JP2006164082A - ファイル排他制御処理装置およびファイル排他制御システム - Google Patents

ファイル排他制御処理装置およびファイル排他制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】複数のコンピュータに同時に処理を行わせる並列コンピュータを構成する各コンピュータおよびファイル排他制御処理装置の一部に処理が集中し、それが原因で並列コンピュータ全体の処理能力が低下することを防ぐ、ファイル排他制御処理装置およびファイル排他制御システムを提供する。
【解決手段】並列コンピュータシステム100で、第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nに対して共有ファイルの使用を占有させる使用占有権の管理を行うファイル排他制御処理装置104は、CPU110のビジー率がCPUビジー率計測部113により計測され、それが転送可能に構成されている。
【効果】これによりファイル排他制御処理装置104の負荷分析を統計的に行うことが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のコンピュータの少なくとも2以上が共通して使用する共有ファイルの使用を占有させる使用占有権の管理をするファイル排他制御処理装置およびこのようなファイル排他制御処理装置を使用したファイル排他制御システムに係わり、特にこれらの複数のコンピュータ全体としての処理速度の向上を目的とした処理を行うことができるファイル排他制御処理装置およびファイル排他制御システムに関する。
コンピュータの処理速度は、CPU(Central Processing Unit)の性能と密接に関係し、近年のCPUの高性能化に伴い向上し続けている。一方、複数のコンピュータを同時に用い、つまりCPU自体の数を増やし、これらに同時に処理を行わせることで、処理速度の向上を実現する手法もある。このようなコンピュータは並列コンピュータと呼ばれる。スーパーコンピュータの世界でも主流となりつつあるのは、MPP(Massively Parallel Processor)方式とよばれる並列コンピュータである。さらに、ネットワークを介して複数のコンピュータを結び、これらに並列処理を行わせることで仮想的に高い処理速度を持つコンピュータをつくるグリッドコンピューティングという、いわば分散型ともいえるシステムもある。このようなシステムは、CPUだけでなく、大量のデータを格納するためのメモリも、非常に大量なものを装備することができ、科学技術分野等で頻繁に使われる行列計算などの大量の繰り返し演算を行わせるのに適している。具体的な利用分野としては、気象災害の発生予測や地球温暖化の解明、地球規模の気候変動の解明や予測などの気象予測、遺伝子解析、ヒトゲノムなどのバイオテクノロジー分野、または物質シュミレーションによる物質の構造や特性解析を行うナノテクノロジー分野等が挙げられるが、これ以外にもデータマインディングや経済予測・金融工学といった分野での活用も期待されている。
このような非常に高度な処理能力が求められるスーパーコンピュータでなくても、並列コンピュータを用いることにより、高性能な1台のコンピュータに比べて安価で、処理能力的には同等な環境が実現できる場合が多い。したがって、企業内におけるデータベースの管理システムや、支店からの売り上げデータを集計する小売業の売上データ収集システムなど、一般にマシンパワーが必要とされる多々の場面において、並列コンピュータが広く利用されている。ところで、複数のコンピュータに共通ファイルの処理を同時に行わせる際、重要になるのがファイルの排他制御である。これは、少なくとも2つ以上のコンピュータが共通して使用する共有ファイルに対して、各共有ファイルの使用を時間的に1つのコンピュータに占有させることで、その整合性を保つ方法である。
図9は、排他制御が行われていないシステムで共有ファイルがコンピュータにより更新される様子を示す。第Xのコンピュータ701と第Yのコンピュータ702は、図示しない共有記憶装置中にある同一の“A”という内容のファイル7031をほぼ同じタイミングで読み取り(ステップS711X、S711Y)、それぞれ処理を行う。これらの処理後のファイル7032およびファイル7033が書き込まれる(ステップS712X、S712Y)と、先に書き込まれた第Xのコンピュータ701による処理後ファイル7032の内容“B”は、後に書き戻された第Yのコンピュータ702による処理後のファイル7033の内容“C”により上書きされてしまうため、結果ファイル7032の内容“B”はファイル7033の内容“C”には反映されず、整合性が保たれないという事態が発生する。
図10は、排他制御が行われているシステムで共有ファイルがコンピュータにより更新される様子を示す。この図で図9と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。排他制御の行われているシステムでは、あるコンピュータが共有ファイルを使用している間、他のコンピュータは同一ファイルを使用することはできない。これをファイルのロックといい、これにより、このコンピュータがロックされた共有ファイルの使用を占有することができる。処理の終了後、共有ファイルがアンロックされると、占有が解除されるので、他のコンピュータにも共有ファイルの処理を行う機会が与えられる。まず、第Xのコンピュータ701は“A”という内容のファイル7031をロックしてから(ステップS713x)、読み取り(ステップS711x)、自らの処理を完了後、処理後の“B”という内容のファイル7032を書き込み(ステップS712x)、最後にアンロックする(ステップS714x)。次に、第Yのコンピュータ702は“B”という内容のファイル7032をロックしてから(ステップS713Y)、読み取り(ステップS711Y)、自らの処理を終了後、処理後の“D”という内容のファイル7034を書き込み(ステップS712Y)、最後にアンロックする(ステップS714Y)。これにより、結果ファイル7034の内容は“D”となり、これは第Xのコンピュータ701および第Yのコンピュータ702の両方の処理を反映したもので、整合性が保たれる。このようにして、共有ファイルの占有使用権の付与および解除が行われ、共有ファイルへの処理を制限することで、複数の処理に対して整合性が保たれる。
このような排他制御を行うファイル排他制御処理装置を、複数のコンピュータに共有されるファイルの更新制御に用いるようにした提案が行われている(たとえば特許文献1)。この提案によると、ホストコンピュータが前回使用した共有ファイルをローカルバッファに持ち、それが他のホストコンピュータによって更新されていない場合、再度外部記憶装置上から共有ファイルを読み込む処理を省略することができる。これは世代番号を呼ばれる、共有ファイルの更新の状況を示す情報を排他制御処理装置が管理し、ロックコマンドを発行したホストコンピュータに、該当共有ファイルの世代番号を通知することで実現されている。コンピュータシステム全体でみると、各ホストコンピュータからの外部記憶装置へのアクセスの時間が短縮され、共有ファイルがロックされる時間も短縮される。つまり、ロック、アンロックコマンドのTAT(Turnaround time)の平均値が短縮され、システムの処理能力が向上する。ここで、TATとは、ホストコンピュータがロック、アンロックコマンドを発行してから、実際にロック、アンロックコマンドが終了するまでの時間を指す。
特開平10−91510号公報(段落0009、図1)
このような従来のファイル排他制御処理装置を用いた並列コンピュータでは、これを構成する複数のコンピュータあるいはファイル排他制御処理装置のいずれかに処理が集中すると、その部分の処理遅延がネックとなり、並列コンピュータ全体としての処理能力が低下させられることがあった。そのため、同時に処理させるコンピュータの数を増やしたり、あるいは既存のコンピュータのCPUをより高性能なものに交換するということが行われていた。また同様に、用いたファイル排他制御処理装置側の排他制御処理能力が不足していることも考えられるので、こちらを増設することも行われていた。しかし、これらはコストの面では困難な場合が多い。
そこで本発明の目的は、複数のコンピュータに同時に処理を行わせる並列コンピュータを構成する各コンピュータおよびファイル排他制御処理装置の一部に処理が集中し、それが原因で並列コンピュータ全体の処理能力が低下することを防ぐ、ファイル排他制御処理装置およびファイル排他制御システムを提供することにある。
請求項1記載の発明では、(イ)複数のコンピュータの少なくとも2以上が共通して使用するそれぞれの共有ファイルの使用を、時間的に1つのコンピュータに占有させるためのロック要求を前記した複数のコンピュータからそれぞれ受信するロック要求受信手段と、(ロ)前記した共有ファイルの占有の解除を要求するためのアンロック要求を前記した複数のコンピュータからそれぞれ受信するアンロック要求受信手段と、(ハ)前記したロック要求受信手段が前記したロック要求を受信したとき該当の前記した共有ファイルが使用中でなければこれをその要求したコンピュータの使用のためにロックさせる共有ファイルロック手段と、(ニ)この共有ファイルロック手段が該当の前記した共有ファイルをロックさせたときそのロック要求を行ったコンピュータにこれを通知するロック通知手段と、(ホ)前記したアンロック要求受信手段が前記したアンロック要求を受信したときそのアンロック要求を行ったコンピュータの占有していた前記した共有ファイルの占有を解除させるアンロック手段と、(へ)このアンロック手段が前記した共有ファイルの占有を解除させたときそのアンロック要求を行ったコンピュータにこれを通知するアンロック通知手段と、(ト)前記した各手段を実現するCPUのビジー率を測定するCPUビジー率測定手段と、(チ)このCPUビジー率測定手段の測定したCPUビジー率を前記した複数のコンピュータに通知するビジー率通知手段とをファイル排他制御処理装置に具備させる。
すなわち請求項1記載の発明では、複数のコンピュータ間の共有ファイルの使用を、時間的に1つのコンピュータに占有させるためのロック要求、およびその占有を解除させるアンロック要求をそれぞれ受信し、さらにこれらの要求に応じて処理を行い、処理が終了したときにはそれぞれ終了を通知するファイル排他制御処理装置に、自装置のCPUのビジー率を測定させ、その測定結果を通知可能としている。これにより、ファイル排他制御処理装置の負荷情報として、CPUビジー率情報を収集することが可能である。したがって、ファイル排他制御処理装置の負荷状態を把握することができるので、高負荷であることがわかれば、さらに共有ファイルの排他制御処理を分担する装置を導入するなどの対策を、予めとることができる。
請求項6記載の発明では、(イ)前記した共有ファイルをそれぞれ排他的に分担する複数の請求項1〜請求項5いずれかに記載のファイル排他制御処理装置と、(ロ)これらファイル排他制御処理装置の前記したCPUビジー率を基にして、これらのファイル排他制御処理装置間の負荷の偏りを表示する共有ファイル分担偏り表示手段と、(ハ)この共有ファイル分担偏り表示手段の表示した偏りを基にして各ファイル排他制御処理装置の負荷が均等化される共有ファイルの分担を再設定する共有ファイル分担再設定手段とをファイル排他制御システムに具備させる。
すなわち請求項6記載の発明では、複数のファイル排他制御処理装置を用い、それぞれに共有ファイルの排他制御処理を行わせている状況で、各ファイル排他制御処理装置から収集されたCPUビジー率を基にして、これら複数のファイル排他制御処理装置間の負荷の偏りを表示させることにした。さらに、表示された負荷の偏りを基にして、これらを均等化させるようファイル排他制御処理装置の共有ファイルの分担を再設定させるので、あるファイル排他制御処理装置に負荷が集中して、システム全体の処理能力が低下するという事態を避けることが可能である。したがって、システム全体として、ファイル排他制御の処理能力が無駄なく発揮される。
請求項7記載の発明では、(イ)前記した共有ファイルをそれぞれ排他的に分担する複数の請求項3〜請求項5いずれかに記載のファイル排他制御処理装置と、(ロ)これらファイル排他制御処理装置が前記した複数のコンピュータのそれぞれに前記した負荷情報通知手段を用いて個別に通知した前記した負荷情報を用いて前記した複数のコンピュータ間のジョブ処理の負荷の偏りを演算する負荷偏り演算手段と、(ハ)この負荷偏り演算手段の演算した負荷の偏りが解消されるよう前記した複数のコンピュータのジョブの分担を再設定するコンピュータ分担再設定手段とをファイル排他制御システムに具備させる。
請求項7記載の発明では、ファイル排他制御処理装置に複数のコンピュータの共有ファイルの排他制御処理を行わせている状況で、各コンピュータごとのロック、アンロック要求実行回数およびこのターンアラウンドタイムの平均値からなる負荷情報をファイル排他制御処理装置から収集可能としている。また、これらの負荷情報から複数のコンピュータ間の負荷の偏りを求め、偏りを解消するように、各コンピュータのジョブの分担を再設定させるので、あるコンピュータにジョブが集中してシステム全体の処理能力が低下するという事態を避け、バランスのよいシステム運用が可能となる。
以上説明したように本発明では、並列コンピュータを構成する複数のコンピュータおよびファイル排他制御装置の負荷情報を、ファイル排他制御処理装置が表示可能としているので、これらの負荷分析から負荷の偏りを均等化し、並列コンピュータの一部に負荷が集中して全体の処理能力が低下するのを防ぐことができる。
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例によるファイル排他制御処理装置を使用した並列コンピュータシステムの構成の概要を表わしたものである。この並列コンピュータシステム100では、第1〜第Nのコンピュータ1011〜101N(Nは2以上の整数)は、入出力制御部103を介してファイル排他制御処理装置104にそれぞれ第1〜第Nの専用インタフェース1051〜105Nで接続し、共有ファイルを保持する外部記憶装置107とはそれぞれ第1〜第NのSCSI(Small Computer System Interface)ケーブル1061〜106Nで接続されている。入出力制御部103はファイル排他制御処理装置104内部のCPU110とメモリ111とからなる排他制御処理部112、およびCPUビジー率計測部113とそれぞれデータの送受信を行う。またCPUビジー率計測部113はCPU110のビジー信号を基にビジー率計測を行っている。この計測方法の詳細については図2で詳しく説明する。
ファイル排他制御処理装置104内の各部は、バス114で接続され連携して処理を行っている。第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nは図示しないがLAN(Local Area Network)に接続して相互に通信を行いながら、それぞれ別のCPUを独立して動作させ、共有ファイルの処理を行う汎用コンピュータである。各コンピュータがLANに接続するために使用される通信ケーブルは、“100base−TX”あるいは“10base−T”と呼ばれる100メガビット/秒あるいは10メガビット/秒の通信速度のケーブルである。第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nと外部記憶装置107との接続はSCSI以外にファイバーチャネル等の接続方式でも実現できる。
第1のコンピュータ1011は共有ファイルを使用する際、ファイル排他制御処理装置104にロックコマンドを発行し、ファイルの使用を時間的に占有する使用占有権を要求する。このロックコマンドはファイル排他制御処理装置104の入出力制御部103により受信され、排他制御処理部112が共有ファイルの使用の排他制御を行う。つまり、その共有ファイルが他のコンピュータによりロックされていない場合は、ロック成功とし、共有ファイルの使用占有権を第1のコンピュータ1011に与える。共有ファイル使用終了時には、第1のコンピュータ1011は、ファイル排他制御処理装置104にアンロックコマンドを発行してロック解除を要求する。第1のコンピュータ1011を例にして説明したが、第2〜第Nのコンピュータ1012〜101Nがそれぞれ共有ファイルを使用する際も同様である。すなわち、この並列コンピュータシステムでは、各コンピュータが共有ファイルを使用する際には、その都度、ファイル排他制御処理装置104による仲介が必要で、各自が勝手に共有ファイルを使用することができない。このようなファイル排他制御処理装置104の働きにより、共有ファイルの整合性が保たれる。
図2は、図1に示したファイル排他制御処理装置の詳細な構成を表わしたものである。この図で図1と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。まず、入出力処理部103について説明する。入出力処理部103は、ドライバ・レシーバ部121、コマンド受信部122、事象報告部123、コマンド数・TAT計算部124、および負荷情報転送部125からなっている。実際に上位インタフェースと接続し、第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nとデータの送受信を行うのはドライバ・レシーバ部121で、図示しないが、決められた転送形式に則ってデータの送受信を行うための専用インタフェースに対応した複数の接続口と、入力した電気信号をデータに、また、出力するデータを電気信号に加工処理する入出力回路からなっている。コマンド受信部122はドライバ・レシーバ部121からコマンド131を受け取り、それを排他制御処理部112へ転送する。事象報告部123は排他制御処理部112から送られるコマンドの終了の事象報告132をドライバ・レシーバ部121に転送する。これらコマンド受信部122および事象報告部123は回路としてハードウエアで構成することもできるし、ソフトウェアで実現することも可能である。コマンド数・TAT計算部124はコマンド数133およびTAT計算結果134を計算して記憶する。これは、図示しないRAM(Random Access Memory)等の記憶装置を有する回路で構成することが可能である。コマンド数133とは、単位時間当たりのコマンド実行数で、第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nごとにカウントされたものである。また、TAT計算結果134とは、コマンド受信部122でコンピュータからのコマンド131を受け取ってから、それぞれの終了の事象報告132を該当コンピュータに返すまでの時間TAT(Turnaround time)の単位時間当たりの平均値である。
入出力処理部103では第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかからコマンド131を受け取ると、ドライバ・レシーバ部121がそれをコマンド受信部122に転送し、さらにそれが排他制御処理部112へと送られる。コマンド131の終了時には、排他制御処理部112が事象報告部123にコマンドの終了事象報告132を送出し、それがドライバ・レシーバ部121に転送され、そこから先程コマンド131を発行した第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかへと送られる。
つぎにCPUビジー率計測部113であるが、これはCPUビジー率計算部141、CPUビジー率記憶部142、およびCPUビジー率チェック部143からなっている。CPUビジー率計算部141は、排他制御処理部112のCPU110の持つビジー信号144からCPUビジー率を計算している。ビジー信号144とはCPU110が動作中かどうかで電圧レベルを“High(ハイ)”か“Low(ロー)”に変える電気的信号である。CPUビジー率記憶部142は、CPUビジー率145を記憶する記憶装置である。CPUビジー率チェック部143は、CPUビジー率145を常時監視する。これらは回路で構成することができるが、ソフトウェアでも実現可能である。
CPUビジー率計算部141はビジー信号144を監視することでCPU110の状況をリアルタイムに知ることができ、単位時間当たりのビジー率の平均値を計算し、CPUビジー率記憶部142が、その計算結果であるCPUビジー率145を記憶するようになっている。CPUビジー率145はCPUビジー率チェック部143により常時監視され、予め設定された値を超えたときは、入出力処理部103の事象報告部123に高負荷報告146が送出され、さらにドライバ・レシーバ部121を通じて第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nへと転送される。CPUビジー率記憶部142に記憶されたCPUビジー率145は、コマンド数133およびTAT計算結果134同様、第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかから発行されたコマンド131が負荷情報読み取りコマンドであった場合、入出力処理部103の負荷情報転送部125により、コマンド数133、TAT計算結果134とともにドライバ・レシーバ部121を介して、コマンドを発行した第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかに転送されるようになっている。この場合のCPUビジー率145とは、排他制御により、ファイル排他制御処理装置104のCPU110が実際に動作中となる時間が全体の何パーセントになるかを表わしたものであるので、ファイル排他制御処理装置104にかかる負荷率と考えることができる。
排他制御処理部112は、共有ファイルの排他制御に使用されるCPU110とメモリ111からなり、メモリ111はコマンドリスト151と排他制御ファイル情報152を保持している。第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nがファイル排他制御処理装置104に受け渡すコマンド131は、予め決められた形式でコマンドの種類や対象ファイル番号などの情報を持っており、これらのコマンド情報が登録されたものがコマンドリスト151である。また、排他制御ファイル情報152とは、その時点で排他制御が行われている共有ファイルの情報だけを格納したものである。格納される情報は、少なくとも共有ファイル番号とコマンド発行コンピュータ番号、および“ロック中”か“アンロック待ち”を表わす状態情報を含んでいる。一般に、汎用コンピュータのように大量のファイルを扱うシステムでは、存在する全共有ファイル分の情報を格納すると、膨大なメモリが必要になる。したがって、一度に使用する可能性のある最大容量分をメモリ111中に確保し、そこに排他制御中、つまりロック中およびアンロック待ちの共有ファイルの状態情報だけを格納するようにしている。また、アンロックされた時点でその共有ファイルの状態情報は削除されるようになっている。
排他制御処理部112の動作は、受信した全てのコマンド131の情報をメモリ111内のコマンドリスト151に登録する、コマンド登録処理と、リストに登録された情報に基づいてコマンド131の実行を行う、コマンド実行処理の2つに分けられる。
図3は、メモリに格納されたコマンドリストの一部を表わしたものである。受信したコマンド131はリスト番号「0」から順に「1」、「2」、「3」、・・・、「P」(Pは整数)と登録されていき、これらがリストをすべて埋め尽くすと、再びリスト番号「0」に戻り、新しいコマンドで実行済みの古いコマンドを上書きしながらリストを更新していく。コマンドリスト151の大きさ、つまりPの数は、メモリ111の容量に応じて決められた数で、容量に余裕がある場合は、多数のコマンドを受信し登録することができる。コマンド登録処理とコマンド実行処理は、それぞれ自らがリスト中のどのコマンドを処理中かを示すポインタ、登録ポインタ161および実行ポインタ162を持ち、処理が済むとポインタを1つずつ進めるようになっている。コマンド登録処理に対して、コマンド実行処理が早い場合は、両者のポインタはほぼ一致したまま進んでいく。逆に、コマンド登録処理に対して、コマンド実行処理が遅い場合は、登録ポインタ161が先行して、実行ポインタ162との差を広げるが、リストを一周して追いつくと、リストが未処理コマンドで埋め尽くされたことになる。そのため、コマンド実行処理が進まなければ、コマンド登録処理は新たなコマンドをリストに上書き登録することができず、待ち時間が発生する。ポインタがリストを周回した回数は、それぞれ、周回するごとに1つずつ増えるループカウンタで表わされる。リストに登録されるコマンド情報には、コマンドの種別をはじめ、コマンドの対象共有ファイル番号、コマンド発行コンピュータ番号などが含まれ、さらに、ロックコマンド実行時に、対象共有ファイルがすでに他のコンピュータによりロックされている場合、それがアンロックされるのを待つか、もしくは待たずにロック不成功として処理するかを決める、アンロック待ち選択の有無の情報等も含まれる。
図4は、本実施例のファイル排他制御処理装置の排他制御処理部におけるコマンド登録処理の流れを表わしたものである。まず、排他制御処理部112はコマンド131の受信を待機する(ステップS401)。受信すると(Y)、登録ポインタ161と実行ポインタ162のループカウンタの差が値「1」であるかどうかを判別する(ステップ402)。差が「1」である場合は(Y)、さらに両ポインタが等しいかどうかを判別する(ステップS403)。等しい場合は(Y)、コマンドリスト151がすべて未処理コマンドで埋め尽くされ、新たな受信コマンド情報を登録できない状態にあるため、未処理コマンドが処理されて、実行ポインタ162の値が進むまで待機することになる。一方、ループカウンタの差が「1」でない場合(ステップS402:N)、あるいは、ループカウンタの差が「1」だがポインタが等しくない場合は(ステップS402:Y、ステップS403:N)、受信コマンド情報をコマンドリスト151に登録し、登録ポインタ161を1つ進める(ステップS404)。つぎに、未処理コマンドがコマンドリスト151にあることを表わすフラグが、すでに立っているかどうかを判別する(ステップS405)。立ってない場合は(N)、フラグを立て(ステップS406)、立っている場合(ステップS405:Y)は何もせずに処理を終了する。
図5は、本実施例のファイル排他制御処理装置の排他制御処理部におけるコマンド実行処理の流れを表わしたものである。まず、排他制御処理部112はコマンド登録処理(図4参照)により、フラグが立てられたかどうかを判別し(ステップS501)、立てられていない場合は(N)、未処理コマンドがコマンドリスト151に登録されてないことを示すので、コマンドが登録されるまで待機する。フラグが立てられている場合は(Y)、コマンドリスト151から実行ポインタ162の指すコマンド情報を読み出す(ステップS502)。つぎに、読み出したコマンドを判別する(ステップS503、S504)。ロックコマンドの場合(ステップS503:N、ステップS504:Y)、その共有ファイル番号がメモリ111中の排他制御ファイル情報152中に存在するかどうか、つまりすでに“ロック中”という状態情報があるかどうかを判別する(ステップS505)。存在しない場合は(N)、状態情報を“ロック中”として排他制御ファイル情報152を更新し(ステップS512)、ロックコマンドが成功したという事象報告132をコマンドを発行した第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかに対して行わせる(ステップS513)。これに対して、“ロック中”という状態情報が存在する場合は(ステップS505:Y)、他のコンピュータによりその共有ファイルがロックされていることを表わすので、アンロック待ち選択がされていると(ステップS506:Y)、状態情報を“アンロック待ち”として排他制御ファイル情報152を更新し、すでに他のコンピュータにより“ロック中”として登録されている、同じファイルの情報には、新たに登録した情報のメモリ111における位置情報を付加しておく(ステップS507)。次いでアンロック待ち発生の事象報告132をコマンドを発行した第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかに対して行わせる(ステップS508)。こうすることで、“ロック中”のこの共有ファイルが、アンロックコマンドによりロック解除されたとき、次に処理すべきコマンドの共有ファイル情報の格納場所が分かるようになっている。状態情報が“ロック中”のファイル情報だけでなく、すでに“アンロック待ち”のものも排他制御ファイル情報152に格納済みの場合、さらに別の“アンロック待ち”の情報を格納するには、後から格納した分のメモリ111中の位置情報を、先に格納した“アンロック待ち”のファイルの情報に付加する。このようにして、排他制御の順番が守られる。一方、アンロック待ちが選択されていない場合(ステップS506:N)、ロックコマンドが不成功に終わったという事象報告132をコマンドを発行した第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかに対して行わせる(ステップS509)。
コマンドがアンロックコマンドの場合(ステップS503:N、ステップS504:N)は、メモリ111に格納された自らの状態情報を参照し、同じ共有ファイルに対して“アンロック待ち”となっている、次に処理すべきコマンドがなければ(ステップS510:N)、自らのファイル情報を排他制御ファイル情報152から削除する(ステップS511)。“アンロック待ち”がある場合(ステップS510:Y)は、ロックコマンドで排他制御ファイル情報152に同じ共有ファイルの情報がないとき(ステップS504:Y、ステップS505:N)と同様の処理となり、状態情報を“ロック中”として排他制御ファイル情報152に格納し(ステップS512)、コマンドが成功の事象報告132を行わせる(ステップS513)。
コマンドが負荷情報読み取りコマンドの場合(ステップS503:Y)、負荷情報転送部125に負荷情報をコマンドを発行した第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかに送るよう指示し(ステップS514)、同様にコマンド成功の事象報告132を行わせる(ステップS513)。
このように、基本的にはどのコマンドに対しても、実行後、コマンドを発行した第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかに対してコマンド成功、コマンド不成功および待ち発生の事象報告132を行わせ(ステップS513、ステップS509またはステップS508)、実行ポインタ162を1つ進める(ステップS515)。
ステップS515で実行ポインタ162を進めた後、それが登録ポインタ161と一致していれば(ステップS516:Y)、コマンドリスト151に未処理コマンドが存在しないことを表わすため、フラグを落とし(ステップS517)、処理を終了する(リターン)。実行ポインタ162が登録ポインタ161と一致しない場合は(ステップS516:N)、そのままフラグの状態を変更しないので、次の処理が続行される。TATとは、コマンド受信部122でコンピュータからのコマンド131を受け取ってから、それぞれの終了の事象報告132を該当コンピュータに返すまでの時間であるから、アンロック待ちが長くなるとロックコマンドのTATも長くなってしまう。したがって、アンロック待ちのときのTATは、待ち発生の事象報告132を返す(ステップS508)までの時間とする。コマンドリスト151に未処理コマンドが山積された状態では、コマンドを受信してから、コマンド実行、終了までに時間がかかるので、全てのコマンドに対してTATが長くなる。
図6は、ファイル排他制御処理装置のCPUビジー率とTATの関係を表わしたものである。図に示されるように、ファイル排他制御処理装置104のコマンド131に対するTAT計算結果134は、CPUビジー率145が上がると急激に増加する。ファイル排他制御処理装置104が高負荷な状態では、共有ファイルの排他制御がネックになり、並列コンピュータシステム100全体の処理能力低下が引き起こされることになる。したがって、適切な台数のファイル排他制御処理装置を導入し処理を分散させることが重要になる。
このようなCPUビジー率145とTAT測定結果134の特性図は、同じ種類のファイル排他制御処理装置104間ではほぼ共通なもので、装置の製造者側が実際の測定結果から作成し、装置とともに付属資料としてユーザに提供されるのが望ましい。通常、CPUビジー率チェック部143によりファイル排他制御処理装置104が高負荷報告146を行うCPUビジー率145の閾値は、製造者側でこの特性図に基づいて70%程度に設定されている。この装置を導入したユーザはまず、自らが使用する並列コンピュータシステム100にファイル排他制御処理装置104を適用し、装置の負荷情報を収集する。この負荷情報と、付属資料の特性図により、ファイル排他制御処理装置104に高負荷な状態が長くあることが分かれば、並列コンピュータシステム100の処理能力に支障をきたす前に、予め装置台数を増やすなどの対策を講じることが可能である。
このファイル排他制御処理装置104によって計測される負荷情報は、第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nごとのコマンド数133、TAT計算結果134、およびCPUビジー率145からなっている。また、これらの情報は、ファイル排他制御処理装置104が、第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nからのロック、アンロックコマンドによる通常の排他制御処理を行っている間、それぞれ常にコマンド数・TAT計算部124およびCPUビジー率計算部141により計測され続けている。これまでに説明したように、各コンピュータから受信したコマンド131が負荷情報読み取りコマンドの場合、排他制御処理部112は負荷情報転送部125に対して、負荷情報読み取り指示135を出し、コマンドを発行した第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nのいずれかに負荷情報を転送する。したがって、第1〜第Nのコンピュータ1011〜101Nから定期的に負荷情報読み取りのコマンドを発行し、負荷情報を採取すれば、ファイル排他制御処理装置104の負荷を統計的に把握することができる。また、ファイル排他制御処理装置104にこれらの負荷情報を表示するディスプレイのような表示手段を備えさせれば、表示手段に表示された負荷情報を読み取ることでも負荷情報の採取が可能である。
ところで、ロック、アンロックのコマンド数133が多いコンピュータは、共有ファイルを多く使用している、オーバーヘッドの大きいコンピュータということができる。従来、このような並列コンピュータシステムにおいて、各コンピュータへのジョブの割り振りに偏りがないかを調べるためには、これら複数のコンピュータそれぞれのCPUのビジー率を調べる方法しかなかった。しかし、このファイル排他制御処理装置104によって与えられる負荷情報には、コンピュータごとのコマンド数133が含まれるので、これを比較することでコンピュータ間におけるジョブの偏りを調べることができる。したがって、この負荷情報を元に各コンピュータへのジョブの割り振りを変更して、コンピュータ間の負荷の均等化を図り、バランスのよいシステムの運用を行うことが可能となる。
<本発明の変形例>
図7は、本発明の変形例による複数のファイル排他制御処理装置を使用した並列コンピュータシステムの構成の概要を表わしたものである。この図で図1および図2と同一の部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略し、図1および図2を適宜援用して説明する。また図示と説明の複雑化を避けるため、並列コンピュータシステムを構成するコンピュータおよびファイル排他制御処理装置を2台ずつとして説明する。この並列コンピュータシステム100Aでは、第1のファイル排他制御処理装置1041および第2のファイル排他制御処理装置1042が、それぞれ第1のコンピュータ1011、および第2のコンピュータ1012と専用インタフェース601〜604で接続されている。各ファイル排他制御処理装置は、それぞれ別の図示しない外部記憶装置107(図1参照)にある共有ファイルの排他制御を行っている。
システム運用者が、このような並列コンピュータシステム100Aの負荷情報を用いて、システムを効率よく用いる方法を説明する。まず、第1のファイル排他制御処理装置1041に対して、負荷情報読み取りのコマンド1311を発行する。それにより、第1のファイル排他制御処理装置1041のCPUビジー率1451、さらに第1のファイル排他制御処理装置1041に割り振られた共有ファイルへの第1および第2のコンピュータ1011、1012のコマンド数1331、TAT計算結果1341(図2参照)を得る。同様に、第2のファイル排他制御処理装置1042に対しても、負荷情報読み取りコマンド1312を発行し、CPUビジー率1452、さらに第1のファイル排他制御処理装置1041に割り振られた共有ファイルへの第1および第2のコンピュータ1011、1012のコマンド数1332、TAT計算結果1342を得る。
このようにして得られた各装置のCPUビジー率1451、1452を比較して、値が偏っているときは、それを均等化する。たとえば、第1の排他制御処理装置1041のCPUビジー率1451が、第2のファイル排他制御処理装置1042のCPUビジー率1452に対して大きいときは、第1のファイル排他制御処理装置1041に排他制御が割り振られている共有ファイルの一部を、第2のファイル排他制御処理装置1042に割り振る。つまり、CPUビジー率145の差に応じ、その差を無くすように、以下に図8で説明する共有ファイルのファイル排他制御処理装置割り当て表を適切に変更する。これにより、共有コンピュータシステム100A全体では、処理能力が無駄なく発揮されるようになる。
図8は、共有ファイルのファイル排他制御処理装置割り当て表の一部を表わしたものである。図7では説明の複雑化を避けるため、並列コンピュータシステム100Aはコンピュータおよびファイル排他制御処理装置が2台ずつで構成される、としたが、ここでは第1〜第Nのコンピュータおよび第1〜第Kのファイル排他制御処理装置(Kは2以上の整数)により構成されるとして説明する。この並列コンピュータシステムにおける共有ファイルは番号付けされ、連続したファイル番号のかたまりに分割されており、それぞれの共通ファイル群ごとに対応する第1〜第Kのファイル排他制御処理装置が使用される。たとえば、第1〜第Nのどのコンピュータも、ファイル番号「0」〜ファイル番号「1000」までの共有ファイルを使用するときは、第1のファイル排他制御処理装置に対してロック、アンロックコマンドを発行し、ファイル番号「1001」〜ファイル番号「2500」までの共有ファイルを使用するときは、第2のファイル排他制御処理装置にロック、アンロックコマンドを発行する。このように、ファイル番号「0」〜ファイル番号「L」(Lは整数)までの全共有ファイルに対して、第1〜第Kのファイル排他制御処理装置のどれかが割り当てられており、全てのコンピュータが共通の割り当て表を使用し、共有ファイルの排他制御はそのファイル番号から、表に基づいて決められたファイル排他制御処理装置に行わせるようになっている。
使用する第1〜第Kのファイル排他制御処理装置すべての処理能力を無駄なく発揮するためには、図7の例で説明したように、各ファイル排他制御処理装置の負荷、つまりCPUビジー率145を把握し、ファイル排他制御処理装置割り当て表を適切に変更する。この割り当てが適切でないと、十分な数のファイル排他制御処理装置を導入し、共有ファイルの排他制御の処理能力を強化したとしても、結局、あるファイル排他制御処理装置に処理が集中し、それが原因でシステム全体の処理能力が向上しない、といった事態が容易に起こり得る。
次に、図7に戻って、各装置の処理したコマンド数1331、1332ついて分析を行う。これらはそれぞれ第1および第2のコンピュータ1011、1012ごとのコマンドの実行数であるから、第1のコンピュータ1011のコマンド実行数は、第1のファイル排他制御処理装置1041に割り当てられた共有ファイルにロック、アンロックコマンドを実行したコマンド数13311、および第2のファイル排他制御処理装置1042に割り当てられた共有ファイルに実行したコマンド数13321の和で表わされる。なおコマンド数133の添え字の十の位は、そのコマンドが第1あるいは第2のファイル排他制御処理装置1041、1042のどちらに割り当てられた共有ファイルに対するものかを表し、一の位はそのコマンドが第1あるいは第2のコンピュータ1011、1012のどちらが発行したものかを表すこととする。同様にして第2のコンピュータ1012のコマンド実行数は、第1のファイル排他制御処理装置1041に割り当てられた共有ファイルに実行したコマンド数13312、および第2のファイル排他制御処理装置1042に割り当てられた共有ファイルに実行したコマンド数13322の和で表わされる。このようにして、それぞれのコンピュータが実行したコマンド数がわかるので、どちらかにコマンド実行数が多く偏っていれば、その差をなくすよう、ジョブの割り振りを変更するなどして、均等化を図ることができる。並列コンピュータシステムを構成するコンピュータが複数ある場合も、やはり同様にしてジョブの割り振りを変更することができる。
以上、この並列コンピュータシステム100Aをこのままの構成で用いる際の、効率のよいシステム運用方法について説明したが、それでもCPUビジー率145が設定した閾値を頻繁に超え、得られた負荷情報からも排他制御が装置の処理能力を超えていることが明らかであれば、さらに複数のファイル排他制御処理装置の導入が必要である。
なお、この変形例の並列コンピュータシステム100Aでは、第1のコンピュータ1011、第2のコンピュータ1012はそれぞれ、第1のファイル排他制御処理装置1041および第2のファイル排他制御処理装置1042の両方と通信可能なため、負荷情報読み取りコマンド131はどちらのコンピュータから実行したものでもよく、同じ負荷情報が得られる。これによりシステム全体の負荷分析が可能になるが、さらに複雑な並列コンピュータシステムの場合、全てのコンピュータがシステム内の全てのファイル排他制御処理装置と通信可能でない状況も考えられる。その場合は、いくつかのコンピュータで分担してそれぞれ負荷情報を収集し、それらを統合することで、システム全体の負荷分析が可能になる。
また、ファイル排他制御処理装置104から収集されるCPUビジー率1451、1452あるいは、コマンド数1331、1332といった負荷情報の収集および比較と、その偏りを表示させるところまでを自動で行わせてもいい。
このような負荷情報を元に、負荷の状況に応じて、共有ファイルのファイル排他制御処理装置割り当てを変更することもできる。これは、たとえば、ファイル排他制御処理装置割り当て表(図8参照)を複数用意し、随時使用する表を変更することで実現できる。まず、使用する並列コンピュータシステム100Aにおいて、一時間ごとに負荷情報収集を行い、第1および第2のファイル排他制御処理装置1041、1042それぞれの負荷の時間変動を調べる。これにより、各ファイル排他制御処理装置について、一日のどの時間帯に負荷が集中するかなどといったことがわかる。たとえば、昼間は第1のファイル排他制御処理装置1041のCPUビジー率1451と、第2のファイル排他制御処理装置1042のCPUビジー率1452がほぼ同じであるが、夜間は第1のファイル排他制御処理装置1041のCPUビジー率1451が、非常に高く高負荷状態にあるのに対して、第2のファイル排他制御処理装置1042のCPUビジー率1452には余裕がある場合は、排他制御を行う共有ファイルの割り当てを第2のファイル排他制御処理装置1042に増やした、夜間用のファイル排他制御処理装置割り当て表を用意し、夜間だけこちらを用いるようにすればよい。これ以外にも、もちろん、1週間や1ヵ月といった時間単位で負荷情報収集を行い、得られた負荷の時間変動に応じて、適切なファイル排他制御処理装置割り当て表を用いることが可能である。
同様にコンピュータ間の負荷の偏りが時間により変動する場合、それを均等化するように各コンピュータへのジョブの分担を再設定することもできる。
以上説明した実施例および変形例では、コンピュータからの全てのコマンド131は、優先順位が同等として扱ったが、特に重要な処理がある場合など、優先順位に関する情報を各コマンド131に付加させる。これにより、コマンドリスト151に登録されたコマンドを読み出して実行する際、優先順位に従ってその順番を変更することができる。
また、共有ファイルを参照するだけのロックコマンドの場合でも、他のコンピュータによりその共有ファイルが処理中であれば、アンロック待ちをさせるとして説明を行った。しかし、通常の参照および書き込みを想定したロックコマンドと異なり、参照するだけのロックコマンドでは、アンロック待ちにさせなくても共有ファイルの整合性が失われることはない。したがって、これらのロックコマンドを区別し、後者を先に処理させるようにしてもよい。
本発明の一実施例によるファイル排他制御処理装置を使用した並列コンピュータシステムの構成の概要を表わした構成図である。 図1に示したファイル排他制御処理装置の詳細な構成を表わした構成図である。 メモリに格納されたコマンドリストの一部を表わした説明図である。 本実施例のファイル排他制御処理装置の排他制御処理部におけるコマンド登録処理の流れを表わした流れ図である。 本実施例のファイル排他制御処理装置の排他制御処理部におけるコマンド実行処理の流れを表わした流れ図である。 ファイル排他制御処理装置のCPUビジー率とTATの関係を表わした特性図である。 本発明の変形例による複数のファイル排他制御処理装置を使用した並列コンピュータシステムの構成の概要を表わした構成図である。 共有ファイルのファイル排他制御処理装置割り当て表の一部を表わした説明図である。 排他制御が行われていないシステムで共有ファイルがコンピュータにより更新される様子を表わす説明図である。 排他制御が行われているシステムで共有ファイルがコンピュータにより更新される様子を表わす説明図である。
符号の説明
100、100A 並列コンピュータシステム
101 第1のコンピュータ
102 第2のコンピュータ
103 入出力制御部
104 ファイル排他制御処理装置
107 外部記憶装置
110 CPU
111 メモリ
112 排他制御処理部
113 CPUビジー率計測部
121 ドライバ・レシーバ部
122 コマンド受信部
123 事象報告部
124 コマンド数・TAT計算部
125 負荷情報転送部
143 CPUビジー率チェック部
151 コマンドリスト
161 登録ポインタ
162 実行ポインタ

Claims (7)

  1. 複数のコンピュータの少なくとも2以上が共通して使用するそれぞれの共有ファイルの使用を、時間的に1つのコンピュータに占有させるためのロック要求を前記複数のコンピュータからそれぞれ受信するロック要求受信手段と、
    前記共有ファイルの占有の解除を要求するためのアンロック要求を前記複数のコンピュータからそれぞれ受信するアンロック要求受信手段と、
    前記ロック要求受信手段が前記ロック要求を受信したとき該当の前記共有ファイルが使用中でなければこれをその要求したコンピュータの使用のためにロックさせる共有ファイルロック手段と、
    この共有ファイルロック手段が該当の前記共有ファイルをロックさせたときそのロック要求を行ったコンピュータにこれを通知するロック通知手段と、
    前記アンロック要求受信手段が前記アンロック要求を受信したときそのアンロック要求を行ったコンピュータの占有していた前記共有ファイルの占有を解除させるアンロック手段と、
    このアンロック手段が前記共有ファイルの占有を解除させたときそのアンロック要求を行ったコンピュータにこれを通知するアンロック通知手段と、
    前記各手段を実現するCPUのビジー率を測定するCPUビジー率測定手段と、
    このCPUビジー率測定手段の測定したCPUビジー率を前記複数のコンピュータに通知するビジー率通知手段
    とを具備することを特徴とするファイル排他制御処理装置。
  2. 前記ビジー率通知手段は、前記CPUビジー率測定手段の測定したCPUビジー率を所定のしきい値と比較する比較手段を備え、CPUビジー率が前記所定のしきい値を超えたとき、前記複数のコンピュータに通知することを特徴とする請求項1記載のファイル排他制御処理装置。
  3. 前記複数のコンピュータのそれぞれから受信した前記ロック要求およびアンロック要求についてこれらの実行回数を、要求したコンピュータごとに測定する要求実行回数測定手段と、
    単位時間内の各ロック要求およびアンロック要求があってから要求に対する処理が終了されるまでのターンアラウンドタイムを測定するターンアラウンドタイム測定手段と、
    前記複数のコンピュータから負荷情報読み取りの要求があったときこれを受信する負荷情報読取要求受信手段と、
    この負荷情報読取要求受信手段により負荷情報読み取りの要求を受信したとき前記CPUビジー率、前記複数のコンピュータのそれぞれから受信した前記ロック要求およびアンロック要求についてこれらの実行回数および前記複数のコンピュータごとの前記ターンアラウンドタイムの平均値からなる負荷情報をその要求のあったコンピュータに通知する負荷情報通知手段
    とを具備することを特徴とする請求項1記載のファイル排他制御処理装置。
  4. 前記ロック要求受信手段およびアンロック要求受信手段は、ロック要求およびアンロック要求を順次受信して格納する要求受信バッファと、この要求受信バッファに時間的に先に格納された要求から順に要求を読み出す先入れ先出し要求読出手段とを具備することを特徴とする請求項3記載のファイル排他制御処理装置。
  5. 前記ロック要求受信手段およびアンロック要求受信手段は、ロック要求およびアンロック要求を順次受信して格納する要求受信バッファと、要求の種類に応じた優先度をあらかじめ設定する優先度設定手段と、前記要求受信バッファに格納された要求をこの優先度設定手段に設定された優先度に応じて優先度の高いものから順に読み出す優先度順要求読出手段とを具備することを特徴とする請求項3記載のファイル排他制御処理装置。
  6. 前記共有ファイルをそれぞれ排他的に分担する複数の請求項1〜請求項5いずれかに記載のファイル排他制御処理装置と、
    これらファイル排他制御処理装置の前記CPUビジー率を基にして、これらのファイル排他制御処理装置間の負荷の偏りを表示する共有ファイル分担偏り表示手段と、
    この共有ファイル分担偏り表示手段の表示した偏りを基にして各ファイル排他制御処理装置の負荷が均等化される共有ファイルの分担を再設定する共有ファイル分担再設定手段
    とを具備することを特徴とするファイル排他制御システム。
  7. 前記共有ファイルをそれぞれ排他的に分担する複数の請求項3〜請求項5いずれかに記載のファイル排他制御処理装置と、
    これらファイル排他制御処理装置が前記複数のコンピュータのそれぞれに前記負荷情報通知手段を用いて個別に通知した前記負荷情報を用いて前記複数のコンピュータ間のジョブ処理の負荷の偏りを演算する負荷偏り演算手段と、
    この負荷偏り演算手段の演算した負荷の偏りが解消されるよう前記複数のコンピュータのジョブの分担を再設定するコンピュータ分担再設定手段
    とを具備することを特徴とするファイル排他制御システム。
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