JP2006157437A - 映像信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】偽色の発生を軽減する。
【解決手段】CCD1の出力はデジタル信号に変換された後、偽信号低減回路4に供給される。偽信号低減回路4は、隣接画素の出力色成分同士の比較から、偽色を発生させる出力色成分を検出する。偽信号低減回路4は、偽出を発生させる出力色成分を検出すると、そのレベルを低くして出力する。これにより、信号処理回路5におけるマトリクス演算によっても、偽色は発生しない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、監視カメラ等のビデオカメラに好適な映像信号処理装置に関する。
近年、防犯用又は車載用等の監視カメラシステムとして用いられるビデオカメラ装置が普及している。このようなビデオカメラ装置においても、信号処理回路はデジタル化されるようになってきた。CCD等の撮像素子からの映像信号をデジタル信号に変換し、信号処理専用のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)ICによって、所定の画像信号処理を施すのである。DSPICの出力をアナログ信号に戻すことで、アナログディスプレイ装置において撮像画像を表示させることができる。
特開平7−298273号公報
ところで、単板式のカラービデオカメラにおいては、撮像素子の各画素毎に色が異なる所定の色配列のカラーフィルタを配置することで、各画素から各色成分の信号を得るようになっている。信号処理回路中のマトリクス回路によって、各色成分を分離することで、カラーの画像信号を得る。
ところで、一般的に、撮像素子は、入射光量が通常の場合と極めて大きい場合とでは出力特性が異なる。通常の入射光量の場合には、撮像素子の出力は入射光量に応じて線形に変化する。これに対し、入射光量が極めて大きくなると、撮像素子の出力は飽和し、入射光量の変化に対して出力は非線形に変化する。
例えば、所定の画素の入射光量は極めて大きく、この所定の画素に隣接する画素の入射光量は通常の光量であるものとする。この場合には、隣接する画素についての撮像素子の出力色成分は線形性を有するのに対し、所定の画素の出力色成分は飽和する。即ち、これらの2画素については色成分同士の線形性が崩れている。このような輝度レベルが飽和している画素をマトリクス演算に用いると、色の再現性が劣化し、偽色が発生する。
即ち、飽和領域の高輝度から通常の輝度に急峻に変化する場合において、通常の輝度部分の色を再現すると、実際の色とは異なる偽色が生じてしまう。なお、通常の輝度から飽和領域の高輝度に急峻に変化する場合に、輝度レベルが飽和している画素について色を再現するときにも色の再現性は劣化するが、飽和領域の高輝度では元々色を認識することができないので問題は生じない。
なお、特許文献1においては、最終ビデオ信号回路において、偽色が生じると予測される部分の色信号のゲイン(増幅率)を低減させることで、このような偽色を抑制する手法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、本来の色成分のレベルも低下してしまい、映像が不自然になるという欠点があった。また、一般的には、上述したように、ビデオ信号回路はIC化されており、ビデオ信号回路において偽色を軽減する場合には設計上の自由度が著しく制限される。
本発明は、認識可能な色成分を欠落させることなく偽色の発生を軽減することができる映像信号処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る映像信号処理装置は、被写体を撮影する撮像素子からの出力色成分が入力され、前記出力色成分のレベルによって偽色を発生させる出力色成分を検出する検出手段と、前記検出手段によって偽色を発生させる出力色成分であることが検出された場合には、前記偽色を発生させる出力色成分のレベルを低下させて出力する出力手段とを具備したものである。
本発明において、検出手段は出力色信号のレベルから、偽色を発生させる出力色成分を検出する。偽色を発生させる出力色成分であることが検出された場合には、出力手段は、偽色を発生させる出力色成分のレベルを低下させる。これにより、後段のマトリクス処理において偽色は生じなくなる。
本発明によれば、認識可能な色成分を欠落させることなく偽色の発生を軽減することができるという効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る映像信号処理装置が組み込まれたビデオカメラを示すブロック図である。また、図2は図1中の信号処理回路5の具体的な構成を示すブロック図であり、図3は図1中のCCD1において採用される色フィルタアレイの一例を示す説明図である。
CCD1は被写体からの光学像を光電変換し、各画素の色信号成分を出力する。CCD1は各画素に対応して所定の色配列の色フィルタアレイを有している。例えば、本実施の形態においては、色差順次方式の色フィルタアレイを採用する。
図3はこの色フィルタアレイを示している。図3の4×4の枠は、撮像面1aの4×4画素に対応している。各枠内のCy,Ye,G,Mgは、夫々各画素に対応した色フィルタアレイの色がシアン、イエロー、グリーン又はマゼンタであることを示している。図3の色差順次読出し方式の色フィルタアレイにおいては、フィールド読出しが行われる。即ち、A1フィールドにおいては、図3の第1,2行の画素同士の電荷の混合によって信号が得られる。同様に、Bフィールドにおいては、第2,3行の画素同士の電荷の混合によって信号が得られ、A2フィールドにおいては、第3,4行の画素同士の電荷の混合によって信号が得られる。
各画素の電荷は水平シフトレジスタに転送され、各フィールドの混合された信号は水平シフトレジスタ1bから列毎に出力される。例えば、A1ラインについては、(G+Cy),(Mg+Ye),(G+Cy),(Mg+Ye),…の順に信号が出力される。
CCD1の出力はCDS/AGC回路2に供給される。CDS/AGC回路2は、CCD出力信号を増幅した後、ダブルサンプリングしてホールドする。このCDS(相関二重サンプリング)処理によって、CCD1の出力信号に含まれるノイズが除去されて、S/N比を改善した信号が得られる。CDS処理された信号は、A/D変換器3に供給される。A/D変換器3は、入力された信号をデジタル信号に変換する。
本実施の形態においては、A/D変換器3の出力は、検出手段及び出力手段を構成する偽信号低減回路4を介して信号処理回路5に供給されるようになっている。信号処理回路5は、入力された信号から例えは輝度信号Y及び色信号(色差信号)Cを生成し、生成した輝度信号Y及び色信号Cに対して所定のデジタル画像処理を施す。例えば、信号処理回路5は、輝度信号Y及び色信号Cに対して、クランプ処理、ホワイトバランス処理、電子ズーム処理、ガンマ変換処理及び輪郭強調処理等の所定の信号処理を施す。
図3は信号処理回路5の一例を示している。信号処理回路5は、ローパスフィルタ(以下、LPFという)11、色分離マトリクス回路12及び画像処理部13によって構成される。LPF11及び色分離マトリクス回路12には偽信号低減回路5からの信号が入力される。LPF11は入力された信号の低域を通過させることで、輝度信号Yを分離する。色分離マトリクス回路12は、順次入力される色成分に対するマトリクス処理によって色信号(色差信号)Cを分離する。
即ち、上述したように、CCD1の水平シフトレジスタ1bからは、例えばA1ラインでは、(G+Cy),(Mg+Ye),(G+Cy),(Mg+Ye),…が順次出力され、A2ラインでは、(Mg+Cy),(G+Ye),(Mg+Cy),(G+Ye),…が順次出力される。色分離マトリクス回路12は、左右の画素電荷同士を加えることで輝度信号Yを得、両者を減算することで色信号(色差信号)Cを得るようになっている。
即ち、色分離マトリクス回路12は、下記(1)〜(3)式の演算に示す近似信号によって、輝度信号Y及び色信号Cを求める。
A1ラインの信号を用いて、
Y={(G+Cy)+(Mg+Ye)}×1/2
=1/2{2B+3G+2R} (1)
R−Y= {(Mg+Ye)−(G+Cy)}
={2R−G} (2)
A2ラインの信号を用いて
Y={(G+Ye)+(Mg+Cy)}×1/2
=1/2{2B+3G+2R} (1)
−(B−Y)={(G+Ye)−(Mg+Cy)}
=−{2B−G} (3)
つまり、色信号については、線順次でR−Y,−(B−Y)が交互に得られる。Bフィールドについても同様である。
本実施の形態においては、偽信号低減回路4によって補正した色成分を、信号処理回路5に与えるようになっている。偽信号低減回路4は、先ず偽色を発生させる色成分を検出する。偽色が目立つのは、上述したように、輝度レベルが入射光に対して非線形となる飽和領域又はその近傍領域(以下、非線形領域という)の画素と、通常輝度レベルの画素とが隣接する場合に生じる。そこで、偽信号低減回路4は、入力色成分のレベルが非線形領域のレベルであるか否かを検出すると共に、非線形領域のレベルの画素の近傍の画素が通常輝度レベルの画素である場合に、この通常輝度レベルの画素位置において偽色が発生するものと判断する。
更に、本実施の形態においては、偽色を発生させる色成分の判定を簡易化させ、色成分のレベルが非線形領域のレベルであるか否かを判定することなく、前後する画素同士の色成分のレベル変化の大小によって、偽色が発生する画素であるか否かの判定を行ってもよい。即ち、この場合には、偽信号低減回路4は、順次入力される色成分のレベルの変化を検出し、レベル変化が判定の基準値REFよりも大きい場合には、偽色が発生する画素であるものと判定するようになっている。
なお、複数の画素に基づく色成分を演算に用いることから偽色が発生するので、偽色が発生する画素である否かの判定に用いる色成分は、1画素隣りの隣接する画素とは限らず、演算に用いる画素の色成分間で判定を行えばよい。例えば、図3の色フィルタを採用する場合には、1画素おきに同一色成分が得られるので、1画素おきの色成分同士のレベル差を用いて偽色を発生させる画素であるか否かの判定を行えばよい。
偽信号低減回路4は、偽色を発生させる画素である判定結果を得た場合には、対象となった非線形領域のレベルの色成分を低減させて出力する。非線形領域のレベルの色成分は、高輝度であることから表示上は色は認識されにくく、色成分のレベルを多少低くしたとしても、表示上の影響は小さい。
また、偽信号低減回路4は、偽色を発生させる非線形領域のレベルの色成分については、判定の対象となった隣接画素との差分が判定の基準値REFよりも小さくなるレベルまで低くして出力するようにしてもよい。
また、更に、偽信号低減回路4は、偽色を発生させる非線形領域のレベルの色成分については、判定の対象となった隣接画素を用いた演算によってレベルを低下させてもよい。例えば、偽信号低減回路4は、下記(4)式に基づく演算によって、偽色を発生させる非線形領域のレベルの色成分の出力レベルを決定してもよい。なお、下記(4)式では、偽色を発生させる画素であるか否かの判定に用いた非線形領域のレベルの色成分の入力レベルをV3、隣接する判定対象の画素の色成分をV1とする。
出力レベル=(V3×3+V1)/4 (4)
上記(4)式は、例えば、非線形領域のレベルの色成分と隣接画素の色成分とを3対1の割合で加算して、非線形領域のレベルの色成分の出力レベルとするものであるが、加算比等はCCDの特性、回路のダイナミックレンジ等に応じて変更可能であり、また、他の演算方法を採用することも可能である。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図4乃至図6を参照して説明する。図4は偽色の発生領域を説明するための説明図であり、図5は偽色を発生させる色成分を説明するための説明図である。また、図6は本実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
CCD1は、被写体の光学像を光電変換して、各画素の色成分を順次出力する。上述したように、CCD1が図3の色フィルタを採用している場合には、図3の2行の画素同士の合成による出力が得られる。CCD1からの色成分は、CDS/AGC回路2に与えられる。CDS/AGC回路2は入力された色成分を増幅して出力する。CDS/AGC回路2の出力はA/D変換器3によってデジタル信号に変換された後、偽信号低減回路4に供給される。
いま、CCD1によって撮像した画像が図4に示すものであるものとする。図4の画像は、網線部が比較的低輝度の通常画像レベルの画像部分で、無地部が高輝度の非線形領域の画像部分である。図4の斜線部は、偽信号低減回路4を採用しない場合において、偽色が発生する領域を示している。この領域は非線形領域の画像がなければ、本来通常画像レベルの画像領域である。
図5は図4の非線形領域の画像部分から低輝度の画像部分への境界部分におけるCCD1の出力色成分を示している。図5(a)は非線形領域から通常レベルの画像へ変化する境界部分における連続する画素(色成分)V1〜V3を構成する色成分を示し、図5(b)は図5(a)の各画素V1〜V3の色成分のレベルを示している。
画素V3のレベルは非線形領域のレベルであり、画素V2,V1のレベルは通常画像のレベルである。偽信号低減回路4は、各画素の色成分のレベルを比較する。例えば、偽信号低減回路4は、図6のステップS1において、1画素おきの色成分のレベルを比較する。いま、判定の基準値REF<V3−V1であるものとする。この場合には、偽信号低減回路4は、ステップS2において、V3−V1が判定の基準値REFよりも大きいものと判定すると、画素V3の色成分として、上記(4)式に基づくレベルの信号を出力する(ステップS4)。
例えば、CCD1からの色成分のレベルを10ビットで表現するものとすると、CCD1の出力は0〜1023の値をとる。この場合においては、映像信号の出力の100IREは出力レンジ中の約400に相当する。このように場合において、例えば、判定の基準値REFとしては、十分に大きな値、例えば、300くらいに設定する。即ち、偽信号低減回路4は、2つの色成分の差が300を超える場合には、非線形領域の色成分を例えば上記(4)式に基づいて低減させて出力する。
例えば、V3=360、V1=50であるものとする。この場合には、V3として(360×3+50)/4=1130/4=282.5のレベルの信号を出力する。このレベルは、十分に高い輝度であると共に、線形領域内又はその近傍のレベルであることから、隣接画素との演算を行っても色再現性を損なうことがない。
なお、1画素おきの2つの画素の色成分のレベル差が判定の基準値REFよりも小さい場合には、偽信号低減回路4は、画素V3の色成分をそのままのレベルで出力させる(ステップS3)。
偽信号低減回路4の出力は信号処理回路5に与えられ、マトリクス処理されて輝度信号Y及び色信号(色差信号)Cが得られる。更に、輝度信号Y及び色信号Cには、所定の画像信号処理が施されて出力される。信号処理回路5のマトリクス演算においては、隣接画素同士の演算、例えば図3の色フィルタを用いた場合には1画素おきの出力に対する演算を行う。この場合でも、1画素おきの出力の差分は基準値REFよりも小さく、両者間の線形性は維持されているので、信号処理回路5の演算によって偽信号が発生することはない。
信号処理回路5の出力はD/A変換器6によってアナログ信号に変換されてビデオ出力として出力される。この出力がディスプレイ装置に与えられて、被写体の光学像に基づく画像が表示される。
このように本実施の形態においては、隣接する複数の画素のレベルの比較によって、偽色を発生させる非線形領域の画素であるか否かを判定し、偽色を発生させる非線形領域の画素についてはそのレベルを低減させることによって、偽色の発生を軽減している。通常のレベルの画素については、レベルが補正されることはなく、認識される色の情報が欠落することなく、偽色の発生を軽減することができる。
本発明の一実施の形態に係る映像信号処理装置が組み込まれたビデオカメラを示すブロック図。 図1中の信号処理回路5の具体的な構成を示すブロック図。 図1中のCCD1において採用される色フィルタアレイの一例を示す説明図。 偽色の発生領域を説明するための説明図。 偽色を発生させる色成分を説明するための説明図。 本実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
符号の説明
1…CCD、2…CDS/AGC回路、3…A/D変換器、4…偽信号低減回路、5…信号処理回路、6…D/A変換器。
代理人 弁理士 伊 藤 進

Claims (4)

  1. 被写体を撮影する撮像素子からの出力色成分が入力され、前記出力色成分のレベルによって偽色を発生させる出力色成分を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって偽色を発生させる出力色成分であることが検出された場合には、前記偽色を発生させる出力色成分のレベルを低下させて出力する出力手段とを具備したことを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 前記検出手段は、前記出力色成分のレベルを検出するレベル検出手段と、
    前記出力色成分から色信号への変換のためのマトリクス演算に用いる画素同士について前記レベル検出手段の検出結果を比較する比較手段と、
    前記比較手段における比較結果が所定の基準値を超えた場合に前記偽色を発生させる出力色成分であるものと判定する判定手段とを具備したことを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。
  3. 前記出力手段は、前記偽色を発生させる出力色成分のレベルを前記撮像素子の線形領域まで低減させることを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。
  4. 前記出力手段は、前記出力色成分から色信号への変換のためのマトリクス演算に用いる複数の画素の出力色成分同士の演算によって、前記偽色を発生させる出力色成分のレベルを低下させることを特徴とする請求項1に記載の映像信号処理装置。
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