JP2006143206A - 車輛用構造アッセンブリ及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】 車輛用構造アッセンブリ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 車輛用構造アッセンブリ及びその製造方法は、油圧成形されたチューブ状部材と、このチューブ状部材の少なくとも一部の周囲に配置され且つ固定された少なくとも一つの外強化体とを含む。
【選択図】 図１

Description

本発明は、全体として車輛に関し、更に詳細には車輛用構造アッセンブリに関する。

自動車等の車輛を、車輛ボディやシャシー構造用に油圧成形（ハイドロフォーミング法で成形）された部材を用いて形成することは周知である。自動車の幾つかの用途では、油圧成形部材は、構造上の性能の必要条件を満たすため、型打ち部品で通常行われているように、外部強化体として追加の金属片を必要とする。例えば、サスペンションクロスメンバ及び二つの外強化体を含む。このサスペンションクロスメンバアッセンブリについての従来の製造プロセスは、別々のプロセスを含み、メンバの油圧成形用、強化体の型打ち用、及び最終組み立て用の工具を必要とする。

そのため、単一の油圧成形ダイから車輛用構造アッセンブリを得るのが望ましい。更に、更に、車輛の構造アッセンブリ用の油圧成形及び強化を単一の工程プロセスで合一する方法を提供するのが望ましい。更に、形成工程及び組み立て工程の数を減少し、要する時間を短くし、費用を下げる車輛用構造アッセンブリの製造方法を提供するのが望ましい。従って、これらの望みを満たすため、当該技術分野において、車輛用構造アッセンブリ及びその製造方法を提供する必要がある。

従って、本発明の一つの目的は、単一の工程プロセスを持つ車輛用の構造アッセンブリを提供することである。
本発明の別の目的は、単一の工程プロセスを持つ車輛用構造アッセンブリの新たな形成方法を提供することである。

以上の目的を達成するため、本発明は、車輛用構造アッセンブリにおいて、油圧成形したチューブ状部材、及びチューブ状部材の少なくとも一部の周囲に配置されており且つ固定された少なくとも一つの外部強化体を含む、構造アッセンブリである。

更に、本発明は、車輛用構造アッセンブリの形成方法である。この方法は、チューブ状部材を提供する工程、及び少なくとも一つの外強化体を形成する工程を含む。この方法は、更に、少なくとも一つの外強化体をチューブ状部材の表面上に配置する工程、及び少なくとも一つの強化体をチューブ状部材に固定し、予備成形構造アッセンブリを形成する工程を含む。この方法は、更に、予備成形構造を油圧成形し、完成した構造アッセンブリを形成する工程を含む。

本発明の一つの利点は、構造部材を局所的に及び外部から強化する、車輛用構造アッセンブリ及びその製造方法を提供することである。本発明の別の利点は、チューブの油圧成形、強化体の型打ち、及び最終的な組み立てを一つの工程プロセスに纏めるということである。本発明の更に別の利点は、単一の油圧成形ダイから最終的なクロスメンバアッセンブリを得るために共通の成形プロセスを使用することである。本発明の更に別の利点は、構造アッセンブリに、簡単でありかつ比較的安価な局所的外部強化体を組み込むことである。本発明の別の利点は、構造アッセンブリ及び工具に要する費用を低減する方法である。本発明の更に別の利点は、部品及びアッセンブリの品質を改善する構造アッセンブリ及び方法である。本発明の更に別の利点は、従来のプロセスを使用した場合に必要な工具及びジグを減少する構造アッセンブリ及び方法である。本発明の別の利点は、方法が共通の成形プロセスであり、形成工程及び組み立て工程の数を減少し、これによって工具に要する費用を大幅に低減することである。本発明の更に別の利点は、方法が、金属の成形及びアッセンブリをきつく締め付けるのに高い流体圧力を使用する最終的な油圧成形プロセスのため、部品及びこれらの部品の再異臭的な組み立ての品質を大幅に向上するということである。

本発明のこの他の目的、特徴、及び利点は、添付図面と関連して以下の説明を読むことにより、容易に理解されるであろう。

添付図面のうち、特に図１、図２、及び図３を参照すると、これらの図には、自動車（図示せず）用の本発明による構造アッセンブリ１０の一実施例が示してある。例示の実施例では、構造アッセンブリ１０はサスペンションクロスメンバアッセンブリの部分図である。この構造アッセンブリは、車輛の他の用途で使用してもよいということは理解されるべきである。

図１、図２、及び図３を参照すると、構造アッセンブリ１０は少なくとも一つのチューブ状構成要素又は部材１２を含む。一実施例では、チューブ状部材１２は、全体に中空の断面形状を形成する少なくとも一つの側壁１４を有する。チューブ状部材１２は少なくとも一方の側壁１４を貫通した少なくとも一つの穴（図示せず）を含んでいてもよい。チューブ状部材１２は、直線状であってもよいし予め曲げてあってもい。チューブ状部材１２は、金属材料で形成されており、油圧成形プロセスによって形成されている。チューブ状部材１２は、一体で一部品のモノリシック構造である。

構造アッセンブリ１０は、更に、この実施例においてチューブ状部材１２である構造部材の周囲に配置された全体に参照番号２０を付した少なくとも一つの又は複数の外部強化体を含む。強化体２０は、上強化体２２及び下強化体２４を含む。上強化体２２は軸線方向に延びており、チューブ状部材１２の全長又は部分長を覆っていてもよい。上強化体２２は、最初、平らであってもよいし湾曲していてもよい。上強化体２２は、少なくとも一つの貫通穴（図示せず）を含んでいてもよい。下強化体２４は軸線方向に延びており、チューブ状部材１２の全長又は部分長を覆っていてもよい。下強化体２４は、最初、平らであってもよいし湾曲していてもよい。下強化体２４は、少なくとも一つの貫通穴（図示せず）を含んでいてもよい。これらの強化体２２及び２４は金属材料製である。各強化体２２及び２４は、チューブ状部材１２の形状に合わせて直線状であっても、予め曲げられていても、成形されていても、又は仮付け溶接されていてもよい。各強化体２２及び２４は、一体で一部品のモノリシック構造である。

図３を参照すると、強化体２２及び２４は、チューブ状部材１２の側壁１４に衝合関係で配置されている。これらの強化体２２及び２４は、チューブ状部材１２の側壁１４にしっかりと固定されている。更に詳細には、強化体２２及び２４は、締まり嵌めによってそのイクスパンゼ（ｅｘｐａｎｓｅ）に沿ってしっかりと固定されている。強化体２２及び２４及びチューブ状部材１２は、一体であり且つ一部品であるということは理解されるべきである。

図１乃至図６を参照すると、これらの図には構造アッセンブリ１０を本発明に従って形成する方法が示してある。この方法は、少なくとも一つのチューブ状部材１２を提供する工程を含む。チューブ状部材１２は、金属材料製である。チューブ状部材１２は直線状であってもよいし、予め曲げてあってもよい。

この方法は、少なくとも一つの、好ましくは複数の強化体２０を提供する工程を含む。この方法は、上強化体２２及び下強化体２４を形成する工程を含む。これらの強化体２２及び２４は、チューブ状部材１２と形態が一致するように曲げられ又は成形される。図４及び図５に示すように、一実施例では、チューブ状部材１２は全体に円形の断面形状を有する。各強化体２２及び２４は簡単なダイセット４０から予備成形され又は製造される。ダイセット４０は、突出部４４を備えた上ダイ半部４２を有する。ダイセット４０は、更に、キャビティ４８を備えた下ダイ半部４６を有する。ダイセット４０を閉じたとき、突出部４４がキャビティ４８に配置され、強化体２２及び２４を形成する。これらの強化体２２及び２４は金属製である。

方法は、強化体２２及び２４をチューブ状部材１２に固定する工程を含む。強化体２２及び２４は、溶接、好ましくは仮付け溶接によってチューブ状部材１２の表面に固定され、全体に参照番号５０を付した予備成形体を形成する。

一つの油圧成形法に従って、強化体２２及び２４が取り付けられたチューブ状部材２を含む予備成形体５０を全体に参照番号５２を付した油圧成形ダイセットに配置する。この油圧成形ダイセットは、最終的成形作業用の上ダイ半部５４及び下ダイ半部５６を含む。予備成形体５０のチューブ状部材１２の端部は密封され、液圧流体をチューブ状部材１２に圧力で圧送する。上ダイ半部５４及び下ダイ半部５６が徐々に閉鎖され、その結果、予備成形体５０が徐々に変形し、内部に捕捉された加圧流体がチューブ状部材１２及び強化体２２及び２４の壁をダイ半部５４、５６のキャビティ部分内に膨張する。

ひとたびダイが閉鎖した後、チューブ状部材１２の降伏限度を越えるのに十分な程に液圧を上昇することによって、チューブ状部材１２及び強化体２２及び２４を最終的断面輪郭まで膨張する。その結果、チューブ状部材１２及び強化体２２及び２４は、ダイ半部５４、５６のキャビティ部分と形態が一致するように押し込まれる。次いでダイ半部５４、５６を開放し、完成した構造アッセンブリ１０をダイ半部から取り出すことができるようにする。この他の油圧成形法では、初期加圧工程についての予備成形を別の方法で行ってもよいということは理解されるべきである。

本発明を例示として説明した。ここで使用した用語は、単に説明の目的であって、限定を意図したものではないということは理解されるべきである。
以上の教示から、本発明の多くの変形及び変更が可能である。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲の範疇で、上文中に説明したのと異なる態様で実施してもよい。

本発明による構造アッセンブリの分解斜視図である。 図１の構造アッセンブリの部分成形工程の斜視図である。 図１の構造アッセンブリの最終成形工程の斜視図である。 図１の構造アッセンブリを予備成形アッセンブリとして示す断面図である。 図４の予備成形アッセンブリ用の予備成形した強化体の断面図である。 油圧成形ダイ内の図３の構造アッセンブリの断面図である。

符号の説明

１０ 構造アッセンブリ
１２ チューブ状部材
１４ 側壁
２０ 外部強化体
２２ 上強化体
２４ 下強化体
４０ ダイセット
４２ 上ダイ半部
４４ 突出部
４６ 下ダイ半部
４８ キャビティ

Claims (16)

1. 車輛用構造アッセンブリにおいて、
   油圧成形されたチューブ状部材と、
   前記チューブ状部材の少なくとも一部の周囲に配置されており且つ固定された少なくとも一つの外部強化体と
   を備えた構造アッセンブリ。
2. 請求項１に記載の構造アッセンブリにおいて、前記少なくとも一つの外部強化体は、前記チューブ状部材と一致した形状に形成される構造アッセンブリ。
3. 請求項１に記載の構造アッセンブリにおいて、前記少なくとも一つの外部強化体は金属製である構造アッセンブリ。
4. 請求項１に記載の構造アッセンブリにおいて、前記チューブ状部材と前記少なくとも一つの外部強化体は、一部品へと一体化されている構造アッセンブリ。
5. 請求項１に記載の構造アッセンブリにおいて、前記チューブ状部材及び前記少なくとも一つの外部強化体は油圧成形中に膨張される構造アッセンブリ。
6. 請求項１に記載の構造アッセンブリにおいて、前記少なくとも一つの外部強化体は、前記チューブ状部材の上面に配置された上強化体及び前記チューブ状部材の下面に配置された下強化体を備える構造アッセンブリ。
7. 請求項１に記載の構造アッセンブリにおいて、前記少なくとも一つの外部強化体及び前記チューブ状部材は、接合され、油圧成形用の予備成形体を形成する構造アッセンブリ。
8. 請求項１に記載の構造アッセンブリにおいて、前記チューブ状部材は全体に矩形の断面形状を有する構造アッセンブリ。
9. 請求項１に記載の構造アッセンブリにおいて、前記チューブ状部材は金属製である構造アッセンブリ。
10. 車輛用構造アッセンブリにおいて、
    油圧成形されたチューブ状部材と、
    前記チューブ状部材の上面に配置された上強化体及び前記チューブ状部材の下面に配置された下強化体と
    を備え、
    前記チューブ状部材と前記上強化体と前記下強化体は、油圧成形中に膨張させられて、一部品へと一体化される構造アッセンブリ。
11. 車輛用構造アッセンブリの形成方法において、
    チューブ状部材を提供する工程と、
    少なくとも一つの外強化体を形成する工程と、
    前記少なくとも一つの外強化体を前記チューブ状部材の表面上に配置する工程と、
    前記少なくとも一つの外強化体を前記チューブ状部材に固定し、予備成形品である構造アッセンブリを形成する工程と
    前記予備成形品である構造アッセンブリを油圧成形し、完成品である構造アッセンブリを形成する工程と
    を含む方法。
12. 請求項１１に記載の方法において、前記チューブ状部材と形状が一致した前記少なくとも一つの外強化体を形成する工程を含む方法。
13. 請求項１１に記載の方法において、前記少なくとも一つの外強化体を形成する前記工程は、上強化体及び下強化体を提供する工程を含む方法。
14. 請求項１１に記載の方法において、前記配置する工程は、前記上強化体を前記チューブ状部材の上面に配置する工程と、前記下強化体を前記チューブ状部材の下面に配置する工程とを含む方法。
15. 請求項１１に記載の方法において、前記油圧成形する工程は、前記チューブ状部材と前記上強化体と前記下強化体とを一緒に油圧成形し、完成品である構造アッセンブリを形成する工程を含む方法。
16. 車輛用構造アッセンブリの形成方法において、
    チューブ状部材を提供する工程と、
    少なくとも一つの外強化体を、前記チューブ状部材と一致した形状に形成する工程と、
    前記少なくとも一つの外強化体を前記チューブ状部材の表面上に配置する工程と、
    前記少なくとも一つの外強化体を前記チューブ状部材の表面に溶接することにより前記少なくとも一つの外強化体を前記チューブ状部材に固定する工程と
    前記少なくとも一つの外強化体と前記チューブ状部材を一緒に油圧成形し、構造アッセンブリを形成する工程と
    を含む方法。

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