JP2006153566A - 小麦粒の品質測定装置 - Google Patents

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明 芝山
Kenichi Anzai
賢一 安西
Tomoko Koshiro
知子 小城
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Abstract

【課題】 小麦粒の品質を短時間で測定できる簡易な小麦粒品質測定装置の提供。
【解決手段】 本発明による小麦粒の品質測定装置は、小麦粒の下方から特定範囲の波長の近赤外光を照射する光源(1)と、照射した光のうちの小麦粒を透過した光を受け取り、受け取った透過光を該透過光の光量に対応する電気信号に変換して出力するカメラボックス(4)と、前記カメラボックスから前記透過光の光量に対応する電気信号を受け取り、該電気信号を輝度別に測定して輝度に対するヒストグラムを作成する輝度分布計数装置(5)と、既知の透過光量の値とフォーリンダナンバー法で測定した粘度との相関を用いて、新たに透過光量分布を測定した小麦粒の推定FN値を計算する計算装置(6)と、により構成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、小麦粒の品質を測定する装置に関し、特に、簡易な小麦粒品質測定装置に関する。
現在、小麦粒の品質を確定する代表的な方法としては、「アミログラフ法」と「フォーリングナンバー法」がある(特許文献1及び2参照)。これら両者は共に、小麦粒をミルで粉砕し、水を加えて一定速度で加熱し又は加熱しながら撹拌して、粘度を測定することによる方法である。例えば、フォーリングナンバー法においては、小麦粒をミルで粉砕し、水を加えて加熱しながら撹拌して、フォーリングナンバー法で粘度(以下、“FN値”と称する)を測定するものである。
しかしながら、このような測定を実際に行うには、小麦粒を粉砕したり、測定装置のセッティング等で多大な時間がかかる。このため、迅速に多くの種類の小麦粒品質を測定しなければならない受け入れ検査では、短時間で簡易的に品質を確定できる測定装置が必要とされている。
特開平11−304698号公報 特開平8−29337号公報
本発明は、小麦粒の品質を短時間で測定できる簡易な小麦粒品質測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、小麦粒のFN値が非破壊状態で予測推定することが出来れば迅速な品質判定が可能となるという発想に基づいてなされたものである。かかる発想の下で、本願発明者らは、透過分光量の輝度分布に着目し、小麦粒の透過分光量の輝度分布とそのFN値の間の相関関係を検定し、透過分光量の輝度分布からFN値を求める回帰分析を行った。まず、一定量の小麦粒を数種類用意し、各々の透過分光量を輝度別に測定(測定時間は一定)してヒストグラムを作成した(図1のグラフ参照)。次いで、輝度分布を測定し終えた小麦粒を全てミルで粉砕し、フォーリングナンバー試験機で各々のFN値を計測した。次に、透過分光量の値を独立変数とし、実際に測定したFN値を従属値と考え回帰分析を行った。この結果に基づいて、FN値を予想する回帰式(予測式)を導き出し、回帰分析に用いた値を再度代入し直して相関関係があるのかを検証してみた。その結果、実測FN値と、小麦粒の透過分光量の輝度分布から導き出した推定FN値との間には、高い相関関係及び因果関係があることを発見した(図2のグラフ参照)。
この結果から、小麦粒の照射光輝度に対する透過分光量の輝度分布を測定することによって小麦粒の実際のFN値が推定でき、非破壊状態で迅速且つ簡易に小麦粒の品質測定ができるという結論に至り、本発明の測定装置を発明するに至った。
上記結論に基づいて、本発明においては、主として、小麦粒の下方から特定範囲の波長の近赤外光を照射する光源と、照射した光のうちの小麦粒を透過した光を受け取り、受け取った透過光を該透過光の光量に対応する電気信号に変換して出力するカメラボックスと、
前記カメラボックスから前記透過光の光量に対応する電気信号を受け取り、該電気信号を輝度別に測定して輝度に対するヒストグラムを作成する輝度分布計数装置と、既知の透過光量の値とフォーリンダナンバー法で測定した粘度との相関を用いて、新たに透過光量分布を測定した小麦粒の推定FN値を計算する計算装置と、により小麦粒の品質測定装置を構成している。
本発明の小麦粒品質測定装置においては、更に、正確な測定を行うために、雑光を防止するために前記光源に隣接して設けられた小麦粒に近い明るさのバックグランドと、前記小麦粒と前記カメラとの間に設けられた観察視野を制限するためのスリットと、を設けることができる。
本発明によれば、今まで小麦粒を粉にしなければ分からなかったFN値を、非破壊状態で簡易且つ瞬時に推定することが可能になり、小麦粒の取引や受け入れ検査で大きな役割を果すことができる。
図3は、本発明による小麦粒の品質測定装置の構成を示すブロック図である。
光源1は、特定の波長域の近赤外光を発光して、測定対象である小麦粒を下側から照射する。照射した光のうちの小麦粒を透過した光は、カメラボックス4によって集光される。尚、符号2に示されているものは、雑光を防止するために設けられた、小麦粒(すなわち測定物)に近い明るさのバックグランドであり、符号3によって示されているものは、観察視野を制限するためのスリットである。カメラボックス4は、その中のラインセンサーで透過光を受け取り、受け取った光を電気信号に変換して輝度分布計数装置5に供給する。輝度分布計数装置5は、カメラボックス4からの信号を輝度毎に合計し、輝度分布のヒストグラムを作成する。輝度分布計数装置5においては、図4に示すように、観察した小麦粒の画像を升目型に区切り、その1ドット毎の光量を輝度別に合計していくことによりヒストグラムを作る。輝度分布計数装置5によって作成されたヒストグラムのデーターは、計算装置6に供給される。計算装置6には、事前に幾つかのヒストグラムとFN値とを計測して得られたヒストグラムのデーターとFN値との相関関係が記憶されており、この記憶されている相関関係に基づいて、新たに供給されたヒストグラムのデーターから、新たな小麦粒対象物の推定FN値を計算し且つ該計算結果に基づいて対象物の品質測定結果を表示する。この表示結果により、オペレータは、測定した小麦粒の品質を迅速に知ることができる。
本発明は、小麦粒の品質測定に関してなされているが、本発明による着想は、小麦粒と同様にフォーリングナンバー法等によって粘度を測定することによる品質測定が可能なあらゆる穀類に対して適用可能であることは言うまでもない。
小麦粒の透過分光量を輝度別に測定したヒストグラムを示すグラフである。 小麦粒の実測FN値と透過分光量の輝度分布から導き出した推定FN値との相関関係を示すグラフである。 本発明の品質測定装置の構成を示すブロック図である。 観察した小麦粒の光量の輝度別ヒストグラムを作る方法を示した模式図である。
符号の説明
1 光源、 2 バックグランド、 3 スリット、
4 カメラボックス、 5 輝度分布計数装置、 6 計算装置

Claims (2)

  1. 小麦粒の品質測定装置であって、
    小麦粒の下方から特定範囲の波長の近赤外光を照射する光源と、
    照射した光のうちの小麦粒を透過した光を受け取り、受け取った透過光を該透過光の光量に対応する電気信号に変換して出力するカメラボックスと、
    前記カメラボックスから前記透過光の光量に対応する電気信号を受け取り、該電気信号を輝度別に測定して輝度に対するヒストグラムを作成する輝度分布計数装置と、
    既知の透過光量の値とフォーリングナンバー法で測定した粘度との相関を用いて、新たに透過光量分布を測定した小麦粒の推定FN値を計算する計算装置と、を含むことを特徴とする小麦粒の品質測定装置。
  2. 請求項1に記載の小麦粒の品質測定装置であって、
    雑光を防止するために前記光源に隣接して設けられた、小麦粒に近い明るさのバックグランドと、
    前記小麦粒と前記カメラとの間に設けられた観察視野を制限するためのスリットと、を更に含む小麦粒品質測定装置。
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