JP2006167476A - 電界による疾患治療方法 - Google Patents

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浩之 原
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信二 原川
Henry William Harris Jr
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Abstract

【課題】電流もしくは電界を用いて、生体の細胞に正常のイオン濃度を回復させることによって、増殖性細胞疾患、心臓血管疾患等の疾患の治療または予防、あるいは、ストレスの影響を改善するための方法と装置を提供する。
【解決手段】細胞に含まれる少なくともひとつのG−タンパク共役受容体を調節して、細胞のイオン濃度を変化させるために、細胞又は組織上に約0.001mA/mから約600mA/mの平均誘導電流密度を生成する外部電界を印加する。
【選択図】図42

Description

様々な電気的治療装置が知られている。通常、その装置の電極は患者に接触され、その場合、その電気的治療装置は印加電流を用いるものであって、電流治療装置と称されることがある。例えば、TENSまたはPENS等がある(非特許文献1、非特許文献2)。
電極を患者に接触させない場合、その電気的治療装置は外部電界(以下「EF」という)により患者に電流を誘導するものであって、電界ないしは電位治療装置と称されることがある。EFは、動物または人間のボディーを含む、その内部のすべての導電性ボディー上に表面電荷を生成する。EFが印加されると、正と負の電荷がボディの両側に現われる。その電界が交互に替わると、前記電荷の位置が交互に替わってボディ内で交流になる(非特許文献3)。
1972年、日本国厚生省が電気刺激装置(承認番号第14700BZZ00904号)を承認した。1978年には、USFDA(米国食品医薬品局)が、骨疾患を治療するための電気刺激を承認した。しかしながら、その治療の文献は電気刺激に対する種々様々な生体応答を報告している。例えば、外部シヌソイド交番電界(交流EF)は、とりわけ、細胞形態学、線維芽細胞中のタンパク質合成、必須の膜蛋白の再分配、軟骨細胞中のDNA合成、細胞内のカルシウムイオン濃度、人間の肝臓癌細胞の微小繊維構造、血液中の電解質レベルを変えることが示されている(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。幾人かの研究者は、観察された多くの結果はEFに直接起因するものではなく、細胞膜受容器複合体およびイオン輸送チャンネルのような主要な細胞組織に対するEFの影響の副次的効果である、と考えている。
誘導電流の生物学上の影響は過去25年間に亘って研究されているが、ほとんどの研究は、高圧送電線およびその関連電気装置からの強い電界あるいは磁界に晒された人の安全性に動機づけられたものである。例えば、公益事業会社労働者は、50〜500kV/mの電界および5Gまでの磁界に日常的に晒されており、また、一般大衆は、通常、1〜10kV/mの電界および2Gまでの磁界に晒されている(非特許文献7)。先行技術は、比較的低い電圧および弱い電界の影響に関する十分な研究を欠くものである。さらに、従来のEF治療装置は高電圧を使用しており、身体の形態学の本質的に異なるエリア中のEF強度の差異を説明するものではない。
要するに、米国特許第5,387,231号でスポラー(Sporer)によって言及されているように、「先行技術は、真に有効な電気療法用電気的パラメータの適切かつ有効なコンビネーションを熟考していない。先行技術の装置は、一般に、高電圧あるいは高電流で作動し、それらいずれも治療されている組織にジアテルミー効果(diathermy effect)があり得る。多くの場合、先行技術は1つあるいは様々な電気的パラメータの別のものに言及しているかもしれないが、他のパラメータの重要性を考慮していない。」(特許文献1)
先行技術は、異種の生体応答を示し、曖昧な測定に依存し、高電圧および高電流の影響に焦点を定めているので、電気的治療用、特に比較的低い電圧および電流を使用する、電気的治療用の特定のパラメータを明らかにする必要がある。
発明者等は、特定の疾患を成功裏に治療するEFおよび印加電流のパラメータ値を割り出した。そのパラメータには、例えば、周波数(ヘルツ)および電圧(ボルト)、誘導電流密度(mA/m2)、印加電流密度(mA/m2)、曝露の個別継続的な時間(分、時間および日数)、曝露全体の時間(曝露の1つの継続的な期間あるいは曝露の複数の継続的な期間の合計のいずれか)がある。ここに使用された「平均」(mean)印加電流密度および「平均」(mean)誘導電流密度とは、例えば人間、動物、植物あるいはその一部又はその細胞の少なくとも1つの組織の細胞膜上に生成された単位面積あたりの平均電流に言及するものである。例えば対象となる生物が人間であり、その一部が人間の手全体である場合、前記平均電流密度は手全体における平均値である。すなわち、前記平均電流密度は、それら面積の総和で割った手の各部分における電流密度の和である。後述する特定の公式および技術は、前記平均印加電流密度および平均誘導電流密度を推定するために用いられる。もし明示的に他の方法で述べられない限り、用語「生物」(organism)は人間および他の生物の両方を意味する。
この発明の1つの実施形態は、印加電流に依存する。好ましくは、前記印加電流密度は、約10ないし約2,000mA/m2の範囲である。
発明の別の実施形態は、細胞膜間のイオンの移動を制御するための特に少量の誘導電流に依存する。生物の細胞中の異常なイオン濃度を引き起こし、あるいはそれによって引き起こされる疾患の治療のために、この誘導電流実施形態は、約0.001mA/m2から約15mA/m2、好ましくは約0.001mA/m2から約10mA/m2、より好ましくは約0.01mA/m2から約2mA/m2の平均誘導電流密度を細胞の細胞膜上に生成する外部電界に、生物を晒している。好ましい実施形態では、外部電界(E)は、式E=I/εoωSによって示される。ここに、Sは電界測定センサーの断面、εoは真空中の誘導速度、Iは電流、ωは2πf、fは周波数である。更に、式J=I/Bで誘導電流(J)を測定することが望ましく、ここにIは測定電流、BはB=A2/4πとして表現される円の面積、AはA=2πrとして表現される周囲長、rは半径である。本発明の追加の好適実施形態では、前記誘導電流密度は約10分ないし約240分に亘って継続的に細胞膜上に生成される。再印加では、平均誘導電流密度は好ましくは約30分ないし約90分の追加継続期間に生成され、好適には約1,500分未満の全曝露継続時間となる。
本発明の印加電流および誘導電流の実施形態にいずれにおいても、全身あるいはそのほんの一部に適用することができる。その一部には、手足、器官、ある身体の細胞組織、胴体のような身体の部分、身体のシステムあるいはそのサブセクションを含んでも良い。熟練した者であれば、特定の疾患が本発明を全身あるいはその一部に適用することを必要とするかどうかを判断することができる。
本発明では、更に、カルシウム・サプリメント、ビタミンDサプリメント、レクチン・サプリメントあるいはこれらのサプリメントの組合せを、前記生物に供給するステップを含んでも良い。好ましくは、レクチン・サプリメントとして、コンカナバリン(concanavalin)Aまたは小麦胚芽凝集素(wheat germ agglutinin)を用いる。
好ましい実施形態では、本発明は、カルシウム、その他のカチオンまたは多価カチオンあるいはCa2+の取り込みに関連する電気的に感受性の高いカルシウム受容体(CaR)に影響する。
ひとつの実施形態では、本発明は、カルシウム受容体、代謝調節型グルタミン酸受容体(mGluR)、γ−アミノ酪酸(GABAB)受容体、推定上の味覚受容体(T1R1-3)および推定上のフェロモン受容体(V2Rs)、その他のファミリー3(family 3)GPCRを含むG-タンパク共役型受容体(GPCR)を調節する。
本発明の別の実施形態では、生物あるいはその一部の細胞中の異常なイオン濃度を引き起こし、あるいは異常なイオン濃度によって引き起こされる疾患は、正常なイオン濃度に細胞を回復させることによって治療され、又は予防される。それは、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含むその生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.001 mA/m2から約600 mA/m2の平均誘導電流密度を生成する外部電界をその生物又はその一部に印加することも含む。
さらに別の実施形態では、増殖性細胞疾患は、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含むその生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.1mA/m2から約2mA/m2の平均誘導電流密度を生成する外部電界をその生物又はその一部に印加することによって治療される。さらなる実施形態は、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含むその生物又はその一部の細胞又は組織上に約10mA/m2から約100 mA/m2の平均誘導電流密度を生成する電流と生物又はその一部とを接触させることにより増殖性細胞疾患を治療する。
追加実施形態では、電解質平衡異常は、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含むその生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.4mA/m2から約6.0mA/m2の平均誘導電流密度を生成する外部電界をその生物又はその一部に印加することによって治療される。
本発明のさらなる実施形態では、血清カルシウム濃度に関連した疾患は、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含むその生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.3mA/m2から約0.6mA/m2の平均誘導電流密度を生成する外部電界をその生物又はその一部に印加することによって治療される。本発明の追加実施形態は、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含むその生物又はその一部の細胞又は組織上に約60mA/m2から約2,000 mA/m2の平均誘導電流密度を生成する電流と生物又はその一部とを接触させることにより血清カルシウム濃度に関連した疾患を治療する。
本発明の別の実施形態では、ストレス又はストレス関連疾患、あるいはそれらの症状は、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含むその生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.03mA/m2から約12mA/m2の平均誘導電流密度を生成する外部電界をその生物又はその一部に印加することによって治療される。また、本発明の実施形態は、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含むその生物又はその一部の細胞又は組織上に約60mA/m2から約600 mA/m2の平均誘導電流密度を生成する電流と生物又はその一部とを接触させることによりストレス又はストレス関連疾患、あるいはそれらの症状を治療する。
さらに別の実施形態では、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含む細胞又は組織上に電界を印加することにより、細胞内イオン濃度は調節される。本発明の追加実施形態は、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含む細胞又は組織上に電界を印加することにより、ホルモンレベルを調節する。
発明のもうひとつの実施形態は少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含む細胞で、細胞上に電界を印加することにより、少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体が調節される細胞である。
本発明の他の実施形態は、EF治療に用られる装置に関する。好ましいEF治療装置は電界治療装置であって、該装置は、主電極および対向電極と、前記電極に電圧を印加するための電圧発生機と、電圧あるいは対向電極と生物又はその一部との間の距離を変えることによって、外部電界を制御する誘導電流発生器と、前記電圧発生器を駆動するための電源とを備えている。好ましくは、前記電圧発生器はブースター・コイルを備えており、該ブースター・コイルの中点あるいは一端でアースされる。
この発明の更に好ましい、1つの主電極とこれに対向する1つの電極を備えたEF治療装置においては、前記対向電極は、人体の頭、肩、腹部、腰部あるいは臀部の近くに配置され、前記対向電極と人間の被験者の胴体領域の表面との間の距離は、約1〜25cm、より好ましくは約1〜15cmである。他の方式においては、前記対向電極は、天井、壁、床、家具あるいは部屋にある他の物体や表面である。
別の他の実施形態は、EFあるいは印加電流治療のための最適のパラメータの決定に関する。EF治療用の最適パラメータを決定する好ましい方法は次のステップを含んでいる。すなわち、 (i)生物に誘発すべき所望の生体応答を特定するステップと、(ii) 生物における、あるいは生物に由来した細胞組織サンプルあるいは培養組織における細胞の細胞膜上の平均誘導電流密度を選択あるいは測定するステップと、(iii) 生物、サンプルあるいは培養組織からの特定の距離で、前記選択されあるいは測定された誘導電流密度を生成する外部電界を選択あるいは測定するステップと、(iv) 細胞膜上の前記選択されあるいは測定された誘導電流密度を生成するために継続的な期間を選択あるいは測定するステップと、(v) 生物、サンプルあるいは培養組織に前記選択されあるいは測定された電界を適用し、前記選択されあるいは測定された継続的な期間、細胞膜上に前記選択されあるいは測定された誘導電流密度を生成させるステップと、(vi)所望の生体応答が生じる範囲を決定するステップと、(vii)ステップ(ii)〜(vi)のいずれかを選択的に繰り返すステップと、かつ/または(viii)前記選択されあるいは測定された誘導電流密度の値、前記選択されあるいは測定された外部電界の値、あるいは所望の生体応答を最適に誘発する、前記選択されあるいは測定された継続的な期間の値を明らかにするステップとを含む。この実施形態に関して、用語「測定」(measuring)は、実験者がパラメータ値を、意識的、故意あるいは最初に前もって選択しない場合を包含する。例えば用語「測定」は、EF装置がランダムあるいは最初に未知の量の平均誘導電流密度を生成し、その後、研究者が、その量は何か直接あるいは間接的に決める場合を包含する。
本発明の任意の実施形態の単一のパラメータあるいは構成要素への言及、又はここに議論される項目あるいは生体材料は、すべて、等しく多くのそのようなパラメータ、構成要素、項目あるいは生体材料に適用される。
本発明は、後述する図面および詳細な説明によって更に図示される。
米国特許第5,387,231号 アネスセシア.アナルゲシア(Anesth. Analg.), 88:841-46 (1999)、ゴナメ、イ.エイ.(Ghoname, E.A.),他著 ジャーナル・オブ・バーン・ケア&リハビリテイション(J Burn Care Rehabil.), 14:319-335 (1993)、リー、アール.シー.(Lee, R.C.)他著 新潟メディカル(Niigata Med.), 75:265-73 (1961)、原 エイチ.(Hara, H.)他著 バイオエレクトロマグネティクス, 19:366-376 (1998)、 キム、ワイ.ブイ.(Kim, Y.V.)他著、 フェイセブ ジェイ(FASEB J.), 13:677-682 (1999) 、チョー、エム.アール.(Cho, M.R.)他著 新潟メディカル, 75:265-73 (1961))、原 エイチ(Hara, H)他著 送電線周波数電界および磁界への曝露からの健康効果の評価, NIEHS Publ. No. 98-3981 (国立環境健康科学研究所,1998)、Portier, C.J. およびWolfe,M.S. (eds.)著
A.イオン濃度調節の方法
イオンの非均衡は疾患あるいは体調に起因することもあり、あるいは内科療法やサプリメントの副作用であることもある。本発明は、また膜貫通のタンパク質のような細胞膜の構成成分に影響を及ぼすものである。本発明は、細胞のイオンのホメオスタシスを回復させあるいは平衡に保ち、あるいは細胞膜の膜電位を変更することができる。而して、本発明は、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)および塩素(Cl)の濃度のような細胞及び細胞外イオン濃度に関連した疾患の予防あるいは処置のために有用である。
血清カルシウム濃度に関連した疾患の治療には、細胞膜上に生成された平均誘導電流密度は、好ましくは約0.3mA/mから約0.6mA/mであり、より好ましくは、約0.4mA/m〜約0.5mA/m、最も好ましくは、約0.42mA/mである。血清カルシウム濃度に関連した疾患を治療するために印加電流を使用する場合、平均印加電流密度は、好ましくは約60mA/mから約2,000mA/mである。この平均印加電流密度は、約1分から約20分、より好適には約2分から約10分に亘る連続的な時間、細胞膜上に生成される。
本発明の方法を適用し得る細胞組織には、例えば、筋骨格組織、中枢および末梢神経系組織、胃腸管系組織、生殖系組織(雄性と雌性の両方)、肺系組織、心血管系組織、内分泌系組織、免疫系組織、リンパ系組織、また泌尿生殖系組織が含まれる。
形質膜(原形質膜)のような真核細胞の生体膜は、これらのイオンに選択的に透過性である。選択透過性は、細胞膜を横切る膜電位の確立を可能にする。細胞は、細胞膜を横切る分子の輸送の為に膜電位を利用する。膜電位の生成に関連するイオンの多くは、生体機能を奏する。例えば、筋細胞においてカルシウム・イオンの閾値濃度は収縮を開始させる。膵臓のシステムの外分泌腺の細胞では、カルシウム・イオンの閾値濃度は、消化酵素の分泌を引き起こす。同様に、ナトリウム・イオンとカリウム・イオンの様々な濃度は、神経軸索を通過する電気インパルスの導電にとって必要である。
電位作動性イオンチャネルと呼ばれるタンパク質の広いファミリーは、イオン濃度と膜電位を維持する。電位作動性イオンチャネルは、チャンネルの整合状態に応じてイオンが生体膜を横切って通過することを許容するイオン選択性の細孔を含む膜貫通型のタンパク質である。チャネルの高次構造的な状態は膜電位に反応する帯電したアミノ酸を含む電位感受性の部位によって影響を受ける。チャネルは伝導している(開いている/活性化されている)か伝導していない(閉じられている/非活性されている)かのどちらかである。
特定のイオン(即ちCa2+)と心血管の健康との関連に起因して、本発明は、心臓血管疾患の予防又は治療に有用である。これらには例えば、心筋症、拡張鬱血性心筋症、肥大型心筋症、狭心症、異型狭心症、不安定狭心症、アテローム性動脈硬化症、動脈瘤、腹部大動脈瘤、末梢動脈障害、低血圧と高血圧のような血圧障害、起立性低血圧、慢性心膜炎、不整脈、心房細動および粗動、心臓病、左室肥大、右室肥大、頻脈、心房の頻脈、心室の頻脈および高血圧症が含まれる。
さらに、本発明は、血液疾患の予防あるいは処置のためにも有用である。これらには、低ナトリウム血症と高ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、低リン酸塩血症、高リン酸塩血症、血中マグネシウム減少症、高マグネシウム血症、糖尿病のような血糖調節障害、成人発症性糖尿病、若年発症糖尿病が含まれるが、これらに制限されるものではない。
本発明の1つの実施形態では、細胞膜を横切るCa2+フラックスを増大するために、レクチンがEFと共同で適用される。本発明に有用なレクチンは、例えば、コンカナバリンA(ConA)および小麦胚芽凝集素を含んでいる。別の実施形態では、本発明によって生成されたイオン・フラックスは、カルシウムサプリメントと共に生成される。別の実施形態では、本発明によって生成されたイオン・フラックスは、ビタミンDサプリメントと共に、あるいはカルシウムサプリメントおよびビタミンDサプリメントの両方で生成される。本発明のビタミンDサプリメントには、例えば、ビタミンD(エルゴカルシフェロール)およびビタミンD(コレカルシフェロール)が含まれる。同様に、本発明の方法は、生体試料あるいは患者の表面へ投与される補助光源と共に実施することができる。光源は、約225ナノメーターから約700ナノメーターまでの範囲における波長を放射するものであっても良い。本発明の1つの実施形態においては、本発明の方法で共同適用された光源は、約230ナノメーターから約313ナノメーターまでの範囲における波長を放射する。
本発明の追加の実施形態では、別の分子は、本発明によって生成されたイオン・フラックスと同時に細胞膜を横切って移りうる。そのイオン・フラックスと同時に移動する追加の分子は、身体で自然に生産されるかもしれず、あるいはサプリメンテイション(例えばビタミンなどを介して)経由で提供されるかもしれない。細胞のグルコースの取り込みは、例えば、細胞膜を横切るカルシウムイオン・フラックスによって増強されうる。本発明によって生成されたイオン・フラックスと同時に細胞膜を横切って運ばれるうる追加分子は、栄養補助食品(例えば病気および/またはコンディションの予防あるいは治療を援助するために設計され投薬された栄養剤)を含んでいる。さらに、本発明の方法は、高カロリー療法治療(例えば、昏睡、重いやけどや胃腸障害のような障害治療に通常要求される以上の栄養管理)と共に用いてもよい。
実施例1
60Hzの電界が、レクチンによって刺激されたマウス脾細胞における細胞質ゾル・カルシウム(Ca2+)レベルをアップレギュレートとする。
この実験に利用されたEF曝露システムは、4つの部分からなる。すなわち、ポリカーボネートからなるEFフィールド曝露ディシュと、ファンクション・ジェネレータ(SG-4101、岩通株式会社製、東京、日本)と、デジタル・マルチメーター(VOAC-7411岩通株式会社製、東京、日本)と、コントローラー(白寿株式会社製、東京、日本)とで構成されている。図1はEF曝露システムでフィールド曝露ディッシュを示す。フィールド曝露ディッシュは、蓋、ディッシュおよびドーナツ形のインサート(内部直径: 12mm)からなる。EFは発振器によって、2つの円形白金電極(細胞培養スペース)間で生成され、コントローラーとデジタル・マルチメーターを使って微調整される。60HzのEFの強さは、フィールド曝露ディッシュの細胞培養スペース内で電流密度を測定することにより決定された。
電流密度の計算式は以下のとおりである。電流密度 =I/S、ただし、Iは、供給された電流(μA)、Sは細胞培養スペースの面積(0.36πcm)である。したがって、電流密度は、電流密度=0.885I[μA/cm]で計算できる。
EF曝露に先立って、約1.5mlのアッセイバッファー(137mM NaCl、5mM KCl、1mM NaHPO、5mMグルコース、1mM CaCl、0.5mM MgCl、0.1%(w/v)BSAおよび10mM HEPES pH7.4)を、電極室へ注いだ。細胞と下部電極との接触を回避するために、ポリカーボネート細胞膜(Isopore、MILLIPORE社、マサチューセッツ州 アメリカ)をディッシュとインサートの間に配置した。約1mlの細胞懸濁液を、培養ウエル/スペースに注ぎ、蓋で覆った。
細胞準備
クリーン空気濾過装置を装備した従来の飼育室で飼育されたクレア社(東京、日本)から入手した4〜7 週の雌のBALB/cマウスが麻酔下で脾摘出され、脾細胞の細胞懸濁液を準備した。そして細胞生存率を検査するために、該細胞を、10%のウシ胎児血清(FSB)が追加されたDulbeccoの修正イーグルの培地(SIGMA社、ミズーリ州米国)において培養した。該細胞を、細胞準備後4時間以内に実行された[Ca2+]cの検査の間、ハンクス液(HBSS)(SIGMA社、ミズーリ州米国)中に維持した。細胞は使用に先立って4℃で保管した
EF曝露細胞の生存率の定量
マウス脾細胞(5x10細胞/ml)を、5%CO中にて37°Cで、30分および24時間、60Hzの6μA/cmあるいは60μA/cm EFのいずれかで曝露した。疑似物(対照)細胞を、フィールド曝露ディッシュ上で、EF曝露することなく、30分および24時間放置した。30分および24時間の曝露の終わりに電界曝露ディッシュから回収された細胞懸濁液を、4℃で、30分間、2.5μg/mlのプロピディウム(propidium)ヨウ化物で色付けした。また、死細胞率を流動細胞計測法で分析した。
[Ca2+]−high細胞および使用したレクチンの検定のための細胞準備
脾細胞(10個の細胞/ml)を、2.5μM のフルオ-3-アセトキシルメチル(fluo-3-acetoxylmethyl)を含むHBSSにおいて37℃で20分間培養した(モレキュラー プローブス(Molecular Probes), 米国) [バンデンベルゲ 他(Vandenberghe et al.), 1990]。その後、細胞浮遊液を、1%FBSを含有するHBSSで5倍に希釈し、37℃で40分間培養し、アッセイバッファーで3回洗浄した。そして、その後、細胞を、1x10/mlの濃縮でアッセイバッファー中に保持した。細胞準備の全体を通じて、細胞浮遊液を静かに撹拌した。
EMFとマイトジェン(mitogen)(ウオレチェク(Walleczek)およびリバーディ(Liburdy)、1990年)の間の報告された相乗相互作用を考慮して、コンナバリンA(Con-A)(生化学社、東京、日本)およびフィトヘムアグルチニン(PHA)(SIGMA社、ミズーリ州米国)を使用した。
[Ca2+]−high細胞の生成に対する60Hz(6μA/cm)のEFの効果を決定する実験計画法
以前に分析した曝露されたネズミ科の脾細胞の生死判別試験の結果を考慮して、我々は、次の5つの実験を実行する際に最適の培養および曝露条件(60Hz、6μA/cmEF)を使用することにした:
(1)HEPES緩衝食塩水(BS)+1mM CaClにおいてサスペンドされた細胞を合計40分EFに曝露した。また、12.5μg/mlのコンカナバリンAを曝露の最初の8分後に加えた。対照群は、コンカナバリンAを含むEF非曝露細胞およびコンカナバリンAを含まないEF曝露細胞とした。パーセント[Ca2+]−high細胞を、ある曝露ポイントでチェックした。
(2)HEPES-BS + 1mM
CaClの中の細胞を、合計12分間曝露した。また、異なる濃縮(1ngないし12.5μg/ml)のコンカナバリンAを、曝露の最初の4分後に加えた。対照群は、本質的に実験群の同じであるが、EF曝露しなかった。
(3)HEPES-BS+1 mM CaCl中の細胞を合計8分間曝露し、また5μg/mlのPHAを曝露の最初の4分後に加えた。対照群は、PHAを含むEF非曝露細胞およびPHAのないEF曝露細胞とした。
(4)CaClのないHEPES-BSにサスペンドされた細胞を、合計12分間曝露し、また、濃度の異なるコンカナバリンA(1ngないし5μg/ml)を、曝露の最初の4分後に加えた。対照群は本質的に実験群と同じであるが、EF曝露なしとした。
(5)EF曝露の持続効果を評価するために、HEPES-BS + 1mlのCaClにサスペンドされた細胞を、合計4分間曝露し、その後、濃度の異なるコンカナバリンA(0.025から12.5μg/ml)を加えた。また、EF曝露しないで次の8分間 [Ca2+]-high細胞の生成を、流動細胞計測法でモニターした。その対照は、本質的に実験群と同じであるが、EF曝露なしとした。
統計分析
細胞生存率における統計分析はスチューデントt検定を用いて決定した。グループ中の[Ca2+]cにおけるEF曝露による効果用データは、分散分析(ANalysis Of VAriance between groups)、スチューデントt検定およびペアードt検定によって分析した。統計分析のための計算はすべて、MS-EXCEL(登録商標)の日本版(マイクロソフト・オフィス・ソフトウェアVer.9.0.1、日本マイクロソフト社、東京、日本)で行った。
結果
図2は、EF曝露後の生細胞のパーセンテージを示す。3つの複製全てにおいて、細胞の98%以上が6μA/cmあるいは60μA/cmに曝露された後、生きていた。
[Ca2+]−high細胞の数は、12.5μg/mlコンカナバリンA(図3)を含むEF曝露および非曝露の双方の細胞懸濁液中で著しく増加した。図3では、円は、コンカナバリンAのないサスペンションを示し、三角形は、EFに曝露されたコンカナバリンAを備えたサスペンションを示す。また、正方形は、EFに曝露されなかったコンカナバリンAを備えたサスペンションを示す。コンカナバリンAなしのEF曝露細胞懸濁液におけるそれらは、実質的に変わらなかった。コンカナバリンA誘導反応はマイトジェンの追加後直ちに表れ、5〜8分以内に飽和点に達した。EF曝露および非EF曝露コンカナバリンA誘導細胞の差違は些細であった(P>0.05)。
図4Aおよび4Bは、1mMのCaClの存在、非存在で異なる濃度のConAを含むEFを曝露された細胞培養物での結果をまとめたものである。図4Aは、1mMのCaClでの培養の結果を示す。図4Aでは、EF曝露培養(黒棒)と非EF曝露培養(白棒)の両方は、1mMのCaClを含み、各種濃度のコンカナバリンA(0.01μg/mlから5μg/ml)を含む。CaCl(図4A)がある状態では、EFは有意にコンカナバリンA依存[Ca2+](P<0.01:ANOVA)を増強した。[Ca2+]−highの増加は、0.675〜5.0μg/mlコンカナバリンA刺激グループでより一層実質的であったが、1.25μg/mlおよび2.5μg/mlコンカナバリンA誘導細胞だけが、有意差を示した(P<0.05:ペアードt検定)。図4Bでは、EF曝露培養(黒棒)および非EF曝露対照培養(白棒)双方ともに、各種濃度のコンカナバリンAを含むが、CaClは含まない。コンカナバリンA依存の[Ca2+]上昇は、対照およびEF曝露グループのいずれにおいてもCa2+遊離細胞条件(図4B)で無視できるものであった。
EF依存の[Ca2+]アップレギュレーションがコンカナバリンAに限定されたかどうかを決定するために、PHA刺激細胞も分析した。PHA含有EF曝露および非EF曝露細胞のいずれも、[Ca2+]−high細胞の有意な増加を登録した(図5)。しかしながら、EF曝露細胞の増加は、非曝露グループと比べて有意であった(P<0.05:ペアードt検定)。
3.125〜12.5μg/mlのコンカナバリンAをEF非曝露または4分間の初期EF曝露の細胞懸濁液へ追加すると、0.025μg/mlのコンカナバリンA(図6)で刺激された細胞と比べて[Ca2+]−high細胞が著しい増加を示した。3.125および6.25μg/mlのコンカナバリンAで刺激された細胞は、[Ca2+]−high細胞の継続的な増加を示しコンカナバリンA刺激の8分後に横ばいになった。一方、より高い濃度のコンカナバリンA(12.5μg/ml)で刺激された細胞は、コンカナバリンA刺激のおよそ4分後に[Ca2+]−high細胞の下落を示した。EF曝露の増強効果は、コンカナバリンAが6.25μg/ml存在する状態でのみ、2〜4分で著しく明確であった(P<0.05:ペアードt検定)。
実施例2
人間の血管内皮細胞における血管作動性物質に誘発された細胞内カルシウム(Ca2+)応答に関する低周波電界の効果。
人間の血管内皮細胞(以下、HUVEC)に関するEF効果を評価するために、細胞内のカルシウム・レベルを、ATPとヒスタミンで刺激されたHUVECで検査した。HUVECに関するEF効果を評価するために、HUVECを、50Hz(30,000V/m)のEF、3,000ボルトに曝露した。HUVEC上のEF誘導電流密度は0.42mA/mだったと推測される。HUVECを24時間これらテスト・パラメータに曝露した。
曝露後、細胞質の自由なCa2+濃度をフルオ3流動細胞計測法によって決定した。フルオ3イメージ強度の変化は共焦点形レーザー顕微鏡で確認した。結果は、EFがHUVEC中のカルシウムの濃度を増加させたことを実証している。
実施例3
EFあるいは疑似対照のいずれかの条件に曝露されたラットの行動選択の評価を行う試験実例におけるラットのEFへの曝露
材料と方法
図7は、本研究におけるEF試験のための実験計画を示す。ラットはEF曝露のある条件あるいはない条件に曝される種々のグループに分けられた。EFあり又はなしのトレーニング間隔の後、ラットの行動は、900秒の観察時間内にケージの白い領域に個々のラットの滞留時間を記録することにより測定された。
結果と考察
結果はまとめられ、図8に示される。ラットが全観察時間内に白い領域の範囲内にとどまった時間には重要な相違があった。
これらのデータは、本研究で使用される条件下でのEFの強度をラットが感じることができ、嫌わなかったであろうこと、そしてストレスを減少させる手段としての極低周波EFの曝露を示唆する。さらに、これらは、EFがストレス行動に関連するくらいに、ラットの内分泌系に影響を与え得ることを示唆する。最後に、群れることで引き起こされたストレスが生じる得る間隔中にラットのような動物のストレスを軽減する方法として、この方法は有用であるかもしれない。
実施例4
後肢虚血性ラットにおける50Hz電界曝露の乳酸塩、グルコース、遊離脂肪酸、トリグリセリドおよびクレアリン・ホスホキナーゼ活性の血漿濃度への影響
電界曝露システム
曝露システム(図9A及び図9B)は、3つの主要な部分、すなわち高電圧変圧器 (図9B、株式会社白寿生科学研究所、東京、日本), 定電圧ユニット(図9B、東京精電株式会社、東京、日本) そして、EF曝露ケージ(図9A)で構成されており、以前、記述されている(原川 他、2004b)。つまり、ラット又はさらに小さな動物のために設計されている曝露ケージは、筒状のケージの上下に取り付けられたステンレス鋼(1,200×1,200mm)製の2つの電極と筒状のプラスチックのケージ(直径:400mm、高さ:400mm)で構成される。ケージ中に17,500V/mの強度の50Hz正弦波EFを形成するために、安定した交流(7,000V)は上部の電極に印加された。実験は室温で(25±0.4℃)行われた。本研究では、我々は4つの装置セットを用いた。:EF曝露用の2セット及び疑似EF曝露用の別の2セットである。2匹以上のラットを同時に収容することにより引き起こされるEF分配の不均衡を回避するために、個々の実験のセッションにおいて各曝露ケージには、ラットを1匹だけ収容した。
実験動物
本研究での動物を用いる実験手続きは、日本で行なわれ、確立したガイド指針および規定に従って行なわれた。
雄、8週齢のスプラーグ-ダウレー系(SD)ラット、体重270〜330gは日本エスエルシー株式会社(東京、日本)から購入され、通常の空調が取り付けられた動物飼育室で飼育された。虚血は、ペントバルビタール麻酔の下、綿結紮糸を使用した腸骨枝近くの腹大動脈の外科的二重血管結紮によって作成された(土井 他、1997年)。疑似虚血ラットは同様の方法で、しかし結紮することなく準備された。
実験計画
40匹のSDラットは4つの10匹のグループに分けられた: 虚血のみのグループ(虚血+疑似EF); 二重処置グループ(虚血+EF;二重疑似グループ(疑似虚血+疑似EF); そして、EFのみのグループ(疑似虚血+EF)。すべてのラットは完全に意識のある状態でEFまたは疑似EFに曝露された。虚血又は疑似虚血外科手術の60分以内に、ラットは15分間、50Hz、17,500V/mに曝露又は疑似曝露された。
次に、ネズミは14日間の間、1日に一度EFに曝露された。
血液分析
血液サンプルは血液の特性および乳酸塩の血漿濃度の測定のために、外科手術の直前とEF曝露開始後4日目および7日目の曝露直後に、尾静脈から集められた。また、最初のEF曝露後14日目に血液の特性および乳酸塩、グルコース、トリグリセリド(TG)、遊離脂肪酸(FFA)およびクレアチン・ホスホキナーゼ(CPK)活性の血中濃度を測定するためにペントバルビタール麻酔の下、腹部大動脈から血液サンプルは採取された。血液特性分析のために、集められた血液サンプルのアリコートはK2−EDTA(1mg/ml)で処理された。
赤血球(RBC)、白血球(WBC)および血小板(PLT)は、ヘマトクリット値(HCT)と同様に数えられ、また、ヘモグロビン・レベル(HGB)は、多項目自動血球分析装置F−800(シスメックス株式会社、兵庫、日本)を使用して測定された。平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)および平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)は、RBC、HCTおよびHGB値から計算された。EF曝露の14日目に、ナトリウム・ヘパリン(0.1mg/ml)で血液サンプルを処理し、4℃、1,670×gで遠心分離によって血漿を分離した後、乳酸塩、グルコース、トリグリセリド(TG)、遊離脂肪酸(FFA)およびクレアチン・ホスホキナーゼ(CPK)活性の血中濃度が検査された。乳酸塩以外の各物質の濃度は自動分析器(7170、日立株式会社、東京、日本)で測定された。乳酸塩の濃度は、データマイナー−LA (協和メデックス株式会社、東京、日本)を用いて測定された。
統計分析
グループ間の、および/または実験中期間の相違の統計的有意性は、乳酸塩濃度と血液特性のワンウエイ分散分析あるいはツーウエイ分散分析によって計算された。グループ間の相違の統計的有意性は、血漿グルコース、TG、FFAおよびCPK活性のスチューデントt検定、アスピン・ウェルチt検定又はワンウエイ分散分析によって計算された。有意水準はP<0.05と定義した。統計分析のためのすべての計算はプリズム・バージョン4.0b(グラフパッドソフトウエア社、サンディエゴ、カリフォルニア)で実行された。
血液特性
EF曝露開始後0日目、4日目、7日目、14日目の白血球(WBC)は図12に示される。処置及び期間の両方の要因に関して、すべてのグループ間で相違が見られた(P<0.01、ツーウェイ分散分析)。2つの虚血のグループの白血球(WBC)総数はEF曝露後7日目まで一時的な増加を示し、14日目に回復を示す(P<0.01、ワンウェイ分散分析);EF曝露後7日目では白血球総数は、二重疑似グループとEFのみのグループの総数よりも高かった(P<0.05、スチューデントt検定)。すべてのグループ間において、測定された他のパラメータは著しい有意な変化を示さない(データ示さず)。
グルコースと乳酸塩の濃度
EF曝露開始後14日目に血漿グルコース濃度が測定された。すべてのグループの値は172.9±3.2(平均値±標準誤差(SEM))から181.6±2.8mg/dl(P=0.71、ワンウェイ分散分析)の間で変動した;すべてのグループ間で有意な相違はなかった。
血漿乳酸塩濃度は、EF曝露開始後、0日目、4日目、7目及び14日目に測定され、表1に示される。両方の虚血グループの血漿乳酸塩濃度は、非虚血グループと比較して日にちに依存した変化を示した(P<0.01、ツーウェイ分散分析)。EFに依存した変化はすべての測定ポイントで示されるとは限らなかった。
クレアチン・ホスホキナーゼ(CPK)
血漿CPK活性濃度はEF曝露開始後14日目に測定された。4つのグループのワンウエイ分散分析では、処置に依存した変化を示さなかった(データ示さず)。
トリグリセリド(TG)と遊離脂肪酸(FFA)
TGとFFAの血漿濃度はEF曝露開始後14日目に測定され、図11と図12に示される。血漿TG濃度は処置に依存した変化を示した(P<0.05、ワンウェイ分散分析);二重疑似、EFのみ、虚血のみ、および二重処置のグループは、各々159.5±14.4、149.3±12.9、139.1±18.5および101±20.1mg/dlである(図11)。スチューデントt検定の結果は、二重処置グループのTG濃度が二重疑似とEFのみのグループより著しく低かったことを示す(P<0.05)。二重疑似とEFのみのグループ間および虚血のみと二重処置グループ間には統計的に有意な相違がなかった。二重疑似、EFのみ、虚血のみ、および二重処置のグループの血漿FFA濃度(図12)は、各々0.21±0.02、0.20±0.02、0.17±0.01および0.12±0.02mEq/lであった(P<0.01、ワンウェイ分散分析)。二重処置グループのFFA濃度は、EFのみ(P<0.01、スチューデントt検定)及び二重疑似(P<0.01、スチューデントt検定)のグループのものと比較し、著しく低くかった。二重処置グループを虚血のみのグループと比較すると、スチューデントt検定によるP値は0.06であった。二重疑似とEFのみのグループの間のFFAの濃度の相違は、統計的に有意ではなかった。
考察
すべての処置グループにおいて、血漿グルコース濃度は相違を示さなかった。この結果は、実際に虚血またはEFが解糖に小さな影響を及ぼしていたとしても、貯蔵グルコースの減少のような厳しい変化が起こらなかったことを示す。EF曝露開始後、4日目に一時的に増加し14日目まで減少が続く、虚血に依存した血漿乳酸塩は二つのことを示唆する:1) 虚血は低酸素状態によって乳酸塩新陳代謝の不均衡を引き起こす;そして2) 虚血はミクロのバイパス(土井 他、1997年)経由で徐々に常態にされる。しかしながら、虚血のみのグループのものと比較すると、二重処置グループではEFが関連する血漿乳酸塩濃度において明白な変化は示されなかった。しかしながら、二重疑似グループのものと比較すると、EFのみのグループではEFが関連する乳酸塩濃度において明白な変化は示されなかった。これらの結果は、本研究で適用されたEFが血漿乳酸塩濃度に影響を及ぼさなかったことを示す。様々な期間の0.1および2ガウスの磁界(MF)刺激が新血管新生の著しい増加を示すと初期の研究は示唆するが(ローランド 他、2000年)、その研究と我々の発明の間にはいくつかの重要な相違が存在する。
現在の結果は、白血球(WBC)総数を除く血液の特性において大きな変化を示さなかった。虚血の外科手術の処置をされた2つのグループの白血球総数は、7日後まで著しく上がって見え、14日後までにベースラインの値に戻った。これは、外科手術によって引き起こされた炎症性の反応に基づくものかもしれない。CPK活性は組織損傷の指標としてよく知られているが(ハース、1990)、14日後におけるCPK活性はすべてのグループで変化しなかった。ラットの術後の組織損傷が14日後には残らなかったことは明確である。
14日後、TG濃度は、二重処置グループ<虚血のみのグループ<EFのみグループ=二重疑似グループ、を示した。同様の傾向がFFA濃度でも見られた。多くの生物中でのエネルギー源であるトリグリセリドは、肝臓で合成され、そして様々な組織で供給されたリパーゼによって、脂肪酸かグリセロールに消化される。したがって、2つの仮説が考えられる:1)TG代謝は、EFによって誘発された脂肪の代謝を含むエネルギー代謝の増加によって増強され;そして/または2)TG合成経路を抑えるために作用する。ストレスを与えられたラットにおける、EFに引き起こされた乳酸塩合成経路抑制効果についての従来の研究(原川 他 2004b)は、エネルギー代謝へのEF効果に関する推察を支持するであろう。さらに、EFが食べることの誘因として用いられる状態でのオペラント条件付けの成功が報告されている(スターン 他、1985;スターン 他、1983)
結論として、解糖パラメータである血漿乳酸塩又はグルコース濃度に対するEF効果は強いストレス状態では現われず、生物の状態によってEF効果が変わったが、本研究の中で用いられるELF EFは後肢虚血ラットの脂質代謝パラメーターに影響を及ぼすことをこれらの結果は示す。さらに、これらの結果は、EF暴露が脂肪合成又は脂質分解を含むエネルギー代謝に影響を及ぼすかどうかの調査のために虚血ラットモデルが有用であると示唆する。
実施例5
血漿過酸化脂質濃度と抗酸化活性への50Hz電界の影響
材料と方法
本研究での動物を用いる実験手続きは、日本で行なわれ、確立したガイド指針および規定に従って行なわれた。
実験動物
雄、8週令のスプラーグ-ダウレー系(SD)ラット(N=55)、体重252〜274グラムは、日本エスエルシー株式会社(東京、日本)から購入され、通常の空調が取り付けられた動物飼育室の中でグループ飼い(1つのケージあたり5匹のラット)で飼育された。
電界曝露システム
曝露システム(図9)は、3つの主要な部分、すなわち高電圧変圧ユニット(株式会社白寿生化学研究所、東京、日本)、定電圧ユニット(図9B、東京精電株式会社、東京、日本)そして、EF曝露ケージで構成されており、以前、記述されている(原川 他、2004b)。つまり、ラット又はさらに小さな動物のために設計されている暴露ケージは、筒状のケージの上下に取り付けられたステンレス鋼(1,200×1,200mm)製の2つの電極と筒状のプラスチックのケージ(直径:400mm、高さ:400mm)で構成される。ケージ中に17,500V/mの強度の50Hz正弦波EFを形成するために、安定した交流(7,000V)は上部の電極に印加された。実験は室温で(25±0.4℃)行われた。本研究では、我々は4つの装置セットを用いた。:EF曝露用の2セット及び疑似EF曝露用の別の2セットである。2匹以上のラットを同時に収容することにより引き起こされるEF分配の不均衡を回避するために、個々の実験のセッションにおいて各曝露ケージには、ラットを1匹だけ収容した。
ストレスを受けていないラットへの電界曝露
ストレスを受けていないラットに対するEFの効果を調べるために、ラットは50Hz17,500V/m強度の正弦波に、1週間、1日当たり15分間曝露された。3つのグループ(n=5)の各ラットは、各々、EFあるいは疑似EFで処置され、もしくは処置されなかった。疑似EF曝露ラットは、システムを切った曝露ケージの内に等期間の間、飼育された。ペントバルビタール(45mg/kg、腹腔内投与)麻酔の下、EF曝露後、実験日7日目に、血液は腹部腔静脈から集められ、4℃で10分間 1,670×gの遠心分離によって血漿が分離された。試験まで、血漿サンプルは−80℃で保管された。
AAPH処置されたラットへの電界曝露
酸化ストレス中のEF効力の影響を調べるために、ラットは、以下の5つのグループ(n=8)に分割された:1)未処理;2)実験日7日目、酸化剤AAPH処理;3)EFとAAPHの共同処理;3)AAPHと酸化防止剤アスコルビン酸の共同処理;あるいは5)AAPHとスーパーオキシド・ジスムターゼの共同処理。グループ3のラットは50Hz17,500V/m強度の正弦波に、1週間、1日当たり15分間曝露された。さらに、グループ1,2,4そして5は、疑似EF曝露され、システムの切られた曝露ケージの中に等期間の間、飼育された。EF開始から7日後、グループ3は、AAPH(10mg/kg、腹腔内投与)の投与直後にEFに曝露された。グループ4では、アスコルビン酸(500mg/kg、経口投与)はAAPH処置の60分前に投与された。スーパーオキシド・ジスムターゼ(50mg/kg、皮下注射、ナカライテスク社、東京、日本)は、AAPH処置直前のグループ5に投与された。ペントバルビタール(45mg/kg、腹腔内投与)麻酔の下、AAPH投与90分後に、血液は腹部腔静脈から集められ、4℃で10分間1,670×gの遠心分離によって血漿が分離された。試験まで、血漿サンプルは−80℃で保管された。
抗酸化活性(AOA)
血漿の抗酸化活性(AOA)はメチレンブルー誘導体を用いる方法で測定された。簡潔に言えば、0.1mlの血漿又はアスコルビン酸(和光株式会社、大阪、日本) 溶液と0.65mlの蒸留水を、3,7−ビス-ジメチルアミノ−10−メチル カルバモイル フェノチアジン(MCDP,40μM,協和メデックス株式会社、東京、日本)とヘモグロビン(67.5μg/ml)が補われた1%のトリトンX−100を含むpH5.8に調整されたグッド緩衝液(グッド 他、1966)1.5mlに加えた。37℃で1分間の定温放置後に、0.25mlのt-ブチルヒドロペルオキシド(84μM,BHB、オルドリッチ)がアルコキシルラジカル重合開始剤として加えられ、10分間反応させた。さらに、ペルオキシラジカル重合開始剤としてAAPH(50mM)を用いた反応での抗酸化活性(AOA)測定は、37℃で20分間ヘモグロビンを除いたグッド緩衝液中で行なわれた。各血漿サンプル中では酸化防止剤に捕捉されなかったラジカル重合剤はMCDPを酸化するであろう。その後、結果的に生じた青い色の吸光度は、分光光度計(150−20、日立)を使用し、675nmでの吸光度で測定された。抗酸化活性(AOA)を計算する方程式は以下である:AOA (%)=(1-Abs1/Abs2) ×100、ここでAbs1は血漿サンプルの吸光度であり、Abs2はブランクの値である。
過酸化脂質
過酸化脂質の血漿濃度の指標としてチオバルビツール酸反応性物質(TBRS)は、商品キット(過酸化脂質テスト−和光、和光株式会社、大阪、日本、)を使用して測定された。
統計分析
結果は、平均値±標準誤差(SEM)で表される。すべてのグループ間の相違の統計的有意性は、ワンウエイ分散分析によって計算された。また、2つのグループ間はスチューデントt検定によって計算された。有意水準はP<0.05と定義した。統計分析のためのすべての計算はプリズム・バージョン4.0b(グラフパッドソフトウエア社、サンディエゴ、カリフォルニア)で実行された。
電界曝露の血漿過酸化脂質濃度への影響
ストレスを受けていないラットの3つのグループ間では、血漿過酸化脂質濃度に有意な相違はなかった(表2)。
表3は、EF曝露の直前にAADHを投与したラットの血漿過酸化脂質濃度を要約している。未処理グループと疑似電界曝露グループ間では有意な相違はなかった。しかしながら、EF曝露グループの血漿酸化脂質濃度は、それらの2つのグループと比較して、著しい減少を示した(P<0.05)。更に、アスコルビン酸またはスーパーオキシド・ジスムターゼで処理されたラットの血漿過酸化脂質濃度は、疑似EF曝露グループと比較された場合は低かった。(各々、P<0.05とP<0.01)
電界曝露の血漿の抗酸化活性への影響
試験管中のAADHあるいはBHPに加えられた血漿のAOAは、表4の中で要約されている。7日間EF曝露されたラットにおいて、AADHに誘発されたペルオキシラジカルに対する血漿の抗酸化活性は、疑似EF曝露グループと比較された場合、低い傾向があるが、この違いは有意ではない(P<0.05)。同様に、BHPに誘発されたアルコキシルラジカルに対する抗酸化活性は、3つのグループ間では違いを示さなかった。しかしながら、未処理グループの血漿へのアスコルビン酸の添加は、著しく両方の酸化剤に対するAOAを上げた(P<0.01)。
AADHとEFでとも共同処置したラットの血漿中のBHPあるいはAADHに対するAOAは、表5に一覧されている。本研究では、AADHは血漿中にフリーラジカルを生成するために用いられた。疑似EFグループ(P<0.01)、EF曝露グループ(P<0.01)およびスーパーオキシド・ジスムターゼ処置グループ(P<0.05)の血漿AOAは、未処置グループのものと比較して、著しく抑えられた。逆に、アスコルビン酸を投与されたラットの血漿AOAは、他の4つのグループのそれらより著しく高かった(P<0.01)。EF曝露された又はスーパーオキシド・ジスムターゼで処置されたグループの血漿AOAは、疑似EF曝露グループのそれとは相違なかった。一方、他の4つのグループのものと比較された場合、アスコルビン酸の投与はBHPに対するAOA増加の結果となった。(P<0.01)
考察
人間へのEMF曝露の安全性に焦点を置いた研究は、生物へのEF曝露のメカニズムの中で、活性酸素種によって引き起こされるような酸化的ストレスの関与を報告している(フィオラニ 他、1997年; カトシール 他、1998年; モウスタファ 他、2001年; ライテル 他、1998年; シムコ 他、2001年; ヴァルテンベルグ 他、1997年)。しかしながら、この因果関係は論争の的になっており、そしてMFなしで構成された純粋なEF曝露が与えうる影響についての議論の大部分は無視された。ELF EF単独の曝露が酸化的ストレスに対する生物学的反応に影響を及ぼすかどうかは知られていない。本研究は、ストレスを受けていないラットと酸化的ストレスを受けたラットにおいて、ELF EF曝露が血漿AOAおよび過酸化脂質濃度を改善するか否かに特に注目した。
細胞の又は血漿活性酸素種濃度の増加は、ELF EF曝露によって引き起こされた結果の1つとして以前に報告されている(フィオラニ 他、1997年; カトシール 他、1998年; シムコ 他、2001年; ヴァルテンベルグ 他、1997年)。脂質過酸化生成物は、生物学的システムでの酸化的ストレスのバイオマーカーとして用いることが認められている(ラヴァル、1996年)。もし細胞の又は血漿活性酸素種濃度がELF EF曝露に影響を受ければ、過酸化脂質の血漿濃度は同様に変化するであろう。50HzのEFに曝露されたストレスを受けていないラットでは、すべての実験のグループ間で有意な相違を示されなかった血漿過酸化脂質濃度は、違っていた。しかしながら、AAPHで処置されたラットにおいて、EF曝露された、あるいはアスコルビン酸又はスーパーオキシド・ジスムターゼいずれかの酸化防止剤で処置された全てのグループの血漿過酸化脂質濃度は、擬似EF曝露グループのものと比較して、著しく抑えられた。この発見は、酸化した物質あるいは酸化物質を調節する未知の経路を含み得る過酸化脂質代謝でのELF EF曝露の関与を示す。初期の報告書によって提供されるデータ(木村 他、1988年)は、ELF EF曝露が過酸化脂質の血漿濃度を抑えるであろうとの示唆について矛盾がなかった。この減少の理由は未知である。
ストレスのないラットでは、血漿AOAはEF曝露によって増強も阻害もされなかった。また、HPLCによって分離された高分子の又は低分子の画分でAOAは研究された(データ示さず)。低分子画分は、アスコルビン酸またはビタミンEのようなラジカル・スカベンジャーを含むであろう。他方、高分子分画はラジカル除去機能を有するハプトグロビンかトランスフェリンのいずれか、あるいはスーパーオキシド・ジスムターゼ又はカタラーゼのような酵素の抗酸化剤を含んでいる(デビー 他、1990年; フリドビッヒ、1978年)。どちらの画分も、50HzのEF曝露と関連するどんな変化も示さなかった。これらの結果は、この研究の中で用いられた50HzのEF曝露がストレスのないラットの血漿AOAに大きな影響を及ぼさないことを示す。酸化剤AAPHを投与されたストレスを受けたラットは、酸化的ストレスを受けた生物の血漿AOA変化におけるELF EF曝露の効果を調べるために用いられた。AAPHで処置されたネズミの血漿は、BHPに対してはAOAの変化を示さなかったが、AAPHに対するAOAの抑制を示した。(10mg/kgの)AAPHを投与されたラットでは、50HzのEF曝露がAAPHとBHPに対する血漿AOAに影響しなかったことから、ELF範囲にある「純粋な」(即ち帯磁していない)EFである本研究のEF曝露は、ペルオキシ酸化的ストレスに苦しむラットの血漿AOAの変化には大きく影響を与えないことが示唆される。
結論として、データは一時的に本研究で使用されるEFが過酸化脂質代謝にいくらかの影響があることを示唆するのに十分ある。現在まで、なぜ血漿AOAが変化しない場合であっても血漿過酸化脂質濃度が減少するかは知られていなかった。
B.Gタンパク共役受容体(GPCR)の調節方法
本発明は、さらにGPCRのような膜内外のタンパク質の調節により疾患を治療し予防する。GPCRの90%はロドプシン様の受容体(ファミリー1)として分類されているが、別の類であるGPCR(ファミリー3)は過去数年内に同定された。ファミリー3 GPCRは細胞外の陽イオンを感知するCa2+受容体(CaR)、代謝調節型グルタミン酸受容体(mGluR)、ガンマアミノ酪酸(GABA)受容体、推定上の味覚受容体(T1R1−3)および推定上のフェロモン受容体(V2Rs)を含んでいる。ファミリー3 GPCRのさらなるの詳細は、カウシク・アール、Int. Arch. Biosci., 1027-1035 (2001)で議論され、それは全体としてそっくりそのまま参考文献に取り込まれている。
例えば、カルシウム受容体は、細胞内のイオンおよびホルモンの濃度に影響すると判明した。カルシウム受容体は信号経路を経由して細胞内のCa2+濃度を調節する。(ウォード.D.T、セル・カルシウム、35:217-228(2004) 参照 )。さらに、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)濃度もカルシウム受容体によって変化させられることが示された。(フレイハン・G 他、J. of Clin. Endo. Metab. 81:932-936 (1996)参照)。
本発明はひとつ以上のGPCRを調節し、その結果、物質の異常な濃度を引き起こす、または物質の異常な濃度に引き起こされる疾病の治療と予防はGPCRにより調整される。本発明の1つの実施形態は、ファミリー3 GPCRを調節することによりそのような疾病を治療し予防する。本発明の別の実施形態は、ACTH濃度を調整するために1つ以上のカルシウム受容体を調節することで、疾病を治療し予防する。さらに、本発明の別の実施形態は、細胞内のCa2+濃度を上げるために1つ以上のカルシウム受容体を調節することで、疾病を治療し予防する。
GPCRの調節のために、GPCRを含む細胞又は組織上の平均誘導電流密度は、約0.001mA/mから約600mA/m、又は約0.3mA/mから約200mA/m、又は約0.3mA/mから約180mA/m、又は約0.4mA/mから60mA/m、又は約6mA/mから約60mA/m、又は約400mA/mから約600mA/m、又は約420mA/mから約600mA/mである。平均誘導電流密度は、約1分から約40分あるいは約10分から約30分の連続的な時間の間、細胞あるいは組織(それは少なくとも1つのGPCRを含む)上に生成される。印加電流を用いてGPCRに調節される物質に関連した疾病を治療するために、平均誘導電流密度は、約60mA/mから約2,000mA/mであり、また、平均誘導電流密度は約1分から約20分+の、又は約2分から約10分の連続的な時間の間、GPCRを含む細胞あるいは組織上に生成される。
本発明の別の実施形態において、さらにGPCRを含む細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が、250未満、100未満、あるいは約20から約38、又は35.7のように40未満である。
本発明の方法が使用されてもよい細胞は、例えば、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞が含まれる(ブラウン E.M. 他 Physiol.Rev.81, 239-297 (2001)参照)。
本発明の方法が使用されてもよい組織としては、例えば、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ神経叢、マイスナー神経叢、コロンおよび膵臓が含まれる。
心血管の健康状態と特定のイオン(即ちCa2+)との関連性の故に、本発明は、心臓血管疾患の予防又は治療に有用である。これらには例えば、心筋症、拡張鬱血性心筋症、肥大型心筋症、狭心症、異型狭心症、不安定狭心症、アテローム性動脈硬化症、動脈瘤、腹部大動脈瘤、末梢動脈障害、低血圧と高血圧のような血圧障害、起立性低血圧、慢性心膜炎、不整脈、心房細動および粗動、心臓病、左室肥大、右室肥大、頻脈、心房の頻脈、心室の頻脈および高血圧症が含まれる。
さらに、本発明は血液の疾患の予防又は治療に有用である。これらは糖尿病、成人発症の糖尿病および小児糖尿病のような血糖調節疾患に加え、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低カリウム血症、高カリウム血症、低カルシウム血症、高カルシウム血症、低リン血症、高リン血症、血中マグネシウム減少症、そして高マグネシウム血症を含むが、これに限定されない。
本発明は、上に挙げられた疾患の治療又は予防には制限されない。前述のように、本発明は、GPCR、特にファミリー3 GPCRによって調節される物質の、異常濃度によって引き起こされる疾患、もしくはその異常濃度を引き起こす疾患を広く治療又は予防する。
実施例6
カルシウム受容体蛋白(CaR)は多数の魚類の電気感受細胞中に大量に存在する。
材料と方法
本実施例に用いられたすべての方法と装置は以前に公表されている。(Nearing, J., et al.,Proc.Nat. Acad. Sci. 99:9231-9236 (2002); Hentschel, H., et al., Am J Physiol
(Renal) 285(3):F430-439 (2003); U.S. Pat. No. 6,481,379 B1;U.S. Pat. No. 6,475,792 B1; U.S. Pat. No. 6,463,883 B 1 参照)。アトランティックサーモン、ツノザメおよび弱い電界を感じることができる3種の電気魚を含む4種の魚類で試験された。(Von Der Emde, G., J. Exp.Biol. 202:1205-1215 (1999); Maclver, M. A., et. al., J. Exp. Biol. 204:543-547
(2001) 参照)。アトランティックサーモン(Salmo salar)およびレインボートラウト(Oncorhynchus mykiss)は淡水タンク中に適切な温度設定と光周期コントロール下で飼育した。成アブラツノザメ(Squalus acanthias)はメイン湾から採集した。サメは、嗅覚管を通して二重脊髄穿刺によって屠殺し、ロレンツィーニ瓶嚢と呼ばれる頭部の電気感受器官を含む皮膚や基本組織を切除し、エタノールとホルマリンとボーインズ液の混合液を酢酸と一緒に用いて2時間固定した。固定した組織は90%エタノールに移し、次の操作まで4℃で保存した。
アイゲンマニア、トランスルーセントグラスキャット、ブラックゴーストの3種の電気感受魚は地方のペットショップを介して注文した。魚類は断頭によって屠殺し、電気感受組織を含む部位を切除し、上述のようにサメ組織と同一方法で固定した。
魚組織内のカルシウム受容体タンパクの免疫学的局在決定を実施するために3種のウサギポリクローナル抗体を使用した。最初にツノザメの腎臓のカルシウム受容体の細胞内カルボキシル末端領域の17アミノ酸を含むペプチドに対するSKCaRと名づけられた抗血清を作製した。このSKCaR抗血清は広く特徴づけられ、ツノザメのカルシウム受容体を特異的に認識することが示された。2番目に、アトランティックサーモンの腎臓のカルシウム受容体の細胞外領域に存在する17アミノ酸に対するSDDと名づけた抗血清を作製した。3番目に、アトランティックサーモン(Salmo salar)の腎臓のカルシウム受容体の細胞内カルボキシル末端領域に存在する15アミノ酸に対するSAL1と名づけた抗血清を作製した。それぞれの抗血清のための特異的なアミノ酸配列を含むペプチドをタンパクに結合させた。固定組織のパラフィン切片を用いた免疫細胞化学解析もまた前述されたように実施した。代表的な切片は対比染色をした後、オリンパス社BH2顕微鏡を用いて撮影した。
結果と考察
免疫細胞化学解析によりアブラザメ、アイゲンマニア、ブラックゴーストの電気感受性細胞は大量のカルシウム受容体を有することを明らかとなった。図13はアイゲンマニアとアブラツノザメの電気感受性組織の免疫細胞化学解析を示している。図13のパネルAは抗カルシウム受容体抗血清SDDによるアイゲンマニアの電気感受性組織(小矢印で表示)と鼻板の神経上皮細胞(星印で表示)の両方の陽性免疫染色を示す。サーモンを含む魚の鼻板中の神経上皮細胞は大量のカルシウム受容体タンパクを有していることは以前に証明されている。(Von Der Emde, G.;
Nearing, J. et al. 参照)。パネルBでは高倍率での同じ組織切片を示しており、アイゲンマニアの皮膚の電気感受性組織中の電気感受性細胞の特異的染色を表している。切片中の、特異的カルシウム受容体抗血清による暗反応生成物によって示されるように、大量のカルシウム受容体が局在している。2番目の抗血清であるSAL−1は隣接切片中の同じ電気感受性細胞と同様の強さに染色されることを示す(図13、パネルCとD)。ツノザメはロレンツィーニ瓶嚢と呼ばれる頭の構造部で弱い電界を感じる(Von der Emde, G., The Physiology of Fishes Second Edition Edited by
DH Evands, CRC Press, Boca Raton, Fla. Pg 313-344 (1998) 参照)。図13のパネルEとFはカルシウム受容体抗血清によって検出されたこの器官壁と結合している上皮細胞中の大量のカルシウム受容体を示す。頂端側染色と基底側染色では、その分布は均一に細胞全域である。
同様の結果はカルシウム受容体抗血清SDDとSAL−1を用いた3番目の魚類であるブラックゴーストの免疫細胞学的解析によって得られた。図14に示されるようにブラックゴーストの電気感受性器官中の細胞はカルシウム受容体抗血清SDDとSAL−1によって特異的に標識されたが、それらに対応する免疫される前の血清では標識されなかった。このカルシウム受容体抗血清SAL−1による特異的細胞の染色を説明するためにアトランティックサーモンの腎臓からの切片は図14のパネルGとHに示されるように解析した。これらの切片はカルシウム受容体の局在が腎臓内の個々の管中の特異的細胞に限定されていることを示している。ヒト(Brown, E. M., Nature, 366,
575-580 (1993))と魚(Nearing, J., et al.;
Hentschel, H., et al.; U.S. Pat. No. 6,481,379 B1;U.S. Pat. No. 6,475,792 B1; U.S. Pat. No. 6,463,883 B1)に関して例証されているように、特異的細胞タイプの抗カルシウム受容体標識のこのパターンはおそらく即時に周囲の環境を感じることを可能にするために、カルシウム受容体タンパクを特異発現しているためである。要約すると、図13と図14に示されたデータは十分特徴のある電気感受能力を有する多種の魚の電気感受性細胞中の大量のカルシウム受容体を明確に示している。
実施例7
細胞内カルシウム濃度に対する電界(EF)曝露の効果を証明するための、ヒトカルシウム受容体タンパク(HuPCaR)を安定的に導入した培養ヒト胚腎臓(HEK)細胞の使用
材料と方法
HEK細胞における実験を実施するために用いたすべての方法と道具は以前に報告されている。(Gama, L. 他, J. Biol. Chem. 273, 29712-29718(1998);Bai, M., 他, J. Biol. Chem. 271, 19537-19544(1996);Brown, E. M., 他, Physiol. Rev. 81, 239-297(2001))。非導入HEK細胞,又は代わりにHuPCaRタンパクを安定的に導入し、発現している細胞は、75cmフラスコ内に10%牛胎児血清と1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含むダルベッコ変法イーグル培地でコンフルエントに達するまで培養された。培地をフラスコから除去し、FURA−2−AM(モレキュラ・プローブス社 ユージン、オレゴン州)4.1μMを含むローディング緩衝液(125mM NaCl,4mM KCl,1.0Mm CaCl,1.0mM MgCl, 1mM NaPO,20mM HEPES,1g/l 牛の血清アルブミン,そして1g/l グルコース pH7.4以下,浸透圧285以下)に2時間曝露することによって細胞に取り込ませた。HEK細胞あるいはHuPCaR細胞をEFに曝露するために次にEF曝露装置へ導入するこれらの細胞からの細胞懸濁液を作製することが必要であった。したがって、緩衝液の曝露後、細胞は標準の細胞スクレーパー(コースター3010、コーニング社)を用いてフラスコの表面から剥がし、そしてローディング緩衝液を除去するために低速遠心によって懸濁液から沈殿物にした。細胞外FURA−2色素を除去するために低速遠心を用いて懸濁、沈殿のステップを2回連続して行い、細胞を2回洗浄した。実験のスタートの直前に細胞を解析のために以下に述べる各実験緩衝液で再懸濁した。多くの試験で使用される標準実験緩衝液は、125mM NaCl,4mM KCl,0.5Mm CaCl,0.5mM MgCl,20mM HEPES,1g/l グルコースから成り、pH7.4以下,浸透圧285以下である。他のすべての緩衝液は標準の実験緩衝液中の特定成分を変え、その一方、残りの成分を一定に保持する基本構成のバリエーションである。
総量3mlで構成される細胞懸濁液を実験緩衝液に曝露後およそ20分以内にPTIフルオリメーター(SC−500 シャッター・コントローラーとPTIドライバーと分析ソフトを備えたPTIモデル814 光電子増倍管検出システム)で解析した。細胞懸濁液のアリコットを白寿EF装置に置いて10分間隔のEFに曝露するか、あるいは疑似コントロールとして処理した。そして、EF曝露の完了後15分以内にサンプルを解析した。500あるいは1000秒間隔の間、1.3秒のデータ収集割合を用いた標準比率画像解析を使ってデータを得た。
選択された実験の中で、FURA−2蛍光比率の違いを定量化するためにイオノマイシン(ジメチルスルフォキシドに溶解した1μM最終濃度貯蔵液)を添加した。イオノマイシンは定量化を目的としてFURA−2からの最大蛍光シグナルを得るために添加した。
カルシウム受容体に対するEFの効果
図15は後述するデータを得るために用いた実験システムの概要を示す。培養HEK細胞あるいはHuPCaR細胞はプラスティック組織培養皿上で生育させ、細胞懸濁液にするために培養皿から剥がし、緩衝液で洗浄した後、FURA−2を取り込ませ、そして、さまざまなアリコットに分割した。選別されたアリコットにEF曝露装置内でEFの曝露を行った。EF曝露あるいは擬似対照(EFなし)処理のいずれかに引き続き、細胞のアリコットは細胞内カルシウムイオン濃度の変化を測定するため、標準比率画像化蛍光分析に使用した。まず、初めに、図15のマーク1で示されるようにそれぞれの細胞アリコットのための細胞内カルシウムイオン濃度のベースラインを得た。図15に示されるように細胞内に発現するカルシウム受容体タンパクの制御により、HuPCaR細胞は細胞内のカルシウムイオンの増加(一つ目のピークの隣に大きな矢で示された1つの増加)に対応して細胞外のカルシウムイオンの徐々の増加(上向きの矢印で示される)に応答する。塩化カルシウムの添加による細胞刺激後、細胞内カルシウムイオンの増加から最大FURA−2シグナルを得るために選択した実験においてイオノマイシンを添加した。HuPCaR細胞によって示された反応とは反対に図15の挿入図に示されるようにHEK細胞では細胞外カルシウムの添加後、迅速な反応は示さなかった。示されたように、それらの細胞内のカルシウムイオン濃度は、はるかに遅い時間的尺度で穏やかに上昇する。
培養HEK細胞とHuPCaR細胞にFURA−2を取り込ませ、細胞を剥がした後、上述したアッセイシステムを用いて解析を行った。計17測定を6ヶ月以上の間隔で、多様な日に実施した。特定の日における実験を実施するためにHEK細胞とHuPCaR細胞の両方を密集増殖させ、細胞培養液を除去し、前述のように細胞にFURA−2を取り込ませた。細胞をフラスコから収集し、アリコットに分割した。細胞のグループの少なくとも1アリコットはEFに曝露せずに非EF処理対照として指定した。この非EF処理対照はFURA−2値の内部標準を準備するためにEF処理サンプルと同様に分析された。そして、対照サンプルから得られたFURA−2はそれぞれのEF処理サンプルで得られたFURA−2値を標準化するために用いられた。Untx−HEK細胞とHuPCaR細胞の両者は標準の条件下で維持、収集され、EF曝露後、すぐに解析された。
図16は10分間さまざまなEF量で曝露した後、HuPCaR細胞から得られたFURA−2比率測定の最初の59秒の結果を示している(図15 ブラケット1参照)。それぞれのデータポイントは細胞を様々なEF量で曝露したときの最初の59秒においてそれぞれの平均値を非処理対照から得られた値によって割ることにより標準化された平均値を表している。したがって、1を越える値は細胞内カルシウムイオンが増加する場合に起こるFURA−2値の増加に対するEFの影響を示している。個々の実験間で特定のEF量に対する反応においてかなりのバラツキがあるものの、このデータセットの外観検査では、HuPCaR細胞で得られたFURA−2蛍光比率の平均値の増加とEF曝露の間には正の相関性があることが示唆される。
図17は同様の実験プロトコルおよびデータ分析を実施したHEK細胞から得られた対応する結果を示す。EF曝露後の標準化された平均のFURA−2値もまた、かなりのバラツキがあることに注意する。しかしながら、特に高い曝露量(400及び600mA/m)のEF曝露後の標準化された平均FURA−2値は増加の傾向にあるようにも見える。これらのどの実験も次のパラグラフに記述されるようなイオノマイシンでの補正技術を使用しなかった。特異的EF曝露後、HuPCaR細胞あるいはUntx−HEK細胞の個々のアリコットにおける最初の59秒の解析から得られた平均標準化FURA−2比率値は図18と表6に示されるように結合と平均化し、解析を行った。測定されたすべてのEF曝露については、HuPCaR細胞に対する平均の標準化FURA−2比率値が細胞内カルシウムイオンの増加を示して、1以上だったことに注意する。
しかしながら、細胞反応の大きなバラツキが原因で、EF曝露量と、テストされたEF曝露の範囲におけるFURA−2比率値の増加の間には、明確な曝露量と反応の相関関係がないように見える。対照的に、高いEF曝露(400及び600mA/m)における平均FURA−2比率値の顕著な増加は、HEK細胞にのみ見られ、一方、低いEF曝露(0,100及び200mA/m)においては、平均FURA−2比率値は極めて変わり易い。HuPCaR細胞とHEK細胞の間の顕著な違いはヒトのカルシウム受容体タンパクの存在だけであるので、カルシウム受容体タンパク自身へのEFの影響、あるいは細胞の構造か機能において引き起こされた変化、特に、導入されたカルシウム受容体タンパクへのEFの影響を、HuPCaR細胞とHEK細胞間の平均値の比較は示すであろう。
平均標準化FURA−2比率値の有意(P<0.05)な増加は6,60及び600mA/mのEF曝露後のHuPCaR細胞とHEK細胞に認められる。200及び400mA/mでの平均FURA−2比率値の同様な増加もまた認められたが、有意なものではなさそうであった。
さらに、初めにさまざまなEF量で曝露し、そして細胞外カルシウムイオンの増加によって繰り返し刺激した後、HuPCaR細胞におけるFURA−2比率値を解析した。これらのFURA−2値を個々の実験のFURA−2比率値を上で記述されたのと同じHuPCaR細胞の非EF処理アリコットから得られたFURA−2値で割ることによって標準化した。図19と表7で示されるように、HuPCaR細胞をさまざまなEF量で曝露した個々の実験のFURA−2比率値から9%だけの(58のうちの5)標準化FURA−2比率値が1未満であることが明らかとなった。代わりに、繰り返しカルシウム刺激後でさえ非EF処理対照と比較してEF処理HuPCaR細胞の細胞内カルシウムイオンの上昇を示し、91%の標準化FURA−2比率値が1以上であった。EF曝露の増加と標準化FURA−2比率値の増加の間に曝露量と反応の関係があるかどうかを調べるために様々なEF量に曝露されたHuPCaR細胞から得られた平均標準化されFURA−2比率値を比較するt検定解析を実施した。この解析(表7)ではEF曝露には顕著な差(6と600mA/m)があるにもかかわらず、平均標準化されFURA−2比率値の大きさには有意な増加は認められなかった。要約すると、これらのデータは、EF用量依存性ではないが、カルシウムイオンに曝露後も持続するHuPCaR細胞に対するEF効果を立証する証拠を提供する。
ナトリウムとカルシウム比
培養HuPCaR細胞の個々のバッチ間でのFURA−2値のバラツキと同様にHuPCaR細胞の個々のアリコットからの平均FURA−2値の顕著な分散によって図16〜図19と表6と表7に示されたデータは複雑にされている。そのようなバラツキはこの実験システム(1−4)を用いる研究者の間では広く受け入れられており、したがって、これらのバラツキをコントロールするためにデータは標準化されるかまたは最大反応の%として表される。
異なる実験からのデータの比較からも個々の実験内の個々のアリコットからもより定量的なデータを得るために、我々は細胞の各アリコット内での達成可能な最大FURA−2シグナルを決めるために図13の中で示されるようなイオノマイシンの使用を組み込んだ。したがって、HuPCaR細胞の各アリコットの解析後に得られた最大のFURA−2値は、その後、HuPCaR細胞への塩化カルシウムの徐々の添加中に任意の時間間隔で得られた各々のFURA−2値に分割された。下記で述べるようにFURA−2データのイオノマイシン標準化の利用は、個々のHuPCaR細胞間におけるFURA−2取り込みの準備での違いによって生じるバラツキを大幅に縮小するか除去することによりFURA−2値の直接の比較を可能にする。
以前の研究において、クインらは塩化カルシウムを添加したHuPCaR細胞の反応に対する細胞外の塩化ナトリウムの影響について特徴づけを行った。一部を図20として再現される、それらの研究では、著者らはカルシウム受容体が、浸透圧の変化とは無関係にイオン強度とそのイオン強度を変化させるために使われたイオン種の変化を感知することができると結論づけた。これらの研究では著者らはもっぱら細胞外のカルシウムイオン添加後のHuPCaR細胞で観察される「反応」(細胞内のFURA−2値の急激な上昇)だけを研究した。重要なことは、彼らは、図16〜図19の中で示されるようなEFによって影響されるFURA−2ベースライン値の変化について調べなかったし、考慮もしなかった。
図21は異なる塩化ナトリウム含有量の標準実験緩衝液を添加し、細胞外で塩化カルシウムの徐々の増加にさらされたHuPCaR細胞アリコットの解析を示している。図21の上のパネルはHuPCaR細胞の急性反応を表すFURA−2値のイオノマイシンで標準化した値を示している。一方、下のパネルは塩化カルシウムを添加した後、同じ細胞でのイオノマイシン標準化FURA−2ベースライン値の変化を示している。テストされた異なる塩化ナトリウム濃度(25−300mM)は、大きさおよび特有の用量依存特性の両方の中で変わるFURA−2反応およびベースライン値の変化を引き起こすことに注目する。
図22は25−300mMの異なった塩化ナトリウム濃度を有する標準実験緩衝液に対して塩化カルシウムを徐々に添加したときに起こるNa/Ca2+比率の変化を示している。低濃度(25mM)の塩化ナトリウム量を含んでいる標準実験緩衝液においては高濃度(200−300mM)の塩化ナトリウム濃度を含む緩衝液に比べてNa/Ca2+比率の変化はより顕著であった。したがって、HuPCaR細胞のFURA−2ベースラインと反応値の変化はNa/Ca2+比のひとつの作用であり、単純な塩化ナトリウムが存在することによって変化させられる標準実験緩衝液中の塩化カルシウム濃度の変化によるものではない。
図23は図21の下のパネルに示されたデータをイオノマイシンで修正されたFURA−2値を様々な標準実験緩衝液濃度中の対数Na/Ca2+比率の作用としてプロットすることのよって再グラフ化されたデータを示している。細胞の個々のアリコットのデータポイントは大きさと形において異なる、一方、全体的な総合曲線はその中間点が36.6のNa/Ca2+比で一致する良く知られたS字型曲線である。その後、この値は、所定のナトリウムイオン濃度でのカルシウムに対するEC50値の計算を可能にする(例えば、125mM塩化ナトリウムの標準実験緩衝液では、その値は3.5mMカルシウムイオンになる)。カルシウムイオンに対するこのEC50値は、図20の中で概説された方法を用いて引き出されたカルシウムイオン3.5のEC50値にほぼ一致する。
要約すると、上述するNa/Ca2+比率方法を使った解析はFURA−2ベースライン値の変化量の違いはHuPCaR細胞を浸す細胞外液のNa/Ca2+比に依存して起こることを示している。
白寿EF装置内でのEF曝露後に生じるFURA−2ベースライン値の変化の大きさはHuPCaR細胞に対するEF曝露時間での実験緩衝液中に存在するNa/Ca2+比によって調節される。HuPCaRのFURA−2ベースライン値の変化の大きさは浸した細胞の細胞外液のNa/Ca2+比に依存するので、我々はEF曝露装置内でEF曝露した後に起こるFURA−2ベースライン値の変化の大きさが細胞外培養液のNa/Ca2+比によっても変化するかどうかを調べた。
図24に示されるように、2つの異なるNa/Ca2+比の下で同一のEF曝露に対するHuPCaR細胞の単一のプールからの同一アリコットの曝露は、2つの異なる大きさのFURA−2ベースライン値の変化を引き起こした。図24の右側のパネルに示されるように、Na/Ca2+比が250(この値は、図15〜図19の中で示されるすべての実験測定のために使用された値に相当する)の条件下でのEF曝露はFURA−2ベースライン値の小さな増加を引き起こした。それに反して、35.7の低いNa/Ca2+比のEF曝露では図24の左側のパネルに示されるようにFURA−2ベースライン値にはるかに大きな変化が引き起こされた。FURA−2変化を誘導するこれらのEFの大きさは細胞外液のNa/Ca2+比の変化によって引き起こされる変化の大きさと一致していた。
図25は2つの異なるNa/Ca2+比で同一のEF曝露(600mA/mで10分間)へHuPCaR細胞を曝露した後、Na/Ca2+比の変化を引き起こすために、HuPCaR細胞の各アリコットへの塩化カルシウムの徐々の添加を行った後の、FURA−2ベースライン値の大きさを定量化した12の異なった実験で得られたデータを要約している。12の異なる実験においては、対応したHuPCaR細胞のアリコットをそれぞれEF処理あるいは擬似対照処理(非EF)し、そして、上述した方法を使って解析した。図25と図26に示されるデータはイオノマイシンで補正されたFURA−2ベースライン値を擬似対照のFURA−2ベースライン値で割った比の形で表している。したがって、1の比率値は、EFが無影響であることを意味しており、一方、1以上の比率値はEF曝露がFURA−2蛍光値を増加させたことを示している。
HuPCaR細胞のFURA−2値(反応)の急激な増加におけるEF誘導変化の解析はEF誘導FURA−2ベースラインの変化の大きさと塩化カルシウムの添加後のFURA−2反応の変化の間に逆の相関関係があることを明らかにした。
図26は塩化カルシウムを単一に徐々に添加した後のHuPCaR細胞の反応の大きさの変化を定量化した10の異なった実験から得られたデータを要約している。これらの10の予備実験において、上述した方法を使ったそれぞれのFURA−2値の比較は2つの異なるNa/Ca2+比でのEF曝露によって誘導されるFURA−2ベースラインの上昇が塩化カルシウムの添加に対するHuPCaR細胞の反応の減少を引き起こすことを示唆する。これら実験の個々のデータポイントは、ベースラインのEF誘導変化が図26で示されたその後のFURA−2値反応の変化と比較している図27で示されている。異なったNa/Ca2+比の条件下でEFの曝露を受けたHuPCaR細胞において大多数のデータポイントはEFを曝露していない対応する対照のHuPCaR細胞と比較してFURA−2ベースライン値の上昇とそれに続く反応FURA−2値の減少に相当する領域に配置される。
要約すると、HuPCaR細胞のFURA−2比測定によって示されたように細胞内カルシウムイオンの上昇に対するEFの影響の解析はFURA−2ベースライン値の上昇の大きさは細胞が浸される細胞外培地のNa/Ca2+比によって変化することを示す。HuPCaR細胞のFURA−2ベースライン値の変化は塩化カルシウムあるいは塩化ナトリウムのどちらかの添加によるNa/Ca2+比の徐々の変化に反応する。
図28はHuPCaR細胞に対するEFの明らかな影響を要約している。EFに対するHuPCaR細胞の曝露はHuPCaR細胞を浸した細胞外液への塩化カルシウムの徐々の添加によるNa/Ca2+比の増加後に観察されるのと似た影響があるように見える。HuPCaR細胞におけるEF効果の大きさは細胞が曝露される特定のNa/Ca2+比に依存して変化するであろう。FURA−2ベースライン値のEF誘導による上昇は細胞内カルシウムイオンの同時上昇を引き起こし、その結果、次のカルシウム受容体刺激に対する反応におけるFURA−2値の急激な上昇を減少させる。
電位活性化型カルシウムイオンチャンネルの阻害薬であるベラパミルのHuPCaR細胞の曝露はFURA−2ベースラインのEF誘導変化に対しては影響を与えなかった。EF曝露がFURA−2ベースライン比率値を上げることができる可能な1つの手段はHuPCaR細胞の細胞膜中の電位活性化型カルシウムイオンチャンネルの開きによってカルシウムイオンの流入である。このメカニズムがFURA−2比率値のEF誘導上昇に寄与しているかどうかを調べるために、HuPCaR細胞のペアのアリコットを5〜10mMのベラパミルかあるいは媒体のみで前もってインキュベートした後、白寿EF装置内でEFあるいは擬似対象条件で曝露し、FURA−2ベースライン値を測定した。10の異なった測定の図29に示されるように、ベラパミルでの前もってのインキュベートは対照(非EF)およびEF曝露されたHuPCaR細胞のいずれにおいてのFURA−2比率のベースラインに有意な影響を生じなかった。図15〜図28に示されるように、これらのデータは電位活性化型カルシウムイオンチャンネルのEF誘導変化がFURA−2比率のベースラインのEF誘導上昇に対して顕著に寄与しないことを示唆する。
図30は哺乳動物のカルシウム受容体タンパクを発現する多数の組織をリストする。このリストは、体系的な無機イオンの恒常性に関連した組織とそうでないものに分割される。そのような組織内の最適のNa/Ca2+比の局在した領域の存在はこれらの組織に図15〜図29で述べられているような電界刺激に反応する能力を与えているのであろう。例えばヒトの角化細胞中の機能的なカルシウム受容体タンパクの存在は、マンニらが述べているように低レベルの電磁界刺激に反応するそれらの能力について説明するかもしれない(Manni,V. 他 Low electromagnetic field (50
Hz) induces differentiation on primary human oral keratinocytes.
Bioelectromagnetics 25:118-126, 2004)。
C.増殖細胞性疾患を治療する方法
増殖細胞性疾患、特に、分化型繊維芽細胞を含む増殖細胞性疾患を治療するために細胞膜上に生成された平均誘導電流密度は約0.1mA/mから約2mA/mが好ましい。さらに好ましいのは約0.2mA/mから約1.2mA/mであり、もっと好ましいのは約0.29mA/mから約1.12mA/mである。印加電流については細胞膜上に発生する平均印加電流密度は約10mA/mから約100mA/mが好ましい。
繊維芽細胞は胚子中胚葉組織に由来するひとつの細胞型である。繊維芽細胞はインビトロでの培養が可能であり、ラミニン、フィブロネクティンおよびコラーゲンのようなマトリックスタンパクを分泌できる。培養繊維芽細胞は通常は組織の繊維芽細胞のように分化はしない。しかし、適当な刺激によって繊維芽細胞は例えば脂肪細胞、結合組織細胞、筋肉細胞、コラーゲン繊維等のような多くのタイプの細胞に分化する能力を持っている。
繊維芽細胞が結合組織と筋骨格系に関連した多数の細胞タイプへ分化できるとすれば、インビボ、インビトロで分化していない繊維芽細胞の増殖をコントロールする方法は、繊維芽細胞から分化した細胞の増殖をコントロールするのに有用である。例えば、筋骨格系組織の異常増殖性細胞疾患は繊維芽細胞の増殖を抑制する方法によってコントロールされるかあるいは抑制されるかもしれない。我々は、少なくとも約7日間に約24時間/日の期間で約10,50または100mA/mの印加電流密度の細胞膜上の生成によって電流密度依存性に培養繊維芽細胞の増殖が抑制されることを解明した。
増殖性細胞疾患には、線維肉腫、横紋筋肉腫、粘液肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、脂肪肉腫のような、結合系、筋骨格系組織の新生物が含まれる。また、抑制、改善あるいは治療できうる追加の異常増殖性細胞疾患には、例えば、以下の部位の悪性新生物の進行、および/または、転移が含まれる。腹部、骨、脳、乳房、結腸、消化器系、内分泌(副腎、副甲状腺、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭頚部、肝臓、リンパ系、神経系(中枢、末梢)、膵臓、骨盤、腹膜、皮膚、軟部組織、脾臓、胸郭、尿生殖路、白血病(急性前骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、赤白血病)、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫を含む)、多発性骨髄腫、結腸癌、前立腺癌、肺癌、小細胞肺癌、気管支癌、精巣癌、子宮頚癌、卵巣癌、乳癌、血管肉腫、リンパ管肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、膵臓癌、腎細胞癌、ウィルムス腫瘍、肝細胞癌、胆管癌、腺癌、上皮癌、黒色腫、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、膀胱癌、胎生期癌、嚢胞腺癌、髄様癌、絨毛癌、精上皮腫。
実施例8
マウスの脾細胞および3T3/A31線維芽細胞細胞のCa2+濃度に関するEF曝露の効果
マウスの脾細胞への効果
マウスの脾細胞のカルシウムイオン濃度についてのEF効果を判断するために、60Hzの特定のEF電界曝露をマウスの脾細胞に適用した。脾臓は麻酔下でマウスから摘出した。60mmのディッシュで、ひ臓に、PBS(0.083%NHClを含む燐酸塩緩衝食塩水)を注入した。細胞を[Ca2+]cの検査中、ハンクス液(HBSS)(SIGMA社、ミズーリ州、米国)中に再び懸濁し、保持した。それは細胞準備後に4時間以内実行した。細胞は使用に先立って4℃で保管した。
脾細胞への60HzのEFを印加すると、6、20、60および200μA/cmの印加電流密度が生成された。脾細胞を、4分間これらの条件で曝露し、その曝露後、脾細胞サンプルをコンカナバリンA(ConA)で刺激した。ConAで脾細胞を刺激して、細胞質の自由Ca2+濃度をフルオ3と流動細胞計測法で測定した。
実験によって、ConAが脾細胞のカルシウム濃度が増加したことが判明した。カルシウムイオン濃度は、6〜200μA/cmのEFで増加した。より重要なことは、カルシウムイオン濃度の増加は電流密度に依存するということである(図31参照、Y軸はカルシウム濃度、X軸は分を示す)。
BALB 3T3に対する影響
マウス3T3/A31線維芽細胞細胞のカルシウムイオン濃度に対するEF効果を測定するために、3T3細胞を60HzでEFに曝露した。3T3細胞株は日本の原虫病研究センターの細胞バンクから入手し、5%FCSおよび10mMHEPESを含むDMEM中で37℃で成長させた。
EFは、200μA/cmの細胞上の印加電流密度を生成した。2分間曝露した後、細胞質の自由Ca2+濃度をフルオ3流動細胞計測法で測定した。それは、カルシウム濃度が細胞において増加したことを示した。フルオ3イメージ強度の変化は共焦点形レーザー顕微鏡使用で確認された。
実施例9
カルシウムイオノホアおよびBALB 3T3中の膜電位上のEF効果
図32は、カルシウムイオノホアがマウスのBALB 3T3/A31線維芽細胞/胚細胞の膜電位の変化させる事を示す。図32は、0.4mM A23187の終末濃度で刺激されたBALB 3T3細胞のDiBAC強度の時間的経過変化を表示する。A23187は、可動性キャリヤーのカルシウムイオノホアの役割をするストレプトマイシーズ・チャータユーセンシス(chartreusensis)から抽出されたモノカルボン酸である。DiBACは、細胞膜の電位が変化するとき、細胞膜に入る蛍光染料である。したがって、BALB 3T3細胞の細胞膜が脱分極する場合、DiBACはそれらの細胞膜に入り、BALB 3T3細胞におけるDiBAC信号(Y軸)の強度を増加させる。
図33は、約200mA/cmの電流密度を生成する、100Hzの電界(EF)の、BALB 3T3における膜電位に対する効果を示す。流動細胞計測法の方法論は以下のとおりである。DMEM中の培養は、5%のFCS 10mM
HEPESが追加された。その後、0.02%のトリプシンおよび0.025%のEDTAで触れられた。その後、HEPES緩衝食塩水、137mM NaCl、5mM KCl、1mM
NaHPO、5mMグルコース、1mM CaCl、0.5mM MgCl、0.1%(w/v)のBSAおよび10mM
HEPES pH7.4において再びサスペンドさせた。その後、200nMの最終濃度にDiBAC4(3)をロードした。5分以上、37℃で培養した。その後、流動細胞計測法で測定した。
図34も、約200mA/cmの電流密度を生成する100Hzの電界のBALB 3T3における膜電位に対する効果を示す。
実施例10
細胞外電流は滑膜線維芽細胞におけるギャップジャンクション細胞間伝達を変化させる
我々は、コネキシン43タンパク質が介在するギャップジャンクション細胞間伝達(GJIC)に対する低レベル電流の効果を検討した。滑膜線維芽細胞(HIG−82)および神経芽細胞腫細胞(5Y)のコンフルエントな単層を、0〜75mA/m(0〜56mV/m、60Hz)の浴溶液において曝露し、シングルチャネルコンダクタンス、細胞膜電流−電圧(I−V)曲線およびCa2+流入を、ナイスタチンタブルおよびシングルパッチ法を使用して測定した。HIG−82細胞のギャップジャンクションチャンネルの閉および開状態の導電はそれぞれ、20mA/cm(0.76pAおよび0.39pAによる)に曝露された細胞において著しく減じた。5Y細胞間のギャップジャンクションチャンネルの導電については効果はなかった。10mA/mの低い電流密度は、著しくHIG−82細胞のCa2+流入を増加させたが、5Y細胞には効果がなかった。両タイプの細胞の原形質膜のI−V曲線は、0〜75mA/m、60Hzの電流に依存しなかった。それは、HIG−82細胞のGJICに対する60Hzの電流の効果が膜電位変化によって介在されなかったことを示している。
結論は、低レベルの細胞外電流が膜電位の変化に依存しないがCa2+の流入に依存しうるメカニズムによって滑膜細胞におけるGJICを変更できたということであった。結果は、GJICが介在する滑膜細胞の応答が、例えばプロ炎症性サイトカインに対する分泌性反応、細胞外の低周波電流の適用によって相殺できたことを示唆している。
D.ストレスを減じる方法
本発明は、低減した免疫系機能、伝染病、高血圧症、粥状動脈硬化症およびインシュリン抵抗性異脂肪血症症候群などのストレスおよびストレス関連疾患の予防あるいは治療に役立つ。ストレス、免疫抑制性疾患を取り扱い、ACTHまたはコルチゾールのレベルを低減するためには、細胞膜上に生成される平均誘導電流密度は、約0.03mA/m〜約12mA/m、より好ましくは0.035mA/mから約11.1mA/mである。印加電流については、平均印加電流密度は、好ましくは約60mA/mから約600mA/mである。
ストレスは、高血圧症、じゅく状動脈硬化症、インシュリン抵抗性異脂肪血症症候群、および免疫機能(Vanitallie T.B.、代謝、51:40-5(2002))の特定の障害を含む多数の健康障害に関係している。研究者達は、ストレスがコルチゾールやコルチコステロンのような副腎皮質ホルモンの正常なホメオスタシスに影響を及ぼす場合があるとしている。ホルモン・コルチコステロンは副腎によって生産され、その変化はストレスの一般的な指標である。最大50kV/m、60Hzの電界に曝露されたマウスに関する報告書では、血漿コルチコステロン濃度の減少が観察されたが、曝露期間の初期のみであった(ハックマン アール.エム.(Hackman, R.M.) & グレイブス、エイチ.ビー.(Graves, H.B.), ベハブ. ニューラル ビオロ.(Behav. Neural Biol.) 32:201-213 (1981)。同様に、プロテット(Portet)とキャバネス(Cabanes)は、ラビットとラットが50kV/m、50Hzで曝露された時、低下するコルチゾール・レベルは、血中コルチゾール濃度ではなく副腎で見つかった、ことを報告している(プロテット、アール.(Portet, R.) & キャバネス、ジェイ(Cabanes, J.), バイオ電磁気学9:95-104 (1988))。
ACTHは脳下垂体によって発現されるペプチドで、もっぱらコルチゾールの分泌を抑制する。ACTHは、主としてACTHがコルチゾール(例えば外傷性イベントに対するストレス反応には主要な抗炎症分子)の分泌を制御するために機能するため、肉体のストレス・レベルの強力な指標として身体機能を一様にする。面白いことに、研究者達は、30〜120日間の電界曝露後にACTHレベルの増加を見出さなかった(フリー、エム.ジェイ.他(Free, M.J., et al.), バイオエレクトロマグネティクス 2:105-121 (1981)).ラットを1〜3時間、100kV/m、60Hzに曝した研究では、血清ACTHの変化は見つからなかった(クイリアン、ダブリュ.ジェイ.(Quinlan, W.J., et al.), バイオエレクトロマグネティクス 6:381-389 (1985))。マウスが10kV/m、50Hzで露出された時、血清ACTH濃度は対照群よりも高かった(デブリュン、エル.(deBruyn, L.) & デェジャガ、エル.(deJager, L.), エンビロン(Environ.) Res. 65:149-160 (1994))。副腎皮質の領域で脂質は上昇したが、雄のみであった。著者等は、電界がストレッサーであると結論を下した。変化した血中ACTH濃度も、15kV/m、30日間、60Hzの電界に曝露されたラットにおいて観察された(マリノ、エイ.エイ.他(Marino, A.A., et al.), Physiol. Chem. Phys.
9:433-441 (1977))。
これに対して、我々は、試験動物の特別のパラメータで電界の適用がストレスを引き起こしたACTH濃度を減少させたことを測定した。例えば、17,500V/mの電界(50Hz)、7,000Vの電圧、および60分間持続の約0.035〜0.5mA/mの誘導電流密度を印加すると、試験動物においてストレスを引き起こした血清ACTH濃度を減少させた。
実施例11
拘束されたラットの血漿ACTH、グルコース、乳酸およびピルビン酸濃度における50Hzの電界効果
電界曝露システム
この実施例において使用されたEF曝露システムは、3つの部分で構成される。すなわち、高電圧装置(ヘルストロン(商標)、最大出力電圧 9,000V、株式会社白寿生科学研究所、東京、日本)、定電圧電源(東京精電、東京、日本)、およびEF曝露ケージ。曝露ケージは、円筒状のプラスチックケージ(直径:400mm、高さ:400mm)、および前記円筒状のケージの上下に配置されたステンレス鋼からなる2つの電極(1,200×1,200mm)からなる。ケージ中にEF(50Hz;17,500V/m)を形成するために、安定した交流(50Hz、7,000V)を上部電極に印加した。
実験動物
雌、7週齡のウィスターラット、体重300〜350gを、チャールス・リバー・ジャパンから購入し、空気浄化装置を装備した通常の動物室で維持した。
拘束ストレス
ラットを、薄いポリカーボネート・シートで各々を包んで拘束し、30分間下部電極上に置いた。
実験計画
以下に記述するように、拘束ストレスに対するEF効果を測定した。薄いポリカーボネート・シートを使用した拘束手続きを評価するために、6匹のラットを、拘束だけのグループと、拘束およびジアゼパム治療との、2つのグループに分けた。EFの曝露効果を検証するために、我々は正常で、卵巣を切除したラットを使用した。正常なラットは、拘束しただけのグループと、拘束プラスEFとの2つのグループに分けた。更に、卵巣を切除したラットも、以下のように4つのサブグループに分けた。疑似EF曝露(A1)、拘束を伴う疑似EF曝露(A2)、拘束を伴うEF曝露(A3)およびジアゼパム治療および拘束を伴う疑似EF曝露(A4)である。
卵巣切除は実験作業の4週間前に行なった。この研究で適用したEF曝露および拘束処置は以下のとおりである。ラットを、合計1時間、50Hz、17,500V/mに晒した。ラットを、EF曝露期間の後半、薄いポリカーボネート敷布で拘束した。対照群における実験計画は、EF曝露しなかった点を除いて実験群と同じにした。
血液サンプルの収集
血液1mlを、実験開始前に鎖骨下静脈から採取し、4℃で10分間、1,500×gの遠心分離で血漿を準備した。血漿はホルモン測定に先立って−80℃で保管した。実験後、各ラットから全血の3mlを、麻酔下での心採血によって9mgのEDTAを含むガラス管へ収集した。血液の1mlを血液状態を分析するために用いた。他の2mlは遠心分離し(4℃、10分間、1,500×g)、上清を、ホルモン、グルコース、乳酸およびピルビン酸の測定まで−80℃で保管した。
血液分析
赤血球数と白血球数、血小板数、ヘマトクリットおよびヘモグロビン濃度を含む血液の分析を、自動マルチ血球計数器を使用して行なった(シスメック CC−78、シスメック社 東京、日本)。血漿グルコース、乳酸およびピルビン酸濃度を自動アナライザーで測定した(7170 日立、日立株式会社、東京 日本)。ACTH濃度を、ACTHラジオイムノアッセイ・キット(ACTH IRMA(三菱化学株式会社製))およびガンマ・カウンター(Auto-Gamma 5530 Gamma Counting System, Packard Instrument Co. ltd)を使用して測定した。血漿コルチコステロンレベルは商用キットを使用して測定した(ImmuChem Double Antibody Corticosterone kit, ICN Biomedicals Inc)。
統計分析
結果は、平均±標準誤差の平均(S.E.)、すなわち中央値、25パーセンタイル、75パーセンタイル、最小および最大値としてのデータセットとして表わした。ペアグループ間の違いの統計的意義はスチューデントt検定によって計算し、その有意差はP<0.05として定義した。統計分析の計算はすべてMS-EXCEL(日本語版(マイクロソフト・オフィス・ソフトウェア Ver.9.0.1、マイクロソフトジャパン 東京、日本))で行った。
結果
拘束ストレスによって引き起こされた血漿ACTH濃度の変化
図35は、血漿ACTH濃度へのストレスの影響を示す。ラットは、ジアゼパム(黒丸)あるいは食塩水(白抜き四角)の1mg/kgB.W.で腹腔内投与された。ジアゼパム投与を行なった30分後に、ラットを、ストレス・レスポンス誘発のために拘束した。図11は、拘束開始後30分の個々のラットのACTH濃度を示す。拘束前および拘束後の期間の値(平均±S.E.)は、拘束のみのグループでは231±135および1177±325pg/ml、そして拘束とジアゼパムのグループでは358±73および810±121pg/mlであった。各グループにおいて、拘束ストレス前後のACTH濃度を比較すると、30分の拘束で、拘束だけのグループおよび拘束+ジアゼバムのグループにおいて、ACTH濃度がそれぞれ5.1倍および2.3倍高くなるように増加した。
拘束に起因する血漿ACTH濃度変化に対するEF曝露の効果
図36Aおよび36Bは、正常なラット(A)および卵巣切除ラット(B)における血漿ACTH濃度に対するEF曝露の効果を示す。全てのラットを、EF曝露期間の後半拘束した。血漿ACTH濃度を、次のグループにおいてEF曝露60分前および後に測定した:非処置(n=6)、拘束だけ(疑似、n=6)、EF中拘束(EF、n=6)、疑似EF中拘束かつジアゼパム(疑似およびジアゼパム、n=6)。ジアゼパムの追加は、EFセッションのスタート前30分に行った。データはボックス箱に表され、各メインボックスを2つの小さな箱に分割するように見える水平線は、中央値を表わし、各メインボックスの底辺を形成する水平線は、25パーセントを表わし、各メインボックスの上辺を形成する水平線は、75パーセントを表わし、各メインボックスの上の水平線は極大値を表わし、また、各メインボックスの下に現われる水平線は最小値を表わす。Pre値は示されていない。* pre値からP<0.05、†:非処置グループからP<0.05。
卵巣切除ラットでは、非拘束グループにおける血漿ACTH濃度は60分の間変化を示さなかった。他の3つのグループでは、ACTH濃度は拘束期間上昇した(図36B)。pre-セッションおよびポスト・セッションの間で比較すると、血漿・濃度は、「拘束のみ」のグループ、「拘束とEF」のグループおよび「拘束とジアゼバム」のグループにおいて、18.6倍、13.4倍、および13.7倍それぞれ上昇した。
図37は、正常なラット(n=6)における血漿ACTH濃度に対するEF曝露の効果を示す。データは、中央値、25パーセンイタル、75パーセンタイル、最小および最大値として示した。図36Aおよび37は、正常なラットにおけるACTHおよびコルチコステロンの血漿・濃度の変化を示す。「拘束のみ」のグループと、「拘束とEF」のグループにおける、ACTH濃度は、それぞれ1595±365および1152±183(pg/ml)、およびコルチコステロン・レベルは、それぞれ845±48および786±24(pg/ml)であった。
血漿パラメータに対するEF曝露の効果
図38Aおよび38Bは、正常(A)および卵巣切除ラット(B)に関する拘束に起因する血漿グルコースレベル変化に対するEF曝露の効果を示す。それらのレベルは、60分(n=6)のセッション後に検査された。サンプル数はすべてのグループにおいて6であった。データは、中央値、25パーセンタイル、75パーセンタイル、最小および最大値として示した。* :非処置グループからのP<0.05
卵巣切除ラットでは、拘束が血漿グルコース濃度を増大させ(P<0.05:スチューデントt検定)、また、EFまたはジアゼパムはこれらの増加を抑える傾向を持っていた(図38B)。しかしながら、EFグループにおける血漿グルコース濃度抑制の傾向は、卵巣切除しなかった正常なラットにおいて観察されなかった(図38A)。
図39Aおよび39Bは、正常(A)および卵巣切除ラット(B)における拘束に起因する血漿乳酸塩濃度に対するEF曝露効果を示す。レベルは、60分のセッション(n=6)の後に測定された。データは、中央値、25パーセンタイル、75パーセンタイル、最小および最大値として示された。*:非処置グループからのP<0.05、†:疑似グループからのP<0.05、卵巣切除ラットにおいて、拘束のみのグループにおける血漿乳酸塩濃度は、非処置グループと比較して、有意差を示さなかった(図39B)。EF曝露グループとジアゼパム管理グループにおける血漿乳酸レベルは、拘束のみのグループより著しく低かった(P<0.05:スチューデントt検定)(図39B)。正常なラットにおいて、EFの存在および不存在時における血漿乳酸塩濃度(平均((S.E.))は、28.6±3.6および38.1±3.7(mg/dl)であった(図39A)。統計分析の結果、EFに曝露された動物における乳酸塩濃度は、拘束だけのグループより著しく低かった(P<0.05:スチューデントt検定)。
図40は、卵巣切除ラットにおいて拘束に起因する血漿・ピルビン酸・レベルに対するEF曝露効果を示す。値は、60分のセッション(n=6)の後に検査した。データは、中央値、25パーセンタイル、75パーセンタイル、最小および最大値として表示した。*:非処置グループからのP<0.05。卵巣切除ラットにおいて、拘束だけのグループにおけるプラズマ・ピルベート・レベルは、非処置グループのそれとは著しく異なっていなかったが、拘束によって減少する傾向が見られた。EF曝露あるいはジアゼパム処理のグループにおける値は、疑似EF曝露グループのそれらより著しく低かった(P<0.05:スチューデントt検定)(図40)。
図41は、卵巣切除ラットにおいて拘束に起因する白血球(WBC)数に対するEF曝露の効果を示す。レベルは、60分のセッション(n=6)の後に検査された。データは、中央値、25パーセンタイル、75パーセンタイル、最小および最大値として示した。*:非処理グループからのP<0.05。一般に、観察された拘束依存の変化は、白血球(WBC)の数値に関するものであった。非処理グループ、拘束のみのグループ、EF曝露グループおよびジアゼパム投与グループにおけるWBC値は、78、99、96および85(x 102 細胞/μl)(図41)を示した。統計分析の結果、拘束された動物におけるWBC値は、卵巣切除ラットにおける非処理グループのそれら(P<0.05:スチューデントt検定)より著しく高かった。EF曝露グループまたはジアゼパム投与グループにおけるWBC値は、非処理グループより高い傾向があり、拘束のみのグループより低かった。
実施例12
脳波図研究
6匹のラットを、7日間、1日当たり15分間17,500V/mと見積もられた電界に曝露した。動物の電界曝露に使用した装置は、(前述した)ヘルストロン曝露ケージであった。6匹のラットを対照(疑似曝露)として使用した。以下のパラメータ(終了点)が観察された。 脳波異常検出、各EEGレベル・グループのパーセンテージ(覚醒、休止、徐波軽睡眠、徐波深睡眠、速波睡眠 )、および前頭皮質EEGパワー・スペクトル・デルタ(1〜3.875Hz)、シータ(4〜15.875Hz)、アルファ(8〜12Hz)、ベータ1(12.125〜15.875Hz)およびベータ2(16〜25Hz)のパーセンテージ。7,000V(17,500V/m)で15分間繰り返し曝露したところ、徐波軽睡眠レベルの著しい増加が初日の1〜2時間の間観察された。7日目においては、曝露後0〜30分の休憩ステージおよび覚醒段階の著しい減少が観察された。覚醒段階の著しい減少および徐波軽睡眠段階の著しい増加は、曝露後0.5〜1時間の間観察された。覚醒段階の著しい減少および徐波深睡眠段階の著しい増加は、曝露後1〜2時間の間に観察された。さらに、徐波軽睡眠段階の著しい増加が、曝露後2〜4時間の間観察された。
自発的EEG波タイプあるいは行動異常は観察されなかった。電界への繰り返しの曝露が、ラットの前頭皮質の周波数解析に関する如何なる神経学上の心配を示すことを示唆するものはなかった。
E.追加疾患あるいは病気
電解質平衡異常の治療のために、細胞膜上に生成される平均誘導電流密度は、好ましくは約0.4mA/m〜約6.0mA/m、より好ましくは約0.4mA/m〜約5.6mA/m、更に好ましくは約0.43mA/mから約5.55mA/mである。
関節炎の治療のためには、細胞膜上に生成される平均誘導電流密度は、好ましくは約0.025mA/m〜約0.35mA/m、より好ましくは0.025mA/mないし0.35mA/m、最も好ましくは約0.026mA/mから約0.32mA/mである。
過度な体重の治療のためには、細胞膜上に生成される平均誘導電流密度は、好ましくは約0.02mA/m〜約1.5mA/m、より好ましくは0.02mA/mいし1.2mA/m、最も好ましくは約0.024mA/mから約1.12mA/mである。
また、本発明は、筋骨格および結合組織障害の予防あるいは治療に役立つ。これらの障害には、例えば、骨粗しょう症(老年性、二次的、かつ特発性の若年性を含む)、骨薄障害、セリアック病、熱帯性下痢、粘液嚢炎、硬皮症、クレスト症候群、シャルコー関節、骨折の適切な修理、および断裂した靭帯および軟骨の適切な修復が含まれる。また、本発明は、関節リウマチ、免疫抑制障害、神経痛、不眠症、頭痛、顔面神経麻痺、神経症、関節炎、関節痛、アレルギー性鼻炎、ストレス、慢性膵炎、ディジョージ(DiGeorge)異常、子宮内膜症、尿路閉塞、偽性痛風、甲状腺障害、副甲状腺障害、下垂体前葉機能低下症、胆石、消化性潰瘍、唾液腺障害、食欲障害、悪心、嘔吐、口渇、過度の尿生産、眩暈、良性発作性頭位眩暈、無弛緩症また他の神経の障害、急性腎不全、慢性の腎不全、拡散した食道痙攣、および一過性脳虚血発作(TIA)、にも役立つ。また、発明は、浸透圧重量モル濃度およびその維持、また浸透圧アンバランスに関する疾患あるいは障害を含む追加の腎障害の治療に役立つ。
F.EF治療装置
EF装置は、個体が置かれる電界を生成するように設計される。図42に示されるように、電界は対象全体を包含しうる。あるいはこれに代えて、電界を、対象の特定の領域あるいは器官だけを包含するようにしても良い。
図43は、本発明の実施形態を示す高電圧発生装置(1)の模式図である。すなわち、この電位治療装置(1)は、電位治療装置(2)、高電圧発生装置(3)および商用電源(4)からなる。電位治療装置(2)は、被治療者(5)が座る肘掛け(6)付き椅子(7)と、椅子の上端に付けられ、被治療者の頭(5)の上部に配置された対向電極としての頭部電極(8)と、被治療者(5)が上面に足を置く主電極であるオットマン電極としての第2電極(9)とを備えている。主電極である第2電極(9)に対向する電極としての頭部電極(8)は、天井、壁、床、家具あるいは部屋の他の物あるいは部分であっても良い。高電圧発生装置(3)は、頭部電極(8)および第2電極(9)に電圧を印加するために高電圧を発生する。高電圧発生装置(3)は、通常、椅子(7)の下で、脚の間で床の上に、あるいは椅子(7)の近辺に配置される。第1すなわち頭部電極(8)と患者の頭の頂部との間の距離(d)は変更可能である。絶縁材料で頭部電極(8)および第2電極(9)が囲まれている。この第2電極(9)は、電気コード(11)によって、高電圧発生装置(3)の高電圧出力端子(10)に接続されている。また、頭部電極(8)および第2電極(9)に電圧を印加するために、高電圧出力端子(10)が備えられている。さらに、椅子(7)および第2電極(9)は、床と接触する部位に絶縁体(12)(12)’を有する。
更に別の構造を備えた電位治療装置(2C)は、図44A[斜視図]および図44B[黒で描かれた被治療者(5)およびそれぞれの電極の位置関係を図示する側面図]に示されるタイプの椅子を備えている。椅子(7a)は、被治療者(5)を覆う正面開放カバー本体(34)を備えている。このカバー本体(34)は、被治療者(5)の頭を受け入れる対向電極としての第1電極(8c)、主電極としてのオットマン電極である第2電極(9c)、および座った姿勢で肩から腰の位置に配置され、腰上部位置に配置される対向電極としての別の第1電極(80c)を備えている。別の第1電極(80c)は、側面から被治療者(5)の身体をカバーするように複数の側面電極(80c')を備えている。好ましくは、第1電極(8c)は人体頭部分に沿って配置され、別の第1電極(80c)は両方の肩から腰まで長手方向に沿う複数の段階に配置される。これら第1電極(8c)、別の第1電極(80c)、側面電極(80c')および第2電極(9c)は、絶縁材(35)内に配置されている。絶縁体で作られていた取り外し可能なクッション・部材が、カバー本体(34)に取り付けられている。而して、厚さの異なる利用可能なクッション・メンバーを取り付けることによって、人体表面と第1電極(8c)、(80c)、(80c')との間の距離を変更することができる。そのような電位治療装置(2c)において、上述したように、誘導電流制御手段は、体表面電界を制御し、対向電極としての第1電極(8)(80c)(80c’)および第2電極(9c)に印加される印加電圧および第1電極(8c)(80c)(80c’)と人体主要部の表面との間の距離(d)を可変し、あるいは第1電極(8c)(80c)(80c')および第2電極(9c)に印加される印加電圧を制御することによって、そしてさらに、第1電極(8c)、(80c)、(80c')と人体表面との間の距離(d)を変更することによって、人体の主要部のそれぞれの領域に極微量の誘導電流を流すことができる。
別の構造を備えた電位治療装置(2A)を、図45A[斜視図]および図45B[側面図]に示す。この電位治療装置(2A)はベッド・タイプである。被治療者(5)を覆うためのボックス(32)はベッド・ベース(31)上に配置されている。それぞれの電極がこのボックス(32)に備えられている。要するに、対向電極としての第1電極(8a)と主電極として人体の脚部分に配置される第2電極(9a)を備えている。第2電極(8a)は、人体の頭、肩、腹、脚および臀部あるいは他の領域に配置される。また、好ましくは、第1電極(8a)は、人体の肩、腹および臀部にほぼ等しい形状、幅および面積を有する。これらの図面における空白の領域は、電極が配置されない地点を示す。電極は絶縁体(33)内に配置される。絶縁体(図示略)からなるクッションが、ベッド・ベース(31)上のそれぞれの電極上に配置されている。そこで、異なる厚さのクッションが準備されている。
前述の図43において、頭上の頭部電極(8)と被治療者(5)の人体主要部表面間の距離(d)は約1〜25cmにセットされ、図44Aにおいて第1電極(8c)(80c)(80c')と被治療者(5)人体主要部表面との間の距離(d)は、1〜25cm、好ましくは4〜25cmにセット、そして図45Aにおいて、第1電極(8a)(8b)と被治療者(5)主要部表面との間の距離(d)は、好ましくは3〜25cmセットされる。
図46の電気的構成のブロックダイヤグラムとして以下に述べるように、高圧発生装置(3)は、商用電源の電圧100v ACを例えば15,000vに昇圧するブースター変圧器(T)と、個々の電極に流れる電流を制限する電流制限抵抗器(R)、(R’)とを有する。高圧発生装置(3)は、ブースター・コイル(T)の中間点(s)が接地され、接地電圧が昇圧された電圧の半分に設定された構成を有する。この高電圧生成装置(3)は、ブースター・コイル(T)の中間点(s)がアースされ、接地電圧が昇圧電圧の半分にセットされる構成となっている。図示仮想線によって示されるように、ポイント(s’)を接地しても良い。図46のブロックダイヤグラムが示すように、高電圧側中間点(s)がブースター変圧器(T)によって接地された高電圧は、高電圧生成装置(3)の電圧コントローラー(13)を通過する100VのAC電力源から得られる。また、さらに、それぞれの高電圧は、人体を保護するために電流制限抵抗器(R)(R’)を介して頭部電極(8)(8c)等(下記参照)および第2電極(9)、(9c)等(下記参照)に接続される。また、電位治療装置(1)は誘導電流制御手段を備えている。この誘導電流制御手段は、頭部電極(8)および第2電極(9)に印加される印加電圧、頭部電極(8)と人体主要部表面との間の距離(d)を変えることによって、あるいは、頭部電極(8)および第2電極(9)に印加される印加電圧を制御することによって、あるいは頭部電極(8)と人体主要部表面との間の距離(d)を変えることによって、身体主要部電界を制御して極微量の誘導電流を被治療者(5)の人体主要部を構成するそれぞれの領域に流すようにすることができる。人体表面と第1電極(8a)との間の距離(d)は、ベッド・ベース(31)上に厚さの異なるクッションを置くことにより容易に変更できる。
高電圧が電位治療装置(1)に印加された状態でさえ誘導電流を増加させれば、より高い治療効果が、従来方式と同等の時間で得られる。さらに、その治療は以前より短い時間内に終らせることができる。また、さらに、同じ治療効果を得るために、先行技術と同じ値の誘導電流を、より低い電圧で以前と同じ治療時間で得ることができる。
本発明の電位治療装置(1)は、高出力電子雑音、ハイ・レベルの無線周波雑音および強磁界を、できるだけ除外するように設計されている。電位治療装置(1)と干渉する電磁界の影響を低減するため、電子部品、半導体、パワーコンポーネント(サイリスター、トライアック等)電子タイマー、あるいはEMIに敏感なマイクロコンピュータで設計・製造するのではなく、機械駆動スイッチ、リレー、および電動モーターあるいは、電気タイマーあるいは他の電気部品を使用することが望ましい。しかしながら、電子機能部品として、発光ダイオード電源用の電子シリアルバス・スイッチングレギュレーターは有効である。また、この発光ダイオードは、本発明の電位治療装置がアクティブ状態であるかインアクティブ状態であるを被治療者やオペレーターへ通知するための光源として使用される。
上述のとおり、図47A、図47Bおよび図47Cに示されるように、疑似人体(h)がEFと誘導電流を測定するために使用されうる。この疑似人体(h)はPVCで作られており、その表面は銀および塩化銀の混合溶液で被覆されている。これにより実際の人体の抵抗と同等の抵抗(1KΩ以下)になっている。疑似人体(h)は、看護シミュレーターとして世界的に使用されており、その寸法は、平均的な人体、例えば身長174cm、に近似している。寸法は、表8に記述されている。
体表面電界は、疑似人体(h)の測定領域へディスク形の電界測定センサー(e)を付けることにより測定される。その測定は、115V/60Hzおよび120V/60Hzの状況下で行う。
誘導電流の測定方法およびその装置が図48に示されている。誘導電流測定装置(20)において、図47Aおよび図47Bに示されるように、疑似人体(h)は椅子(7)に通常の座位状態におかれる。対向電極である、頭の上方の頭部電極(8)は、疑似人体(h)の頭の上から11cmとなるように調節され配置されている。測定は、例えば図48のk−k’線部分のようなそれぞれの部分を測定し、光学トランスファーを介して誘導電流波形を移送し、そして、誘導電流測定装置(20)の接地側でこの波形を観察することにより達成される。ここに印加電圧は15,000Vである。この測定法では、疑似人体(h)の各領域のセクションで引き起こされた電流の測定は、2本のリード線を用いて疑似人体(h)のセクションを横切って流れる電流の短絡回路(図示略)を作ることによって誘導電流を得る。測定された誘導電流は、I/Vコンバーター(23)によって電圧信号に変換される(図48)。次に、この電圧信号は伝送側で光学アナログデータ・リンクによって光学信号に変換される。
これら光学信号は光通信ケーブル(25)によって、受信側の光学アナログデータ・リンク(26)に運ばれ、電圧信号に変換される。その後、この電圧信号は、波形観察および分析レコーダーによる周波数解析用の周波数分析器(27)によって処理される。バッファーと加算器は、送信側(図示略)でI/Vコンバーター(23)と光学アナログデータリンク(24)との間に配置される。而して、115V/60Hzおよび120V/60Hzで測定された電界値および誘導電流は、疑似人体(h)のそれぞれの領域の位置で、表9に示される。電界値がこの表9と異なる場合、そこに流れる誘導電流値も異なることが知られている。したがって、懸念される各領域の電界を変更するによって、実際の人体主要部のそれぞれの領域で有効な誘導電流を得ることができることが明白であると思われる。
体表面電界Eは、次の式の使用により、図48において示されるそれぞれの領域の誘導電流の測定法によって得られたそれぞれの領域の誘導電流値から得ることができる。すなわち、E=I/ε0ωS。ここで、Sは電界測定センサーの断面であり、ε0は真空における誘電率であり、Iは誘導電流であり、ωは2πfであり、またfは周波数である。それぞれの領域の誘導電流が前述の方法によって得られる場合、それぞれの領域の誘導電流密度Jは次の式を使用して得ることができる。すなわち、A=2πr、B=πr2、B=A2/4π、J=I/B、ただし、Aは周囲長であり、Bは円の面積であり、rは半径であり、Iは、測定電流であり、また、Jは誘導電流密度である。
前述の誘導電流制御手段は、電位治療が行なわれるときに、頭部電極(8)の電圧および第2電極(9)への印加電圧をコントロールすることによって、人体主要部のそれぞれの領域で非常に少量の誘導電流を流れさせることができる。表10は、次のものの中の関係を示す:(1) 鼻、首および胴の誘導電流(μA)、(2)鼻、首および胴の誘導電流密度(mA/m)および120V/60Hzの印加電圧(kV)。同一印加電圧の下では、電流密度は、首が最も高く、次に高いのが胴であり、鼻が最も低くなる傾向がある。表10中の誘導電流密度が10mA/m未満であり、10mA/m以下の電流密度は非電離放射線保護の国際委員会によって安全であることが確立されたものであることにご注意頂きたい。
図49は、鼻、首および胴における印加電圧(kV)と誘導電流(μA)の関係を示す。図49に明らかなように、印加電圧と誘導電流は互いに比例する。
表11は、頭部電極(8)と頭の頂部との間の距離(d)の関数としての人間の首における誘導電流および誘導電流密度の変化を示す。
表11は、15cm以上の距離で、誘導電流が30μAで安定することを示している。従って、距離を変えることにより誘導電流を変えるためには、距離は15cm以下にしなければならない。図50は、距離(d)に依存する誘導電流の変化を示す。
人間の腰痛の300のケースを含む実験において、我々は、EFが腰痛を治療するのに有効であると判断した。また、我々は以下のように最適のドーズおよびパラメータを判断した。要するに、最適のドーズ量は、人体の胴を構成する領域に流れる誘導電流値および誘導電流流通時間をコントロールすることにより得られる。あるいは、それは、第1電極電圧および第2電極電圧の印加電圧合計と適用時間の乗積をコントロールすることにより得られる。腰痛については、EF治療効果は、約10kVから約30kV、好ましくは15kVの電圧で約30分間それを適用することによって最適化される。換言すると、約300kV/分から約900kV/分、好ましくは約450kV/分である。
表12は、表8の疑似人体(h)の次元を考慮して、疑似人体(h)の胴を構成するそれぞれの領域のセクションで115V/50Hzで測定された誘導電流値と、この誘導電流値から計算で得られた誘導電流密度とを示す。表12から、人体の胴を構成するそれぞれの領域における誘導電流(A)の測定値と、誘導電流密度(mA/m)の計算値は、以下のとおりである。目;18/0.8、鼻;14/1.3、首;27/3.1、胸;44/0.9、胃の穴;8.6/1.6、また胴;91/2.8。
さらに、前述の誘導電流および誘導電流密度に基づいて、120V/60Hzでの誘導電流および誘導電流密度は、次の式1および式2によって計算される。
式1:
誘導電流;
I(60Hz)=I(50Hz)x60/50x120/115
式2:
誘導電流密度;
J(60Hz)=J(50Hz)x60/50x120/115
表13は、120V/60Hzでの人体胴であるそれぞれの領域の誘導電流および誘導電流密度の計算結果を示す。表13から、人体の胴を構成するそれぞれの領域における誘導電流(A)の測定値および誘導電流密度(mA/m)の計算値は以下のとおりである。目;23/0.9、鼻;30/1.7、首;34/3.9、胸;55/1.2、胃の穴;11/2.3、また胴;114/3.6。
電極と人体領域の間の距離が固定される場合、前記印加電圧および人体の胴のそれぞれの領域を流れる前記誘導電流は比例関係にある。したがって、人体が椅子で治療される場合、最適のドーズ量は印加電圧と適用時間の乗積をコントロールすることにより得ることができる。というのは、もし電極と人体の間の距離が、最大公約数的な方法で決定されるなら、人体のそれぞれの領域の電界強度は印加電圧によってほとんど決定されるからである。
熟練した者であれば、印加電圧の大きさ、および電流密度もまた、ヘルストロン(Healthtron) HES-30TM装置(白寿社)のような、適切な電界装置を使用してコントロールされうる、ということを理解するであろう。例えば、生体試料がある状態で生成された誘導電流は、EFが印加される電極のポテンシャルを上げることにより増加しうる。他の適切な装置は熟練した者に知られており、00298装置(白寿社)、HEFーK9000装置(白寿社)、HES-15A装置(白寿社)、HES−30装置(白寿社)、AC/DC発電機(三協社)および関数発生器SG4101(岩通社)が含まれるが、これらに限定されるものではない。典型的な装置のいくつかの特徴はそれらの装置用の仕様書と共に表14において示す。
本発明の方法に有用な追加の電界装置には、、米国特許第4,094,322号に開示された電界発生装置があり、上記特許の開示内容はそっくりそのまま参照としてこの明細書の開示内容として組み込まれる。この治療の装置は、装置上に横たわる患者の希望部位に電界を直接的に適用することが可能である。他の電界装置は、米国特許第4,033,356号、米国特許第4,292,980号、米国特許第4,802,470号およびどれが各々の参照によってその全体にここに組み入れられるかというイギリス特許第GB 2,274,593号に開示されており、上記特許の開示内容はそっくりそのまま参照としてこの明細書の開示内容として組み込まれる。
表14は、本発明の方法と共に使用されうる選択されたEF装置の特記仕様書を提供する。
均質だが不規則な形に作られた人間モデルにおける60Hzの電界によって引き起こされた電流密度分布は、2段階有限差分手続きを使用して計算された(ハート、エフ.エックス.(Hart, F.X.), バイオエレクトロマグネティクス 11:213-228 (1990))。10kV/mの電界に曝露された非接地の人間のモデルの場合については、背中の下部の高さの胴を通る平面における誘導電流密度は、1.14mA/mであった(図51)。他の位置での電流密度は0.8〜3.5mA/mの範囲であった。正確な値は、モデルと接地の間の容量結合に依存したが、結合条件の合理的な範囲は、計算された電流密度の2のファクター未満の変化に帰着した。同様の結果は他の者によって見い出された(ガンディ、オー.ピー.(Gandhi, O.P.) & チェン、ジェイ.ワイ.(Chen, J.Y.), バイオエレクトロマグネティクス サプリメント(Bioelectromagnetics Suppl.) 1:43-60 (1992); キング、アール.ダブリュ.ピー.(King, R.W.P.), IEEE Trans. Biomed. Eng. 45:520-530 (1998))。
有限差分時間領域方法は人体の解剖学的に基づいたモデルにおける誘導電流を計算するために使用された(ファーセ、シー.エム.(Furse, C.M.) & ガンディ、オー.ピー.(Gandhi, O.P.)、 バイオエレクロトマグネティクス19:293-299 (1998))。その計算は以前に可能であったなよりはるかに大きな分解能を可能にした、スーパー・コンピューター上で行なわれた。モデルにおける特定の組織で引き起こされた電流密度のために得られた結果は、表15に示される。比較可能な結果は太った筋肉(バイオ医学のチャン、エイチ.アール.(Chuang, H.-R.) & チェン、ケー、エム.(Chen, K.-M.), IEEE Trans.。Eng。36:628-634(1989))およびまた骨頭脳(ハート、エフ.エックス.(Hart, F.X.) & マリノ、エイ.エイ.(Marino, A.A.), Med. Biol. Eng. Comp. 24:105-108 (1986))を含む組織の合成模型を使用する他のものによって見つかった。
実施例13
電場(EF)への曝露: 人間患者中のいくつかの臨床症状に対する緩和効果
電界曝露装置(ヘルストロン(モデルHES、株式会社白寿生科学研究所、東京、日本))が使用された。ヘルストロンは昇圧器(回路における電圧を制御するための装置)、腰掛および電極を含む。2つの対向する電極のうちの1つに高電圧を印加して、2つの電極間のスペースに一定の電位差を形成しEFを形成する。
ユーザは、曝露期間中、快適に着席し、本を読んだり眠ることができた。電流の形成に起因する偶然の電気ショックを防ぐために、被治療者は、治療中、床あるいは誰か(オペレーターや電気に曝された他の人)との肉体の接触のどんな形式も認められなかった。絶縁体被覆電極は、足を乗せることを許された床および各患者の頭に置かれた。30,000ボルト(50あるいは60HzのELF(超低周波数))の初期電力が、足に置かれた電極に印加され、足および頭に位置する電極間にEFを生成した。電気への曝露は1セッション当たり30分間続き、曝露の頻度は、1日1回から1週間1回にばらついた。
ヘルストロンの効能は、Yuichi Ishikawa医師の直接の監督の下で、東京港区の虎ノ門クリニックにて1994年8月1日から1997年6月30日までのアンケート処理から得られた結果に基づいて評価された。合計1,253人の患者(489人の男性;764人の女性)がその装置を用い、そのうち505人(208人の男性、297人の女性)がクリニックを訪れて、ヘルストロン装置を使用し、少なくとも2回その装置を使用した。他のものは2度以上装置を使用したかもしれない。アンケートにおけるエントリーの主観性の範囲を減じるために、ヘルストロンの緩和効果の評価はこれらの505人の患者に制限された。
すべてのヘルストロン・ユーザは医師によって世話され、以前の訪問中の装置の緩和効果についてインタビューされた。そのインタビューは、主な肉体の病訴(=徴候)、過去の病歴および治療、ヘルストロンの利用頻度およびその緩和効果を含む使用後の印象およびユーザがヘルストロンを個人的に持っているか、に関する問題を含んでいた。最初の病院受診時の徴候の厳しさを3とし、ヘルストロン治療の後の厳しさを5等級に分類された:すなわち、非常によい(5);よい(4);不変(3);悪化した(2);そして、高度に悪化した(1)。非常に良いおよび良いは、「軽減される」に分類された。また、曝露の頻度/間隔にかかわらず緩和の日数も、同様に記録された。
結果
患者の年齢は20〜90歳の間で、40歳以上が85.3%であった(表16)。208人の(41%)男性および297人の(59%)女性がいた。異なる55の徴候が識別された。また、ヘルストロン治療で徴候毎の緩和を報告した患者の割合は、表16において要約される。少なくとも10人の患者によって識別された徴候は、手足の冷え、疲労、頭痛、高血圧症、不眠症、関節痛、低腰背痛、手足の痛み、皮膚そう痒症、手足におけるしびれ感、肩/頸痛、およびこり。ヘルストロン治療の緩和効果は、熱を伴うことのない、また蜘蛛膜下あるいは脳出血の為の療法を用いていない、あるいは炎症の無い頭痛(91.7%)、関節痛(66.7%)、腰痛(57.3%)、肩/頸痛およびこり(56.0〜57.8%)、疲労(55.0%)の緩和、で明白だった。面白いことは、運動器官(頭、関節、肩、首、手足および腹)に影響する、痛みに関連する徴候に対する緩和効果は、299のケースのうちの175(58.5%)を記録した。痛みに関連する徴候は、外傷に帰せられなかった。皮膚そう痒症を持った10人の患者中、4人が軽減されたと主張したが、臨床徴候は最初の治療後に1人の患者において悪化した。
表17は、505人の患者において55の識別された臨床症状の緩和割合を示す。
図52は、505人の患者において、ヘルストロン治療の頻度/間隔に関係なく1つの徴候当たりの緩和平均期間を示す。識別された徴候の多くの中の小サンプルサイズ、研究者がアンケートから生成されたデータに単に依存した本研究の固有の制限を考慮して、我々は、50%を越える緩和割合を示す少なくとも10人の患者によって識別された徴候にのみ治療の緩和効果の持続性が正当に記述され得ると信じる。約50日間続いた疲労の緩和;関節、背中下部および肩/頚部硬直は、100日弱間軽減された。他の多くの徴候に記された緩和のより長い平均期間は、治療の真の効果ではなくサンプル・サイズの反映でありえる。
G.電気的治療パラメータを最適化する方法
使用に起因しうる望まれない副作用を回避しながら、発明のパラメータ範囲の選択および選択は治療のツールとしてのEFの利用を可能にする。従って、その発明は、特定の生物学の結果を達成し、かつ望まれない副作用を回避する治療のツールとして、訓練された個人がEFを使用できるパラメータおよびそれらの使用の範囲を提供する。
EF治療用の最適のパラメータを決定する好ましい方法は次のステップを含んでいる:
(i)生体物に誘発するべき所定の生体応答を識別すること;
(ii)生体物における、あるいは生体物に由来した組織サンプルあるいは培養における細胞の細胞膜上の平均の誘導電流密度の選択あるいは測定;
(iii)生体物、サンプルあるいは培養からの特定の距離で選択され、測定された誘導電流密度を生成する外部電界の選択あるいは測定;
(iv)細胞膜上の選択されあるいは測定された誘導電流密度を生成する連続的期間の選択あるいは測定;
(v)生体物、サンプルあるいは培養に、選択されあるいは測定された連続的な期間の細胞膜上の選択されあるいは測定された誘導電流密度を生成するために選択されあるいは測定された電界を適用すること;
(vi)所定の生体応答が起こる範囲を測定すること;
(vii) (ii)から(vi)のいずれかのステップを任意に繰り返すこと;
(viii)選択されあるいは測定された外部電界のために、あるいは最良に希望の生体応答を誘発する選択されたか測定された連続的な期間、選択されあるいは測定された誘導電流密度に対する値を識別すること。
好ましくは、当該方法はさらに、ステップ(viii)の前に、選択されあるいは測定された誘導電流密度、選択されあるいは測定された外部電界、選択されあるいは測定された連続的な期間のいずれかの関数としての用量反応曲線を生成するステップを含む。さらに好ましくは、当該方法は、ステップ(viii)の前に、下記を選択あるいは測定するステップをさらに含む:ステップ(v)が繰り返される回数、ステップ(v)の反復の間隔、および選択されあるいは測定された誘導電流密度が細胞膜上に生成される全時間。
より好ましい実施形態は、次の特徴の1つ以上を含む。選択されあるいは測定された誘導電流密度が、約0.001mA/mから約15mA/mである、誘導電流密度は、生体物あるいはその部分の所定のセクションに流れる誘導電流を測定することによって、測定電流を電圧信号に変換することによって、電圧信号を光学の信号を変換し、ついで光学信号を電圧信号に再変換し波形と周波数を分析することによって、選択されあるいは測定される、および/または、外部電界(E)は式E=I/ε0ωSで選択されあるいは測定される。ただし、Sは電界測定センサーの断面積、oは真空の誘電率、Iは電流、ωは2πf、fは周波数である。
印加電流処置の最適パラメータを決定する好ましい方法は次のステップを含む。
(i)それの生体物あるいその部分に誘発すべき所定の生体応答を識別すること;
(ii)生体物における、あるいは組織サンプルあるいは培養における細胞の細胞膜上の平均印加電流密度の選択しあるいは測定すること、平均印加電流密度は、約10mA/mから約2,000mA/mである;
(iii)選択されあるいは測定された印加電流密度を生成する電流の選択あるいは測定、
(iv)選択されあるいは測定された印加電流密度を生成するために連続的な期間の選択しあるいは測定すること、
(v)選択されあるいは測定された連続的な期間用の選択されあるいは測定された印加電流密度を生成するために選択されあるいは測定された電流を適用すること;
(vi)所定の生体応答が起こる範囲を測定すること;
(vii)選択されあるいは測定された電流、選択されあるいは測定された印加電流密度、あるいは選択されあるいは測定された連続的な期間の関数としてのドーズ-反応曲線を生成するためにステップ(ii)〜ステップ(vi)のいずれかを繰り返すこと、
(viii)選択されあるいは測定された印加電流密度のために、あるいは最良に所定の生体応答を誘発する選択されあるいは測定された連続的な期間のために、選択されあるいは測定された電流に対する値を識別すること。
好ましくは、当該方法はさらに、ステップ(viii)の前に以下を選択しあるいは測定する。ステップ(v)が繰り返される回数、ステップ(v)の反復時間の間隔、および印加電流密度が細胞膜上に生成される時の全面的な期間。
発明者は、ある疾患を最適に治療するパラメータを割り出した。大まかにいうと、EF電圧(外因的)は、約50kVと約30kVの間の範囲において印加されうる。誘導電流密度は約0.001mA/mから約15mA/mの間の範囲において生成されうる。好ましくは、EF誘導電流密度は、約0.012から約11.1mA/m、より好ましくは約0.026から約5.55mA/mの範囲において生成される。
印加電流密度は、約10から約2,000mA/mまでの間の範囲において利用されうる。発明の別の実施形態では、印加電流約50から600mA/mの間の範囲において生成される。発明の更に別の実施形態では、EF印加電流は約60から約100mA/mの範囲において生成される。
表18は疾患と病気の治療に好ましいパラメータ・セットを提供する。表18は、パラメータ・セットが適用される特別の疾患、病気、器官あるいはシステムを提供する。値は近似であり、等価な範囲は発明によって予期されると理解されるが、表18もまた特別のパラメータ値を提供する。
本発明は、また、EF特性、曝露の誘導電流密度、印加電流密度および期間のような、パラメータの所定のセットを決定する方法に関し、最大の望ましい効果が動物実験主題中で得られる。
本発明の好ましい実施形態では、最適化の方法は次のステップを含む。生体物あるいはその部分に誘発される所望の生物学の効果(例えば、筋細胞における内部のカルシウムイオン・フラックスを引き起こす効果)の同定、平均の印加電流密度に対する、あるいは生体物あるいはその部分の細胞膜の誘導電流密度に対する値の選択であって、該値は、好ましくは、印加電流の場合、10mA/mから約2,000mA/mの範囲内に、誘導電流の場合、約0.001mA/mから約15mA/mの範囲内にある、選択された電流密度を生成する印加電流あるいはEFに対する値(周波数およびEF電圧のような)の決定、印加電流密度を生成する個別の期間の選択であり、該期間は、約2分から連続あるいは不連続の10,080分の範囲内にある、選択された電流密度を生成する印加電流あるいはEFの適用、所望の生物学的効果が起こる範囲の決定、および前記ステップのうちのいずれかの反復。好ましくは、最適化手続きは、選択された値の関数としてのドーズ-反応曲線の生成を引き起こす。別の好ましい実施形態では、印加電流あるいはEFに対する値は、生体物の身体形態学、重量、体脂肪率、および細胞膜上の電流の誘導に関連する他の要因を考慮して、決められる。
本発明のいくつかの実施形態では、細胞性膜を横切ってイオン・フラックスの生体内の調整に使用されたパラメータは、表19において示されたコンビネーションによって例証される。本発明の他の実施形態では、細胞性膜を横切ってイオン・フラックスの生体外の調整に使用されたパラメータは、表20において示されたコンビネーションによって例証される。
代替実施形態では、本発明は、個体が特定の疾患あるいは症状を被っているかどうか決定する為の診断のツールとして有用である。疾患あるいは症状の予防、改善および治療に関連した特定のパラメータは、同じ疾患あるいは症状の存在を検知するのに役立ちうる。それらパラメータは、症候、および反応性のためにモニターされた効果として適用できる。患者が、疾患に関連したパラメータの与えられたセットに反応しなければ、レスポンスの欠如は患者が特別の疾患あるいは症状を被っていないことを示唆する。あるいは、患者が、(疾病に関係した)パラメータの与えられたセットに反応すれば、レスポンスの存在は、特にその疾患および/または症状の存在を示す。本発明の診断の実施形態は、EFパラメータの特定のセットが割り出されたすべての疾患および/または症状に使用されうる。
前述の説明および実施例に特に記載されたことの他にも、本発明を実施しうること明らかである。本発明の多数の改良および変更は、上述の教示に照らして可能であり、したがって、特許請求の範囲内である。
図1はEF曝露システムにおけるフィールド曝露ディシュを示す。 図2は、EF曝露直後の生存細胞のパーセンテージを示す。 図3は、[12.5μg/ml Con-Aを含むEFを曝露されたおよびされていない細胞浮遊液における[Ca2+]c−high細胞の数の著しい増加を示す。 図4Aおよび図4Bは、CaClの1mMとあるいはそれなしで、Con-Aの異なる濃度を含むEF曝露された細胞における結果を要約する。 図5は、フィトヘムアグルチニン(PHA)を含むEF曝露されたあるいはされていない細胞において[Ca2+]C−high細胞が著しく増加していることを示す。 図6は、0.025μg/mlのCon-Aで刺激された細胞と比較した時、3.125〜12.5μg/mlのCon-Aを追加された時、EFを曝露した細胞あるいは曝露されない細胞のいずれの[Ca2+]C−high細胞は著しく増加していることを示す。 図7は、ラットに対するEF曝露の効果をテストするためのEF実験のための実験計画の概略図を示す。 図8は、50HzのEF曝露がウィスターラットにおいてオペラント条件付けの誘因となることを示す。 図9は、電界(EF)曝露システムを示す。 図10は、4グループ間の血液学的な相違を示す。 図11は、EF曝露を始めて14日後の血漿トリグリセリド(TG)濃度を示す。 図12は、EF曝露を始めて14日後の血漿遊離脂肪酸(FFA)濃度を示す。 図13は、カルシウム受容体抗血清を用いたときのアイゲンマニア(パネルE、F)およびアブラツノザメ(パネルA〜D)の電気受容器中のカルシウム受容体タンパクの局在を示す。 図14は、カルシウム受容体抗血清を用いたときのブラックゴースト(パネルA〜F)の電気受容器中およびアトランティックサーモン(Salmo salar)の腎臓中のカルシウム受容体タンパクの局在を示す。 図15は、単一の組織培養細胞プールから得られたHUPCaR細胞の6つの同一アリコットから得られたFURA−2比率をトレースしたときの複合図を示す。 図16は、17回の異なった実験において、様々なEF曝露あるいは擬似対照に供与されたHuPCaR細胞の基準値の比較から得られたFURA−2値の差異の概要を示す。 図17は、様々なEF量に10分間曝露した後のUntx−HEK細胞より得られた標準化FURA−2ベースライン値の概要を示す。 図18は、図16および図17の中で示されたUntx−HEK細胞、HUPCAR細胞を用いた個々の実験におけるFURA−2比率解析の初期の59秒間の平均標準化FURA−2比率値の比較を示す。 図19は、前もって様々なEF量に曝露させたHuPCaR細胞に対し、カルシウムイオンで繰り返し刺激を与えた後の平均標準化FURA−2比率値の差異の概要を示す。 図20 文献 Quinn, S. et al. Sodium and ionic strength sensing by the calciumreceptor. J. Bil. Chem. 273:19579-19586 (1998)からの図2の複製 図21は、細胞外カルシウムイオン濃度を徐々に増加させたときにHuPCaR細胞の個々のプールのアリコットから得られた急速な増加(上のパネル)あるいはベースライン(下のパネル)のどちらかの数量化を示す。 図22は、図21に示されるように様々な濃度のNaClを含む標準実験緩衝液に徐々にCaClを加えたときに生じるNa+/Ca2+比率の変化を示す。 図23は、イオノマイシンで標準化されたFURA−2値対Log Na+/Ca2+ 比率として表示された図21からのFURA−2ベースラインデータの変化を示す。 図24は、EF曝露によってHuPCaR細胞に生じるFURA−2ベースライン値の変化の大きさは細胞外液のNa+/Ca2+によって調節されることを示す。 図25は、2つの異なるNa+/Ca2+比率でのEF曝露によって生じたFURA−2値のベースラインの変化で引き起こされるEFの概要を示す。 図26は、Na+/Ca2+比率を変えるために細胞外液へ塩化カルシウムを徐々に加えた後にEFが引き起こすFURA−2ベースライン値の変化と反応の変化と間の関係の比較 図27は、塩化カルシウムを添加したときのEFが引き起こしたFURA−2ベースライン値とその結果引き起こされる反応の変化との関係の分散ダイヤグラムを示す。 図28は、HuPCaR細胞内のFURA−2ベースライン値に対するEF曝露の効果の概要を示す。 図29は、ベラパミルに曝露されたHuPCaR細胞ではEFが引き起こす細胞内のFURA−2ベースライン値の変化が起こらないことを示している。 図30は、カルシウム受容体タンパクを発現する哺乳動物組織の部分的なリストを示す。 図31は、脾細胞においてCon-Aが引き起こすカルシウムイオンの増加が上昇させた事を示す。 図32は、最終濃度0.4μMのA23187で刺激されたBALB 3T3マウス胚細胞のDiBAC染色強度の経時変化を示す。 図33は、およそ200μA/cmの電流密度を生成する100Hzでの電場(EF)のBALB 3T3における膜電位に対する影響を示す。 図34もまた、およそ200μA/cmの電流密度を生成する100Hzでの電場(EF)のBALB 3T3における膜電位に対する影響を示す。 図35は、血漿副腎皮質刺激ホルモン(以下「ACTH」)におけるストレスの影響を示す。 図36Aおよび図36Bは、正常な(A)および卵巣が切除されたラット(B)における血漿ACTHレベルでのEFの曝露の効果を示す。 図37は、正常なラット(n=6)における血漿ACTHレベルのEF曝露の効果を示す。 図38Aおよび図38Bは、正常な(A)および卵巣が切除されたラット(B)についての制約に引き起こされた血漿グルコースレベル変化に対するEF曝露の効果を示す。 図39Aおよび図39Bは、正常な(A)および卵巣が切除されたラット(B)において拘束によって引き起こされた血漿乳酸レベルについてのEF曝露の効果を示す。 図40は、卵巣が切除されたラットにおける拘束に引き起こされた血漿ピルビン酸レベルに対するEF曝露の効果を示す。 図41は、卵巣が切除されたラットにおける拘束に引き起こされた白血球(WBC)数に対するEF曝露の効果を示す。 図42は、EF治療装置を用いて生成された電界の概念的輪郭を示すものであり、ここでは白寿生科学研究所から提供されたバイオニトロン(BioniTron)椅子を用いている。 図43は、本発明の好ましいEF治療装置の概略図である。 図44Aおよび図44Bは別の好ましいEF治療装置を示す。 図45Aおよび図45Bは別の好ましいEF治療装置を示す。 図46は、EF治療装置の好ましい電気的構成図である。 図47Aは模擬人体の正面図、図47Bは斜視図、図47Cは、ボディのネックに付けられたEF測定センサーを示す図である。 図48は、EF治療装置によって生成された誘導電流の測定装置を示す。 図49は、印加電圧と誘導電流の関係を示す。 図50は、頭部電極の位置とネックに誘導された電流との関係を示す。 図51は、非接地状態にある人体の様々な位置における誘導電流密度(mA/m)を示す。 図52は、人間における各種徴候に対するEF曝露の緩和効果を示す。

Claims (149)

  1. 生物あるいはその一部の細胞におけるイオンの異常な集中を引き起こす疾患、あるいはその異常な集中によって引き起こされた疾患を治療または予防する方法であって、
    当該細胞に正常のイオン濃度を回復させることによって前記疾患を治療または予防する方法であって、それには、少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体(G-protein-coupled receptors)を含む当該生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.001mA/mから約600mA/mの平均誘導電流密度を生成する外部電界を当該生物又はその一部に印加することが含まれる。
  2. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体(family 3 GPCRs)である請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項1に記載の方法。
  4. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項1に記載の方法。
  5. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項1に記載の方法。
  6. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項1に記載の方法。
  7. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項1に記載の方法。
  8. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項1に記載の方法。
  9. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項1に記載の方法。
  10. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項1に記載の方法。
  11. 前記平均誘導電流密度が、約0.3mA/mから約200mA/mである請求項1に記載の方法。
  12. 前記平均誘導電流密度が、約0.4mA/mから約60mA/mである請求項1に記載の方法。
  13. 前記イオンは、カルシウムイオンである請求項1に記載の方法。
  14. 請求項1記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  15. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む当該生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.1mA/mから約2mA/mの平均誘導電流密度を生成する外部電界を当該生物又はその一部に印加することを含む増殖性細胞疾患を治療する方法。
  16. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項15に記載の方法。
  17. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項15に記載の方法。
  18. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項15に記載の方法。
  19. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項15に記載の方法。
  20. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項15に記載の方法。
  21. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項15に記載の方法。
  22. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項15に記載の方法。
  23. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項15に記載の方法。
  24. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項15に記載の方法。
  25. 前記平均誘導電流密度が、約0.2mA/mから約1.2mA/mである請求項15に記載の方法。
  26. 前記平均誘導電流密度が、約0.29mA/mから約1.12mA/mである請求項15に記載の方法。
  27. 前記増殖性細胞疾患が、線維肉腫、横紋筋肉腫、粘液肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、脂肪肉腫、悪性腫瘍、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、結腸癌、前立腺癌、肺癌、小細胞肺癌、気管支癌、精巣癌、子宮頚癌、卵巣癌、乳癌、血管肉腫、リンパ管肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、膵臓癌、腎細胞癌、ウィルムス腫瘍、肝細胞癌、胆管癌、腺癌、上皮癌、黒色腫、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、膀胱癌、胎生期癌、嚢胞腺癌、髄様癌、絨毛癌、精上皮腫からなるグループから選ばれる請求項15に記載の方法。
  28. 請求項15記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  29. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む当該生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.4mA/mから約6.0mA/mの平均誘導電流密度を生成する外部電界を当該生物又はその一部に印加することを含む電解質平衡異常を治療する方法。
  30. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項29に記載の方法。
  31. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項29に記載の方法。
  32. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項29に記載の方法。
  33. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項29に記載の方法。
  34. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項29に記載の方法。
  35. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項29に記載の方法。
  36. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項29に記載の方法。
  37. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項29に記載の方法。
  38. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項29に記載の方法。
  39. 前記平均誘導電流密度が、約0.4mA/mから約5.6mA/mである請求項29に記載の方法。
  40. 前記平均誘導電流密度が、約0.43mA/mから約5.55mA/mである請求項29に記載の方法。
  41. 前記イオンは、カルシウムイオンである請求項29に記載の方法。
  42. 請求項29記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  43. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む当該生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.3mA/mから約0.6mA/mの平均誘導電流密度を生成する外部電界を当該生物又はその一部に印加することを含む血清カルシウム濃度に関連した疾患を治療する方法。
  44. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項43に記載の方法。
  45. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項43に記載の方法。
  46. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項43に記載の方法。
  47. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項43に記載の方法。
  48. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項43に記載の方法。
  49. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項43に記載の方法。
  50. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項43に記載の方法。
  51. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項43に記載の方法。
  52. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項43に記載の方法。
  53. 前記平均誘導電流密度が、約0.3mA/mから約5.55mA/mである請求項43に記載の方法。
  54. 前記平均誘導電流密度が、約0.33mA/mから約60mA/mである請求項43に記載の方法。
  55. 請求項43記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  56. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む当該生物又はその一部の細胞又は組織上に約0.03mA/mから約12mA/mの平均誘導電流密度を生成する外部電界を当該生物又はその一部に印加することを含むストレス又はストレス関連疾患、あるいはそれらの症状を治療する方法。
  57. 前記電界が、前記少なくともひとつG-タンパク共役型受容体にACTH濃度を調節させる請求項56に記載の方法。
  58. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項56に記載の方法。
  59. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項56に記載の方法。
  60. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項56に記載の方法。
  61. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項56に記載の方法。
  62. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項56に記載の方法。
  63. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項56に記載の方法。
  64. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項56に記載の方法。
  65. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項56に記載の方法。
  66. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項56に記載の方法。
  67. 前記平均誘導電流密度が、約0.35mA/mから約11.1mA/mである請求項56に記載の方法。
  68. 前記ストレス関連疾患が、免疫系機能低減、伝染病、高血圧症、粥状動脈硬化症およびインシュリン抵抗性異脂肪血症症候群のから成るグループから選ばれる請求項56に記載の方法。
  69. 請求項56記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  70. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む当該生物又はその一部の細胞又は組織上に約10mA/mから約100mA/mの平均誘導電流密度を生成する電流と当該生物又はその一部を接触させることを含む増殖性細胞疾患を治療する方法。
  71. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項70に記載の方法。
  72. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項70に記載の方法。
  73. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項70に記載の方法。
  74. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項70に記載の方法。
  75. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項70に記載の方法。
  76. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項70に記載の方法。
  77. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項70に記載の方法。
  78. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項70に記載の方法。
  79. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項70に記載の方法。
  80. 前記増殖性細胞疾患が、線維肉腫、横紋筋肉腫、粘液肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、脂肪肉腫、悪性腫瘍、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、結腸癌、前立腺癌、肺癌、小細胞肺癌、気管支癌、精巣癌、子宮頚癌、卵巣癌、乳癌、血管肉腫、リンパ管肉腫、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑液腫瘍、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、膵臓癌、腎細胞癌、ウィルムス腫瘍、肝細胞癌、胆管癌、腺癌、上皮癌、黒色腫、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、膀胱癌、胎生期癌、嚢胞腺癌、髄様癌、絨毛癌、精上皮腫からなるグループから選ばれる請求項70に記載の方法。
  81. 請求項70記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  82. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む当該生物又はその一部の細胞又は組織上に約60mA/mから約600mA/mの平均誘導電流密度を生成する電流と当該生物又はその一部を接触させることを含むストレス又はストレス関連疾患、あるいはそれらの症状を治療する方法。
  83. 前記電界が、前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体にACTH濃度を調節させる請求項82に記載の方法。
  84. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項82に記載の方法。
  85. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項82に記載の方法。
  86. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項82に記載の方法。
  87. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項82に記載の方法。
  88. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項82に記載の方法。
  89. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項82に記載の方法。
  90. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項82に記載の方法。
  91. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項82に記載の方法。
  92. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項82に記載の方法。
  93. 前記ストレス関連疾患が、免疫系機能低減、伝染病、高血圧症、粥状動脈硬化症およびインシュリン抵抗性異脂肪血症症候群のから成るグループから選ばれる請求項82に記載の方法。
  94. 請求項82記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  95. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む当該生物又はその一部の細胞又は組織上に約60mA/mから約2000mA/mの平均誘導電流密度を生成する電流と当該生物又はその一部を接触させることを含む血清カルシウム濃度に関連した疾患を治療する方法。
  96. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項95に記載の方法。
  97. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項95に記載の方法。
  98. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項95に記載の方法。
  99. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項95に記載の方法。
  100. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項95に記載の方法。
  101. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項95に記載の方法。
  102. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項95に記載の方法。
  103. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項95に記載の方法。
  104. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項95に記載の方法。
  105. 前記平均誘導電流密度が、約1分から約20分にわたる連続的な時間の間、細胞あるいは組織上に生成される請求項95に記載の方法。
  106. 前記平均誘導電流密度が、約2分から約10分にわたる連続的な時間の間、細胞あるいは組織上に生成される請求項95に記載の方法。
  107. 請求項95記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  108. 少なくとも1つのG-タンパク共役型受容体を含む細胞又は組織上に電界を印加することを含む、細胞内イオン濃度を調節する方法。
  109. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項108に記載の方法。
  110. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項108に記載の方法。
  111. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項108に記載の方法。
  112. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項108に記載の方法。
  113. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項108に記載の方法。
  114. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項108に記載の方法。
  115. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項108に記載の方法。
  116. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項108に記載の方法。
  117. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項108に記載の方法。
  118. 前記平均誘導電流密度が、約0.001mA/mから約600mA/mである請求項108に記載の方法。
  119. 前記平均誘導電流密度が、約0.3mA/mから約200mA/mである請求項108に記載の方法。
  120. 前記平均誘導電流密度が、約0.4mA/mから約60mA/mである請求項108に記載の方法。
  121. 前記イオンが、カルシウムイオンである請求項108に記載の方法。
  122. 請求項108記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  123. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む細胞又は組織上に電界を印加することを含む、ホルモン濃度を調節する方法。
  124. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項123に記載の方法。
  125. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項123に記載の方法。
  126. 前記細胞が、上皮小体細胞、C細胞、イオン輸送のためのマルティプル尿細管細胞、破骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、軟骨細胞、腸上皮細胞、細胞栄養層細胞、脳弓下器官ニューロン、脳弓下器官グリア細胞、嗅球ニューロン、嗅球膠細胞、海馬ニューロン、海馬膠細胞、線条体ニューロン、線条体膠細胞、帯状皮質ニューロン、帯状皮質膠細胞、小脳ニューロン、小脳の膠細胞、脳室の上衣ゾーンからのニューロン、脳室の上衣ゾーンからの膠細胞、大脳動脈を囲む血管周囲神経からのニューロン、大脳動脈を囲む血管周囲神経からの膠細胞、レンズ上皮細胞、脳下垂体および視床下部の細胞、血小板、マクロファージ、単球、血小板の前駆細胞、骨髄中のマクロファージおよび単球、胸部導管細胞、ケラチン生成細胞、及びインシュリンを作り出す膵臓のベータ細胞から成るグループから選択される請求項123に記載の方法。
  127. 前記組織が、上皮小体、腎臓、骨、軟骨、腸、胎盤、脳、レンズ、脳下垂体、胸部、皮膚、食道、胃、オーバッハ(Auerbach)神経叢、マイスナー(Meissner)神経叢、コロンおよび膵臓から成るグループから選択される請求項123に記載の方法。
  128. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項123に記載の方法。
  129. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項123に記載の方法。
  130. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項123に記載の方法。
  131. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項123に記載の方法。
  132. さらに、前記細胞又は組織は、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項123に記載の方法。
  133. 前記平均誘導電流密度が、約0.001mA/mから約600mA/mである請求項123に記載の方法。
  134. 前記平均誘導電流密度が、約0.3mA/mから約200mA/mである請求項123に記載の方法。
  135. 前記平均誘導電流密度が、約0.4mA/mから約60mA/mである請求項123に記載の方法。
  136. 前記ホルモンが、ACTHである請求項123に記載の方法。
  137. 請求項123記載の方法を実行するための装置であって、該装置は電界治療機器であり、
    (a) 主電極および対向電極と、
    (b) 前記電極対に電圧を印加するための電圧発生器と、
    (c) 前記電圧を変化させることによって、あるいは前記対向電極と前記生物あるいはその一部との距離を変化させることによって、前記外部電界を制御する誘導電流発生器と、
    (d) 前記電圧発生器を駆動するための電源と
    を含む装置。
  138. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体を含む細胞であって、当該少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が当該細胞上に印加された電界によって調節されている細胞。
  139. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、ファミリー3 G-タンパク共役型受容体である請求項138に記載の細胞。
  140. 前記少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、カルシウム受容体である請求項138に記載の細胞。
  141. さらに、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が250未満である請求項138に記載の細胞。
  142. さらに、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が100未満である請求項138に記載の細胞。
  143. さらに、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が40未満である請求項138に記載の細胞。
  144. さらに、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から38である請求項138に記載の細胞。
  145. さらに、細胞外ナトリウムの細胞外カルシウムに対するモル比が約20から30である請求項138に記載の細胞。
  146. 前記平均誘導電流密度が、約0.001mA/mから約600mA/mである請求項138に記載の細胞。
  147. 前記平均誘導電流密度が、約0.3mA/mから約200mA/mである請求項138に記載の細胞。
  148. 前記平均誘導電流密度が、約0.4mA/mから約60mA/mである請求項138に記載の細胞。
  149. 少なくともひとつのG-タンパク共役型受容体が、細胞内カルシウムイオン増加を調節されている請求項138に記載の細胞。

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