JP2006149563A - Mri装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラム - Google Patents

Mri装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2006149563A
JP2006149563A JP2004342713A JP2004342713A JP2006149563A JP 2006149563 A JP2006149563 A JP 2006149563A JP 2004342713 A JP2004342713 A JP 2004342713A JP 2004342713 A JP2004342713 A JP 2004342713A JP 2006149563 A JP2006149563 A JP 2006149563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
time
measured
negative
minimum value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004342713A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoko Abe
清子 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GE Medical Systems Global Technology Co LLC
Original Assignee
GE Medical Systems Global Technology Co LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GE Medical Systems Global Technology Co LLC filed Critical GE Medical Systems Global Technology Co LLC
Priority to JP2004342713A priority Critical patent/JP2006149563A/ja
Publication of JP2006149563A publication Critical patent/JP2006149563A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】正確な縦緩和時間を算出すること。
【解決手段】被検体から放出された信号の所定の時間毎の縦磁化の信号強度の絶対値を算出する絶対値算出部と、信号強度の絶対値から最小値を選択し、最小値が計測された時間以前の絶対値による信号強度を負の値に変換する負数変換部と、他の信号強度の値から最小値が計測された時間に信号強度として推定される値に、最小値と最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択し、最小値が正の値であるか負の値であるか判断する判断部と、所定の時間毎の信号強度から、時間の経過とともに回復する信号強度を示す関数を導出する関数導出部と、関数から縦緩和時間を取得する縦緩和時間取得部を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、MRI装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラムに関するものであり、特に縦緩和時間を正確に測定する技術に関するものである。
従来、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置に用いられる反転回復(Inversion Recovery)法は、フリップ角が180度のRF(ラジオ波)信号を用いて行う手法である。この反転回復法は、フリップ角が180度のRF信号を用いることで、例えばスピンエコー法のようにフリップ角が90度のRF信号を用いた場合と比べて、縦緩和時間が長くなることで、より多くの測定時間のNMR信号が検出できるため精度が高くなるという長所を有する。
この反転回復法による反転回復過程を表示する方法として、位相再構成と絶対値再構成の二種類の方法がある。この位相再構成は、位相の変化を検出し、その情報を元に画像の再構成を行い、そのままマイナスの値を画像値として出力する。この位相再構成は、位相の変化に非常に敏感であり、特に位相変化の激しいところにはその検出が行えない場合が多く、縦緩和時間等のパラメータを正確に導出するのは困難である。
これに対し絶対値再構成は、コイルのxチャンネルとyチャンネルを同時に使ってrms(根自乗平均,root mean square)を計算するため、常に正となる信号強度の絶対値を得る。得られた回復曲線は、実際には負の値をとる領域においては元の曲線の鏡面像であり、時間軸に対して線対称となる。この絶対値再構成では位相再構成より信号雑音比が向上するため、位相再構成の場合より正確な縦緩和時間等のパラメータを導出するのが容易となる。
この絶対値再構成において、縦緩和時間を算出するには2つの方法がある。1つは、信号強度の絶対値を用いてそのまま算出する方法である。他の1つは、実際は負数となるはずの絶対値の領域を、再度負数に戻してから算出する方法である。前に示した方法では、絶対値として算出されるため正数か負数か不明である値が存在するという問題がある。現在は、非特許文献1に示されるように絶対値を用いてそのまま算出する方法が主流である。
しかしながら、信号強度の絶対値を用いてそのまま算出する方法においては、非線形回帰計算するため二つの領域に分けて計算を行うこととなり、本来は負の値であった信号強度も正数である絶対値として算出するため、縦緩和時間等のパラメータの精度が下がるという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、絶対値による縦磁化の信号強度のうち、実際は負の値となる信号強度を戻してから算出する方法で、正確な縦緩和時間を算出することが可能となるMRI装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の観点にかかる発明は、反転回復パルスシーケンスを使用してMRイメージングを行うMRI装置において、反転パルスにより発生したNMR信号について、該反転パルス送信後から所定の時間経過した縦磁化の信号強度の絶対値で算出する絶対値算出手段と、前記絶対値算出手段により算出された複数の絶対値による前記信号強度から最小値を選択し、該最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による前記信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換する負数変換手段と、前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す正値信号強度、前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間により、前記最小値が計測された時間における前記信号強度として推定される値に、前記最小値及び前記最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断する判断手段と、前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度、前記判断手段により正の値であるか負の値であるか判断により極性が設定された前記最小値の前記信号強度、前記正値信号強度及びこれらの前記信号強度が測定された各前記所定の時間から、時間の経過とともに回復する前記信号強度を示す関数を導出し、該関数から縦緩和時間を取得する縦緩和時間取得手段と、を備えたことを特徴とする。
また、第1の観点にかかる発明によれば、縦磁化の信号強度の絶対値の最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、極性が判断された最小値を使用して回復曲線を示す関数を導出するため、より正確な関数を導出することが可能となり、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
また、第2の観点にかかる発明は、第1の観点にかかる発明において、前記判断手段は、前記信号強度及び経過時間による2次元座標上において、前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す前記正値信号強度、及び前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度について各前記信号強度が計測された前記所定の時間により定められる各座標による、時間と共に回復していくと推定される前記信号強度を示す線分に、前記最小値が測定された時間について前記最小値による座標及び前記最小値の極性を反転した負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断することを特徴とする。
また、第2の観点にかかる発明によれば、時間と共に回復していくと推定される信号強度を示す線分に、最小値が測定された時間について正の値による座標及び負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択することで最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、極性が判断された最小値を使用して時間の経過とともに回復する信号強度を示す関数を導出し、この関数から縦緩和時間を取得することで、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
また、第3の観点にかかる発明は、第2の観点にかかる発明において、前記判断手段は、前記2次元座標上において、前記最小値が計測された時間より1つ後に計測された前記正値信号強度を示す座標、及び前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度のうち、前記最小値が計測された時間より1つ前に計測された前記負値信号強度を示す座標を結ぶ線分に、前記最小値が測定された時間について前記最小値による座標及び前記最小値の極性を反転した負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断することを特徴とする。
また、第3の観点にかかる発明によれば、最小値が計測された時間より1つ後に計測された信号強度を示す座標、及び最小値が計測された時間より1つ前に計測された負数に変換された信号強度を示す座標を結ぶ線分に、最小値が測定された時間について正数の値による座標及び負数の値による座標のうちいずれか近い座標を選択することで最小値が正の値であるか負の値であるか判断するため、他の複数の座標を用いた場合と比較して、正の値であるか負の値であるかの判断に必要な処理が低減され、処理時間は大幅に節約できるという効果を奏す。
また、第4の観点にかかる発明は、第3の観点にかかる発明において、前記判断手段は、前記2次元座標上において、前記最小値が計測された時間より1つ後に計測された前記正値信号強度を示す最小値後座標、及び前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度のうち、前記最小値が計測された時間より1つ前に計測された前記負値信号強度を示す最小値前座標と、前記最小値による座標に囲まれた三角形の面積、及び該最小値前座標、該最小値後座標と前記最小値の極性を反転した負の値による座標に囲まれた三角形の面積を比較し、面積が狭い三角形を選択し、この選択された三角形を構成する前記最小値の極性により、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断することを特徴とする。
また、第4の観点にかかる発明によれば、三角形の面積を比較して、面積が狭い三角形を選択し、この選択された三角形を構成する前記最小値が正の値であるか負の値であるかにより、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断するため、面積の比較により最小値が正の値であるか負の値であるか判断することが可能であるため、判断に必要な処理がよりいっそう低減され、処理時間は大幅に節約できるという効果を奏す。
また、第5の観点にかかる発明は、第1〜第4のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記絶対値算出手段は、反転パルスにより発生したNMR信号について、該反転パルス送信後から所定の時間毎に複数の縦磁化の信号強度の絶対値で算出することを特徴とする。
また、第5の観点にかかる発明によれば、所定時間毎に縦磁化の信号強度の絶対値を複数算出することで、時間の経過とともに回復する信号強度を示す関数を高精度に導出することになり、この関数から縦緩和時間を取得することで、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
また、第6の観点にかかる発明は、第1〜第5のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記負数変換手段は、前記絶対値算出手段により算出された複数の絶対値による前記信号強度において複数の最小値が存在した場合に計測された時間が最前の最小値を一つ選択し、選択された該最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による前記信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換し、前記判断手段は、複数の絶対値による最小値のうち計測された時間が最後の前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す正値信号強度、前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間により、前記最小値が計測された時間における前記信号強度として推定される値に、計測された時間が最前の前記最小値及び計測された時間が最前の前記最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択して、最前の前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、前記縦緩和時間取得手段は、前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度、前記判断手段により正の値であるか負の値であるか判断により極性が設定された最前の前記最小値の前記信号強度、前記正値信号強度及びこれらの前記信号強度が測定された各前記所定の時間から、時間の経過とともに回復する前記信号強度を示す関数を導出し、該関数から縦緩和時間を取得することを特徴とする。
また、第6の観点にかかる発明によれば、複数の最小値がある場合において、計測時間が最前の最小値について正の値であるか負の値であるか判断し、極性が判断された最小値を使用して回復曲線を示す関数を導出するため、複数の最小値がある場合においても正確な関数を導出することが可能となり、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
また、第7の観点にかかる発明は、反転回復パルスシーケンスを使用する縦緩和時間測定方法において、反転パルスにより発生したNMR信号について、該反転パルス送信後から所定の時間経過した縦磁化の信号強度の絶対値で算出する絶対値算出ステップと、前記絶対値算出ステップにより算出された複数の絶対値による前記信号強度から最小値を選択し、該最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による前記信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換する負数変換ステップと、前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す正値信号強度、前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間により、前記最小値が計測された時間における前記信号強度として推定される値に、前記最小値及び前記最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断する判断ステップと、前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度、前記判断ステップにより正の値であるか負の値であるかの判断により極性が設定された前記最小値の前記信号強度、前記正値信号強度及びこれらの前記信号強度が測定された各前記所定の時間から、時間の経過とともに回復する前記信号強度を示す関数を導出し、該関数から縦緩和時間を取得する縦緩和時間取得ステップと、を有することを特徴とする。
また、第7の観点にかかる発明によれば、縦磁化の信号強度の絶対値の最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、極性が判断された最小値を使用して回復曲線を示す関数を導出するため、より正確な関数を導出することが可能となり、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
また、第8の観点にかかる発明は、第7の観点にかかる発明において、前記判断ステップは、前記信号強度及び経過時間による2次元座標上において、前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す前記正値信号強度、及び前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度について各前記信号強度が計測された前記所定の時間により定められる各座標による、時間と共に回復していくと推定される前記信号強度を示す線分に、前記最小値が測定された時間について前記最小値による座標及び前記最小値の極性を反転した負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断することを特徴とする。
また、第8の観点にかかる発明によれば、時間と共に回復していくと推定される信号強度を示す線分に、最小値が測定された時間について正の値による座標及び負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択することで最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、極性が判断された最小値を使用して時間の経過とともに回復する信号強度を示す関数を導出し、この関数から縦緩和時間を取得することで、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
また、第9の観点にかかる発明は、第8の観点にかかる発明において、前記判断ステップは、前記2次元座標上において、前記最小値が計測された時間より1つ後に計測された前記正値信号強度を示す座標、及び前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度のうち、前記最小値が計測された時間より1つ前に計測された前記負値信号強度を示す座標を結ぶ線分に、前記最小値が測定された時間について前記最小値による座標及び前記最小値の極性を反転した負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断することを特徴とする。
また、第9の観点にかかる発明によれば、最小値が計測された時間より1つ後に計測された信号強度を示す座標、及び最小値が計測された時間より1つ前に計測された負数に変換された信号強度を示す座標を結ぶ線分に、最小値が測定された時間について正数の値による座標及び負数の値による座標のうちいずれか近い座標を選択することで最小値が正の値であるか負の値であるか判断するため、他の複数の座標を用いた場合と比較して、正の値であるか負の値であるかの判断に必要な処理が低減され、処理時間は大幅に節約できるという効果を奏す。
また、第10の観点にかかる発明は、第9の観点にかかる発明において、前記判断ステップは、前記2次元座標上において、前記最小値が計測された時間より1つ後に計測された前記正値信号強度を示す最小値後座標、及び前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度のうち、前記最小値が計測された時間より1つ前に計測された前記負値信号強度を示す最小値前座標と、前記最小値による座標に囲まれた三角形の面積、及び該最小値前座標、該最小値後座標と前記最小値の極性を反転した負の値による座標に囲まれた三角形の面積を比較し、面積が狭い三角形を選択し、この選択された三角形を構成する前記最小値の極性により、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断することを特徴とする。
また、第10の観点にかかる発明によれば、三角形の面積を比較して、三角形を選択し、この選択された三角形を構成する前記最小値が正の値であるか負の値であるかにより、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断するため、面積の比較により最小値が正の値であるか負の値であるか判断することが可能であるため、判断に必要な処理がよりいっそう低減され、処理時間は大幅に節約できるという効果を奏す。
また、第11の観点にかかる発明は、第7〜第10のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記絶対値算出ステップは、反転パルスにより発生したNMR信号について、該反転パルス送信後から所定の時間毎に複数の縦磁化の信号強度の絶対値で算出することを特徴とする。
また、第11の観点にかかる発明によれば、所定時間毎の縦磁化の信号強度の絶対値を複数算出することで、時間の経過とともに回復する信号強度を示す関数を高精度に導出することになり、この関数から縦緩和時間を取得することで、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
また、第12の観点にかかる発明は、第7〜第11のいずれか一つの観点にかかる発明において、前記負数変換ステップは、前記絶対値算出ステップにより算出された複数の絶対値による前記信号強度において複数の最小値が存在した場合に計測された時間が最前の最小値を一つ選択し、選択された該最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による前記信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換し、前記判断ステップは、複数の絶対値による最小値のうち計測された時間が最後の前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す正値信号強度、前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間により、前記最小値が計測された時間における前記信号強度として推定される値に、計測された時間が最前の前記最小値及び計測された時間が最前の前記最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択して、最前の前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、前記縦緩和時間取得ステップは、前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度、前記判断ステップにより正の値であるか負の値であるか判断により極性が設定された最前の前記最小値の前記信号強度、前記正値信号強度及びこれらの前記信号強度が測定された各前記所定の時間から、時間の経過とともに回復する前記信号強度を示す関数を導出し、該関数から縦緩和時間を取得することを特徴とする。
また、第12の観点にかかる発明によれば、複数の最小値がある場合において、計測時間が最初となる最小値について正の値であるか負の値であるか判断し、極性が判断された最小値を使用して回復曲線を示す関数を導出するため、複数の最小値がある場合においても正確な関数を導出することが可能となり、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
また、第13の観点にかかる発明は、第7〜第12のいずれか一つの観点にかかる発明による方法をコンピュータで実行させることを特徴とする。
また、第13の観点にかかる発明によれば、第7から第12のいずれか一つの観点に記載された方法をコンピュータの利用で実現することができ、これら第7から第12のいずれか一つの観点にかかる発明と同様の効果を奏す。
本発明のMRI装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラムによれば、縦磁化の信号強度の絶対値の最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、判断された最小値を使用して回復曲線を示す関数を導出するため、より正確な関数を導出することが可能となり、より正確な縦緩和時間を取得することが可能という効果を奏す。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるMRI装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態にかかるMRI装置100の構成を示すブロック図である。このMRI装置100において、マグネットアセンブリ1は、内部に被検体を挿入する空間部分を有し、この空間部分を取り巻くように勾配磁場を形成する勾配コイル(勾配コイルはX軸,Y軸,Z軸の各コイルを備える)1Gと、被検体内の原子核のスピンを励起するRF信号を送信する送信コイル1Tと、被検体からのNMR(nuclear magnetic resonance)信号を検出する受信コイル1Rと、静磁場を形成する静磁場電源8および静磁場コイル1Cから構成される。なお、本実施の形態は静磁場を形成する構成として静磁場電源8および静磁場コイル1C(超伝導磁石)に制限するものではなく、例えば永久磁石を用いてもよい。
そして勾配コイル1Gは勾配コイル駆動回路4に接続され、送信コイル1TはRF電力増幅器6に接続され、受信コイル1Rは前置増幅器10に接続されている。
シーケンス記憶回路3は、計算部2からの指示に従い、本実施の形態で用いられるパルスシーケンスであるFAIR法の処理手順に基づいて、勾配コイル駆動回路4を操作し、勾配コイル1Gにより勾配磁場を形成させると共に、ゲート変調回路5を操作し、RF発振回路7からの高周波出力信号を所定タイミング・所定包絡線のパルス状信号に変調し、それを励起パルスとしてRF電力増幅器6に加え、RF電力増幅器6でパワー増幅した後、マグネットアセンブリ1の送信コイル1Tに印加し、RF信号を送信する。
前置増幅器10は、マグネットアセンブリ1の受信コイル1Rで検出された被検体からのNMR信号を増幅し、位相検波器9に入力する。位相検波器9は、RF発振回路7の出力を参照信号とし、前置増幅器10からのNMR信号を位相検波して、A/D変換器11に与える。A/D変換器11は、位相検波後のアナログ信号をデジタル信号のMRデータに変換して、計算部2に入力する。また、表示装置12は、MR画像を表示する。
計算部2は、操作卓13から入力された情報を受け取りから、A/D変換器11からMRデータを読み込み、画像再構成処理を行ってMR画像を生成までの全体的な制御を行う。また、計算部2は、磁気共鳴検出処理部101と、絶対値算出部102と、負数変換部103と、判断部104と、関数導出部105と、縦緩和時間取得部106と、画像生成部109を備え、接続された回路等を制御することで、被検体の任意の断面上の位置から縦緩和時間等のパラメータを導出し、これらのパラメータに基づいて縦緩和時間画像を生成することを可能とする。
本実施の形態においてはパルスシーケンスとして反転回復法の一種のシーケンスであるFAIR(flow-sensitive alternating inversion recovery)法を用いる。FAIR法は、血流描出目的に開発されたシーケンスである。なお、本実施の形態は本発明に用いられるパルスシーケンスをFAIR法に制限するものではなく、反転回復法となるシーケンスであれば良い。なお、FAIR法は、「Multi-Slice Perfusion-Based Functional MRI using the FAIR Technique:Comparison of CBF and BOLD effects」NMR IN BIOMEDICINE,VOL.10(1997年)のP191-196に記載された公知の技術である。
また、磁気共鳴検出処理部101は、磁場形成処理部111と、RF信号送信処理部112と、信号検出処理部113から構成され、被検体のスライス面を特定し、パルスシーケンスを実行して、NMR信号を受信する。
磁場形成処理部111は、X,Y、Z軸のそれぞれの方向について磁場を勾配させることを可能とし、被検体が配置された空間に時間的及び空間的に均一な磁場を印加した後、Z軸方向に勾配磁場を形成することで、共鳴面を限定して被検体のスライス面を定める。
また磁場形成処理部111は、そして後述するRF信号送信処理部112によるRF信号の送信直後にY軸方向に短時間の磁場の勾配を加え、核磁気共鳴より放出されたNMR信号にY座標に比例した位相を変調させ、続いてX軸方向にデータ採取時に磁場の勾配を加えることで検出した信号にX軸方向に比例した周波数を変調させる。これにより位相と周波数から、検出したNMR信号を発信した位置の特定が可能となる。
RF信号送信処理部112は、本実施の形態では、FAIR法に用いられる処理手順に従い、エコー遅延時間を異ならせる処理を行い、RF信号送信後から所定の時間毎に後述する信号検出処理部113でNMR信号を検出できるような処理を行う。所定の時間毎とは、時間の経過と共に回復する縦磁化の信号強度が得られるように設定し、例えば図2で示すような時間経過による縦磁化の信号強度を示す座標Piが得られる時間とする。
信号検出処理部113は、励起した被検体内の原子の核スピンによる核磁気共鳴より放出され、かつ磁場形成処理部111により位相と周波数が変調されたNMR信号を検出する。
図2は、磁気共鳴検出処理部101が行うパルスシーケンスの一例を示した図である。本図に示すように、反転回復法を用いた処理手順に従い、まずRF信号送信処理部112により送信される180度パルスを後述する磁場形成処理部111によるスライス選択用傾斜磁場Gzのパルスとともに印加して、所望のスライスについてスピン系を反転させた後、90度パルスを、そして180度パルスを、スライス選択用傾斜磁場Gzのパルスとともに順次加えてエコー信号を発生させる。また、位相エンコード用傾斜磁場Gy及び読み出し用傾斜磁場Gxは印加しない。このエコー信号をサンプリングし、A/D変換部11によりA/D変換されたデータを信号検出処理部113が収集して、NMR信号を検出する。
図1に戻り、絶対値算出部102は、検出されたNMR信号から再構成する際、算出されたフーリエ変換値の絶対値を、縦磁化の信号強度の絶対値とする。このように絶対値再構成を行うことで、位相再構成の場合と比較して信号雑音比を向上させることが可能となる。
図3は、絶対値算出部102が、RF信号送信後から所定時間毎に検出された信号から算出した縦磁化の信号強度の絶対値の変化を示した図である。本図で示すように、Z軸方向の信号強度(Mz)の絶対値は時間の経過と共に減少していき、最小値となる点P6を取った後、時間の経過と共に増加していくことが把握できる。
また、RF信号送信後からの所定時間毎とは、回復関数を求めるために適した時間毎とし、例えば縦磁化の信号強度の変化が大きい時間においては時間間隔を短くし、縦磁化の信号強度の変化が小さい時間においては時間間隔を大きくすることが考えられる。これにより高精度な回復関数を取得することが可能となる。
また、MRI装置100において、実際は画像再構成を磁化の信号強度をスケーリング化した数値である画像のピクセル値により計算が行われる。これは、磁化の信号強度をそのまま用いると、画像再構成を行う際に、数値(整数、Short型)の範囲を超えることとなり、信号強度のスケーリングを行う必要があるためである。また、画像のピクセル値は相対的に信号強度を示しているものである以上、当然ながら本発明の縦磁化の信号強度に画像のピクセル値も含まれるものとなる。
図1に戻り、負数変換部103は、絶対値算出部102により算出された信号強度の絶対値から最小値を選択し、最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換する。つまり図3において、最小値となる点P6より前の点となる点P1から点P5を負の値による信号強度に変換する。
判断部104は、計測された信号強度の絶対値の最小値が正の値であるか負の値であるかを判断する。つまり判断部104は、最小値が計測された時間以降に計測された絶対値(正数)による信号強度となる正値信号強度、負数変換部103により変換された最小値が計測された時間以前の負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間から、最小値が計測された時間において信号強度として推定される値に、絶対値(正数)による最小値及び最小値の極性を反転した負の値からいずれか近い値を選択して、最小値が正の値であるか負の値であるか判断する。
図4−1は、点P1から点P5の縦磁化の信号強度を負の値に変換した後、最小値P6の極性を反転しなかった場合の経過時間と共に回復する縦磁化の信号強度を示した図である。一方、図4−2は、点P1から点P5の縦磁化の信号強度を負の値に変換した後、最小値P6の極性を反転して負の値とした場合の経過時間と共に回復する縦磁化の信号強度を示した図である。最小値P6の極性を反転した負の値をP6'とする。判断部104は、図4−1及び図4−2で示したP6、P6'のうち、どちらの点が他の点から予想される回復曲線において、最小値が計測された時間での信号強度として推定される値に近いか判断することでP6及びP6'のどちらが最適な点か判断する。
6、P6'のうち、どちらの点が推定される値に近似しているか判断するために、本実施の形態では、P5’及びP7を直線で結ぶ。この線分P5’P7を時間と共に変化する信号強度の推定値を示す線分とする。そして、P6、P6'のどちらが線分P5’P7に近いか判断し、P6、P6'のどちらか近い座標を実際の値として選択する。詳細な手順は以下のように行う。
まず判断部104は、最小値Piの1つ前の時間に負の値に変換された負値信号強度を示す座標Pi-1’と最小値Piの1つ後の時間に計測された信号強度を示すPi+1の座標を得る。次に判断部104は、Piの座標と、Piの信号強度の極性を反転して負の値に変換した座標Pi'の座標を得る。
次に、判断部104は、三角形Pi-1、Pi及びPi+1の面積S1と、三角形Pi-1、Pi'及びPi+1の面積S2を算出する。
そして判断部104は、面積S1<面積S2であればPiが適切な値、つまり最小値が正数と判断する。また、判断部104は、面積S1>面積S2であればPi'が適切な値、つまり最小値が負の数と判断する。
また、絶対値による最小値が複数個計測される場合も考えられる。この場合、複数個計測された最小値のうち最前の値により正の値であるか負の値であるか判断する。具体的には、最小値が計測される一つ前に計測され、極性を反転された負の値を取る座標と、最小値が計測された一つ後の値であり、最小値とは異なる値を取る座標の2点に、複数個計測された最小値のうち最初の値について正の値と反転した負の値の各点による2つの三角形の面積求めて上述した処理を行うことで、最小値が正の値であるか負の値であるか判断する。
図5は、縦磁化の信号強度の絶対値の最小値が点P6の場合において、三角形P5’、P6、P7及びP6の極性を反転して負の値をとる点P6’を用いた三角形P5’、P6’、P7を示した図である。そして三角形P5’、P6、P7面積をS1と、三角形P5’、P6’、P7の面積をS2とする。本図で示した例では、S2がS1より面積が小さいため、判断部104は、S2を構成するP6’を選択し、磁化信号強度の絶対値では最小値となる値は、負の値をとると判断する。また、2つの三角形において線分P5’P7が辺として構成されているため、P6’がP6より線分P5’P7に近いのは明らかである。この処理手順により絶対値の最小値が正の値であるか負の値であるか判断することが可能となる。
関数導出部105は、負数変換部103により変換された負の値による負値信号強度、判断部104により正の値であるか負の値であるかの判断により極性が設定された絶対値が最小値をとる信号強度、及び正数をとる正値信号強度及びこれらの信号強度が測定された各所定の時間から、時間の経過とともに回復する信号強度を示す関数を導出する。
関数導出部は107、求められた磁化の信号強度と信号が計測された時間を用いて、下記に示す数(1)式で示す回復関数について非線形近似法によるフィッティングを行う。なお、M0がt=0における縦磁化の信号強度そしてT1が縦緩和時間を示す。
z=M0(1−2e-t/T1)・・・(1)
非線形近似法に用いられるアルゴリズムは上記の数(1)式で示した回復関数に対してフィッティングできるものであれば、どの様なアルゴリズムを用いても良く、例えばレーベンバーグ・マルカート(Levenberg-Marquardt)法を用いることが考えられる。
縦緩和時間取得部106は、関数導出部105によりフィッティングされた数(1)式から縦緩和時間T1を取得する。
画像生成部109は、被検体のスライス面内の部位毎の縦緩和時間T1等のパラメータに基づいて縦緩和時間画像(T1画像)を生成する。
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかるMRI装置100における磁場を形成してから画像を生成するまでの処理について説明する。図6は、本実施の形態にかかるMRI装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
磁場形成処理部111は、Z軸方向に勾配磁場を形成することで、共鳴面を限定して被検体のスライス面を特定する(ステップS501)。そして磁気共鳴検出処理部101は、パルスシーケンスを実行し、NMR信号を検出する(ステップS502)。
そして絶対値算出部102は、磁気共鳴検出処理部101に構成される信号検出処理部113により検出されたNMR信号から再構成する際、フーリエ変換値の絶対値を算出して、縦磁化の信号強度の絶対値とする(ステップS503)。
そして、磁気共鳴検出処理部101は、全てのパルスシーケンスを実行したか否か判断する。測定が全て終了していない場合(ステップS504)、ステップS502から再開される。
パルスシーケンスの実行が全て終了した場合、負数変換部103が、絶対値算出部102により算出された信号強度の絶対値のうち、絶対値算出部102により算出された信号強度の絶対値から最小値を選択し、最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による信号強度の極性を反転して負の値に変換する(ステップS505)。
そして、判断部104は、計測された信号強度の絶対値の最小値が正の値であるか負の値であるかを判断する(ステップS506)。そして関数導出部105は、負数変換部103により変換された負の値による負値信号強度、判断部104により正の値であるか負の値であるかの判断により極性が設定された絶対値が最小値をとる信号強度、及び正数をとる正値信号強度及びこれらの信号強度が測定された各所定の時間から、時間の経過とともに回復する信号強度を示す関数を導出する(ステップS507)。
縦緩和時間取得部106は、関数導出部105により導出された関数から縦緩和時間を取得する(ステップS508)。画像生成部109は、被検体のスライス面内の部位毎の縦緩和時間T1等のパラメータに基づいて縦緩和時間画像(T1画像)を生成する(ステップS509)。
上述した処理手順により、本実施の形態のMRI装置100は、より精度の高い縦緩和時間を取得することが可能となる。これにより精度の高い縦緩和時間画像を生成することが可能となる。
本実施の形態で示された方法により算出された縦緩和時間が従来の方法より理論値に近い値をとることを明らかにする。図7は、従来の方法、本実施の形態の方法及び理論値毎に、白質、灰白質及び脳脊髄液について縦緩和時間の平均値及び分散値を示した図である。従来の方法とは、絶対値再構成において負数に変換せずに二つの領域に分けて縦緩和時間を算出する方法とする。また、理論値は、P.A.Bottomley達が提案した測定方法による理論値とする。
図8は、従来の方法、本実施の形態の方法及び理論値毎に、白質、灰白質について縦緩和時間の平均値をグラフとして示し、最小値から最大値までの分散値を示した図である。この図7及び図8に示されるように、従来の方法と比べて、本実施の形態の方法がより理論値に近いことが分かる。具体的には、灰白質については理論値より値が大きいが従来の方法と理論値の差分より、本実施の形態の方法と理論値の差分の方が小さく正確になったことが分かる。また白質については、灰白質の場合と比べて、よりいっそう従来の方法より本実施の形態の方法が理論値に近いことが分かる。すなわち本実施の形態の方法により正確に各組織の縦緩和時間の特徴を表現することが可能となった。
なお、本実施形態のMRI装置100で実行される縦緩和時間測定プログラムは、計算部2を構成するROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施形態のMRI装置100で実行される縦緩和時間測定プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態のMRI装置100で実行される縦緩和時間測定プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のMRI装置100で実行される縦緩和時間測定プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
本実施の形態のMRI装置100で実行される縦緩和時間測定プログラムは、上述した各部(磁場形成処理部、RF信号送信処理部、信号検出処理部、絶対値算出部、負数変換部、判断部、関数導出部、縦緩和時間取得部、画像生成部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては計算部2が縦緩和時間測定プログラムを読み出して実行することにより上記各部が計算部2に備えられている主記憶装置上にロードされ、磁場形成処理部、RF信号送信処理部、信号検出処理部、絶対値算出部、負数変換部、判断部、関数導出部、縦緩和時間取得部、画像生成部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本実施の形態にかかるMRI装置100においては、上述した構成を備えることで、正確な縦緩和時間を取得することが可能となる。これにより所定のスライス面における正確な縦緩和時間画像を取得することが可能となり、この縦緩和時間画像とFAIR法で得られた拡散強調画像から、定量的な脳血流画像を、より正確に算出することが可能になる。また従来の方法のように二つの領域に分けて縦緩和時間を算出する場合と比べて、モデルが単純になり、計算時間を短縮することが可能となる。
また、信号強度の絶対値の最小値が正数であるか負数であるかを、三角形の面積で小さい方を選択することで判断されるため、容易な処理で判断することが可能となる。これによりMRI装置100における負荷が低減される。
以上のように、本発明にかかるMRI装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラムは、反転回復法において縦緩和時間を算出するために有用であり、特に、算出された縦緩和時間による縦緩和時間画像とFAIR法による拡散強調画像から、造影剤を用いずに定量的な脳血流画像を取得する技術に適している。
実施の形態にかかるMRI装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態にかかるMRI装置の磁気共鳴検出処理部が行うパルスシーケンスの一例を示した図である。 実施の形態にかかるMRI装置の絶対値算出部が、RF信号送信後から所定時間毎に検出された信号から算出した縦磁化の信号強度の絶対値の変化を示した図である。 実施の形態において点P1から点P5の縦磁化の信号強度を負の値に変換した後、最小値P6の極性を反転しなかった場合の経過時間と共に回復する縦磁化の信号強度を示した図である。 実施の形態において点P1から点P5の縦磁化の信号強度を負の値に変換した後、最小値P6の極性を反転して負の値とした場合の経過時間と共に回復する縦磁化の信号強度を示した図である。 縦磁化の信号強度の絶対値の最小値が点P6の場合において、三角形P5’、P6、P7及びP6の極性を反転して負の値をとる点P6’を用いた三角形P5’、P6’、P7を示した図である。 本実施の形態にかかるMRI装置における磁場を形成してから画像を生成するまでの処理の手順を示すフローチャートである。 従来の方法、本実施の形態の方法及び理論値毎に、白質、灰白質及び脳脊髄液について縦緩和時間の平均値及び分散値を示した図である。 従来の方法、本実施の形態の方法及び理論値毎に、白質、灰白質及び脳脊髄液について縦緩和時間の平均値をグラフとして示し、最小値から最大値までの分散値を示した図である。
符号の説明
1 マグネットアセンブリ
1G 勾配コイル
1T 送信コイル
1C 静磁場コイル
1R 受信コイル
2 計算部
3 シーケンス記憶回路
4 勾配コイル駆動回路
5 ゲート変調回路
6 RF電力増幅器
7 RF発振回路
8 静磁場電源
9 位相検波器
10 前置増幅器
11 A/D変換器
12 表示装置
13 操作卓
100 MRI装置
101 磁場形成処理部
102 信号送信処理部
103 信号検出処理部
104 絶対値算出部
105 負数変換部
106 判断部
107 関数導出部
108 縦緩和時間取得部
109 画像生成部

Claims (13)

  1. 反転回復パルスシーケンスを使用してMRイメージングを行うMRI装置において、
    反転パルスにより発生したNMR信号について、該反転パルス送信後から所定の時間経過した縦磁化の信号強度の絶対値で算出する絶対値算出手段と、
    前記絶対値算出手段により算出された複数の絶対値による前記信号強度から最小値を選択し、該最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による前記信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換する負数変換手段と、
    前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す正値信号強度、前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間により、前記最小値が計測された時間における前記信号強度として推定される値に、前記最小値及び前記最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断する判断手段と、
    前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度、前記判断手段により正の値であるか負の値であるか判断により極性が設定された前記最小値の前記信号強度、前記正値信号強度及びこれらの前記信号強度が測定された各前記所定の時間から、時間の経過とともに回復する前記信号強度を示す関数を導出し、該関数から縦緩和時間を取得する縦緩和時間取得手段と、
    を備えたことを特徴とするMRI装置。
  2. 前記判断手段は、前記信号強度及び経過時間による2次元座標上において、前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す前記正値信号強度、及び前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度について各前記信号強度が計測された前記所定の時間により定められる各座標による、時間と共に回復していくと推定される前記信号強度を示す線分に、前記最小値が測定された時間について前記最小値による座標及び前記最小値の極性を反転した負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断することを特徴とする請求項1に記載のMRI装置。
  3. 前記判断手段は、前記2次元座標上において、前記最小値が計測された時間より1つ後に計測された前記正値信号強度を示す座標、及び前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度のうち、前記最小値が計測された時間より1つ前に計測された前記負値信号強度を示す座標を結ぶ線分に、前記最小値が測定された時間について前記最小値による座標及び前記最小値の極性を反転した負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断することを特徴とする請求項2に記載のMRI装置。
  4. 前記判断手段は、前記2次元座標上において、前記最小値が計測された時間より1つ後に計測された前記正値信号強度を示す最小値後座標、及び前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度のうち、前記最小値が計測された時間より1つ前に計測された前記負値信号強度を示す最小値前座標と、前記最小値による座標に囲まれた三角形の面積、及び該最小値前座標、該最小値後座標と前記最小値の極性を反転した負の値による座標に囲まれた三角形の面積を比較し、面積が狭い三角形を選択し、この選択された三角形を構成する前記最小値の極性により、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断することを特徴とする請求項3に記載のMRI装置。
  5. 前記絶対値算出手段は、反転パルスにより発生したNMR信号について、該反転パルス送信後から所定の時間毎に複数の縦磁化の信号強度の絶対値で算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のMRI装置。
  6. 前記負数変換手段は、前記絶対値算出手段により算出された複数の絶対値による前記信号強度において複数の最小値が存在した場合に計測された時間が最前の最小値を一つ選択し、選択された該最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による前記信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換し、
    前記判断手段は、複数の絶対値による最小値のうち計測された時間が最後の前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す正値信号強度、前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間により、前記最小値が計測された時間における前記信号強度として推定される値に、計測された時間が最前の前記最小値及び計測された時間が最前の前記最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択して、最前の前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、
    前記縦緩和時間取得手段は、前記負数変換手段により変換された前記負値信号強度、前記判断手段により正の値であるか負の値であるか判断により極性が設定された最前の前記最小値の前記信号強度、前記正値信号強度及びこれらの前記信号強度が測定された各前記所定の時間から、時間の経過とともに回復する前記信号強度を示す関数を導出し、該関数から縦緩和時間を取得することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のMRI装置。
  7. 反転回復パルスシーケンスを使用する縦緩和時間測定方法において、
    反転パルスにより発生したNMR信号について、該反転パルス送信後から所定の時間経過した縦磁化の信号強度の絶対値で算出する絶対値算出ステップと、
    前記絶対値算出ステップにより算出された複数の絶対値による前記信号強度から最小値を選択し、該最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による前記信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換する負数変換ステップと、
    前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す正値信号強度、前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間により、前記最小値が計測された時間における前記信号強度として推定される値に、前記最小値及び前記最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断する判断ステップと、
    前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度、前記判断ステップにより正の値であるか負の値であるかの判断により極性が設定された前記最小値の前記信号強度、前記正値信号強度及びこれらの前記信号強度が測定された各前記所定の時間から、時間の経過とともに回復する前記信号強度を示す関数を導出し、該関数から縦緩和時間を取得する縦緩和時間取得ステップと、
    を有することを特徴とする縦緩和時間測定方法。
  8. 前記判断ステップは、前記信号強度及び経過時間による2次元座標上において、前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す前記正値信号強度、及び前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度について各前記信号強度が計測された前記所定の時間により定められる各座標による、時間と共に回復していくと推定される前記信号強度を示す線分に、前記最小値が測定された時間について前記最小値による座標及び前記最小値の極性を反転した負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断することを特徴とする請求項7に記載の縦緩和時間測定方法。
  9. 前記判断ステップは、前記2次元座標上において、前記最小値が計測された時間より1つ後に計測された前記正値信号強度を示す座標、及び前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度のうち、前記最小値が計測された時間より1つ前に計測された前記負値信号強度を示す座標を結ぶ線分に、前記最小値が測定された時間について前記最小値による座標及び前記最小値の極性を反転した負の値による座標のうちいずれか近い座標を選択して、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断することを特徴とする請求項8に記載の縦緩和時間測定方法。
  10. 前記判断ステップは、前記2次元座標上において、前記最小値が計測された時間より1つ後に計測された前記正値信号強度を示す最小値後座標、及び前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度のうち、前記最小値が計測された時間より1つ前に計測された前記負値信号強度を示す最小値前座標と、前記最小値による座標に囲まれた三角形の面積、及び該最小値前座標、該最小値後座標と前記最小値の極性を反転した負の値による座標に囲まれた三角形の面積を比較し、面積が狭い三角形を選択し、この選択された三角形を構成する前記最小値の極性により、前記最小値が正の値であるか負の値であるかを判断することを特徴とする請求項9に記載の縦緩和時間測定方法。
  11. 前記絶対値算出ステップは、反転パルスにより発生したNMR信号について、該反転パルス送信後から所定の時間毎に複数の縦磁化の信号強度の絶対値で算出することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の縦緩和時間測定方法。
  12. 前記負数変換ステップは、前記絶対値算出ステップにより算出された複数の絶対値による前記信号強度において複数の最小値が存在した場合に計測された時間が最前の最小値を一つ選択し、選択された該最小値が計測された時間以前に計測された絶対値による前記信号強度の極性を反転し、負の値を示す負値信号強度に変換し、
    前記判断ステップは、複数の絶対値による最小値のうち計測された時間が最後の前記最小値が計測された時間以降に計測された絶対値による前記信号強度を示す正値信号強度、前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度及びこれらの信号強度が測定された時間により、前記最小値が計測された時間における前記信号強度として推定される値に、計測された時間が最前の前記最小値及び計測された時間が最前の前記最小値の極性を反転した負の値のうちいずれか近い値を選択して、最前の前記最小値が正の値であるか負の値であるか判断し、
    前記縦緩和時間取得ステップは、前記負数変換ステップにより変換された前記負値信号強度、前記判断ステップにより正の値であるか負の値であるか判断により極性が設定された最前の前記最小値の前記信号強度、前記正値信号強度及びこれらの前記信号強度が測定された各前記所定の時間から、時間の経過とともに回復する前記信号強度を示す関数を導出し、該関数から縦緩和時間を取得することを特徴とする請求項7〜11のいずれか一つに記載の縦緩和時間測定方法。
  13. 請求項7〜12のいずれか1つに記載された方法をコンピュータで実行させることを特徴とするプログラム。
JP2004342713A 2004-11-26 2004-11-26 Mri装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラム Withdrawn JP2006149563A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004342713A JP2006149563A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 Mri装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004342713A JP2006149563A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 Mri装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006149563A true JP2006149563A (ja) 2006-06-15

Family

ID=36628543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004342713A Withdrawn JP2006149563A (ja) 2004-11-26 2004-11-26 Mri装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006149563A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015213744A (ja) * 2014-04-24 2015-12-03 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
US9594138B2 (en) 2010-11-04 2017-03-14 Toshiba Medical Systems Corporation Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
WO2018184409A1 (zh) * 2017-04-07 2018-10-11 厦门大学 一种在不均匀磁场下测量质子纵向弛豫时间的方法
CN114325523A (zh) * 2020-09-27 2022-04-12 上海联影医疗科技股份有限公司 T1值确定方法、装置、电子设备和存储介质

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9594138B2 (en) 2010-11-04 2017-03-14 Toshiba Medical Systems Corporation Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
EP2636365A4 (en) * 2010-11-04 2017-07-19 Toshiba Medical Systems Corporation Magnetic resonance imaging device and magnetic resonance imaging method
JP2015213744A (ja) * 2014-04-24 2015-12-03 株式会社東芝 磁気共鳴イメージング装置
US10359490B2 (en) 2014-04-24 2019-07-23 Toshiba Medical Systems Corporation Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method with curve fitting expression providing compensation for inversion recovery, or with curve fitting expression providing compensation for saturation
WO2018184409A1 (zh) * 2017-04-07 2018-10-11 厦门大学 一种在不均匀磁场下测量质子纵向弛豫时间的方法
US11047943B2 (en) 2017-04-07 2021-06-29 Xiamen University Method for longitudinal relaxation time measurement in inhomogeneous fields
CN114325523A (zh) * 2020-09-27 2022-04-12 上海联影医疗科技股份有限公司 T1值确定方法、装置、电子设备和存储介质
CN114325523B (zh) * 2020-09-27 2023-10-03 上海联影医疗科技股份有限公司 T1值确定方法、装置、电子设备和存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hargreaves et al. Variable‐rate selective excitation for rapid MRI sequences
JP4266577B2 (ja) 磁気共鳴イメージング・システム
JP6469703B2 (ja) Dixon式水/脂肪分離を用いたMRイメージング
US9709641B2 (en) Magnetic resonance imaging apparatus, image processing apparatus, and susceptibility map calculation method
US10094898B2 (en) Zero echo time MR imaging with water/fat separation
JP5848713B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及びコントラスト強調画像取得方法
US6664787B2 (en) Method, apparatus and recording medium for measuring and correcting phase error in spins in a phase axis direction
JP2009034514A (ja) 撮像パラメータの決定方法、撮像パラメータの最適化装置、コンピュータプログラム製品および電子的に読取可能なデータ媒体
JP2015512317A (ja) Aptコントラスト向上および複数エコー時間におけるサンプリングを用いたmr撮像
RU2538421C2 (ru) Картирование градиента восприимчивости
US20190128991A1 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and image processing method
JP3796455B2 (ja) Mri装置
US10203387B2 (en) MR imaging with enhanced susceptibility contrast
JP6713988B2 (ja) 血流アーチファクトを抑制させたDixonMR撮像
JPWO2015190508A1 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び水脂肪分離画像作成方法
JP2016540591A (ja) 水/脂肪分離を用いた位相感応型反転回復mri
JP4564015B2 (ja) 磁気共鳴撮影装置及び磁気共鳴撮影方法
WO2011148783A1 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び高周波磁場パルスの変調方法
US20200355772A1 (en) Dixon-type water/fat separation mr imaging
WO2005000116A1 (ja) 磁気共鳴撮影装置
JP2001078986A (ja) 勾配磁場計測方法およびmri装置
JP2006149563A (ja) Mri装置、縦緩和時間測定方法および縦緩和時間測定方法をコンピュータ上で実行させるプログラム
US20190004134A1 (en) Magnetic resonance imaging apparatus and magnetic resonance imaging method
US20020050816A1 (en) MR imaging method, phase error measuring method, and MRI apparatus
JP6721489B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び計算画像生成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080205