JP2006139233A - 導波路型波長光合分波装置 - Google Patents

導波路型波長光合分波装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アレイ導波路型回折格子の根源的な欠点を解決する。
【解決手段】石英系光導波回路内には、入力導波光100が石英系光導波回路内の入力チャンネル導波路101に接続されている。入力チャンネル導波路103内には、導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡102、104を置くことで、光共振器を構成し、このファブリーペロー共振器からの光波はスラブ導波路に出射される。ファブリーペロー共振器で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランドマウントを構成するスラブ導波路105に接続された所望の複数個の出力チャネル導波路106に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。本発明は、歪みの無い石英系光導波回路に波長光合分波器を実現していることから、波長依存性は全く無い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光通信・光情報処理分野で使用される波長光合分波装置でありシリコン基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路に入力チャネル導波路が接続されこの光導波路内にファブリーペロー干渉計が形成されたこの光導波路と出力チャネル導波路は石英系光導波路回路中のスラブ導波路に各々接続された導波路型波長光合分波装置の構造に関するもので、特にファブリーペロー干渉計は光導波路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器とすることで超小型・高信頼性の波長合分波器を提供できる導波路型波長光合分波装置に関する。
高密度波長多重化(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing)の心臓部としての波長光合分波装置に使用されているアレイ導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)は、平面基板上に長さの異なる複数の導波路が等間隔で配置された構造を有し、複数の導波路からの放射光の干渉を利用した導波路型干渉デバイスである。AWGは入射光が同位相で複数の導波路に入り、導波路で位相差を付けられたのち出口から放射されることから、透過型の回折格子と同様な分光作用をする。1988年にphased−array antennaの概念を光導波路に適用し、平行ビーム光をレンズのように集光できること、また集光位置が波長によって異なることがM.K.Smitにより示された。1993年以降、日本ではNTTによりAWGの本格的な光伝送システムとして光波アドシステムに適用されフォトニックネットワーク技術の研究開発が始まった。
M.K.Smit,"New focusing and dispersive planarcomponent based on an optical phased array", ElectronicsLetters,vol.24,pp.385−386,1988 特願平5−15735
アレイ導波路型回折格子は、高密度化に伴う波長間隔の近接化と多チャネル化により、クロストーク問題が起こる。この劣化要因は、アレイ導波路製造時の屈折率の異常やコア幅の変化である。基本的には焼結条件を変え均一ガラス化のための製造プロセスを改善させることで、ある程度対処できる。またアレイ導波路型回折格子では、nmオーダの分光を可能にするには、導波路長を長くとり回折次数を大きくしなければならないため設計に際して導波路分散を考慮する必要がある。しかしながら、アレイ導波路型波長光合分波装置は、基幹光伝送システムにおけるDWDMの高密度化には、AWGは基本的には大面積パターンを占有するという根源的な欠点があるために、量産化に対する製造に困難が伴う。
AWG波長合分波器は、低損失化と偏波依存性も問題になる。低損失化については、特にAWG−スラブ接続部のモード変換損が問題となるが、光のもれを逓減する工夫をすることで損失を問題にならない程度までに低減されている。しかしながら偏波依存性は、AWGが火炎加水分解堆積法(Flame Hydrolysis deposition:FHD)で作製されているために、石英系コア、クラッドとシリコン基板の熱膨張係数の違いから光弾性効果を通じ1×10−4オーダの複屈折の主要因となっている。製造ばらつきを抑圧できる生産性の高い方法の開発が望まれる。対処療法的には、AWGに半波長板を挿入し、TEモードとTMモードに対する光路長を平均化して波長依存性をゼロとしているのが現状である。
本発明の導波路型波長光合分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも角分散や理論分解能が回折格子と比較して2桁以上優れている最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を使用している。
これまで指摘したAWGの課題を解決するための手段として、
1.シリコン基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路に入力チャネル導波路が接続された光導波路内にファブリーペロー干渉計が形成されこの光導波路と出力チャネル導波路は石英系光導波路回路のスラブ導波路に接続され導波路型波長光合分波器において、このファブリーペロー干渉計は光導波路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器としたことを特長とする。
2.ファブリーペロー干渉計を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器としたことを特長とする。
3.シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成しこの光導波路の屈折率の温度変化を打ち消すアサーマル光導波路としたことを特長とする。
シリコン基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路内に形成するファブリーペロー共振器は、本発明のキーコンポーネントである。ファブリーペロー共振器を構成する反射鏡の作製は大面積の基板への対応も可能なディップコーティングによる膜の形成方法を採用している。シリコン基板上に形成された石英系光導波路であるスラブ導波路を反応性イオンエッチングで溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法によるレンズ薄膜や反射膜は、高精度での化学組成の制御、高純度かつ高い均質性、プロセス温度の低温化、多様な形状付与性など優れた特長を有し、屈折率のみならず分散も制御することが可能となる。ゾルーゲル法は、多様な屈折率・分散特性を呈する誘電体層を使用でき、汎用性の高い方法を採用することが可能である。光導波路内のファブリーペロー共振器に向かって光導波路内を導波された光波は、スラブ導波路に入射後ローランドマウントを形成するスラブ導波路に形成された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。本発明の波長分波は、波長の違いにより、ローランドマウントを形成するスラブ導波路での集光位置は、入力側でのブリーペロー共振器で選択された波長ごとにローランド円上に分離された光の分散体を構成して達成している。
以上のとおり、本発明で得られる導波路型波長光合分波装置は、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を入力チャネル導波路からの導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡を置くことで、光共振器を構成して波長分散を受けた光波は、スラブ導波路に入射後ローランドマウントを形成するスラブ導波路に形成された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。また本発明の導波路型波長光合分波装置は、石英系光導波回路表面に絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成して、シリコン基板上の石英系光導波回路に生じるそりを無くし、この歪みの無い石英系光導波回路内に波長光合分波器を実現していることから、波長依存性は全く無い。シリコン基板上の石英系光導波路のそりをなくしていることから、残留応力が無いので信頼性にも安定度であり、波長無依存性デバイスであることを特長とする。本発明で得られる導波路型波長光合分波装置は、工業的にも完成され、多くの基幹光ネットワークや加入者系光ネットワークの構築に多大な貢献ができる。
本発明の導波路型波長光合分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計である光共振器を入力チャネル側の光導波路内に形成されたファブリーペロー共振器内で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランドマウントを構成するスラブ導波路に接続された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射されるようにしている。このファブリーペロー共振器を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器を形成している。偏波依存性問題を解決し温度変動に対して安定なアサーマル光導波路を形成する。シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成してアサーマル光導波路とすることで、この光導波路の屈折率の温度変化を打ち消したアサーマル光導波路を構成している。
図1は、本発明の導波路型光合分波装置の平面図である。シリコン基板上に石英系光導波路を形成後、シリコン基板と石英系光導波路の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、石英系光導波路回路上にTa薄膜からなる絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板上の石英系光導波回路に与えるそりを無くしている。Taはイオンアシスト成膜において薄膜が結晶質になりにくくまた結晶粒界が生じにくいので界面に水分などが入りにくい安定な膜である。この歪みの無い石英系光導波回路内には、入力チャネル導波路100が石英系光導波回路内の光導波路101に接続されている。光導波路103内には、導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡102,104を置くことで、光共振器を構成している。このファブリーペロー共振器からの光波はスラブ導波路に出射される。このファブリーペロー共振器を構成する反射鏡は、シリコン基板上に形成された石英系光導波路である光導波路を反応性イオンエッチングで除去して格子の溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法により、この格子の溝に光導波路よりも高屈折率の誘電体層を埋め込み反射鏡としてファブリーペロー共振器を入力チャネル側の光導波路内に形成している。このファブリーペロー共振器で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランドマウントを構成するスラブ導波路105に接続された所望の出力チャネル導波路106に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射されるようにしている。波長多重光通信システムでITU−グリッドのC−bandの周波数域は195.85THzから191.90THzであり、波長域に換算すると1530.72nmから1562.23nmである。周波数間隔を100GHzに選択すれば、波長間隔は0.8015nmとなる。例えば、導波路のコアとクラッドの比屈折率Δは0.75%、コア断面寸法は6.5μm×6.5μm、ファブリーペロー共振器の反射率を90%、光導波路の等価屈折率n=1.45とするとファブリーペロー共振器の間隔は1.034mmとなる。ローランド円の直径は10mm、16chの出力チャネル導波路の間隔を25μmとすると、本発明の波路型光合分波器のChipの外形寸法は、13mm×5mmとなり、NTTがすでに報告しているAWG波長合分波器のChipの外形寸法30mm×60mmと比較して、極めて小さいことがわかる。
図2は、図1の本発明の波路型光合分波装置の断面図である。
シリコン基板上に石英系光導波路を形成後、シリコン基板200とクラッド203、コア201、クラッド202からなる石英系光導波路の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、石英系光導波路回路上にTa薄膜からなる絶縁体薄膜204を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板上の石英系光導波回路に与えるそりを無くしている。この歪みの無い石英系光導波回路内には、入力チャネル導波路はファブリーペロー共振器が形成されたスラブ導波路に配置接続されている。ファブリーペロー共振器は、光導波路中の導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡205,206,207,208を置くことで、光共振器を構成している。図面上では省略しているが、このファブリーペロー共振器からの光波はローランドマウントを形成するスラブ導波路に入射後、波長ごとにローランド円上に結像する。
機能的には本発明の波長合分波器は、λを中心とする光を入射しファブリーパロー共振器で入射光を波長選択している。この光の並び、すなわちスペクトルがレンズ機能を有するスラブ導波路によるローランドマウンエト上に分散される。このスペクトルには各波長が少しずつローランド円上に空間的幅をもつために、ローランド円上で波長ごとに結像を取りだせる。λ+δλの光はλの像よりも少し右側へずれて結像し、以下同様に、各波長によってできる結像はだんだん右側になっていく。λ−δλの光は左側へずれて結像することとなる。
図3は、本発明のキーコンポーネントであるファブリーペローエタロンを構成する回折レンズと反射層の作製は大面積の基板への対応も可能なディップコーティングによる膜の形成方法である。シリコン基板上に形成された石英系光導波路であるスラブ導波路を反応性イオンエッチングで溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法によるレンズ薄膜や反射膜は、高精度での化学組成の制御、高純度かつ高い均質性、プロセス温度の低温化、多様な形状付与性など優れた特長を有し、屈折率のみならず分散も制御することが可能である。ゾルーゲル法はアルカリ金属のほかにも、多様な屈折率・分散特性を呈する金属成分(Zr,Pb,Ti,Ba,Geなど)を使用できる。ゾルをコーティング液とするコーティング膜の形成は、多くの場合ディップコーティングまたはスピンコーティングによって行われるがここでは、石英系光導波路回路の厚みが50ミクロン程度であることを考えるとディップコーティングが適している。図3のゲル膜形成のディップコーティング方法では、数mPas〜数十mPasの低粘度のゾル液302中に石英系光導波路が形成されたシリコン基板300を浸漬し、数cm/minの一定速度で静かに引き上げるとシリコン基板300のレンズ薄膜や反射膜に相当する溝にゲルコーティング膜が充填される。ゲル膜の形成はシリコン基板300引上げ時にほぼ完了すると考えてよく、基板に引ずり上げられた膜状ゲルから溶媒が蒸発し、ゾルが濃縮されることによって達成される。ディップコーティングしたゲル膜をガラス薄膜に変換するためには、数百℃の温度で熱処理する必要がある。なお裏面や表面の不要な箇所に付着したゲル膜は100℃〜200℃の予備的な熱処理温度時に除去する。ゲル膜が変換され均一なガラス薄膜となる箇所は石英系光導波路回路中のコア部であるため、ディップコーティング法は量産性にも優れた方法である。n=2.05の膜はTiOとSiOのモル比は80:20に選択し、500℃〜600℃で焼成すれば得られている。ディップコーティング方法では、ゲル膜として屈折率が空気に近いn=1.01〜1.06のシリカエアロゲルも使用でき幅広い屈折率をもつガラス膜が実現可能である。
図4は、ディップコーティングのゲル膜のTiOのモル比で実現できる屈折率を表したカーブである。屈折率n=2.05の膜はTiOとSiOのモル比を80:20に選択し、500℃〜600℃で焼成すれば所望の屈折率をもつガラス薄膜が得られる。ファブリーペロー共振器の反射率90%を実現するには、9層の高屈折率膜であるTiOとSiOからなるガラス膜の屈折率n=2.05と光導波路の屈折率n=1.45を各々λ/4グレーティング構造、具体的には光導波路に反応性イオンエッチングで周期的なλ/4の溝を5箇所形成し、TiOとSiOからなるガラス膜をディップコーティングでこの5箇所の溝に充填することで実現できる。11層では、反射率は92.9%となる。
図5は、本発明の導波路型波長光合分波装置で使用されるファブリーペロー共振器の透過特性である。
n=1.45、d=1.034mmのときのファブリーペローエタロンの透過率をR=90%としている。
DWDM用の100GHzの周波数間隔の計算値を示している。
図6は、従来の導波路型光合分波装置に使用されているAWGの平面図である。シリコン基板上に形成された石英系光導波路600に入力導波路601とAWG603と出力導波路605がレンズの役目を果たすスラブ導波路602,603と一体化されている。波長λ1,λ2,λ3‥‥λnの入力導波路601からの光は入力側のスラブ導波路602で広がりAWG603を構成する多数の導波路に同位相で入射する。導波路の長さは一定値ずつ長さが異なっており、導波路間で一定の遅延時間差が生じる構造となっている。AWG出力端における光軸は、AWGからの放射光が集光するように出力導波路群の中心を向いている。導波路間の遅延が波長の整数倍となる場合には、放射光は同位相であり、干渉の結果光は中央の出力導波路に集束する。一方、波長が異なる場合はAWGの出口における位相がずれて波面が傾くため、回折光は別の出力導波路に集束する。合分波するチャネル数だけ出力導波路を配置することで、多数の波長λ1,λ2,λ3‥‥λnを分波することができる。この1.55μmの報告されている16ch(100GHz間隔)のAWG波長合分波器のChipの外形寸法30mm×60mmである。
本発明の導波路型光合分波装置の平面図である。 図1の本発明の波路型光合分波装置の断面図である。 本発明のキーコンポーネントである回折レンズと反射層のディップコーティングによる膜の形成方法である。 本発明に使用している回折レンズの波長特性を計算したグラフである。 本発明のファブリーペロー共振器の透過特性である。 従来の導波路型光合分波装置に使用されているAWGの平面図である。
符号の説明
100 入力チャネル導波路 101 導波路
102 反射鏡 103 導波路
104 反射鏡 105 スラブ導波路
106 出力チャネル導波路
200 シリコン基板 201 コア
202 クラッド 203 クラッド
204 誘電体膜
300 石英系光導波回路付シリコン基板 301 ビーカ
302 ゾル液
400 透過率カーブ(25GHz)
500 TiO−SiOのモル比−屈折率カーブ
600 光導波回路 601 入力導波路
602 スラブ導波路 603 AWG
604 スラブ導波路 605 出力ポート
本発明は、光通信・光情報処理分野で使用される波長光分波装置でありシリコン基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路に入力チャネル導波路が接続されこの光導波路内にファブリーペロー干渉計が形成されたこの光導波路と出力チャネル導波路は石英系光導波路回路中のスラブ導波路に各々接続された導波路型波長光分波装置の構造に関するもので、特にファブリーペロー干渉計は光導波路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器とすることで超小型・高信頼性の波長光分波装置を提供できる導波路型波長 光分波装置に関する。
高密度波長多重化(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing)の心臓部としての波長光合分波装置に使用されているアレイ導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)は、平面基板上に長さの異なる複数の導波路が等間隔で配置された構造を有し、複数の導波路からの放射光の干渉を利用した導波路型干渉デバイスである。AWGは入射光が同位相で複数の導波路に入り、導波路で位相差を付けられたのち出口から放射されることから、透過型の回折格子と同様な分光作用をする。1988年にphased−array antennaの概念を光導波路に適用し、平行ビーム光をレンズのように集光できること、また集光位置が波長によって異なることがM.K.Smitにより示された。1993年以降、日本ではNTTによりAWGの本格的な光伝送システムとして光波アドシステムに適用されフォトニックネットワーク技術の研究開発が始まった。
M.K.Smit、年ew focusing and dispersive planar component based on an optical phased array"、Electronics Letters、vol.24、pp.385−386、1988 特願平5−15735
アレイ導波路型回折格子は、高密度化に伴う波長間隔の近接化と多チャネル化により、クロストーク問題が起こる。この劣化要因は、アレイ導波路製造時の屈折率の異常やコア幅の変化である。基本的には焼結条件を変え均一ガラス化のための製造プロセスを改善させることで、ある程度対処できる。またアレイ導波路型回折格子では、nmオーダの分光を可能にするには、導波路長を長くとり回折次数を大きくしなければならないため設計に際して導波路分散を考慮する必要がある。しかしながら、アレイ導波路型波長光合分波装置は、基幹光伝送システムにおけるDWDMの高密度化には、AWGは基本的には大面積パターンを占有するという根源的な欠点があるために、量産化に対する製造に困難が伴う。
AWG波長合分波器は、低損失化と偏波依存性も問題になる。低損失化については、特にAWG-スラブ接続部のモード変換損が問題となるが、光のもれを逓減する工夫をすることで損失を問題にならない程度までに低減されている。しかしながら偏波依存性は、AWGが火炎加水分解堆積法(FHD:Flame Hydrolysis Deposition)で作製されているために、石英系コア、クラッドとシリコン基板の熱膨張係数の違いから光弾性効果を通じ1×10−4オーダの複屈折の主要因となっている。製造ばらつきを抑圧できる生産性の高い方法の開発が望まれる。対処療法的には、AWGに半波長板を挿入し、TEモードとTMモードに対する光路長を平均化して波長依存性をゼロとしているのが現状である。
本発明の導波路型波長光分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも角分散や理論分解能が回折格子と比較して2桁以上優れている最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を使用している。
これまで指摘したAWGの課題を解決するための手段として、
1.基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路に入力チャネル導波路が接続された光導波路内にはファブリーペロー干渉計が形成され入力チャネル導波路と出力チャネル導波路は石英系光導波路回路のスラブ導波路に接続された導波路型波長光合分波器において、前記ファブリーペロー干渉計は石英系光導波路回路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器の反射格子と出力チャネル導波路がスラブ導波路のローランド円上 に配置接続されてなることを特長とする。
2.ファブリーペロー干渉計を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器としたことを特長とする。
3.シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成しこの光導波路の屈折率の温度変化を打ち消すアサーマル光導波路としたことを特長とする。
シリコン基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路内に形成するファブリーペロー共振器は、本発明のキーコンポーネントである。ファブリーペロー共振器を構成する反射鏡の作製は大面積の基板への対応も可能なディップコーティングによる膜の形成方法を採用している。シリコン基板上に形成された石英系光導波路であるスラブ導波路を反応性イオンエッチングで溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法によるレンズ薄膜や反射膜は、高精度での化学組成の制御、高純度かつ高い均質性、プロセス温度の低温化、多様な形状付与性など優れた特長を有し、屈折率のみならず分散も制御することが可能となる。ゾルーゲル法は、多様な屈折率・分散特性を呈する誘電体層を使用でき、汎用性の高い方法を採用することが可能である。光導波路内のファブリーペロー共振器に向かって光導波路内を導波された光波は、スラブ導波路に入射後ローランド円を形成するスラブ導波路に形成された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。本発明の波長分波は、波長の違いにより、ローランド円を形成するスラブ導波路での集光位置は、入力側でのブリーペロー共振器で選択された波長ごとにローランド円上に分離された光の分散体を構成して達成している。
以上のとおり、本発明で得られる導波路型波長光分波装置は、光の分散体であるプリズム回折格子や干渉計の中でも最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を入力チャネル導波路からの導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡を置くことで、光共振器を構成して波長分散を受けた光波は、スラブ導波路に入射後ローランドマウントを形成するスラブ導波路に形成された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。また本発明の導波路型波長光分波装置は、石英系光導波回路表面に絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成して、シリコン基板上の石英系光導波回路に生じるそりを無くし、この歪みの無い石英系光導波回路内に波長光分波器を実現していることから、波長依存性は全く無い。シリコン基板上の石英系光導波路のそりをなくしていることから、残留応力が無いので信頼性にも安定度であり、長無依存性デバイスであることを特長とする。本発明で得られる導波路型波長光分波装置は、工業的にも完成され、多くの基幹光ネットワークや加入者系光ネットワークの構築に多大な貢献ができる。
本発明の導波路型波長光分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計である光共振器を入力チャネル側の光導波路内に形成されたファブリーペロー共振器内で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランド円を構成するスラブ導波路に接続された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射されるようにしている。このファブリーペロー共振器を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器を形成している。偏波依存性問題を解決し温度変動に対して安定なアサーマル光導波路を形成する。シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成してアサーマル光導波路とすることで、この光導波路の屈折率の温度変化を打ち消したアサーマル光導波路を構成している。
図1は、本発明の導波路型波長光分波装置の平面図である。シリコン基板上に石英系光導波路を形成後、シリコン基板と石英系光導波路の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、石英系光導波路回路上にTa薄膜からなる絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板上の石英系光導波回路に与えるそりを無くしている。Taはイオンアシスト成膜において薄膜が結晶質になりにくくまた結晶粒界が生じにくいので界面に水分などが入りにくい安定な膜である。この歪みの無い石英系光導波回路内には、入力チャネル導波路100が石英系光導波回路内の光導波路101に接続されている。光導波路103内には、導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡102、104を置くことで、光共振器を構成している。このファブリーペロー共振器からの光波はスラブ導波路に出射される。このファブリーペロー共振器を構成する反射鏡は、シリコン基板上に形成された石英系光導波路である光導波路を反応性イオンエッチングで除去して格子の溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法により、この格子の溝に光導波路よりも高屈折率の誘電体層を埋め込み反射鏡としてファブリーペロー共振器を入力チャネル側の光導波路内に形成している。このファブリーペロー共振器で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランド円を構成するスラブ導波路105に接続された所望の出力チャネル導波路106に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射されるようにしている。波長多重光通信システムでITU−グリッドのC−bandの周波数域は195.85THzから191.90THzであり、波長域に換算すると1530.72nmから1562.23nmである。周波数間隔を100GHzに選択すれば、波長間隔は0.8015nmとなる。例えば、導波路のコアとクラッドの比屈折率Δは0.75%、コア断面寸法は6.5μm×6.5μm、ファブリーペロー共振器の反射率を90%、光導波路の等価屈折率n=1.45とするとファブリーペロー共振器の間隔は1.034mmとなる。ローランド円の直径は10mm、16chの出力チャネル導波路の間隔を25μmとすると、本発明の導波路型波長光分波器のChipの外形寸法は、13mm×5mmとなり、NTTがすでに報告しているAWG波長合分波器のChipの外形寸法30mm×60mmと比較して、極めて小さいことがわかる。
図2は、図1の本発明の導波路型波長光分波装置の断面図である。
シリコン基板上に石英系光導波路を形成後、シリコン基板200とクラッド203、コア201、クラッド202からなる石英系光導波路の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、石英系光導波路回路上にTa薄膜からなる絶縁体薄膜204を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板上の石英系光導波回路に与えるそりを無くしている。この歪みの無い石英系光導波回路内には、入力チャネル導波路はファブリーペロー共振器が形成されたスラブ導波路に配置接続されている。ファブリーペロー共振器は、光導波路中の導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡205、206、207、208を置くことで、光共振器を構成している。図面上では省略しているが、このファブリーペロー共振器からの光波はローラ ンド円を形成するスラブ導波路に入射後、波長ごとにローランド円上に結像する。
機能的には本発明の導波路型波長光分波器は、Λを中心とする光を入射しファブリーペロー共振器で入射光を波長選択している。この光の並び、すなわちスペクトルがレンズ機能を有するスラブ導波路によるローランド円上に分散される。このスペクトルには各波長が少しずつローランド円上に空間的幅をもつために、ローランド円上で波長ごとに結像を取りだせる。Λ+ΔΛの光はΛの像よりも少し右側へずれて結像し、以下同様に、各波長によってできる結像はだんだん右側になっていく。Λ−ΔΛの光は左側へずれて結像することとなる。
図3は、本発明のキーコンポーネントであるファブリーペローエタロンを構成する回折レンズと反射層の作製は大面積の基板への対応も可能なディップコーティングによる膜の形成方法である。シリコン基板上に形成された石英系光導波路であるスラブ導波路を反応性イオンエッチングで溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法によるレンズ薄膜や反射膜は、高精度での化学組成の制御、高純度かつ高い均質性、プロセス温度の低温化、多様な形状付与性など優れた特長を有し、屈折率のみならず分散も制御することが可能である。ゾルーゲル法はアルカリ金属のほかにも、多様な屈折率・分散特性を呈する金属成分(Zr,Pb,Ti,Ba,Geなど)を使用できる。ゾルをコーティング液とするコーティング膜の形成は、多くの場合ディップコーティングまたはスピンコーティングによって行われるがここでは、石英系光導波路回路の厚みが50ミクロン程度であることを考えるとディップコーティングが適している。図3のゲル膜形成のディップコーティング方法では、数mPas〜数十mPasの低粘度のゾル液302中に石英系光導波路が形成されたシリコン基板300を浸漬し、数cm/minの一定速度で静かに引き上げるとシリコン基板300のレンズ薄膜や反射膜に相当する溝にゲルコーティング膜が充填される。ゲル膜の形成はシリコン基板300引上げ時にほぼ完了すると考えてよく、基板に引ずり上げられた膜状ゲルから溶媒が蒸発し、ゾルが濃縮されることによって達成される。ディップコーティングしたゲル膜をガラス薄膜に変換するためには、数百℃の温度で熱処理する必要がある。なお裏面や表面の不要な箇所に付着したゲル膜は100℃〜200℃の予備的な熱処理温度時に除去する。ゲル膜が変換され均一なガラス薄膜となる箇所は石英系光導波路回路中のコア部であるため、ディップコーティング法は量産性にも優れた方法である。n=2.05の膜はTiOとSiOのモル比は80:20に選択し、500℃〜600℃で焼成すれば得られている。ディップコーティング方法では、ゲル膜として屈折率が空気に近いn=1.01〜1.06のシリカエアロゲルも使用でき幅広い屈折率をもつガラス膜が実現可能である。
図4は、ディップコーティングのゲル膜のTiO2のモル比で実現できる屈折率を表したカーブである。屈折率n=2.05の膜はTiOとSiOのモル比を80:20に選択し、500℃〜600℃で焼成すれば所望の屈折率をもつガラス薄膜が得られる。ファブリーペロー共振器の反射率90%を実現するには、9層の高屈折率膜であるTiOとSiOからなるガラス膜の屈折率n=2.05と光導波路の屈折率n=1.45を各々Λ/4グレーティング構造、具体的には光導波路に反応性イオンエッチングで周期的なΛ/4の溝を5箇所形成し、TiO2とSiO2からなるガラス膜をディップコーティングでこの5箇所の溝に充填することで実現できる。11層では、反射率は92.9%となる。
図5は、本発明の導波路型波長光分波装置で使用されるファブリーペロー共振器の透過特性である。
透過率は、数1で求められる。
n=1.45、d=1.034mmのときのファブリーペローエタロンの透過率をR=90%としている。
DWDM用の100GHzの周波数間隔の計算値を示している。
図6は、従来の導波路型光合分波装置に使用されているAWGの平面図である。シリコン基板上に形成された石英系光導波路600に入力導波路601とAWG603と出力導波路605がレンズの役目を果たすスラブ導波路602、603と一体化されている。波長Λ1、Λ2、Λ3・・・Λnの入力導波路601からの光は入力側のスラブ導波路602で広がりAWG603を構成する多数の導波路に同位相で入射する。導波路の長さは一定値ずつ長さが異なっており、導波路間で一定の遅延時間差が生じる構造となっている。AWG出力端における光軸は、AWGからの放射光が集光するように出力導波路群の中心を向いている。導波路間の遅延が波長の整数倍となる場合には、放射光は同位相であり、干渉の結果光は中央の出力導波路に集束する。一方、波長が異なる場合はAWGの出口における位相がずれて波面が傾くため、回折光は別の出力導波路に集束する。合分波するチャネル数だけ出力導波路を配置することで、多数の波長Λ1、Λ2、Λ3・・・Λnを分波することができる。この1.55μmの報告されている16ch(100GHz間隔)のAWG波長合分波器のChipの外形寸法30mm×60mmである。
本発明の導波路型波長光分波装置の平面図である。 図1の本発明の導波路型波長光分波装置の断面図である。 本発明のキーコンポーネントである回折レンズと反射層のディップコーティングによる膜の形成方法である。 本発明に使用している回折レンズの波長特性を計算したグラフである。 本発明のファブリーペロー共振器の透過特性である。 従来の導波路型光合分波装置に使用されているAWGの平面図である。
符号の説明
100 入力チャネル導波路
101 導波路
102 反射鏡
103 導波路
104 反射鏡
105 スラブ導波路
106 出力チャネル導波路
200 シリコン基板
201 コア
202 クラッド
203 クラッド
204 誘電体膜
300 石英系光導波回路付シリコン基板
301 ビーカ
302 ゾル液
400 透過率カーブ(25GHz)
500 TiO―SiOのモル比―屈折率カーブ
600 光導波回路
601 入力導波路
602 スラブ導波路
603 AWG
604 スラブ導波路
605 出力ポート
本発明は、光通信・光情報処理分野で使用される波長光合分波装置でありシリコン基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路に入力チャネル導波路が接続されこの光導波路内にファブリーペロー干渉計が形成されたこの光導波路と出力チャネル導波路は石英系光導波路回路中のスラブ導波路に各々接続された導波路型波長光合分波装置の構造に関するもので、特にファブリーペロー干渉計は光導波路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器とすることで超小型・高信頼性の波長合分波器を提供できる導波路型波長光合分波装置に関する。
高密度波長多重化(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing)の心臓部としての波長光合分波装置に使用されているアレイ導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)は、平面基板上に長さの異なる複数の導波路が等間隔で配置された構造を有し、複数の導波路からの放射光の干渉を利用した導波路型干渉デバイスである。AWGは入射光が同位相で複数の導波路に入り、導波路で位相差を付けられたのち出口から放射されることから、透過型の回折格子と同様な分光作用をする。1988年にphased−array antennaの概念を光導波路に適用し、平行ビーム光をレンズのように集光できること、また集光位置が波長によって異なることがM.K.Smitにより示された。1993年以降、日本ではNTTによりAWGの本格的な光伝送システムとして光波アドシステムに適用されフォトニックネットワーク技術の研究開発が始まった。
M.K.Smit、年ew focusing and dispersive planar component based on an optical phased array"、Electronics Letters、vol.24、pp.385−386、1988 特願平5−15735
アレイ導波路型回折格子は、高密度化に伴う波長間隔の近接化と多チャネル化により、クロストーク問題が起こる。この劣化要因は、アレイ導波路製造時の屈折率の異常やコア幅の変化である。基本的には焼結条件を変え均一ガラス化のための製造プロセスを改善させることで、ある程度対処できる。またアレイ導波路型回折格子では、nmオーダの分光を可能にするには、導波路長を長くとり回折次数を大きくしなければならないため設計に際して導波路分散を考慮する必要がある。しかしながら、アレイ導波路型波長光合分波装置は、基幹光伝送システムにおけるDWDMの高密度化には、AWGは基本的には大面積パターンを占有するという根源的な欠点があるために、量産化に対する製造に困難が伴う。
AWG波長合分波器は、低損失化と偏波依存性も問題になる。低損失化については、特にAWG-スラブ接続部のモード変換損が問題となるが、光のもれを逓減する工夫をすることで損失を問題にならない程度までに低減されている。しかしながら偏波依存性は、AWGが火炎加水分解堆積法(FHD:Flame Hydrolysis Deposition)で作製されているために、石英系コア、クラッドとシリコン基板の熱膨張係数の違いから光弾性効果を通じ1×10−4オーダの複屈折の主要因となっている。製造ばらつきを抑圧できる生産性の高い方法の開発が望まれる。対処療法的には、AWGに半波長板を挿入し、TEモードとTMモードに対する光路長を平均化して波長依存性をゼロとしているのが現状である。
本発明の導波路型波長光合分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも角分散や理論分解能が回折格子と比較して2桁以上優れている最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を使用している。
これまで指摘したAWGの課題を解決するための手段として、
1.基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路に入力チャネル導波路が接続された石英系光導波路回路の光導波路内にはファブリーペロー干渉計が形成され入力チャネル導波路と出力チャネル導波路は石英系光導波路回路のスラブ導波路に接続された導波路型波長光合分波器において、前記ファブリーペロー干渉計は石英系光導波路回路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器の反射格子と出力チャネル導波路がスラブ導波路のローランド円上に配置接続されてなることを特長とする。
2.ファブリーペロー干渉計を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器としたことを特長とする。
3.シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成しこの光導波路の屈折率の温度変化を打ち消すアサーマル光導波路としたことを特長とする。
シリコン基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路内に形成するファブリーペロー共振器は、本発明のキーコンポーネントである。ファブリーペロー共振器を構成する反射鏡の作製は大面積の基板への対応も可能なディップコーティングによる膜の形成方法を採用している。シリコン基板上に形成された石英系光導波路であるスラブ導波路を反応性イオンエッチングで溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法によるレンズ薄膜や反射膜は、高精度での化学組成の制御、高純度かつ高い均質性、プロセス温度の低温化、多様な形状付与性など優れた特長を有し、屈折率のみならず分散も制御することが可能となる。ゾルーゲル法は、多様な屈折率・分散特性を呈する誘電体層を使用でき、汎用性の高い方法を採用することが可能である。光導波路内のファブリーペロー共振器に向かって光導波路内を導波された光波は、スラブ導波路に入射後ローランドマウント(配置)を形成するスラブ導波路に形成された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。本発明の波長分波は、波長の違いにより、ローランドマウントを形成するスラブ導波路での集光位置は、入力側でのブリーペロー共振器で選択された波長ごとにローランド円上に分離された光の分散体を構成して達成している。波長の違いにより分波された導波光は、もう一度、ローランド円からなるスラブ導波路とブリーペロー共振器を介して戻すと、導波光を合波することができる。
光学:「ニュートンの実験」、図16、177頁(岩波書店)
以上のとおり、本発明で得られる導波路型波長光合分波装置は、光の分散体であるプリズム回折格子や干渉計の中でも最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を入力チャネル導波路からの導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡を置くことで、光共振器を構成して波長分散を受けた光波は、スラブ導波路に入射後ローランドマウントを形成するスラブ導波路に形成された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。また本発明の導波路型波長光合分波装置は、石英系光導波回路表面に絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成して、シリコン基板上の石英系光導波回路に生じるそりを無くし、この歪みの無い石英系光導波回路内に波長光合分波器を実現していることから、波長依存性は全く無い。シリコン基板上の石英系光導波路のそりをなくしていることから、残留応力が無いので信頼性にも安定度であり、波長無依存性デバイスであることを特長とする。本発明で得られる導波路型波長光合分波装置は、工業的にも完成され、多くの基幹光ネットワークや加入者系光ネットワークの構築に多大な貢献ができる。
本発明の導波路型波長光合分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計である光共振器を入力チャネル側の光導波路内に形成されたファブリーペロー共振器内で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランドマウントを構成するスラブ導波路に接続された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射されるようにしている。このファブリーペロー共振器を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器を形成している。偏波依存性問題を解決し温度変動に対して安定なアサーマル光導波路を形成する。シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成してアサーマル光導波路とすることで、この光導波路の屈折率の温度変化を打ち消したアサーマル光導波路を構成している。
図1は、本発明の導波路型波長光合分波装置の平面図である。シリコン基板上に石英系光導波路を形成後、シリコン基板と石英系光導波路の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、石英系光導波路回路上にTa薄膜からなる絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板上の石英系光導波回路に与えるそりを無くしている。Taはイオンアシスト成膜において薄膜が結晶質になりにくくまた結晶粒界が生じにくいので界面に水分などが入りにくい安定な膜である。この歪みの無い石英系光導波回路内には、入力チャネル導波路100が石英系光導波回路内の光導波路101に接続されている。光導波路103内には、導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡102、104を置くことで、光共振器を構成している。このファブリーペロー共振器からの光波はスラブ導波路に出射される。このファブリーペロー共振器を構成する反射鏡は、シリコン基板上に形成された石英系光導波路である光導波路を反応性イオンエッチングで除去して格子の溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法により、この格子の溝に光導波路よりも高屈折率の誘電体層を埋め込み反射鏡としてファブリーペロー共振器を入力チャネル側の光導波路内に形成している。このファブリーペロー共振器で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランドマウントを構成するスラブ導波路105に接続された所望の出力チャネル導波路106に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射されるようにしている。波長多重光通信システムでITU−グリッドのC−bandの周波数域は195.85THzから191.90THzであり、波長域に換算すると1530.72nmから1562.23nmである。周波数間隔を100GHzに選択すれば、波長間隔は0.8015nmとなる。例えば、導波路のコアとクラッドの比屈折率Δは0.75%、コア断面寸法は6.5μm×6.5μm、ファブリーペロー共振器の反射率を90%、光導波路の等価屈折率n=1.45とするとファブリーペロー共振器の間隔は1.034mmとなる。ローランド円の直径は10mm、16chの出力チャネル導波路の間隔を25μmとすると、本発明の導波路型波長光合分波器のChipの外形寸法は、13mm×5mmとなり、NTTがすでに報告しているAWG波長合分波器のChipの外形寸法30mm×60mmと比較して、極めて小さいことがわかる。
図2は、図1の本発明の導波路型波長光合分波装置の断面図である。
シリコン基板上に石英系光導波路を形成後、シリコン基板200とクラッド203、コア201、クラッド202からなる石英系光導波路の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、石英系光導波路回路上にTa薄膜からなる絶縁体薄膜204を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板上の石英系光導波回路に与えるそりを無くしている。この歪みの無い石英系光導波回路内には、入力チャネル導波路はファブリーペロー共振器が形成されたスラブ導波路に配置接続されている。ファブリーペロー共振器は、光導波路中の導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡205、206、207、208を置くことで、光共振器を構成している。図面上では省略しているが、このファブリーペロー共振器からの光波はローランドマウントを形成するスラブ導波路に入射後、波長ごとにローランド円上に結像する。
機能的には本発明の導波路型波長光合分波器は、Λを中心とする光を入射しファブリーペロー共振器で入射光を波長選択している。この光の並び、すなわちスペクトルがレンズ機能を有するスラブ導波路によるローランドマウント上に分散される。このスペクトルには各波長が少しずつローランド円上に空間的幅をもつために、ローランド円上で波長ごとに結像を取りだせる。Λ+ΔΛの光はΛの像よりも少し右側へずれて結像し、以下同様に、各波長によってできる結像はだんだん右側になっていく。Λ−ΔΛの光は左側へずれて結像することとなる。
図3は、本発明のキーコンポーネントであるファブリーペローエタロンを構成する回折レンズと反射層の作製は大面積の基板への対応も可能なディップコーティングによる膜の形成方法である。シリコン基板上に形成された石英系光導波路であるスラブ導波路を反応性イオンエッチングで溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法によるレンズ薄膜や反射膜は、高精度での化学組成の制御、高純度かつ高い均質性、プロセス温度の低温化、多様な形状付与性など優れた特長を有し、屈折率のみならず分散も制御することが可能である。ゾルーゲル法はアルカリ金属のほかにも、多様な屈折率・分散特性を呈する金属成分(Zr,Pb,Ti,Ba,Geなど)を使用できる。ゾルをコーティング液とするコーティング膜の形成は、多くの場合ディップコーティングまたはスピンコーティングによって行われるがここでは、石英系光導波路回路の厚みが50ミクロン程度であることを考えるとディップコーティングが適している。図3のゲル膜形成のディップコーティング方法では、数mPas〜数十mPasの低粘度のゾル液302中に石英系光導波路が形成されたシリコン基板300を浸漬し、数cm/minの一定速度で静かに引き上げるとシリコン基板300のレンズ薄膜や反射膜に相当する溝にゲルコーティング膜が充填される。ゲル膜の形成はシリコン基板300引上げ時にほぼ完了すると考えてよく、基板に引ずり上げられた膜状ゲルから溶媒が蒸発し、ゾルが濃縮されることによって達成される。ディップコーティングしたゲル膜をガラス薄膜に変換するためには、数百℃の温度で熱処理する必要がある。なお裏面や表面の不要な箇所に付着したゲル膜は100℃〜200℃の予備的な熱処理温度時に除去する。ゲル膜が変換され均一なガラス薄膜となる箇所は石英系光導波路回路中のコア部であるため、ディップコーティング法は量産性にも優れた方法である。n=2.05の膜はTiOとSiOのモル比は80:20に選択し、500℃〜600℃で焼成すれば得られている。ディップコーティング方法では、ゲル膜として屈折率が空気に近いn=1.01〜1.06のシリカエアロゲルも使用でき幅広い屈折率をもつガラス膜が実現可能である。
図4は、ディップコーティングのゲル膜のTiO2のモル比で実現できる屈折率を表したカーブである。屈折率n=2.05の膜はTiOとSiOのモル比を80:20に選択し、500℃〜600℃で焼成すれば所望の屈折率をもつガラス薄膜が得られる。ファブリーペロー共振器の反射率90%を実現するには、9層の高屈折率膜であるTiOとSiOからなるガラス膜の屈折率n=2.05と光導波路の屈折率n=1.45を各々Λ/4グレーティング構造、具体的には光導波路に反応性イオンエッチングで周期的なΛ/4の溝を5箇所形成し、TiO2とSiO2からなるガラス膜をディップコーティングでこの5箇所の溝に充填することで実現できる。11層では、反射率は92.9%となる。
図5は、本発明の導波路型波長光合分波装置で使用されるファブリーペロー共振器の透過特性である。
透過率は、数1で求められる。
n=1.45、d=1.034mmのときのファブリーペローエタロンの透過率をR=90%としている。
DWDM用の100GHzの周波数間隔の計算値を示している。
図6は、従来の導波路型光合分波装置に使用されているAWGの平面図である。シリコン基板上に形成された石英系光導波路600に入力導波路601とAWG603と出力導波路605がレンズの役目を果たすスラブ導波路602、603と一体化されている。波長Λ1、Λ2、Λ3・・・Λnの入力導波路601からの光は入力側のスラブ導波路602で広がりAWG603を構成する多数の導波路に同位相で入射する。導波路の長さは一定値ずつ長さが異なっており、導波路間で一定の遅延時間差が生じる構造となっている。AWG出力端における光軸は、AWGからの放射光が集光するように出力導波路群の中心を向いている。導波路間の遅延が波長の整数倍となる場合には、放射光は同位相であり、干渉の結果光は中央の出力導波路に集束する。一方、波長が異なる場合はAWGの出口における位相がずれて波面が傾くため、回折光は別の出力導波路に集束する。合分波するチャネル数だけ出力導波路を配置することで、多数の波長Λ1、Λ2、Λ3・・・Λnを分波することができる。この1.55μmの報告されている16ch(100GHz間隔)のAWG波長合分波器のChipの外形寸法30mm×60mmである。
本発明の導波路型波長光合分波装置の平面図である。 図1の本発明の導波路型波長光合分波装置の断面図である。 本発明のキーコンポーネントである回折レンズと反射層のディップコーティングによる膜の形成方法である。 本発明に使用している回折レンズの波長特性を計算したグラフである。 本発明のファブリーペロー共振器の透過特性である。 従来の導波路型光合分波装置に使用されているAWGの平面図である。
符号の説明
100 入力チャネル導波路
101 導波路
102 反射鏡
103 導波路
104 反射鏡
105 スラブ導波路
106 出力チャネル導波路
200 シリコン基板
201 コア
202 クラッド
203 クラッド
204 誘電体膜
300 石英系光導波回路付シリコン基板
301 ビーカ
302 ゾル液
400 透過率カーブ(25GHz)
500 TiO―SiOのモル比―屈折率カーブ
600 光導波回路
601 入力導波路
602 スラブ導波路
603 AWG
604 スラブ導波路
605 出力ポート
高密度波長多重化(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing)の心臓部としての波長光合分波装置に使用されているアレイ導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)は、平面基板上に長さの異なる複数の導波路が等間隔で配置された構造を有し、複数の導波路からの放射光の干渉を利用した導波路型干渉デバイスである。AWGは入射光が同位相で複数の導波路に入り、導波路で位相差を付けられたのち出口から放射されることから、透過型の回折格子と同様な分光作用をする。1988年にphased−array antennaの概念を光導波路に適用し、平行ビーム光をレンズのように集光できること、また集光位置が波長によって異なることがM.K.Smitにより示された。1993年以降、日本ではNTTによりAWGの本格的な光伝送システムとして光波アドシステムに適用されフォトニックネットワーク技術の研究開発が始まった。
M.K.Smit、"New focusing and dispersive planar component based on an optical phased array"、Electronics Letters、vol.24、pp.385−386、1988 特願平5−15735
本発明の導波路型波長光合分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも角分散や理論分解能が回折格子と比較して2桁以上優れている最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を使用している。
これまで指摘したAWGの課題を解決するための手段として、
1.基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路に入力チャネル導波路が接続された石英系光導波路回路の光導波路内にはファブリーペロー干渉計が形成され入力チャネル導波路と出力チャネル導波路は石英系光導波路回路のスラブ導波路に接続された導波路型波長光合分波器において、前記ファブリーペロー干渉計は石英系光導波路回路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器の反射格子はローランド円を形成するスラブ導波路の入力端に位置し、かつ出力チャネル導波路はスラブ導波路のローランド円上に配置接続されてなることを特長とする。
2.ファブリーペロー干渉計を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器としたことを特長とする。
3.シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成しこの光導波路の屈折率の温度変化を打ち消すアサーマル光導波路としたことを特長とする。
本発明は、光通信・光情報処理分野で使用される波長光合分波装置であり、シリコン基板上に配置された石英系光導波路回路内のローランド円を形成するスラブ導波路に入力チャネル導波路と複数個の出力チャネル導波路が接続されてなる導波路型波長光分波装置と石英系光導波路回路内のローランド円を形成するスラブ導波路に複数個の入力チャネル導波路と出力チャネル光導波路が接続されてなる導波路型波長光合波器の構造に関するもので、特に光の分波・合波機能を入出力チャネル導波路内に形成したファブリーペロー干渉計にもたせている。本ファブリーペロー干渉計は、入力チャネル導波路または出力チャネル導波路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器とすることで超小型・高信頼性の光波長合分波器を提供できる導波路型波長光合分波装置に関する。
高密度波長多重化(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing)の心臓部としての波長光合分波装置に使用されているアレイ導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)は、平面基板上に長さの異なる複数の導波路が等間隔で配置された構造を有し、複数の導波路からの放射光の干渉を利用した導波路型干渉デバイスである。AWGは入射光が同位相で複数の導波路に入り、導波路で位相差を付けられたのち出口から放射されることから、透過型の回折格子と同様な分光作用をする。1988年にphased−array antennaの概念を光導波路に適用し、平行ビーム光をレンズのように集光できること、また集光位置が波長によって異なることがM.K.Smitにより示された。1993年以降、日本ではNTTによりAWGの本格的な光伝送システムとして光波アドシステムに適用されフォトニックネットワーク技術の研究開発が始まった。
M.K.Smit、"New focusing and dispersive planar component based on an optical phased array"、Electronics Letters、vol.24、pp.385−386、1988 特願平5−15735
アレイ導波路型回折格子は、高密度化に伴う波長間隔の近接化と多チャネル化により、クロストーク問題が起こる。この劣化要因は、アレイ導波路製造時の屈折率の異常やコア幅の変化である。基本的には焼結条件を変え均一ガラス化のための製造プロセスを改善させることで、ある程度対処できる。またアレイ導波路型回折格子では、nmオーダの分光を可能にするには、導波路長を長くとり回折次数を大きくしなければならないため設計に際して導波路分散を考慮する必要がある。しかしながら、アレイ導波路型波長光合分波装置は、基幹光伝送システムにおけるDWDMの高密度化には、AWGは基本的には大面積パターンを占有するという根源的な欠点があるために、量産化に対する製造に困難が伴う。
AWG波長合分波器は、低損失化と偏波依存性も問題になる。低損失化については、特にAWG-スラブ接続部のモード変換損が問題となるが、光のもれを逓減する工夫をすることで損失を問題にならない程度までに低減されている。しかしながら偏波依存性は、AWGが火炎加水分解堆積法(FHD:Flame Hydrolysis Deposition)で作製されているために、石英系コア、クラッドとシリコン基板の熱膨張係数の違いから光弾性効果を通じ1×10−4オーダの複屈折の主要因となっている。製造ばらつきを抑圧できる生産性の高い方法の開発が望まれる。対処療法的には、AWGに半波長板を挿入し、TEモードとTMモードに対する光路長を平均化して波長依存性をゼロとしているのが現状である。
本発明の導波路型波長光合分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも角分散や理論分解能が回折格子と比較して2桁以上優れている最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を使用している。
これまで指摘したAWGの課題を解決するための手段として、
1.基板上に配置された石英系光導波路回路内のローランド円を形成するスラブ導波路に入力チャネル導波路と複数個の出力チャネル導波路が接続されてなる導波路型波長光分波器において、前記石英系光導波路回路の出力チャネル導波路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー干渉計を構成する共振器の出力側の反射格子はローランド円を形成するスラブ導波路の入力端に位置し、かつ複数個の出力チャネル導波路はスラブ導波路のローランド円上に配置接続されてなることを特長とする。
2.基板上に配置された石英系光導波路回路内のローランド円を形成するスラブ導波路に複数個の入力チャネル導波路と出力チャネル導波路が接続されてなる導波路型波長光合波器において、前記石英系光導波路回路の出力チャネル導波路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー干渉計を構成する共振器の入力側の反射格子はローランド円を形成するスラブ導波路の出力端に位置し、かつ複数個の入力チャネル導波路はスラブ導波路のローランド円上に配置接続されてなることを特長とする。
3.ファブリーペロー干渉計を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器としたことを特長とする。
4.シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成しこの光導波路の屈折率の温度変化を打ち消すアサーマル光導波路としたことを特長とする。
シリコン基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路内に形成するファブリーペロー共振器は、本発明のキーコンポーネントである。ファブリーペロー共振器を構成する反射鏡の作製は大面積の基板への対応も可能なディップコーティングによる膜の形成方法を採用している。シリコン基板上に形成された石英系光導波路であるスラブ導波路を反応性イオンエッチングで溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法によるレンズ薄膜や反射膜は、高精度での化学組成の制御、高純度かつ高い均質性、プロセス温度の低温化、多様な形状付与性など優れた特長を有し、屈折率のみならず分散も制御することが可能となる。ゾルーゲル法は、多様な屈折率・分散特性を呈する誘電体層を使用でき、汎用性の高い方法を採用することが可能である。光導波路内のファブリーペロー共振器に向かって光導波路内を導波された光波は、スラブ導波路に入射後ローランドマウント(配置)を形成するスラブ導波路に形成された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。本発明の波長分波は、波長の違いにより、ローランドマウントを形成するスラブ導波路での集光位置は、入力側でのブリーペロー共振器で選択された波長ごとにローランド円上に分離された光の分散体を構成して達成している。波長の違いにより分波された導波光は、もう一度、ローランド円からなるスラブ導波路とブリーペロー共振器を介して戻すと、導波光を合波することができる。
光学:「ニュートンの実験」、図16、177頁(岩波書店)
以上のとおり、本発明で得られる導波路型波長光分波装置は、光の分散体であるプリズム回折格子や干渉計の中でも最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計を入力チャネル導波路からの導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡を置くことで、光共振器を構成して波長分散を受けた光波は、スラブ導波路に入射後ローランドマウントを形成するスラブ導波路に形成された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射される。また本発明の導波路型波長光合分波装置は、石英系光導波回路表面に絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成して、シリコン基板上の石英系光導波回路に生じるそりを無くし、この歪みの無い石英系光導波回路内に波長光合分波器を実現していることから、波長依存性は全く無い。シリコン基板上の石英系光導波路のそりをなくしていることから、残留応力が無いので信頼性にも安定度であり、波長無依存性デバイスであることを特長とする。本発明のもう一つの実施例である導波路型波長光合波装置は、複数個の入力チャネル導波路からの導波光はスラブ導波路に入射後、ローランドマウントを形成するスラブ導波路の出力端に出射されファブリーペロー干渉計で波長合波される。本発明の導波路型波長光合分波装置は、石英系光導波回路表面に絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成して、シリコン基板上の石英系光導波回路に生じるそりを無くし、この歪みの無い石英系光導波回路内に波長光合分波器を実現していることから、波長依存性は全く無い。シリコン基板上の石英系光導波路のそりをなくしていることから、残留応力が無いので信頼性にも安定度であり、波長無依存性デバイスであることを特長とする。本発明で得られる導波路型波長光合分波装置は、工業的にも完成され、多くの基幹光ネットワークや加入者系光ネットワークの構築に多大な貢献ができる。
本発明の導波路型波長光分波装置では、光の分散体であるプリズムや回折格子や干渉計の中でも最高の分光装置として使用されてきたファブリーペロー干渉計である光共振器を入力チャネル側の光導波路内に形成されたファブリーペロー共振器内で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランドマウントを構成するスラブ導波路に接続された所望の出力チャネル導波路に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射されるようにしている。本発明の導波路型波長光合波装置は、複数個の入力チャネル導波路からの導波光はスラブ導波路に入射後、ローランドマウントを形成するスラブ導波路の出力端に出射されファブリーペロー干渉計で波長合波される。これらのファブリーペロー共振器を構成する反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器を形成している。偏波依存性問題を解決し温度変動に対して安定なアサーマル光導波路を形成する。シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成してアサーマル光導波路とすることで、この光導波路の屈折率の温度変化を打ち消したアサーマル光導波路を構成している。
図1(A)は、本発明の導波路型波長光分波装置の平面図である。シリコン基板上に石英系光導波路を形成後、シリコン基板と石英系光導波路の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、石英系光導波路回路上にTa薄膜からなる絶縁体薄膜を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板上の石英系光導波回路に与えるそりを無くしている。Taはイオンアシスト成膜において薄膜が結晶質になりにくくまた結晶粒界が生じにくいので界面に水分などが入りにくい安定な膜である。この歪みの無い石英系光導波回路内には、入力導波光100が石英系光導波回路内の入力チャンネル導波路101に導波されている。入力チャンネル導波路103内には、導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡102、104を置くことで、光共振器を構成している。このファブリーペロー共振器からの光波はスラブ導波路に出射される。このファブリーペロー共振器を構成する反射鏡は、シリコン基板上に形成された石英系光導波路である光導波路を反応性イオンエッチングで除去して格子の溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法により、この格子の溝に光導波路よりも高屈折率の誘電体層を埋め込み反射鏡としてファブリーペロー共振器を入力導波光側の入力チャンネル導波路内に形成している。このファブリーペロー共振器で波長選択を受けた光波は、波長ごとのスラブ導波路の入射角によりローランドマウントを構成するスラブ導波路105に接続された所望の複数個の出力チャネル導波路106に波長ごとに焦点を結び、出力側に出射されるようにしている。波長多重光通信システムでITU−グリッドのC−bandの周波数域は195.85THzから191.90THzであり、波長域に換算すると1530.72nmから1562.23nmである。周波数間隔を100GHzに選択すれば、波長間隔は0.8015nmとなる。例えば、導波路のコアとクラッドの比屈折率Δは0.75%、コア断面寸法は6.5μm×6.5μm、ファブリーペロー共振器の反射率を90%、光導波路の等価屈折率n=1.45とするとファブリーペロー共振器の間隔は1.034mmとなる。ローランド円の直径は10mm、16chの各出力チャネル導波路の間隔を25μmとすると、本発明の導波路型波長光合分波器のChipの外形寸法は、13mm×5mmとなり、NTTがすでに報告しているAWG波長合分波器のChipの外形寸法30mm×60mmと比較しても、極めて小さいことがわかる。図1(B)は、本発明の導波路型波長光合波装置の平面図である。石英系光導波回路内には、複数個の入力チャネル導波路107が石英系光導波回路内のスラブ導波路108に接続されている。出力チャネル光導波路110内には、導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡109、111を置くことで、光共振器を構成している。このファブリーペロー共振器で波長合波された光波は出力チャネル導波路112内を導波伝播して出力導波光113として出射される。
図2は、図1の本発明の導波路型波長光合分波装置の断面図である。
シリコン基板上に石英系光導波路を形成後、シリコン基板200とクラッド203、コア201、クラッド202からなる石英系光導波路の膨張係数の差に圧縮応力に伴う、そりを生じるが、石英系光導波路回路上にTa薄膜からなる絶縁体薄膜204を堆積させ、引張応力薄膜を形成し、シリコン基板上の石英系光導波回路に与えるそりを無くしている。この歪みの無い石英系光導波回路内には、入力チャネル導波路はファブリーペロー共振器が形成されたスラブ導波路に配置接続されている。ファブリーペロー共振器は、光導波路中の導波光の適当な二つの等位相面に、それぞれの位置での光波の曲率に一致した誘電体層からなる反射鏡205、206、207、208を置くことで、光共振器を構成している。図面上では省略しているが、このファブリーペロー共振器からの光波はローランドマウントを形成するスラブ導波路に入射後、波長ごとにローランド円上に結像する。
機能的には本発明の導波路型波長光合分波器は、Λを中心とする光を入射しファブリーペロー共振器で入射光を波長選択している。この光の並び、すなわちスペクトルがレンズ機能を有するスラブ導波路によるローランドマウント上に分散される。このスペクトルには各波長が少しずつローランド円上に空間的幅をもつために、ローランド円上で波長ごとに結像を取りだせる。Λ+ΔΛの光はΛの像よりも少し右側へずれて結像し、以下同様に、各波長によってできる結像はだんだん右側になっていく。Λ−ΔΛの光は左側へずれて結像する。
図3は、本発明のキーコンポーネントであるファブリーペローエタロンを構成する回折レンズと反射層の作製は大面積の基板への対応も可能なディップコーティングによる膜の形成方法である。シリコン基板上に形成された石英系光導波路であるスラブ導波路を反応性イオンエッチングで溝を形成後、ゾルーゲル法に代表される溶液を用いた化学的合成法によるレンズ薄膜や反射膜は、高精度での化学組成の制御、高純度かつ高い均質性、プロセス温度の低温化、多様な形状付与性など優れた特長を有し、屈折率のみならず分散も制御することが可能である。ゾルーゲル法はアルカリ金属のほかにも、多様な屈折率・分散特性を呈する金属成分(Zr,Pb,Ti,Ba,Geなど)を使用できる。ゾルをコーティング液とするコーティング膜の形成は、多くの場合ディップコーティングまたはスピンコーティングによって行われるがここでは、石英系光導波路回路の厚みが50ミクロン程度であることを考えるとディップコーティングが適している。図3のゲル膜形成のディップコーティング方法では、数mPas〜数十mPasの低粘度のゾル液302中に石英系光導波路が形成されたシリコン基板300を浸漬し、数cm/minの一定速度で静かに引き上げるとシリコン基板300のレンズ薄膜や反射膜に相当する溝にゲルコーティング膜が充填される。ゲル膜の形成はシリコン基板300引上げ時にほぼ完了すると考えてよく、基板に引ずり上げられた膜状ゲルから溶媒が蒸発し、ゾルが濃縮されることによって達成される。ディップコーティングしたゲル膜をガラス薄膜に変換するためには、数百℃の温度で熱処理する必要がある。なお裏面や表面の不要な箇所に付着したゲル膜は100℃〜200℃の予備的な熱処理温度時に除去する。ゲル膜が変換され均一なガラス薄膜となる箇所は石英系光導波路回路中のコア部であるため、ディップコーティング法は量産性にも優れた方法である。n=2.05の膜はTiOとSiOのモル比は80:20に選択し、500℃〜600℃で焼成すれば得られる。ディップコーティング方法では、ゲル膜として屈折率が空気に近いn=1.01〜1.06のシリカエアロゲルも使用でき幅広い屈折率をもつガラス膜が実現可能である。
図4は、ディップコーティングのゲル膜のTiO2のモル比で実現できる屈折率を表したカーブである。屈折率n=2.05の膜はTiOとSiOのモル比を80:20に選択し、500℃〜600℃で焼成すれば所望の屈折率をもつガラス薄膜が得られる。ファブリーペロー共振器の反射率90%を実現するには、9層の高屈折率膜であるTiOとSiOからなるガラス膜の屈折率n=2.05と光導波路の屈折率n=1.45を各々Λ/4グレーティング構造、具体的には光導波路に反応性イオンエッチングで周期的なΛ/4の溝を5箇所形成し、TiOとSiOからなるガラス膜をディップコーティングでこの5箇所の溝に充填することで実現できる。11層では、反射率は92.9%となる。
図5は、本発明の導波路型波長光合分波装置で使用されるファブリーペロー共振器の透過特性である。
透過率は、数1で求められる。
n=1.45、d=1.034mmのときのファブリーペローエタロンの透過率をR=90%としている。
DWDM用の100GHzの周波数間隔の計算値を示している。
図6は、従来の導波路型光合分波装置に使用されているAWGの平面図である。シリコン基板上に形成された石英系光導波路600に入力導波路601とAWG603と出力導波路605がレンズの役目を果たすスラブ導波路602、603と一体化されている。波長Λ1、Λ2、Λ3・・・Λnの入力導波路601からの光は入力側のスラブ導波路602で広がりAWG603を構成する多数の導波路に同位相で入射する。導波路の長さは一定値ずつ長さが異なっており、導波路間で一定の遅延時間差が生じる構造となっている。AWG出力端における光軸は、AWGからの放射光が集光するように出力導波路群の中心を向いている。導波路間の遅延が波長の整数倍となる場合には、放射光は同位相であり、干渉の結果光は中央の出力導波路に集束する。一方、波長が異なる場合はAWGの出口における位相がずれて波面が傾くため、回折光は別の出力導波路に集束する。合分波するチャネル数だけ出力導波路を配置することで、多数の波長Λ1、Λ2、Λ3・・・Λnを分波することができる。この1.55μmの報告されている16ch(100GHz間隔)のAWG波長合分波器のChipの外形寸法30mm×60mmである。
(A)は本発明の導波路型波長光分波装置の平面図で、(B)は本発明の導波路型波長光分合波装置の平面図である。 図1の本発明の導波路型波長光合分波装置の断面図である。 本発明のキーコンポーネントである回折レンズと反射層のディップコーティングよる膜の形成方法である。 本発明に使用している回折レンズの波長特性を計算したグラフである。 本発明のファブリーペロー共振器の透過特性である。 従来の導波路型光合分波装置に使用されているAWGの平面図である。
符号の説明
100 入力導波光
101 入力チャネル導波路
102 反射鏡
103 入力チャネル導波路
104 反射鏡
105 スラブ導波路
106 複数個の出力チャネル導波路
107 複数個の入力チャネル導波路
108 スラブ導波路
109 反射鏡
110 出力チャネル導波路
111 反射鏡
112 出力チャネル導波路
113 出力導波光
200 シリコン基板
201 コア
202 クラッド
203 クラッド
204 誘電体膜
300 石英系光導波回路付シリコン基板
301 ビーカ
302 ゾル液
400 透過率カーブ(25GHz)
500 TiO―SiOのモル比―屈折率カーブ
600 光導波回路
601 入力導波路
602 スラブ導波路
603 AWG
604 スラブ導波路
605 出力ポート

Claims (3)

  1. 基板上に配置された石英系光導波路回路の光導波路に入力チャネル導波路が接続された該光導波路内にはファブリーペロー干渉計が形成され該光導波路と出力チャネル導波路は石英系光導波路回路のスラブ導波路に接続された導波路型波長光合分波器において、該ファブリーペロー干渉計は該光導波路内に反射格子が形成されてなるファブリーペロー共振器としたことを特徴とする導波路型波長光合分波装置
  2. 該ファブリーペロー干渉計を構成する反射格子は反射格子は屈折率の異なる2種類以上の誘電体層を交互に形成してファブリーペロー共振器としたことを特徴とする特許請求の範囲第1項の導波路型波長光合分波装置
  3. シリコン基板上に形成された石英系光導波回路表面に引張応力薄膜を形成し該光導波路をアサーマル光導波路としたことを特徴とする特許請求の範囲第1項の導波路型波長光合分波装置
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