JP2006154776A - 弦楽器保護カバー - Google Patents

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Abstract

【課題】 バイオリン等の弦楽器の特に手指及び腕などが当たる特定の個所等を、傷、汗等から保護するための弦楽器保護カバーを提供する。
【解決手段】 本発明の弦楽器保護カバー1は、コーナー部を有する弦楽器(バイオリン等)のネック側コーナー部とネック部との間に位置する横板を覆うカバー部材11(鹿革等)を備え、着脱可能である。本発明の他の弦楽器保護カバーは、コーナー部を有する弦楽器の2箇所のテール側コーナー部の間に位置する横板を覆うカバー部材を備え、着脱可能である。本発明の更に他の弦楽器保護カバーは、コーナー部を有する弦楽器の裏板のうちのネック部の基端寄りの部分を覆うカバー部材を備え、弦楽器に着脱可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弦楽器保護カバーに関する。更に詳しくは、本発明は、コーナー部を有する弦楽器の演奏(個人の練習及び演奏会等)をする際に、特に、ハイポジションを用いるとき、手のひら、腕、腕時計及び衣服、装身具等により楽器を傷付けたり、汗により楽器の塗装を変色させたり、変質させたりすることを防止する弦楽器保護カバーに関する。また、演奏の合間等に楽器を持ち運んだりする際に、椅子、譜面台等の周辺の物品と接触させたりして楽器を傷付けることを防止するための弦楽器保護カバーに関する。更に、特に、チェロ、コントラバス等の大型の楽器では、演奏前、演奏の合間及び弦の交換時等に、横置き等にされることが多いが、そのようなときに楽器に傷が付くことを防止するための弦楽器保護カバーに関する。
本発明は、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス等のコーナー部を有する弦楽器の保護に用いることができる。
弦楽器の演奏をする際に、手のひら及び腕等が楽器に触れることがあり、楽器の種類によっては、腕時計、衣服のボタン、ファスナー、アクセサリー等により楽器の表面を傷付けることがある。また、演奏時の発汗により楽器の表面に施された塗装が変色したり、変質したりすることもある。更に、演奏が繰り返されることにより、汗等の影響で楽器の表板と横板及び横板と裏板との間の接着が不十分になり、表板と横板、横板と裏板とが剥離したり、音色が変化したりすることもある。このような楽器の損傷、変色及び剥離等を防止し、楽器に塗装されたオリジナルのニスを可能な限り長期間残すため、従来から、楽器の傷付き易い個所、及び変色し易い個所等にハンカチなどを当てて演奏することが行われている。また、演奏の合間等に楽器をケースに収納せずに持ち歩いたりすることもあり、その際に、椅子、譜面台等の周辺の物品と接触させて傷付けてしまうことがある。しかし、このような傷付きに対しては十分な対策がとられていないのが実情である。
更に、エレキギターのように、演奏者が吊りベルトにより肩に掛け、腰のあたりに保持して演奏する楽器では、衣服のボタン、ベルトのバックル等により楽器の裏面を傷付け易い。そのため、樹脂及びゴム等からなる柔軟なシート材に吸盤が配設されたギター保護具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、クラシックギターを演奏する際、裏面及び右腕が乗せられる上部側面を覆い、衣服のボタン、アクセサリー等により特に裏面が傷付いたり、汗により上部側面等が変色したりすることを防止し、且つ楽器の外観が損なわれることもない特定の構造のギター保護カバーが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−123406号公報 特開2001−306063号公報
上記の特許文献1に記載された保護具及び特許文献2に記載された保護カバー等は、いずれもギターの特に裏面等を保護するものであり、この特定の用途においては楽器保護の作用、効果が奏される。しかし、形状、寸法及び演奏姿勢の異なるバイオリン、チェロ等において用いることはできない。
本発明は、上記の従来の状況に鑑みてなされたものであり、バイオリン等のコーナー部を有する弦楽器の傷が付いたり、変色したりし易い特定の個所を、傷、汗等から保護し、更には演奏の合間に持ち歩いたりする際に、他の物品と接触させる等により傷付けてしまうことを防止するための弦楽器保護カバーを提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.コーナー部を有する弦楽器のネック側コーナー部とネック部との間に位置する横板を覆うカバー部材を備え、該弦楽器に着脱可能であることを特徴とする弦楽器保護カバー。
2.上記カバー部材は、更に表板の端縁部及び裏板の端縁部のうちの少なくとも一方を覆う上記1.に記載の弦楽器保護カバー。
3.更に係止手段を備え、上記カバー部材は、該係止手段にて上記ネック側コーナー部及び上記ネック部のうちの少なくとも一方に係止される上記1.又は2.に記載の弦楽器保護カバー。
4.上記係止手段が係止用紐である上記3.に記載の弦楽器保護カバー。
5.コーナー部を有する弦楽器の2箇所のテール側コーナー部の間に位置する横板を覆うカバー部材を備え、該弦楽器に着脱可能であることを特徴とする弦楽器保護カバー。
6.上記カバー部材は、更に表板の端縁部及び裏板の端縁部のうちの少なくとも一方を覆う上記5.に記載の弦楽器保護カバー。
7.更に係止手段を備え、上記カバー部材は、該係止手段にて上記2箇所のテール側コーナー部のうちの少なくとも一方に係止される上記5.又は6.に記載の弦楽器保護カバー。
8.上記係止手段が係止用紐である上記7.に記載の弦楽器保護カバー。
9.コーナー部を有する弦楽器の裏板のうちの少なくともネック部の基端寄りの部分を覆うカバー部材を備え、該弦楽器に着脱可能であることを特徴とする弦楽器保護カバー。
10.上記カバー部材は、更に横板の少なくとも端縁部を覆う上記9.に記載の弦楽器保護カバー。
11.更に係止手段を備え、上記カバー部材は、該係止手段にて上記ネック部に係止される上記9.又は10.に記載の弦楽器保護カバー。
12.上記係止手段が係止用紐である上記11.に記載の弦楽器保護カバー。
ネック側コーナー部とネック部との間に位置する横板を覆うカバー部材を備える本発明の弦楽器保護カバーによれば、特に、ハイポジションを演奏する際に、手のひら、腕及び衣服、装身具等が触れ易い特定の個所、及び弦楽器を、演奏の合間等に持ち運んだりする際に他物品と接触させ易い特定の個所に弦楽器保護カバーを装着することで、他物品との接触等により楽器を傷付けること、及び汗の付着等による楽器の塗装の変色、変質などを防止することができる。この弦楽器保護カバーは楽器への装着及び楽器からの取り外しが容易であり、且つ小型、軽量で持ち運び等も便利である。
カバー部材が、更に表板の端縁部及び裏板の端縁部のうちの少なくとも一方を覆う場合は、表板の端縁部及び裏板の端縁部をも保護することができる。
更に係止手段を備え、カバー部材が、係止手段にてネック側コーナー部及びネック部のうちの少なくとも一方に係止される場合は、保護カバーを楽器に確実に係止することができる。
2箇所のテール側コーナー部の間に位置する横板を覆うカバー部材を備える本発明の他の弦楽器保護カバーによれば、弦楽器を、演奏の合間等に持ち運んだりする際に他物品と接触させ易い特定の個所に弦楽器保護カバーを装着することで、楽器を傷付けることなどを防止することができる。この弦楽器保護カバーは楽器への装着及び楽器からの取り外しが容易であり、且つ小型、軽量で持ち運び等も便利である。
カバー部材が、更に表板の端縁部及び裏板の端縁部のうちの少なくとも一方を覆う場合は、表板の端縁部及び裏板の端縁部をも保護することができる。
更に係止手段を備え、カバー部材が、係止手段にて2箇所のテール側コーナー部のうちの少なくとも一方に係止される場合は、保護カバーを楽器に確実に係止することができる。
裏板のうちの少なくともネック部の基端寄りの部分を覆うカバー部材を備える本発明の更に他の弦楽器保護カバーによれば、特にチェロ、コントラバス等の場合に装飾品などにより裏板を傷付けることを防止することができる。
カバー部材が、更に横板の少なくとも端縁部を覆う場合は、横板の端縁部をも保護することができる。
更に係止手段を備え、カバー部材が、係止手段にてネック部に係止される場合は、保護カバーを楽器に確実に係止することができる。
係止手段が係止用紐である場合は、ネック部への脱着が容易である。
以下、例えば、図1〜24を用いて本発明を詳しく説明する。
[1]弦楽器保護カバー
上記「弦楽器2」(例えば、図16〜23におけるバイオリン及び図24におけるチェロ)は、2箇所のネック側コーナー部211、212及び2箇所のテール側コーナー部213、214を有し、図1〜15の弦楽器保護カバー1(以下、「保護カバー」ということもある。)を装着することができるものであれば特に限定されない。これらの4箇所のコーナー部211、212、213、214を有する弦楽器2としては、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、ビオラ・ダモーレ、ビオラ・ダ・ガンバ、ガルドン、オクトバス、エレキバイオリン(例えば、ヤマハ社製、商品名「ヤマハサイレントバイオリンSV−120、SV−200」等)、エレキビオラ(例えば、ヤマハ社製、商品名「ヤマハサイレントビオラSVV−200」等)、エレキチェロ(例えば、ヤマハ社製、商品名「ヤマハサイレントチェロSVC−50、SVC−100S、SVC−200」等)、エレキコントラバス(例えば、ヤマハ社製、商品名「ヤマハサイレントコントラバスSLB−100、SLB−200」等)などが挙げられる。
弦楽器2は、ネック部11と、2箇所のネック側コーナー部211、212と、2箇所のテール側コーナー部213,214とを備える。本発明の保護カバー1は、2箇所のネック側コーナー部のうちの少なくとも一方とネック部との間に位置する横板を覆うカバー部材11を備える。また、本発明の他の保護カバー1は、2箇所のテール側コーナー部の間に位置する横板を覆うカバー部材11を備える。更に、本発明の更に他の保護カバー1は、裏板のうちの少なくともネック部の基端寄りの部分を覆うカバー部材11を備える。
尚、「覆う」というのは、楽器の所定箇所に配設されているという意味であり、通常、楽器とカバー部材とが密着している部分もあるし、カバー部材と楽器の表面とが離間している部分もある。
弦楽器保護カバー1は、上記「カバー部材11」が、本発明及び本発明の他の保護カバー1では、弦楽器2の横板24、本発明の更に他の保護カバー1では、弦楽器2の裏板26を覆う状態で用いられる。更に、本発明及び本発明の他の保護カバー1では、横板24の他に、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261を覆う状態で用いられることが好ましい。本発明の更に他の保護カバー1では、裏板26の他に、横板24の端縁部を覆う状態で用いられることが好ましい。これにより、楽器が傷付いたり、変色したりすることが防止される。そのため、覆っている面に密着し、ずれたりしないことが好ましく、ずれた場合に楽器の表面を傷付けることがないように柔軟なカバー部材であることが好ましい。また、本発明の保護カバー1では、このカバー部材の表面を演奏者の手のひら及び腕等が緩やかに又は急速に、強く又は弱く、変化しながら触れ、且つ擦ることもある。従って、特に、本発明の保護カバー1では、カバー部材は、手のひら及び腕等の滑らかな動きなどが妨げられることのない滑り易い材質からなることが好ましい。
カバー部材は上記のような特性を有しておればよく、このカバー部材の材質は特に限定されないが、布、天然皮革、合成皮革及び合成樹脂等を用いることができる。布としては、織物、フェルト及び不織布等が挙げられる。これらの布を構成する糸類は天然繊維からなる糸類でもよく、人造繊維からなる糸類でもよい。天然繊維としては、綿、羊毛、麻及び生糸等が挙げられる。また、人造繊維としては、レーヨン、スフ等の再生繊維、及びポリアミド、ポリエステル等の合成繊維などが挙げられる。この布としては、細い糸からなる繊維を用いた柔軟なものを用いることが好ましい。更に、天然皮革としては、鹿、羊、山羊及び牛等の皮革が挙げられる。合成皮革としては、ポリ塩化ビニル等からなる合成皮革が挙げられる。また、合成樹脂としては、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びポリアミド樹脂等が挙げられる。これらのカバー部材のうちでは、天然皮革が好ましく、柔軟な鹿革であるセーム皮、鹿革の表面を毛羽立てたバックスキン、山羊革及び牛革等の表面を毛羽立てたスェードなどが特に好ましい。また、セーム皮、バックスキン、スェード等と外観、風合いが類似した合成皮革も好ましい。
更に、カバー部材は演奏時の汗により楽器の塗装が変色及び変質することのないように防水性を有していることが好ましい。カバー部材が合成樹脂のように十分な防水性を有する材質からなる場合は、そのまま用いることができるが、防水性が不十分であるときは、防水性を付与することができる。防水性を付与する方法は特に限定されないが、例えば、カバー部材の全面に合成樹脂を含浸させることで防水性を付与することができる。合成樹脂は、この合成樹脂を有機溶剤に溶解させた溶液、及び合成樹脂を水等に分散させた分散液などにカバー部材を浸漬し、又はこの溶液及び分散液などをカバー部材に塗布し、その後、乾燥させて有機溶媒及び水等を除去することによりカバー部材に含浸させることができる。
カバー部材には、合成樹脂からなるフィルムを貼着する等の方法により防水性を付与することもできる。貼着の方法は特に限定されず、接着剤により接合してもよく、フィルムを加熱して軟化させ、このフィルムとカバー部材とを押圧することにより貼着してもよい。このフィルムは、カバー部材の外側となる面に貼着してもよく、2枚の布等の間にフィルムを介在させる形態で貼着してもよい。合成樹脂としては特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド及びポリ塩化ビニル等が挙げられる。
布は一般に防水性が高くないため、カバー部材が布からなるときは、上記のようにして防水性を付与することができる。一方、カバー部材が天然皮革、合成皮革及び合成樹脂からなるときは、通常、特別な処理等をしなくても十分な防水性を有している。
また、カバー部材は、楽器を覆っている面において容易に滑らないことが好ましい。カバー部材そのものが十分な滑り防止性を有している場合は、そのまま用いることができるが、滑り防止性が不十分であるときは、カバー部材に滑り防止性を付与することができる。滑り防止性を付与する方法は特に限定されず、ゴム等からなる摩擦係数の大きいフィルムを滑り防止部材としてカバー部材の楽器側の内面側に貼着する等の方法により滑り防止性を付与することができる。更に、この滑り防止部材は必ずしもカバー部材に貼着されている必要はなく、カバー部材と楽器との間に介装させて用いることもできる。取り扱い易さ等を考慮すれば、滑り防止部材をカバー部材に貼着する方法が好ましい。
滑り防止性は、カバー部材の楽器側の内面側に、ゴム等からなる複数の突起物を配設することで付与することもできる。この突起物の形状は特に限定されず、円柱、三角柱及び四角柱等の角柱、並びに円錐、三角錐及び四角錐等の角錐などとすることができ、これらが混在していてもよい。また、突起物の寸法も特に限定されず、楽器の種類等によって適宜の寸法とすることができる。この寸法は、例えば、楽器と接触する面における最大径を1〜10mm、特に2〜8mm、更に3〜7mm、高さを1〜5mm、特に1〜3mmとすることができ、楽器の大きさ、即ち、カバー部材の大きさ等により設定することが好ましい。更に、突起物の個数も特に限定されず、楽器の種類、突起物の寸法等によって適宜の個数とすることができる。この個数は、例えば、4〜200個、特に20〜100個とすることができる。
突起物としては、寸法の大きい突起物を少数配設するよりも、寸法の小さい突起物を多数配設することが好ましい。更に、突起物はカバー部材の全面に均等に配設することが好ましく、突起物が均等に配設されておれば、カバー部材全体の滑りをより確実に防止することができる。ゴムとしては特に限定されず、アクリルゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム及びブタジエンゴム等を用いることができる。
布及び合成樹脂は一般に滑り易いため、カバー部材が布及び合成樹脂からなるときは、上記のようにして滑り防止性を付与することが好ましい。一方、カバー部材が天然皮革又は合成皮革からなるときは、通常、特別な処理等をしなくても十分な滑り防止性を有している。
カバー部材11は弦楽器2に脱着可能である。例えば、カバー部材が前記の合成樹脂からなる成形品等であるときは、このカバー部材そのものが有する弾性により弦楽器の胴部を挟持する形態とすることにより装着することができ、且つ取り外しも容易である。この場合、カバー部材と弦楽器の表板及び裏板との間が滑り易いときは、カバー部材と表板及び裏板とが相対する内面側に、例えば、上記のゴム等からなる滑り防止部材を貼着することが好ましい。また、楽器に傷が付くことを防止するため、カバー部材の内面に柔軟な布等を貼着することもできる。このカバー部材の厚さは限定されず、演奏の際に邪魔にならず、脱着時の取り扱い等が容易であればよい。
更に、カバー部材は、柔軟な樹脂からなる成形品及びアクリルゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム及びブタジエンゴム等のゴムからなる成形品であってもよい。これらの柔軟な成形品であるときは、弦楽器に密着させて装着させることができる。特に、成形品の内面形状を楽器の胴部の外形と近似の形状とすることにより、容易に外れてしまうことのないカバー部材とすることができる。このカバー部材の厚さも限定されず、演奏の際に邪魔にならず、脱着時の取り扱い等が容易であればよい。
尚、合成樹脂からなる成形品及びゴムからなる成形品のいずれであっても、過度に厚いと、演奏時に手のひら、腕等が触れたときなどに邪魔になり、楽器の音色に影響することも有り得るため、この観点からも厚さは必要最小限であることが好ましく、例えば、0.5〜2.0mm、特に0.8〜1.5mmであることが好ましい。
(1)本発明の保護カバーにおけるカバー部材
本発明の保護カバー1におけるカバー部材11は、弦楽器2の、ネック側コーナー部211とネック部22との間、及びネック側コーナー部212とネック部22との間、のうちの少なくとも一方に位置する横板24を覆っている。このカバー部材11は、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261も覆うことが好ましい。
コーナー部を有する弦楽器のうち、例えば、バイオリンとビオラとは寸法及び演奏姿勢ともに似通っているが、これらバイオリン等と、チェロ、コントラバスの各々とは寸法も演奏姿勢も異なっている。また、上記のその他の楽器のうちでも寸法及び演奏姿勢が似通っているものもあれば、異なっているものもある。しかし、これらの弦楽器2では、特に、ハイポジションを用いる場合、左の手のひら及び腕等が、楽器を表板25の側から、且つネック部22を上方にしてみた場合に、主に右側のコーナー部211と、ネック部22との間に触れることでは共通している。従って、いずれの楽器においても、弦楽器保護カバー1は、上記の個所、特に右側のコーナー部211とネック部22との間をカバー部材11が覆うようにして装着される。
更に、バイオリン及びビオラ等と、チェロ及びコントラバス等とでは、楽器の寸法及び奏法の違いにより、手のひら及び腕等が触れ易い部分が異なる。即ち、ネック部22の裏側から左腕を回して押弦するバイオリン及びビオラ等では、裏板26の端縁部261に手のひら及び腕等が触れることが多い(図16のaの部位に触れることが最も多く、次いでbの部位に触れることが多い。)。一方、表側から押弦するチェロ及びコントラバス等では、表板25の端縁部251に手のひら及び腕等が触れることが多い。このように楽器の種類によって手のひら及び腕等が触れ易い個所は異なるが、いずれの場合もカバー部材11が弦楽器2の横板24、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261を覆うようにすることで、楽器を傷、汗等から十分に保護することができる。
カバー部材1は、例えば、図16のように、横板24を全幅に亘って覆い、更に表板25と裏板26において手のひら及び腕等が触れ易い端縁部251、261をも覆っていることが好ましい。この端縁部251、261の範囲は特に限定されないが、表板25及び裏板26の各々の端部から20mmの範囲、特に15mmの範囲、更に10mmの範囲とすることができる。表板25及び裏板26の各々の端部から10mmの範囲がカバー部材11により覆われておれば、傷、変色等を十分に防止することができる。一方、表板25及び裏板26の各々の端部から20mmを越える部分に手のひら及び腕等が触れることはほとんどなく、20mmを越える部分は必ずしもカバー部材により覆われている必要はない。
本発明の保護カバー1におけるカバー部材11の平面形状は特に限定されず、正方形、長方形、台形及び平行四辺形等の四角形などの多角形並びに円形、楕円形等が挙げられる。これらのうちでは、所要個所を十分に覆うことができる長方形及び楕円形等が好ましく、長方形(特に短辺の一方がやや傾斜している略長方形)が特に好ましい。更に、カバー部材の寸法も特に限定されず、それぞれの楽器の寸法等に応じて所定の寸法とすることができる。カバー部材の寸法は、バイオリンでは、コーナー部とネック部とに沿った方向(以下、この方向を「長さ方向」とする。)の寸法は100〜170mm、特に100〜150mm、更に110〜130mm、幅は50〜90mm、特に60〜80mmとすることができる。ビオラでは、長さ方向の寸法は110〜190mm、特に110〜160mm、更に120〜140mm、幅は50〜100mm、特に65〜85mmとすることができる。チェロでは、長さ方向の寸法は200〜350mm、特に220〜300mm、更に230〜260mm、幅は140〜200mm、特に170〜190mmとすることができる。コントラバスでは、長さ方向の寸法は280〜460mm、特に280〜380mm、更に290〜330mm、幅は200〜310mm、特に210〜250mmとすることができる。
カバー部材11の平面形状は上記のように長方形であることが好ましいが、バイオリン等の弦楽器2では、ネック部22を横板24に接合するため、ネック部の端部に形成されたブロック部の幅が、表板25の側から裏板26の側へと幅狭になっている。従って、本発明の保護カバー1におけるカバー部材11の場合、その平面形状を、この幅狭となっているブロック部に沿った形状としたときは、図1〜11のように、カバー部材11のネック部の側となる一辺がやや傾斜した略長方形となる。このような平面形状のカバー部材11を使用し、そのやや傾斜した端部側が、図16等のように、横板24とネック部22との境界線に接するようにして保護カバー1を装着させれば、傷付いたり、変色したりし易い部分の全面を保護することができ、好ましい。
(2)本発明の他の保護カバーにおけるカバー部材
本発明の他の保護カバー1におけるカバー部材11は、2箇所のテール側コーナー部213、214の間に位置する横板24を覆うように配設される。このカバー部材11は、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261をも覆うことが好ましい。コーナー部を有する弦楽器の寸法及び演奏姿勢は、似通っている楽器もあり、異なっている楽器もあることは前記のとおりである。しかし、これらの弦楽器2では、演奏の合間に楽器を持ち運んだりするときに、特に、テールピースが装着されている側(テール側)を椅子、譜面台等の他の物品と接触させて傷付けることがあることでは共通している。従って、いずれの楽器においても、弦楽器保護カバー1は、カバー部材11が上記の個所を覆うようにして装着される。
カバー部材1は、例えば、図22のように、横板24を全幅に亘って覆い、更に表板25と裏板26において他の物品と接触し、傷付き易い端縁部251、261を覆うことが好ましい。この端縁部251、261の好ましい範囲は前記のとおりである。また、この本発明の他の保護カバーにおけるカバー部材11の平面形状も前記の本発明の保護カバーの場合と同様とすることができ、その寸法も特に限定されず、それぞれの楽器の寸法等に応じて所定の寸法とすることができる。
(3)本発明の更に他の保護カバーにおけるカバー部材
本発明の更に他の保護カバー1におけるカバー部材11は、特にチェロ及びコントラバスのような演奏姿勢の弦楽器において有用である。チェロ、コントラバス等では、楽器の裏板のうちの少なくともネック部の基端寄りの部分に演奏者のボタン及び装身具等が触れて傷付けてしまうことがあり、汗が付着することもある。従って、図24のように、その部分がカバー部材11により覆われるようにすることで、楽器が傷付くこと等を防止することができる。更に、このカバー部材の場合も、裏板のうちのネック部の基端寄りの部分のみでなく、図25のように、横板の少なくとも端縁部をも覆っていることが好ましい。この端縁部の好ましい範囲も前記のとおりである。尚、この本発明の更に他の保護カバーでは、前記の柔軟な樹脂及びゴム等からなる成形品を用いることで、裏板のうちの少なくともネック部の基端寄りの部分に配設し、密着させるのみで装着し得る保護カバーとすることができる。
[2]係止手段
カバー部材11は特段の係止手段を備えていなくても弦楽器に脱着することができるが、係止手段を備えていることが好ましい。本発明の保護カバー1は、係止手段によって、ネック側コーナー部211、212とネック部22との間に装着させることができる。また、本発明の他の保護カバー1は、係止手段によって、テール側コーナー部213、214の間、又は一方のテール側コーナー部とエンドピン27との間に装着させることができる。特に、チェロ及びコントラバスのような、大型であり、且つ横置きにされることのある楽器では、テール側コーナー部の間より、一方のテール側コーナー部とエンドピンとの間に装着されることのほうが多い。更に、本発明の更に他の保護カバー1は、係止手段によって、裏板26のうちの少なくともネック部22の基端寄りの部分に装着させることができる。即ち、裏板26のうちのネック部22の基端寄りの一部がカバー部材により覆われていてもよいし、裏板の全面がカバー部材により覆われていてもよい。
これらの係止手段は特に限定されないが、係止用紐であることが好ましい。係止用紐であれば、保護カバーの楽器への脱着が容易であり、使用していないときにも取り扱い易く、保管時も嵩張らないため好ましい。
以下、係止手段として係止用紐を用いた場合について具体的に説明する。
(1)本発明の弦楽器保護カバーにおける係止用紐
本発明の保護カバー1におけるカバー部材11には、図1〜9のように、その長さ方向に沿った端部となる両端側に係止用紐挿通孔111を設けることができる。この係止用紐挿通孔111は、カバー部材11により弦楽器2を覆った際に、カバー部材11の長さ方向に沿った端部となる両端側を折り返して長さ方向に縫製することにより設けることができる(図1及び図4〜9参照)。また、折り返した両端側を長さ方向に接合することにより設けることができる。これらのうちでは、剥離等のない縫製による方法、及び接合し、且つ縫製する方法が好ましい。
係止用紐挿通孔111は、カバー部材11の長さ方向に沿った端部となる両端側であり、且つ長さ方向の両端部、即ち、カバー部材11の四隅に、紐挿通孔用部材を縫い付けることにより、及び接合し、且つ縫い付けることにより取り付けることで形成してもよい(図2参照)。この紐挿通孔用部材の材質は特に限定されず、カバー部材11と同様に布及び皮革等を用いることができる。この布及び皮革としては、前記のカバー部材11の場合に例示した各種のものを用いることができる。紐挿通孔用部材は、カバー部材と同じ材質でもよく、異なった材質でもよいが、同じ材質であることが好ましい。更に、図2では、4個の紐挿通孔用部材がカバー部材11の四隅に取り付けてあるが、より多くの紐挿通孔用部材が取り付けられていてもよい。例えば、カバー部材11の長さ方向の両端部に取り付けられた2個の紐挿通孔用部材の間に更に1〜3個の紐挿通孔用部材が取り付けられており、それぞれの紐挿通孔用部材により形成される紐挿通孔に係止用紐が挿通されていてもよい。
更に、カバー部材11の長さ方向に沿った端部となる両端側であり、且つ長さ方向の両端部、即ち、カバー部材11の四隅に紐挿通穴を開け、この紐挿通穴を係止用紐挿通孔111として用いることもできる(図3参照)。この場合、カバー部材11のいずれの面を楽器に相対する内面側としてもよいが、楽器に細かい傷が付くことを防止するため、係止用紐の多くの部分が楽器に接触しない面を内面とすることが好ましい。また、図3では、4個の紐挿通穴がカバー部材11の四隅に開けられているが、より多くの紐挿通穴が開けられていてもよい。例えば、カバー部材11の長さ方向の両端部に開けられた2個の紐挿通穴の間に更に1〜10個の紐挿通穴が開けられており、それぞれの紐挿通穴に係止用紐が挿通されていてもよい。
係止用紐挿通孔111には係止用紐が挿通される。カバー部材11により弦楽器2を覆った場合に、このカバー部材11の楽器のネック側コーナー部211、212の側となる端部から引き出されるネック側コーナー用紐部12と、楽器のネック部22の側となる端部から引き出されるネック用紐部13とを有する係止用紐とすることができる。この係止用紐は、図6〜9のように、各々の係止用紐挿通孔111にそれぞれ挿通された2本の紐とすることができる。この場合、それぞれの紐がネック側コーナー用紐部12とネック用紐部13とを有し、各々のネック側コーナー用紐部12を結んでネック側コーナー部211、212に引っ掛け、2本のネック用紐部13のうちの一方を楽器のネック部の胴側の端部において指板部の下を挿通させ、ネック部の裏側において他方と結ぶことで、保護カバー1を楽器に装着することができる。
各々の係止用紐挿通孔111にそれぞれ係止用紐が挿通される場合、このままでは係止用紐が係止用紐挿通孔から抜け落ちてしまうことがある。そのため、係止用紐が係止用紐挿通孔から抜け落ちてしまわないようにすることが好ましい。係止用紐が抜け落ちないようにするためには、係止用紐に結び目を造る方法が挙げられる。また、図7、9のように、係止用紐に天然石、ガラス、合成樹脂等からなるビーズ等を挿通させ、接着剤等により固定して係止部18を形成する方法が挙げられる。この結び目及び係止部18等を形成する位置は特に限定されず、ネック側コーナー用紐部12及びネック用紐部13の各々の何処に形成してもよいが、ネック側コーナー用紐部12及びネック用紐部13がそれぞれ所定の長さになるように調整したうえで、係止用紐挿通孔111の端部近傍に結び目又は係止部18等を形成することが好ましい。
尚、この係止用紐挿通孔111の端部近傍とは、係止用紐挿通孔111の端部から15mm以内、特に10mm以内、更に5mm以内(通常、1mm以上)のことをいう。
係止用紐は、図1〜5のように、1本の紐からなっていてもよい。この場合、一方の係止用紐挿通孔111にネック部の側となる端部から挿通された紐が、この一方の係止用紐挿通孔111のネック側コーナー部の側となる端部から引き出され、引き出された紐が他方の係止用紐挿通孔111にネック側コーナー部の側となる端部から挿通され、この紐が他方の係止用紐挿通孔111のネック部の側となる端部から引き出されて係止用紐となる。このような1本の紐からなる係止用紐では、その両端側がネック用紐部13となり、この紐の長さ方向の中央部がループ状のネック側コーナー用紐部121となる。このループ状のネック側コーナー用紐部121をネック側コーナー部211、212に引っ掛け、それぞれのネック用紐部13のうちの一方を楽器のネック部の胴側の端部において指板部の下を挿通させ、ネック部の裏側において他方と結ぶことで、保護カバー1を楽器に装着することができる。このように、ループ状のネック側コーナー用紐部121とした場合は、保護カバー1の弦楽器2への脱着がより容易であり好ましい。
上記のようにネック側コーナー用紐部をループ状にした場合は、ネック用紐部13のみに結び目又は係止部18等を形成すれば、係止用紐が係止用紐挿通孔111から抜け落ちてしまうことはない。しかし、ループ状のネック側コーナー用紐部121に結び目又は係止部等が形成されていないと、この紐部の長さが変化することがあり、この場合、保護カバー1を楽器に装着するときに最適な長さに調整する必要がある。従って、図5のように、ループ状のネック側コーナー用紐部121にも結び目又は係止部18等を形成することがより好ましい。このループ状のネック側コーナー用紐部121に結び目又は係止部18等を形成するときは、この紐部が所定の長さになるように調整したうえで、係止用紐挿通孔111の端部近傍(この端部近傍の意味は上記と同様である。)に結び目又は係止部18等を形成することが好ましい。
保護カバー1は、ネック側コーナー用紐部12及びネック用紐部13の各々を結ぶ、又はループ状のネック側コーナー用紐部121としたときは、このループ状の紐部をネック側コーナー部に引っ掛け、且つネック用紐部13を結ぶことで、楽器に装着することができる。また、保護カバー1は、ネック側コーナー用紐部12及びネック用紐部13のうちの少なくとも一方の各々の先端部に係止具を付設し、この係止具によって楽器に装着することもできる。この係止具は特に限定されず、例えば、面ファスナー19(図4、6、7及び8参照)及び筒状体に、この筒状体の内径と略同寸法の外径を有する棒状体を挿入し、嵌合させて係止する係止具等が挙げられる。
係止具は、図4、6のように、ネック用紐部13の先端部に付設することができる。また、図7のように、ネック側コーナー用紐部12の先端部に付設することができる。更に、図8のように、ネック側コーナー用紐部12の先端部及びネック用紐部13の先端部に付設することもできる。これらの係止具を紐部の先端部に付設する方法も特に限定されず、例えば、面ファスナーは、縫い付ける、接着剤により接合する等により付設することができる。この場合、当て布をして縫い付ける、又は接合する等によって、より強固に付設することができる。また、筒状体と棒状体とを備える係止具は、その構造等により適宜の方法により付設することができる。
尚、係止具を付設した場合は紐を結ぶ必要がないため、それぞれの紐を短くすることができる。
カバー部材11は、図11のように、このカバー部材11により弦楽器2を覆った場合、ネック側コーナー部211、212の側となる端部に、ネック側コーナー用係止紐14が取り付けられた態様とすることもできる。カバー部材11にネック側コーナー用係止紐14を取り付ける方法は特に限定されず、縫製等が挙げられる。ネック側コーナー用係止紐14は、この紐を結んで弦楽器2のネック側コーナー部211、212に引っ掛けることで、保護カバー1を楽器に装着することができればよく、カバー部材11の幅方向における取り付け位置は特に限定されない。即ち、ネック側コーナー用係止紐14は、カバー部材11の長さ方向の端部の幅方向の任意の位置に2本取り付けられておればよく、この2本の紐の各々の端部を結んでネック側コーナー部に引っ掛けることができる。また、ネック側コーナー用係止紐14は、図11のように、カバー部材11の幅方向の両端部にそれぞれ1本取り付けられていることが好ましく、このようにすれば保護カバーをより安定して楽器に装着することができる。
ネック側コーナー用係止紐14は、図10のように、1本の紐がループ状に取り付けられたものであってもよい。このようなループ状の紐であれば、結ぶ必要がなく、そのまま楽器のネック側コーナー部211、212に引っ掛けることができるため好ましい。このループ状のネック側コーナー用係止紐141の場合も、カバー部材11の幅方向における取り付け位置は、上記と同様に特に限定されないが、図10のように、紐の両端部がそれぞれカバー部材11の幅方向の両端部に取り付けられていることが好ましく、このようにすれば保護カバーをより安定して楽器に装着することができる。
更に、この態様では、カバー部材11に、図10、11のように、カバー部材11により弦楽器2を覆った場合、ネック部22の側となる端部に、ネック用係止紐15を取り付けることができる。カバー部材11にネック用係止紐15を取り付ける方法は特に限定されず、縫製等が挙げられる。ネック用係止紐15は、ネック部の側となる端部に2本取り付けられており、2本のネック用係止紐15のうちの一方を楽器のネック部の胴側の端部において指板部の下を挿通させ、ネック部の裏側において他方と結ぶことで、保護カバー1を楽器に装着することができる。ネック用係止紐15の取り付け位置は特に限定されず、カバー部材11の長さ方向の端部の幅方向の任意の位置に2本取り付けられておればよい。また、ネック用係止紐15は、図10、11のように、カバー部材11の幅方向の両端部にそれぞれ1本取り付けられていることが好ましく、このようにすれば保護カバーをより安定して楽器に装着することができる。
この他の態様の場合は、保護カバー1は、ネック側コーナー用係止紐14及びネック用係止紐15の各々を結ぶ、又ループ状のネック側コーナー用係止紐141としたときは、このループ状の係止紐をネック側コーナー部に引っ掛け、且つネック用係止紐15を結ぶことで、楽器に装着することができる。更に、保護カバーは、ネック側コーナー用係止紐及びネック用係止紐のうちの少なくとも一方の各々の先端部に係止具を付設し、この係止具によって楽器に装着することもできる。この係止具は特に限定されず、前記のように、面ファスナー及び筒状体と棒状体とを備える係止具等が挙げられる。これらの係止具は、前記と同様にして紐の先端部に付設することができる。
尚、係止具を付設した場合は紐を結ぶ必要がないため、それぞれの紐を短くすることができる。
(2)本発明の他の弦楽器保護カバーにおける係止用紐
本発明の他の保護カバー1におけるカバー部材11には、図12〜15のように、その長さ方向に沿った端部となる両端側に、上記(1)本発明の保護カバーにおけるカバー部材と同様に係止用紐挿通孔111を設けることができる。また、この係止用紐挿通孔111は、上記(1)本発明の保護カバーにおけるカバー部材と同様に、紐挿通孔用部材を取り付けることで形成してもよい。更に、上記(1)本発明の保護カバーにおけるカバー部材と同様に、紐挿通穴を開け、この紐挿通穴を係止用紐挿通孔として用いることもできる。この場合、カバー部材のいずれの面を楽器に相対する内面側としてもよいが、係止用紐の多くの部分が楽器に接触しないようにすることが好ましい。
係止用紐挿通孔111には係止用紐が挿通される。カバー部材11により弦楽器2を覆った場合に、このカバー部材11の楽器の一方のテール側コーナー部213の側となる端部、及び他方のテール側コーナー部214の側となる端部からそれぞれ引き出されるテール側コーナー用紐部を有する係止用紐とすることができる。また、この本発明の他の保護カバー1におけるカバー部材11は、一方の側をエンドピン27に係止させることもできる。この態様では、エンドピン27に係止される側はエンドピン用紐部となる。この係止用紐は、各々の係止用紐挿通孔111にそれぞれ挿通された2本の紐とすることができる。この場合、それぞれの紐がテール側コーナー用紐部又はエンドピン用紐部を有し、それぞれの紐部を結んでテール側コーナー部213、214又はエンドピン27に引っ掛けることで、保護カバー1を楽器に装着することができる。更に、上記(1)本発明の保護カバーの場合と同様にして、図14のように、係止用紐に結び目を造る、又は係止部18を形成することもできる。
係止用紐は、図12〜15のように、1本の紐からなっていてもよい。この場合、一方の係止用紐挿通孔111に一方のテール側コーナー部の側となる端部から挿通された紐が、この一方の係止用紐挿通孔111の他方のテール側コーナー部の側となる端部から引き出され、引き出された紐が他方の係止用紐挿通孔111に他方のテール側コーナー部の側となる端部から挿通され、この紐が他方の係止用紐挿通孔111の一方のテール側コーナー部の側となる端部から引き出されて係止用紐となる。このような1本の紐からなる係止用紐では、その両端側がテール側コーナー用紐部162となり、この紐の長さ方向の中央部がループ状のテール側コーナー用紐部161となる。このループ状のテール側コーナー用紐部161を他方のテール側コーナー部に引っ掛け、それぞれのテール側コーナー用紐部162を一方のテール側コーナー部において結ぶことで、保護カバー1を楽器に装着することができる。尚、図15のように、テール側コーナー用紐部162も予め結んでおく、又は縫製及び接合等によりループ状としておき、テール側コーナー部に引っ掛けることもできる。このように、ループ状のテール側コーナー用紐部161、1621とした場合は、保護カバー1の弦楽器2への脱着がより容易であり好ましい。尚、この態様の場合も、紐部の一方をエンドピン用紐部とし、エンドピン27に係止させることもできる。
また、ループ状にした場合は、係止用紐が係止用紐挿通孔111から抜け落ちてしまうことはないが、上記(1)の本発明の保護カバーの場合と同様に、ループ状の紐部の各々に結び目又は係止部等を形成することが好ましい。更に、テール側コーナー用紐部161、162(一方がエンドピン用紐部となることもある。)は、各々を結んで、又はループ状の紐部161、1621(一方がエンドピン用紐部となることもある。)として、テール側コーナー部213、214(又はエンドピン27)に引っ掛けることができるが、例えば、図13のように、上記(1)の本発明の保護カバーの場合と同様に、先端部に係止具19(面ファスナー)を付設し、この係止具によって楽器に装着することもできる。
カバー部材は、上記(1)の本発明の保護カバーにおけるカバー部材と同様に、このカバー部材により弦楽器を覆った場合、テール側コーナー部の各々の側となる端部に、テール側コーナー用係止紐がそれぞれ取り付けられた態様とすることもできる。この場合も、テール側コーナー用係止紐のうちの少なくとも一方は、1本の紐がループ状に取り付けられたものであってもよい。このようなループ状の紐であれば、結ぶ必要がなく、そのまま
楽器のテール側コーナー部に引っ掛けることができるため好ましい。また、この他の態様でも、一方をエンドピン用係止紐とし、エンドピン27に係止させることもできる。更に、この他の態様の場合も、保護カバーは、テール側コーナー用係止紐(又はエンドピン用係止紐)のうちの少なくとも一方の各々の先端部に係止具を付設し、この係止具によって楽器に装着することもできる。
(3)本発明の更に他の弦楽器保護カバーにおける係止用紐
本発明の更に他の保護カバー1におけるカバー部材11では、図24のように、楽器に装着された際にネック部22の基端の近傍となる位置に係止手段としてネック側係止用紐17を取り付けることができる。このネック側係止用紐17は、それぞれカバー部材に取り付けられた2本の紐でもよいし、1本の紐の中間部をカバー部材に取り付け、両端側の各々を係止部分として用いてもよい。このネック側係止用紐17の取り付け方法は特に限定されず、例えば、カバー部材に縫い付けることにより、及び接合し、且つ縫い付けることにより取り付けることができる。このネック側係止用紐は、一方を楽器のネック部の胴側の端部において指板部の下を挿通させ、ネック部のいずれかの側部において他方と結ぶことで、保護カバー1を弦楽器2に装着することができる。尚、図24では、ネック側係止用紐はネック部22の基端の近傍となる位置に取り付けられているが、この位置に限られず、ネック部22とネック側コーナー部211、212との間のネック部22から1/4〜1/3の位置に取り付けることもできる。
この本発明の更に他の保護カバーの場合も、ネック側係止用紐の一方及び他方の各々の先端部に係止具を付設し、この係止具によって楽器に装着することもできる。この係止具も特に限定されず、例えば、前記のように、面ファスナー及び筒状体に、この筒状体の内径と略同寸法の外径を有する棒状体を挿入し、嵌合させて係止する係止具等を用いることができる。これらの係止具を紐部の先端部に付設する方法も特に限定されず、前記と同様にして付設することができる。
尚、係止具を付設した場合は紐を結ぶ必要がないため、それぞれの紐を短くすることができる。
以上、詳述した本発明の保護カバー、本発明の他の保護カバー及び本発明の更に他の保護カバーの各々における係止用紐は、カバー部材11を弦楽器2に装着する際、及び演奏する際に容易に切れてしまうことのないものであればよく、材質等は特に限定されない。これらの紐としては、天然繊維及び合成繊維等からなる複数の糸が紐形状に織られてなる組紐、伸縮性を有するゴム組紐、並びに革紐等を用いることができる。天然繊維及び合成繊維としては、前記の保護カバーの形成に使用される繊維と同様のものを用いることができる。また、革紐としては、前記の保護カバーの形成に使用される各種の革と同様の革からなるものを用いることができる。
[3]係止用紐を備える保護カバーの使用方法
係止手段として係止用紐を備える弦楽器保護カバーは以下のようにして使用することができる。
(1)本発明の弦楽器保護カバーの使用方法
本発明の弦楽器保護カバー1は、図16〜21のように、カバー部材11を、弦楽器2のネック側コーナー部211、212のうちの少なくとも一方とネック部22との間に位置する横板24を覆うように配設し、係止用紐のうちの係止用紐挿通孔111のネック側コーナー部211、212のうちの少なくとも一方の側から引き出されたネック側コーナー用紐部12をネック側コーナー部211、212に係止し、且つ係止用紐のうちの係止用紐挿通孔111のネック部22の側から引き出されたネック用紐部13をネック部22に係止することで使用することができる。カバー部材11は、横板24のみでなく、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261をも覆うように配設することが好ましい。
この弦楽器保護カバー1は、上記のようにしてバイオリン等のネック側コーナー部211、212を有する弦楽器2に容易に装着することができ、演奏時に手のひら及び腕等が触れることがある個所を保護することができる。ネック側コーナー用紐部12が、図6〜9のように、2本の紐からなるときは、この2本の紐を結び、ネック側コーナー部211、212に引っ掛けることで係止することができる。更に、ネック側コーナー用紐部12は、図1〜5のように、ループ状とすることができ、このようにループ状のネック側コーナー用紐部121とした場合は、保護カバー1をより容易に弦楽器に脱着することができる。また、ネック用紐部13は、一方のネック用紐部13を弦楽器2のネック部22の胴側の端部において指板部23の下を挿通させ、ネック部22の裏側において他方のネック用紐部13と結ぶことで、ネック部22に係止することができる。ネック側コーナー部211、212への係止とネック部22への係止は、ネック側コーナー用紐部がループ状でないときは順序は問わないが、ネック側コーナー用紐部がループ状であるときは、この紐部121のコーナー部211、212への係止を先に行うことで、保護カバー1をより容易に弦楽器2に装着することができる。
この保護カバー1は、ネック側コーナー用紐部12及びネック用紐部13のうちの少なくとも一方の先端部に付設された、面ファスナー等の係止具によりネック側コーナー部及びネック部に係止することで使用することもできる。これらの係止具は、ネック側コーナー用紐部12及びネック用紐部13のうちの少なくとも一方の先端部に取り付けられた一方の部材と、他方の部材とを有し、これらの部材を係止することで保護カバー1を弦楽器2に装着することができる。
更に、他の態様では、カバー部材11を、弦楽器2のネック側コーナー部211、212とネック部22との間に位置する横板24を覆うように配設し、カバー部材11のネック側コーナー部211、212の側となる端部に取り付けられたネック側コーナー用係止紐14、ループ状のネック側コーナー用係止紐141をコーナー部211、212に係止させ、且つカバー部材11のネック部22の側の端部に取り付けられたネック用係止紐15をネック部22に係止させることで使用することができる。カバー部材11は、横板24のみでなく、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261のうちの少なくとも一方をも覆うように配設することが好ましい。
この他の態様では、上記のようにしてバイオリン等のネック側コーナー部211、212を有する弦楽器2に容易に装着することができ、演奏時に手のひら及び腕が触れることがある個所を保護することができる。ネック側コーナー用係止紐14が、図11のように、2本の紐からなるときは、この2本の紐を結び、ネック側コーナー部211、212に引っ掛けることで係止することができる。また、ネック側コーナー用係止紐は、図10のように、ループ状とすることができ、このようにループ状のネック側コーナー用係止紐141とした場合は、保護カバー1をより容易に弦楽器に脱着することができる。更に、ネック用係止紐15は、一方のネック用係止紐15を弦楽器2のネック部22の胴側の端部において指板部23の下を挿通させ、ネック部22の裏側において他方のネック用係止紐15と結ぶことで、ネック部22に係止することができる。ネック側コーナー部211、212への係止とネック部22への係止は、ネック側コーナー用係止紐がループ状でないときは順序は問わないが、ネック側コーナー用係止紐がループ状であるときは、ネック側コーナー用係止紐141のコーナー部211、212への係止を先に行うことで、保護カバー1をより容易に弦楽器2に装着することができる。
この他の態様の場合も、保護カバー1は、ネック側コーナー用係止紐14及びネック用係止紐15のうちの少なくとも一方の先端部に付設された、面ファスナー等の係止具によりネック側コーナー部及びネック部に係止することで使用することもできる。これらの係止具は、ネック側コーナー用係止紐14及びネック用係止紐15のうちの少なくとも一方の先端部に取り付けられた一方の部材と、他方の部材とを有し、これらの部材を係止することで保護カバー1を弦楽器2に装着することができる。
(2)本発明の他の弦楽器保護カバーの使用方法
本発明の他の弦楽器保護カバー1は、図22〜23のように、カバー部材11を、弦楽器2の2箇所のテール側コーナー部213、214の間に位置する横板24を覆うように配設し、係止用紐のうちの係止用紐挿通孔111のテール側コーナー部213の側から引き出されたテール側コーナー用紐部161をテール側コーナー部213に係止し、且つ係止用紐のうちの係止用紐挿通孔111のテール側コーナー部214の側から引き出されたテール側コーナー用紐部162をテール側コーナー部214に係止することで使用することができる。また、一方をエンドピン用紐部とし、この紐部をエンドピン27に係止させて用いることもできる。カバー部材11は、横板24のみでなく、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261のうちの少なくとも一方をも覆うように配設することが好ましい。
この他の弦楽器保護カバー1は、上記のようにしてバイオリン等の2箇所のテール側コーナー部213、214及びエンドピン27を有する弦楽器2に容易に装着することができ、持ち運ぶときなどに他の物品に触れて楽器が傷付くことがある個所を保護することができる。テール側コーナー用紐部(又はエンドピン用紐部)がループ状でないときは、2本の紐を結び、テール側コーナー部213、214(又はエンドピン27)の各々に引っ掛けることで係止することができる。また、テール側コーナー用紐部は、図12〜14のように、1本の係止用紐を用いて一方をループ状とすることができ(図12〜14におけるテール側コーナー用紐部161)、このようにループ状のコーナー側紐部161(又はエンドピン用紐部)とした場合は、保護カバー1をより容易に弦楽器に脱着することができる。更に、テール側コーナー用紐部は、図15のように、両方のコーナー側においてループ状とすることができ(図15におけるテール側コーナー用紐部161、1621)、このように両方をループ状のテール側コーナー用紐部(又は一方をエンドピン用紐部)とした場合は、保護カバー1を特に容易に弦楽器2に脱着することができる。
この保護カバー1では、ループ状でないテール側コーナー用紐部(又はエンドピン用紐部)の先端部の各々に前記と同様にして付設された、面ファスナー等の係止具を係止することで使用することもできる。これらの係止具は、テール側コーナー用紐部(又はエンドピン用紐部)のうちの一方の先端部に取り付けられた一方の部材と、他方の先端部に取り付けられた他方の部材とを有し、これらの各々の部材を係止することで保護カバー1を弦楽器2に装着することができる。
また、他の態様として、カバー部材11の2箇所のテール側コーナー部213、214の側となる各々の端部に、一方の2本のテール側コーナー用係止紐と、他方の2本のテール側コーナー用係止紐(各々の2本の係止紐の一方はエンドピン用係止紐となる場合もある。)とが取り付けられた保護カバーとすることができる。この場合、各々の2本の係止紐を結び、それぞれ2個のテール側コーナー部213、214(又はエンドピン27)に係止させることで使用することができる。この他の態様では、上記のようにしてバイオリン等の2箇所のテール側コーナー部213、214及びエンドピン27を有する弦楽器2に容易に装着することができ、持ち運ぶときなどに他の物品と触れて傷付くことがある個所を保護することができる。
更に、この保護カバー1では、4本のテール側コーナー用係止紐(一方の2本はエンドピン用係止紐である場合もある。)の各々の先端部に前記と同様にして付設された、面ファスナー等の係止具を係止することで使用することもできる。
(3)本発明の更に他の弦楽器保護カバーの使用方法
本発明の更に他の弦楽器保護カバー1は、図24〜25のように、カバー部材11を、楽器に装着された際にネック部22の基端の近傍となる位置等を覆うように配設し、係止手段として取り付けられたネック側係止用紐17の一方を、楽器のネック部22の胴側の端部において指板部23の下を挿通させ、ネック部22のいずれかの側部において他方と結ぶことで楽器に装着することができる。この保護カバーの場合も、一方及び他方の各々の先端部に前記と同様にして面ファスナー等の係止具を付設し、この係止具によって楽器に装着することもできる。
尚、係止具を付設した場合は紐を結ぶ必要がないため、それぞれの紐を短くすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
本発明の弦楽器保護カバーを作製し、これをバイオリンに装着して用いた。
[1]弦楽器保護カバー
弦楽器保護カバー1は、図1のように、バックスキンからなるカバー部材11を備える。このカバー部材11には、その長さ方向に沿った端部の両端側を折り返して縫製することにより係止用紐挿通孔111が設けられている。また、カバー部材11の寸法は長さ方向の少し長い側が125mm、長さ方向の少し短い側が119mm、幅方向が72mmである。このように、カバー部材11の平面形状は、長さ方向のネック部の側となる一辺がやや傾斜した略長方形である。
また、合成繊維からなる断面円形の1本の組紐が、一方の係止用紐挿通孔111にネック部の側となる端部から挿通され、この紐が一方の係止用紐挿通孔111のコーナー部の側となる端部から引き出され、引き出された紐が他方の係止用紐挿通孔111にコーナー部の側となる端部から挿通され、この紐が他方の係止用紐挿通孔111のネック部の側となる端部から引き出されている。この係止用紐のループ状のネック側コーナー用紐部121の長さは120mmである。また、図16〜19のように、バイオリン2のネック部22の胴側の端部において指板部23の下を挿通される一方のネック用紐部13の長さは260mmであり、ネック部の裏側において一方のネック用紐部13と結ばれる他方のネック用紐部13の長さは180mmである。
[2]弦楽器保護カバーのバイオリンへの装着
図16〜19のように、上記[1]において作製した弦楽器保護カバー1のループ状のネック側コーナー用紐部121をバイオリン2の右側のコーナー部211に引っ掛け、カバー部材11を、バイオリン2の右側のコーナー部211とネック部22との間に位置する横板24、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261を覆うように配設した状態で、一方のネック用紐部13をバイオリン2のネック部22の胴側の端部において指板部23の下を挿通させ、ネック部22の裏側において他方のネック用紐部13と結んで弦楽器保護カバー1をバイオリン2に装着した。
このようにして弦楽器保護カバーを装着したバイオリンを用いて、3ヶ月間、一日に2時間繰り返し練習してみたが、バイオリンに傷が付いたり、塗装が変色したりすることはなかった。
実施例2
本発明の他の弦楽器保護カバーを作製し、これをバイオリンに装着して用いた。
[1]弦楽器保護カバー
弦楽器保護カバー1は、図1のように、バックスキンからなるカバー部材11を備える。このカバー部材11には、その長さ方向に沿った端部の両端側を折り返して縫製することにより係止用紐挿通孔111が設けられている。また、カバー部材11の寸法は長さ方向が125mm、幅方向が72mmである。このように、カバー部材11の平面形状は長方形である。
また、合成繊維からなる断面円形の1本の組紐が、一方の係止用紐挿通孔111に一方のテール側コーナー部の側となる端部から挿通され、この紐が一方の係止用紐挿通孔111の他方のテール側コーナー部の側となる端部から引き出され、引き出された紐が他方の係止用紐挿通孔111に他方のテール側コーナー部の側となる端部から挿通され、この紐が他方の係止用紐挿通孔111の一方のテール側コーナー部の側となる端部から引き出されている。この係止用紐のループ状となっている一方のテール側コーナー用紐部161の長さは135mmである。また、ループ状となっていない他方のテール側コーナー用紐部162の長さはそれぞれ183mmである。
[2]弦楽器保護カバーのバイオリンへの装着
図22〜23のように、上記[1]において作製した弦楽器保護カバー1のループ状の一方のテール側コーナー用紐部161をバイオリン2の一方のテール側コーナー部213に引っ掛け、カバー部材11を、バイオリン2の2箇所のテール側コーナー部の間に位置する横板24、表板25の端縁部251及び裏板26の端縁部261を覆うように配設した状態で、他方のテール側コーナー用紐部162をバイオリン2の他方のテール側コーナー部214に引っ掛けた形態で結び、弦楽器保護カバー1をバイオリン2に装着した。
このようにして弦楽器保護カバーを装着したバイオリンを用いて、3ヶ月間、一日に2時間繰り返し練習した。また、練習の合間にケースに収納せずに持ち歩いたりしたが、バイオリンに傷が付いたり、塗装が変色したりすることはなかった。
係止用紐が1本の紐からなり、ネック側コーナー用紐部がループ状になっている本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図1において、他の態様の係止用紐挿通孔を有する本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図1において、更に他の態様の係止用紐挿通孔を有する本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図1において、ネック用紐部の先端部に面ファスナーが付設されている本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図1において、ループ状のネック側コーナー用紐部と、ネック用紐部との各々の、カバー部材の係止用紐挿通孔の端部近傍にビーズが固定され、係止部が形成されている本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 ネック側コーナー用紐部がループ状になっていない本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図6において、ネック用紐部の先端部に面ファスナーが付設されている本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図6において、ネック側コーナー用紐部と、ネック用紐部の各々の先端部に面ファスナーが付設されている本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図6において、ネック側コーナー用紐部及びネック用紐部の各々の、カバー部材の係止用紐挿通孔の端部近傍にビーズが固定され、係止部が形成されている本発明の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 ネック側コーナー用係止紐がループ状になっている本発明の他の態様の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 ネック側コーナー用係止紐がループ状になっていない本発明の他の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 係止用紐が1本の紐からなり、一方のテール側コーナー用紐部がループ状になっている本発明の他の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図12において、他方のテール側コーナー用紐部の先端部に面ファスナーが付設されている本発明の他の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 図12において、他方のテール側コーナー用紐部の各々の、カバー部材の係止用紐挿通孔の端部近傍にビーズが固定され、係止部が形成されている本発明の他の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 係止用紐が1本の紐からなり、一方のテール側コーナー用紐部がループ状になっており、他方のテール側コーナー用紐部の両端部が接合されてループ状になっている本発明の他の弦楽器保護カバーの一例の斜視図である。 弦楽器(バイオリン)の所定個所に図1(実施例1)の弦楽器保護カバーを装着した様子を示す斜視図である。 弦楽器(バイオリン)の所定個所に実施例1の弦楽器保護カバーを装着した様子を弦楽器の表板の側からみた平面図である。 弦楽器(バイオリン)の所定個所に実施例1の弦楽器保護カバーを装着した様子を弦楽器の横板の側からみた平面図である。 弦楽器(バイオリン)の所定個所に実施例1の弦楽器保護カバーを装着した様子を弦楽器の裏板の側からみた平面図である。 実施例1の弦楽器保護カバーのカバー部材が、弦楽器(バイオリン)の図17とは対象の位置を覆うようにして装着された様子を弦楽器の表板の側からみた平面図である。 2個の実施例1の弦楽器保護カバーの各々のカバー部材が、それぞれ弦楽器(バイオリン)のネック部の一方の側及び他方の側を覆うようにして装着された様子を弦楽器の表板の側からみた平面図である。 弦楽器(バイオリン)のテールピース側の所定個所に本発明の他の弦楽器保護カバーを装着した様子を弦楽器の表板の側からみた平面図である。 弦楽器(バイオリン)のテールピース側の所定個所に本発明の他の弦楽器保護カバーを装着した様子を弦楽器の裏板の側からみた平面図である。 弦楽器(チェロ)のネック部の基端寄りの所定個所に弦楽器保護カバーを装着した様子を弦楽器の裏板の側からみた平面図である。 弦楽器(チェロ)のネック部の基端寄りの所定個所及び横板に弦楽器保護カバーを装着した様子を示す斜視図である。
符号の説明
1;弦楽器保護カバー、11;カバー部材、111;係止用紐装通孔、12;ネック側コーナー用紐部、121;ループ状のネック側コーナー用紐部、13;ネック用紐部、14;ネック側コーナー用係止紐、141;ループ状のネック側コーナー用係止紐、15;ネック用係止紐、161;ループ状のテール側コーナー用紐部、162;テール側コーナー用紐部、1621;ループ状のテール側コーナー用紐部、17;ネック側係止用紐、18;係止部、19;面ファスナー、2;弦楽器、211、212;ネック側コーナー部、213、214;テール側コーナー部、22;ネック部、221;ネック部の基端部、23;指板部、24;横板、241;横板の端縁部、25;表板、251;表板の端縁部、26;裏板、261;裏板の端縁部、27;エンドピン。

Claims (12)

  1. コーナー部を有する弦楽器のネック側コーナー部とネック部との間に位置する横板を覆うカバー部材を備え、該弦楽器に着脱可能であることを特徴とする弦楽器保護カバー。
  2. 上記カバー部材は、更に表板の端縁部及び裏板の端縁部のうちの少なくとも一方を覆う請求項1に記載の弦楽器保護カバー。
  3. 更に係止手段を備え、上記カバー部材は、該係止手段にて上記ネック側コーナー部及び上記ネック部のうちの少なくとも一方に係止される請求項1又は2に記載の弦楽器保護カバー。
  4. 上記係止手段が係止用紐である請求項3に記載の弦楽器保護カバー。
  5. コーナー部を有する弦楽器の2箇所のテール側コーナー部の間に位置する横板を覆うカバー部材を備え、該弦楽器に着脱可能であることを特徴とする弦楽器保護カバー。
  6. 上記カバー部材は、更に表板の端縁部及び裏板の端縁部のうちの少なくとも一方を覆う請求項5に記載の弦楽器保護カバー。
  7. 更に係止手段を備え、上記カバー部材は、該係止手段にて上記2箇所のテール側コーナー部のうちの少なくとも一方に係止される請求項5又は6に記載の弦楽器保護カバー。
  8. 上記係止手段が係止用紐である請求項7に記載の弦楽器保護カバー。
  9. コーナー部を有する弦楽器の裏板のうちの少なくともネック部の基端寄りの部分を覆うカバー部材を備え、該弦楽器に着脱可能であることを特徴とする弦楽器保護カバー。
  10. 上記カバー部材は、更に横板の少なくとも端縁部を覆う請求項9に記載の弦楽器保護カバー。
  11. 更に係止手段を備え、上記カバー部材は、該係止手段にて上記ネック部に係止される請求項9又は10に記載の弦楽器保護カバー。
  12. 上記係止手段が係止用紐である請求項11に記載の弦楽器保護カバー。
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