JP2006163165A - 反射型の投影スクリーンを備えた投影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 背景が透けて見える透明タイプの投影スクリーンで、明るい環境光の下でも映像を鮮明に表示することが可能な、反射型の投影スクリーンを備えた投影システムを提供する。
【解決手段】 投影システム1は、反射型の投影スクリーン10と、映像光31を出射する投影機21と、投影機21から出射された映像光31を反射して投影スクリーン10へ向けて映像光32として投射する反射ミラー22とを備えている。反射ミラー22は、偏光選択性及び波長選択性を有し、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光(例えば右円偏光)を選択的に反射するとともに、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の波長域に対応する波長域の光を選択的に反射する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、投影機により投影スクリーン上に映像光を投射して映像を表示する投影システムに係り、とりわけ、明るい環境光の下でも映像を鮮明に表示することが可能な反射型の投影スクリーンを備えた投影システムに関する。
従来の投影システムとしては、投影機により投射された映像光を投影スクリーン上に映し出し、その反射光を観察者が映像として観察するものが一般的である。
このような投影システムで用いられる投影スクリーンとしては、表示される映像のコントラストを高めるために背景が透けて見えないようにしたものが一般的であるが、用途によっては、背景が透けて見えるような透明タイプの投影スクリーンが求められる場合もある。具体的には例えば、投影スクリーンをショーウィンドウなどに設置するような用途では、通常時は、投影スクリーンを通して反対側を見通せる必要があり、このため、映像の視認性に優れるとともに背景が透けて見えるような透明タイプの投影スクリーンが求められている。
このような透明タイプの投影スクリーンとしては、従来、拡散シートを用いたスクリーンが一般的に用いられている。また、より高品質な投影スクリーンとしては、ホログラムを用いたスクリーンが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上述した従来の透明タイプの投影スクリーンのうち、拡散シートを用いたスクリーンでは、拡散シートの拡散性を利用して、投影機から投影された映像光を映し出すが、拡散シートは同時に、拡散シートを透過する背景光なども拡散してしまうので、いわば曇りガラスを見たときのように背景が不鮮明となり、高い透明性が得られないという問題がある。
また、ホログラムを用いたスクリーンでは、拡散シートを用いたものに比べて、透明性を高くすることが可能であるが、映像光の入射角が限定されてしまい、また、ホログラムの干渉作用により虹色のムラが発生してしまうので、映像の視認性を十分に向上させることができないという問題がある。さらに、ホログラムを用いたスクリーンは、非常に高価であり、かつ、製造上の問題から大画面化が困難であるという問題もある。
ここで、映像の視認性に優れた投影スクリーンとしては、一般に、コレステリック液晶を用いたスクリーンも提案されている(特許文献2〜4参照)。このようなコレステリック液晶を用いたスクリーンでは、コレステリック液晶の持つ偏光選択性及び波長選択性により、拡散シートやホログラムを用いたものに比べて、映像の視認性を向上させることが可能である。
しかしながら、上記特許文献2〜4に記載されているようなコレステリック液晶を用いたスクリーンはいずれも、背景が透けて見えるような透明タイプの投影スクリーンではなく、それを備えた投影システムについても、上述したような用途に適したものとはなっていないという問題がある。また、上記特許文献2〜4に記載されたようなコレステリック液晶を用いたスクリーンではいずれも、当該スクリーンに拡散性を与えるための具体的な手法が何ら提案されておらず、コレステリック液晶の本来の偏光選択性を維持しつつ、映像の視認性を向上させることが困難であるという問題がある。
特開2002−277962号公報 特開平5−107660号公報 特開平3−150546号公報 特開2003−287818号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、背景が透けて見えるような透明タイプの投影スクリーンが求められる各種の用途に用いることが可能で、明るい環境光の下でも映像を鮮明に表示することが可能な、反射型の投影スクリーンを備えた投影システムを提供することを目的とする。
本発明は、その第1の解決手段として、反射型の投影スクリーンと、前記投影スクリーン上に投射される映像光を出射する投影機と、前記投影スクリーンと前記投影機との間の光路上に配置され、前記投影機から出射された映像光を反射して前記投影スクリーンへ向けて投射する反射ミラーとを備え、前記投影スクリーンは、特定の偏光成分の光を選択的に反射するコレステリック液晶構造からなる偏光選択反射層であって、前記コレステリック液晶構造の構造的な特性により、特定の偏光成分の光を拡散させながら反射する一方で、反射されない他の偏光成分の光を拡散させずに透過する偏光選択反射層を有し、前記反射ミラーから前記投影スクリーンへ向けて出射される光は、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を少なくとも含むことを特徴とする投影システムを提供する。
なお、上述した第1の解決手段において、前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光のうち前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を選択的に反射するミラーであることが好ましい。また、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層は、可視光域の一部のみをカバーする特定の波長域の光を選択的に反射し、前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光のうち前記偏光選択反射層により反射される光の波長域に対応する波長域の光を選択的に反射することが好ましい。この場合、前記投影機は、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射することが好ましい。
また、上述した第1の解決手段において、前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光をその偏光状態を反転させながら反射するミラーであってもよい。この場合、前記投影機は、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射することが好ましい。
さらに、上述した第1の解決手段において、前記投影スクリーンは、前記偏光選択反射層を支持する支持基材をさらに有し、前記支持基材は、可視光域の少なくとも一部の光を透過する透明基材であることが好ましい。
さらに、上述した第1の解決手段において、前記反射ミラーは、凹面鏡又は凸面鏡の形態をなしていることが好ましい。
さらに、上述した第1の解決手段においては、前記投影スクリーンが設置される空間を照明する照明光源をさらに備え、前記照明光源から前記投影スクリーンへ向けて出射される照明光は、前記投影スクリーンにより選択的に反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光を主として含むことが好ましい。
本発明は、その第2の解決手段として、反射型の投影スクリーンと、前記投影スクリーン上に投射される映像光を出射する投影機と、前記投影スクリーンと前記投影機との間の光路上に配置され、前記投影機から出射された映像光を反射して前記投影スクリーンの一方のスクリーン面側へ向けて投射する反射ミラーとを備え、前記投影スクリーンは、特定の偏光成分の光を選択的に反射するコレステリック液晶構造からなる偏光選択反射層であって、前記コレステリック液晶構造の構造的な特性により、特定の偏光成分の光を拡散させながら反射する一方で、反射されない他の偏光成分の光を拡散させずに透過する偏光選択反射層を有し、前記投影機は、当該投影機から出射される映像光の出射方向を切り替えることにより、前記反射ミラーを介して前記投影スクリーンの前記一方のスクリーン面上に映像光が間接的に投射される第1態様、及び、前記反射ミラーを介することなく前記投影スクリーンの他方のスクリーン面上に映像光が直接的に投射される第2態様のいずれかの態様をとるように構成されており、前記第1態様にて前記反射ミラーから前記投影スクリーンへ向けて出射される光、及び、前記第2態様にて前記投影機から前記投影スクリーンへ向けて出射される光は、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を少なくとも含むことを特徴とする投影システムを提供する。
なお、上述した第2の解決手段において、前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光をその偏光状態を反転させながら反射するミラーであることが好ましい。この場合、前記投影機は、前記第1態様では、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射し、前記第2態様では、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射することが好ましい。
また、上述した第2の解決手段において、前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光のうち前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を選択的に反射するミラーであってもよい。また、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層は、可視光域の一部のみをカバーする特定の波長域の光を選択的に反射し、前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光のうち前記偏光選択反射層により反射される光の波長域に対応する波長域の光を選択的に反射することが好ましい。この場合、前記投影機は、前記第1態様及び前記第2態様のいずれの態様でも、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射することが好ましい。
さらに、上述した第2の解決手段において、前記投影スクリーンは、前記偏光選択反射層を支持する支持基材をさらに有し、前記支持基材は、可視光域の少なくとも一部の光を透過する透明基材であることが好ましい。
さらに、上述した第2の解決手段において、前記反射ミラーは、凹面鏡又は凸面鏡の形態をなしていることが好ましい。
さらに、上述した第2の解決手段においては、前記投影スクリーンが設置される空間を照明する照明光源をさらに備え、前記照明光源から前記投影スクリーンへ向けて出射される照明光は、前記投影スクリーンにより選択的に反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光を主として含むことが好ましい。
本発明の第1及び第2の解決手段によれば、投影機から出射された映像光を反射ミラーで反射した上で、その反射光を反射型の投影スクリーンへ向けて投射して、投影スクリーン上に映像を表示するようにしているので、投影機と投影スクリーンとの間の距離(空間的な距離)を短縮するとともに、投影機から見て投影スクリーンの反対側のスクリーン面上に映像を表示することが可能となる。このため、例えば、投影機を店舗などの建物内に配置するとともに、反射ミラーを建物外に配置し、さらに、投影スクリーンを建物内と建物外との境界(例えばショーウィンドウの窓ガラス)に配置するような態様をとることが可能となる。この場合には、建物の外部へ向けて映像を提供する場合でも、投影機を屋内に設置することが可能となり、外環境による投影機の劣化を防止するとともに、投影機のメンテナンス性や安全性などを高めることができる。
また、本発明の第1及び第2の解決手段によれば、投影スクリーンの偏光選択反射層がコレステリック液晶構造からなり、コレステリック液晶構造の構造的な特性により、選択的に反射される光を拡散させるので、特定の偏光成分の光を拡散させながら反射する一方で、反射されない他の偏光成分の光を拡散させずに透過することができる。このため、偏光選択反射層を透過する環境光や映像光などの光について、偏光状態の乱れ(消偏)の問題は起こらず、偏光選択反射層の本来の偏光分離機能を維持しつつ、映像の視認性を向上させることができる。また、偏光選択反射層を透過する背景光などの光が拡散しないので、偏光選択反射層の透明性を高めることができる。この場合には、投影スクリーン全体を透明とすることが可能となり、投影スクリーンの背面側から透けて見える背景光を良好に視認することが可能となるので、投影システムを各種の応用範囲に用いることが可能となる。
さらに、本発明の第1及び第2の解決手段によれば、反射ミラーが、投影機から出射された映像光のうち投影スクリーンの偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を選択的に反射することにより、映像光の反射効率を高めて、鮮明な映像を得ることができる。
さらに、本発明の第1及び第2の解決手段によれば、反射ミラーが、投影機から出射された映像光のうち投影スクリーンの偏光選択反射層により反射される光の波長域に対応する波長域の光を選択的に反射することにより、映像光の反射効率をさらに高めて、より鮮明な映像を得ることができる。
なお、本発明の第2の解決手段によれば、投影機から出射される映像光の出射方向を切り替えることにより、反射ミラーを介して投影スクリーンの一方のスクリーン面上に映像光が間接的に投射される第1態様、及び、反射ミラーを介することなく投影スクリーンの他方のスクリーン面上に映像光が直接的に投射される第2態様のいずれかの態様をとるので、観察者が投影スクリーンの両側から映像を視認することが可能となり、投影システムをより幅広い応用範囲に用いることが可能となる。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1により、本発明の一実施の形態に係る投影システムについて説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る投影システム1は、反射型の投影スクリーン10と、投影スクリーン10上に投射される映像光31を出射する投影機21と、投影スクリーン10と投影機21との間の光路上に配置され、投影機21から出射された映像光31を反射して投影スクリーン10へ向けて映像光32として投射する反射ミラー22とを備えている。ここで、反射ミラー22により反射されて投影スクリーン10上に投射された映像光32は、投影スクリーン10により拡散反射されて反射光(拡散光)33として前面側に出射される。なお、図1に示すように、投影機21は投影スクリーン10の背面側に配置され、反射ミラー22は投影スクリーン10の前面側に配置されている。
まず、投影システム1に含まれる投影スクリーン10について説明する。
図1に示すように、投影スクリーン10は、特定の偏光成分の光を選択的に反射するコレステリック液晶構造からなる偏光選択反射層11と、偏光選択反射層11を支持する支持基材12とを有している。
このうち、偏光選択反射層11は、コレステリック規則性を示す液晶性組成物からなり、液晶分子の物理的な分子配列として、液晶分子のダイレクターが層の厚さ方向に連続的に回転してなる螺旋構造をとっている。そして、偏光選択反射層11は、このような液晶分子の物理的な分子配列に基づいて、一方向の円偏光成分と、これと逆回りの円偏光成分とを分離する偏光分離特性を有している。すなわち、偏光選択反射層11において、螺旋軸に沿って入射した無偏光状態の光は、2つの偏光状態の光(右円偏光及び左円偏光)に分離され、一方は透過され、残りは反射される。この現象は、円偏光二色性として知られ、液晶分子の螺旋構造における螺旋巻き方向を適宜選択すると、この螺旋巻き方向と同一の旋光方向を有する円偏光成分が選択的に反射される。
この場合の最大旋光光散乱は、次式(1)の波長λで生じる。
λ=nav・p … (1)
ここで、pは液晶分子の螺旋構造における螺旋ピッチ長(液晶分子の分子螺旋の1ピッチ当たりの長さ)、navは螺旋軸に直交する平面内での平均屈折率である。
また、このときの反射光の波長バンド幅△λは次式(2)で表される。ここで、△nは複屈折値である。
△λ=△n・p … (2)
すなわち、偏光選択反射層11の前面側から入射する光は、上述したような偏光分離特性に従って、選択反射中心波長λを中心とした波長バンド幅△λの範囲(選択反射波長域)に属する一方の円偏光成分(例えば選択反射波長域内の右円偏光)が反射光として反射され、その他の光(例えば選択反射波長域内の左円偏光、選択反射波長域外の右円偏光及び左円偏光)が透過される。
なお、このような偏光選択反射層11のコレステリック液晶構造は、螺旋軸の方向が異なる複数の螺旋構造領域を含んでいて、このようなコレステリック液晶構造の構造的な特性(構造的な不均一性)により、選択的に反射される光を拡散させるようになっている。ここで、偏光選択反射層11は、コレステリック液晶構造の構造的な不均一性により、選択的に反射される光を拡散させるので、特定の偏光成分の光(例えば選択反射波長域内の右円偏光)を拡散させながら反射する一方で、反射されない他の偏光成分の光(例えば選択反射波長域内の左円偏光、選択反射波長域外の右円偏光及び左円偏光)を拡散させずに透過することができる。このため、偏光選択反射層11を透過する環境光や映像光などの光について、偏光状態の乱れ(消偏)の問題は起こらず、偏光選択反射層11の本来の偏光分離機能を維持しつつ、映像の視認性を向上させることができる。また、偏光選択反射層11を透過する背景光などの光が拡散しないので、偏光選択反射層11の透明性を高めることができる。
なお、偏光選択反射層11のコレステリック液晶構造は、可視光域(例えば400〜780nmの波長域)の一部のみをカバーする特定の波長域の光を選択的に反射するように、特定の螺旋ピッチ長を有していることが好ましい。より具体的には、偏光選択反射層11のコレステリック液晶構造は、投影機21により投射される映像光31の波長域に対応する波長域の光のみを選択的に反射するように、不連続的に異なる少なくとも2種類以上の螺旋ピッチ長を有していることが好ましい。なお、投影機21としては、CRTや液晶プロジェクター、DLP(digital light processing)プロジェクターなどが用いられるが、このような投影機21は一般に、光の三原色である赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域の光によりカラー表示を実現しているので、例えば、偏光選択反射層11に対して光が垂直に入射する場合を基準にして、選択反射中心波長が430〜460nm、540〜570nm及び580〜620nmの範囲に存在する光を選択的に反射するように、コレステリック液晶構造の螺旋ピッチ長を決定するようにするとよい。これにより、背景光や照明光などの環境光のうち上述した波長域から外れた範囲にある可視光域の光の反射を防止して映像のコントラストを高めることができる。なお、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域として用いられる、430〜460nm、540〜570nm及び580〜620nmは、光の三原色によって白色を表現するディスプレイに用いられるカラーフィルターや光源などの波長域として一般的なものである。
ここで、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の波長域が互いに独立した選択反射波長域として表される場合には、偏光選択反射層11のコレステリック液晶構造は、不連続的に異なる3種類の螺旋ピッチ長を有することが好ましい。なお、赤色(R)及び緑色(G)の波長域は一つの螺旋ピッチ長での選択反射波長域の波長バンド幅に含まれる場合があるが、この場合には、コレステリック液晶構造は、不連続的に異なる2種類の螺旋ピッチ長を有することが好ましい。なお、偏光選択反射層11のコレステリック液晶構造が不連続的に異なる2種類以上の螺旋ピッチ長を有する場合には、偏光選択反射層11は、螺旋ピッチ長が互いに異なる少なくとも2層以上の部分選択反射層(赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の各色の波長域を持つ部分選択反射層)を互いに積層することにより構成することができる。
なお、偏光選択反射層11の材料としては、カイラルネマチック液晶やコレステリック液晶を用いることができる。このような材料としては、コレステリック液晶構造を形成し得る液晶材料であれば特に限定されるものではないが、特に、分子の両末端に重合性官能基があるような重合性の液晶材料が、硬化後に光学的に安定した偏光選択反射層11を得る上で好ましい。なお、このような偏光選択反射層11は、カイラルネマチック液晶やコレステリック液晶からなるコレステリック規則性を示す液晶性組成物を、後述する支持基材12上に塗布した後、配向処理及び硬化処理を行うことにより、製造することができる。ただし、このような偏光選択反射層11の製造方法は、本発明の特徴部分には直接関係しないものであり、また、本願の先願である特願2003−165687号に詳細に記載されているものでもあるので、ここでの詳細な説明は省略する。
また、支持基材12は、偏光選択反射層11が成膜などの手法により積層される基材であり、可視光域(例えば400〜780nmの波長域)の少なくとも一部の光を透過する透明基材であることが好ましい。このような透明基材の透過率及び色などは適宜調整することが可能であり、例えば投影スクリーン10を窓ガラスなどに貼り付けて利用する場合には、無色で透過率の高い透明基材を用いることが好ましい。これに対し、投影スクリーン10にある程度の遮光性が必要な場合には、透過率が低い透明基材を用いることが好ましい。また、投影スクリーン10のデザイン性を重視する場合には、赤や青などの色のついた透明基材を用いることが好ましい。なお、この場合の色は、適宜パターン化されていてもよい。
支持基材12の材料としては、PETフィルムやTACフィルムなどのプラスチックフィルムでもよいし、アクリルや塩化ビニル、ガラスなどの材料でもよい。ここで、プラスチックフィルムの例としては、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレートやポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系高分子、ポリイミド系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子などの熱可塑性ポリマーなどからなるフィルムなどを挙げることができる。
なお、支持基材12の厚さは、巻き取りできるようにすることを考慮するならば15〜300μmが好ましく、より好ましくは25〜100μmである。一方、パネルとして用いられる場合のように支持基材12にフレキシブル性が必ずしも必要とされない場合には制限なく厚くすることができる。
なお、支持基材12上に偏光選択反射層11を積層する場合には、上述したように、コレステリック規則性を示す液晶性組成物を塗布した後、配向処理及び硬化処理を行うのが一般的である。この場合、偏光選択反射層11のコレステリック液晶構造がプラーナー配向状態とならないように制御する必要があるので、支持基材12としては、液晶性組成物が塗布される側の表面に配向能を有していないものを用いることが好ましい。ただし、支持基材12のうち液晶性組成物が塗布される側の表面の材料が、延伸フィルムなどのように表面に配向能を有しているものであっても、支持基材12としての延伸フィルムの表面に表面処理を施したり、液晶性組成物の材料や、液晶性組成物を配向処理する際のプロセス条件などを制御することにより、偏光選択反射層11のコレステリック液晶構造がプラーナー配向状態とならないように制御することが可能である。
また、支持基材12上に偏光選択反射層11を直接積層する場合には、偏光選択反射層11と支持基材12との間の密着性を高めるため、偏光選択反射層11と支持基材12との間に易接着層を設けることが好ましい。なお、このような易接着層としては、偏光選択反射層11の材質及び支持基材12の材質の両方に対して高い密着性が得られるものであればよく、一般に市販されているものを用いることができる。具体的には例えば、東洋紡社製の易接着層付PETフィルムA4100や、パナック社製の易接着材料AC−X、AC−L、AC−Wなどが挙げられる。なお、偏光選択反射層11と支持基材12との間の密着性が十分に高い場合には、必ずしも易接着層を設ける必要はない。また、偏光選択反射層11と支持基材12との間の密着性を高めるための方法としては、コロナ処理やUV洗浄などのプロセス的な方法を用いることもできる。
なお、偏光選択反射層11が複数の部分選択反射層からなる場合には、各部分選択反射層のうち隣接した部分選択反射層の間に易接着層を設けてもよい。
また、偏光選択反射層11と支持基材12との間、又は、偏光選択反射層11を構成する各部分選択反射層のうち隣接した部分選択反射層の間には、易接着層に加えて、又は易接着層に代えて、バリア性を有する層(バリア層)を設けてもよい。なお、ここでいうバリア性とは、支持基材上に偏光選択反射層を直接積層する場合、又は、一つの部分選択反射層上に他の部分選択反射層を直接積層する場合に、下層の構成部分が上層に移動(浸透)したり、上層の構成部分が下層に移動(浸透)したりすることを防止する機能をいう。なお、上層と下層との間で物質の移動が生じると、上層又は下層を構成する偏光選択反射層(又は部分選択反射層)本来の光学的機能(波長選択性、偏光選択性及び拡散性など)が損なわれてしまうが、上述したようなバリア性を有する層(バリア層)を用いることにより、それを防止することができる。具体的には例えば、コレステリック規則性を有する液晶性組成物を塗布することにより一つの部分選択反射層上に他の部分選択反射層を積層する場合には、上層の部分選択反射層を形成するための液晶性組成物に含まれるネマチック液晶成分が下層の部分選択反射層に浸透し、下層の部分選択反射層の螺旋ピッチ長を変化(増大)させてしまう。しかしながら、この場合に、下層の部分選択反射層と上層の部分選択反射層との間にバリア層を設けるようにすれば、このようなネマチック液晶成分の移動(浸透)がなくなり、部分選択反射層の光学的機能(波長選択性、偏光選択性及び拡散性など)を良好に維持することができる。
なお、このようなバリア層の材料としては、変性アクリレートや、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、これらは単官能又は多官能のものを用いることができ、モノマー、オリゴマーの種類がある。具体的には、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタアクリレートエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート、ウレタンアダクト体、脂肪族ポリアミン系エポキシ樹脂、ポリアミノアミド系エポキシ樹脂、芳香族ジアミン系エポキシ樹脂、脂環族ジアミン系エポキシ樹脂、フェノール樹脂系エポキシ樹脂、アミノ樹脂系エポキシ樹脂、メルカプタン系化合物系エポキシ樹脂、ジシアンジアミド系エポキシ樹脂、ルイス酸錯化合物系エポキシ樹脂などを挙げることができる。
次に、投影システム1に含まれる反射ミラー22について説明する。
図1に示すように、反射ミラー22は、投影機21から出射された映像光31を反射して投影スクリーン10へ向けて映像光32として投射するものである。反射ミラー22は、偏光選択性を有する偏光ミラーであり、投影機21から出射された映像光31のうち投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光(例えば右円偏光)を選択的に反射することが好ましい。この場合には、反射ミラ22ーから投影スクリーン10へ向けて出射される映像光32は、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光(例えば右円偏光)を主として含むこととなるので、映像光の反射効率を高めて、鮮明な映像を得ることができる。
ここで、反射ミラー22としては、投影スクリーン10の偏光選択反射層11と同様に、コレステリック規則性を示す液晶性組成物からなるコレステリック液晶ミラー(CLCミラー)などを用いることができる。このようなコレステリック液晶ミラーでは、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される特定の偏光成分の光(例えば右円偏光)のみを反射するので、投影スクリーン10の背面側に余分な光が透過してしまうことを効果的に防止して、映像の視認性をより向上させることができる。
なお、反射ミラー22としてコレステリック液晶ミラーなどを用いた場合には、反射の前後で光の偏光状態(円偏光の向き)が反転されないので、投影機21から出射される映像光31は、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により選択的に反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光(例えば右円偏光)を主として含むことが好ましい。
また、反射ミラー22は、波長選択性を有し、投影機21から出射された映像光31のうち投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の波長域に対応する波長域の光(すなわち、投影機21により投影スクリーン10上に投射される映像光の波長域に対応する波長域の光)を選択的に反射してもよい。これにより、映像光の反射効率をさらに高めて、より鮮明な映像を得ることができる。なお、このような反射ミラー22の波長選択性は、薄膜干渉を引き起こす干渉膜を用いたり、波長選択性を有するコレステリック液晶フィルムや直線偏光分離フィルムなどを用いることにより実現することができる。
さらに、反射ミラー22は、凹面鏡又は凸面鏡の形態をなしていてもよい。これにより、投影スクリーン10の画面サイズに合わせて映像のサイズを任意に調整することができ、また、投影スクリーン10の画面外周部での輝度落ちを効果的に防止することができる。
なお、図1に示す投影システム1は例えば、投影機21を店舗などの建物内に配置するとともに、反射ミラー22を建物外に配置し、さらに、投影スクリーン10を建物内と建物外との境界(例えばショーウィンドウの窓ガラス27)に配置するような態様で用いることができる。
このような態様では通常、投影スクリーン10がその境界(例えば窓ガラス27)に設置されることとなる店舗内には、天井などの照明光源設置部25に設置された照明光源23が設けられ、この照明光源23により、投影スクリーン10が設置される観察空間が照明されている。この場合には、照明光源23から投影スクリーン10へ向けて出射される照明光34は、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により選択的に反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光(例えば左円偏光)を主として含むようにすることが好ましい。これにより、映像光以外の余分な光である照明光が投影スクリーン10の偏光選択反射層11で反射されてしまうことを効果的に防止して映像のコントラストを高めることができ、鮮明な映像を得ることができる。また、投影スクリーン10をショーウインドウの窓ガラス27に設置する場合であれば、映像を表示しない通常時に投影スクリーン10の透明度の高さを良好に保つことができる。
なお、照明光源23から出射された照明光34の偏光状態は、照明光源23の前に、コレステリック液晶フィルム(偏光分離光学フィルム)や、吸収型の円偏光板(円偏光フィルター)などの偏光フィルム24を設けることにより制御することができる。ここで、偏光フィルム24として、コレステリック液晶フィルムを用いる場合には、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により選択的に反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光(例えば左円偏光)を透過するものを用いることが好ましい。これにより、コレステリック液晶フィルムを透過させることにより偏光成分の光(例えば左円偏光)のみを実質的に投影スクリーン10上に照射する一方で、コレステリック液晶フィルムで反射された他の偏光成分の光(例えば右円偏光)については照明光源23側に戻し、再度照射された際にコレステリック液晶フィルムを透過する成分に変換するようにすることができるので、吸収型の円偏光板を用いる場合と異なり、光の利用効率を高めることができる。なお、コレステリック液晶フィルムに含まれる基材として、位相差を与える部材が含まれている場合には、そのような部材が照明光源23に面するような位置関係で当該コレステリック液晶フィルムを配置することが好ましい。
このように本実施の形態によれば、投影機21から出射された映像光31を反射ミラー22で反射した上で、その反射光(映像光32)を反射型の投影スクリーン10へ向けて投射して、投影スクリーン10上に映像を表示するようにしているので、投影機21と投影スクリーン10との間の距離(空間的な距離)を短縮するとともに、投影機21から見て投影スクリーン10の反対側のスクリーン面上に映像を表示することが可能となる。このため、例えば、投影機21を店舗などの建物内に配置するとともに、反射ミラー22を建物外に配置し、さらに、投影スクリーン10を建物内と建物外との境界(例えばショーウィンドウの窓ガラス27)に配置するような態様をとることが可能となる。この場合には、建物の外部へ向けて映像を提供する場合でも、投影機21を屋内に設置することが可能となり、外環境による投影機21の劣化を防止するとともに、投影機21のメンテナンス性や安全性などを高めることができる。
また、本実施の形態によれば、投影スクリーン10の偏光選択反射層11がコレステリック液晶構造からなり、コレステリック液晶構造の構造的な不均一性により、選択的に反射される光を拡散させるので、特定の偏光成分の光を拡散させながら反射する一方で、反射されない他の偏光成分の光を拡散させずに透過することができる。このため、偏光選択反射層11を透過する環境光や映像光などの光について、偏光状態の乱れ(消偏)の問題は起こらず、偏光選択反射層11の本来の偏光分離機能を維持しつつ、映像の視認性を向上させることができる。また、偏光選択反射層11を透過する背景光などの光が拡散しないので、偏光選択反射層11の透明性を高めることができる。このため、偏光選択反射層11を支持する支持基材12が、可視光域の少なくとも一部の光を透過する透明基材であれば、これらの偏光選択反射層11及び支持基材12からなる投影スクリーン10全体を透明とすることが可能となる。この場合には、投影スクリーン10の背面側から透けて見える背景光35を良好に視認することが可能となるので、投影システム1を各種の応用範囲に用いることが可能となる。具体的には例えば、支持基材12が透明基材である投影スクリーン10をショーウィンドウの窓ガラス27上に貼り付けて、通常は反対側を見通せる窓として用いる一方で、映像の表示時には、映像が投射されない部分については透明性を保った状態で良好な映像の表示を実現することができる。
さらに、本実施の形態によれば、反射ミラー22が、投影機21から出射された映像光31のうち投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光(例えば右円偏光)を選択的に反射するので、映像光の反射効率を高めて、鮮明な映像を得ることができる。特に、反射ミラー22として、コレステリック規則性を示す液晶性組成物からなるコレステリック液晶ミラーなどを用いる場合には、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される特定の偏光成分の光(例えば右円偏光)のみを反射するので、投影スクリーン10の背面側に余分な光が透過してしまうことを効果的に防止して、映像の視認性をより向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、反射ミラー22が、投影機21から出射された映像光31のうち投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の波長域に対応する波長域の光(すなわち、投影機21により投影スクリーン10上に投射される映像光の波長域に対応する波長域の光)を選択的に反射するので、映像光の反射効率をさらに高めて、より鮮明な映像を得ることができる。
他の実施の形態
なお、上述した実施の形態に係る投影システム1においては、反射ミラー22として、偏光選択性及び波長選択性を持つ偏光ミラーを用いているが、これに限らず、投影機21から出射された映像光をその偏光状態を反転させながら反射する金属や干渉膜などからなる通常のミラーを用いてもよい。この場合には、反射ミラー22での反射の前後で光の偏光状態(円偏光の向き)が反転されるので、投影機21から出射される映像光31は、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により選択的に反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光(例えば左円偏光)を主として含むことが好ましい。
また、上述した実施の形態に係る投影システム1は、投影機21から出射された映像光31を反射ミラー22で反射した上で、その反射光(映像光32)を反射型の投影スクリーン10へ向けて投射するものであるが、これに限らず、図2に示す投影システム1′のように、投影機21から出射される映像光の出射方向を切り替えることにより、反射ミラー26を介して投影スクリーン10の前面(一方のスクリーン面)上に映像光32が間接的に投射される第1態様、及び、反射ミラー26を介することなく投影スクリーン10の背面(他方のスクリーン面)上に映像光36が直接的に投射される第2態様のいずれかの態様をとるように構成されていてもよい。ここで、反射ミラー26により反射されて投影スクリーン10の前面上に投射された映像光32は、投影スクリーン10により拡散反射されて反射光(拡散光)33として前面側に出射され、投影スクリーン10の背面上に投射された映像光36は、投影スクリーン10により拡散反射されて反射光(拡散光)37として背面側に出射される。なお、図2に示す投影システム1′の構成は、図1に示す投影システム1の構成と基本的に同一であるので、同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
なお、図2に示す投影システム1′において、投影機21から出射される映像光の出射方向を切り替える方法としては、図2に示すように、投影機21自体の向きを変える方法の他、投影機21の前に光路変更用の光学部材(図示せず)を別途配置する方法などを用いることができる。
また、図2に示す投影システム1′において、投影機21から反射ミラー26又は投影スクリーン10の背面のいずれかへ向けて出射される映像光31′,36は、無偏光状態の光を用いてもよいが、投影スクリーン10の偏光選択反射層11の偏光選択性に合わせて、特定の偏光成分の光が反射ミラー26又は投影スクリーン10の背面へ向けて出射されるようにしてもよい。
ここで、反射ミラー26としては、例えば、投影機21から出射された映像光をその偏光状態を反転させながら反射する金属や干渉膜などからなる通常のミラーを用いることができる。この場合には、投影機21は例えば、上述した第1態様では、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光(例えば左円偏光)を主として含む光を映像光31′として出射するようにするとよい。このようにすると、反射ミラー26から投影スクリーン10の前面へ向けて出射される映像光32は、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を主として含むこととなるので、映像光32の反射効率を高めて、鮮明な映像を得ることができる。一方、投影機21は、上述した第2態様では、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光(例えば右円偏光)を主として含む光を映像光36として出射するようにするとよい。この場合にも同様に、投影機21から投影スクリーン10の背面へ向けて出射される映像光36は、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を主として含むこととなるので、映像の反射効率を高めて、鮮明な映像を得ることができる。
なお、図2に示す投影システム1′で用いられる反射ミラー26は、必ずしも、上述したような通常のミラーである必要はなく、図1に示す投影システム1で用いられているような反射ミラー22(偏光選択性及び波長選択性の少なくとも一方を持つ偏光ミラー)であってもよい。なおこの場合には、反射ミラー22での反射の前後で光の偏光状態(円偏光の向き)が反転されないので、上述した第1態様及び第2態様のいずれの態様でも、投影機21から出射される映像光31′,36は、投影スクリーン10の偏光選択反射層11により選択的に反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光(例えば右円偏光)を主として含むことが好ましい。
このように、図2に示す投影システム1′によれば、投影機21から出射される映像光の出射方向を切り替えることにより、反射ミラー26を介して投影スクリーン10の前面上に映像光32が間接的に投射される第1態様、及び、反射ミラー26を介することなく投影スクリーン10の背面上に映像光36が直接的に投射される第2態様のいずれかの態様をとるので、観察者が投影スクリーン10の両側から映像を視認することが可能となり、投影システム1′をより幅広い応用範囲に用いることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る投影システムを示す概略図。 本発明の他の実施の形態に係る投影システムを示す概略図。
符号の説明
1,1′ 投影システム
10 投影スクリーン
11 偏光選択反射層
12 支持基材
21 投影機
22 反射ミラー(偏光ミラー)
23 照明光源
24 偏光フィルム
25 照明光源設置部
26 反射ミラー(通常のミラー)
27 (ショーウィンドウの)窓ガラス
31,31′,36 (投影機から投射された)映像光
32 (ミラーで反射された後の)映像光
33,37 反射光(拡散光)
34 照明光
35 背景光

Claims (18)

  1. 反射型の投影スクリーンと、
    前記投影スクリーン上に投射される映像光を出射する投影機と、
    前記投影スクリーンと前記投影機との間の光路上に配置され、前記投影機から出射された映像光を反射して前記投影スクリーンへ向けて投射する反射ミラーとを備え、
    前記投影スクリーンは、特定の偏光成分の光を選択的に反射するコレステリック液晶構造からなる偏光選択反射層であって、前記コレステリック液晶構造の構造的な特性により、特定の偏光成分の光を拡散させながら反射する一方で、反射されない他の偏光成分の光を拡散させずに透過する偏光選択反射層を有し、
    前記反射ミラーから前記投影スクリーンへ向けて出射される光は、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を少なくとも含むことを特徴とする投影システム。
  2. 前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光のうち前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を選択的に反射するミラーであることを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
  3. 前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層は、可視光域の一部のみをカバーする特定の波長域の光を選択的に反射し、前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光のうち前記偏光選択反射層により反射される光の波長域に対応する波長域の光を選択的に反射することを特徴とする、請求項1又は2に記載の投影システム。
  4. 前記投影機は、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射することを特徴とする、請求項2又は3に記載の投影システム。
  5. 前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光をその偏光状態を反転させながら反射するミラーであることを特徴とする、請求項1に記載の投影システム。
  6. 前記投影機は、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射することを特徴とする、請求項5に記載の投影システム。
  7. 前記投影スクリーンは、前記偏光選択反射層を支持する支持基材をさらに有し、前記支持基材は、可視光域の少なくとも一部の光を透過する透明基材であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の投影システム。
  8. 前記反射ミラーは、凹面鏡又は凸面鏡の形態をなしていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の投影システム。
  9. 前記投影スクリーンが設置される空間を照明する照明光源をさらに備え、
    前記照明光源から前記投影スクリーンへ向けて出射される照明光は、前記投影スクリーンにより選択的に反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光を主として含むことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の投影システム。
  10. 反射型の投影スクリーンと、
    前記投影スクリーン上に投射される映像光を出射する投影機と、
    前記投影スクリーンと前記投影機との間の光路上に配置され、前記投影機から出射された映像光を反射して前記投影スクリーンの一方のスクリーン面側へ向けて投射する反射ミラーとを備え、
    前記投影スクリーンは、特定の偏光成分の光を選択的に反射するコレステリック液晶構造からなる偏光選択反射層であって、前記コレステリック液晶構造の構造的な特性により、特定の偏光成分の光を拡散させながら反射する一方で、反射されない他の偏光成分の光を拡散させずに透過する偏光選択反射層を有し、
    前記投影機は、当該投影機から出射される映像光の出射方向を切り替えることにより、前記反射ミラーを介して前記投影スクリーンの前記一方のスクリーン面上に映像光が間接的に投射される第1態様、及び、前記反射ミラーを介することなく前記投影スクリーンの他方のスクリーン面上に映像光が直接的に投射される第2態様のいずれかの態様をとるように構成されており、
    前記第1態様にて前記反射ミラーから前記投影スクリーンへ向けて出射される光、及び、前記第2態様にて前記投影機から前記投影スクリーンへ向けて出射される光は、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を少なくとも含むことを特徴とする投影システム。
  11. 前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光をその偏光状態を反転させながら反射するミラーであることを特徴とする、請求項10に記載の投影システム。
  12. 前記投影機は、前記第1態様では、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射し、前記第2態様では、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射することを特徴とする、請求項11に記載の投影システム。
  13. 前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光のうち前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を選択的に反射するミラーであることを特徴とする、請求項10に記載の投影システム。
  14. 前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層は、可視光域の一部のみをカバーする特定の波長域の光を選択的に反射し、前記反射ミラーは、前記投影機から出射された映像光のうち前記偏光選択反射層により反射される光の波長域に対応する波長域の光を選択的に反射することを特徴とする、請求項10又は13に記載の投影システム。
  15. 前記投影機は、前記第1態様及び前記第2態様のいずれの態様でも、前記投影スクリーンの前記偏光選択反射層により反射される光の偏光成分と同一の偏光成分の光を主として含む光を前記映像光として出射することを特徴とする、請求項13又は14に記載の投影システム。
  16. 前記投影スクリーンは、前記偏光選択反射層を支持する支持基材をさらに有し、前記支持基材は、可視光域の少なくとも一部の光を透過する透明基材であることを特徴とする、請求項10乃至15のいずれか一項に記載の投影システム。
  17. 前記反射ミラーは、凹面鏡又は凸面鏡の形態をなしていることを特徴とする、請求項10乃至16のいずれか一項に記載の投影システム。
  18. 前記投影スクリーンが設置される空間を照明する照明光源をさらに備え、
    前記照明光源から前記投影スクリーンへ向けて出射される照明光は、前記投影スクリーンにより選択的に反射される光の偏光成分と異なる偏光成分の光を主として含むことを特徴とする、請求項10乃至17のいずれか一項に記載の投影システム。
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