JP2006158481A - 超音波内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内視鏡観察手段と電子走査式の超音波観測手段とを具備した超音波内視鏡において、超音波信号の劣化を防止し、挿入部の細径化を図る。
【解決手段】 挿入部2の先端硬質部2cに設けられる対物レンズ11aに入射光を電気信号に変換するための固体撮像素子13の軸線方向の位置を、先端硬質部2cの外周に装着される超音波振動子21とオーバーラップしない位置に配置するために、対物レンズ11aに入射した入射光は、リレーレンズ11cを経由して固体撮像素子13に入射される。これにより、微弱電波を取り扱う超音波信号に対してクロックノイズが混入することなく、また径方向において固体撮像素子13と超音波振動子21とをオーバーラップすることができるため、挿入部2の細径化を図ることができる。
【選択図】 図4
【解決手段】 挿入部2の先端硬質部2cに設けられる対物レンズ11aに入射光を電気信号に変換するための固体撮像素子13の軸線方向の位置を、先端硬質部2cの外周に装着される超音波振動子21とオーバーラップしない位置に配置するために、対物レンズ11aに入射した入射光は、リレーレンズ11cを経由して固体撮像素子13に入射される。これにより、微弱電波を取り扱う超音波信号に対してクロックノイズが混入することなく、また径方向において固体撮像素子13と超音波振動子21とをオーバーラップすることができるため、挿入部2の細径化を図ることができる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、挿入部の先端に前方に観察視野を有する内視鏡観察手段と、その装着部の外周部に電子走査式の超音波観測手段とを具備した超音波内視鏡に関するものである。
超音波内視鏡は、体腔内等への挿入部の先端硬質部に内視鏡観察手段と超音波観測手段とを装着したものであり、内視鏡観察手段における観察視野としては、挿入部の先端硬質部の前方を視野とする直視内視鏡となし、挿入部の先端面に設けられた照明部と観察部とによりCCD(Charge Coupled Device)等の固体撮像素子が被観察体を撮像する。そして、超音波観測手段としては、多数の超音波振動子を所定の方向に配列して、これら超音波振動子を順次駆動する、所謂電子走査式としたものが従来から用いられている。
このため、挿入部の先端硬質部には、挿入部の前方の光学観察を行う固体撮像素子と挿入部の側方に向けて超音波走査を行う複数の超音波振動子とが配置されるが、その配置の態様として、先端硬質部の軸線周りに多数の超音波振動子を配置が配列され、さらにその径方向における内側に固体撮像素子が設けられているもの、すなわち、超音波振動子と固体撮像素子とが軸線方向にオーバーラップした位置に設けられているものが、例えば特許文献1に開示されている。
特開2001−314403号公報
ところで、内視鏡挿入部は、被験者の負担の軽減や挿入操作性等の観点から細径化の要求が高まっているが、上述したように、軸線方向において、超音波振動子と固体撮像素子とがオーバーラップする位置に設けると、挿入部の太径化を招来することになり、上述した挿入部の細径化という要求を充足することはできなくなる。
また、超音波振動子は超音波パルスを送信して、反射エコーを受信し、その反射エコーを電気信号に変換して反射エコー信号として、かかる反射エコー信号を処理する映像信号処理装置(例えば、プロセッサ装置)に送信するものであるが、反射エコー信号は微弱なものであるから、上述した固体撮像素子(及び固体撮像素子に接続される信号線)が超音波振動子に非常に近接した位置に設けられていると、固体撮像素子を駆動させるためのクロック信号が、超音波振動子が生成した反射エコー信号に対するノイズとなり、S/N比が低下し、その結果ダイナミックレンジが低下するため、正確な超音波画像の生成に影響を及ぼすおそれがある。
ここで、超音波振動子と接続されるケーブルには、上述したノイズによる影響を防止するために高いシールド機能を発揮させるシールド部材を設けることができる。しかも、ケーブルを完全にシールドしたとしても、ケーブルが実質的に太くなることはないことから、挿入部の細径化という問題はそれほど招来することはない。これに対して、超音波振動子自体をシールドするためには大掛かりなシールド機構を必要とし、挿入部の太径化という問題が発生し、被験者の苦痛増大や操作性の悪化という問題が大きくなる。従って、かかる超音波振動子に近接した内側に固体撮像素子を設けると、微弱信号を生成する超音波振動子に対してクロック信号が影響を与えやすい状態になる。
いずれにしても、超音波振動子および固体撮像素子が軸線方向においてオーバーラップしている位置又は直近位置に設けられている限りは、超音波振動子が生成する微弱な反射エコー信号(超音波信号)に対して影響を及ぼすことを防止するために、ある程度の間隔をもって夫々配置しなければならず、従って挿入部の太径化という問題が招来し、挿入部の細径化を図ると、近接した位置に配置された固体撮像素子によって超音波信号の信号が劣化するという問題が招来する。
さらに、軸線方向において超音波振動子とオーバーラップする位置に不均一な断面構造を有する異形な固体撮像素子が配置されていると、超音波振動子の内周部分に何らかの部材を挿通させるときに、固体撮像素子が邪魔をして円滑に挿通作業を行えないという問題もある。
そこで、本発明は、以上の点に鑑み、挿入部の太径化という問題を回避し、特に超音波信号の劣化防止を図ることができる超音波内視鏡を提供することを目的とする。
本発明の超音波内視鏡は、挿入部の先端硬質部に、その先端面に少なくとも照明部と観察部とを備えた内視鏡観察手段を装着し、この内視鏡観察手段の装着部の外周部に電子走査式の超音波観測手段を装着した超音波内視鏡において、前記観察部を構成する対物レンズと、この対物レンズからの入射光を電気信号に変換する固体撮像素子との間に均等な円筒形状を有する鏡筒内にリレーレンズを設けて、前記リレーレンズを介して前記対物レンズからの入射光を前記固体撮像素子に入力させる構成となし、前記固体撮像素子の前記挿入部の軸線方向における位置を、前記超音波観測手段を構成する超音波振動子とはオーバーラップしない位置に設けることを特徴とする。
本発明の超音波内視鏡は、超音波信号の劣化を防止することができ、同時に先端硬質部の細径化を図ることができる。また、先端硬質部を必要以上に細径化しない場合には、生じた空間を他の用途に使用することができ、設計の自由度が高くなる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1に示されるように、本発明の超音波内視鏡は、本体操作部1、挿入部2及びユニバーサルコード3で概略構成される。そして、この超音波内視鏡には、光源装置と、映像信号処理装置と、超音波観測装置が接続されて全体としてのシステムが構成される。ユニバーサルコード3は本体操作部1から引き出されて、その途中で枝分かれして、光源装置に着脱可能に接続される接続コネクタ3a、映像信号処理装置に着脱可能に接続される接続コネクタ3b及び超音波観測装置に着脱可能に接続される接続コネクタ3cを備えている。
本体操作部1は、術者等が片手で把持できるものであり、アングル操作手段4及び処置具挿入部5が設けられ、また送気送水ボタン6、吸引ボタン7等の操作ボタンが装着されており、さらに各種のスイッチ類8も備えている。
挿入部2は、本体操作部1に連結して設けた所定長さを有するコード状の部材であり、被験者の体内等に挿入されるものである。この挿入部2は、本体操作部1への連結部から大半の長さ分は体腔内等における挿入経路に沿って任意に曲がる軟性部2aとなっており、この軟性部2aの先端にアングル部2bが連結されており、このアングル部2bに先端硬質部2cが連結されている。そして、アングル部2bは、先端硬質部2cを所望の方向に向けるために、遠隔操作により上下及び左右に湾曲操作できるようになっている。このために、本体操作部1にはアングル操作手段4が設けられており、術者の操作でアングル部2bを湾曲させて、先端硬質部2cを所望の方向に向くように制御される。
図2に挿入部2の先端部分を示し、また図3に挿入部2における先端硬質部2cの先端面の構成を示す。これらの図から明らかなように、先端硬質部2cにはその軸線の延長線方向、つまり先端硬質部2cの前方を視野とし、所定の視野角Vを有する内視鏡観察手段と、この内視鏡観察手段の視野より基端側の位置で円形若しくは円弧状の超音波走査面Wを有する電子ラジアル走査式の超音波観測手段とが設けられている。
図4に挿入部2の先端部分の断面を示す。この図及び図3から明らかなように、内視鏡観察手段は、照明部10と観察部11とから構成され、照明部10は観察部11を挟んだ両側の位置に配設されている。照明部10は先端硬質部2cの先端面に臨む照明用レンズ10aと、この照明用レンズ10aに照明光を供給するライトガイド10bとを有する構成となっている。このライトガイド10bは、極細い光学繊維を多数束ねたものからなり、ユニバーサルコード3の接続コネクタ3aから挿入部2の先端硬質部2cにまで延在されて、その照明光出射端が照明用レンズ10aと対面する位置に臨んでいる。一方、観察部11は対物レンズ11aと、この対物レンズ11aの入射光を伝達するためのリレーレンズ11cと、リレーレンズ11cから伝達された入射光の光路を90°曲げるプリズム11bとからなり、対物レンズ11aおよびリレーレンズ11cは鏡筒12内に設けられ、プリズム11bは鏡筒12に固着して設けられる。この鏡筒12は、その全長、つまり対物レンズ11aの装着部からプリズム11bへの固着部までは均一な円筒形状となっている。そして、プリズム11bには固体撮像素子13が接合されており、固体撮像素子13の基板13aには信号線が所定数接続されている。この信号線は束ねられて1本の映像ケーブル14としてユニバーサルコード3の接続コネクタ3bにまで延在されている。
挿入部2の先端硬質部2cにおける先端面には、さらに鉗子その他の処置具を導出するための処置具導出用開口15が設けられており、この処置具導出用開口15には本体操作部1に設けた処置具挿入部5からの処置具挿通チューブが接続される接続パイプ16が装着されている。また、処置具挿通チューブは本体操作部1の内部で吸引通路と合流させるように構成する。さらに、先端硬質部2cには観察部11における対物レンズ11aの先端面が体液等で汚損されたときに、洗浄するためのノズル17が装着されている。そして、このノズル17には送気送水ボタン6により操作される後述する洗浄用流体供給チューブ49が接続されている。
内視鏡観察手段は以上のように構成されるが、これら内視鏡観察手段を構成する各部材の先端部分は、内視鏡装着部材18に固定的に保持されるようになっている。内視鏡装着部材18は、前述した内視鏡観察手段を構成する各部材を挿通させる透孔を複数形成したステンレス等の金属材からなり、この内視鏡装着部材18には先端キャップ19が嵌合されている。この先端キャップ19によって、金属材から構成される内視鏡装着部材18が外部に露出しないようになし、これら内視鏡装着部材18と先端キャップ19とで先端ブロックが構成される。そして、先端キャップ19には、その厚み方向に向けて2箇所のねじ孔19aが形成されており、これらのねじ孔19aに止めねじ20が螺挿されて、この止めねじ20の先端を内視鏡装着部材18に圧接させると共に内視鏡装着部材18と先端キャップ19との当接面を接着することによって、内視鏡装着部材18と先端キャップ19とからなる先端ブロックが一体化されている。
先端硬質部2cにおける先端キャップ19の基端側位置にラジアル方向の走査面を有する超音波観測手段が装着されている。この超音波観測手段は、多数の超音波振動子21を円周方向に配列した超音波振動子アレイからなり、超音波振動子21は円周状若しくは円弧状(例えば270°程度)に配列されて、電子走査を行なうように構成したものである。このように配列した超音波振動子21の内周側には円筒形状に形成したバッキング層22が、また外周側には音響レンズ23が装着されており、これら多数の超音波振動子21とバッキング層22及び音響レンズ23により超音波送受信ユニット24が構成される。
各超音波振動子21はそれぞれ2個の電極25,26を有するものであり、一方の電極25は全ての(若しくは所定数毎の)超音波振動子21に共通の共通電極であり、また他方の電極26は各超音波振動子21に個別のものである。そして、これら超音波振動子21の個別電極26は、後述するように、フレキシブル基板28に形成した配線パターンと電気的に接続されることになる。また、所定数からなるケーブル27と個別電極26とはフレキシブル基板28を介してそれぞれ電気的に接続されている。一方、フレキシブル基板28と共通電極25からのケーブル27との接続は原理的には1本で良いものであり、図示は省略するが、このケーブル27の接続は超音波振動子21の先端側で行なうようにしている。
以上のように、超音波送受信ユニット24は概略円筒形状となっており、その内周面がトンネル状通路となっている。内視鏡観察手段を構成する各部材はこの超音波送受信ユニット24によるトンネル状通路の内部に挿通されて、この超音波送受信ユニット24より先端側に位置しており、先端キャップ19により覆われた内視鏡装着部材18に固定されている。そして、超音波送受信ユニット24の先端部はこの先端キャップ19の端面と当接しており、また基端側は連結部材30の端面と当接している。連結部材30は先端硬質部2cにおけるアングル部2bへの連結部を構成するものである。
さらに、連結部材30の内側には架橋部材31が設けられており、アングル部2bの構造体を構成するアングルリングにおける最先端リング32が連結部材30と架橋部材31とに連結されるようになっている。このために、連結部材30と架橋部材31との間は図示しない複数のねじにより連結されており、また最先端リング32は複数のねじ34により連結されている。
そして、架橋部材31は、先端硬質部2cの最も基端側に配置されている連結部材30と共にアングル部2bの最先端位置を構成する先端リング32とを連結する機能と、超音波送受信ユニット24を先端硬質部2cの軸線と直交する方向における位置規制を行なう機能と、内視鏡装着部18と先端キャップ19との結合体に対する連結機能とを発揮することになる。従って、この架橋部材31は高い強度を備える必要があり、また外部に露出しない部材であるから、ステンレス等の金属で形成される。そして、架橋部材31は、ねじ34等により連結部材30及びアングル部2bの最先端リング32に連結される部位は筒状部31aとなっているが、この筒状部31aには複数本の連結アーム31bが先端側に向けて延在されている。
そして、超音波送受信ユニット24は連結アーム31bに嵌合させることによって、その軸線と直交する方向の位置決めがなされる。また、各連結アーム31bの先端部と内視鏡装着部材18との間は図示しないねじで連結される。架橋部材31の筒状部31aの外周面には段差31cが形成されており、この段差31cより基端側が大径になっている。また、連結部材30の内周面にも段差30aが形成されて、この段差30aより基端側の内周面の直径が大きくなっている。この段差31cと30aとを接合させることにより超音波送受信ユニット24が先端キャップ19と連結部材30との間に挟持されるようになっている。そして、これら超音波送受信ユニット24の両端面と先端キャップ19の基端面及び連結部材30の先端面とを接着することによって、超音波送受信ユニット24の軸線方向の位置決め及び回転止めがなされ、もって超音波送受信ユニット24は所定位置に固定的に保持されることになる。なお、アングル部2bの外皮層36は連結部材30の基端側の外周面部にまで延在されており、この外皮層36の先端部は糸巻き及び接着剤からなる固着機構37によって、先端硬質部2cの連結部材30に固着されている。
そして、超音波送受信ユニット24を構成する各超音波振動子21からは体内に向けて超音波を送信し、体内における組織断層部からの反射エコーを受信するが、このように送受信される超音波の減衰を抑制するために、超音波送受信ユニット24の装着部を挟んだ前後の位置、つまり先端キャップ19と連結部材30との外周面には円環状凹溝40,40が設けられており、これら両円環状凹溝40、40間には、図2から明らかなように、超音波伝達媒体が封入されることにより膨出するバルーン41が装着されるようになっている。このバルーン41は筒状をした可撓膜41aからなり、この可撓膜41aの両端には円環状凹溝40に止着される止着リング41bが設けられており、これら止着リング41bは円環状凹溝40に対して締め付け力が作用するようにして止着される。また、連結部材30には、バルーン41の内部に超音波伝達媒体の給排を行なうための図示しない給排通路が穿設されており、この給排通路には後述する給排用チューブ48が接続されている。
以上のように構成される挿入部2の先端硬質部2cにおいて、観察窓11を構成する対物レンズ11aからの入射光は、リレーレンズ11cを経由して、プリズム11bに入射され、光路が90°折り曲げられて固体撮像素子13に入射される。そして、固体撮像素子13に入射された入射光は、電気信号に光電変換されて、所定のクロック信号に基づいて映像信号として、映像信号処理装置に送信される。
ところで、図4に示されるように、固体撮像素子13の軸線方向における位置は超音波振動子21の軸線方向の位置とオーバーラップしないように配置されている。すなわち、軸線方向において、固体撮像素子13の位置は超音波振動子21の位置から基端側に所定の距離だけ離間した位置に配置されている。ここで、固体撮像素子13においては、それから信号を読み出すためにクロックパルスが印加される。このクロックパルスは他の機器に対する電磁ノイズとして信号を劣化させる原因となる。ここで挿入部2に超音波振動子21が装着されているが、超音波振動子21は微弱信号が取り扱われることから、固体撮像素子13のクロック信号の影響を受けやすい。そこで、固体撮像素子13はもとより、この固体撮像素子13に接続される信号線も、超音波振動子21の裏側を通過しない構成を採ることにより、超音波信号にノイズが混入することを防止することができる。ここで、超音波振動子21からのケーブル27は、固体撮像素子13の近傍を通過するが、この部分において超音波振動子21に接続されるケーブル27は完全に電磁的にシールドすることができる。従って、超音波振動子21が生成する反射エコー信号に対してクロックノイズが混入することはない。
ここで、固体撮像素子13の軸線方向の位置を超音波振動子21よりも基端側に配置するために、観察部11の対物レンズ11aからの入射光は、リレーレンズ11cを経由してプリズム11bで90°折り曲げられて固体撮像素子13に入射させる構成を採っている。従って、超音波振動子21の裏側にリレーレンズ11cが配置され、このリレーレンズ11cは入射光を伝達しているが、リレーレンズ11cはあくまでも光を伝達するためのものであり、電気信号を伝達するものではない。従って、超音波振動子21の裏側(軸線方向にオーバーラップする位置)に配置されるものは、光を伝達するための部材であるため、固体撮像素子13(又は固体撮像素子13に接続される信号線やフレキシブル基板28)を配置するものと比較して、超音波振動子が生成する超音波診断画像にノイズ成分が混入することを防止することができる。
勿論、固体撮像素子13と超音波振動子21とが軸線方向においてオーバーラップしない位置に配置するという観点からは、固体撮像素子13を超音波振動子21よりも先端側に配置することも考えられる。しかし、かかる配置態様を採ると、結局、固体撮像素子13に接続される信号線が超音波振動子21の内側を通過することになるため、超音波振動子21にシールド部材を具備しない限り、超音波診断画像に対してクロックノイズを混入させる原因となる。また、固体撮像素子13を先端側に配置すると、先端硬質部2cの内部は高い充填率となり、従って対物レンズ11aと超音波振動子21とが軸方向に離れた位置に設けられる結果になる。しかし、一般的な超音波内視鏡では、前方を視野とする内視鏡観察手段で被験者の被観察体を観察した直後に、その被観察体に向けて側方から超音波を送信し、反射エコーを取得することにより、組織断層像を得ている。従って、内視鏡観察手段の対物レンズ11aと超音波振動子21とはできる限り近接したいという要請があるため、固体撮像素子13は超音波振動子21より軸線方向において基端側に配置されることが好ましい。
ところで、軸線方向において固体撮像素子13と超音波振動子21とがオーバーラップしない位置(好ましくは、固体撮像素子13が基端側)に配置することにより、挿入部2の先端硬質部2cの細径化という要求を充足することができる。すなわち、固体撮像素子13が径方向において超音波振動子21の内側に配置されると、超音波振動子21の厚みに加えて、固体撮像素子13およびプリズム11bのためにある程度の厚みが必要になる。さらに、上述したように、超音波振動子21に固体撮像素子13のクロックノイズの影響を及ぼさないために、両者をある程度離間した位置に設け、さらにシールド部材等を設けるとすると、細径化を図ることは難しくなる。
しかし、軸線方向にずらす構成を採ると、固体撮像素子13(プリズム11bを含む)と超音波振動子21とは径方向においてオーバーラップさせることができるため、その分、径を短くすることができる。さらに、固体撮像素子13と超音波振動子21とは離間した位置に配置されているため、超音波振動子21はノイズの影響を受けにくくなるため、シールド部材等を設ける必要がない。従って、先端硬質部2cの細径化という目的を達成することができる。
ところで、先端硬質部2cの細径化を図ることにより、被験者の苦痛の軽減及び挿入部2の操作性の向上等を図ることができるが、極端に先端硬質部2cを細径化すると、高精度な超音波診断画像を得ることができなくなることもある。すなわち、先端硬質部2cの外周に円弧状に超音波振動子21が配列されてラジアル方向に電子走査を行う場合、先端硬質部2cの先端部の径が極端に細くなると、超音波振動子21を配列するための表面積が少なくなり、解像度が悪化してしまう。さらに、超音波の進達度にも影響を及ぼすため、結果として、高精度な超音波診断画像を取得することができなくなる。
そこで、先端硬質部2cについて、ある程度の径を持たせておく場合は、上述したように、軸線方向においてオーバーラップしない位置に配置したため、径方向にある程度の余裕が生じ、充填率が高い先端硬質部2cに新たな有効空間が発生することになる。かかる空間の利用方法としては、例えば、処置具挿通チューブが接続される接続パイプ16の径を太くすることにより、処置具挿通の円滑性の向上を図ることができ、またライトガイド10bの径を太くすることもできる。ここで、ライトガイド10bの径を太くすると、極細い光学繊維をさらに多数束ねることができるため、より大きな照明光量を確保することができ、鮮明に被観察体の映像を取得することができる。さらに、この空間をバッキング層22のために活用することもできる。すなわち、バッキング層22に必要な厚みを持たせることができる。
以上説明したように、本発明は、軸線方向の固体撮像素子13の位置と超音波振動子21の位置とをオーバーラップしない位置、即ちずらした位置に配置することにより、固体撮像素子13と超音波振動子21とを離間した位置に配置することができるため、微弱信号を取り扱う超音波振動子21により生成される超音波診断画像に対して固体撮像素子13のクロックノイズが影響を及ぼすことを回避することができ、超音波信号の劣化を防止することができる。さらに、固体撮像素子13と超音波振動子21とをかかる配置態様としたことにより、径方向においては両者をオーバーラップさせることができるため、新たな有効空間が生じ、細径化を図ることもできれば、生じた空間を他の用途に使用することができ、設計の自由度も高くなる。
ところで、図5(図4のA−A断面図)に示されるように、円筒形状で構成されるバッキング層22の内周には、リレーレンズ11cの鏡筒12の他に、照明部10に導光するために配設されるライトガイド10b、接続パイプ16、給排用チューブ48、洗浄用流体供給チューブ49並びに連結アーム31bが挿通されている。これら種々の挿通部材は交換ないしは修理が行われるときに対象部材の挿脱が行われるが、そのときに各挿通部材のうち何れかの挿通部材が不均一な断面構造を有していると、挿通性が悪化し、メンテナンス性が低下する問題がある。そこで、各種挿通部材としては全て軸線方向に均一な断面構造を有するものを使用して、交換ないしは修理を行うときに容易に挿脱が可能な構成とすることが望ましい。
特に、バッキング層22は、固体撮像素子13を駆動させるときに生じる反射によるノイズを低減させるものであるため、厚いものが使用されるが、バッキング層22を厚くすると、それに伴ってバッキング層22の内側のスペースが少なくなり、当該部位における充填率が高くなり、上記挿通性の問題は顕著なものになる。
そこで、全ての挿通部材は断面が均一な円形の部材のものを使用することにより、上記各挿通部材を密に配置することが可能となり、何れかの挿通部材の挿脱も容易に行うことができる。さらにバッキング層22の配設位置は先端の硬質部分となっているため、充填率を極端に高めても格別の支障を来たすことはない。その他にも、超音波振動子21の先端側から配線を引き出すときには、引き出された配線をバッキング層22の内側を経由してケーブル27に接続させる必要があるが、上記構成を採ることにより、バッキング層22の内側の充填率が高い場合でも配線の挿入をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態では、固体撮像素子13は挿入部2の軸線方向に対して平行に配置する態様を例示して説明したが、これに限らず、固体撮像素子13を挿入部2の軸線方向に対して垂直に配置するものであってもよい。例えば、図5に示されるように、リレーレンズ11cから伝達された入射光は、プリズム11bで90°折り曲げられるのではなく、直接固体撮像素子13に入射される。従って、本実施形態と比較して、プリズム11bが不要であるため部品点数の削減ができ、またプリズム11bにおける光量ロスを防止することができる。
一方、固体撮像素子13を軸線方向に対して平行に配置する本実施形態に対して、垂直に配置する構成を採ると、太径化されることが考えられるが、径方向において固体撮像素子13と超音波振動子21とはオーバーラップすることができるため、太径化の問題を回避することができる。
また、本実施形態における鏡筒12の内部に配置されるリレーレンズ11cは、1つのレンズで構成されていてもよいし、複数のレンズで構成されていてもよい。ただし、1つのレンズでリレーレンズ11cを構成すると、レンズを透過する際に入射光が減衰し、十分な光量を固体撮像素子13に伝達できないおそれがある。従って、リレーレンズ11cを複数のレンズで構成し、各レンズ間に空気層を介在させることにより、光量の損失を防止し、十分な光量を固体撮像素子13に伝達させることができる。
また、本実施形態では、超音波振動子21の配線接続としてフレキシブル基板28を用いたものを例示して説明したが、勿論フレキシブル基板28を使用しないで、超音波振動子21を直接ケーブル27に接続するものにも適用することができる。
1 本体操作部 2 挿入部
2a 軟性部 2b アングル部
2c 先端硬質部 10 照明部
10a 照明用レンズ 10b ライトガイド
11 観察部 11a 対物レンズ
11b プリズム 11c リレーレンズ
12 鏡筒 13 固体撮像素子
13a 基板 18 内視鏡装着部材
19 先端キャップ 21 超音波振動子
22 バッキング層 23 音響レンズ
24 超音波送受信ユニット 27 ケーブル
2a 軟性部 2b アングル部
2c 先端硬質部 10 照明部
10a 照明用レンズ 10b ライトガイド
11 観察部 11a 対物レンズ
11b プリズム 11c リレーレンズ
12 鏡筒 13 固体撮像素子
13a 基板 18 内視鏡装着部材
19 先端キャップ 21 超音波振動子
22 バッキング層 23 音響レンズ
24 超音波送受信ユニット 27 ケーブル
Claims (3)
- 挿入部の先端硬質部に、その先端面に少なくとも照明部と観察部とを備えた内視鏡観察手段を装着し、この内視鏡観察手段の装着部の外周部に電子走査式の超音波観測手段を装着した超音波内視鏡において、
前記観察部を構成する対物レンズと、この対物レンズからの入射光を電気信号に変換する固体撮像素子との間に均等な円筒形状を有する鏡筒内にリレーレンズを設けて、前記リレーレンズを介して前記対物レンズからの入射光を前記固体撮像素子に入力させる構成となし、
前記固体撮像素子の前記挿入部の軸線方向における位置を、前記超音波観測手段を構成する超音波振動子とはオーバーラップしない位置に設けることを特徴とする超音波内視鏡。 - 前記固体撮像素子の前記軸線方向における位置は、前記超音波振動子よりも基端側に位置することを特徴とする請求項1記載の超音波内視鏡装置。
- 前記超音波振動子は、前記装着部の外周部に円弧状又は円周状に配設され、その内周には円筒形状となるように形成されたバッキング層が設けられ、前記リレーレンズの前記鏡筒は前記バッキング層とオーバーラップする範囲内に配置することを特徴とする請求項1記載の超音波内視鏡装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004350782A JP2006158481A (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | 超音波内視鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004350782A JP2006158481A (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | 超音波内視鏡 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006158481A true JP2006158481A (ja) | 2006-06-22 |
Family
ID=36661120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004350782A Pending JP2006158481A (ja) | 2004-12-03 | 2004-12-03 | 超音波内視鏡 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006158481A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109069123A (zh) * | 2016-03-14 | 2018-12-21 | 奥林巴斯株式会社 | 内窥镜 |
-
2004
- 2004-12-03 JP JP2004350782A patent/JP2006158481A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109069123A (zh) * | 2016-03-14 | 2018-12-21 | 奥林巴斯株式会社 | 内窥镜 |
CN109069123B (zh) * | 2016-03-14 | 2021-05-18 | 奥林巴斯株式会社 | 内窥镜 |
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