JP2006154355A - 光学部材の製造装置および光学部材の製造方法 - Google Patents

光学部材の製造装置および光学部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学部材の曲率変化を小さくすることができるとともに、小さな光学部材を製造することも可能な光学部材の製造装置、および、光学部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 吐出ヘッド12に備えられたノズル孔23の開口形状は、楕円形状に形成されている。制御部によって、ノズル孔23から比較的粘度の高い紫外線硬化樹脂からなる液体21をメニスカス状態に維持するように吐出ヘッド12を駆動制御する。この状態の吐出ヘッド12と面発光型半導体レーザ52の出射面65上とを近づけ、メニスカス状態の液体21の先端部21cと出射面65とを接触させる。出射面65上には、楕円形状のノズル孔23のうち狭い幅寸法の分量の液体21が付着して液滴84が形成される。その後、この液滴84に照射部が紫外線を照射することにより、マイクロレンズが形成される。
【選択図】 図8

Description

本発明は、例えば光通信に用いられるレンズ等の光学部材の製造装置および光学部材の製造方法に関する。
光通信に用いられる光学部材の1つにマイクロレンズがある。マイクロレンズは、例えば、面発光型半導体レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)の出射面上に形成される。VCSELは、光伝送媒体である光ファイバや光導波路と高精度に位置合わせをするために、VCSELの出射面の上にマイクロレンズを形成することにより、VCSELから出射された光の結合効率を高め、外部とのコネクションを実現している。よって、マイクロレンズは、所望の光学特性を得るために、その形状を厳密に制御する必要がある。
マイクロレンズの製造方法は、例えば、吐出ヘッドのノズル孔からVCSELの出射面にマイクロレンズの原料である液体を吐出して形成する。液体は、ノズル孔からの吐出を可能にするために、低い粘度で構成されている。しかしながら、粘度が低いために、出射面に付着した液滴が平ら状に潰れてしまっていた。これにより、液滴を硬化させて形成されたマイクロレンズは、必要な曲率を得ることができなかった。
そこで、例えば、付着されるべき所の出射面に親水性の処理を施し、その周囲に撥水性の処理を施すことにより、液滴が所望の領域以上に広がらないようにして、必要な形状を得る方法が知られている(例えば、特許文献1)。これによれば、液滴の大きさに合わせて親水性の処理を施し、拡がってほしくない領域に撥水性の処理を施すので、液滴が平ら状に拡がることを防止することができる。
また、例えば、仕切り部材によって形成された凹部の中に、液滴を充填する方法が知られている(例えば、特許文献2)。これによれば、仕切り部材は、低い濡れ性を有するように構成されており、液滴が仕切り部材によって弾かれるので、液滴の表面を凸状に形成することができる。
これらにより、液滴が周囲に広がらないようにすることが可能となり、液滴が平ら状になることを抑制することができる。
特開2000−2802号公報 特開2000−75106号公報
しかしながら、従来の形成方法では、液滴が平ら状になることを抑制することはできるが、液滴の粘度が低いことにより、表面張力が小さく液滴の曲率変化が大きくなってしまった。液滴の粘性を高くすることにより、曲率変化の小さい液滴を形成することはできるが、小さいノズル孔径のままでは液体を吐出することができず、ノズル孔径を大きくする必要があった。このため、ノズル孔径を大きくして吐出すると、液滴の曲率は得られるものの液滴が大きくなり、小さいマイクロレンズを形成することができないという問題があった。
本発明は、このように製造された従来の技術の有する未解決な課題に着目してなされたものであって、光学部材の曲率変化を小さくすることができるとともに、小さな光学部材を製造することも可能な光学部材の製造装置および光学部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本発明に係る光学部材の製造装置は、基板上に光学部材を形成する光学部材の製造装置であって、前記基板が載置される載置部と、前記載置部に載置される前記基板の上方に配置され、光学部材の原料である粘性を有する液状材料を下方へ吐出させるノズル孔を有する吐出ヘッドと、前記載置部と前記吐出ヘッドとのうち少なくとも一方を昇降させる昇降手段と、前記ノズル孔から前記液状材料を押し出すとともにその押し出された前記液状材料を前記ノルズ孔より突出する状態に保持可能な液量に前記吐出ヘッドを駆動制御するとともに、前記ノズル孔より突出する前記液状材料を前記基板に付着させることが可能な距離まで前記吐出ヘッドと前記載置部とを接近させその後離間させるように前記昇降手段を駆動制御する制御部と、前記吐出ヘッドと前記載置部との接近および離間により前記基板上に付着した前記液状材料の液滴にエネルギー線を照射する照射部と、を備える。
この構成によれば、制御部によって、吐出ヘッドのノズル孔より粘性を有する液状材料を突出する液量に保持する駆動制御を行い、昇降手段によって基板を載置した載置部と吐出ヘッドとの少なくともどちらか一方を昇降させて基板上に付着させるための駆動制御を行って、ノズル孔から突出した液状材料の先端部分を基板上に付着させるので、基板と液状材料との接触面積をノズル孔の開口面積の割に小さくすることができる。よって、小さな接触面積に付着して分離した液滴を小さくすることができる。更に、粘性を有する液状材料なので、基板に付着した液滴は自重によって平ら状に潰れにくく、曲率変化を小さくすることが可能となる。従って、照射部によって液滴にエネルギー線を照射して形成された光学部材を小さくできるとともに、曲率変化の小さい安定した光学部材を製造することができる。その結果、この光学部材を用いることによって、光の拡散をより抑制することができ、光の伝送効率を向上させることができる。
本発明に係る光学部材の製造装置では、前記制御部は、前記ノズル孔から突出する前記液状材料を凸のメニスカスの状態に保持可能な液量に前記駆動ヘッドを駆動制御することが望ましい。
この構成によれば、ノズル孔から突出する液状材料をメニスカスの状態に保持するので、凸のメニスカスの先端を基板上に接触させることができる。よって、基板と液状材料との接触面積をノズル孔の開口面積の割に小さくできるでので、基板上に付着して分離した液滴を小さくすることが可能となる。また、メニスカスの状態を保持しているので、液滴を基板上に付着させたあと、ノズル孔から突出した液体をノズル孔内に戻すことが可能となる。更に、粘性を有する液状材料なので、液滴は自重によって平ら状に潰れにくく、曲率変化の小さい光学部材を形成することができる。
本発明に係る光学部材の製造装置では、前記ノズル孔の開口形状は、偏平形状に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、ノズル孔の開口形状が偏平形状であるので、流路面積が大きくなり、粘性の比較的高い液状材料をノズル孔から吐出させやすくすることができる。粘性が高いので液滴は潰れにくく、安定した球形状に形成することが可能となる。従って、液滴の曲率変化を小さくすることができる。また、偏平形状のうち狭い側の幅で液滴の径が規定されるので、接触面積を小さくすることが可能となり、ノズル孔の開口面積の割に小さな液滴を形成することができる。
本発明に係る光学部材の製造装置では、前記ノズル孔の開口形状は、楕円状であることが望ましい。
この構成によれば、ノズル孔の開口形状が楕円状であるので、粘性の比較的高い液状材料をノズル孔から吐出させやすくすることができる。粘性が高いので液滴は潰れにくく、安定した球形状に形成することが可能となる。従って、液滴の曲率変化を小さくすることができる。また、楕円状のうち狭い側の幅で液滴の径を決めることができるので、接触面積を小さくすることが可能となり、ノズル孔の開口面積の割に小さな液滴を形成することができる。
本発明に係る光学部材の製造装置では、前記液状材料の粘度は、30〜200cpsの範囲であることが望ましい。
この構成によれば、粘度が30〜200cpsの範囲内であるので、粘度が高く、液体材料の接触角を大きくすることができる。よって、付着させて形成された液状材料を潰れにくくすることが可能となる。従って、液滴を安定した球形状に近づけて形成することが可能となり、その結果、曲率の変化を小さくすることができる。
本発明に係る光学部材の製造装置では、前記液状材料の粘度は、80〜150cpsの範囲であることが望ましい。
この構成によれば、粘度が80〜150cpsの範囲内であるので、吐出ヘッドのノズル口の界面張力が液体粘度と最適となり、生産性が高い。また、液体材料の接触角をより大きくすることができる。よって、付着させて形成された液状材料を潰れにくくすることが可能となる。従って、液滴を安定した球形状に近づけて形成することが可能となり、その結果、曲率の変化を小さくすることができる。
本発明に係る光学部材の製造装置では、前記制御部は、前記昇降手段によって前記載置部と前記吐出ヘッドとのうち少なくとも一方を昇降させるように駆動制御して、前記基板に付着した前記液状材料を前記液滴として分離させることが望ましい。
この構成によれば、制御部が昇降手段によって載置部と吐出ヘッドとを相対的に離すように駆動制御するので、基板上に付着させた液状材料とノズル孔内にある液状材料とを切り離すことができる。よって、基板上に液滴を形成することができる。
本発明に係る光学部材の製造装置では、前記液状材料は、紫外線硬化樹脂であり、前記エネルギー線は、紫外線であることが望ましい。
この構成によれば、紫外線硬化樹脂に紫外線を照射するので、紫外線によって液状材料を硬化させて、光学部材を形成することができる。また、紫外線を照射するので、熱上昇がなく、液状材料の表面張力が高い状態で硬化させることができる。
本発明に係る光学部材の製造装置では、前記基板は、面発光型半導体レーザであり、前記光学部材は、前記面発光型半導体レーザの上面に形成されることが望ましい。
この構成によれば、光学部材を面発光型半導体レーザ上に形成するので、光学部材によって面発光型半導体レーザから発光した光の拡散を抑制することが可能となる。よって、光の伝送効率を向上させることができる。
上記問題を解決するために、本発明に係る光学部材の製造方法は、基板上に光学部材を形成する光学部材の製造方法であって、吐出ヘッドのノズル孔から前記光学部材の原料である粘性を有する液体材料を突出した状態に保持可能な液量を吐出する吐出工程と、突出した状態の前記液体材料と前記基板とが接触するように前記吐出ヘッドと前記基板とを相対的に近づけて前記基板上に前記液体材料を付着させる付着工程と、前記吐出ヘッドと前記基板とを相対的に離して前記基板上に付着した前記液体材料を液滴として分離する分離工程と、前記基板上に付着した前記液滴にエネルギー線を照射する照射工程と、を有する。
この構成によれば、吐出工程によってノズル孔から液状材料を突出した状態に保持可能な液量を吐出させ、付着工程によって突出した液体材料と基板とを相対的に近づけて基板上に液体材料を付着させるので、基板と液状材料との接触面積をノズル孔の開口面積の割に小さくすることができる。そして、分離工程によって、吐出ヘッドと基板とを相対的に離して液滴を分離するので、小さな接触面積に付着して分離した液滴を小さくすることができる。更に、粘性を有する液状材料なので、基板に付着した液滴は自重によって平ら状に潰れにくく、曲率変化を小さくすることが可能となる。従って、照射工程によって液滴にエネルギー線を照射して形成された光学部材を小さくできるとともに、曲率変化の小さい安定した光学部材を形成することができる。その結果、この光学部材を用いることによって、光の拡散をより抑制することができ、光の伝送効率を向上させることができる。
本発明に係る光学部材の製造方法では、前記吐出工程は、前記液体材料を凸のメニスカスの状態に保持可能な液量を吐出させ、前記付着工程は、前記凸のメニスカスの状態の液体材料と前記基板とを接触させることが望ましい。
この構成によれば、ノズル孔から突出する液状材料をメニスカスの状態に保持するので、メニスカスの先端を基板上に接触させることができる。よって、基板と液状材料との接触面積をノズル孔の開口面積の割に小さくできるでので、基板上に付着して分離した液滴を小さくすることが可能となる。また、メニスカスの範囲内を保持しているので、液滴を基板上に付着させたあと、ノズル孔から突出した液体をノズル孔内に戻すことが可能となる。更に、粘性を有する液状材料なので、液滴は自重によって平ら状に潰れにくく、曲率変化の小さい光学部材を形成することができる。
本発明に係る光学部材の製造方法では、前記ノズル孔の開口形状は、偏平状に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、ノズル孔の開口形状が偏平形状であるので、流路面積が大きくなり、粘性の比較的高い液状材料をノズル孔から吐出させやすくすることができる。粘性が高いので液滴は潰れにくく、安定した球形状に形成することが可能となる。従って、液滴の曲率変化を小さくすることができる。また、偏平形状のうち狭い側の幅で液滴の径を決めることができるので、接触面積を小さくすることが可能となり、ノズル孔の開口面積の割に小さな液滴を形成することができる。
本発明に係る光学部材の製造方法では、前記液状材料は、30〜200cpsの範囲の粘度を用いることが望ましい。
この構成によれば、液体材料の粘度が30〜200cpsの範囲内であるので、粘度が高く、液体材料の接触角を大きくすることができる。よって、付着させて形成された液滴を潰れにくくすることが可能となる。従って、液滴を安定した球形状に近づけて形成することが可能となり、その結果、曲率変化の小さい光学部材を形成することができる。
本発明に係る光学部材の製造方法では、前記液状材料は、80〜150cpsの範囲の粘度を用いることが望ましい。
この構成によれば、液体材料の粘度が80〜150cpsの範囲内であるので、吐出ヘッドのノズル口の界面張力が液体粘度と最適となり、生産性が高い。また、液体材料の接触角をより大きくすることができる。よって、付着させて形成された液滴を潰れにくくすることが可能となる。従って、液滴を安定した球形状に近づけて形成することが可能となり、その結果、曲率変化の小さい光学部材を形成することができる。
本発明に係る光学部材の製造方法では、前記液状材料は、紫外線硬化樹脂であり、前記エネルギー線は、紫外線であることが望ましい。
この構成によれば、紫外線硬化樹脂からなる液体材料に紫外線を照射するので、紫外線によって液状材料を硬化させて、光学部材を形成することができる。また、紫外線を照射するので、熱上昇がなく、液状材料の表面張力が高い状態で硬化させることができる。
本発明に係る光学部材の製造方法では、前記基板は、面発光型半導体レーザであり、前記面発光型半導体レーザの上面に前記光学部材を形成することが望ましい。
この構成によれば、面発光型半導体レーザ上に光学部材を形成するので、光学部材によって面発光型半導体レーザから発光した光の拡散を抑制することが可能となる。よって、光の伝送効率を向上させることができる。
以下、本発明に係る光学部材の製造方法および光学部材の製造装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の光学部材の製造装置の構成を模式的に示す斜視図である。以下、本実施形態の光学部材の製造装置であるマイクロレンズ製造装置の構成について、図1を参照しながら説明する。図1に示すように、マイクロレンズ製造装置11は、光学部材としてのマイクロレンズ53(図4参照)の原料である粘性の液状材料(以下、「液体」という)21(図2(a)参照)を吐出する吐出ヘッド12と、吐出ヘッド12をX方向にスライド移動させる第1のスライド機構(図示せず)と、ステージ13と、ステージ13をY方向にスライド移動させる第2のスライド機構16と、ステージ13をZ方向に昇降させる第3のスライド機構17と、エネルギー線の照射を行う照射部81(図9、工程15参照)とを有する。
吐出ヘッド12は、液体21を吐出するために用いられる。第1のスライド機構は、例えば、第1スライド軸14と、X方向駆動用パルスモータ40a(図3参照)とを有する。吐出ヘッド12は、このX方向駆動用パルスモータ40aの回転に応じて、第1スライド軸14に沿ってX方向へのスライド移動が可能になっている。
ステージ13は、吐出ヘッド12の吐出側と対向する側の位置に配置されている。ステージ13には、マイクロレンズ53が形成される前の基板15が固定されている。ステージ13上に固定された基板15に液体21を吐出および硬化することにより、マイクロレンズ53が形成される。
第2のスライド機構16は、ステージをY方向に移動させる。第2のスライド機構16は、例えば、第2スライド軸(図示せず)と、Y方向駆動用パルスモータ40b(図3参照)とを有する。ステージ13は、このY方向駆動用パルスモータ40bの回転に応じて、第2スライド軸に沿ってY方向へのスライド移動が可能となっている。
昇降手段である第3のスライド機構17は、ステージ13をZ方向(高さ方向)に移動させる。第3スライド機構17は、例えば、第3スライド軸(図示せず)と、Z方向駆動用パルスモータ40c(図3参照)とを有する。ステージ13は、このZ方向駆動用パルスモータ40cの回転に応じて、第3スライド軸に沿ってZ方向へのスライド移動が可能となっている。
第1〜第3のスライド機構によって吐出ヘッド12とステージ13とを移動させることにより、液体21の着弾位置を決定している。
照射部81(図9、工程15参照)は、吐出ヘッド12に設けられており、ノズル孔23(図2参照)から吐出され基板15上に付着した液滴84(図9、工程14参照)に対してエネルギー線の照射を行う。
図2は、吐出ヘッドの構造を示す模式図である。同図(a)は、吐出ヘッドの構造を示す模式断面図であり、同図(b)は、吐出ヘッドを下側からみたときのノズル孔23の開口形状を示す模式平面図である。以下、吐出ヘッドの構造について、図2を参照しながら説明する。図2(a)に示すように、吐出ヘッド12は、マイクロレンズ53の原料である液体21を貯留する液体貯留室22と、液体21を吐出するノズル孔23と、圧電素子24と、振動板25とを有する。
マイクロレンズ53(図4参照)は、光などのエネルギー線を付与することにより硬化可能な液体21を液滴として基板15上に付着させるとともに、その液滴を硬化させることで構成される。本実施形態の液体21は、例えば、短時間のエネルギー線である紫外線が照射されることにより硬化する紫外線硬化型樹脂である。エネルギー線は、例えば、紫外線83(図9、工程15参照)である。紫外線硬化型樹脂は、一般に、プレポリマー、オリゴマー、およびモノマーのうち少なくとも1つと光重合開始剤とを含む。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型のアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が挙げられる。粘度の選択性の広さを考慮すると、アクリル系樹脂を用いるのが好ましい。紫外線硬化型のアクリル系樹脂は、例えば、エポキシアクリレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のアクリレート類、エポキシメタクリレート類、スピロアセタール系アクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリエーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂は、熱によって硬化する樹脂ではないため、面発光型半導体レーザ52(図4参照)などの素子などに与えるダメージを少なくして硬化させることができる。また、熱上昇がないので、液体21の表面張力が高い状態で硬化させることができる。また、紫外線硬化型樹脂は、一般に光透過性の高いものが多い。よって、硬化させるべき液滴等に紫外線を片面から照射しても液滴の全体を硬化させることが可能である。また、光の損失が少ないことから、長い光路長に対してマイクロレンズ53を形成する場合に特に有効である。
ノズル孔23は、液体貯留室22に貯留された液体21を吐出するために用いられる。ノズル孔23の開口形状は、図2(b)に示すように、円を偏平にした楕円状に形成されている。ノズル孔23は、例えば、第1の幅Xと第2の幅Yとを有する楕円形状で構成される。第2の幅Yは、第1の幅Xより狭い幅に設定されている。このような楕円形状にしたことにより、液体21の流路面積を大きくすることが可能となり、高い粘度の液体21を吐出することができる。
圧電素子24は、例えば、ピエゾ素子である。この圧電素子24は、圧電効果またはピエゾ効果を利用し、電圧が印加されることにより伸縮する性質がある。
振動板25は、圧電素子24と液体貯留室22との間に設けられており、伸縮した圧電素子24の伸縮に連動して振動する。振動板25は、例えば、シリコン等の弾性材料によって構成されており、振動しやすい構成になっている。
以上のことから、圧電素子24に電圧を印加して電圧変化を与えることにより圧電素子24が伸縮し、圧電素子24に接している振動板25に圧力が伝わる。そして、振動板25が液体貯留室22側に向かって凹状となるように弾性変形を起こし、その凹状になった空間に供給された液体21が入り込む。その後、圧電素子24への電圧の印加を停止すると、凹状の振動板25が元の状態に戻され、供給されて入り込んだ液体21の分が液体貯留室22に圧力を加える。その結果、液体貯留室22の液体21が押され、ノズル孔23より微小量の液体21が押し出される。
図3は、マイクロレンズ製造装置の電気的構成を模式的に示すブロック図である。以下、マイクロレンズ製造装置の構成について、図3を参照しながら説明する。マイクロレンズ製造装置11は、マイクロレンズ製造装置11内の動作を制御するための制御回路31を備えている。制御回路31は、コンピュータ32から液体21を吐出するための吐出信号などの各種データを受け取る第1インターフェース(I/F)33と、RAM34と、所定の処理を行うためのプログラムやデータを記憶したROM35と、発振回路(図示せず)と、CPUを含む制御部36と、駆動パルス生成回路としての駆動波形生成回路37と、マイクロレンズ製造装置内の回路から送られたデータを受け取る第2インターフェース(I/F)38とを備えている。
第2インターフェース38には、第1ドライバ39aと、第2ドライバ39bと、第3ドライバ39cと、吐出ヘッド12とに接続されている。第1〜第3ドライバ39a〜39cは、それぞれ、X方向駆動用パルスモータ40a、Y方向駆動用パルスモータ40b、Z方向駆動用パルスモータ40cに接続されている。X方向駆動用パルスモータ40aは、吐出ヘッド12に接続されている。Y方向およびZ方向駆動用パルスモータ40b,40cは、ステージ13に接続されている。
RAM34は、各種データの記憶および読み出しに利用される。コンピュータ32から送信された吐出データは、第1インターフェース33を介してRAM34に記憶される。その後、RAM34から読み出された吐出データは、各種吐出信号に変換されて、吐出ヘッド12およびステージ13を制御するために各ドライバ39a〜39c等に送られる。
駆動波形生成回路37は、圧電素子24を駆動するためのパルス電圧を生成する。このパルス電圧を圧電素子24に印加して振動板25を変形させることにより、ノズル孔23から液体21を吐出したり、ノズル孔23内に液体21を吸引したりすることができる。
X方向駆動用パルスモータ40aは、第1ドライバ39aを介して第2インターフェース38に接続されている。第1ドライバ39aは、第2インターフェース38から送られた位置データを含む信号を電流に変換する。X方向駆動用パルスモータ40aは、この電流に従って吐出ヘッド12をX方向に所定量移動させるための回転を行う。
Y方向駆動用パルスモータ40bは、第2ドライバ39bを介して第2インターフェース38に接続されている。第2ドライバ39bは、第2インターフェース38から送られた位置データを含む信号を電流に変換する。Y方向駆動用パルスモータ40bは、この電流に従ってステージ13をY方向に所定量移動させるための回転を行う。
Z方向駆動用パルスモータ40cは、第3ドライバ39cを介して第2インターフェース38に接続されている。第3ドライバ39cは、第2インターフェース38から送られた位置データを含む信号を電流に変換する。Z方向駆動用パルスモータ40cは、この電流に従ってステージ13をZ方向に所定量移動させるための回転を行う。
図4は、電気光学素子の構造を模式的に示す断面図である。本実施形態における電気光学素子51とは、受発光素子上に光学部材であるマイクロレンズ53を形成したものである。受発光素子の1つである発光素子としては、例えば、光を放出する部位(出射面)を有し、半導体レーザ、半導体発光ダイオード、有機EL装置などが挙げられる。受発光素子の1つである受光素子としては、例えば、光を取り込む部位(入射面)を有し、固体撮像素子、フォトダイオード、MSM(Metal Semiconductor Metal)フォトディレクターなどが挙げられる。以下、半導体レーザの1つである面発光型半導体レーザ(VCSEL)52上に光学部材としてのマイクロレンズ53が形成された電気光学素子51の構成について、図4を参照しながら説明する。
電気光学素子51は、基板15としての面発光型半導体レーザ(VCSEL)52と、マイクロレンズ53とを有する。面発光型半導体レーザ52は、図4に示すように、第1基板54と、第1基板54上に形成された垂直共振器(以下「共振器」とする)55と、共振器55上に形成された第1電極56と、第1基板54の下面側に形成された第2電極57とを有する。第1基板54は、例えば、n型GaAs(砒素ガリウム)基板である。
共振器55は、分布反射型多層膜ミラー層(以下、「第1ミラー層」という)58と、第1ミラー層58上に形成された柱状の半導体堆積体(以下、「柱状部」とする)59と、柱状部59の側面を覆う絶縁層60とを有する。
柱状部59は、活性層61と、活性層61の上方に形成された酸化アルミニウムからなる電流狭窄層62と、電流狭窄層62の上面に形成された分布反射型多層膜ミラー層(以下、「第2ミラー層」という)63とを有する。
第1電極56および第2電極57は、共振器55に電流を注入するために設けられている。詳しくは、この第1電極56および第2電極57によって、活性層61に電流が注入される。第1電極56は、例えばAuとZnの合金とAuとの積層膜から形成することができる。第1電極56は、柱状部59の上面の一部に開口部64を有する。柱状部59の上面のうち、開口部64によって開口された部分が出射面65となる。第2電極57は、例えば、AuとGeの合金とAuとの積層膜から構成されている。
以上により構成された面発光型半導体レーザ52は、共振器55の上面に設けられた出射面65から、第1基板54と垂直方向に光(レーザ)を出射することができる。
マイクロレンズ53は、面発光型半導体レーザ52の出射面65上に配置されている。このマイクロレンズ53は、出射面65から出射される光(レーザ)に対して透明な液体21を硬化させることにより構成される。これにより、光(レーザ)を効率良く出射させることが可能となる。
次に、面発光型半導体レーザ52の一般的な動作を説明する。なお、下記の面発光型半導体レーザ52の駆動方法は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
まず、第1電極56と第2電極57との間で電圧を印加すると、活性層61において、電子と正孔との再結合が起こり発光が生じる。そこで生じた光が第2ミラー層63と第1ミラー層58との間を往復する際に誘導放出が起こり、光の強度が増幅される。光利得が光損失を上まわると、レーザ発振が起こり、柱状部59上面にある出射面65からマイクロレンズ53へと入射する。このマイクロレンズ53にて放射角が調整された後、第1基板54に対して垂直方向(図4に示す上方側)に光(レーザ)が出射される。
図5、図6は、面発光型半導体レーザの製造工程を示す模式断面図である。以下、面発光半導体レーザの製造方法を、図5、図6を参照しながら説明する。
まず、図5に示す工程1では、第1基板54の表面に、組成を変調させながらエピタキシャル成長させることにより、半導体多層膜66を形成する。半導体多層膜66は、第1ミラー層58、活性層61、第2ミラー層63を順に第1基板54上に堆層させることにより形成する。次に、所定のパターンのレジスト層67を形成する。レジスト層67は、半導体多層膜66上に、フォトレジスト(図示せず)を塗布した後、フォトリソグラフィ法によりフォトレジストをパターニングすることにより、所定のパターンに形成される。
工程2では、柱状部59を形成する。まず、工程1において形成したレジスト層67をマスクとして、例えばドライエッチング法により、第2ミラー層63、活性層61、および第1ミラー層58の一部をエッチングして、柱状の半導体堆積体(柱状部)59を形成する。以上により、第1基板54上に、柱状部59を含む共振器55が形成される。その後、レジスト層67を除去する。
工程3では、必要に応じて、電流狭窄層62を形成する。電流狭窄層62は、第2ミラー層63の一部を酸化することにより形成する。電流狭窄層62を備えた面発光型半導体レーザ52(図4参照)では、駆動する際に、電流狭窄層62が形成されていない部分(酸化されていない部分)のみに電流が流れる。従って、酸化によって電流狭窄層62を形成する工程において、形成する電流狭窄層62の範囲を制御することにより、電流密度の制御が可能となる。
図6に示す工程4では、柱状部59を取り囲む絶縁層60を形成する。ここでは、絶縁層60を形成するための材料は、例えば、ポリイミド樹脂を用いる。まず、例えば、スピンコート法を用いて、樹脂前駆体(ポリイミド前駆体)を共振器55上に塗布して、樹脂前駆体層(図示せず)を形成する。この際、前記樹脂前駆体層の膜厚が柱状部59の高さより大きくなるように形成する。
次に、この基板を、例えば加熱して溶媒を除去した後、柱状部59の上面59aを露出させる。柱状部59の上面59aを露出させる方法としては、CMP法、ドライエッチング法、ウエットエッチング法などが利用できる。この後、前記樹脂前駆体層をイミド化させることで、絶縁層60が形成される。
工程5では、活性層61に電流を注入するための第1電極56および第2電極57、およびレーザ光の出射面65を形成する。まず、例えば真空蒸着法により絶縁層60および柱状部59の上面59a(図6、工程4参照)に、例えばAuとZnの合金とAuとの積層膜(図示せず)を形成する。この場合、最表面にAu層を形成する。次に、リフトオフ法により、柱状部59の上面59aに、前記積層膜が形成されていない部分を形成する。この部分が開口部64となる。そして、柱状部59の上面59aのうち開口部64内の領域が出射面65として機能する。
次に、第1基板54の裏面54aに、例えば真空蒸着法により、例えばAuとGeの合金とAuとの積層膜(図示せず)を形成する。
以上の工程(工程1〜工程5)により、出射面65を含む面発光型半導体レーザ52を形成する。
図7は、液滴の粘度と接触角との関係を示すグラフである。以下、液滴の粘度と接触角との関係を、図7を参照しながら説明する。横軸は液滴の粘度を示し、縦軸には液滴の接触角を示している。液滴の粘度は、数値が大きくなるに従って粘度が高くなり、流動性が低下してくる。液滴の接触角は、液滴が球状に近づくに従って、数値が大きくなる。
図7に示すように、粘度が低いほど液滴84(図9、工程14参照)の接触角が小さくなり、液滴84は平ら状に潰れてくる。粘度が高いほど液滴84の接触角が大きくなり、液滴84は略球状に形成される。つまり、液滴粘度が低いほど流動性が高いので、ノズル孔23の開口形状を小さくして小さい液滴84を形成することができるが、液滴84を球状に近づけることが難しくなる。一方、液滴粘度が高いほど流動性が悪いのでノズル孔23の開口形状を大きくしなければならず、これにより液滴84が大きくなってしまうが、液滴84を球状に近づけて形成することができる。
以上のことから、球状の(曲率変化の少ない)曲面をもつサイズの小さな液滴84を形成したい場合、高い粘度の液体21を吐出させることと、液体21を出射面65に接触させる接触面積を小さくすることが必要である。そして、この液滴84に紫外線83(図9、工程15参照)が照射されてできたマイクロレンズ53を用いることにより、光の拡散をより抑制することができ、光の伝送効率を向上させることができる。
本実施形態における液体21の粘度は、曲率変化を小さくするとともにノズル孔23から液体21の吐出を可能にするため、図7に示すように、30〜200cpsの範囲を用いる。また、好ましくは、より曲率変化を小さくするとともにノズル孔23からの液体21の吐出をしやすくするため、さらには、ノズル孔23の界面張力と液体21の粘度とを最適にし、生産性を高めるために、80〜150cpsの範囲を用いる。
図8,9は、マイクロレンズの製造工程を示す模式断面図である。以下、マイクロレンズ製造装置を用いて、面発光型半導体レーザの出射面上にマイクロレンズを製造する方法を、図8,9を参照しながら説明する。なお、図8,9に示す面発光型半導体レーザ52は、図6の工程5に示す面発光型半導体レーザ52を模式化したものであり、同様に構成されている。また、マイクロレンズ53(図4参照)は、例えば、液滴吐出法により出射面65に向けて液体21を吐出する方法により形成される。但し、本実施形態では、液体21は、液滴84として吐出してしまわない程度に液体21を押し出す吐出力を与える。なお、液体21の粘度および吐出量等を考慮して、吐出方法を選択するのが望ましい。
まず、図8に示す工程11では、吐出ヘッド12と面発光型半導体レーザ52とを近づけた状態を示している。吐出ヘッド12は、コンピュータ32から送られた吐出信号を基にしてX方向駆動用パルスモータ40aを所定量回転させることにより、X方向の所定位置に移動する。面発光型半導体レーザ52を載置したステージ13は、吐出信号を基にしてY方向およびZ方向駆動用パルスモータ40b,40cを所定量回転をさせることにより、Y方向およびZ方向(高さ方向)の所定位置に移動する。これにより、吐出ヘッド12とマイクロレンズ53を形成する面発光型半導体レーザ52の出射面65との液体21を吐出するための位置合わせが終了する。
液体21の先端面21aは、吐出ヘッド12の先端面12aと同じ高さにある。なお、この状態を液体21の「基準状態」とする。吐出ヘッド12と出射面65との位置合わせが終了したあと、圧電素子24に所定量のパルス電圧を印加する。
工程12では、ノズル孔23から液体21を突出させた状態を示している(吐出工程)。まず、圧電素子24に所定量のパルス電圧を印加したことにより、振動板25が弾性変形を起こし、液体貯留室22内に圧力を加える。このとき制御部36は、ノズル孔23から凸状のメニスカス状態に保持可能な液量を押し出すことが可能な吐出強さに駆動制御している。これにより、液体21の先端面21aは、ノズル孔23から所定量(所定高さ)押し出されて突出するメニスカス状態を維持している。なお、本実施形態におけるメニスカス状態とは、液体21に力を加えていれば突出状態を維持し、力を無くせば突出状態の液体21が元の基準状態に戻るような液面21b状態をいう。
工程13では、ノズル孔23から突出したメニスカスの液面21bを、面発光型半導体レーザ52の出射面65上に付着させた状態を示している(付着工程)。まず、Z方向駆動用パルスモータ40cを所定量回転させて、液体21の先端部21cが出射面65に接触する距離、つまり、吐出ヘッド12の先端面12aと面発光型半導体レーザ52の上面52aとの間隔が隙間Hになるようにステージ13を上昇させる。隙間Hは、例えば、ノズル孔23からメニスカスの状態に液体21を突出させるためのパルス電圧と、突出した液体21の突出高さG(工程12参照)と、液体21の粘度と、ノズル孔23の開口寸法(第2の幅Y)と、所望の接触面積とを有して求められる。また、隙間Hは、試行実験によって求めるようにしてもよい。吐出ヘッド12と出射面65との隙間を狭くして、出射面に接触する液体の面積を多くすれば、大きな液滴を形成することができる。一方、吐出ヘッド12と出射面65との隙間を広くして、出射面65に接触する液体の面積を小さくすれば、小さな液滴を形成することができる。
ノズル孔23から突出したメニスカス状態の液体21は、その先端部21cで出射面65と接触する。ノズル孔23の開口形状は、図2(b)で説明したように、第1の幅Xと第2の幅Yとを有する楕円形状に形成されている。ノズル孔23から突出した液体21は、ノズル孔23開口の楕円形状の中で、第2の幅Y(狭い側の幅)とほぼ等しい直径の凸状の球面と出射面65とが接触し付着する。
図9に示す工程14では、吐出ヘッド12とステージ13とを離して、出射面65上に液滴84を形成する(分離工程)。まず、Z方向駆動用パルスモータ40cを所定量回転させて、ステージ13を下降させる。これにより、ノズル孔23内の液体21と繋がっていたメニスカス状態の液体21のうち、出射面65上に付着した液体21が液滴84として分離する。この液滴84の大きさは、例えば、ノズル孔23の第2の幅Yによって決定される。工程13において、第2の幅Y分の液体21が出射面65上に接触して付着しているので、液体21を分離するとき、出射面65側に残る液体21は表面張力によって球状になろうとする。よって、出射面65上には、例えば、第2の幅Yとほぼ等しい直径を有する液滴84が形成される。また、この第2の幅Yを、第1の幅Xより大きくならない範囲で可変させることにより、液滴84の大きさ、つまりマイクロレンズ53の大きさを制御することが可能となる。
液滴84は、高い粘度を有するので、自重によって潰れにくく、曲率変化が小さい略球状を維持することができる。また、分離したあとのノズル孔23先端から突出している液体21は、ノズル孔23に引き戻され、液体21の先端面21aは、吐出ヘッド12の先端面12aと同じ高さ(基準状態)になっている。
工程15では、液滴84に紫外線83を照射してマイクロレンズ53を完成させる(照射工程)。液滴84は、紫外線硬化樹脂からなるので、照射部81から紫外線83が当たることにより硬化する。液滴84は、硬化後にマイクロレンズ53となる。曲率変化の少ない状態の液滴84に対し紫外線83を照射するので、曲率の安定したマイクロレンズ53を形成することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)本実施形態によれば、ノズル孔23の開口形状を楕円形状にしているので流路面積が大きくなり、粘度の高い紫外線硬化型樹脂からなる液体21を吐出させやすくすることができる。また、高い粘度の液体21を楕円形状のノズル孔23からメニスカス状態に突出させているので、この液体21と出射面65とを付着させたとき、楕円形状の中で狭い幅側の寸法(第2の幅Y)とほぼ等しい直径を有する液体21を出射面65に付着させて液滴84を形成することができる。よって、出射面65上に接触する接触面積を小さくすることができる。従って、ノズル孔23の開口面積の割に液滴84を小さく形成することができる。更に、液滴84の粘度が高いので出射面65との接触角を大きくすることができ、これにより液滴84が平ら状に潰れにくく略球状(曲率変化の小さい)の液滴84を形成することができる。そして、この液滴84に照射部81から紫外線83を照射するので、曲率変化の小さい略球状のマイクロレンズ53を形成することが可能となる。その結果、光の拡散をより抑制することができ、光の伝送効率を向上させることができる。
(2)本実施形態によれば、マイクロレンズ53の原料に紫外線硬化型樹脂を使用し、熱によって硬化させるのではなく紫外線83で硬化させるので、面発光型半導体レーザ52に与えるダメージを少なくすることができる。また、温度上昇によって粘度を低下させないので、液滴84の表面張力が高い状態で硬化させることができる。よって、曲率変化の少ないマイクロレンズ53を形成することができる。また、紫外線硬化型樹脂は、光透過性の高いものが多く光の損失が少ないので、長い光路長に対しても適用することができる。
(3)本実施形態によれば、制御部36によって、圧電素子24に印加するパルス電圧を一定にして、液体貯留室22に加わる圧力を一定にすることによりノズル孔23から突出するメニスカス状態の液体21の液量を常に一定にすることが可能となる。更に、吐出ヘッド12と出射面65上の隙間Hを一定にして出射面65上に液体21を付着させているので、常に液体21と出射面65との接触する接触面積を同じにすることができる。よって、サイズにバラツキの少ない液滴84を形成することができる。
(4)本実施形態によれば、粘度の高い液体21を使うので、出射面65への付着により球状に近い液滴84を形成することができる。よって、従来のような撥液処理や親液処理を施す必要がなく、製造工程を簡略化させ、製造コストを抑制することができる。
なお、本実施形態は上記に限定されず、以下のような形態で実施することもできる。
(変形例1)前記実施形態では、ノズル孔23は、楕円状の開口形状により、流路面積を大きくして粘度の高い液体21を吐出するようにしていた。これを、ノズル孔の開口形状を大きな丸形状にして液体21を吐出するようにしてもよい。これによれば、大きな丸形状のノズル孔により流路面積が大きくなるので、粘度の高い液体21を吐出することができる。更に、ノズル孔からメニスカス状態に液体21を突出させて、凸状の液体21の先端部を出射面65上に付着させることにより、接触面積を小さくすることができる。よって、接触面積に対応した小さな液滴を形成することができる。更に、液体21の粘度が高いので、曲率変化の少ない液滴を形成することができる。
(変形例2)前記実施形態では、ノズル孔23から突出したメニスカス状態の液体21を出射面65に付着させたあと液滴84に分離するとき、ステージ13を下降させることにより吐出ヘッド12から面発光型半導体レーザ52を離して液体21を分離していた。これを、吐出ヘッド12をZ方向に移動可能な移動手段を設け、吐出ヘッド12を出射面65に付着させた液体21から離すようにして、液滴84と分離するようにしてもよい。また、圧電素子24にパルス電圧を印加して、液体21をノズル孔23側に引くことにより、出射面65に付着させた液体21を分離するようにしてもよい。
(変形例3)前記実施形態では、ノズル孔23からメニスカス状態に液体21を突出させてからステージ13を上昇させて、液体21と面発光型半導体レーザ52の出射面65とを接触させるようにしていた。これを、予め求められた隙間Hになるまでステージ13を上昇させて吐出ヘッド12に近づけ、そのあと、圧電素子24にパルス電圧を印加してノズル孔23から所定のメニスカス状態になるまで液体21を突出させて出射面65に付着させるようにしてもよい。また、吐出ヘッド12に対しステージ13を近づけながら、ノズル孔23から液体21を吐出させて、隙間Hの高さまで移動を完了したときにメニスカス状態の液体21を出射面65に付着させるようにしてもよい。
(変形例4)前記実施形態では、液滴84を形成するのに液滴吐出法を用いていた。これを、ディスペンサ法を用いて形成するようにしてもよい。ディスペンサ法を用いて形成する場合、液体21の吐出量を多くすることが可能であるので、液体21の粘度を高くすることができる。よって、比較的大きな液滴84を容易に形成することができる。その結果、曲率変化の少ない曲面をもつ液滴84を形成することが可能となり、曲率の安定したマイクロレンズ53を形成することができる。
(変形例5)前記実施形態では、ノズル孔23から突出させる液量を、圧電素子24に印加するパルス電圧を一定にすることにより制御していた。これを、圧電素子24を使用せずに水頭差を利用して、ノズル孔23から突出させる液量を制御するようにしてもよい。
一実施形態における、光学部材の製造装置の構成を模式的に示す斜視図。 吐出ヘッドの構造を模式的に示す断面図。同図(a)は、吐出ヘッドの構造を示す模式断面図であり、同図(b)は、吐出ヘッドを下側からみたときのノズル孔の開口形状を示す模式平面図。 マイクロレンズ製造装置の電気的構成を模式的に示すブロック図。 面発光型半導体レーザとマイクロレンズの構造を模式的に示す断面図。 面発光型半導体レーザの製造工程を示す模式断面図。 面発光型半導体レーザの製造工程を示す模式断面図。 液滴の粘度と液滴の接触角との関係を示すグラフ。 マイクロレンズの製造工程を示す模式断面図。 マイクロレンズの製造工程を示す模式断面図。
符号の説明
11…光学部材の製造装置としてのマイクロレンズ製造装置、12…吐出ヘッド、13…載置部としてのステージ、15…基板、17…昇降手段としての第3のスライド機構、21…液体材料である液体、21a…液体の先端面、21b…液体の液面、21c…液体の先端部、22…吐出ヘッドを構成する液体貯留室、23…吐出ヘッドを構成するノズル孔、24…吐出ヘッドを構成する圧電素子、37…駆動パルス生成部としての駆動波形生成回路、40a…X方向駆動用パルスモータ、40b…Y方向駆動用パルスモータ、40c…Z方向駆動用パルスモータ、51…面発光型半導体レーザと光学部材とを組み合わせた電気光学素子、52…面発光型半導体レーザ(VCSEL)、53…光学部材としてのマイクロレンズ、64…開口部、65…出射面、81…照射部、83…エネルギー線としての紫外線、84…液滴。

Claims (16)

  1. 基板上に光学部材を形成する光学部材の製造装置であって、
    前記基板が載置される載置部と、
    前記載置部に載置される前記基板の上方に配置され、光学部材の原料である粘性を有する液状材料を下方へ吐出させるノズル孔を有する吐出ヘッドと、
    前記載置部と前記吐出ヘッドとのうち少なくとも一方を昇降させる昇降手段と、
    前記ノズル孔から前記液状材料を押し出すとともにその押し出された前記液状材料を前記ノズル孔より突出する状態に保持可能な液量に前記吐出ヘッドを駆動制御するとともに、前記ノズル孔より突出する前記液状材料を前記基板に付着させることが可能な距離まで前記吐出ヘッドと前記載置部とを接近させその後離間させるように前記昇降手段を駆動制御する制御部と、
    前記吐出ヘッドと前記載置部との接近および離間により前記基板上に付着した前記液状材料の液滴にエネルギー線を照射する照射部と、
    を備えたことを特徴とする光学部材の製造装置。
  2. 請求項1に記載の光学部材の製造装置であって、
    前記制御部は、前記ノズル孔から突出する前記液状材料を凸のメニスカスの状態に保持可能な液量に前記駆動ヘッドを駆動制御することを特徴とする光学部材の製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光学部材の製造装置であって、
    前記ノズル孔の開口形状は、偏平形状に形成されていることを特徴とする光学部材の製造装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学部材の製造装置であって、
    前記ノズル孔の開口形状は、楕円状であることを特徴とする光学部材の製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学部材の製造装置であって、
    前記液状材料の粘度は、30〜200cpsの範囲であることを特徴とする光学部材の製造装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学部材の製造装置であって、
    前記液状材料の粘度は、80〜150cpsの範囲であることを特徴とする光学部材の製造装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学部材の製造装置であって、
    前記制御部は、前記昇降手段によって前記載置部と前記吐出ヘッドとのうち少なくとも一方を昇降させるように駆動制御して、前記基板に付着した前記液状材料を前記液滴として分離させることを特徴とする光学部材の製造装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学部材の製造装置であって、
    前記液状材料は、紫外線硬化樹脂であり、
    前記エネルギー線は、紫外線であることを特徴とする光学部材の製造装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学部材の製造装置であって、
    前記基板は、面発光型半導体レーザであり、
    前記光学部材は、前記面発光型半導体レーザの上面に形成されることを特徴とする光学部材の製造装置。
  10. 基板上に光学部材を形成する光学部材の製造方法であって、
    吐出ヘッドのノズル孔から前記光学部材の原料である粘性を有する液体材料を突出した状態に保持可能な液量を吐出する吐出工程と、
    突出した状態の前記液体材料と前記基板とが接触するように前記吐出ヘッドと前記基板とを相対的に近づけて前記基板上に前記液体材料を付着させる付着工程と、
    前記吐出ヘッドと前記基板とを相対的に離して前記基板上に付着した前記液体材料を液滴として分離する分離工程と、
    前記基板上に付着した前記液滴にエネルギー線を照射する照射工程と、
    を有することを特徴とする光学部材の製造方法。
  11. 請求項10に記載の光学部材の製造方法であって、
    前記吐出工程は、前記液体材料を凸のメニスカスの状態に保持可能な液量を吐出させ、
    前記付着工程は、前記凸のメニスカスの状態の液体材料と前記基板とを接触させることを特徴とする光学部材の製造方法。
  12. 請求項10又は11に記載の光学部材の製造方法であって、
    前記ノズル孔の開口形状は、偏平状に形成されていることを特徴とする光学部材の製造方法。
  13. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法であって、
    前記液状材料は、30〜200cpsの範囲の粘度を用いることを特徴とする光学部材の製造方法。
  14. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法であって、
    前記液状材料は、80〜150cpsの範囲の粘度を用いることを特徴とする光学部材の製造方法。
  15. 請求項10〜14のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法であって、
    前記液状材料は、紫外線硬化樹脂であり、
    前記エネルギー線は、紫外線であることを特徴とする光学部材の製造方法。
  16. 請求項10〜15のいずれか一項に記載の光学部材の製造方法であって、
    前記基板は、面発光型半導体レーザであり、
    前記面発光型半導体レーザの上面に前記光学部材を形成することを特徴とする光学部材の製造方法。
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