JP2006148277A - 空港灯火断芯検出システムおよび空港灯火断芯検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 親局2と子局3との間の電力線搬送通信により、定電流装置5に直列接続された灯器4の断芯を検出する空港灯火断芯検出方法において、灯器4の直列灯火回路200に共振回路8を接続し、この共振回路8のインピーダンスを選択的に変化させることにより、当該親局2と各子局3との間の電力線搬送通信に用いる電力線10,11の通信線路の通信状態が最適となるよう共振回路8のインピーダンスを設定する。
【選択図】 図1
Description
このような状況下において、従来、親局と子局との間で電力線搬送通信を行うことにより、空港灯火の断芯を検出する3つの方法が開示されている。
第1の方法としては、一定値に固定した周波数チャンネルを利用して親局と子局との間でデータ通信を行い、空港灯火の断芯を検出する方法である(例えば、特許文献1参照)。
第2の方法としては、伝送効率の高い周波数チャンネルを親局が選択して、親局と子局との間でデータ通信を行い、空港灯火の断芯を検出する方法である(例えば、特許文献2参照)。
第3の方法としては、親局と子局の双方が伝送効率の高い周波数チャンネルを適宜選択して、親局と子局との間でデータ通信を行い、空港灯火の断芯を検出する方法である(例えば、特許文献3参照)。
また、特許文献2および特許文献3に記載された方法では、複数の周波数チャンネルを切り替えて利用するので、単一の周波数チャンネルを利用する特許文献1の場合に比べて、電力線通信路の通信状態を改善することが可能なものの、システム全体のコスト増につながる結果となった。これは、複数の周波数チャンネル分の送受信機能を子局に持たせる必要が生じたからである。さらに、このような機能を子局に持たせることにより、特許文献1の場合に比べて子局のサイズが大きくなり、可能な限り小型にすべきとする要望に反する結果となった。
このように構成することにより、共振回路のインピーダンスが変化して電力線通信線路の通信状態が最適な状態となる。
そして、親局2では、各子局3からの断芯情報を受信し、受信した断芯情報に基づいて各子局3の断芯を検出するようになっている。これにより、灯器4の断芯位置などが検出されることとなる。
共振回路8には、信号線12を介して親局2が接続され、この共振回路8は、親局2が信号線12を介して制御指示を行うことにより、インピーダンスの切り替えが可能な構成となっている。なお、親局2の制御指示は、親局2の処理部(プロセッサ)21によって行われるが、詳細については後記する。
図2において、共振回路8は、電力線11を介してゴムトランス9の2次側に接続され、さらにゴムトランス9の1次側の電力線10に電気的に接続されている。具体的には、共振回路8は、図1に示した直列灯火回路200に接続されている。また、この共振回路8は、信号線12を介して親局2内の処理部21に接続されている。具体的には、共振回路8には、後記するスイッチ81〜85が組み込まれており、これらのスイッチ81〜85が信号線12を介して処理部21に接続されている。これにより、処理部21がスイッチ81〜85の開閉を制御するようになっている。なお、符号86,87はケーブル導出部をあらわしている。
また、共振回路8内には、コイルL1〜Lnの選択を行うためのコイル用選択スイッチ81と、コンデンサC1〜Cpの選択を行うためのコンデンサ用選択スイッチ82とを有している。このように構成することにより、コイルL1〜LnまたはコンデンサC1〜Cpのいずれか1つのものを選択することが可能となる。
これに対して、2つの切替スイッチ83,85を閉に、かつ、切替スイッチ84を開にした場合、あるコイルとコンデンサとが並列に接続されることとなる。つまり、共振回路8が並列共振回路になる。このように構成することにより、共振回路8の接続方式を直列または並列に切り替えることが可能となる。
第1に、電力線搬送通信の通信状態を示す指標として、信号強度電圧(通信信号強度)を用いることとした。信号強度電圧とは、図1に示した親局2または子局3における電力線搬送通信時の電圧測定値から、商用周波数(50Hz,60Hz)成分を除いた電圧を指す。
第2に、灯器4を等間隔に配置して直列灯火回路200を構成し、電力線10,11の通信路が、定電流装置5を基準として、電気的に左右対称の特性を示すものと仮定した。
第3に、前記した共振回路8の接続方式を切り替えて電力線搬送通信の通信状態を改善するのではなく、直列共振回路や並列共振回路を個々の子局3に別個独立に設置して改善するケースを想定した。
そのため、適正値Voを下回る信号強度電圧を示した子局3の位置には、電圧値を大きくする機能を持つ直列共振回路を設置し(同図「直列共振回路の設置推奨位置」参照)、電圧パターンP2のような波形に改善する必要がある。
これに対して、適正値Voを大きく上回る信号強度電圧を示した子局3の位置には、電圧値を小さくする機能を持つ並列共振回路を設置し(同図「並列共振回路の設置推奨位置」参照)、電圧パターンP2のような波形に改善する必要がある。
まず、図3では子局3が等間隔に配置されていると仮定して説明したが、実際には子局3は等間隔に配置されるケースはまれである。そのため、図3に示した電圧パターンP1,P2は、図3に示したような左右対称の波形とならない。
また、図3に示した電圧パターンP1,P2は、子局3を設置する諸般の環境に起因して、常時変則的な波形を示すこととなる。前記した諸般の環境としては、例えば、電力線を単線で配管内に敷設した場合、共同溝内の専用ラックに電力線を他の配線とともに敷設した場合など、電力線の対地静電容量が異なる場合が考えられる。
さらに、前記した直列共振回路や並列共振回路をそれぞれの子局3の位置に別個独立に設置するとしても、電力線11の端子の設置場所やスペース確保などに制約がある。
自己インダクタンスおよび静電容量については、次のような関係式f=1/[2×π×(LC)1/2]から理論値を求めることができる。なお、fは電力線搬送通信で利用する通信周波数、Lはコイルの自己インダクタンス、Cはコンデンサの静電容量を示す。
しかし、実際には、前記した実状況により、自己インダクタンスおよび静電容量が理論値どおりになるケースは想定しにくいので、理論値とは異なる値、すなわち共振回路8の定数としておいたほうが望ましい。
そこで、本実施の形態においては、理論値のプラスマイナス10パーセント、プラスマイナス20パーセントなど、理論値との偏差を持つ複数の値を共振回路8の定数として複数準備しておくこととする。
図4は、親局2が共振回路8を制御することによって電力線搬送通信の通信状態を改善する処理手順を示す図である。
まず、図2に示した親局2の処理部21は、共振回路8の切替スイッチ83〜85の開閉を制御し、共振回路8を並列回路または直列回路に切り替える(S101)。例えば、処理部21は、2つの切替スイッチ83,85を閉に、かつ切替スイッチ84を開に制御して共振回路8を並列共振回路に切り替える。
例えば、共振回路8内のコイルの実装個数をn、コンデンサの実装個数をpとした場合、コイルとコンデンサとの組み合わせは、合計2(直列,並列の接続方式数)×n×p通りとなる。
このようにして、例えば、各子局3における信号強度電圧がすべて適正値Voを超え、かつ、その適正値Voとの開き具合が最も小さい電圧パターンが最良の通信特性を示していると判定される。そして、例えば、そのときの接続方式(例えば直列)のコイルL2およびコンデンサC1の組み合わせが共振回路8に設定される。これにより、図1に示した直列灯火回路200における電力線搬送通信の通信状態が良好となる。
さらに、子局3には、複数の通信チャンネルの送受信機能を備える必要がないので、子局3の小型化を実現することができる。
図4では、すべてのコイルおよびコンデンサの組み合わせについての信号強度電圧を取得した後、最良の通信特性を示すコイルおよびコンデンサを組み合わせることとしたが、例えば、あるコイルおよびコンデンサの組み合わせについての各子局3における信号強度電圧がすべて適正値Voを超えたときに処理を終了するようにしてもよい。また、あらかじめ設定した処理時間内で、最良の通信特性を示すコイルおよびコンデンサの組み合わせを設定するようにしてもよい。さらに、コイルおよびコンデンサの組み合わせ順序をあらかじめ設定しておき、その中から最適なコイルおよびコンデンサの組み合わせを設定するようにしてもよい。
2 親局
3 子局
4 灯器(空港灯火)
5 定電流装置
6,7,9 ゴムトランス
10,11 電力線
21 処理部
81 コイル用選択スイッチ
82 コンデンサ用選択スイッチ
83〜85 切替スイッチ
86,87 ケーブル導出部
100 監視装置
200 直列灯火回路
Claims (6)
- 定電流装置から電力線を介して供給される電力の変換を行う各変圧器の二次側に接続された複数の子局と親局とを含み、前記各子局が、前記定電流装置に直列接続された空港灯火の断芯情報をそれぞれ検知し、前記電力線を用いたデータ通信により、前記検知した断芯情報を前記親局に伝送し、前記親局が前記各子局からの断芯情報に基づいて前記空港灯火の断芯の検出を行う空港灯火断芯検出システムにおいて、
前記直列接続された空港灯火の直列灯火回路に共振回路を接続し、この共振回路のインピーダンスを選択的に変化させる制御を行う処理部を前記親局に設け、
前記処理部が、前記共振回路のインピーダンスを選択的に変化させることにより、当該親局と前記各子局との間の前記データ通信に用いる電力線通信線路の通信状態が最適となるよう前記共振回路のインピーダンスを設定する
ことを特徴とする空港灯火断芯検出システム。 - 前記処理部は、
前記電力線通信線路の通信状態が最適となるよう前記共振回路のインピーダンスを設定する際、前記共振回路のインピーダンスを変化させるたびに、当該親局と前記各子機との間における前記電力線通信線路の信号強度を取得し、
取得した信号強度があらかじめ設定された適正値を超えるように前記共振回路のインピーダンスを設定することを特徴とする請求項1に記載の空港灯火断芯検出システム。 - 前記共振回路には、並列共振回路と直列共振回路との切り替えを行う切替スイッチが設けられ、
前記処理部は、前記共振回路のインピーダンスを選択的に変化させる際、前記切替スイッチの開閉を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空港灯火断芯検出システム。 - 前記共振回路には、コイルおよびコンデンサがそれぞれ複数組み込まれるとともに、少なくとも、前記組み込まれたコイルまたはコンデンサを選択する選択スイッチが設けられ、
前記処理部は、前記共振回路のインピーダンスを選択的に変化させる際、前記選択スイッチを制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空港灯火断芯検出システム。 - 親局と子局との間の電力線搬送通信により、定電流装置に直列接続された空港灯火の断芯を検出する空港灯火断芯検出方法において、
前記直列接続された空港灯火の直列灯火回路に共振回路を接続し、この共振回路のインピーダンスを選択的に変化させることにより、当該親局と前記各子局との間の前記電力線搬送通信に用いる電力線通信線路の通信状態が最適となるよう前記共振回路のインピーダンスを設定する
ことを特徴とする空港灯火断芯検出方法。 - 前記電力線通信線路の通信状態が最適となるよう前記共振回路のインピーダンスを設定する際、前記共振回路のインピーダンスを変化させるたびに、前記親局と前記各子局との間の前記電力線通信線路の通信信号強度を取得し、
取得した通信信号強度があらかじめ設定された適正値を超えるように前記共振回路のインピーダンスを設定することを特徴とする請求項5に記載の空港灯火断芯検出方法。
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