムが好ましい。
本発明のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤の剤形に特に制限はなく、施用態様に応じて適宜選択される。例えば、液剤及び粒剤が挙げられる。海藻抽出物を水で希釈して液剤としてもよく、海藻抽出物を多孔性担体に含浸させて粒剤としてもよい。
本発明のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤中に海藻抽出物が占める割合の上限に特に制限はなく、海藻抽出物をそのまま予防剤として用いてもよい。ただし、予防剤を均一に施用するためには、前述の液剤又は粒剤とすることが好ましい。予防剤中に海藻抽出物が占める割合の下限に特に制限はなく、施用態様に応じて適宜選択される。
液剤としては、高圧破砕により得た海藻抽出物/水(体積比)が1/10000以上、好ましくは1/5000以上、より好ましくは1/3000以上、1/100以下、好ましくは1/200以下となるように水で希釈した液が挙げられる。他の態様で得られた海藻抽出物を用いる場合、含有される1又は2以上の有効成分に着目し、その濃度が上記の希釈液における濃度範囲に入るように希釈することが好ましい。例えば、海藻抽出物として乾燥物又は発酵物を用いる場合、海藻抽出物/水(重量比)が1/100〜1/20となるよう希釈した液剤が効果的な場合もある。
粒剤の場合、海藻抽出物/担体の重量比は10重量%以上、好ましくは30重量%以上、60重量%以下、好ましくは50重量%以下である。担体としては多孔質担体が好ましく、ゼオライト、モンモリロナイト、珪藻土、シリカゲル、ベントナイト、孔質アルミナ、カオリナイト、タルク、白土、アタパルジャイト、パーミキュライト、セライト、及びハイドロタルサイトが挙げられる。
本発明のイモチ病予防剤は、各種のイネ品種に適用できる。例えば、ヤポニカ種の全品種(コシヒカリ、あきたこまち、ササニシキ、ひとめぼれ、ヒノヒカリ等) 及びインディカ種の全品種が挙げられる。
本発明のイモチ病予防剤の施用量、施用時期、及び施用回数は、イネの品種及び生育環境、並びに予防剤中の海藻抽出物の含有量及び海藻の種類等に依存して選択される。
育苗期において、170〜250個の種モミが縦30x横60cmx深さ5cmの育苗箱に播種される場合、育苗箱1つあたり海藻抽出物として0.05g以上、好ましくは0.1g以上、10g以下、好ましくは5g以下となるよう予防剤が施用されることが一般的である。育苗期に施用する場合、播種時に灌水に代えて海藻抽出物の希釈液を用いてもよい。播種時の施用に加えて、又は播種時の施用に代えて、播種から3葉期まで、好ましくは播種から1.5葉期までに施用してもよく、田植の直前、例えば田植の3日から1日前に施用してもよい。
本田期では、典型的には、水田中の水の海藻抽出物濃度が0.5ppm以上、好ましくは1ppm以上、さらに好ましくは2ppm以上、なお好ましくは3ppm以上、200ppm以下、さらに好ましくは100ppm、なお好ましくは50ppm以下となる量の予防剤が使用される。なお、水の深さが10cmの水田について10アールあたり200mlの海藻抽出物を施用する場合、水中の海藻抽出物濃度は2ppmとなる。本田期の施用時期及び施用回数は、本田の水の流入量及び流出量に応じて選択されるが、複数回施用することが好ましい。
なお、本明細書で育苗期とは播種から田植までの期間を指し、本田期とは田植から収穫までの期間を指す。
何れの理論にも拘束されるものではないが、本発明の予防剤を施用する場合、発根が促進されて肥料やケイ酸成分の吸収が活発となり、茎や葉にイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病に対する耐性の高いケイ化細胞が多く形成される結果、イモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病に対する抵抗性が改善されているとも考えられる。従って、イモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病に作用する農薬の散布等の従来の防除方法と本発明の方法とでは作用機序が異なる可能性があるため、従来の方法と本発明の方法を組み合わせて使用することにより、イモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の発生を効果的に抑制することができる。あるいはまた、本発明の予防方法を用いることにより、農薬の散布量を低減し、低農薬栽培又は無農薬栽培でのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の発生を抑制することができる。
本発明のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤は、前述の通り生育過程でケイ化細胞を生成して病害に対する抵抗性を付与しているとも考えられるため、生育の初期、例えば播種から田植後30日までに少なくとも一回施用することが好ましい。育苗箱及び本田のいずれにも本発明のイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤を施用することが好ましく、育苗期には育苗初期と育苗後期(田植直前)にそれぞれ一回、及び、本田期に少なくとも一回施用することが好ましい。育苗期に施用する場合、育苗初期、例えば播種直後か播種から1.5葉期までに施用することが好ましい。なお、播種前に予め育苗箱に施用してから播種してもよい。育苗後期に施用する場合は、田植2、3日前〜田植当日に施用することが好ましい。本田期には、田植から30日までに少なくとも一回施用することが好ましい。なお、本田に施用してから田植を行ってもよい。
イモチ病は生育期間の全範囲にわたって発生する可能性があり、穂首イモチや穂イモチは生育期間の後半に発生する。従って、これらの部位でのイモチ病の発生を抑制するためには、田植から30日経過した後も施用することが好ましい。例えば、田植から30〜60日の間に少なくとも一回施用することが好ましい。
本発明のイモチ病予防剤を使用することにより、イモチ病の発生を抑制してコメの収穫量を増加させることができるだけでなく、併せて生育中の倒伏を軽減し、登熟を向上し、コメの食味を改善することもできる。
以下の実施例を参照して本発明を詳細に説明するが、本発明が以下の実施例によって限定されるものではない。
<製造例1(海藻抽出物の製造)>
エクロニア・マキシマをセルバースト法により破砕し、濾過して固形物を除去し、海藻抽出物を得た。海藻抽出物の回収率( (得られた海藻抽出物の重量)/(原料から固形分を除いた重量)×100 (%) )は、ほぼ100%であった。得られた海藻抽出物は、1L中以下の成分を含んでいた。なお、セルバースト法とは、高圧を加えて細胞壁及び/又は細胞膜を破砕する方法である。
<製造例2(海藻抽出物の製造)>
アスコフィラム・ノドサムを冷凍粉砕法により破砕し、氷が溶けて水溶液状態になった時点で濾過し、固形物を除去し、海藻抽出物を得た。海藻抽出物の回収率( (得られた海藻抽出物の重量)/(原料から固形分を除いた重量)×100 (%) )は、ほぼ100%であった。
<製造例3(海藻抽出物の製造)>
アスコフィラム・ノドサムを苛性ソーダ液に浸漬し、溶解した時点で硫酸を加え中和し、濾過し、固形物を除去し、海藻抽出物を得た。海藻抽出物の回収率( (得られた海藻抽出物の重量)/(原料から固形分を除いた重量)×100 (%) )は、ほぼ100%であった。
<製造例4(海藻抽出物の製造)>
マクロキスチス・ピリフエラを冷凍粉砕法により破砕し、氷が溶けて水溶液状態になった時点で濾過し、固形物を除去し、海藻抽出物を得た。海藻抽出物の回収率( (得られた海藻抽出物の重量)/(原料から固形分を除いた重量)×100 (%) )は、ほぼ100%であった。
<製造例5(海藻抽出物の製造)>
レソニア・ニグレッセンスを苛性ソーダ液に浸漬し、溶解した時点で硫酸を加え中和し、濾過し、固形物を除去し、海藻抽出物を得た。海藻抽出物の回収率( (得られた海藻抽出物の重量)/(原料から固形分を除いた重量)×100 (%) )は、ほぼ100%であった。
海藻抽出物の成分例 (エクロニア・マキシマ)
表1 有機/無機成分(1L=1000g中の含有量w/w)
Figure 2006176434
表2 アミノ酸(1L=1000g中の含有量w/w)
Figure 2006176434
表3 ビタミン(1L=1000g中の含有量w/w)
Figure 2006176434
表4 植物ホルモン(1L=1000g中の含有量w/w)
Figure 2006176434
[実施例1(対象品種:コシヒカリ、対象病菌:イモチ)]
実施例1では、育苗初期(1.5葉期)における海藻抽出物の施用効果を検討した。
縦30cm×横60cm×深さ5cmの育苗箱1つあたり平均210個の種子を播種した直後、製造例1、2、3、4、及び5で得た海藻抽出物を重量比で1000倍重量の水で希釈した液200gを施用した。このとき海藻抽出物を施用しない区も比較のために設けた。海藻抽出物施用15日後に、予め培養しておいたイモチ病菌の菌堆0.2gを水100mLで希釈し、その希釈液を海藻抽出物施用区及び無施用区の苗に葉上から箱あたり20mL噴霧した。イモチ病の発生について、表5に示す。
Figure 2006176434
表5から、育苗初期の施用により、苗のイモチ病の被害を顕著に抑制できることがわかる。
[実施例2(対象品種:あきたこまち、対象病:イモチ病)]
実施例2では、本田期における海藻抽出物の施用効果を検討した。
製造例1、2、3、4、及び5で得た海藻抽出物と水とを重量比で3/1000となるよう希釈し、田植直後の本田に、10アールあたりの海藻抽出物の量が300gとなるように散布した。散布には、動力噴霧器を用いた。このとき海藻抽出物を施用しない区も比較のために設けた。田植30日後に、予め培養しておいたイモチ病菌の菌堆30gを水100Lで希釈し、この希釈液を海藻抽出物施用区及び無施用区の稲株に1アール当たり10L散布した。
田植から40日後に、海藻抽出物の2回目の散布を行った。2回目の散布には、ゼオライト3gあたり製造例1、2、3、4、及び5で得た海藻抽出物1gを含浸させた粒剤を用いた。散布量は、本田10アールあたり海藻抽出物が300gとなる量とした。生育したイネの茎や葉に硬化が観察され、ケイ化細胞の生成が示唆された。
海藻抽出物を施用した場合と施用しなかった場合について、収穫時のイモチ病発生率を比較した(表6)。なお、イモチ病が発生した部位が一カ所でも存在するイネは、イモチ病が発生したものとした。
Figure 2006176434
表6から、本田期の施用によりイモチ病の発生を顕著に抑制できることがわかる。
[実施例3(対象品種:ひのひかり、対象病:紋枯病)]
実施例3では、本田期における海藻抽出物の施用効果を検討した。
製造例1、2、3、4、及び5で得た海藻抽出物と水とを重量比で3/1000となるよう希釈し、田植直後の本田に、10アールあたりの海藻抽出物の量が300gとなるように散布した。散布には、動力噴霧器を用いた。このとき海藻抽出物を施用しない区も比較のために設けた。田植20日後に、集めておいた紋枯病の菌核を、海藻抽出物施用区及び無施用区の水田に1アール当たり100個散いた。
生育したイネの茎や葉に硬化が観察され、ケイ化細胞の生成が示唆された。
海藻抽出物を施用した場合と施用しなかった場合について、収穫時の紋枯病発生率を比較した(表7)。なお、紋枯病が発生した部位が一カ所でも存在するイネは、紋枯病が発生したものとした。
Figure 2006176434
表7から、本田期の施用により紋枯病の発生を顕著に抑制できることがわかる。
[実施例4(対象品種:ささにしき、対象病:ゴマハガレ病)]
実施例4では、本田期における海藻抽出物の施用効果を検討した。
製造例1、2、3、4、及び5で得た海藻抽出物と水とを重量比で3/1000となるよう希釈し、田植直後の本田に、10アールあたりの海藻抽出物の量が300gとなるように散布した。散布には、動力噴霧器を用いた。このとき海藻抽出物を施用しない区も比較のために設けた。田植30日後に、ゴマハガレ病に罹病した藁を切り刻み、この藁を海藻抽出物施用区及び無施用区の水田に1アール当たり5kg散布した。
田植から40日後に、海藻抽出物の2回目の散布を行った。2回目の散布には、ゼオライト3gあたり製造例1、2、3、4、及び5で得た海藻抽出物1gを含浸させた粒剤を用いた。散布量は、本田10アールあたり海藻抽出物が300gとなる量とした。生育したイネの茎や葉に硬化が観察され、ケイ化細胞の生成が示唆された。
海藻抽出物を施用した場合と施用しなかった場合について、収穫時のゴマハガレ病発生率を比較した(表8)。なお、ゴマハガレ病が発生した部位が一カ所でも存在するイネは、ゴマハガレ病が発生したものとした。
Figure 2006176434
表8から、本田期の施用によりイモチ病の発生を顕著に抑制できることがわかる。
本発明の海藻抽出物を含む剤は、イネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病を予防することができるため、イネの減農薬又は無農薬栽培に有用である。

Claims (7)

  1. 海藻抽出物を含むイネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤。
  2. 海藻が褐藻類である、請求項1に記載のイネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤。
  3. 海藻がエクロニア属、アラリア属、ウンダリア属、ラミナリア属、マクロキスチス属、レッソニア属、ネレオキスチス属、アスコフィルム属、フカス属、ドゥルビレア属、サルガッサム属、又はこれらの組み合わせである、請求項1に記載のイネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防剤。
  4. 海藻抽出物を育苗期に施用することを含む、イネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病予防の予防方法。
  5. 海藻抽出物を播種から1.5葉期までに施用することを含む、イネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の予防方法。
  6. 海藻抽出物を本田期に施用することを含む、イネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の予防方法。
  7. 海藻抽出物を田植から50日以内に施用することを含む、イネのイモチ病、紋枯病、又はゴマハガレ病の予防方法。
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