JP2006164760A - 試料観察装置,集束イオンビーム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
真空装置内でプローブを操作するマニピュレータにおいて、小型で広範囲に移動でき精度が高く、かつマニピュレータの駆動手段(アクチュエータ)の長寿命化が期待できる試料観察装置,集束イオンビーム装置を提供すること。
【解決手段】
試料を載置する真空室と、該真空室内で移動可能なプローブと、該プローブを移動させるプローブ駆動手段と、該プローブ駆動手段の負荷を軽減する負荷軽減手段と、を備え、かつ該負荷軽減手段の軽減力を前記プローブの位置の情報に基づいて変化させる制御手段を備えた試料観察装置。
【選択図】図2
真空装置内でプローブを操作するマニピュレータにおいて、小型で広範囲に移動でき精度が高く、かつマニピュレータの駆動手段(アクチュエータ)の長寿命化が期待できる試料観察装置,集束イオンビーム装置を提供すること。
【解決手段】
試料を載置する真空室と、該真空室内で移動可能なプローブと、該プローブを移動させるプローブ駆動手段と、該プローブ駆動手段の負荷を軽減する負荷軽減手段と、を備え、かつ該負荷軽減手段の軽減力を前記プローブの位置の情報に基づいて変化させる制御手段を備えた試料観察装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、真空室内で試料を移動させるプローブを備えた試料観察装置に係り、特にウェハなどの試料から観察や分析に必要な部分のみを加工・摘出して観察や分析まで同一装置内で一貫して作業が可能な試料観察装置,集束イオンビーム装置に関する。
ダイナミックランダムアクセスメモリに代表される半導体メモリやマイクロプロセッサ,半導体レーザなど半導体デバイス、および磁気ヘッドなど電子部品の製造においては、製品の品質管理のために製造工程途中あるいは終了の段階で製品特性が検査される。検査では製作寸法の計測や、回路パターンの欠陥検査や異物分析がなされる。このため各種の手段が用意され利用されている。
特に異常個所が製品の内部に存在する場合は、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)装置と電子顕微鏡を組み合わせた微細加工観察装置が用いられ、観察部位を含むミクロンオーダーの微小領域を切り出した微小試料を先端に針状のプローブを備えたマニピュレータ(プローブ移動手段)により摘出し保持したまま微小試料の位置と姿勢調節して最適形状に追加工し観察・分析する方法が考案され利用されている。この方法は、特許文献1に開示されている。
この方法は、観察部位を含むミクロンオーダーの微小領域を切り出した後、図7に示すように、マニピュレータを操作してウェハなどの試料9から微小試料100をプローブ
10で摘出し試料表面から浮上する高さまで持ち上げる。この微小試料100をプローブ10で保持したまま、所望の観察分析断面101に対しマニピュレータで位置を移動したり回転操作により姿勢を調節してFIB102で追加工や仕上加工を行う。次に微小試料100を回転させて、電子顕微鏡の電子ビーム103が観察分析断面101に垂直に入射するようにマニピュレータで微小試料100を移動させる。これにより二次粒子検出効率が向上する。また、電子ビーム103が観察分析断面101に垂直に入射するように姿勢を保ちながら移動が可能なので分解能観察やX線分析に最適なワーキングディスタンスに移動することができ、綿密な観察分析が可能となる。
10で摘出し試料表面から浮上する高さまで持ち上げる。この微小試料100をプローブ10で保持したまま、所望の観察分析断面101に対しマニピュレータで位置を移動したり回転操作により姿勢を調節してFIB102で追加工や仕上加工を行う。次に微小試料100を回転させて、電子顕微鏡の電子ビーム103が観察分析断面101に垂直に入射するようにマニピュレータで微小試料100を移動させる。これにより二次粒子検出効率が向上する。また、電子ビーム103が観察分析断面101に垂直に入射するように姿勢を保ちながら移動が可能なので分解能観察やX線分析に最適なワーキングディスタンスに移動することができ、綿密な観察分析が可能となる。
以上が微細加工観察装置において、観察部位を含むミクロンオーダーの微小領域を切り出した微小試料をマニピュレータにより摘出し保持したまま微小試料の位置と姿勢調節して最適形状に追加工し観察・分析する方法である。
従来のマニピュレータでは微小試料を摘出して別ステージに載置するのが目的で、少なくともFIBの加工観察領域で微動ができれば機能を果たしていたのに対し、試料を摘出し保持したまま位置と姿勢を変化させて、FIBや電子顕微鏡で加工,観察,分析を行うためには広範囲に移動が可能なマニピュレータが必要とされる。
しかし、広い可動範囲を確保するためには真空を封止するための真空ベローズの径を大きくする必要があり、大気圧が作用する面積が増えて真空ベローズを変形させてマニピュレータを駆動させるには大きな力が必要になる。
更に詳しく説明すると、真空ベローズにはバネ性があり、真空容器を真空引きすることにより真空ベローズの大気側には大気圧が作用してバネ定数が大きくなる。マニピュレータの可動範囲を広げようとすると移動範囲を確保するために真空ベローズの径を大きくする必要があるため、大気圧が作用する面積が増えて真空ベローズのバネ定数が大きくなる。しかも、真空ベローズの変形量が大きくなるに比例して復元力が増加するので駆動の負荷が増大する。
また、真空ベローズ径が大きくなることに起因してマニピュレータ自体も大きくなり自重も増えて駆動系の負荷が増大する。
これら理由により駆動系の負荷が大きいため高推力のアクチュエータを選択する必要があるが、高推力アクチュエータは高推力であればある程サイズが大きくなり、精度が低下する傾向にある。サイズが大きくなることは装置の占有面積の増大及び大重量化に繋がり、精度の低下は操作性が悪くなり正確なプローブ操作が難しくなる。
そこで、上記問題に鑑み本発明が解決する課題は、小型で広範囲に移動できる精度の高いマニピュレータを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の構成は以下の通りである。
試料を載置する真空室と、該真空室内で移動可能なプローブと、該プローブを移動させるプローブ駆動手段と、該プローブ駆動手段の負荷を軽減する負荷軽減手段と、を備え、かつ該負荷軽減手段の軽減力を前記プローブの位置の情報に基づいて変化させる制御手段を備えた試料観察装置。
真空室とは試料の観察、または加工のために試料に対して照射する電子ビーム,イオンビームが十分な強度で試料に照射され得る真空度を維持できる室を言う。
プローブとは、試料を何らかの手段で保持し得る構造体を言う。一般的には針状の構造体で、試料を針の先端にデポジション膜で固定するものであるが、これに特定されることなく、試料を保持できるものをプローブと呼ぶ。
プローブ駆動手段はプローブごと、試料を移動させる手段を意味する。本発明ではマニピュレータも同義の用語として用いる(一般的に、マニピュレータは、先端に試料等を把持する機能を備えたものと狭く解釈され得るが、本発明では単なる駆動手段と同義である)。
試料観察装置とは電子ビーム,イオンビームの照射により少なくとも試料の観察ができるものを意味する。試料の加工も可能な機能を備えたものを排斥するものではない。
特に好適な構成は以下の通りである。
マニピュレータの各軸の駆動負荷を軽減させるために、各軸を駆動するリニアアクチュエータの他に負荷軽減のための圧縮空気で駆動するアクチュエータと、プローブ位置量を検出する可変抵抗器と、圧縮空気圧を調節してアクチュエータに供給する電空レギュレータと、可変抵抗器の抵抗値を元に電空レギュレータを制御する制御部から構成される駆動負荷軽減機構を備える。
本発明により真空装置内でプローブを操作するマニピュレータにおいて、小型で広範囲に移動でき精度が高く、かつマニピュレータの駆動手段(アクチュエータ)の長寿命化が期待できる試料観察装置,集束イオンビーム装置が提供できる。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施例を示すマニピュレータの外観図である。説明のために図示のようにx軸,y軸及びz軸をとる。図2は本発明の実施例であるマニピュレータのyz断面図である。図2において、マニピュレータに設けてあるエアロック室1は変形可能かつ真空封止するための真空ベローズ2を介してベースフランジ3に結合している。ベースフランジ3は真空シール4を介在させて真空容器5に固定される。エアロック室1の端面には開閉可能なエアロックバルブ6があり、円筒状のエアロックバルブ開閉機構7を回転させることで開閉の操作が行われる。図2ではエアロックバルブ6が開放されプローブホルダ8はその中心軸が試料9表面に対して斜めになるように真空容器5内に導入されている状態を示している。プローブホルダ8の先端にはプローブ10が装着されており着脱可能な構造になっている。エアロックバルブ6,エアロックバルブ開閉機構7を収納するエアロック室外筒11は同心円上の中空2重構造としてあり、中空部の一端はエアロック室1と通じ、他端は排気管12に通じている。
ここで、プローブ交換方法について説明する。プローブホルダ8をエアロックバルブ6の手前まで挿入する。この状態でエアロック室1はプローブホルダ8の外筒に配した真空シール13で気密が保たれる。挿入後排気管12からエアロック室外筒11の中空部を通してエアロック室1を真空排気する。エアロック室1が所定の圧力に到達したことを確認後、エアロックバルブ開閉機構7を用いてエアロックバルブ6を開放しプローブホルダ8を真空容器5に導入する。以上の操作で真空容器5を大気にさらすことなくプローブ10を真空容器5内に導入することができる。
プローブホルダ8の真空容器5からの引き抜きは、挿入と逆の手順を踏むことで可能である。すなわち、プローブホルダ8をエアロックバルブ6の手前まで一旦引き抜き、この後エアロックバルブ6をエアロックバルブ開閉機構7によって閉止する。閉止を確認後、排気管12からエアロック室1をリークする。大気圧確認後プローブホルダ8をエアロック室1から取り出す。以上の構成をとることによって、消耗品であるプローブ10の交換作業を、真空容器5を大気にさらすことなく行うことができる。
図3は実施例を示すプローブホルダ8のyz断面図である。図3を用いてプローブホルダ8の構成を説明する。同図(a)はプローブ10が突き出した状態で実使用時の状態であり、(b)はプローブ10がカバーに収納された状態を示している。プローブ10はソケット50を介して保持具51に固定されており、保持具51は回転自在な回転軸受け
52を介して直進移動する内筒53に保持される。内筒53にはピン54が固定されておりカバー55の溝により回転方向の自由度を規制しカバー55の溝に沿って直進移動する。また内筒53はカバー55に挿入されたコイルバネ56により回転自在な軸受け57を介して駆動軸58に押圧させている。これにより内筒53は駆動軸58の直進移動に追従する。保持具51の端はコイル59と接続しており、コイル59の他端は駆動軸58と結合している。回転自在な回転軸受け52の回転中心は、プローブホルダ8をマニピュレータに挿入する傾斜角度分だけプローブホルダ8の中心線に対して傾斜させている。駆動軸58は回転と直進自在な軸案内60および真空シール61を介在させてカバー55内に挿入する。駆動軸58の他端には直進移動のアクチュエータである微小送り機構62と結合されている。また、駆動軸58には歯車63aが固定されておりこれに噛み合う別の歯車63bを駆動軸58と平行に配し、歯車63bに回転移動用のつまみ64を固定する。図示してはいないがこれら歯車は回転自在な軸受けを介して保持されている。
52を介して直進移動する内筒53に保持される。内筒53にはピン54が固定されておりカバー55の溝により回転方向の自由度を規制しカバー55の溝に沿って直進移動する。また内筒53はカバー55に挿入されたコイルバネ56により回転自在な軸受け57を介して駆動軸58に押圧させている。これにより内筒53は駆動軸58の直進移動に追従する。保持具51の端はコイル59と接続しており、コイル59の他端は駆動軸58と結合している。回転自在な回転軸受け52の回転中心は、プローブホルダ8をマニピュレータに挿入する傾斜角度分だけプローブホルダ8の中心線に対して傾斜させている。駆動軸58は回転と直進自在な軸案内60および真空シール61を介在させてカバー55内に挿入する。駆動軸58の他端には直進移動のアクチュエータである微小送り機構62と結合されている。また、駆動軸58には歯車63aが固定されておりこれに噛み合う別の歯車63bを駆動軸58と平行に配し、歯車63bに回転移動用のつまみ64を固定する。図示してはいないがこれら歯車は回転自在な軸受けを介して保持されている。
次にプローブホルダ8の動作を説明する。微小送り機構を用いて駆動軸を直進移動させる。駆動軸の直進移動は内筒に伝達することで保持具に保持されたプローブを回転することなく直進移動する。本構成とすることでプローブホルダ8の真空容器への挿入または引き抜きなどの際、微細なプローブの損傷などの事故を未然に防ぐことができ、操作者は容易に使用できる。
プローブの回転移動はつまみを回し歯車を介して駆動軸を回転させることでなされる。内筒の回転自由度は規制されているので、駆動軸の回転運動で内筒が回転移動することはない。コイルバネによる弾性変形によって回転運動の方向が変換されるが回転動力は保持具に伝達され、内筒と回転軸受を介して保持している保持具が回転移動する。以上述べてきたように単一の駆動軸の直進および回転運動の簡易な操作によってプローブは直進移動および回転移動することができる。
図4,図5は実施例を示すマニピュレータの機構について説明する。
マニピュレータには3軸の駆動機構があり、z軸,x軸,y軸の順で組み立てられている。
z軸は重力方向に駆動する軸である。zテーブル20は両端に固定したz軸直進案内
21a,21bを介してベースフランジ3で保持されており、z軸直進案内21a,21bに沿って移動する。zテーブル20の一端にはベースフランジ3に固定したz軸リニアアクチュエータ22がzテコ23を介してzテーブル20を押して駆動する。zテーブル
20の他端にはベースフランジ3に固定したz軸ベローズ24があり、フック25を介してzテーブル20に繋がれている。このz軸ベローズ24に圧縮空気を導入して、zテーブル20を引き上げる力を発生させz軸リニアアクチュエータ22の負荷を軽減する。
21a,21bを介してベースフランジ3で保持されており、z軸直進案内21a,21bに沿って移動する。zテーブル20の一端にはベースフランジ3に固定したz軸リニアアクチュエータ22がzテコ23を介してzテーブル20を押して駆動する。zテーブル
20の他端にはベースフランジ3に固定したz軸ベローズ24があり、フック25を介してzテーブル20に繋がれている。このz軸ベローズ24に圧縮空気を導入して、zテーブル20を引き上げる力を発生させz軸リニアアクチュエータ22の負荷を軽減する。
x軸は水平方向に駆動する軸でありz軸と真空ベローズ2の中心軸とは垂直方向である。xテーブル26は両端に固定したx軸直進案内27a,27bを介してzテーブル20で保持されておりx軸直進案内27a,27bに沿って移動する。xテーブル26の一端にはzテーブル20に固定したx軸リニアアクチュエータ28がxテコ29を介してxテーブル26を押して駆動する。xテーブル26の他端にはzテーブル20に固定したxシリンダ30がxテーブル26を押してx軸リニアアクチュエータ28に予圧をかける。
y軸は水平方向に駆動する軸でありz軸,x軸とは垂直方向である。yテーブル31は両端に固定したy軸直進案内32a,32bを介してxテーブル26で保持されておりy軸直進案内32a,32bに沿って移動する。yテーブル31にはxテーブルに固定したy軸リニアアクチュエータ33がyテコ34を介してyテーブル31を押して駆動する。またyテーブル31にはyシリンダ35a,35bが固定してあり、xテーブル26を押してyテーブル31を大気側に引っ張ることによりy軸リニアアクチュエータ33にかかる負荷を軽減する。
また、yテーブル31にはエアロック室外筒11が固定されているので、上記x軸,y軸,z軸の機構により、エアロック室1およびプローブホルダ8ごと駆動する機構になっている。
次に図6を用いて本発明の実施例である駆動負荷軽減機構48の構成と動作について説明する。
z軸には真空ベローズ2の復元力の他に、プローブホルダ8,エアロック室1,y軸,x軸など、マニピュレータを構成する多くの機構部が重量として駆動の負荷になる。よってこれら負荷を軽減するよう、z軸ベローズ24に圧縮空気47を導入する。圧縮空気
47の調節はz電空レギュレータ41により行い、金具を介してベースフランジ3に取り付けられたz可変抵抗器44をzテーブル20に金具を介して結合し、真空ベローズ2のz方向の変形量であるzテーブル20の移動量をもとに制御部40でz電空レギュレータ41にリニアアクチュエータの許容推力以下の一定負荷がかかるように制御する。
47の調節はz電空レギュレータ41により行い、金具を介してベースフランジ3に取り付けられたz可変抵抗器44をzテーブル20に金具を介して結合し、真空ベローズ2のz方向の変形量であるzテーブル20の移動量をもとに制御部40でz電空レギュレータ41にリニアアクチュエータの許容推力以下の一定負荷がかかるように制御する。
x軸はプローブホルダ8,エアロック室1,y軸の重量が作用するが、これら重量はx軸直線案内27aによって受け止めているので、大きな駆動の負荷は真空ベローズ2の復元力だけと判断しても良い。よって真空ベローズ2の復元力を軽減するよう、x(エア)シリンダ30に圧縮空気47を導入する。圧縮空気47の調節はx電空レギュレータ42により行い、金具を介してzテーブル20に取り付けられたx可変抵抗器45をxテーブル26に金具を介して結合し、真空ベローズ2のx方向の変形量であるxテーブル26の移動量をもとに制御部40でx電空レギュレータ42にリニアアクチュエータの許容推力以下の一定負荷がかかるように制御する。
y軸はプローブホルダ8,エアロック室1の重量が作用するが、y軸直線案内32a,32bによって受け止めているので、大きな駆動の負荷は真空ベローズ2の復元力だけと判断しても良い。よって真空ベローズ2の復元力を軽減するよう、y(エア)シリンダ
35a,35bに圧縮空気47を導入する。圧縮空気47の調節はy電空レギュレータ
43により行い、金具を介してxテーブル26に取り付けられたy可変抵抗器46をyテーブル31に金具を介して結合し、真空ベローズ2y方向の変形量であるyテーブルの移動量をもとに制御部40でy電空レギュレータ43にリニアアクチュエータの許容推力以下の一定負荷がかかるように制御する。
35a,35bに圧縮空気47を導入する。圧縮空気47の調節はy電空レギュレータ
43により行い、金具を介してxテーブル26に取り付けられたy可変抵抗器46をyテーブル31に金具を介して結合し、真空ベローズ2y方向の変形量であるyテーブルの移動量をもとに制御部40でy電空レギュレータ43にリニアアクチュエータの許容推力以下の一定負荷がかかるように制御する。
この駆動負荷軽減機構48により、小型で広範囲に移動でき、精度の高いマニピュレータを提供することができる。またリニアアクチュエータにかかる負荷を許容推力以下で一定に保つことができるので長寿命化にも大きく貢献できる。
また、電空レギュレータの回路を高速応答仕様にすることにより、リニアアクチュエータの動作に対する追従性が上がるので素早い動作や精度の高い動作にも対応でき操作性を向上することが可能であり、負荷の変動が小さく抑えられるので、さらにリニアアクチュエータの長寿命化が期待できる。
駆動負荷軽減機構をクリーンルームなどのクリーン度の高い部屋で用いる場合は、電空レギュレータに圧縮空気を導入する直前に、圧縮空気を清浄化するエアフィルタやミストセパレータなどを必要に応じて設置する。電空レギュレータの排気ポートはクリーンルーム内に設置されている負圧配管等に接続し発塵を抑えることが望ましい。
また、駆動負荷軽減機構48は真空ベローズ2の変形量が可変抵抗器の抵抗値で決まるので、電源off後の再投入やリセット操作により位置情報が失われる心配がなく、イニシャライズや初期設定が不要である。
本実施例ではアクチュエータの駆動伝達でテコを用いているが、マニピュレータの小型化のためには有効な手段である。また、このテコ比を変えることにより、リニアアクチュエータの可動範囲より広範囲にマニピュレータを移動させることが可能である。この場合はテコでリニアアクチュエータにかかる駆動負荷が大きくなるので駆動負荷軽減機構により、圧縮空気圧の設定を高くすればリニアアクチュエータにかかる負荷は軽減でき広範囲に移動が可能になる。
また、本実施例では各軸ともに駆動負荷軽減機構を組み込んでいるが、これは各軸ともに広範囲の移動が必要であるからである。少なくとも1軸は駆動負荷軽減機構が必要で、他軸で移動範囲が少なく設定できる場合については真空ベローズの変形量が小さくて済むので復元力の変化が小さくなる。よって、リニアアクチュエータにかかる負荷の変動が少なくなるので圧縮空気圧を可変でなく一定にすることが可能である。このことにより、移動範囲が少なく設定できる軸については、可変抵抗器やその軸の圧縮空気圧を制御する制御部を省くことが可能で、電空レギュレータも通常のレギュレータに変更して一定圧に調整できれば良いので原価低減に繋がる。この時リニアアクチュエータにかかる負荷は変動することから、この変動値が許容推力を上回らないことと機構がリニアアクチュエータから浮いて離れないようある程度の負荷がかかるように注意すれば良い。
また、上記手法よりもっと移動量が少ない場合にはバネなども流用も可能である。負荷軽減としてバネを使用する場合は、そのバネ自体も変形により負荷軽減量が変動するので上記手法と同様にこの変動値が許容推力を上回らないことと機構がリニアアクチュエータから浮いて離れないようある程度の負荷がかかるように注意すれば良い。また負荷軽減手段としては油圧を用いたもの、ピエゾ素子を用いたものでも良い。
1…エアロック室、2…真空ベローズ、3…ベースフランジ、4,13,61…真空シール、5…真空容器、6…エアロックバルブ、7…エアロックバルブ開閉機構、8…プローブホルダ、9…試料、10…プローブ、11…エアロック室外筒、12…排気管、20…zテーブル、21…z軸直進案内、22…z軸リニアアクチュエータ、23…zテコ、24…z軸ベローズ、25…フック、26…xテーブル、27…x軸直線案内、28…x軸リニアアクチュエータ、29…xテコ、30…xシリンダ、31…yテーブル、32…y軸直進案内、33…y軸リニアアクチュエータ、34…yテコ、35a,35b…yシリンダ、40…制御部、41…z電空レギュレータ、42…x電空レギュレータ、43…y電空レギュレータ、44…z可変抵抗器、45…x可変抵抗器、46…y可変抵抗器、47…圧縮空気、48…駆動負荷軽減機構、50…ソケット、51…保持具、52…回転軸受け、53…内筒、54…ピン、55…カバー、56…コイルバネ、57…軸受け、
58…駆動軸、59…コイル、60…軸案内、62…微小送り機構、63…歯車、64…つまみ、100…微小試料、101…観察分析断面、102…FIB、103…電子ビーム。
58…駆動軸、59…コイル、60…軸案内、62…微小送り機構、63…歯車、64…つまみ、100…微小試料、101…観察分析断面、102…FIB、103…電子ビーム。
Claims (6)
- 試料を載置する真空室と、
該真空室内で移動可能なプローブと、
該プローブを移動させるプローブ駆動手段と、
該プローブ駆動手段の負荷を軽減する負荷軽減手段と、を備え、
かつ該負荷軽減手段の軽減力を前記プローブの位置の情報に基づいて変化させる制御手段を備えたことを特徴とする試料観察装置。 - 請求項1記載の試料観察装置において、
前記プローブ駆動手段は、3次元に前記プローブを移動可能であり、
かつ前記負荷軽減手段は前記3次元のプローブ移動方向の少なくとも1軸方向に関して負荷軽減力を発生させることを特徴とする試料観察装置。 - 請求項1または2記載の試料観察装置において、
前記プローブの位置の情報は、電源off後の再投入またはリセット操作によっても失われず、保持する機能を備えたことを特徴とする試料観察装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の試料観察装置において、
前記負荷軽減手段は、圧縮空気力,油圧のいずれかを駆動源とすることを特徴とする試料観察装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載の試料観察装置において、
前記プローブの位置の情報は可変抵抗器の抵抗値変化に基づく情報であることを特徴とする試料観察装置。 - 集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射手段と、
該集束イオンビーム照射手段からの集束イオンビームを照射する試料を載置し、
該イオンビーム照射時には真空になる試料室と、
該試料室内で試料を移動させるマニピュレータと、
該マニピュレータを移動させるマニピュレータ駆動手段と、
該マニピュレータ駆動手段の負荷を軽減する負荷軽減手段と、を備え、
かつ該負荷軽減手段の軽減力を前記マニピュレータの位置の情報に基づいて変化させる制御手段を備えたことを特徴とする集束イオンビーム装置。
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2004
- 2004-12-08 JP JP2004354797A patent/JP2006164760A/ja active Pending
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