JP2006156264A - ハイブリッド電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】
モバイル型PCやPDAに搭載される電池の寿命は極めて短い。長時間の電力を供給する各種電池の検討は緒についたばかりであり、その為の技術的コンセプトの確立が必要とされている。本発明は、新たな視点から、その解決の方法を提供する。
【解決手段】
主としてアルミニウム粉末で構成する陰極層(2)と、主として炭素粉末で構成する陽極層(3)と、電解液を浸漬させたセパレータ(1)とで、本発明の提案するハイブリッド電池は図2の様に構成する。発電とともに水素を発生できるので、固体高分子形燃料電池と併用する事により、モバイル型PCやPDA用の長時間使用に耐える経済的で環境負荷の小さいモバイル用ハイブリッド電池が実現化できる。
【選択図】図2
モバイル型PCやPDAに搭載される電池の寿命は極めて短い。長時間の電力を供給する各種電池の検討は緒についたばかりであり、その為の技術的コンセプトの確立が必要とされている。本発明は、新たな視点から、その解決の方法を提供する。
【解決手段】
主としてアルミニウム粉末で構成する陰極層(2)と、主として炭素粉末で構成する陽極層(3)と、電解液を浸漬させたセパレータ(1)とで、本発明の提案するハイブリッド電池は図2の様に構成する。発電とともに水素を発生できるので、固体高分子形燃料電池と併用する事により、モバイル型PCやPDA用の長時間使用に耐える経済的で環境負荷の小さいモバイル用ハイブリッド電池が実現化できる。
【選択図】図2
Description
本発明はアルミニュウムと炭素で構成された水素発生機能を有するハイブリッド電池に関する。
現用のLiイオン型の2次電池ではモバイル型PCやPDA用のバッテリー寿命が充分でない。
これを改善する目的で、各種のマイクロ燃料電池が研究開発せれ、マイクロ燃料電池を搭載したバッテリー寿命の長いモバイル型PCやPDAが2005年には登場すると予測されている。
メタノールを燃料として直接用いる燃料電池、ダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)は、現在の主流となっている固体高分子燃料電池(PEFC)に比べ、システムが格段に簡素化できる事から、マイクロ燃料電池としての適用が期待され、実用化に向けての凌ぎが削られているが、メタノールの毒性、引火性等の問題が指摘されている。
水素燃料電池車用に高度にシステム化されているPEFCをモバイル型PCやPDA用マイクロ燃料電池に適用する事も検討されているが、PEFCに水素供給する水素改質装置または水素ボンベの併設が不可欠となりこの点に課題が残されている。
モバイル型PCやPDAに長時間の電力を供給する各種の検討は緒についたばかりであり、その為の技術的コンセプトの確立が必要とされている。
電機学会編集,燃料電池の技術、オーム社
電機学会編集,燃料電池の技術、オーム社
マイクロ燃料電池として期待されているDMFCには、次の課題がある。
(1)メタノールは熱力学的には水素と同程度に酸化され易い分子であり、PDFC同等の電圧の得られる事が期待されている。しかし、メタノール酸化の過程で生成するCOが電極の表面に吸着され反応を阻害する。COの酸化を強力に促進する触媒の開発が必要である。
(2)メタノールが透過しにくい電解質膜の開発が必要である。
(3)モバイル型PCやPDAが電源オンで即稼動させる為には、一時的に電気を貯蔵させておく、キャパシタ等の蓄電装置の併用が必要である。
(1)メタノールは熱力学的には水素と同程度に酸化され易い分子であり、PDFC同等の電圧の得られる事が期待されている。しかし、メタノール酸化の過程で生成するCOが電極の表面に吸着され反応を阻害する。COの酸化を強力に促進する触媒の開発が必要である。
(2)メタノールが透過しにくい電解質膜の開発が必要である。
(3)モバイル型PCやPDAが電源オンで即稼動させる為には、一時的に電気を貯蔵させておく、キャパシタ等の蓄電装置の併用が必要である。
PEFCをマイクロ燃料電池として適用するには、小型の可搬型の水素貯蔵ボンベあるいは水素改質装置の開発が必要となる。十分な量の水素の発生能力を有しかつ可搬可能な程度に小型なボンベまたは改質装置の実用化には課題が山積している。
本発明が提供するハイブリッド電池は水素発生機能を有するアルミニウム−炭素系電池で、モバイル型PCやPDA用マイクロ燃料電池が抱える課題を一気に解消できる。
本発明の提供するハイブリッド電池は、モバイル型PCやPDA用のマイクロ燃料電池と組み合わせて活用する事によって、その機能が最大限に発揮できる。
本発明のハイブリッド電池と組見あわせて効果を発揮するマイクロ燃料電池は、PEFCである。
本発明の提案するハイブリッド電池から発生する水素がPEFCタイプのマイクロ燃料電池の水素源となる。
併せて、本発明のハイブリッド電池の電池としての機能が、モバイル型PCやPDAの初期の立ち上がり電力を即時に供給できるので、マイクロ燃料電池に共通して必要とされるキャパシタ等の蓄電装置が不要となる。
さらに本発明の提案するハイブリッド電池の供給電力により、マイクロ燃料電池に要求される発電能力を必要最低限に抑える事が出来るので、マイクロ燃料電池がさらに小型化できる。
以上の機能を有する本発明の提案するハイブリッド電池の構成内容について以下に説明する。
(図1)に本発明の提供するハイブリッド電池の単位セルの構造を示した。単位セルはアルミニウム(形状を問わない)(2)、炭素(形状を問わない)(3)および電解水を含有するシート(1)で構成する。
例えば、アルミニウムは粉体としてアルミニウム金属部品の切削加工で排出する切削粉、品位の高いドロス等で構成する事ができる。アルミニウムの代わりに、マグネシュウムあるいは鉄カーバイトなどのイオン化傾向の強い金属、化合物を用いることが出来るのは言うまでもない。
炭素は備長炭、活性炭の他RDF炭化物が有望である。水素は炭素内部に多孔質表面から発生するので、被表面積が大きければ大きいほど効果的である。シリカゲルも可能である。被表面積が大きいと、分極することなく電子が受け渡されて大きな電流を形成できる。なお、分極を防止するには過酸化水素水(オキシドール)の添加が効果的である。
シートに含有させる電解液は、食塩水、苛性ソーダ水、水酸化カリウム水、珪酸ソーダ水、炭酸カルシウム水などである。
陰極を構成する例えば、粉体アルミニウムで構成した層(2)に、シート(1)に浸漬された電解水が浸透すると、アルミニウムが電解液中に溶出する。この時の反応は
Al⇒Al3++3e−で表記される。
Al⇒Al3++3e−で表記される。
(図2)の様に、本発明のハイブリッド電池を構成すると、陰極(2)で生成した、電子は第Nセルの例えば、粉体炭素で構成した陽極層(3)に移動し、陽極層では炭素粉体を介して、電解水中の水素イオンを酸化して、2H++2e− ⇒H2 の反応により水素を発生する。
この一連の反応において、アルミニウム1グラムで発生する電力値は218Whで、16V×4Aのパソコンを理論計算では3.4時間稼動させる事ができる。
同時に発生する4リットルの水素をPEFCに供給する事によりPEFCで出力される電力値は260Whで、同パソコンを4時間稼動する事ができる。
本発明の提案するハイブリッド電池とPEFCとを併用する事により、1グラムのアルミニウムにより、16V×4Aパソコンを7時間稼動できる。
単位セルから出力する電圧は理論的には、1.662Vであるが、実際には不可逆損失の為、備長炭・活性炭電池では出力電圧は0.7V程度となる。電流値は100mA以上である。したがって、パソコン用の16V出力を確保するには、23個のセルを直列に配置したハイブリッド電池を構成する事になる。
本発明の提案するハイブリッド電池の陰極を形成するアルミニウムは粉体形態での使用が好ましい。
空孔率50%でアルミニウム粉体陰極を形成した場合、1cm3の重量は1.35グラムである。1グラム当りの体積は0.74cm3となる。このアルミニウムと等価で反応する水は2グラムで体積は2cm3となる。炭素体積はアルミニウム体積と同等で可である。
アルミニウム粉体1グラムで構成するハイブリット電池の体積は3.5cm3となる。これを23等分に分割して23個のセルを構成すると、16Vの電圧が確保できる。
2グラムのアルミニウム粉体を用いると16V×4Aのパソコンを14時間稼動でき、その際のハイブリット電池の体積は最小限7cm3となる。ハイブリット電池のケース内に設ける水素流通用空間を見込んで、ハイブリット電池の体積は9cm3以下となる。
発電した電力と、同時に発生する水素をマイクロ燃料電池(PEFC)に供給する事により得られる電力とで、本発明の提案するハイブリット電池は、16V×4Aのパソコンを14時間稼動でき、その体積は9cm3となり、モバイル型PCやPDAが抱える課題が一気に解消できる。
本発明の提案するハイブリット電池は、モバイル型PCやPDAに設置する事によ りその機能を最大に発揮できる。従来のリチウムイオン系の二次電池に比較して、長時間稼動ができるとともに軽薄短小化が達成できる。
本発明の提案するハイブリット電池は、脱着自在のカセットタイプで構成されている。使用済電池は、水酸化アルミ、炭素と若干の電解成分で構成されているので、廃棄時の環境への負荷は非常に小さく、また、再資源化は可能である。
また、モバイル型PCやPDA用だけでなく、PEFCに水素補給の為の水素供給装置としても活用できる。すなわち、燃料電池車に搭載できる電池機能を有する水素発生装置としても、定置型PEFCに対しても同様に使用できる。
(図2)に示す概要図で構成した本発明のハイブリット電池の機能を測定した。結果を(表1)に示した。なお、生成水素量は水素放出口(5)からの放出量で求めた。
単位セルの個数およびアルミニウム粉末量を変化させ、本発明のハイブリッド電池の起電力および発生水素量とを測定した。なお、電解液量はアルミニウム粉末量と等価に反応する量とした。
(表1)に見られる様に、本発明の提案するハイブリッド電池は発電機能を有するとともに水素発生機能を有する事が明らかである。
本発明の提案するハイブリッド電池は、発電能力と水素発生能力とを併せて保有している。この様な機能を有効活用したハイブリット電池は斯界で類をみない。
モバイル型PCやPDAの電池として、マイクロ燃料電池と併用使用する事によって、同PCおよびPDAの電源寿命が大幅に長寿命化できる。
高度にシステム化している、水素燃料電池車の水素供給装置としても有効活用できる。現状、水素はボンベに充填して車に搭載しているが、本発明の提案するハイブリッド電池により、水素の搭載は不要になる。
さらに、本発明の提案するハイブリッド電池の発電機能により、燃料電池車に必然的に搭載されている各種の蓄電が不要となる効果は大きい。
家庭用のコゼネ用にも活用できる。本発明の提案するハイブリッド電池は有害金属を含有していない点で、従来の電池と全く異なると共に、その維持費は低廉な為、家庭用に広く活用される可能性が高い。
1.電解水を浸漬させたシート(セパレータ)
2.粉体アルミニウムで構成した層(陰極)
3.粉体炭素で構成した層(陽極)
4.水素放出部
5.水素放出口
6.電力出力端子
7.ハイブリッド電池の外装ケース
2.粉体アルミニウムで構成した層(陰極)
3.粉体炭素で構成した層(陽極)
4.水素放出部
5.水素放出口
6.電力出力端子
7.ハイブリッド電池の外装ケース
Claims (4)
- 主としてアルミニウム(形状を問わない)から構成される層と、主として炭素(形状を問わない)から構成される層とを電解液を含有する多孔質シートで分離した積層構造を有する構造体であって、アルミニウム層を陰極とし、炭素層を陽極とした発電機能を有すると共に炭素層から水素を生成する事を特徴とするハイブリッド電池。
- 請求項1において、陰極層はアルミニウム金属部品の切削加工で排出する切削屑類、品位の高いドロス、マグネシュウムあるいは鉄カーバイトなどのイオン化傾向の強い金属、化合物で構成し、陽極層は備長炭、活性炭、RDF炭化物あるいはシリカゲルで構成するとともに、シートに含有させる電解液を、食塩水、苛性ソーダ水、珪酸ソーダ水、炭酸カルシウム水あるいは水酸化カリウム水で構成する事を特徴とするハイブリッド電池。
- 請求項1〜2において、分極を防止する目的で、過酸化水素水を添加する事を特徴とするハイブリッド電池。
- 発生する水素を固体高分子形燃料電池に供給すると共に発電電力を固体高分子形燃料電池発電機能の補完手段として活用する目的で、請求項1〜3におけるハイブリッド電池を組み込んだ事を特徴とする電力供給システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004347988A JP2006156264A (ja) | 2004-12-01 | 2004-12-01 | ハイブリッド電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004347988A JP2006156264A (ja) | 2004-12-01 | 2004-12-01 | ハイブリッド電池 |
Publications (1)
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JP2006156264A true JP2006156264A (ja) | 2006-06-15 |
Family
ID=36634264
Family Applications (1)
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JP2004347988A Pending JP2006156264A (ja) | 2004-12-01 | 2004-12-01 | ハイブリッド電池 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006156264A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101015698B1 (ko) | 2007-06-04 | 2011-02-22 | 이-추안 린 | 분말형 연료 전지 |
WO2011132326A1 (ja) * | 2010-04-21 | 2011-10-27 | 株式会社大成化研 | 二次電池 |
-
2004
- 2004-12-01 JP JP2004347988A patent/JP2006156264A/ja active Pending
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