JP2006153130A - インバータ駆動モータ用転がり軸受 - Google Patents

インバータ駆動モータ用転がり軸受 Download PDF

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博 石和田
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Abstract

【課題】 安価でありながらも電食による損傷を効果的に回避できるインバータ駆動モータ用転がり軸受を提供する。
【解決手段】 80℃以下の雰囲気下で使用されるインバータ駆動モータの回転軸を支承するための転がり軸受であって、40℃における動粘度が10〜50mm2/sのエステル油を基油とし、リチウム石けんを増ちょう剤とするグリースを封入してなることを特徴とするインバータ駆動モータ用転がり軸受。
【選択図】 図1

Description

本発明は、80℃以下の雰囲気下で使用され、インバータ制御により駆動されるインバータ駆動モータの回転軸を支承するための転がり軸受に関する。
家庭用エアコンのファンモータの多くは、風量制御の容易さから、また省エネルギー化を図るためにインバータ制御されており、その駆動モータの回転軸は一般に転がり軸受で支承されている。インバータ制御は、設定風量に合わせて電圧と周波数とを調整するものであり、インバータ駆動モータに組み込まれる転がり軸受は、インバータ回路からの高周波の電流が流れ込むことにより起こる「電食」と呼ばれる損傷を受けることがある。
このような不具合を起こさないように、従来では、軸受を構成する転動体等を窒化珪素等のセラミックスで形成して絶縁することにより、電食による損傷を回避することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第2991834号公報 特許第2934697号公報
しかしながら、セラミック製の軸受は非常に高価であり、一般的な対策とは言い難い。そこで、本発明は、安価でありながらも電食による損傷を効果的に回避できるインバータ駆動モータ用転がり軸受を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明者らは鋭意検討した結果、金属製の軸受において電気的抵抗となるのはグリースによる油膜であることから、封入グリースの組成、更には油膜を規定することにより、電食による損傷を抑制できることを見出した。
即ち、本発明は、上記目的を達成するために、下記のインバータ駆動モータ用転がり軸受を提供する。
(1)80℃以下の雰囲気下で使用されるインバータ駆動モータの回転軸を支承するための転がり軸受であって、40℃における動粘度が10〜50mm2/sのエステル油を基油とし、リチウム石けんを増ちょう剤とするグリースを封入してなることを特徴とするインバータ駆動モータ用転がり軸受。
(2)定常運転状態での油膜パラメータが1〜6であることを特徴とする上記(1)記載のインバータ駆動モータ用転がり軸受。
本発明によれば、軸受を高価なセラミックス製とすることなく、電食の発生を効果的に抑制でき、安価で耐久性に優れたインバータ駆動モータ用転がり軸受が得られる。
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明では、80℃以下の雰囲気下で使用されるインバータ駆動モータを対象とするが、このような温度で使用される具体的なインバータ駆動モータとしては、家庭用の電化製品の各種モータ等が挙げられ、上記した家庭用エアコンのファンモータもその一つである。本発明は、これらのモータの回転軸を支承する転がり軸受に関するが、転がり軸受自体の構成や構造には制限が無く、従来からインバータ駆動モータの回転軸支承用に使用されている各種転がり軸受が対象となり得る。
本発明のインバータ駆動モータ用転がり軸受は、転動体や内外輪が軸受鋼等からなる金属製であり、40℃における動粘度が10〜50mm2/sのエステル油を基油とし、リチウム石けんを増ちょう剤とするグリースが封入されたものである。
エステル油は、上記の動粘度を満足する限りその種類には制限がなく、従来からグリースに使用されている各種エステル油を使用できる。例えば、二塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるジエステル油、炭酸エステル油、芳香族系三塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られる芳香族エステル油、一塩基酸と多価アルコールとの反応から得られるポリオールエステル油等を使用できる。
ジエステル油としては、ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソデシルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)、ジオクチルアゼレート(DOZ)、ジブチルセバケート(DBS)、ジオクチルセバケート(DOS)、メチル・アセチルシノレート(MAR−N)等が挙げられる。
芳香族エステル油としては、トリオクチルトリメリテート(TOTM)、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等が挙げられる。
ポリオールエステル油としては、以下に示す多価アルコールと一塩基酸とを適宜組み合わせて反応させて得られるものが挙げられる。尚、一塩基酸は単独でもよいし、複数を用いてもよい。更に、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステルとして用いてもよい。多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリスリトール(PE)、ジペンタエリスリトール(DPE)、ネオペンチルグルコール(NPG)、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール(MPPD)等が挙げられる。また、一塩基酸としては、主に炭素数4〜16の一価脂肪酸が用いられ、具体的には、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、スミテリン酸、パルミチン酸、牛脂脂肪酸、ステアリン酸、カプロレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノイン酸、リシノール酸等が挙げられる。
これらエステル油は、それぞれ単独でも、複数種を適宜組み合わせて使用してもよく、上記の粘度に調整される。尚、エステル油の動粘度が10mm2/s(40℃)未満では、低温での電食抑制効果が不十分となり、更に油膜が形成され難く潤滑不足となり、音響特性も低下するようになる。また、エステル油の動粘度が50mm2/s(40℃)を越えると、後述される油膜パラメータを満足できなくなり、電食により損傷し易くなる。これらを考慮すると、エステル油の動粘度は、10〜50mm2/s(40℃)が好ましい。
リチウム石けんも制限が無く、従来からグリースに使用されている12−ヒドロキシステアリン酸リチウムやアゼライン酸ジリチウム等を使用できる。また、リチウム石けんの配合量は、上記エステル油とともにグリースを形成し、グリース性状を維持できる量であれば制限がないが、グリース全量の10〜40質量%が適当である。尚、増ちょう剤として一般的なウレア化合物を用いた場合、電食による損傷を抑える効果が、低温域において十分に得られない。
グリースには、必要に応じて各種添加剤を添加することができ、例えば酸化防止剤や防錆剤、極圧剤、油性剤等を添加することができる。これらは何れも公知のもので構わず、その添加量も本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択される。
また、本発明においては、定常運転状態において、上記グリースの油膜パラメータが1〜6であることが好ましい。ここで、定常運転状態とは、一定回転、一定荷重となる運転状態を意味し、また、油膜パラメータ(Λ)とは、下記式で表される値である。
Λ=hmin /√(hr1 2+hr2 2
(hmin=最小油膜厚さ、hr1 ,hr2 =接触2面(軌道輪と転動体との転がり接触 面)の自乗平均粗さ)
即ち、本発明においては、定常運転状態において、転動体や軌道面の表面粗さに比して厚い油膜を形成する。金属製の転がり軸受では、転動体と内外輪との間で導電パスが形成され、この導電パスにインバータ回路からの電流が流れて電食による損傷が起こるが、本発明では電気絶縁性の油膜を厚くして導電パスにおいて電流を流れ難くすることにより、電食による損傷を起こし難くする。但し、油膜が厚くなり過ぎると、転動体が転動する際の抵抗が大きくなり、発熱が大きくなり好ましくない。これらを考慮して、本発明では油膜パラメータを9以下、好ましくは1〜6とする。
油膜パラメータは基油の動粘度と相関があり、10〜50mm2/s(40℃)の動粘度のエステル油を用いることにより、油膜パラメータを1〜6の範囲とすることができる。
以下、試験例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
表1に示すように、動粘度の異なるエステル油または合成炭化水素油を基油とし、リチウム石けんまたはウレア化合物を増ちょう剤とする試験グリースを調製した。そして、日本精工(株)製玉軸受「呼び番号608(内径8mm、外径22mm、幅7mm)」に、各試験グリースを封入して試料1〜6とした。
試料1〜6について、電食耐久試験を行った。試験は、試料を雰囲気温度10℃、50℃または80℃にて、回転数1500min-1、予圧3.7N、印加電流10mAにて500時間連続回転させ、500時間経過後に振動値を測定し、試験前の振動値と比較した。振動値が初期値の5倍以上になった場合を不合格「×」とし、結果を表2に示す。また、試験開始前にボール及び内外輪各軌道面の自乗平均粗さを測定し、運転後に油膜の厚さを測定して油膜パラメータを求めた。
Figure 2006153130
Figure 2006153130
表2に示すように、試料1と試料5とを比較すると、動粘度が同じでも、合成炭化水素油−ウレア系グリースを封入した場合、低温(10℃)での電食抑制効果が低いが、エステル油−リチウム石けん系グリースを封入することによりこのような不具合を改善できる。また、エステル油の動粘度が50mm2/s(40℃)以下であると、良好な電食耐久性を示すことがわかる。これに対し試料2のように、動粘度が55mm2/s(40℃)のエステル油も、合成炭化水素−ウレア系グリースと同様に低温で電食耐久性に劣るようになり、家庭用エアコンの使用条件を考慮すると十分とはいえない。
また、試験グリース毎に、油膜パラメータと基油動粘度との関係をグラフ化して図1に示すが、基油動粘度が高まるほど油膜パラメータも大きくなる傾向が見られ、両者の間には相関が認められる。また、上記電食耐久試験の結果から、試料2の10℃における結果が不合格であることから、油膜パラメータとしては9以下が好ましいといえる。
実施例で得られた、基油動粘度と油膜パラメータとの関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 80℃以下の雰囲気下で使用され、インバータ制御により駆動されるインバータ駆動モータの回転軸を支承するための転がり軸受であって、
    40℃における動粘度が10〜50mm2/sのエステル油を基油とし、リチウム石けんを増ちょう剤とするグリースを封入してなることを特徴とするインバータ駆動モータ用転がり軸受。
  2. 定常運転状態での油膜パラメータが1〜6であることを特徴とする請求項1記載のインバータ駆動モータ用転がり軸受。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056641A1 (fr) * 2006-11-09 2008-05-15 Ntn Corporation Palier à déflecteur à graisse pour moteur d'entraînement d'onduleur
JP2008121749A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Ntn Corp インバータ駆動モータ用グリース封入軸受
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JP2012225440A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Ntn Corp モータ用グリース封入軸受

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