JP2006151220A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プッシュロッド3によって押圧されるときに液圧を発生するマスターシリンダ7と、マスターシリンダ7で発生した液圧が伝達されるときに弾性収縮すると共に、この弾性収縮に伴ってアウトプットロッド5を前進させるストロークシミュレータ9と、一端部に運転者のペダル踏力を入力するペダルパッド1aが形成され、一端部及び他端部の間にある中間部がクレビス2を介してプッシュロッド3に回動可能に軸支され、他端部がクレビス4を介してアウトプットロッド5に回動可能に軸支され、ペダルパッド1aにペダル踏力が入力されたときに、ストロークシミュレータ9の弾性収縮に伴うアウトプットロッド5の前進によって、ペダル踏力の入力と同一方向でクレビス2を支点にした回動が助勢されるブレーキペダル1とを備える。
【選択図】図1
Description
図1は、本発明の概略構成図である。一端部のペダルパッド1a(入力部)に運転者のブレーキ操作が入力されるブレーキペダル1(ブレーキ操作子)は、一端部及び他端部の間がクレビス2を介してプッシュロッド3に回動可能に枢支され、他端がクレビス4を介してアウトプットロッド5に回動可能に枢支されている。
マスターシリンダ7には、セカンダリリターンスプリング7a、セカンダリピストン7b、プライマリリターンスプリング7c、プライマリピストン7dが順に挿入されており、プライマリピストン7dにプッシュロッド3の先端が枢同可能に当接している。リターンスプリング7a(7c)が介在しブレーキ液が充填された圧力室7e(7f)は、リリーフポート7g、ホース7hを経てリザーバタンク7iに連通している。ここで、セカンダリピストン7b、及びプライマリピストン7dが「第1のピストン」に対応している。
ストロークシミュレータ9は、流路8と連通したシリンダ室9aと、ダッシュパネル6を貫通し且つシリンダボディに摺動自在に挿通されたアウトプットロッド5に連結され、シリンダ室9a内を摺動可能なピストン9b(第2のピストン)と、シリンダ室9aの奥面とピストン9bとの間に介装されピストン9bを後退方向に付勢する圧縮バネ9cと、で構成されている。なお、シリンダ室9aにおけるピストン9bよりも奥の区画は大気開放されている。また、アウトプットロッド5は、ダッシュパネル6に固定されたガイド部材6aによって、ぐらつきが防止されている。
上記の構成により、ブレーキパッド1aにペダル踏力が入力されると、先ずブレーキペダル1が他端部のクレビス4を支点に回動してプッシュロッド3を前進させるので、マスターシリンダ7で液圧が発生する。そして、この液圧によってストロークシミュレータ9が弾性収縮するときに、ブレーキペダル1の他端部を軸支したアウトプットロッド5が前進するので、運転者によるブレーキ操作の入力と同一方向となるブレーキペダル1のクレビス2を支点にした回動が助勢される。
プライマリ側の液圧系統では、マスターシリンダ7及びホイールシリンダ11RL・11RR間の流路を閉鎖可能なゲートバルブ12r(第1の開閉弁)と、ゲートバルブ12r及びホイールシリンダ11RL(11RR)間の流路を閉鎖可能なインレットバルブ13RL(13RR)と、インレットバルブ13RL(13RR)及びホイールシリンダ11RL(11RR)間とマスターシリンダ7のリザーバタンク7iとを連通した流路を開放可能なアウトレットバルブ14RL(14RR)と、アウトレットバルブ14RL・14RR及びリザーバタンク7i間に吸入側を連通し、且つゲートバルブ12r及びインレットバルブ13RL・13RR間に吐出側を連通したポンプ15rと、を備えている。
上記の構成により、インレットバルブ13RL(13RR)、及びアウトレットバルブ14RL(14RR)を非励磁のノーマル位置にしたまま、ゲートバルブ12rを励磁して閉鎖すると共に、ポンプ15rを駆動することで、リザーバタンク7iのブレーキ液を吸入し、その吐出圧によって、ホイールシリンダ11RL(11RR)の液圧を増圧することができる。
さらに、ゲートバルブ12r、インレットバルブ13RL(13RR)、及びアウトレットバルブ14RL(14RR)の全てを非励磁のノーマル位置にすることで、マスターシリンダ7からの液圧がホイールシリンダ11RL(11RR)に伝達され、通常ブレーキとなる。
したがって、ゲートバルブ12f・12rが共に閉鎖されているときには、マスターシリンダ7からホイールシリンダ11FL〜RRへの液圧伝達が阻止される。
コントローラ16は、ブレーキバイワイヤを行う通常時には、ゲートバルブ12f・12rを閉鎖すると共に、ゲートバルブ10を開放することで、マスターシリンダ7で発生する液圧をストロークシミュレータ9だけに伝達する。これにより、ストロークシミュレータ9の圧縮バネ9cがピストン9bによって押圧されて弾性収縮することにより、運転者のブレーキ操作に対する適度なペダルストロークやペダル反力が生成される。このとき、プッシュロッド3の前進に応じてアウトプットロッド5も前進するので、コントローラ16は、プッシュロッド3の前進量とアウトプットロッド5の前進量とを図示しないストロークセンサで検知し、運転者のペダル踏力に応じた制動力が発生するように、インレットバルブ13FL〜13RR、アウトレットバルブ14FL〜14RR、及びポンプ15f・15rを駆動制御する。
次に、上記第1実施形態の動作や作用効果について説明する。
通常のブレーキバイワイヤを行っている場合、図3(a)のブレーキペダル1の非操作状態から、ブレーキパッド1aにペダル踏力が入力されると、図3(b)に示すように、先ずブレーキペダル1が他端部のクレビス4を支点にして回動してプッシュロッド3を前進させるので、マスターシリンダ7で液圧が発生する。このとき、ゲートバルブ10は開放され、ゲートバルブ12f・12rは閉鎖されているので、マスターシリンダ7で発生する液圧はストロークシミュレータ9だけに伝達される。
すなわち、運転者のペダル踏力が入力されると、アウトプットロッド5が、ブレーキペダル1の中間部にあるクレビス2を支点にした回動を助勢するように前進することになる。このクレビス2を支点にしたブレーキペダル1の回動は、ペダル踏力の入力と同一方向であるため、この回動を助勢した分だけ、運転者のブレーキ操作を軽くすることができる。したがって、負圧ブースタ等の倍力装置を設けることなく、自己助勢の作用によって運転者のペダル踏力を軽減することができる。
したがって、アウトプットロッド5は前進が阻止され不動状態となり、ブレーキペダル1は単にクレビス4を支点にして回動するだけになる。
以上のように、ブレーキバイワイヤを行うときには、ゲートバルブ12f・12rを閉鎖すると共にゲートバルブ10を開放する状態にし、またフェールセーフによってブレーキバイワイヤを中止するときには、ゲートバルブ12f・12rを開放すると共にゲートバルブ10を閉鎖する状態に切換えるように構成されているので、ブレーキバイワイヤを行うときには、自己助勢の作用によって運転者のペダル踏力を軽減することができ、一方のフェールセーフによってブレーキバイワイヤを中止するときには、ロスストロークの発生を防ぐことができる。
なお、上記の第1実施形態では、マスターシリンダ7とストロークシミュレータ9とを一体で構成しているが、これに限定されるものではなく、夫々を別体で構成するようにしてもよい。
さらに、上記の第1実施形態では、流体圧を利用したブレーキバイワイヤを行っているが、これに限定されるものではない。ブレーキバイワイヤに関しては制動力制御を行うことができればよいので、電動アクチュエータを駆動制御することで、ディスクロータをブレーキパッドで挟圧したり、ブレーキドラムの内周面にブレーキシューを押圧したりする電動ブレーキや、回生モータブレーキ等、電子制御可能なエネルギー源を備えていれば、如何なるブレーキでもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図4に基づいて説明する。
この第2実施形態では、図4に示すように、前述した第1実施形態において、ストロークシミュレータ9とゲートバルブ10との間に、逆止弁17及び絞り弁18を並列に介装したことを除いては、第1実施形態と同様の構成を有するので、第1実施形態との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
したがって、ブレーキバイワイヤを行う場合、ペダル踏込み時には、ブレーキ液が逆止弁17及び絞り弁18を通過するが、ペダル戻し時には、ブレーキ液が絞り弁18だけを通過するように構成されている。これにより、ペダル踏込み時とペダル戻し時とで、ブレーキヒステリシスを演出することができ、ペダルフィーリングを向上できる。
2 クレビス
3 インプットロッド
4 クレビス
5 アウトプットロッド
6 ダッシュパネル
7 マスターシリンダ
7a・7c リターンスプリング
7b・7d ピストン
7e・7f 圧力室
7g リリーフポート
7h ホース
7i リザーバタンク
8 流路
9 ストロークシミュレータ
9a シリンダ室
9b ピストン
9c 圧縮バネ
10 ゲートバルブ(第2の開閉弁)
11FL〜11RR ホイールシリンダ
12f・12r ゲートバルブ(第1の開閉弁)
13FL〜13RR インレットバルブ
14FL〜14RR アウトレットバルブ
15f・15r ポンプ
16 コントローラ
17 逆止弁
18 絞り弁
Claims (3)
- 第1のピストンが押圧されるときに流体圧を発生するマスターシリンダと、
該マスターシリンダで発生した流体圧が伝達されるときに弾性収縮すると共に、当該弾性収縮に伴って第2のピストンを移動させるストロークシミュレータと、
一端部に運転者のブレーキ操作を入力する入力部が設けられ、一端部及び他端部の間にある中間部が回動可能な状態で前記第1のピストンに接続され、他端部が回動可能な状態で前記第2のピストンに接続され、一端部に運転者のブレーキ操作が入力されたときに、前記ストロークシミュレータの弾性収縮に伴う前記第2のピストンの移動する力が、ブレーキ操作の入力と同一方向で中間部を支点にした回動を助勢する力として伝達されるブレーキ操作子と、を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。 - 前記マスターシリンダから伝達される流体圧によって制動力を発生するホイールシリンダと、前記マスターシリンダ及び前記ホイールシリンダ間の流路を開閉可能な第1の開閉弁と、前記マスターシリンダからの流体圧を前記ストロークシミュレータに伝達する流路と、該流路を開閉可能な第2の開閉弁と、前記第1の開閉弁を閉鎖すると共に前記第2の開閉弁を開放する状態、又は前記第1の開閉弁を開放すると共に前記第2の開閉弁を閉鎖する状態の何れかに切換える切換手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
- 前記第2の開閉弁と前記ストロークシミュレータとの間に並列に介装された逆止弁及び絞り弁を備え、前記逆止弁は、前記ストロークシミュレータへの流体の通過のみを許容する向きに配置されることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
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