JP2006145350A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的かつ安定的に起電力を発生させ、しかも小型で安全な電池を提供することを目的とする。
【解決手段】アルミニウム板、鉄板などの金属板、あるいは炭素粉末を燃結させたカーボン板などにより形成してなる導電性を有する正極体1と、正極体1と同様に導電性を有する負極体2を相互に離隔配置し。その間の負極体2側に多孔質のセルロース膜、合成樹脂膜、ガラス繊維膜などからなる隔絶層3を配設するようにする。隔絶層3の正極体1側には、正極体1の内面に付着させる状態で活物質層4を配設する。この活物質層4は、アクチニウム、トリウム等のアクチノイド系物質の粉末材をバインダに混合させて形成して、これを隔絶層3に対向する正極体1の一面側に塗着して形成する。この結果、正極体1と負極体2間において起電力Evが発生し、アクチノイド系物質がα壊変する際に発生する電離電子のエネルギを利用し、全体層状となる電池とすることができる
【選択図】 図2

Description

本発明はアクチニウム、トリウムなどアクチノイド系物質がα壊変する際に発生する電離電子のエネルギを利用した電池に関する。
従来、一般に存在する電池としては、電池内に内蔵される物質の酸化還元反応に伴うエネルギ放出を電気エネルギとして取り出す化学電池や、太陽電池や原子力電池のように物理的エネルギを電力変換する物理的電池が知られている。
物理電池として知られる原子力電池としては、アポロ12号に搭載され、ラジオアイソトープにより発電を行う電池が有名とされ、その原理はアイソトープがα壊変およびβ壊変する際に発生する熱を熱電池に反応させ、さらに熱電池のゼーベック効果により起電力を発生させるものである。
原子力百科事典 ATMICA原子力電池 http://www−atm.jst.go.jp:8080/atomica/08040208_1.html
本出願の発明者は、放射性元素のエネルギそのものから電力を発生させるための研究に従事している中で、様々な実験を行っていたところ、アクチノイド鉱石を粉体化し、これを正極体と負極体の間に隔絶層とともに配置させることで、正極体と負極体間で起電力が発生する現象を発見し、さらにこの研究を進める過程で本発明を行うに至ったところである。
すなわち、本発明は従来の物理的電池としての原子力電池と全く発想を異にし、アクチノイド物質そのものの物理現象に係るα壊変のエネルギを直接起電力に変える電池に関する発明であり、効率的かつ安定的に起電力を発生させ、しかも小型で安全な電池を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1は、金属材あるいはカーボン材によりそれぞれ形成され、相互に離隔配置される正極体と負極体と、正極体と負極体の間の負極体側に配設され、正極体と負極体を隔絶する隔絶層と、隔絶層の正極体側に配設され、放射性電子を発生するアクチノイド系物質を含有する活物質層と、からなり、該活物質層におけるアクチノイド系物質がα壊変するのに基づき、隔絶層を透過し、負極体側へ向けて電離電子を発生させ、正極体と負極体間において起電力を発生可能とする電池としている。
また本発明の上記活物質層は、アクチニウム、トリウム、プロトアクチウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カルホルニウム、アインスタニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウムのいずれかのアクチノイド系物質の粉末材をバインダに混合させ、これを隔絶層に対向する正極体の一面側に付着させて形成するものである請求項1に記載の電池としている。
また本発明の上記隔絶層は、活物質層から発生する電離電子を透過可能とし、かつ負極体と活物質層の間を隔絶可能とする多孔質のセルロース膜、合成樹脂膜、ガラス繊維膜のいずれかである請求項1に記載の電池としている。
また本発明の上記活物質層は、アクチノイド系物質に加えて、アクチノイド系物質がα壊変して電離電子を発生した後の陽イオンを滞留可能とする被滞留物質を含有してなる請求項1に記載の電池としている。
また本発明の上記被滞留物質は、炭素系の結晶粉末、マンガン系の結晶粉末、コバルト系の結晶粉末のいずれかである請求項4に記載の電池としている。
また本発明は、正極体と負極体間において外部電圧を発生させ、活物質層において外部電子を導入させ、蓄電可能としてなる請求項4ないし請求項5のいずれかに記載の電池としている。
また本発明の請求項7は、金属材あるいはカーボン材によりそれぞれ形成され、相互に離隔配置される正極体と負極体と、正極体と負極体の間において、負極体側に配設される隔絶層と、隔絶層の正極体側に配設されて放射性電子を発生するアクチノイド系物質を含有する活物質層と、を備えた単層セルの複数を、間にカーボン材を含有してなる誘電層を介装させる状態で層状の重畳して多層セルを形成し、多層セルを構成する各単層セルの活物質層において、アクチノイド系物質がα壊変するのに基づき、該単層セルにおける隔絶層を透過して隣接する単層セルに向けて誘電層を透過する状態で電離電子を発生させ、正極体と負極体の間において起電力を発生可能とする電池としている。
また本発明の上記多層セルを構成する各単層セルの活物質層は、アクチニウム、トリウム、プロトアクチウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カルホルニウム、アインスタニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウムのいずれかのアクチノイド系物質の粉末材をバインダに混合させ、これを隔絶層の正極体側の面に付着させて形成するものである請求項7に記載の電池としている。
また本発明の上記多層セルを構成する各単層セルの隔絶層は、該単層セルにおける活物質層から発生する電離電子を透過可能とする多孔質のセルロース膜、合成樹脂膜、ガラス繊維膜のいずれかである請求項7に記載の電池としている。
また本発明の上記多層セルを構成する各単層セルの活物質層は、アクチノイド系物質に加えて、アクチノイド系物質がα壊変して電離電子発生した後の陽イオンを滞留可能とする被滞留物質を含有してなる請求項7に記載の電池としている。
また本発明の上記被滞留物質は、炭素系の結晶粉末、マンガン系の結晶粉末、コバルト系の結晶粉末のいずれかである請求項10に記載の電池としている。
また本発明は、正極体と負極体間において外部電圧を発生させ、上記多層セルを構成する各単層セルの活物質層において外部電子を導入させ、蓄電可能としてなる請求項10ないし請求項11のいずれかに記載の電池としている。
本発明はアクチノイド物質そのものの物理現象に係るα壊変のエネルギを直接起電力に変える電池に関する発明であり、効率的かつ安定的に起電力を発生させ、しかも小型で安全な電池を提供することができるという効果がある。
「本発明の原理」
先ず本発明の実施形態に係る電池を説明するに先立ち、本発明の背景原理を図1に基づき説明する。例えばアクチノイド系元素としての232 90Thは、α壊変しHe原子からなるα線が放出される際、電離電子が放出される。次にHe原子を放出させた232 90Thは、228 88Raに変換されてβ壊変により228 89Acへ、さらにβ壊変を繰り返して228 90Thへと壊変される。続いて228 90Thは、α壊変しHe原子からなるα線が放出される際、電離電子を放出し、212 82Pbに変換される(図1プロセス1参照)。
続いて228 90Thは、224 88Ra→220 86Rn→216 84Poへと順次α壊変を繰り返えし、その都度He原子からなるα線が放出される際、各々電離電子が放出させることとなる(図1プロセス2参照)。
さらに212 82Pbは、212 83Bi、212 84Poへとβ壊変を繰り返えして、212 84Poはさらにα壊変し、He原子からなるα線を放出して電離電子を放出し、208 82Pbへと変換して、放射性物質の半減期に至るものとされている(図1プロセス3参照)。
こうした各プロセスにおいて発生するα並びにβ壊変においては、壊変する物質(例えばTh、Ra等)に近隣するThやRaも同様な壊変現象を誘発させることとなり、上記プロセス1ないし3と同様の破線A枠内の物質の連鎖現象を近隣物質に対しても及ぼすこととなる(図1の各「A連鎖」を参照)。
こうしたプロセス1ないし3のα壊変により、発生する電離電子のエネルギを、本出願の発明者は電池として貯留するための研究を試行錯誤している過程で、図2に示すようなα壊変により発生する電離電子を、起電力に変換するための電池の原理を発明するに至ったものである。
以下、図2に基づき本発明の基本原理を説明する。先ず、アルミニウム板、鉄板などの金属板、あるいは炭素粉末を燃結させたカーボン板などにより形成してなる導電性を有する正極体1と、正極体1と同様に金属板、カーボン板などにより形成してなる導電性を有する負極体2を相互に離隔配置し。その間の負極体2側に多孔質のセルロース膜、合成樹脂膜、ガラス繊維膜などからなる隔絶層3を配設するようにする。
一方、隔絶層3の正極体1側には、正極体1の内面に付着させる状態で活物質層4を配設する。この活物質層4は、アクチニウム、トリウム、プロトアクチウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カルホルニウム、アインスタニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウムのいずれかのアクチノイド系物質の粉末材をバインダに混合させて形成して、これを隔絶層3に対向する正極体1の一面側に塗着して形成してなる。
なお、図2においては、正極体1と隔絶層3の間、並びに隔絶層3と負極体2の間を相互に離隔させているが、実際これら各物質は層状をもって重今され、隔絶層3は層状をなす負極体2と活物質層4の間を隔絶するようにしている。
このようにして層状をなす活物質層のアクチノイド系物質からは、例えばアクチノイド系物質が図1に示す232 90Thの場合、順次図1のA枠のα壊変が発生することとなり、それに伴ない、該物質からはヘリウム原子並びに電離電子が発生することとなる。ここで物質から飛出した電離電子は矢印に示すように、隔絶層3を透過する状態で負極体2側へ移動する。これは、放出電子がマイナス帯電し、かつ被放出側のアクチノイド物質が放出反作用によりプラス帯電することから、正極体1に対峙する負極体2に必然的に電離電子が収斂されることに基づく。
この結果、正極体1と負極体2間において起電力Evが発生し、アクチノイド系物質がα壊変する際に発生する電離電子のエネルギを利用し、全体層状となる電池とすることができる。
さらに本出願の発明者は、図2に示す本発明の基本原理に係る電池に加えて、これをより効果的に機能させた電池を完成させたため、次にその原理を図3に基づき、説明する。
すなわち、本出願の発明者は、図2における活物質層4において、アクチノイド系物質がα壊変して電離電子を発生した後の陽イオンを滞留可能とする被滞留物質を予め含有させた。すなわち、アクチノイド系物質からα壊変の度に発生する電離電子は、図2に示すように通常、発生の度に隔絶層3を透過して負極体2へと移動することとなるが、被滞留物質をアクノイド系物質に含有させた場合、該被滞留物質には電離電子を発生した後の陽イオンが滞留されることとなる。
被滞留物質としては、活性炭などの炭素系の結晶粉末、マンガン系の結晶粉末、コバルト系の結晶粉末が用いられ、これをアクチノイド系物質の粉末材並びにバインダと混合させ、正極体1の一面側へ塗布させるようにする。
すると図3に示すように、被滞留物質としての例えばカーボン結晶5の各ホールの中においてHe原子並びに電離電子が発生した後の陽イオン6が滞留されることとなる。この結果、カーボン結晶5(被滞留物質)において、陽イオン6を滞留させた蓄電部を形成することが可能となり、電圧、電流を安定化させ、さらに図2に示すアクノイド系物質のみを基本とする活物質層4に比較し、起電力を高めた電池を形成することが可能となる。
ここで、図3に示す被滞留物質を含有した活物質層4を備えた電池は、図2において正極体1と負極体2の間において外部電圧GEvを発生させると、図2に示す電離電子の放出方向を逆方向に外部電子が隔絶層3を透過する状態で活物質層4へと導入される。すると該活物質層4の例えば図3に示すカーボン結晶5の各ホール内において、陽イオンに結合する状態で導入された外部電子が順次蓄電されることとなる。
この結果、被滞留物質を含有してなる活物質層4を備えた電池は、充電可能な電池としても利用可能とされる。
以下本発明を実施するための最良の形態を説明する。
「実施例1」
先ず図4ないし図6に基づき、本発明の実施例1に係る電池を説明する。この電池7は全体4層からなり、最上層に金属材あるいはカーボン材からなる負極体8を、最下層に同じく金属材あるいはカーボン材からなる正極体9を備えてなる。正極体9には正極体端子9Aが、また負極体8には負極体端子8Aがそれぞれ備えられる。
相互に離隔配置される正極体9と負極体8の間における負極体8側には、ポリセルロース多孔質紙あるいはポリセルロース多孔質フィルム等からなる隔絶層10が、負極体8の正極体9に対向する一面側に層状に重合される。
一方、隔絶層10の正極体9側で、正極体9の負極体8に対する対向面には、アクチニウム、トリウム、プロトアクチウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カルホルニウム、アインスタニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウムのいずれかのアクチノイド系物質の粉末材に炭素系の結晶粉末、マンガン系の結晶粉末、コバルト系の結晶粉末等からなる被滞留物質を混合させ、これに、酢酸ビニル系の糊材、アクリル系の糊材等のバインダに混合させた活物質層11を備えるようにしている。
このようにして形成される層状の電池7によれば、活物質層11のアクチノイド系物質がα壊変することで電離電子が発生し、この電離電子が隔絶層10を透過する状態で負極体8へと移動する。この際、活物質層11には被滞留物質が含有されるため、アクチノイド系物質から電離電子がα壊変に伴い発生する状態において、該被滞留物質に陽イオンが滞留される。
こうして、正極体端子9Aと負極体端子8Aの間において電圧、電流を安定化させ、一定の起動力を発生させることを可能とする電池7を形成することが可能となる。
出願人においては、図4ないし図6に示す構造の電池を下記の条件の下に形成し、起電力の発生実験を行った。

「実験例1」

層面積 30mm×35mm
正極体並びに負極体の材質 アルミニウム板材
0.1mm(厚さ)
隔絶層の材質 ポリセルロース系多孔質フイルム
25μ(厚さ)
活物質層の構成 モナザイトを含有する複雑鉱の粉末 0.3g
植物性活性炭の粉末 2.1g
酢酸ビニル系糊材 1g
「実験例2」

層面積 30mm×35mm
正極体並びに負極体の材質 アルミニウム板材
0.1mm(厚さ)
隔絶層の材質 ポリセルロース系多孔質フイルム
25μ(厚さ)
活物質層の構成 モナザイトを含有する複雑鉱の粉末 0.075g
植物性活性炭の粉末 0.525g
二酸化マンガンの粉末 1.8g
酢酸ビニル系糊材 1.0g

※なお、実験例2においては、負極体の正極体との対向面側に負極活物質として水酸化亜鉛材(1.5g)を塗布し、従来のアルカリ電池の構造に本発明に係る電池の構成を結合させ、その効果を試験した。ちなみにこの実験においては、活物質層の構成において、上記モナザイトを含有させないマンガン粉末2.4gを層状とした電池について、電流、電圧を計測し、比較確認を行った。
その結果、上記実験例1においては、0.7〜0.77Vの電圧と15〜20mAの電流を安定的に発生させることができることを確認できた。
また上記実験例2においては、マンガン粉末のみを使用したものが通常1.5〜1.58Vの電圧、133〜196mAの電流しか発生できなかったのに対して、モナザイトを含有した活物質層においては1.5〜1.78Vの電圧と280〜340mAの電流を安定的に発生させることが確認できた。
「実施例2」
次に図7ないし図9に基づき、本発明の実施例2に係る電池を説明する。この電池12は、単層セルの複数を重合して多層セルを形成したものであり、図8並びに図9に示す最上層に金属材あるいはカーボン材からなる正極体13を、最下層に同じく金属材あるいはカーボン材からなる負極体14を備えてなる。正極体13には正極体端子13Aが、また負極体14には負極体端子14Aがそれぞれ備えられる。
相互に離隔配置される正極体13と負極体14の間においては、全部で3層からなり単層セル17を3つ重合した多層セルを備えるようにしている。各単層セル17は、図7に示すように負極体14の側に配設され、ポリセロース多孔質紙あるいはポリセロース多孔質フィルム等からなる隔絶層15と、該隔絶層15の正極体13側に配設され、アクチニウム、トリウム、プロトアクチウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カルホルニウム、アインスタニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウムのいずれかのアクチノイド系物質の粉末材に炭素系の結晶粉末、マンガン系の結晶粉末、コバルト系の結晶粉末等からなる被滞留物質を混合させ、これに酢酸ビニル系の糊材、アクリル系の糊材等のバインダに混合させた活物質層16とを備えるようにしている。
正極体13と負極体14の間において配設される各単層セル17の間には、単層セル17同士を相互に隔絶し、例えばカーボン材を含有し、全体合成樹脂製の膜体とされる誘電層18が配設される。
このようにして形成される多層の電池12によれば、各単層セル17の活物質層16におけるアクチノイド系物質がα壊変することで電離電子が発生し、図7に示す正極体13側の単層セル17から発生された電離電子が当該セル17の隔絶層15を透過して隣接する単層セル17、すなわち負極体14側の単層セル17に向けて誘電層18を透過する状態で電離電子を発生させることが可能となる。こうして順次正極体13側の単層セル17から負極体14側の単層セル17へと電離電子が移動する。この際、各単層セル17の活物質層16には被滞留物質が含有されるため、アクチノイド系物質から電離電子がα壊変に伴い発生する状態において、該被滞留物質に陽イオンが滞留される。
こうして正極体端子13Aと負極体端子14Aの間において電圧、電流を安定化させ、一定の起電力を発生させることを可能とする電池12を形成することが可能となる。
ここで3つの単層セル17を備えた電池12は、図8に示す正極体13と負極体14の間において外部電圧GEVを発生させると、図2に示す電離電子の放出方向と逆方向に外部電子が隔絶層15並びに誘電層18を透過する状態で活物質層16へと導入される。すると該活物質層16の例えば図3に示すカーボン結晶5の各ホール内において、陽イオンに結合する状態で導入された外部電子が順次蓄電される。その結果、この電池においても充電可能な電池を構成することができる。
上記実施側2においては、正極体13と負極体14の間において、間に誘電層18を介装させる状態で全部で3層の単層セル17を積層し、多層セルを形成しているが、単層セル17の数をさらに増やすことにより、より電圧を高め、起電力を増大させた電池を提供することも可能となる。

出願人においては、図7ないし図9に示す構造の電池を下記の条件の下に形成し、起電力の発生実験を行った。

「実験例3」

層面積(単層セル3層) 30mm×35mm
正極体並びに負極体の材質 アルミニウム板材
0.1mm(厚さ)
各単層セルの隔絶層の材質 ポリセルロース系多孔質フイルム
25μ(厚さ)
各単層セルの活物質層の構成
モナザイトを含有する複雑鉱の粉末 0.6g
各層 第1層 0.3g、第2層 0.15g、第3層 0.15g
植物性活性炭の粉末 2.1g
各層 第1層 2.1g、 第2層 1.05g、第3層 1.05g
酢酸ビニル系糊材 0.99g
各層 第1層 0.33g、第2層 0.33g、第3層 0.33g
誘電層の構成 カーボン材膜および炭素粉末 2.4g
第1層 1.2g、第2層 1.2g
酢酸ビニル系糊材 2g
第1層 1.0g、第2層 1.0g
その結果、上記実験例3においては、1.75V〜1.85Vの電圧と2.3mA〜3.0mAの電流を安定的に発生させることが確認できた。
このように実施側1および2に係る電池7、12によれば活物質層11、16においてアクチノイド物質から発生するα壊変の基づく電離電子の発生エネルギを直接起電力として取出すことが可能とされ、効率的かつ安定的に起電力を発生させ、しかも小型で安全な電池を提供することが可能となる。すなわち、放射性物質としてのアクチノイド系物質において、核分裂等をともなうことなく安全に電気エネルギを取り出すことが可能となり、安全でクリーンな電池を提供することが可能となる。
本発明の背景原理に係るアクチノイド系物質の壊変プロセスを示す説明図である。 本発明の基本原理に係る電池内の物理現象を示すモデル図である。 活物質層内における被滞留物質の機能を説明するモデル図である。 実施例1に係る電池の基本構造を示す斜視図である。 実施例1に係る電池の各層を分解した状態を示す斜視図である。 図4のVI−VI線に沿う断面図である。 実施例2に係る電池の各層を分解した状態を示す斜視図である。 実施例2に係る電位の基本構造を示す斜視図である。 図8のIX−IX線に沿う断面図である。
符号の説明
1,9,13 正極体
2,8,14 負極体
3,10,15 隔絶層
4,11,16 活物質層
5 カーボン結晶
6 陽イオン
7,12 電池
8A,14A 負極体端子
9A,13A 正極体端子
18 誘電層

Claims (12)

  1. 金属材あるいはカーボン材によりそれぞれ形成され、相互に離隔配置される正極体と負極体と、
    正極体と負極体の間の負極体側に配設され、正極体と負極体を隔絶する隔絶層と、
    隔絶層の正極体側に配設され、放射性電子を発生するアクチノイド系物質を含有する活物質層と、
    からなり、該活物質層におけるアクチノイド系物質がα壊変するのに基づき、隔絶層を透過し、負極体側へ向けて電離電子を発生させ、正極体と負極体間において起電力を発生可能とする電池。
  2. 上記活物質層は、アクチニウム、トリウム、プロトアクチウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カルホルニウム、アインスタニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウムのいずれかのアクチノイド系物質の粉末材をバインダに混合させ、これを隔絶層に対向する正極体の一面側に付着させて形成するものである請求項1に記載の電池。
  3. 上記隔絶層は、活物質層から発生する電離電子を透過可能とし、かつ負極体と活物質層の間を隔絶可能とする多孔質のセルロース膜、合成樹脂膜、ガラス繊維膜のいずれかである請求項1に記載の電池。
  4. 上記活物質層は、アクチノイド系物質に加えて、アクチノイド系物質がα壊変して電離電子を発生した後の陽イオンを滞留可能とする被滞留物質を含有してなる請求項1に記載の電池。
  5. 上記被滞留物質は、炭素系の結晶粉末、マンガン系の結晶粉末、コバルト系の結晶粉末のいずれかである請求項4に記載の電池。
  6. 正極体と負極体間において外部電圧を発生させ、活物質層において外部電子を導入させ、蓄電可能としてなる請求項4ないし請求項5のいずれかに記載の電池。
  7. 金属材あるいはカーボン材によりそれぞれ形成され、相互に離隔配置される正極体と負極体と、
    正極体と負極体の間において、
    負極体側に配設される隔絶層と、隔絶層の正極体側に配設されて放射性電子を発生するアクチノイド系物質を含有する活物質層と、を備えた単層セルの複数を、間にカーボン材を含有してなる誘電層を介装させる状態で層状の重畳して多層セルを形成し、
    多層セルを構成する各単層セルの活物質層において、アクチノイド系物質がα壊変するのに基づき、該単層セルにおける隔絶層を透過して隣接する単層セルに向けて誘電層を透過する状態で電離電子を発生させ、正極体と負極体の間において起電力を発生可能とする電池。
  8. 上記多層セルを構成する各単層セルの活物質層は、アクチニウム、トリウム、プロトアクチウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、バークリウム、カルホルニウム、アインスタニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウムのいずれかのアクチノイド系物質の粉末材をバインダに混合させ、これを隔絶層の正極体側の面に付着させて形成するものである請求項7に記載の電池。
  9. 上記多層セルを構成する各単層セルの隔絶層は、該単層セルにおける活物質層から発生する電離電子を透過可能とする多孔質のセルロース膜、合成樹脂膜、ガラス繊維膜のいずれかである請求項7に記載の電池。
  10. 上記多層セルを構成する各単層セルの活物質層は、アクチノイド系物質に加えて、アクチノイド系物質がα壊変して電離電子を発生した後の陽イオンを滞留可能とする被滞留物質を含有してなる請求項7に記載の電池。
  11. 上記被滞留物質は、炭素系の結晶粉末、マンガン系の結晶粉末、コバルト系の結晶粉末のいずれかである請求項10に記載の電池。
  12. 正極体と負極体間において外部電圧を発生させ、上記多層セルを構成する各単層セルの活物質層において外部電子を導入させ、蓄電可能としてなる請求項10ないし請求項11のいずれかに記載の電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004191315A (ja) * 2002-12-13 2004-07-08 Univ Nagoya 発電方法及び電池

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