JP2006149739A - 使い捨てマスク - Google Patents

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Abstract

【課題】梱包したときにかさばることがなく、着用したときにはフィルタ部が顔面に密着することのない使い捨てマスクの提供。
【解決手段】使い捨てマスク1が環状を成す接顔パッド4とパッド4の外周縁部に接合されたフィルタ部3とを有する。パッド4は柔軟弾性材料によって形成されている。フィルタ部3は、通気性シート材料からなるもので、0.25〜4N・cmの剛軟度を有し、横方向へ互いに平行して延びる少なくとも一条の山折り部11,12と少なくとも一条の谷折り部とからなるひだが形成されており、そのひだが畳まれることによって平坦な状態にある。
【選択図】図2

Description

この発明は、防じんマスクや医療用マスク等として使用するのに好適な使い捨てマスクに関する。
従来、この種のマスクは公知である。例えば、特開平10−5360号公報(特許文献1)に開示の衛生マスクは,矩形を成す通気性のマスク本体の上方部分に山折り部と谷折り部とを形成し、谷折り部の近傍をマスク着用者の顔に当接するもので、その谷折り部の近傍にはノーズクリップとして作用する針金が取り付けられている。
特開平11−99216号公報(特許文献2)に開示のマスクは、長方形を成すマスク本体の長辺に平行な折り目を有するものであって、その長辺に平行に設けられた弾性部材の両端部がマスク本体の短辺側に一体化されている。
また、実用新案登録第2535782号公報(特許文献3)に開示の折りたたみ可能な使い捨て式簡易防じんマスクは、半球状のマスク本体と接顔部とを有するもので、マスク本体にはプリーツ状の折り目が設けられ、折り目に沿って畳んだマスク本体は接顔部で包んだ後にマスク本体の左右両側部を係止部で止めておくことができる。
特開平10−5360号公報 特開平11−99216号公報 実用新案登録第2535782号公報
特許文献1に開示のマスクは、フィルタ部を形成するマスク本体が平坦なもので、梱包したときにかさばらず運搬に多くのスペースを必要とすることはないが、着用したときには、そのマスク本体が顔面に密着する傾向にある。顔面に密着した部分のマスク本体は、通気性の部分として作用しないから、このマスクでは、マスク本体を大きくしても通気面積が広くにはなり難いということがある。
特許文献2に開示のマスクは、それに設けられた弾性部材が着用して山形に膨らんだマスク本体の横方向の変形を抑えるように作用することはあるが、マスク本体の縦方向の変形、即ち折り目に従って畳まれるような変形を抑えることはできない。したがって、このマスク本体は、弾性部材を有するにもかかわらず、依然として縦方向に変形してマスク着用者の顔面に密着し易いということがある。
特許文献3に開示のマスクは、フィルタとして作用するマスク本体が半球状に成形されているから、マスクを着用したときにマスク本体が顔面に密着するということはないが、プリーツ状の折り目に従って畳んだマスク本体は、たわませた接顔部で包むから、そのマスク本体を長時間そのままにしておくと、接顔部にはたわませたことによる癖がついて、その癖が顔面に対するフィット性を悪くするということがある。
そこで、この発明は、これら従来のマスクにおいて、梱包したときにかさばらず経済的に運搬することが可能であり、着用したときには接顔部が顔面によく密着する一方、フィルタ部は顔面に密着することがないように改良を施すことを課題にしている。
前記課題を解決するためにこの発明が対象とするのは、環状を成す接顔パッドと、前記パッドの外周縁部に接合されたフィルタ部と、頭部および耳部のいずれかに掛け回す掛けひもとを有する使い捨てマスクである。
かかるマスクにおいて、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記接顔パッドは、前記マスクの縦方向および横方向への変形に追随し得る柔軟弾性材料によって形成されている。前記フィルタ部は、少なくとも一枚の通気性シート材料からなるものであって、0.25〜4N・cmの剛軟度を有しており、前記縦方向には前記横方向へ互いに平行して延びる少なくとも一条の山折り部と少なくとも一条の谷折り部とからなるひだが形成されていて前記ひだが畳まれることによって平坦な状態にあり、かつ前記マスクの内側から外側に向かって押されると前記ひだが伸びて前記外側に向かって山形に膨らむことが可能である。
請求項2に係るこの発明の実施態様において、前記フィルタ部には、前記縦方向の中央部よりも上方に前記ひだが形成されるとともに、前記中央部よりも下方にも前記ひだが形成されている。
請求項3に係るこの発明の実施態様において、前記フィルタ部は、0.3〜3mmの厚さを有している。
請求項4に係るこの発明の実施態様において、前記接顔パッドは、0.8〜3mmの厚さと、0.4〜3N・cmの剛軟度とを有する発泡プラスチックで形成されている。
請求項5に係るこの発明の実施態様において、前記接顔パッドは、前記外周縁部が前記フィルタ部と接合する一方、内周縁部が前記着用者の口許と鼻孔周囲とを納めることが可能な開口を形成しており、前記外周縁部と前記内周縁部との間の部分がこれら両周縁部よりも前記着用者の顔面に向かって突出している。
請求項1に係るこの発明では、ひだが畳まれている状態にあるフィルタ部が平坦であるから、マスクを梱包するときにフィルタ部が山形を成している場合に比べてかさばるということがない。また、この発明に係るマスクでは、接顔パッドがマスクの縦方向及び横方向への変形に追随し得るように柔軟弾性材料によって形成されており、平坦なフィルタ部にはひだ部が形成されているので、このフィルタ部をマスクの内側から外側に向かって押すと、ひだが伸びてフィルタ部が外側に向かって山形に膨らむ。そのようになったフィルタ部は高い剛性を有していて、しかもその周縁部が接顔パッドによって内側から支えられているから、元の平坦な状態に簡単に戻るということがなく、山形に膨らんだ状態を長く維持することができる。かような状態にあるマスクを着用すると、柔軟弾性材料からなる接顔パッドが顔面によくフィットする一方、山形に膨らんだフィルタ部は広い面積にわたって顔面に密着して通気面積を減少させるということがない。
請求項2に係るこの発明の実施態様では、フィルタ部の縦方向における中央部の上方に山折り部と谷折り部とからなるひだが形成されているとともに、前記中央部の下方にも山折り部と谷折り部とからなるひだが形成されていることによって、フィルタ部は、この中央部を頂部として上方と下方とに裾野が広がるように山形に膨らむことが可能で、その中央部を外側から押されても、潰れて元の平坦な形に簡単に戻るということがない。
請求項3に係るこの発明の実施態様では、フィルタ部を厚くすることによって、フィルタ部の剛性を高くすることができる。
請求項4に係るこの発明の実施態様では、剛性の高い接顔パッドが山形に膨らんだフィルタ部の周縁部分を内側から支えて、フィルタ部が元の平坦な形に簡単に戻ることを防ぐことができる。その接顔パッドは、柔軟な発泡プラスチックで形成されることによって、顔面に対して柔らかくフィットすることが可能になる。
請求項5に係るこの発明の実施態様では、接顔パッドをマスク着用者の顔面に向かって突出させることによって、接顔パッドの顔面に対するフィット性が向上する。
添付の図面を参照して、この発明に係る使い捨てマスクの詳細を説明すると、以下のとおりである。
図1は、着用状態にあるマスク1の斜視図である。マスク1は、山形に膨らんだ通気性のフィルタ部3と、着用者2の顔面に当接している接顔パッド4(図3,4参照)と、着用者2の頭部に掛け回した上下各一条の掛けひも6とを有する。
図2,3,4は、マスク1の外面側斜視図と、内面側斜視図と、図2のIV−IV線断面図とであって、いずれの図においても、図1に示されたマスク1がほぼ平坦となるように畳まれた状態にある。
フィルタ部3は、図2において長円形ないし矩形を成しており、上縁部7と、下縁部8と、これら両縁部7,8をつなぐ両側縁部9とを有し、両側縁部9と9との間には、マスク1の横方向へ延びる上方山折り部11と下方山折り部12とが形成されている。マスク1の縦方向において、両山折り部11と12との間には中央フィルタ部13が形成されており、中央フィルタ部13の上方と下方とには、上方フィルタ部14と下方フィルタ部15とが形成されている。上方フィルタ部14と下方フィルタ部15の側方部分には、掛けひも6の端部が溶着や接着等の固定手段を介して取り付けられている。
接顔パッド4は、図3,4から明らかなように、平坦な環状を成しており、外周縁部16と内周縁部17とを有する。外周縁部16は、フィルタ部3の上縁部7と下縁部8と両側縁部9とに溶着や接着等の手段を介して接合している。両側縁部9では、その接合の手段を介して、上下の山折り部11,12と上下の谷折り部21,22とにおいて重なり合ったフィルタ部3(図4参照)がその重なり合った状態で接顔パッド4に接合している。また、内周縁部17の内側には開口18が形成されており、その開口18の内側にはマスク着用者の口許と鼻孔周辺部分とを納めることができる。内周縁部17のうちの上方部分19は、その鼻孔周辺部分に対するフィット性が良好となるように、マスク1の横方向中央部において逆U字状ないし逆V字状を成している。
図4におけるこれらフィルタ部3と接顔パッド4とにおいて、フィルタ部3は、中央フィルタ部13と上方フィルタ部14とが、上方山折り部11とその近傍に形成された上方谷折り部21との間に延びる上方折り込み部24を介してつながっていて、上方ひだ20aを形成している。また、中央フィルタ部13と下方フィルタ部15とが、下方山折り部12とその近傍に形成された下方谷折り部22との間延びる下方折り込み部26を介してつながっていて、下方ひだ20bを形成している。図3では、これら上方谷折り部21と下方谷折り部22との一部分が開口18の内側に現れている。
図4にはまた、フィルタ部3が膨らんだときのマスク1が仮想線で示されている。この発明に係る実線で示されたマスク1は、開口18に指を入れてフィルタ部3を内側から外側に向かって押すと、上下の山折り部11,12のそれぞれと上下の谷折り部21,22のそれぞれとが伸びて、上方ひだ20aと下方ひだ20bとが広がり、フィルタ部3は山形を成すように膨らむ。上方フィルタ部14と上方折り込み部24とは、中央フィルタ部13からほぼ一様な角度で斜め上方へ向かう斜面を形成し、この斜面と対称を成すように、下方フィルタ部15と下方折り込み部26とが、中央フィルタ部13からはほぼ一様な角度で斜め下方へ向かう斜面を形成している。接顔パッド4は、フィルタ部3がこのように変形することに伴い、フィルタ部3に向かって凸となるように僅かに変形する傾向にある。
山形に膨らんだ図4のマスク1は、接顔パッド4の開口18をマスク着用者の口許に向ければ、鼻孔周辺部分が逆U字状の部分19に納まって、接顔パッド4はその内周縁部17が顔面にフィットする。フィルタ部3の中央フィルタ部13は、それがマスク1の外側から内側に向かって押されても、斜面を形成するように伸びている上方フィルタ部14と上方折り込み部21および下方フィルタ部15と下方折り込み部26に支えられており、しかもフィルタ部3の上縁部7と下縁部8と両側縁部9とは接顔パッド4の外周縁16に接合されているので、簡単には潰れることがない。しかし、このようなフィルタ部3は、上方山折り部11、上方谷折り部21、下方山折り部12、下方谷折り部22が再現するように外側から手を当てれば、図4の実線の状態に畳むことができる。
かようなマスク1において、フィルタ部3は、膨らんだ形状の維持が容易となるように、一枚の通気性シートであって0.25〜4N・cmの剛軟度を有するもの、または二枚以上の通気性シートの積層体であって0.25〜4N・cmの剛軟度を有するものに、上方山折り部11、上方谷折り部21、下方山折り部12、下方谷折り部22を形成することによって得ることが好ましい。そのような剛軟度を有するフィルタ部3はまた、0.3〜3mmの厚さを有していることが好ましい。通気性シートには、不織布や織布、ネット、開孔プラスチックフィルム等を単独で、または積層して使用することができる。接顔パッド4は、顔面にソフトにフィットさせるべきものであるから、柔軟弾性材料によって形成されることが好ましく、また山形に膨らんだフィルタ部3の形状の維持に寄与し得るように0.8〜3mmの厚さと、0.4〜3N・cmの剛軟度とを有していることが好ましい。かような接顔パッド4には、発泡ポリエチレンシートや発泡ポリビニルアルコールシート、不織布、フェルト等を使用することができる。フィルタ部3と接顔パッド4の剛軟度はJIS L 1096の6.19.2に規定のB法(スライド法)に準拠して測定される。マスク1における掛けひも6は、頭部に代えて耳部に掛けまわすものであってもよい。
図5,6は、この発明の実施態様の一例を示す図3,4と同様な図である。このマスク1では、外周縁部16が図3と同一形状のフィルタ部3に接合する一方、内周縁部17が開口18を形成している接顔パッド4の外周縁部16と内周縁部17との間の部分に、着用者の顔面に向かっての突出部が形成されており、その突出部には顔面の起伏に倣うことができる起伏が形成されている。このようなマスク1は、図6の如くに畳まれたときの厚さが図4のマスク1よりも厚くなるが、着用時には顔面により良くフィットすることが可能になる。
図7もまた、この発明の実施態様の一例を示す図6と同様な図である。このマスク1では、図6と同一の接顔パッド4に接合したフィルタ部3が中央フィルタ部13と上方フィルタ部14との間に第1、第2上方山折り部11,31と第1、第2上方谷折り部21,41とからなる上方ひだ20aを有し、中央フィルタ部13と下方フィルタ部15との間に第1、第2下方山折り部12,32と第1、第2下方谷折り部22,42とからなる下方ひだ20bを有する。この発明では、この図示例のように、中央フィルタ部13の上方と下方とのそれぞれに、複数の山折り部と谷折り部とを設けることができる。
図8もまた、この発明の実施態様の一例を示す図6と同様な図である。このマスク1もほぼ平坦を成すものであって、図5と同一の接顔パッド4に接合したフィルタ部3には、縦方向に山折り部35と谷折り部36とが交互に現れるひだ20cが形成されている。なお、この発明は、図示例のフィルタ部3の他に、各一条の山折り部35と谷折り部36とが形成されたフィルタ部3を使用して実施することも可能である。いずれの場合においても、フィルタ部3は、それを内側から外側に向かって押すことによって山形に膨らむことが可能であり、膨らんだフィルタ部3は、山折り部35と谷折り部36とが再現するように外側から手を当てることによって図8の如く畳むことができる。
これまでの説明によって明らかなように、この発明に係る使い捨てマスク1は、フィルタ部3が畳まれていることによって平坦でコンパクトなものになるから、それを梱包したときにはかさばることがなく、したがってそれを運搬するとき等に多くのスペースを必要とすることがない。しかも、接顔パッド4は、フィルタ部3が畳まれているときに変形することがないから、マスク1が長時間梱包された状態にあっても、顔面に対するフィット性が悪くなるということがない。
この発明によれば、梱包したときにかさばることがなく、また梱包することによって顔面に対する密着性が悪くなるということのない使い捨てマスクの製造が可能になる。
着用状態にある使い捨てマスクの斜視図。 使い捨てマスクの外面側斜視図。 使い捨てマスクの内面側斜視図。 図1のIV−IV線断面図。 実施態様の一例を示す図3と同様な図。 実施態様の一例を示す図4と同様な図。 実施態様の一例を示す図6と同様な図。 実施態様の一例を示す図6と同様な図。
符号の説明
1 使い捨てマスク
3 フィルタ部
4 接顔パッド
6 掛けひも
11 山折り部
12 山折り部
16 外周縁部
17 内周縁部
18 開口
20a ひだ
20b ひだ
20c ひだ
21 谷折り部
22 谷折り部
31 山折り部
32 山折り部
35 山折り部
36 谷折り部
41 谷折り部
42 谷折り部

Claims (5)

  1. ほぼ環状を成す接顔パッドと、前記パッドの外周縁部に接合されたフィルタ部と、頭部および耳部のいずれかに掛け回す掛けひもとを有する使い捨てマスクであって、
    前記接顔パッドが前記マスクの縦方向および横方向への変形に追随し得る柔軟弾性材料によって形成されており、
    前記フィルタ部が、少なくとも一枚の通気性シート材料からなるものであって、0.25〜4N・cmの剛軟度を有しており、前記縦方向には前記横方向へ互いに平行して延びる少なくとも一条の山折り部と少なくとも一条の谷折り部とからなるひだが形成されていて、前記ひだが畳まれることによって平坦な状態にあり、かつ前記マスクの内側から外側に向かって押されると前記ひだが伸びて前記外側に向かって山形に膨らむことが可能であることを特徴とする前記マスク。
  2. 前記フィルタ部には、前記縦方向の中央部よりも上方に前記ひだが形成されているとともに、前記中央部よりも下方にも前記ひだが形成されている請求項1記載のマスク。
  3. 前記フィルタ部が0.3〜3mmの厚さを有している請求項1または2に記載のマスク。
  4. 前記接顔パッドが0.8〜3mmの厚さと、0.4〜3N・cmの剛軟度とを有する発泡プラスチックで形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のマスク。
  5. 前記接顔パッドは、前記外周縁部が前記フィルタ部と接合する一方、内周縁部が着用者の口許と鼻孔周囲とを納めることが可能な開口を形成しており、前記外周縁部と前記内周縁部との間の部分がこれら両周縁部よりも前記着用者の顔面に向かって突出している請求項1〜4のいずれかに記載のマスク。
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