JP2006150795A - インクリボンカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】一定のバックテンションをインクリボンカートリッジの供給スプールに与えるコンパクトな構造で、画像形成装置に着脱可能にするとともに、必要な部品は落下不能にする。
【解決手段】フレームと、供給軸体連結部材39と、巻取軸体連結部材38とを有するインクリボンカートリッジが提供される。フレームは第1の軸受部材50および第2の軸受部材40を備え、供給軸体連結部材は供給軸体を第1の軸受部材および第2の軸受部材に回転可能に連結し、巻取軸体連結部材は巻取軸体を第1の軸受部材および第2の軸受部材に回転可能に連結する。供給軸体連結部材は第1の軸回りに回転し、巻取軸体連結部材は第2の軸回りに回転し、適切な量のインクリボン30が露出し且つインクリボンカートリッジが使用される画像形成装置の寸法が小さくなるように、第1の軸と第2の軸との間の間隔は所定の値となっている。
【選択図】図8
【解決手段】フレームと、供給軸体連結部材39と、巻取軸体連結部材38とを有するインクリボンカートリッジが提供される。フレームは第1の軸受部材50および第2の軸受部材40を備え、供給軸体連結部材は供給軸体を第1の軸受部材および第2の軸受部材に回転可能に連結し、巻取軸体連結部材は巻取軸体を第1の軸受部材および第2の軸受部材に回転可能に連結する。供給軸体連結部材は第1の軸回りに回転し、巻取軸体連結部材は第2の軸回りに回転し、適切な量のインクリボン30が露出し且つインクリボンカートリッジが使用される画像形成装置の寸法が小さくなるように、第1の軸と第2の軸との間の間隔は所定の値となっている。
【選択図】図8
Description
本発明は、インクリボンカートリッジに関するものであり、特に着脱可能なインクリボンカートリッジに関する。
例えばプリンタやファクシミリ装置などの、熱転写式方式で画像/データの印刷を行う画像形成装置は、画像記録媒体上に画像を形成するためインクリボンを用いる。インクリボンは典型的には、画像形成装置に取外し可能に設けられるインクリボンカートリッジに収容されている。インクリボンカートリッジは一般に、供給軸体、巻取軸体およびカートリッジフレームを有する。供給軸体は、インクリボンシートの未使用部分をその上で保持し、また一般的にインクリボンシートの未使用部分はその上で巻き取られた形で保持されている。巻取軸体は、インクリボンシートの使用済部分をその上で保持し、また一般的にインクリボンシートの使用済部分はその上で巻き取られた形で保持されている。画像を画像記録媒体上に印刷するために、供給軸体によって(例えばそこから巻き出される形で)供給されるインクリボンシートは、記録媒体(例えば紙)と重ねられ、サーマルヘッドによって加熱される。熱によってインクリボン上の色素が画像記録媒体に転写される。インクリボンシートの使用済部分は、巻取軸体によって(例えばその上に巻き取られる形で)巻き取られる。
このような熱転写式方式を用いて生成された画像の質を向上させる方法の一つは、供給軸体から巻取軸体へ伸長しているインクリボンシートが緩まず及び/または皺にならず、インクリボンの対応する皺にならない/伸ばされた部分と記録媒体とが完全に互いに重ね合わさるように、十分に高いテンションをインクリボンシートに付与することである。インクリボンシートが緩む及び/または皺になると、例えば、色素の一部が完全には画像記録媒体に転写されない、及び/またはインクの一部が記録媒体上の誤った位置に転写される可能性があるため、インクリボンシートの色素が正しく画像記録媒体に転写されない。このような場合、画像の一部分には、例えば汚れる、消失する、ずれる、薄くなる、濃くなる等のことが起こり、そのため、形成される画像の質は低下する。これを低減する、及び好ましくは防止する手段のひとつは、供給軸体にテンションを付与して、インクリボンシートの一部を離脱させるような方向への供給軸体の過度の回転を防止することである。
インクリボンシートの緩み又は皺を軽減するため、特開2001−130075号には、所定の回転抵抗をインクリボンカートリッジの供給軸体に与えるバックテンション機構が開示されている。ここに開示されたバックテンション機構は、供給軸体の一端に回転可能に設けられる樹脂製スプールと、樹脂製スプールを樹脂製のカートリッジフレームに対して押圧するばねとを使用する。樹脂製カートリッジの表面が樹脂製供給スプールの表面にこすり合わせられると、摩擦力がその間に働く。その結果、バックテンション(すなわち回転抵抗)が樹脂製スプール及びその上の未使用のインクリボンの回転に抗して(すなわち、樹脂供給スプール上のインクリボンの離脱に抗して)与えられる。与えられたバックテンションはインクリボンの過度の回転(すなわち、必要以上のインクリボンが供給される)を防ぎ、これによってその緩み及び/または皺が防がれる。
しかしながら、特開2001−130075号に開示されたバックテンション機構は、樹脂製供給スプールの表面と樹脂製カートリッジフレームの表面(すなわち2つの樹脂表面)に働く摩擦力に依存している。2つの樹脂部材間に働く摩擦力の大きさは、環境の変化によって変わり、またこのために、樹脂供給スプールの表面とそれに対応する樹脂カートリッジの表面との間に働く摩擦力の大きさは、周囲の温度等に基づいて変化しうる。これにより、このようなインクリボンカートリッジが使用されている画像形成装置周囲の温度等によって樹脂製供給スプールに与えられるテンションは変わるので、供給スプールに与えられるバックテンションは一定の大きさとはならない。それ故に、環境の変化のため、生成された摩擦力は一定では無くなり、期待される所定の値と常にほぼ等しくなるわけではない。このような場合、生成される摩擦力は、必要なバックテンションを供給軸体に抗して十分に与えることができず、形成される画像の質は、インクリボンシートの皺/緩みのため、低下する。
特開平9−109524号には、インクリボンカートリッジの供給軸体用の他のバックテンション機構が開示されている。ここに開示されているバックテンション機構は、円盤部と円形平板の間に配置されたフェルト部材を用いる。フェルト部材及び円形平板に向かって円盤部をばねが付勢し、フェルト部材と円盤部の対応する表面同士の間に働く摩擦力によって、バックテンションがインクリボンシートに与えられる。ここに開示された機構においては、ばねと円形平板が、例えば回転する軸体の外周部に設けられ、またこれらはプリンタの一部である。ばねはギアの表面と円盤部の第1面との間にあり、またフェルト部材の一方の表面は円形平板上に固定され、フェルト部材の他方の表面はばねによって付勢されて円盤部の第2面と接触する。このため、ここに開示されたバックテンション機構を用いるためには、少なくともバックテンション機構のばね及び円形平板のためのスペースが印刷装置の本体内になければならない。その結果、バックテンションの部品のために、特開平9−109524号に開示されたバックテンション機構を備えた画像形成装置の寸法を増大させる必要がある。さらに、磨耗や破断が起きると、フェルト部材が例えば劣化し、生成された抵抗が所定の所望の回転抵抗と異なってしまう可能性がある。にも拘わらず、ここに開示されたバックテンション機構は、プリンタに固定(すなわちねじ止め)されている。このため、例えばフェルト部材を交換する必要がある場合は、プリンタからバックテンション機構を取り外す必要がある。
着脱可能なインクカートリッジを改良する他の方法として、その取り扱いおよび、画像形成装置に対する着脱を容易なものとするようなインクカートリッジフレームを使用するものがある。一般に、例えば特開2003−182130号に開示されているように、インクカートリッジフレームは、インクリボン支持軸体がフレーム部材に回転可能に連結されているという構造となっている。特開2003−182130号に開示されているフレーム部材は、互いに別体である一対の側方フレーム部材を用いている。インクリボン軸体の右端は、右部側方フレーム部材に回転可能に設けられた支持部材によって支持され、インクリボン軸体の左端は、左部側方フレーム部材に回転可能に設けられた支持部材によって支持される。さらに、全ての保持部材は、側方フレーム部材に対して着脱可能である。
このようなインクカートリッジの着脱は、困難であり、また時間がかかる。というのも、インクカートリッジの全ての着脱可能な部品を正しく取り付ける必要があり、ある条件下では、例えば着脱可能な部品の一グループを組み立てながら他の着脱可能な部品のグループがフレームから取り外される。また、単に2つの側方部材のみからなるフレームを備えたインクカートリッジは、ぐらつき、不安定であり、その取り扱いおよび着脱がより困難なものとなっている。
インクカートリッジを改善する他の方法は、インクカートリッジの着脱中及び/またはインクリボンシートの交換中に、対応する部品との連結状態を維持するような部品を有する、着脱可能なインクカートリッジであるインクカートリッジを用いることである。既知の支持部材100の一例を図23に示す。既知の支持部材100は、ギア部材102を有し、これは駆動ギア101およびスプール部材103を有する。スプール部の一端は、巻取回転軸体の受け部に挿入され、スプール部の他端は、そこから突出している弾性片104を有する。ギア部材102はスプール部の弾性片104を受けるための係合穴を有している。弾性片104上の係合突出部104aは、係合穴105と係合し、スプール部材およびギア部材はそれによって連結される。しかしながら、このような構造が傾くと、接続されている軸を取り外す時等に発生するようなスプール部材103の側方からの外力のため、弾性片を係合孔105から分離させるような力を弾性片104が受ける。それ故に、このような構造においては、スプール部材103およびギア部材は非常に容易に分離する。
本発明の一側面は、一定のバックテンションをインクリボンカートリッジの供給スプールに与える、コンパクトな構造を提供することである。
本発明の他の側面は、インクカートリッジの、迅速且つ正確な組み立て、およびこれを画像形成装置に着脱可能にする際に有用な着脱不可能な部材を有する、インクリボンカートリッジを提供することである。
本発明の他の側面は、画像形成装置に対して着脱可能なインクリボンカートリッジであり、リボンがその上に設けられた軸体をインクリボンカートリッジに接続するための、取り外しできない接続部材を有し、この取り外しできない接続部材が駆動ギアを備えているような、インクリボンカートリッジを提供することである。
本発明の他の側面は、インクリボンカートリッジにバックテンションを与える機構を提供することである。
本発明の一側面によれば、フレームと、供給軸体連結部材と、巻取軸体連結部材とを有するインクリボンカートリッジが提供される。フレームは第1の軸受部材および第2の軸受部材を備え、供給軸体連結部材は供給軸体を第1の軸受部材および第2の軸受部材に回転可能に連結し、巻取軸体連結部材は巻取軸体を第1の軸受部材および第2の軸受部材に回転可能に連結する。供給軸体連結部材は第1の軸回りに回転し、巻取軸体連結部材は第2の軸回りに回転し、適切な量のインクリボンが露出し且つインクリボンカートリッジが使用される画像形成装置の寸法が小さくなるように、第1の軸と第2の軸との間の間隔は所定の値となっている。
本発明の他の側面によれば、供給軸体の第1端と巻取軸体の第2端とを連結する第1のフレーム部材と、供給軸体の第2端と巻取軸体の第2端とを連結する第2のフレーム部材と、を有するインクリボンカートリッジが提供される。供給軸体および巻取軸体の各々は第1のフレーム部材および第2のフレーム部材によって回転可能に支持され、インクリボンカートリッジが取り付けられる画像形成装置の部分と連携するため、第1のフレーム部材および第2のフレーム部材のほぼ直接対向する部分間の間隔はおおよそ所定の値となっている。
本発明の他の側面によれば、巻取軸体および供給軸体の左端を回転可能に支持する左部軸受部材と、巻取軸体および供給軸体の右端を回転可能に支持する右部軸受部材と、左部および右部軸受部材の端部を連結する前部連結部材と、左部および右部軸受部材の端部を連結する後部連結部材と、を有するインクリボンカートリッジが提供される。巻取軸体は第1の軸回りに回転し、供給軸体は第2の軸回りに回転し、インクリボンカートリッジが取り付けられた画像形成装置の寸法を減少させるために、第1の軸と前部連結部材の最上部との間隔は所定の値未満となっている。
これらの、そして他の随意的な特徴および、本発明の様々な側面により可能となる利点は、本発明が適用されたシステムおよび方法の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明中に記載されるか、そこから自明なものとなる。
本発明の例示的な実施形態を、後述の図面を参照して詳細に説明する。
以下の記載を通して、本発明を完全に理解するための、多数の特徴概念および構造が示される。本発明はこれらの特徴概念および構造の全てを利用することなく実行可能である。他の例では、発明の特徴を強調するため、既知の要素は詳細には指示または記載されていない。
本発明の1つ以上の側面は、インクカートリッジの寸法をほとんど増加させることが無く、好ましくはこれを減少させるような、ほぼ一定のバックテンションを与える供給軸体を備えたインクリボンカートリッジを提供することである。本発明の他の側面は、着脱時およびリボン交換時の取り扱いが容易であるインクリボンカートリッジを提供することである。本発明の他の側面は、ほぼ取り外し不可能なスプール(すなわち、適切に組み込まれたのであれば、例えばてこの利用や意図的な取り外し処理といった特定の処理を行わない限り、容易にはフレームから取り外すことのできないスプール)を複数有し、それによって組み立て時に必要な部品点数が減り着脱処理が容易となるような、インクリボンカートリッジを提供することである。本発明の他の側面は、巻取スプールを有し、巻取スプールはそこに取り付けられた入力ギアを備え、入力ギアは巻取スプールを取り外し及び/または傾けた時に外れないようになっている、インクリボンカートリッジを提供することである。本発明のこれらのまたは他の側面は、以下に記述され、また、単独で及び/またはこれらを組み合わせて使用される。
以下の記述では、例示的なインクリボンカートリッジは、ファクシミリ装置との関係において説明される。しかしながら、本発明のインクリボンカートリッジの様々な適用は、プリンタ、コピー機、または多機能ファクシミリ/プリンタ/コピー装置といった、他の画像形成装置においても使用可能である。
本発明の例示的な適用に関する以下の記述において、例示的なファクシミリ装置1の画像入力媒体排紙ローラ対12のある側面を「前」または「前側」とし、そのほぼ反対側の回動支点5aのある側を「後」または「後側」とする。ファクシミリ装置及び/またはその中にあるインクリボンカートリッジの様々な個々の部品に関しては、個々の部品の方向は同様に、その部品が例示的なファクシミリ装置の上/中に設けられている/取り付けられている位置に基づいて認識される。すなわち、部品をその部品が収められている例示的なファクシミリ装置の前側から見た時に、それが左側にあるのであれば、その方向は「左側」とされ、部品をその部品が収められている例示的なファクシミリ装置の前側から見た時に、それが右側にあるのであれば、「右側」とされる。
着脱可能なインクリボンシート23を有するインクリボンカートリッジには、本発明の様々な適用がなされる。インクリボンカートリッジは、画像を熱転写方式によって印刷するプリンタ、ファクシミリ装置及び/またはコピー機といった画像形成装置の本体に対して着脱可能に設けられる。
一般に、ファクシミリ装置は原稿から画像を読み取り、読み込まれた画像に対応する画像データを生成し、その画像データを電話回線等の通信回線を介して他のファクシミリ装置に送信し、画像データを他のファクシミリ装置等の他の装置から受信し、画像データに基づく画像を紙等の記録媒体に形成する。ファクシミリ装置はまたプリンタとしての機能を有し、パーソナルコンピュータやファクシミリ装置と接続された無線通信やプリンタケーブル等を介してプリントデータを受信して、その受信した画像データに基づいて画像を記録媒体に形成する。
図1は、本発明の1つ又はそれ以上の側面の例示的な適用による、インクリボンカートリッジを用いる例示的なファクシミリ装置を図示したものである。図1に図示された例示的なファクシミリ装置1は、通常、受話器(図示せず)が配置された本体ケース4を有する。ファクシミリ装置1は、上カバー体5を有しても良い。上カバー体5は、開いたり(すなわち上昇する)閉じたり(すなわち、本体ケース4の対応する部分上を覆って閉じる)することが可能である。例示的なファクシミリ装置1においては、上カバー体5が回動支点5aを介して開閉できるように、上カバー体5の下面後部は、回動支点5aを介して本体ケース4の上面後部と接続されている。
操作パネル6は、スイッチ/ボタン/キー6a、液晶表示装置6b等を有しており、上カバー体5の上面前端部に設けられている。記録媒体3(例えば紙)を保持する記録媒体供給トレイ7が、上カバー体5の後端部に設けられている。例えば記録媒体供給トレイ7の下部が上カバー体5等に接続されるように、また記録媒体供給トレイ7の上端がある上向きの角度をもって周囲の空間に向かうように、ある角度を持って記録媒体供給トレイ7は配置される。原稿台8は、例えば上カバー体5の上、記録媒体供給トレイ7の前部に設けられている。原稿台8は、画像がその上に印刷、複写及び/またはファクスされた原稿等の入力画像媒体2を支持している。原稿台8はまた、原稿台8の下部が上カバー体5に連結され且つ原稿台8の上端がある上向きの角度を持って周囲の空間に向かうように、ある角度をもって配置されている。
例示的なファクシミリ装置1の本体ケース4内には、操作パネル6の下方に、原稿台8からの入力画像媒体2を搬送するための入力画像媒体搬送ローラ9a、圧接部材9b、密着型イメージスキャナ(CIS)10、入力画像媒体押え体11、入力画像媒体排紙ローラ対12等が配置されている。記録媒体供給トレイ7の下方には、例えば、記録媒体供給部16が設けられている。記録媒体供給部16は、例えば記録媒体供給ローラ13および分離部材15を有する。記録媒体供給ローラ13は、分離部材15と共動して、記録媒体3を、一枚ずつ,記録媒体供給トレイ7からファクシミリ装置1の印字部に搬送する。分離部材15は、ばね14等の押圧部材によって記録媒体供給ローラ13の外周面下部に向けて押圧され、一枚の記録媒体を他の記録媒体から分離させるのに貢献している。例示的な実施形態では、分離部材15は、ファクシミリ装置の底部に対してある角度に向かって延びており、その上端はその下端周りに回動可能となっている。この例示的な実施形態においては、分離部材15上の記録媒体供給ローラ13に対向する面には、ゴム製部材15aが配置されている。
図1に図示されているファクシミリ装置1の実施形態においては、ファクシミリ装置1の略中央部に印字部が設けられている。印字部は、例えばローラ状のプラテン17と、サーマルヘッド20と、ヒートシンク19と、ばね18と、インクカートリッジ受け部22と、を有する。サーマルヘッド20はヒートシンク19上に配置されており、印字中は、ヒートシンク19はローラ状のプラテン17の下面を押圧している。インクリボンカートリッジ30がインクカートリッジ受け部22内にある時は、インクリボンシート23は、サーマルヘッド20上で、ローラ状のプラテン17の下にあるインクリボンカートリッジの供給軸体32(図2)から延びており、さらに、インクリボンカートリッジ30の巻取軸体33(図2)によって巻き取られる前に、ファクシミリ装置の正面に向かう。
また、インクリボンカートリッジ30がインクカートリッジ受け部22内にある時は、インクリボンカートリッジ30の後端がインクカートリッジ受け部22の前部よりもわずかに高くなるように、また、インクカートリッジ受け部22の前部の最底部がインクカートリッジ収納部22の後部の最底部よりもファクシミリ装置1の底面に近くなるように、インクリボンカートリッジ30はわずかに傾いている。それ故に、インクカートリッジ受け部22の後部の底面とファクシミリ装置1の底部との間の空間は、インクカートリッジ収納部22の前部の底面とファクシミリ装置1の底部との間の空間よりも大きくなる。
インクリボンカートリッジ30がインクカートリッジ受け部22内にある時は、左部供給スプール50および右部供給スプール39は、ファクシミリ装置1のほぼ後部に配置されており、左側巻取スプール40および右側巻取スプール38は、ファクシミリ装置1のほぼ前中央部に配置されている。ファクシミリ装置1の例示的な実施形態においては、インクカートリッジ30がその中に配置されている時は、左部供給スプール50および右部供給スプール39はある高さにあり、それは左部巻取スプール40および右部巻取スプール38の置かれた高さよりも、ファクシミリ装置1の底面に対してわずかに高い。
インクリボンカートリッジ30の後部および前部の下にある空間には、第1の制御基板29aおよび第2の制御基板29bがそれぞれ配置されている。インクカートリッジ受け部22の後部の下には大きな空間が形成されているので、第1の制御基板29aは第2の制御基板29bよりも大きくなっている。
印字が行われると、記録媒体3に沿ったインクリボンシート23の対応する部分は、プラテン17と、プラテン17の底面を押し上げているサーマルヘッド20とに挟まれる。インクリボンシート23のインク面はその上面にあり、インクリボンシート23上には一種類又は複数種類の色素がある。画像を印刷するために、記録媒体3はインクリボンシート23のインク面(上面)に重ね合わせられ、重ね合わされたシートは、ファクシミリ装置1の印字部内でプラテン17とサーマルヘッド20とに挟まれる。サーマルヘッド20がインクリボンシート23の上面上のインクを加熱し、それによってその上のインクが溶融して、印字がおこなわれる。溶融したインクはプラテン17によって記録媒体3に押しつけられ、溶融したインクは記録媒体3に付着する。
画像が記録媒体3に印刷された後、記録媒体3は仕切り板27の上面に沿って搬送され、記録媒体排紙ローラ対28を介して、本体ケース4の略上後部中央から排紙される。仕切り板27は巻取スプール38、40のほぼ上に位置しており、印刷済の記録媒体をファクシミリ装置1の内部から搬送するための搬送シュートとして機能する。仕切り板27は記録媒体3を、印刷済の記録媒体を内部空間から搬送する記録媒体排紙ローラ対28に導く。
インクリボンシート23に関し、例示的なファクシミリ装置1においては、画像が記録媒体3に印刷された後、インクリボンシート23は、左右の巻取スプール40、38の下後部に沿って巻き取られる前に、テンション部材26の上前部表面で下方に曲げられ、仕切り板27を通過する。インクリボンシート23がテンション部材26の上前部表面上で曲げられて巻取スプール40、38に引っ張られると、インクリボンシートの対応する部分は記録媒体3の対応する部分から分離する。
本発明の1つまたはそれ以上の側面によれば、フレームを備えたインクリボンカートリッジは、例えば、そのインクリボンカートリッジと連携するファクシミリ装置1の大きさをフレームのために増加させる必要がなく、その一方で、その扱いを容易なものとし、インクリボンシートの交換及び着脱を容易なものとし、且つ画像形成装置へのインクリボンカートリッジの着脱を容易なものとする。
図2−7に示されているように、本発明の1つまたはそれ以上の側面による例示的なインクリボンカートリッジ30は、カートリッジフレーム31と、インクリボンシート23の未使用部のほとんど全てがロールされている供給軸体32と、インクリボンシート2の使用済み部のほとんど全てがロールされる巻取軸体33と、を有する。図2に図示されているカートリッジフレームの例示的な実施形態においては、フレーム31は(少なくともそれが4隅を有するという点において)矩形状である。ただし、フレーム部材の点数およびその連結方法、またはフレーム部材各々の形状に応じて、フレーム31を一般的な他の形状としてもよい。
供給軸体32及び巻取軸体33は、一般に、少なくとも部分的に中空の部材であり(例えばチューブ状の軸体又は端部が中空となっている軸体)、部品同士を連結するため、及び/またはインクリボンカートリッジ及び/または画像形成装置に必要とされる容積を減少させるために、インクリボンカートリッジの少なくとも一部(例えばスプールやバックテンション機構)がそこに挿入/配置される。例えば、以下のように、本発明の1つ又はそれ以上の側面の適用において、例示的なバックテンション機構の圧縮ばね52は、供給軸体32のチューブ状の軸の中のスペースに配置されている。他の適用においては、圧縮ばね52または他の付勢部材が、回転部材(すなわち軸部材)の外側部分の中で使用され、付勢部材又はばねはファクシミリ装置内にさらなるスペースを必要としない。
しかしながら、バックテンション機構が使用されていないか、それが付勢部材を利用していないような、本発明の1つ又はそれ以上の側面の幾つかの適用、或いはバックテンション機構の付勢部材が別の場所に設けられているような幾つかの適用などにおいては、例えば、供給軸体32及び/または巻取軸体33は、フレームによって軸支される部分が一体形成された中実の部材である。さらに、幾つかの適用においては、例えば、圧縮ばねを付勢部材として使用する代わりに、例えば引張ばねを、下記連結手段がカートリッジフレームに形成された溝に配置されたときに引張ばねが下記連結手段の外側部及び内側部が互いに向かい合うように引っ張るように、カートリッジフレームのおおよそ外側に配置された連結手段の外側部とカートリッジフレームによって定められるエリアのおおよそ内側に配置された連結部材の内側部との間に設ける。
カートリッジフレーム31は、一対の軸受部材34a、34bと、一対の連結部材35a、35bを有し、これらは以下の記述では左部軸受部材34a、右部軸受部材34b、前部連結部材35a、後部連結部材35bとして示される。前部及び後部連結部材35a、35bは、左部軸受部材34a及び右部軸受部材34bの端部を互いに連結する。前部連結部材35aは左部及び右部軸受部材34a、34bの略前端部を連結し、後部連結部材35bは左部及び右部軸受部材34a、34bの略後端部を連結する。ただし、連結部材は、他の実施形態では、異なった形で配置されうる。
さらに、2つの連結部材が図示されているが、本発明の1つ又はそれ以上の側面の様々な適用において、一つの連結部材を用いてもよく、及び/または2つよりも多くの連結部材を用いてもよい。本発明の一つ又はそれ以上の側面による、インクリボンカートリッジの幾つかの適用においては、左部及び右部軸受部材34a、34bに添って、例えば、フレームに使用される材料の強度等に応じて、着脱中にカートリッジの形状を充分に維持可能な単一の連結部材が用いられる。同様に、例えば前部及び後部連結部材35a、35bが用いられる適用においては、左部または右部軸受部材34aが2つの部分を別個に有してもよい(すなわち、一方の部分は供給軸体を支持し、他方は巻取軸体を支持し、その間に中間連結部は無いもの)。
本発明によるインクリボンカートリッジ30の一つ又はそれ以上の側面の例示的な適用においては、連結部材35a、35bの端部は軸受部材34a、34bの上縁部とそのおおよそ端部で連結され、インクリボンカートリッジは図2−7に示されているように矩形状である。他の適用においては、例えば、連結部材35a、35bの一方又は双方が、軸受部材34a、34b等の下縁部と連結してもよい。この例示的な実施形態では、連結部材35a、35bは左部及び右部軸受部材34a、34bと一体に形成されている。軸受部材34a、34bの連結部材35a、35bに取り付けられている部分は、少なくとも部分的には、インクリボンカートリッジが画像形成装置に配置されたときのインクリボンカートリッジ周囲の構造によって変わる。本発明の一つ又はそれ以上の側面によるインクリボンカートリッジの様々な実施形態においては、連結部材35a、35b及び左部及び右部軸受部材34a、34bはポリスチレン(PS)等の樹脂である。
図2に図示されている例示的なインクリボンカートリッジにおいては、前部連結部材35aは、軸受部材34a、34bの上縁前部に連結されて支持されており、前部連結部は巻取軸体33の少なくとも一部分の上におおよそ配置されている。一対の把持部80が、前部連結部材35aの上に設けられている。把持部80は、前部連結部35aの上面から、ほぼ上向きに突出している。把持部80は、インクリボンシートの交換中及び/または画像形成装置に対するインクリボンカートリッジ30の着脱中の、インクリボンカートリッジ30の取り扱い時に有用である。図5に図示されている例示的な実施形態においては、把持部が2つ使用されているが、これは本発明の一側面であり、本発明の他の実施形態においては、把持部無し、又は1つ、2つ、又はそれ以上等の把持部を用いても良い。さらに、本発明の1つ又はそれ以上の側面によるインクリボンカートリッジの幾つかの適用においては、把持部は、インクリボンカートリッジの着脱中及び/またはインクリボンシートの交換中にそこで保持できるように、フレームにおける一般的な突出部の形状をとっても良い。
図1および24に図示されているように、インクリボンカートリッジがファクシミリ装置内に配置されている時は、前部連結部材35aは、ファクシミリ装置1の入力画像媒体搬送ローラ9aのほぼ下にある。本発明の1つ又はそれ以上の側面のこのような例示的な一適用においては、前部連結部材35a上面の中央がより低位に来るように(すなわち、ファクシミリ装置の底面により近い高さとなるように)、把持部80は前部連結部材の上面の両端に設けられる。この結果、入力画像媒体搬送ローラ9aの一部分は把持部80間に入り、それによってインクリボンカートリッジがその中に配置されるファクシミリ装置1の寸法を減少可能とし、その一方でインクリボンカートリッジ30の扱いをより容易なものとするカートリッジフレーム31が提供される。
把持部80の各々はその後面側が開口されており、インクリボンカートリッジ30の着脱中及び/またはインクリボンシート23の交換中に、指等を開口部に入れて把持して把持部80aの底面をつかむことが可能である。カートリッジの着脱中の滑り止めに役立つ複数のリブ80bが把持部80の前面に形成されていてもよい。幾つかの例示的な適用においては、リブ80bは、供給軸体および巻取軸体32、33の長手方向にほぼ平行な方向に沿って延びている。幾つかの例示的な適用においては、一対の支持リブ81を把持部80間に設けても良い。
上記のように、本発明の1つ又はそれ以上の側面によれば、装置全体をより小さくするために、必要に応じてインクリボンカートリッジが使用される画像形成装置の複数部分の周辺と連携するまたはそこで機能するカートリッジフレーム31を提供することが望まれる。それによって、例えば、例示的なファクシミリ装置1およびインクリボンカートリッジ30においては、カートリッジフレーム31は、把持部80間で画像媒体搬送ローラ9aの少なくとも一部分と連携し、支持リブ81の最大高さは画像媒体搬送ローラ9aに必要とされるスペースの大きさによって変わる。そこに沿って把持部80が形成されている前部連結部材35aの上面のある部分は、例えば、インクリボンカートリッジが画像形成装置内に配置されている時は、インクリボンカートリッジ周囲の構造によって、少なくとも部分的には、変化する。同様に、他のフレームの部品(すなわち、後部連結部材、左部軸受部材および右部軸受部材)の形状および寸法もまた、ファクシミリ装置の周囲エリアによって変わり、内部スペースの効率的な活用が行われ、画像形成装置の寸法を小さくすることができる。
後部連結部材35bは、軸受部材34a、34bの上縁後部によって支持され、またそれに接続され、さらに、後部連結部材は供給軸体32の少なくとも一部分のほぼ上にある。図3および4に示されているように、後部連結部材35bの断面の形状は、おおよそ弧状となっており、この曲率は回転する供給軸体32の外周におおよそ対応している。後部連結部材35bは、例えば1つ又はそれ以上の貫通穴82を有する。図2−7に図示されている例示的な実施形態では、貫通穴82は、後部連結部材35bのおおよそ中央に配置されており、またおおよそ矩形形状である。図25に示されているように、貫通穴82によって、ばね14を支持する支持部材83の一部分は、後部連結部材35bの上面の下でそれと連携する。このような場合、ファクシミリ装置1の高さはその結果として減少可能となる。
本発明の1つ又はそれ以上の側面の幾つかの例示的な適用においては、ファクシミリ装置全体の寸法を減少させるためにファクシミリ装置1の様々な部分がその中で連携できるように、インクカートリッジフレームが安定しており、インクカートリッジの着脱およびインクリボンの交換が容易であるように、部材(例えば前後部の連結部材又は左部又は右部の軸受部材)が十分に強固である限りの、複数の貫通穴及び/または溝がカートリッジフレーム31に沿って設けられている。すなわち、例えば、穴又は開口82が図5に図示されているが、例えば例示的なファクシミリ装置1の一部分と連携するための、溝又は切欠き部が部材の縁部に沿って設けられていてもよい。
図2−8に示されているように、例示的なインクリボンカートリッジ31においては、インクリボンの供給軸体32と巻取軸体33の間に渡されている部分は露出(すなわちフレームに覆われていない)しており、それはその前面、後面および底面の大部分に渡っている。後部連結部材34bの前縁と前部連結部材35aの後縁との間のスペースは、露出したインクリボンが印字中にプラテン17の下でヒートシンク19とサーマルヘッド20と交差して延びるように、インクリボンシートの上面および底面の双方を露出させている。
例示的なファクシミリ装置においては、図26A、26Bおよび27に図示されているように、サーマルヘッド20はヒートシンク19上に配置されている。ヒートシンク19の長さはサーマルヘッド20とほぼ等しい。例示的なファクシミリ装置においては、突設部19aがヒートシンク19の前面の両端上に設けられ、プラテン17の軸と連結されている保持部材84の後部とこの突設部は接触する。保持部材84は、ヒートシンク19上でプラテン17を支持する。
上記のごとく、本発明の一側面によれば、インクカートリッジが収められる画像形成装置の寸法をフレームのために増大させることの無い、かつインクカートリッジの扱いに有用な、カートリッジフレームが提供される。それ故に、例えば、ファクシミリ装置のヒートシンク19およびサーマルヘッド20は供給軸体32及び/または巻取軸体33よりも長い場合は、例えば左部および右部の軸受部材34a、34bの一方又は双方は、ファクシミリ装置内の使用可能な内部スペースの一部を利用し、また十分に強固且つ扱いの容易なフレームを用いるために、図26Aに示されるように外に向かって突出する。
インクカートリッジフレーム31の境界内でヒートシンク19およびサーマルヘッド20の両端と連携させるために、インクリボンカートリッジフレーム31の寸法をインクカートリッジ自身の部品との連携に必要とされるよりも長くした場合であっても、ファクシミリ装置の内部スペースはより効率的に使用され、その結果、このようなインクリボンカートリッジを使用する画像形成装置の寸法は減少する。
図3、4、6および8は、本発明の1つまたはそれ以上の側面の一適用としての、例示的な左部および右部の軸受部材34a、34bを図示したものである。図4に示されているように、右部軸受部材34bは、前部溝36および後部溝37を有する。前部溝36は巻取軸体33の右端に取り付けられた右部巻取スプール38の軸部38aを回転可能に支持し、後部溝37は供給軸体32の右端に取り付けられた右部供給スプール39の軸部39aを回転可能に支持する。
前部溝36および後部溝37は、例えば前部連結部材35aおよび後部連結部材35bのほぼ下の部分に対応する右部軸受部材34b内に切込形成されており、また、溝36および37によって右部スプール38、39各々の部分がその中でカートリッジフレーム31の底部から係合する。インクカートリッジの例示的な実施形態はインクカートリッジの底部に向かって開となっている溝36、37を有しているが、フレームの他の部品(例えば、前部および後部連結部材35a、35b、左部および右部軸受部材34a、34b等)の構成に応じて、溝36、37は前部、後部又は上部に向かって開となる。図4に示されているように、例示的な右部軸受部材34bは、供給軸体32と連携する後部溝37を伴う部分、巻取軸体33と連携する前部溝36を伴う部分、および、サーマルヘッド20およびヒートシンク19用の空間と連携する上記説明の突設部を有する。
左部軸受部材34aの例示的な実施形態につき、図2、3、8および9を参照して説明する。例示的な実施形態においては、左部軸受部材34aは、右部軸受部材34bとほぼ平行に、また供給軸体32および巻取軸体33のこれと向かい合わせとなる端部がわに配置されている。図8に示されているように、右部軸受部材34bの前部溝および後部溝37とほぼ向かい合わせとなる位置で、供給軸体32および巻取軸体33の反対側の端部が左部軸受部材34aと連結している。図9および19に示されているように、穴31aおよび31bが左部軸受部材内で使用されている。例示的な左部軸受部材には穴が図示されているが、代わりに溝を使用する及び/または溝と穴を組み合わせて使用しても良い。例示的な左部軸受部材34aは供給軸体32と連携する後部の穴31aを伴う部分、供給軸体33と連携する前部の穴31bを伴う部分、および、サーマルヘッド20およびヒートシンク19用の空間と連携する上記説明の突設部を有する。
例えば図2に示されているように、左部および右部の軸受部材34a、34b双方の突設部は、おおよそU字状に外側に向かって伸長しており、またおおよそ平面状の基部を有する。幾つかの実施形態において、改良型のインクカートリッジを使用する場合は、インクカートリッジがその中で連携するファクシミリ装置の内部スペースを効率的に利用するために、突設部はおおよそU字状でなくともよく、例えば突設部が下方、上方及び/または外側に曲げられる。さらに、左部および右部軸受部材34a、34bの突設部の高さ及び/または幅は、部材の強度及び/またはその中でそれと連携するファクシミリ装置の内部スペースの形状によっては、異なっていても良い。
図7に示されているように、右部巻取スプール38および右部供給スプール39は、前部溝36および後部溝37を介して、カートリッジフレーム31に対して着脱可能である。例示的な右部巻取および供給スプールにおいては、右部巻取および供給スプール38、39は、一体型の部材である。しかしながら、それらの連結部が不意に分離しないよう十分に固定されるのであれば、右部巻取および供給スプール38、39は、連結される複数の部品から形成されてもよい。本発明の1つ又はそれ以上の側面の例示的な適用における、右部巻取及び供給スプール38、39は、対応する溝36、37との係合が解かれると、巻取軸体33及び/または供給軸体32をカートリッジフレーム31の底面から取り外すことができる。
図8に図示されているように、右部巻取スプール38および右部供給スプール39は、巻取スプール33および供給軸体32の右端に、それぞれ連結している。図示されている例示的な実施形態では、右部巻取スプール38は、左部巻取スプール39とおおよそ同一であり、それ故に、右部巻取スプール38および右部供給スプール39は、例えば互いに入れ換え可能である及び/またはインクリボンカートリッジの両端に配置可能である。右部巻取スプール38および右部巻取スプール39は、軸部38a、39a、略円盤状部38b、39b、および巻取軸体および供給軸体の右端がそれぞれ挿入されるスプール部38c、39cを有する。軸部38a、39aおよびスプール部38c、39cは、巻取軸体33および供給軸体32の回転軸と、それぞれ略同軸に配置されている。例示的な実施形態では、軸部38a、39aは、前部溝36および後部溝37にそれぞれ挿入される右部巻取スプール38および右部供給スプール39の一部分である。軸部38a、39aは、右部軸受部材34bによって、前部溝36および後部溝37をそれぞれ介して、回転可能に支持されている。円盤状部38d、39dは、右部軸受部材34の前部溝36および後部溝37を有する部分と略平行な面上に配置されている。スプール部38c、39cが巻取軸体33および供給軸体32の対応する管体33a、32aにそれぞれ挿入される時は、管体33a、32aの内径よりも大きな外径を有する円盤状部38b、39bは、スプール38、39の残りの部分が管体33a、32aに入るのを防止する。
係止突起又はリブ状部材38d、39dは、右部巻取スプール38および右部供給スプール39のスプール部38c、39cの外周面にそれぞれ設けられている。これらの係止突起38d、39dは、対応する軸体の管体32a、33aの内面と接触する。供給軸体の管体32aおよび巻取軸体の管体33aの各々は、スプール38、39の把持のため、わずかに拡大可能となっている。すなわち、巻取軸体の管体33aと、供給軸体の管体32aは、例えば、巻取スプール38および供給スプール39がそれぞれ巻取シャフト33および供給シャフト32に挿入されている時に、巻取軸体33および供給軸体32の対応する部分上で、対応するスリット32b、33bのある位置でわずかに拡大することができる。スプール部の外径は、巻取軸体33および供給軸体32の内径よりもわずかに大きい。
スプール部38c、39cが軸体の管体32a、33aの右端に挿入されている時、右部巻取スプール38および右部供給スプール39は、スプール部38c、39cの各々が対応する軸体33、32の周りをそれぞれ回転するように、それぞれ巻取軸体33および供給軸体32と連結する。すなわち、巻取スプール38cの係止突起38dを介した巻取スプール38と巻取軸体33との係合によって、これらが共に回転し且つその個々が独立して回転しないように、巻取軸体33と巻取スプールが一体化する。同様に、供給スプール39cの係止突起39dを介した右部供給スプール39と供給軸体32との係合によって、これらが共に回転し且つその個々が独立して回転しないように、供給軸体32と供給スプールが一体化する。本発明の1つまたはそれ以上の側面による、この例示的な適用においては、右部巻取スプール38および右部供給スプールは、それぞれの軸体33、32に対して着脱可能である。
供給軸体32および巻取軸体33の左端は、それぞれ左部供給スプール50および左部巻取スプール40を介して、左部軸受部材34aと連結している。後述するが、左部軸受部材34aの穴31a、31bによって回転可能に支持されているスプール50、40が供給軸体32および巻取軸体33にそれぞれ連結するように、左部巻取スプール40および左部供給スプール50それぞれのスプール部93、51は、供給軸体33および巻取軸体32それぞれの管体33a、32aに挿入されて連結する。供給軸体32および巻取軸体33と連結すると、供給および巻取スプール50、40は、それぞれ対応する軸体と共に回転し、一方供給スプール50は供給軸体32と別個に回転はせず、また巻取スプール40は巻取軸体33と別個に回転しない。
右部および左部巻取スプール38、40を含む巻取軸体と、右部および左部供給スプール39、50を含む供給軸体は、それぞれ右部および左部軸受部材34b、34aによって回転可能に支持される。図8に示されているように、入力ギア43が左部巻取スプール40に設けられている。ファクシミリ装置1の駆動モータ(図示せず)からの駆動力によって駆動される出力ギア(図示せず)は、入力ギア43とかみ合っている。駆動力が左部巻取スプール40上の入力ギア43に供給されると、右部および左部巻取スプール38、40および巻取軸体33は共に回転する。右部および左部供給スプール39、50もまた、巻取軸体に供給される駆動力によって駆動される(すなわち、巻取軸体がインクリボンシート23を回転させて引くと、供給軸体もまた未使用のインクシートの別の部分を回転させる)。
次いで、本発明の1つまたはそれ以上の側面による、比較的小型のバックテンション機構を備えた左部供給スプール50の例示的な実施形態を説明する。左部供給スプール50は、例えば、回転部材60、中間部材53(例えばフェルト部材、ゴム部材)、圧縮ばね52およびスプール部51を有する。回転部材60は、例えば軸部63、円盤部62、挿入軸部61および一対の係止突起61aを有する。図5および9に示されているように、右部軸受部材34bの後部溝37とおおよそ対向する部分で、左部供給スプール50の回転部材60の挿入軸部61は、左部軸受部材34aに挿入され、それによって回転可能に保持される。例示的な実施形態においては、スプール部51は略円筒形である。
本発明の1つ又はそれ以上の側面の例示的な適用においては、図10に示されているように、圧縮ばね52はスプール部51内に収められており、これは圧縮ばね52を有する。例示的な適用においては、スプール部51および圧縮ばね52は、左部軸受部材34aの内側の面(すなわち、右部軸受部34bと向き合う面)に配置されており、中間部材53および回転部材60の大部分は、それぞれ左部軸受部材34aの外側の面上に配置されている。左部軸受部材34aの対応する面および回転部材の内側の面を共に押圧する付勢手段としての圧縮ばね52が収められているので、インクリボンカートリッジ及び/またはこのインクリボンカートリッジを用いる画像形成装置の寸法を減少させることができる。
図10は、左部供給スプール50の例示的な実施形態の側断面図を示したものである。上記のごとく、バックテンション機構は、インクリボンシート23の皺及び/またはゆるみの低減を促進するため、バックテンションをインクリボンシート23に与えるものである。例示的なスプール部51は仕切壁54、挿入口51b、係止突起61a、係合溝51c、およびスロット54b(図11)を有する。スプール51の内部スペースは、2つの略円筒形の内側部分が定められるように、スプール部51の略中央部で挿入方向にほぼ垂直な方向に広がる仕切壁54によって部分的に分断されている。仕切壁には、挿入口51bおよびスロット54aが定められ、また、スプール部51の内周面からスプール部の内側スペースに広がっている。仕切壁の末端には、略円形の開口(すなわち、挿入口51b)が、スプール部51の内部スペースの略中央部に定められている。仕切壁の一部分のスプール部41の内部スペースへの広がりは小さくなっており、そこの挿入口51bの外周に沿ったところにスロット54bが定められている。
回転部材60の挿入軸部61は挿入口51bに挿入され、挿入軸部61に近接している係止突起61はスプール部51の対応するスロット54aに挿入される。挿入軸部61が挿入口51bに挿入された時、係止突起が対応するスロット54aに並んで配置されているのであれば、係止突起61aは対応する54aを通過する。係止突起がスロットを通過し、中間部材が円盤部62の内側の面62aと左部軸受部材34aの対応する部分(例えば、左部軸受部材の開口31a周りの部分)の外側の面とに挟まれた後、係止突起61aが対応するスロット54aと並ばなくなり、係止突起61aが仕切壁54にブロックされて回転部材60がスプール部51と一体となるように、回転部材は回転する。さらに、仕切壁54を係止突起61aに向かわせ且つ左部軸受部材34aから離すように押圧する力を前述の圧縮ばね52は印加する。図10に示されているように、圧縮ばね52は、仕切壁54と左部軸受部材34aの間にあるスプール部51の内側のスペース内に配置されている。これによって、本発明の1つまたはそれ以上の側面による例示的な適用においては、スプール部51の内部スペース内で圧縮ばね52を使用することによって、インクリボンカートリッジ30の寸法を減少させることができる。
図9および11に示されているように、係止突起51aがスプール部51の外面に設けられている。これらの係止突起51aは、供給軸体32内に形成された対応するスリット32bと係合し、それによって、供給軸体32およびスプール部51は、これらが共に回転して且つ一方が他方と別個に回転しないように、連結される。
スプール部51は、図10に図示されているように、スプール部51の外面から突出するフランジ状のカラーに沿って、スプール部が配置された時に左部軸受部材34aの内側の面に近接するその末端に形成された溝51cを有する。左部供給スプール50がインクリボンカートリッジ30内に設置される時は、カラー状の部分は左部軸受部材34aの内側の面と略接する。係合溝51cは、カラー状部にあり、これは圧縮ばね52の突出端部52aと係合し、これによって、圧縮ばね52はスプール部51と共に回転し、一方が他方と別個に回転することは無い。
図示されている、本発明の1つまたはそれ以上の側面の例示的な適用においては、回転部材60は、円盤部62、挿入軸部61および略円筒形状の軸部63を有する。前述のように、挿入軸部61がスプール部51に挿入されている時、円盤部62の内側の部分62aは、左部軸受部材34aと向き合っている。挿入軸部61は、円盤部の面部62aの略中央から、円盤部の面に略垂直な方向に突出している。例示的な軸部63は、円盤部62の外側の面の略中央から、インクリボンカートリッジ30に対して外側となる方向に、突出しており、また、内部に中空の円筒状のスペースを有する。インクリボンカートリッジ30がファクシミリ装置1の中に配置されている時は、ファクシミリ装置の他の部品からの軸部(図示せず)が、シャフト部63内のスペース内に、シャフト部63がそれと係合して支持されるように、挿入される。
本発明の1つ又はそれ以上の側面による幾つかの例示的な適用においては、カートリッジフレーム30を形成する材料よりも固い樹脂等で形成された回転部材を使用することが望まれている。他の適用においては、カートリッジフレーム30を形成する材料よりも柔らかい樹脂等で形成された回転部材を使用することが望まれている。それ故に、このようなケースにおいては、例えば、より固いことが望まれる部材(例えばカートリッジフレームまたは回転部材)にポリアセタール(POM)が使用され、他の部材にはより柔軟な樹脂、例えばポリスチレン(PS)が使用される。無論、コスト等の理由から、同一の樹脂材料を使用しても良い。
前述のように、カートリッジフレーム30の左部軸受部材34aの後部軸受穴31aに回転部材60の挿入軸部61は挿入され、また、挿入口51bに挿入軸部61の末端は挿入される。前述のように、例示的な挿入軸部61は、その外面に、内側の先端部に略近接して配置された一対の係止突起61aを有する。図11に示されているように、挿入軸部61が挿入口51bに挿入できるよう、挿入軸部61の中央部の径は挿入口51bの内径D1よりもわずかに小さくなっている。対向するスロット61aの対向する端部間の間隔D2は、挿入口51bの内径D1よりも大きくなっている。前述のように、回転部材60の挿入軸部61がスプール部15の挿入口51bに挿入されたのち、挿入口51が形成されている仕切壁54に係止突起61aが係合するように、挿入軸部61およびスプール部51は他方に対して相対的に回転する。スプール部51に対する回転部材60の相対位置はそれによって調整される。
圧縮ばね52がスプール部51内に配置されており、前述のように圧縮ばね52の突出端部52aがスプール部51の係合溝51cと係合し、且つ圧縮ばね52の他端が仕切壁54と接触している時、圧縮ばね52は圧縮されて変形する。ばねの力により、スプール部51は、スプール部を付勢して左部軸受部材34aの内側の面から分離させるような力を受け、これによって、回転部材60の円盤部62は左部軸受部材の外側の面に抗するように押圧される。
図12は、回転部材60をスプール部51に係合させる他の例示的な構造を図示したものである。図10に示された例示的な構造と前述のものとの違いは、以下に説明する部分のみである。図12に示されているように、本発明の1つ又はそれ以上の側面による回転部材の例示的な構造においては、回転部材70は挿入軸部71の外周先端近傍に設けられた係合溝71aを有する。挿入軸部71は、例えば略円筒形状である。この例示的な実施形態における挿入軸部71の先端部はテーパ面71bとなっている。回転部材70の他の部分は、前述の回転部材60と同様である。
図12に示されるように、スプール部材72の内部スペースは、スプール部72の略中央部内に広がる仕切壁73によって部分的に分断されている。仕切壁73は、スプール部72の内部スペースで、挿入軸部71の挿入方向に略垂直な方向に広がっており、そこには、回転部材70の挿入軸部71が挿入される挿入口73aが形成されている。その内部では、略筒状部74が、仕切壁73から突出して設けられており、それは挿入軸部71の挿入方向に略平行な方向に広がっており、左部軸受部材34aの内側の壁面に向かっている。挿入軸部71がスプール部72に挿入されると、筒状部74は、挿入軸部71の外周面と接する。この例示的な適用においては、圧縮ばね52は筒状部74の外壁とスプール部72の内壁の間のスペースに配置されている。圧縮ばね52が配置されているスペースの高さは、仕切壁73の対応する部分の高さと略等しい。
例えば仕切壁73の両端から、内部の筒状部74の長手方向と略対向する向きに、撓み片75が起立して設けられ、また、挿入軸部71の対応する係止溝71aと係合する係止突起75aを撓み片75は有する。挿入軸部がスプール部72に挿入され、挿入軸部72の係合溝71aと異なる部分が係止突起75aと接触すると、撓み片75は外向きに変形する。係止突起75aが係合溝71aに嵌入されるように配置されると、撓み片は挿入軸部71の挿入方向と略平行となる。図12に示されているように、挿入軸部71の先端はテーパ面71bとなっており、また係止突起75aの内側の面が撓み片75の撓み量の制限に寄与するテーパ面となっていても良い。回転体70の撓み片75の係止突起75aがそれぞれ係合溝71aに挿入されると、回転体70はスプール部72に係止され,両者共に回転してこれらが別個に回転することは無い。
図13−17を参照して、回転部62の様々な例示的な固定用の溝/突起および回転抵抗となる溝/突起、およびそれに対応する左部軸受部34aの外側の面につき、以下に説明する。図9に示され、且つ前述のように、回転部材が左部軸受部材34aの後部開口31aに挿入されると、後部開口31a周辺の左部軸受部材34aの外周面部は、円盤部62の内側の面62aと略対向する。中間部材53はその間に配置される。
本発明の1つ又はそれ以上の側面による幾つかの適用においては、例えば図13に示されているように、部分的及び/または完全に円環状である複数の略同軸の溝77(すなわち、回転抵抗を与える突起/溝)が後部軸受口31aの周囲の左部軸受部材34a上に形成されていてもよい。このような適用においては、回転部材の対応する内側の面62a上に、複数の突起76(すなわち、固定用の突起/溝)を形成しても良い。固定用の突起/溝は回転部材62の内側の面62aの一部又は全面に渡って形成されていても良い。突起76は、中間体53(例えばフェルト、ゴム)をその上で把持するような、例えば先端部が細くなるテーパ状の突起であっても良い。図14に図示されている回転体60の円盤部62の内側の面62aには複数の突起76が形成されており、例えば、その略半円状の領域と略半円状の領域によって、中央の略直線状の突起自由領域が挟まれる。この例示的な適用においては、略直線状の突起自由領域は、円盤部62の挿入軸部61が挿入される領域を含む。
これらの例示的な適用における中間部材53は略環状であり、例えば、回転部材60の円盤部62の形状に相応している。前述のように、左部軸受部材34aの外側の面と円盤部62の内側の面62aの間で圧縮ばね52による押圧力を受けている。これにより、円盤部62の内側の面62aと左部軸受部材34aの外側の面との間に挟まれた中間部材53は、その両面(すなわち、内側の面62aと左部軸受部材34aの外側の面)と接触する。
巻取軸体33が駆動モータによって回転してインクリボンシート23の巻き取りが始まると、供給軸体32が回転する。これにより、左部供給スプール50のスプール部51と回転部材60は共に回転する。前述のように、中間部材53は、左部軸受部材34aの外側の面と円盤部62の内側の面62aの間で押圧力を受けている。これによって、突起76は、中間部材53に切り込まれ、強い摩擦力が発生する。
また、摩擦力は、中間部材53の内側の面と接触する、左部軸受部材34aの外側の面に形成された略環状の溝77の間にも発生する。しかしながら、環状溝77とそれに対応する中間部材53の面との間に発生する摩擦力は、突起76と中間部材のそれに対応する中間部材53の面との間に働く摩擦力と比べて、比較的弱いものである。左部軸受部材34aの外側の面と中間部材53の内側の面との間に働く摩擦力は中間部材53の外側の面と円盤部62の内側の面62aとの間に働く摩擦力よりも弱いので、スプール部51が回転すると、中間部材が回転部材60と共に回転し、左部軸受部材34aの外側の面に沿ってスライドする。左部軸受部材34aと中間部材53(フェルト又はゴム等)の内側の面との間に摩擦力が働き、この摩擦力(回転抵抗)は供給軸体32に十分なバックテンションを与えるものである。例えばフェルト、ゴム又はコルクからなる中間体53を使用すると、中間体53が樹脂等からなる場合と比べて、摩擦力は周囲の環境の影響を受けにくくなる。
上記のものは環状の溝と円筒部材を用いるものであるが、カートリッジの様々な部品に他の様々な形状のものが使用可能である。さらに、上記の例示的な適用は固定用の溝/突起を用いるものであるが、本発明の1つ又はそれ以上の側面による他の例示的な適用では、中間部材の対応する面は、回転部材またはカートリッジフレームに、例えば接着によって固定されていても良い。さらに、上記の例示的な実施形態は回転抵抗を与える溝/突起を利用しているが、回転抵抗を与える他の手段、例えば、接着面が本発明の1つ又はそれ以上の適用における他の例示的な適用において使用されることも可能である。
図15−17は、本発明の1つ又はそれ以上の側面による適用として使用される、回転抵抗のための突起/溝および固定用の突起/溝に関する、他の例示的な実施形態を図示したものである。この例示的な適用においては、回転抵抗を与える突起/溝が左部軸受部材34aの外側の面に設けられ、また、固定抵抗としての突起/溝が回転部材60の円盤部62の内側の面62aに設けられる。
図15−17に示されているように、本発明の1つ又はそれ以上の側面におけるこの例示的な適用においては、固定用の溝/突起が後部開口31周囲の左部軸受部34aの外側の面に形成されており、回転抵抗を与える溝/突起は回転部材62の内側の面62aに形成されている。例えば、図15に示されているように、複数のテーパ状の突起76が左部軸受部材34aの外側の面に形成されており、複数の略同心の部分的に円環状の溝77が円盤部62の対応する内側の面62aに形成されている。図16および17は異なる例示的な挿入軸部61、71および回転部材60、70を図示したものであり、上記のように、回転抵抗を与える溝/突起としての略同軸の部分的に環状の溝が内側の面62aに設けられている。
図15−17に図示されている本発明の1つ又はそれ以上の側面における例示的な適用においては、駆動モータによって巻取軸体33が回転してインクリボンシート23の巻取が始まると、供給軸体32が回転し、これによって、供給スプール50のスプール部51および回転部材60もまた回転する。上記のように、左部軸受部材34aの外側の面と円盤部62の内側の面62aとの間で中間部材53が押圧力を受ける。これによって、左部軸受部材34aの外側の面の突起76は中間部材53に切り込まれ、強い摩擦力が発生する。摩擦力(すなわち回転抵抗)はまた、回転部材60、70の内側の面62aの外側の面に形成され、中間部材53の外側の面と接触している略環状の溝77の間に発生する。
しかしながら、部分的に環状の溝77と中間部材53との間に働く摩擦力は、突起76と中間部材53との間に働く摩擦力よりも比較的小さい。この例示的な適用においては、中間部材53の外側の面と円盤の内側の面62aとの間に働く摩擦力(すなわち固定のための力)が左部軸受部材34aの外側の面と中間部材53の内側の面との間に働く摩擦力(回転抵抗)よりも弱いので、突起76と中間部材の内側の面との間に働くより大きな摩擦力によって、中間部材53の位置は保持され(すなわち、スプール部51と共に回転しない)、回転部材60、70の内側の面62aはその上でスライドする。
これによって、この例示的な適用においては、中間部材53(例えばフェルト又はゴム)はカートリッジフレーム30の外面上に固定され、回転部材60と共に回転することは無い。部分的に環状の溝77と中間部材(例えばフェルト又はゴム)の外側の面との間に働く摩擦力は充分に大きく、供給軸体32にバックテンションが与えられる。
本発明の1つ又はそれ以上の様々な例示的な適用は、中間部材を用いて供給軸体32上にバックテンション(回転抵抗)を提供するものであり、これは、その特性が周囲の環境とほとんど関係なく、またこれは例えば中間部材とカートリッジフレー30の左部軸受部材34a上の環状の溝77との間に働く摩擦力に基づいている。樹脂と樹脂との間に働く摩擦力によってバックテンションが与えられるような構造とは対照的に、本発明の様々な適用では、環境の変化に関わらず、ほぼ安定した/定常的なバックテンションがこれを介して供給軸体に与えられるような構造が提供される。
カートリッジフレームの内面上に設ける代わりに、本発明の1つ又はそれ以上の側面による様々な例示的な適用にて提供されるように、カートリッジフレームの外面またはカートリッジフレームの外にある部品の表面上に固定用及び回転抵抗用の溝/突起を形成することによって、カートリッジフレーム形成のための成形工程は簡略化される。特に、その外面に環状の溝又は突起のいずれかが形成されたカートリッジフレームは、その内面に環状の溝又は突起のいずれかが形成された画像カートリッジフレームと比べてより容易に型から取り出すことが可能である。
前述のように、本発明の1つの側面は、定常的なバックテンションをインクカートリッジの供給スプールに与える小型の構造を提供するものであるが、本発明の他の側面によれば、例えば迅速且つ正確な組み立て及び/または画像形成装置へのインクカートリッジの着脱に有用な、フレーム連結部材から取り外し不可能な少なくとも1つのスプール又は軸体を有する、着脱可能なインクカートリッジフレームが提供される。上記の供給スプールは、他のものと同様に、例えば本発明のこれらの例示的な側面に関するものである。すなわち、上記の左部供給スプール50の例示的な実施形態は、内部の圧縮ばね52が挿入軸部の係止突起を供給スプールの仕切壁に向かって付勢する等の原因によって、軸受壁面に連結されるとインクカートリッジに対して容易に着脱できなくなる。さらに、スプール部51、71の内部スペース等で圧縮ばね52を使用することによって、このような定常的なバックテンション機構を有する画像カートリッジの寸法は小型に保たれる。さらに、他の例示的な実施形態においては、例示的な供給スプールが取り付けられる供給軸体の先端が溝を介してスライドするような、例示的な供給スプール50のようなスプールをカートリッジフレーム内の溝を介して提供することが出来る。本発明の1つまたはそれ以上の側面による例示的な適用においては、供給軸体がインクカートリッジフレームの対応する溝に挿入されているときに、スプールの部品を連結させることなく、バックテンションを供給軸体に与えながら、インクリボン及び軸体を交換可能である。
前述のように、本発明の他の側面によれば、画像形成装置に対して着脱可能であり、駆動ギアを備えた保持部材を有するインクカートリッジが提供される。以下に説明する例示的な巻取軸体は、取り外しが困難な例示的な保持部材を備え、これによって画像形成装置にインクカートリッジをより迅速且つ正確に着脱可能となる。下記の例示的な巻取軸体はまた、不意に容易に取れることのない駆動ギアを備えた保持部材を提供する。
図18及び19は、本発明の1つ又はそれ以上の側面における例示的な適用による、巻取スプール及びインクリボンカートリッジ30の分解図である。巻取スプール40は、供給軸体33の左端を回転可能に支持し、また、前述のように、右部軸受部材34b上の前部溝36と略対抗する、左部軸受部材34aの一部分によって回転可能に保持されている。
図18および19に示されているように、例示的な巻取スプール40は、ギア部材90およびスプール部材93を有する。例示的な左部巻取スプールのギア部材90は、駆動ギア43、軸部42、連結部43a、アーム部91、係止部41、撓み部92、突起92a、折り返し部92b、テーパ面92c、およびテーパ面92dを有する。
係止部41は、アーム部91の端部から突出しており、巻取スプール40のスプール部93に連結している。係止突起41は、供給軸体の管体33a上に切り取り形成されたスリット(図示せず)と係合している。係止部41がスプール部93に挿入されると、係止部41は前部開口31b、スプール部の内部を通過し、挿入スロット93aおよび供給軸体の管体33aのスリット(図示せず)を介して外向きに突出する。これによって、図示されている本発明の1つ又はそれ以上の側面による例示的な適用では、図8に示されているように、係止突起41はスプール部93の最も内向きの端部にある開口93aと係合する。巻取軸体33及び巻取スプール40は係合突起41を介して一体に連結され、これによって、共に回転し、また一方のみが他方とは別個に回転することは無い。係止突起41がスプール部93の挿入口93aから突出すると、スプール部93及びギア部材90は、係止突起がスプール部93に押し込まれ且つギア部材がスプール部から引っ張られない限り、容易には分離しない。これによって、左部軸受壁34aの一方の側に配置されているギア部材90と、左部軸受壁の他の側に配置されているスプール部は、左部巻取スプールが容易にはインクカートリッジフレーム31から外れないように連結する。
ギア部材90の軸部42はインクカートリッジフレーム30を越えて外向きに突出し、本体の駆動モータ(図示せず)を介して駆動力がそこに供給される駆動ギア43は本体の出力ギア(図示せず)に連結する。ギア部材は軸部42及び駆動ギア43を有する。スプール部材93は巻取軸体33の管体33aに略挿入され、これによって巻取軸体33およびその上に巻かれたあらゆるインクリボンは支持される。
例示的なスプール部93は略円筒形であり、径の異なる部分および、ギア部材90の対応する部分を受けるためのおおよそ開いた側面を有する。図20Aおよび20Bに示されているように、例示的なスプール部93はテーパ面93b、切り欠き部93c、係合穴94、フランジ部95、第1の略円筒部および挿入口93aを含む第2の略円筒部と、を備えた受け部を有する。
前述のように、スプール部93とギア部材93とを係合させるために、係合部41はスプール部93に挿入され、挿入口93aから突出する。フランジ部95は回転軸を中心に略半径方向に広がっており、その径はスプール部93の他の部分よりも大きくなっている。第1の略円筒部は、その一端でフランジ部95と連結しており、他端に第2の略円筒部が連結している。第1の略円筒部の径はフランジ部95の径や受け部の径より小さいが、第2の略円筒部の径よりは大きい。係合穴94はギア部材90の撓み部92の係止突起92aを受ける。係合穴94はスプール部93の受け部の外周に対して略対称に配置されている。フランジ部95の他端(すなわち、ギア部材90を向いているフランジ面)は、スプール部93の受け部と連結している。受け部は、テーパ面93b、切り欠き部93c、係合穴94を有し、受け部はフランジ部95の対応する側からギア部材90と連結するスプール部の末端に伸びている。他の例示的なスプール部においては、フランジ部に隣接するスプール部の径が最も内側のスプール部の径よりも大きくなるような、傾斜した一体型のスプール部を備えていてもよい。さらに、他の例示的なスプール部においては、スプール部の寸法が2種類よりも多い。
図20Aおよび20Bに参照されているように、ギア部材90がスプール部93に挿入されたとき、スプール部93のテーパ面93bが外側に曲がってギア部材の撓み部92がその中を通れるようになる。例示的な実施形態では、一対の撓み部92が、入力ギア43のアーム91のほぼ基端に設けられている。撓み部92は、巻取スプール40の回転軸を中心として対称的に配置され、スプール部材93の開側と類似の形状をしている。撓み部92の最も外側の径は、テーパ面93bによって定められる最も内側の径よりもやや大きくなっており、これによって、テーパ面93bは外側に向かって撓み、撓み部がその中をより容易に通過できるようになる。撓み部92は入力ギア部43から挿入方向に向かって伸びており、略U字状の折り返し部92bを有しており、「U」の開部が入力ギア43を向き「U」の基部は挿入方向を向いている。これによって、ギア部材90とスプール部材93が連結したときに、各折り返し部92bの外側の面はスプール部93の受け部の内側の面と接触する。
図21に示されているように、各折り返し部92bの、表面が折り曲げられている「U」の基部の外周の周りにテーパ面92cが形成されている。テーパ面92cはギア部90のスプール部93への挿入をより簡単にする。撓み部92はまた、スプール部93の対応する係合穴94と係合する係止突起92aを有する。係止突起92aは、係止突起92aの径が突起の基部(すなわち折り返し部の外側の面)に向かって徐々に大きくなるような、テーパ状の外面92dを有する。ギア部93がスプール部93と連結したときに、テーパ面92dはスプール部のテーパ面93bにガイドされる。スプール部93をギア部材90と共に押し込むことによって、各撓み部92は対応する係合穴94と係合し、スプール40は、容易には取り外せないようにカートリッジフレーム31と連結する。撓み部92端部の係止突起92aが対応する係合穴94と係合すると、これらの対応する表面同士によって「S」字状となる。
さらに、ギア部材90及びスプール部材93が組み立てられると、図20Bに示されているように、ギア部材90のギア部43の連結部43aは、その外側の面に添って、切り欠き部93cに嵌合する。
本発明の1つ又はそれ以上の側面による巻取スプールおよびギア構造は、前述のように、巻取軸体を回転可能に支持し、駆動モータによって巻取軸体スプールのギア部材のギアに供給される駆動力によって、巻取軸体を回転させてインクリボンの使用済みの部分を巻き取る巻取軸体支持部材を使用する。
本発明の1つまたはそれ以上の側面による巻取スプールの様々な適用において、インクカートリッジフレームから容易には分離しない巻取スプールが使用され、それはインクカートリッジの着脱時に有用である。また、図22に示されているように、例示的なスプール部材40が強い力を受けて傾いているのであれば、係止突起92aは、カートリッジフレーム30の左部軸受部材34a内で、係合穴94の内側の壁面Cと前部軸受穴31bの円周縁部Dに挟まれる。
本発明の1つ又はそれ以上の側面による、前述の例示的な供給及び巻取スプールは、インクカートリッジに対して容易には着脱されず、画像形成部材に対するインクリボンカートリッジの着脱と同様、インクリボンカートリッジに対するインクリボンの着脱がより容易となる。
上記においては、部品が他の部品に対して、その部品を他の部品に対して着脱するための部品の過度の組み立て又は分解等を必要とせずに、容易に着脱可能であるならば、その部品は着脱可能なものとして参照されている。これによって、部品が取り外し不可能として参照されている場合であっても、その部品は、意図的にてこでこじ開ける又はねじ開ける等の手段によって、取り外し可能である。同様に、部品が取り外し可能なものとして参照されている場合は、その部品は、例えば単に引き抜く、又はリリース手段等を係合させた後に引き出すことによって、容易に取り外し可能であることを意味する。
より小さく、より軽く、またより持ち運びに適した画像形成装置に対する恒常的な要求があるので、本発明の他の側面によれば、インクカートリッジとしての基本的な特徴を備えつつ、ファクシミリ装置の内部スペースを効果的に利用可能なように小型化した、小型のインクリボンカートリッジが提供される。本発明の他の側面によれば、本発明の1つ又はそれ以上の側面による適用としてのインクカートリッジの様々な例示的な部品の寸法及び特徴が、図28−38を参照して以下に示される。様々な部品の寸法は、本発明の1つまたはそれ以上の側面によるインクリボンカートリッジを使用する画像形成装置の内部スペースを効果的に使用することが出来るようになっている。
図28及び29は、図2に図示されたインクリボンカートリッジの上面図を図示したものである。インクカートリッジ31の左部および右部軸受部材34a、34bの間の前部連結部材35aの長さ502は、より取り扱いが容易で対応する画像形成装置の寸法を大きくすることのない、より安定したインクカートリッジを提供できるように、約225.0mmとなっており、前部連結部材が左部および右部軸受部材と連結できるよう、約226.5mmよりも大きくなることはない。図28に図示されている例示的なインクリボンカートリッジにおいては、左部および右部軸受部材の間に前部連結部材が伸びておりその前部上縁と連結している。しかしながら、前部連結部材がそれを越えて(すなわち、左部及び/または右部軸受部材から突出して)伸びている場合は、前部軸受部材の長さはより大きくなる。
インクカートリッジおよび画像形成装置を小さく保つために(すなわち、既存のものよりも大きな内部スペースを必要としない)、フレーム部材の厚さは一般に可能な限り小さくするが、その一方で容易にその着脱が可能となるように充分に安定したフレームとなるような充分な強度が得られるようにする。特に、フレームは樹脂(PS:ポリスチレン)から形成され、その厚さは最も薄い部分を基準とすると、1.5mmである。それ故に、本実施形態によれば、樹脂フレームの厚さは好適には1.5mmから3.0mmの間である。より好適には、フレームの厚さは2.0mmである。しかしながら、本発明の1つ又はそれ以上の側面における他の適用では、画像形成装置の重量が寸法と同様かそれ以上に重要であり、そのため、例えば、より軽量の材料が使用されて部材の厚さは大きくなっている。さらに、後の記載において、幾つかの部品に可能な寸法の与えられた範囲等に基づいて他の部分の寸法の変化が起こるという観点等から、「約」という語は、その語の後の値を参照して、その与えられた値に適切に近い値として使用される。さらに、本発明の全ての側面が、本発明の様々な例示的な実施形態内に現れるとは限らない。
図29に参照されているように、インクカートリッジの右側の寸法528は、約102.0mmであり、約107.0mmよりも大きくなることは無い。左側の寸法540は約102.0mmであり、約107.0mmよりも大きくなることは無い。
図29に図示されているように、例示的なインクカートリッジに使用可能なインクリボンシートの幅は約216.0mmである。インクリボンカートリッジが画像形成装置に取り付けられているときにそれがフレーム内、供給及び巻取軸体と軸体周囲の/近接する部品との間のスペースにある場合、インクリボンシートのロールの厚さは、供給及び巻取軸体の厚さ、及び供給及び巻取軸体と後部又は前部連結部との間のスペースによって変化する。
インクカートリッジの扱いに有用な把持部が前部連結部材に設けられ、また図28に図示されているように、左側の把持部80の長さ504は約73.2mmであり、約91.0mmより大きくなることは無い。右側の把持部80の長さ508は約72.5mmであり、約91.0mmよりも大きくなることは無い。単数又は複数の把持部80を備えたファクシミリ装置内の利用可能なスペースの大きさに応じて、その取り扱いを容易にするために、把持部を一本又は複数の指でその周りを覆えるだけの充分な幅としてもよい。把持部80の長さ504及び長さ508は、一般に一本又は複数の指を用いるのに充分な空間を与えられるだけの大きさである。しかしながら、リブ81はファクシミリ装置のローラとの間隙を確保できるだけの充分な幅を有しているべきで有り、且つ、インクリボンカートリッジ30の全長502はカートリッジ30を小型化するために充分に短くする必要があるので、長さ504及び508は特定の値に限定される。図29に示されているように、図29に図示されている例示的な実施形態では、把持部80の傾斜リブ部の高さ572は、カバーと連結している上部前縁から約10.5mmであり、把持部80の傾斜リブ部の傾斜は、傾斜部が後ろに約4.2mm伸びるようなものとなっており(すなわち、傾斜リブ部の上縁の突出は、前部連結部材の最前縁の奥約4.2mmである)、また、前部カバーの最上縁は巻取軸体の回転軸から約18.5mmである。把持部80の上面の幅544は約9.7mmであり、約11.5mmより大きくなることは無い。図30に示されている、前部連結部材の前縁から把持部の上面までの高さ566は約15.0mmである。前部連結部材の前縁から前部連結部材の上面までの高さ568は約9.0mmである。
図28に図示されているように、把持部80間の前部連結部材35aの表面の長さ506は、ファクシミリ装置の部分と連携させるために、約69.0mmであり、約42.0mmよりも小さくなることは無い。図29に図示されている例示的な実施形態においては、前部連結部材の把持部80間の部分の幅542は約14.1mmである。把持部80間の前部連結部材の部分の上面は、例示的なファクシミリ装置1のローラ9aと連携させるため、巻取軸体の回転軸から約23.4mmとなっており、約26.9mmから大きくなることはない。
図28に示されている、ヒートシンク19及びサーマルヘッド20と連携している、左部および右部軸受部材の最外部の突出面の内側の面間の間隔524は、約240mmであり、約216mm(すなわちインクリボンの幅)より小さくなることは無く、約245.0mmよりも大きくなることは無い。図29に示されている、左部軸受部材のヒートシンク19及びサーマルヘッド20と連携している部分の間隔538は約41.6mmであり、約53.0mmよりも大きくなることは無く、また約36.0mmよりも小さくなることは無い(すなわち、サーマルヘッド20、ヒートシンク19、ばね18及びインクカートリッジ受け部22とほぼ同じ幅である。突出部は、側面の突出部(すなわち、略「U」字状の突出部のアーム)を有し、その全長方向は長手方向である(すなわち、突出部の軸受部材からの長さ)。左部軸受部材側の突出部は、左部軸受部材の基部(図28の矢印510の端部にある寸法補助線を参照)から外側に、約4.5mmから約13.4mmの間隔で突出している。右部軸受部材側の突出部は、右部軸受部材の基部(図28の矢印512の端部にある寸法補助線を参照))から、外側に約5.5mmから約11.8mmの間隔で突出している。
図29に示されているように、例示的な左部軸受部材のその後縁から左部軸受部材の左部外側突出部の後端までの間隔536(すなわち、供給軸体の左単にほぼ対応する部分)は、約32.0mmであり、30.0mmよりも小さくなることは無い。左部軸受部材の前縁から左部軸受部材の突出部の前縁(すなわち、巻取軸体の左端にほぼ対応する部分)までの間隔534は、約27.0mmであり、約30.0mmよりも大きくなることは無い。
また、図29に示されている、左部軸受部材の後縁と右部軸受部材の右部突出部との間隔526は、約33.3mmであり、約30.0mmよりも小さくなることは無い。突出部の後縁と右部軸受部材の突出部の前縁との間隔522は、約42.8mmであり、約47mmより大きくなることは無く、約30.0mmよりも小さくなることは無い。前部連結部材の前縁から右部軸受部材の突出部の後縁までの間隔524は、約26.3mmであり、28.0mmよりも大きくなることは無い。
また、図29に示されている、貫通穴の両縁間の間隔530は、インクカートリッジが配置されるファクシミリ装置の一部分と連携させるため、約9.0mmとなっている。図28に示されている、後部連結部材の貫通穴の他の対面する両縁の間隔514は、インクリボンカートリッジがファクシミリ装置に取り付けられたときに空間に向かって突出するファクシミリ装置の部分と連携するために、約15.8mmであり、少なくとも約12.0mmとなっている。後部連結部材の左縁から貫通穴の左縁までの間隔516は、約103.0mmであり、約110.0mmより大きくなることは無い。後部連結部材の右縁から貫通穴の右縁までの間隔518は、約103.5mmであり、約106.0mmよりも大きくなることは無い。左部及び右部軸受部材の間の後部連結部材の長さ520は、約224.0mmであり、約226.5mmよりも大きくなることはない。例示的な前部連結部材の左縁の左側把持部80の左縁への間隔512は、約4.8mmである。前部連結部材の右縁から右側把持部の右縁までの間隔510は、約5.2mmである。
図29に示されている、後部連結部材の上面の後端から後部連結部材の上面の前縁までの間隔532は、インクリボンシートを充分な量露出させるため、約23.0mmとなっており、約30.0mmよりも大きくなることは無い。後部支持部材の前縁と前部支持部材の後縁との間隔644は、インクリボンシートがファクシミリ装置の印字部で充分な量露出できるように、約64.0mmとなっており、約37.0mmより小さくなることは無い。
図31に示されている、巻取軸体の内縁から供給軸体の内縁までの間隔562は、約68.0mmである。巻取軸体の外縁から供給軸体の外縁までの間隔564は、約82.0mmである。巻取軸体の略中心から供給軸体の略中心までの間隔560は、巻取軸体と供給軸体の間隔を十分にとってその間に充分な量のインクリボンシートがファクシミリ装置の印字部で露出可能となるように、約75.5mmとなっている。
前述のように、左部軸受部材は、ファクシミリ装置内にそのために与えられたスペース及び/または部材に必要とされる強度に基づいて、高さ、幅、厚さ等が異なる、異なる部分を有していてもよい。図32に示されている、供給軸体の中心から後部連結部材の底面までの間隔558は、約12.4mmであり、約16.0mmよりも大きくなることはない。供給軸体の中心軸と後部連結部材の最上面との間の間隔570は、約20.5mmであり、約22.0mmよりも大きくなることはない。左部軸受部材の底面から前部連結部材の上面までの間隔546は、約42.0mmである。前部連結部材上での左部軸受部材の底面から上面までの間隔548は、約35.9mmである。巻取軸体の回転軸から、把持部80間の前部連結部材の部分の最上部(または前部連結部材の最上面)までの間隔547は、約23.4mmであり、巻取軸体の回転軸から約26.9mmより大きくなることはない。巻取軸受の回転軸から把持部80の最上面までの間隔549は、約28.7mmであり、34.7mmより大きくなることはない。
インクカートリッジフレームの例示的な実施形態では、左部軸受部材の第1の部分の高さ550は約10.0mmである。左部軸受部材の第2の部分の高さ552は約16.0mmである。左部軸受部材の第3の部分の高さ554は約17.3mmである。左部軸受部材の第4の部分の高さ556は約13.7mmである。しかしながら、様々な部分の高さは、様々な実施形態に応じて異なっていてもよく、及び/または例えば略U字状部の高さが全体的に一様であってもよい。
同様に、右部軸受部材は、ファクシミリ装置内にそのために与えられたスペース及び/または部材に必要とされる強度に基づいて、高さ、幅、厚さ等が異なる、異なる部分を有していてもよい。図33に示されている、右部連結部材の第1の部分の高さ570は、約20.5mmであり、22.0mmよりも大きくなることはない。右部連結部材の第2部分の高さ572は、約17.0mmである。右部軸受部材の供給端の底面から後部連結部材の上面までの間隔574は、約34.1mmであり、約38.0mmよりも大きくなることはない。インクリボンロールの底面から後部連結部材の上面までの間隔576は、約38.0mmである。後部連結部材の下の右部軸受部材の底面から、連結部材の上面までの間隔578は、約30.0mmであり、38.0mmよりも大きくなることはない。
着脱可能な支持部材に関し、図34及び35に示されている、回転部材の軸部の長さ580は、約12.2mmであり、14.0mmよりも大きくなることはない。着脱可能なスプールの長さ586は、約35.0mmである。この部分が充分な強度を有し、また過度のスペースを占めないように、円盤部の厚さ582は約1.0mmとなっている。着脱可能な支持部材の挿入部の長さ584は約20.9mmであり、この結果、インクリボンシートの交換時等に必要に応じてこの部材は比較的容易に取り外し可能となっている。軸部の径590は約6.9mmであり、約7.1mmより大きくなることはない。円盤部の径588は約18.0mmである。スプール部の径592は、約12.4mmである。
図36A−37Bに図示されている、供給スプールを取り外し困難(すなわち取り外しできない)ようにすることに関しているが、スプール部の長さ606は、軸を支持して軸部材内でスプールが充分に係合でき、且つ他の部分がコスト等を減少できるように小さくなるように、約17.6mmとなっている。円盤部の厚さは約1.0mmとなっており、円盤部が充分な強度を有し、軸部が供給軸体に向かって滑るのが防止され且つ不要な過度のスペースを占めることはない。軸部の長さ598は、軸部の強度が充分に高く供給軸体を回転可能に支持して軸受部材に連結し、且つ不要な過度のスペースを占めないように、約8.5mmとなっている。軸部および円盤部の全長600は約9.5mmとなっている。カラー部材の厚さ602は、カラー部材が充分な強度を有し、且つ不要な過度のスペースを占めないように、約1.0mmとなっている。供給スプールの外周の突出部を含む供給スプールの挿入部の径618は、約2.9mmである。突出部は、例えば供給スプールの挿入部の外面からスプール部のほぼ対応する内面に突出していてもよい。突出部の長さ604は、供給軸体の対応するスリットと係合したときに受ける圧力に耐えられるように、突出部の強度が充分に高くなり、かつ寸法が必要以上に大きくならないよう、約5.4mmとなっている。スプール部の長さ608は、インクリボンシートの交換時等に必要に応じて、供給軸体が比較的容易にスプール部から取り外せるように、約18.6mmとなっている。スプール部の径612は、スプール部供給軸体内で充分強固に固定されて供給軸体を回転可能に支持できるように、約12.5mmとなっている。カラー部610の径は、円盤部の径がスプール部の径よりも大きくなるよう、約16.5mmとなっている。円盤部の径616は、軸部が軸受部材の開口31aに入るのを円盤部が防止できるよう、約20.0mmとなっている。軸部の径614は、軸部が充分な強度を有して供給軸体を回転可能に支持し、且つ過度のスペースを占めることなく、また軸受壁面の対応する溝/開口に嵌合して供給軸体が回転できるように、約6.9mmとなっており、約7.1mmより大きくなることはない。
巻取スプールおよびギア部材に関し、図38A及び38Bに示されているように、ギア部材の歯幅636は、この歯が装置を駆動する出力ギアの対応する歯と係合できるように、約4.0mmとなっており、約2.0mmより小さくなることはなく、また約7.0mmより大きくなることはない。第1の伸長部の長さ640は約13.3mmであり、第2の伸長部の長さ649は約10.9mmとなっており、これによって各部分は充分な強度を有し、且つ巻取軸体の対応する内部構造と係合可能なスプール部の端部を細くすることができる。第2の伸長部が挿入される巻取軸体の内側部分は、例えば少なくともある断面では径が約7.4mmである開口である。第1の伸長部の周囲の巻取軸体の内部部分の径は例えば約9.7mmである。様々な実施形態では、第2の伸長部が挿入される内部の開口は、例えば円形又は多角形状であってもよい。軸部の径620は、ファクシミリ装置の出力ギアが正しくそこと連結できるよう、約6.9mmとなっており、約7.1mmより大きくなることはない。
また、図38A及び38Bに示されている、入力ギアの歯底円直径622は、約19.4mmであり、入力ギアの歯先円直径624は約23.1mmであり、約23.2mmより大きくなることはない。隣接する歯の歯先間の間隔は、約1.9mmである。入力ギアがファクシミリ装置の出力ギアの歯と正しくかみ合うように、3つの連続する歯の歯厚は約8.5mmであり、約8.6mmよりも大きくなることはなく、約8.4mmよりも小さくなることはない。受け部の径630は、入力ギアの対応する部分と互いに強固に連結できるよう、約12.9mmとなっている。フランジ部の径632は、約18.5mmとなっている。カラーの厚さ638は、カラーが充分な強度を有して供給スプール部が供給スプール側に滑らないように、且つ不必要に大きくならないように、約1.0mmとなっている。第1の伸長部の径628は、約9.6mmとなっている。第2の伸長部の径626は、約7.3mmとなっている。
本発明の一つ又はそれ以上の側面による、インクリボンカートリッジの様々な実施形態においては、巻取軸体の入力ギアが例示的なファクシミリ装置の出力ギアによって上記のように駆動されるとき、インクリボンシートが約0.07367mm/ステップで、また一般的に約0.06000mm/ステップから0.30000mm/ステップの速度の範囲内で往復駆動されるように、供給軸体の外径及びギアの寸法は設定されている。例示的なファクシミリ装置においては、紙がインクリボンの駆動速度よりも遅く駆動されるように、紙は約0.06428mm/ステップで駆動される。
前述の、本発明の1つ又はそれ以上の側面による、インクリボンカートリッジの例示的な適用においては、カートリッジフレームの形状は矩形状として図示されている。この構造により、供給軸体と巻取軸体が一対の壁状の軸受部材の間に配置され、この軸受部材によって供給軸体と巻取軸体が回転できるようになる。その結果、本発明の一側面によれば、インクカートリッジがファクシミリ装置内に配置されている時に、前部連結部材に設けられた突出把持部によってインクカートリッジの取り外しがより容易となる。しかしながら、本発明の1つ又はそれ以上の側面における幾つかの実施形態においては、カートリッジフレームの形状は、これとは異なる、非矩形の形状であってもよい。
本発明の他の側面によれば、インクカートリッジフレームによって、インクカートリッジが使用されるファクシミリ装置の寸法を増やすことなく、好適には減少させ、且つインクカートリッジの着脱がより容易となる。
本発明の他の側面によれば、インクリボン等の交換時に、必ずしも供給および巻取軸回の支持部材はフレームから外されない。これによって、本発明の一側面によれば、インクカートリッジの着脱中に接続されまた取り扱われる必要のある部品数を減少させるために、略固定型の支持部材が設けられる。
本発明の様々な適用は、供給スプール上に設けられた部品を介して供給軸体上にバックテンション(回転抵抗)を与えるものであり、それによって本発明の様々な特徴が適用されたインクカートリッジを使用する画像形成装置において、インクカートリッジ及び/または画像形成装置の寸法を小さくすることが可能となる。
本発明は上記の例示的な実施形態を組み合わせて記述したものであり、多くの代替、変形および変更点は当業者にとって既知である。従って、上記の例示的な実施形態は、例示的なものであり、また限定を行うものではない。様々な変更は、本発明の原理および範囲から外れることなくなされるものである。
Claims (24)
- 第1の軸受部材および第2の軸受部材を備えたフレームと、
供給軸体を第1の軸受部材および第2の軸受部材に回転可能に連結する、供給軸体連結部材と、
巻取軸体を第1の軸受部材および第2の軸受部材に回転可能に連結する、巻取軸体連結部材と、
を有し、
前記供給軸体連結部材が第1の軸回りに回転し、前記巻取軸体連結部材が第2の軸回りに回転し、該第1の軸と該第2の軸との間の間隔が約73.5mmから約77.5mmである、
ことを特徴とする、インクリボンカートリッジ。 - 前記間隔が約75.5mmであることを特徴とする、請求項1に記載のインクリボンカートリッジ。
- 第1の軸受部材はその略中央部に突出部を有し、前記突出部は供給軸体および巻取軸体の一方と連結している第1の軸受部材の部分に対して約5.5mmから約11.8mm外向きに突出している、ことを特徴とする請求項1に記載のインクリボンカートリッジ。
- 第2の軸受部材はその略中央部に突出部を有し、前記突出部は供給軸体および巻取軸体との一方と連結している第2の軸受部材の部分に対して約4.5mmから約13.4mm外向きに突出している、ことを特徴とする請求項3に記載のインクリボンカートリッジ。
- 前記フレームが、第1の前部連結部材を有し、前記前部連結部材の長さは約225.0mmから約226.5mmである、ことを特徴とする請求項1に記載のインクリボンカートリッジ。
- 前記フレームが後部連結部材を有し、前記後部連結部材の長さは約225.0mmから約226.5mmである、ことを特徴とする請求項5に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該第1の軸受部材の長さは約102.0mmから約107.0mmである、ことを特徴とする請求項6に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該第2の軸受部材の長さは約102.0mmから約107.0mmである、ことを特徴とする請求項7に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該第1の軸受部材の突出部の後縁と、該第1の軸受部材の後縁との間隔は、約30.0mmから約32.0mmである、ことを特徴とする請求項7に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該第1の軸受部材の突出部の前縁と、該第1の軸受部材の前縁との間隔は、約27.0mmから約30.0mmである、ことを特徴とする請求項7に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該第2の軸受部材の突出部の後縁と、該第2の軸受部材の後縁との間隔は、約30.0mmから約33.3mmである、ことを特徴とする請求項7に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該第2の軸受部材の突出部の前縁と、該第2の軸受部材の前縁との間隔は、約26.3mmから約28.0mmである、ことを特徴とする請求項8に記載のインクリボンカートリッジ。
- 前記後部連結部材は、該第1の軸受部材の内側の表面から約103.0mmから約110.0mmの所に開口を有する、ことを特徴とする請求項6に記載のインクリボンカートリッジ。
- 供給軸体の第1端と巻取軸体の第1端とを連結する第1のフレーム部材と、
供給軸体の第2端と巻取軸体の第2端とを連結する第2のフレーム部材と、
を有し、
該供給軸体および該巻取軸体の各々は前記第1のフレーム部材および前記第2のフレーム部材によって回転可能に支持され、
前記第1のフレーム部材および前記第2のフレーム部材の略対向する部分間の間隔は、約218.0mmから約245.0mmである、
ことを特徴とするインクリボンカートリッジ。 - 該巻取軸体が第1の巻取軸体連結部材を介して前記第1のフレーム部材と連結し、該巻取軸体連結部材は歯車を有する、ことを特徴とする請求項14に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該歯車の歯先円直径は約23.1mmから約23.2mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該歯車の歯底円直径は約19.4mmである、ことを特徴とする請求項16に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該歯車の隣接する歯の歯先間の間隔は約1.9mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該歯車の隣接する3本の歯厚は約8.4mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該歯車の歯幅は約2.0mmから約7.0mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該歯車の歯幅は約4.0mmである、ことを特徴とする請求項15に記載のインクリボンカートリッジ。
- 巻取軸体および供給軸体の左端を回転可能に支持する左部軸受部材と、
巻取軸体および供給軸体の右端を回転可能に支持する右部軸受部材と、
左部および右部軸受部材の端部を連結する前部連結部材と、
左部および右部軸受部材の端部を連結する後部連結部材と、
を有し、
該巻取軸体は第1の軸回りに回転し、該供給軸体は第2の軸回りに回転し、
該第1の軸と前記前部連結部材の最上部との間隔は約34.7mm又はそれ未満である、
ことを特徴とするインクリボンカートリッジ。 - 該第2の軸と前記後部連結部材の最上部との間隔は約22.0mm又はそれ未満である、ことを特徴とする請求項22に記載のインクリボンカートリッジ。
- 該第1の軸と前記前部連結部材の最上部との、前記前部連結部材の略中央部における間隔は約26.9mmである、ことを特徴とする、請求項23に記載のインクリボンカートリッジ。
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