JP2006136630A - 超音波診断装置および超音波プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 無駄な発熱を軽減することで送信電力の制限を少なくする。
【解決手段】 トランジスタQ1,Q2のドレイン端子をそれぞれ超音波振動子6の一端に接続する。トランジスタQ1のソース端子にコンデンサCを介して前置増幅器7の入力端子を接続する。トランジスタQ2のソース端子に前置増幅器7の入力端子を接続する。トランジスタQ1のソース端子と送信電圧VHを出力する電源P1との間に、ダイオードD3,D4からなる素子群を設ける。この素子群の両端に生じる電荷を放電するように抵抗器R3を設ける。トランジスタQ2のソース端子とグランドとの間にダイオードD5,D6からなる素子群を設ける。この素子群の両端に生じる電荷を放電するように抵抗器R4を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 トランジスタQ1,Q2のドレイン端子をそれぞれ超音波振動子6の一端に接続する。トランジスタQ1のソース端子にコンデンサCを介して前置増幅器7の入力端子を接続する。トランジスタQ2のソース端子に前置増幅器7の入力端子を接続する。トランジスタQ1のソース端子と送信電圧VHを出力する電源P1との間に、ダイオードD3,D4からなる素子群を設ける。この素子群の両端に生じる電荷を放電するように抵抗器R3を設ける。トランジスタQ2のソース端子とグランドとの間にダイオードD5,D6からなる素子群を設ける。この素子群の両端に生じる電荷を放電するように抵抗器R4を設ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、送受信部を内蔵する超音波プローブを備えた超音波診断装置およびこの超音波診断装置で利用可能な超音波プローブに関する。
近年、超音波画像のコントラスト分解能の改善およびアーチファクトの低減を目的として、パルスインバージョン法を使ったハーモニック断層表示の適用が考えられている。パルスインバージョン法とは、1本の超音波ラスタを構築する上で、位相が180度異なる超音波信号でそれぞれ送信を行い、異なった送信信号で得られた受信信号を加算する。これによって、送信パルスで発生する生体内の非線形受信信号のみ得ることができる。
図3はパルスインバージョン法を実現する超音波診断装置の従来例の構成を示す図である。図4は図3中の各部の信号の波形とタイミング関係とを示す図である。
以下に、図3および図4を参照して従来の超音波診断装置について説明する。この説明の中で、FETの状態としてONおよびOFFという表現を便宜上使うが、ON状態とはソース−ドレイン間インピーダンスが低い状態を示し、OFF状態とは逆にインピーダンスが高い状態を示す。
図3に示す超音波診断装置は、装置本体101および超音波プローブ102を含む。さらに装置本体101はさらに、レート信号生成部1を含む。超音波プローブ102はさらに、バッファ2,3、レベルシフタ4,5、超音波振動子6、前置増幅器7、トランジスタQ1,Q2、電源P1,P2、抵抗器R1,R2およびダイオードD1,D2を含む。なお、トランジスタQ1としては、P型の電界効果トランジスタ(FET)が適用される。トランジスタQ2としては、N型の電界効果トランジスタが適用される。
レート信号生成部1は、送信コントロール用の信号aを出力する。信号aは図4に示すように、立ち上がりと立ち下がりとをそれぞれ一定の繰り返し周期で繰り返す信号であり、超音波の送信繰り返し信号に相当している。以降においては、信号aをレート信号と呼ぶ。レート信号aの立ち下がりエッジが超音波の送信の時相と一致しており、表示される断層像上ではプローブ表面に相当する。レート信号aは、バッファ2,3に入力される。
レート信号aは、装置本体101から超音波プローブ102へ伝送される途上で波形が歪む。バッファ2,3は、レート信号aの波形を整形した上でレベルシフタ4,5へ送る。レベルシフタ4は、トランジスタQ1のソース端子Sが電源P1の電圧値VHになっているため、この電圧値VHを基準にトランジスタQ1のドレイン−ソース間が十分ONする振幅VDを持ち、図4に示すような波形の信号bに変換する。レベルシフタ5は、トランジスタQ2のソース端子Sが電源P2の電圧値VNになっているため、この電圧値VNを基準にトランジスタQ2のドレイン−ソース間が十分ONする振幅VDを持ち、図4に示すような波形の信号Cに変換する。
まず、この超音波診断装置における送信時の動作について説明する。
初期状態として、信号bがハイレベル状態で、信号cがローレベル状態にある。この時、トランジスタQ1およびトランジスタQ2はともにOFF状態である。この時のトランジスタQ1,Q2のドレイン端子の電位、すなわち超音波振動子6に供給される信号dの電圧値は、抵抗器R1のグランド電位VGで決まり、零ボルトとなる。次に信号bのみがローレベルになると、トランジスタQ1のみがON状態になるため、信号dは電源P1の電圧値VHになる。信号dが電圧値VHになった瞬間、超音波振動子6にパルス電流が流れるが、超音波振動子6は容量特性を有するため電荷がチャージされて超音波振動子6の両端の電圧値がVHとなる。次に信号bおよび信号cがともにハイレベルになると、トランジスタQ1がOFF状態で、トランジスタQ2がON状態になるため、信号dは電源P2の電圧値VNになる。同様に超音波振動子6は、負電荷がチャージされて電圧値がVNとなる。次に信号bがハイレベル状態で、信号cがローレベル状態になると、トランジスタQ1,Q2がともにOFF状態になるため、超音波振動子6でチャージされた電荷は抵抗器R1を通って放電される。この繰り返し動作で超音波振動子6から超音波が送波される。
初期状態として、信号bがハイレベル状態で、信号cがローレベル状態にある。この時、トランジスタQ1およびトランジスタQ2はともにOFF状態である。この時のトランジスタQ1,Q2のドレイン端子の電位、すなわち超音波振動子6に供給される信号dの電圧値は、抵抗器R1のグランド電位VGで決まり、零ボルトとなる。次に信号bのみがローレベルになると、トランジスタQ1のみがON状態になるため、信号dは電源P1の電圧値VHになる。信号dが電圧値VHになった瞬間、超音波振動子6にパルス電流が流れるが、超音波振動子6は容量特性を有するため電荷がチャージされて超音波振動子6の両端の電圧値がVHとなる。次に信号bおよび信号cがともにハイレベルになると、トランジスタQ1がOFF状態で、トランジスタQ2がON状態になるため、信号dは電源P2の電圧値VNになる。同様に超音波振動子6は、負電荷がチャージされて電圧値がVNとなる。次に信号bがハイレベル状態で、信号cがローレベル状態になると、トランジスタQ1,Q2がともにOFF状態になるため、超音波振動子6でチャージされた電荷は抵抗器R1を通って放電される。この繰り返し動作で超音波振動子6から超音波が送波される。
次に受信時の動作について説明する。
超音波振動子6で発生する受信信号は、信号dに対して非常に小さい。そこで、この受信信号とノイズ信号との比を装置本体101側で劣化させないために、前置増幅器7を備えている。受信信号は、抵抗器R2を介して前置増幅器7へ入力されて増幅された上で、装置本体101へと送信される。
超音波振動子6で発生する受信信号は、信号dに対して非常に小さい。そこで、この受信信号とノイズ信号との比を装置本体101側で劣化させないために、前置増幅器7を備えている。受信信号は、抵抗器R2を介して前置増幅器7へ入力されて増幅された上で、装置本体101へと送信される。
前置増幅器7は、上述のような用途であるために、受信信号の電圧値を適正入力電圧とするように構成されている。従って、前置増幅器7に信号dの高電圧値VH,VNが直接加わると、前置増幅器7の破壊を来すおそれがある。抵抗器R2およびダイオードD1,D2は、前置増幅器7を信号dから保護する働きをする。
信号dが電圧値VHまたは電圧値VNになると、抵抗器R2を通って電流が流れる。この電流は、ダイオードD1またはダイオードD2を通って流れる。すなわち、ダイオードD1,D2は、互いに逆極性で並列接続されているため、ダイオードD1,D2のいずれかの順電圧降下値VF以上の電圧値になるとそのダイオードのインピーダンスが低くなる。これにより、順電圧降下値VF以上の信号についての電流はダイオードD1またはダイオードD2を通って流れ、前置増幅器7の入力には±VF以上の電圧が掛からず、前置増幅器7が保護される。
順電圧降下値VF以下の電圧値になるとダイオードD1,D2の双方のインピーダンスが高くなる。このため、VF以下の受信信号電流はダイオードD1,D2を流れず、前置増幅器7へ入力される。
特開平9−304512
しかしながら、抵抗器R2から発生する熱雑音値を受信信号に対して十分に小さい値にしなければならないことから、抵抗器R2の抵抗値はあまり大きくすることはできない。このため、超音波振動子6へ供給するべく発生された信号dの電流のうちで、ダイオー30C9D1,D2を通って流れる電流が無視できない程度の大きさになってしまう。この電流の多くは、発熱として消費される。
さて超音波プローブ102は、被験者に接触した状態で使用されることから、発熱を抑えることが重要である。しかし、上述のようにダイオードD1,D2を通って流れる電流により大きな発熱が生じることが避けられないことから、超音波プローブ102としての発熱量を減らすためには、信号dの電圧値を小さくすることが必要になる。つまり、超音波の送信電力が制限されることになり、感度劣化を引き起こす要因となる。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、無駄な発熱を軽減することで送信電力の制限を少なくすることができる超音波診断装置および超音波プローブを提供することにある。
以上の目的を達成するために第1の本発明は、第1および第2の端子を備え前記第1の端子と前記第2の端子との間に送信電圧が印加された際に超音波を放出するとともに、反射超音波を受けて受信電圧を前記第1の端子から出力する超音波振動子と、電流通路の第1端が前記第1の端子に接続された第1導電型の第1のトランジスタと、電流通路の第1端が前記第1の端子に接続された第2導電型の第2のトランジスタと、前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に入力端子が接続された増幅器と、一端が前記第1のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が前記入力端子に接続されたコンデンサと、一端が前記第1のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が前記送信電圧の電源線に接続され、前記受信電圧の通過を阻止し、かつ前記送信電圧を通過させる特性を持った第1の素子群と、前記第1の素子群の両端に生じる電荷を放電する手段と、一端が前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が接地され、前記受信電圧の通過を阻止し、かつ前記送信電圧を通過させる特性を持った第2の素子群と、前記第2の素子群の両端に生じる電荷を放電する手段とを具備する超音波プローブと、送信期間とこれに続く受信期間とを含む周期的なレート期間の開始タイミング毎に、第1の電圧から前記第1の電圧よりも高い第2の電圧への立ち上がりと前記第2の電圧から前記第1の電圧への立ち下がりとを繰り返すとともに、前記開始タイミングにて立ち下がった前記レート期間における前記受信期間には前記第2の電圧を維持し、前記開始タイミングにて立ち上がった前記レート期間における前記受信期間には前記第1の電圧を維持する信号を前記第1のトランジスタの制御端子に供給する第1の供給手段と、前記レート期間の開始タイミング毎に、第3の電圧から前記第3の電圧よりも高い第4の電圧への立ち上がりと前記第4の電圧から前記第3の電圧への立ち下がりとを繰り返すとともに、前記開始タイミングにて立ち下がった前記レート期間における前記受信期間には前記第4の電圧を維持し、前記開始タイミングにて立ち上がった前記レート期間における前記受信期間には前記第3の電圧を維持する信号を前記第2のトランジスタの制御端子に供給する第2の供給手段とを備えて超音波診断装置を構成した。
また前記目的を達成するために第2の本発明は、第1および第2の端子を備え前記第1の端子と前記第2の端子との間に送信電圧が印加された際に超音波を放出するとともに、反射超音波を受けて受信電圧を前記第1の端子から出力する超音波振動子と、電流通路の第1端が前記第1の端子に接続された第1導電型の第1のトランジスタと、電流通路の第1端が前記第1の端子に接続された第2導電型の第2のトランジスタと、前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に入力端子が接続された増幅器と、一端が前記第1のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が前記入力端子に接続されたコンデンサと、一端が前記第1のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が前記送信電圧の電源線に接続され、前記受信電圧の通過を阻止し、かつ前記送信電圧を通過させる特性を持った第1の素子群と、前記第1の素子群の両端に生じる電荷を放電する手段と、一端が前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が接地され、前記受信電圧の通過を阻止し、かつ前記送信電圧を通過させる特性を持った第2の素子群と、前記第2の素子群の両端に生じる電荷を放電する手段とを備えて超音波プローブを構成した。
本発明によれば、無駄な発熱を軽減することで送信電力の制限を少なくすることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。図2は図1中の各部の信号の波形とタイミング関係とを示す図である。なお、図1において図3と同一の要素については同一の符号を付して示す。
図1は本実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図である。図2は図1中の各部の信号の波形とタイミング関係とを示す図である。なお、図1において図3と同一の要素については同一の符号を付して示す。
本実施形態の超音波診断装置は図1に示すように、装置本体101および超音波プローブ103を含む。装置本体101はさらに、レート信号生成部1を含む。超音波プローブ103はさらに、超音波振動子6、前置増幅器7、バッファ8、レベルシフタ9、トランジスタQ1,Q2、電源P1、抵抗器R3,R4、ダイオードD3,D4,D5,D6およびコンデンサCを含む。
レート信号生成部1は、レート信号aを生成する。レート信号aは図2に示すように、立ち上がりと立ち下がりとをそれぞれ一定の繰り返し周期で繰り返す信号である。繰り返し周期は、超音波の送信繰り返し周期とする。レート信号aの立ち下がりエッジが超音波の送信の時相と一致しており、表示される断層像上ではプローブ表面に相当する。レート信号aは、装置本体101と超音波プローブ103とを接続するケーブル内の信号線を介して超音波プローブ103へと伝送される。そしてレート信号aは、バッファ8に入力される。
バッファ8は、レート信号aに基づいてトランジスタQ2を制御する制御信号fを生成する。バッファ8が出力する制御信号fは、レベルシフタ9およびトランジスタQ2のゲート端子へ入力される。
レベルシフタ9は、制御信号fのレベルをシフトすることによって、トランジスタQ1を制御する制御信号eを生成する。レベルシフタ9が出力する制御信号eは、トランジスタQ1のゲート端子へ入力される。
トランジスタQ1,Q2は、互いに同種で、導電型が異なる。本実施形態においては、トランジスタQ1,Q2としては、電界効果トランジスタ(FET)を適用している。そしてトランジスタQ1がP型であり、トランジスタQ2がN型である。トランジスタQ1,Q2のそれぞれのドレイン端子は、いずれも超音波振動子6の一端に接続されている。なお超音波振動子6の他端は、接地されている。
トランジスタQ1のソース端子は、コンデンサCを介して前置増幅器7の入力端子に接続されている。トランジスタQ1のソース端子はまた、抵抗器R3、ダイオードD3またはダイオードD4を介して電源P1に接続されている。ダイオードD3,D4は、互いに逆極性で並列接続されている。抵抗器R3は、ダイオードD3,D4に対して並列接続されている。電源P1は、電圧値VHを出力する。
トランジスタQ2のソース端子は、前置増幅器7の入力端子に接続されている。トランジスタQ2のソース端子はまた、抵抗器R4、ダイオードD5またはダイオードD6を介して接地されている。ダイオードD5,D6は、互いに逆極性で並列接続されている。抵抗器R4は、ダイオードD5,D6に対して並列接続されている。
前置増幅器7は、入力端子に入力される信号を増幅する。前置増幅器7は、超音波振動子6が出力する微弱な受信信号の電圧値を適正入力電圧とする。そして前置増幅器7は、装置本体101へ伝送された受信信号とノイズ信号との比が、装置本体101における処理のために適正となるような電圧まで上記の受信信号の電圧を増幅する。前置増幅器7で増幅された後の受信信号は、装置本体101と超音波プローブ103とを接続するケーブル内の信号線を介して装置本体101へと伝送される。
次に以上のように構成された超音波診断装置の動作について説明する 。
なお、トランジスタQ1,Q2のドレイン端子より出力される信号gの振幅値は、厳密にはダイオードD3,D4,D5,D6の順電圧降下値VFを加味する必要がある。しかし順電圧降下値VFが通常0.7〜0.2ボルトであるのに対して、電圧値VHが100ボルト以上であることから、順電圧降下値VFを無視して説明を行う。また以下の説明において、トランジスタQ1,Q2の状態としてONおよびOFFという表現を便宜上使うが、ON状態とはソース−ドレイン間インピーダンスが低い状態を示し、OFF状態とは逆にインピーダンスが高い状態を示す。
レート信号生成部1は、図2に示すようなレート信号aを生成し、送信する。レート信号aは、超音波プローブ103へと伝送されて、バッファ8へ入力される。レート信号aは、装置本体101から超音波プローブ103へ伝送される途上で波形が歪む。バッファ8は、レート信号aの波形を整形する。さらにバッファ8は、整形後のレート信号aに基づいて図2に示すような波形を持った制御信号fを生成する。制御信号fは、レート信号aが立ち下がるタイミング毎に交互に立ち上がりと立ち下がりとを繰り返す。ここで、レート信号aの立ち下がりはレート期間の開始タイミングを示す。従って制御信号fは、レート期間の開始タイミング毎に交互に立ち上がりと立ち下がりとを繰り返す。また制御信号fは、開始タイミングにて立ち上がったレート期間における受信期間にはハイレベルを維持し、開始タイミングにて立ち下がったレート期間における受信期間にはローレベルを維持する。つまり、開始タイミングにて立ち下がったレート期間における受信期間T1では制御信号fは常にローレベルであり、その次のレート期間における受信期間T2では制御信号fは常にハイレベルである。開始タイミングの直後の送信期間におけるレベル変化の繰り返し回数は任意であって良い。実際には、送信期間におけるレベル変化の繰り返し回数に応じて超音波振動子が放射する超音波の周波数帯域が決まるので、必要とされる周波数帯域に応じて上記の繰り返し回数を定める。図2では、繰り返し回数を1回としている。さらに制御信号fのハイレベルは、トランジスタQ2が十分にONできる電圧値VDである。制御信号fのローレベルは、グランドレベルVGである。グランドレベルVGは、零ボルトに相当する値である。制御信号fは、低インピーダンス出力でレベルシフタ9およびトランジスタQ2のゲート端子へ入力される。
レベルシフタ9は、制御信号fのレベルをシフトすることによって、制御信号eを生成する。制御信号eは、波形は制御信号fと同じであるが、電圧値が異なる。制御信号eのハイレベルは、トランジスタQ1のソース端子の電圧値を基準にトランジスタQ1のドレイン−ソース間が十分にONする電圧である。具体的には、トランジスタQ1のソース端子が電源P1が出力する電圧値VHになっているため、この電圧値VHを基準にトランジスタQ1のドレイン−ソース間が十分にONする電圧値VDが制御信号eのハイレベルとなる。制御信号eのローレベルは、電圧値VHと電圧値VDとの差に相当する電圧値となる。制御信号eは、トランジスタQ1のゲート端子へ入力される。
さて、初期状態として制御信号eおよび制御信号fがいずれもハイレベル状態にある時、トランジスタQ1はゲート−ソース間電圧値が零ボルトであるためにOFF状態であり、トランジスタQ2はON状態である。従って、トランジスタQ1,Q2のドレイン端子の電位、すなわち超音波振動子6に供給される送信信号gの電圧値は、グランドレベルVGになっている。
次に制御信号eおよび制御信号fがともにローレベルになると、トランジスタQ1がON状態、トランジスタQ2がOFF状態になる。このため送信信号gの電圧値は、電源P1の電圧値VHに変化する。この瞬間、超音波振動子6にパルス信号が印加され、ダイオードD3を通って瞬時電流Itpが流れる。この時、超音波振動子6は容量性で有るために電荷がチャージされて、超音波振動子6の両端の電圧は電圧値VHとなる。
次に再び制御信号eおよび制御信号fがともにハイレベル状態になると、トランジスタQ1がOFF状態、トランジスタQ2がON状態になる。このため、超音波振動子6にチャージされた電荷が、トランジスタQ2およびダイオードD5を通って放電される。この繰り返しで超音波振動子6から超音波が送波される。
受信期間においては、制御信号eおよび制御信号fは、ハイレベルまたはローレベルのいずれかに固定される。すなわち、図2ではレート期間T1ではローレベルに、レート期間T2ではハイレベルにそれぞれ固定される。
レート期間T1のように制御信号eおよび制御信号fがいずれもローレベルであるときには、前述のようにトランジスタQ1がON状態、トランジスタQ2がOFF状態になる。このため、超音波振動子6で発生された受信信号は、トランジスタQ1およびコンデンサCを通って信号Srpとして前置増幅器7に入力される。信号Srpの振幅は非常に小さく、ダイオードD3,D4の順電圧降下値以下であるため、ダイオードD3,D4のインピーダンスは高い状態である。従って、信号SrpはほとんどダイオードD3,D4を通過することはない。また抵抗器R3は、送信時にダイオードD3,D4の両端に発生する電荷を放電するためのものであるので、抵抗器R3の抵抗値を大きくすることができる。従って、信号Srpはほとんど抵抗器R3を通過することはない。これにより信号Srpは、ほとんどロスすることなく効率的に前置増幅器7に入力される。
レート期間T2のように制御信号eおよび制御信号fがいずれもハイレベルであるときには、前述のようにトランジスタQ1がOFF状態、トランジスタQ2がON状態になる。このため、超音波振動子6で発生された受信信号は、トランジスタQ2を通って信号Srnとして前置増幅器7に入力される。信号Srnの振幅は非常に小さく、ダイオードD5,D6の順電圧降下値以下であるため、ダイオードD5,D6のインピーダンスは高い状態である。従って、信号SrnはほとんどダイオードD5,D6を通過することはない。また抵抗器R4は、送信時にダイオードD5,D6の両端に発生する電荷を放電するためのものであるので、抵抗器R4の抵抗値を大きくすることができる。従って、信号Srnはほとんど抵抗器R4を通過することはない。これにより信号Srnは、ほとんどロスすることなく効率的に前置増幅器7に入力される。
信号Srpと信号Srnとは、1レート期間毎に交互に前置増幅器7へ入力される。従って、超音波振動子6が出力する受信信号が前置増幅器7に入力されることになる。前置増幅器7は、この受信信号を増幅した上で、装置本体101へ送信する。
装置本体101では、連続する2つのレート期間に関する受信信号を、各レート期間の開始タイミングを基準として時相を合わせて加算する。連続する2つのレート期間の一方の開始タイミングでは送信信号gが立ち下がり、他方の開始タイミングでは送信信号gが立ち上がるから、連続する2つのレート期間のそれぞれで超音波振動子6から放射される超音波は、位相が互いに逆となる。このため、上記の加算により、線形成分を相殺し、非線形受信信号のみを得ることができる。すなわち、パルスインバージョン法が実現される。
ところで、以上のような動作がなされるなかで、トランジスタQ1,Q2は必ずいずれか一方のみがON状態となる。このため、電圧VHがトランジスタQ1,Q2を介して前置増幅器7に流れ込むことはない。また、信号Srpのための経路中にはコンデンサCを配してあるため、この経路を介して電圧VHが前置増幅器7に流れ込むことはない。このため、前置増幅器7の入力に送信用の電圧値VHが加わることはなく、前置増幅器7は保護される。
そして、送信信号gの電流の一部がトランジスタD5,D6や抵抗器R4を介して流れることもないので、発熱も小さく抑えられる。なお、送信用の電流がダイオードD3や抵抗器R3を流れるが、それぞれの両端に発生する電圧値がダイオードD3,D4の順電圧降下値であるため、ダイオードD3や抵抗器R3で消費される電力は送信電力に対して非常に小さな値となる。従って、ダイオードD3や抵抗器R3での発熱は文段にならないほど小さい。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
バッファ8およびレベルシフタ9の機能を、装置本体101側に備えるようにしても良い。
抵抗器R3,R4に代えて、ダイオードD3,D4の両端またはダイオードD5,D6の両端に発生する電荷を放電する機能を持った、コイルなどの他の素子や、あるいは回路などを備えても良い。
バッファ8およびレベルシフタ9の機能を、装置本体101側に備えるようにしても良い。
抵抗器R3,R4に代えて、ダイオードD3,D4の両端またはダイオードD5,D6の両端に発生する電荷を放電する機能を持った、コイルなどの他の素子や、あるいは回路などを備えても良い。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
101…装置本体、103…超音波プローブ、1…レート信号生成部、6…超音波振動子、7…前置増幅器、8…バッファ、9…レベルシフタ、D3,D4,D5,D6…ダイオード、P1…電源、Q1,Q2…トランジスタ、R3,R4…抵抗器。
Claims (6)
- 第1および第2の端子を備え前記第1の端子と前記第2の端子との間に送信電圧が印加された際に超音波を放出するとともに、反射超音波を受けて受信電圧を前記第1の端子から出力する超音波振動子と、
電流通路の第1端が前記第1の端子に接続された第1導電型の第1のトランジスタと、
電流通路の第1端が前記第1の端子に接続された第2導電型の第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に入力端子が接続された増幅器と、
一端が前記第1のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が前記入力端子に接続されたコンデンサと、
一端が前記第1のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が前記送信電圧の電源線に接続され、前記受信電圧の通過を阻止し、かつ前記送信電圧を通過させる特性を持った第1の素子群と、
前記第1の素子群の両端に生じる電荷を放電する手段と、
一端が前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が接地され、前記受信電圧の通過を阻止し、かつ前記送信電圧を通過させる特性を持った第2の素子群と、
前記第2の素子群の両端に生じる電荷を放電する手段とを具備する超音波プローブと、
送信期間とこれに続く受信期間とを含む周期的なレート期間の開始タイミング毎に、第1の電圧から前記第1の電圧よりも高い第2の電圧への立ち上がりと前記第2の電圧から前記第1の電圧への立ち下がりとを繰り返すとともに、前記開始タイミングにて立ち下がった前記レート期間における前記受信期間には前記第2の電圧を維持し、前記開始タイミングにて立ち上がった前記レート期間における前記受信期間には前記第1の電圧を維持する信号を前記第1のトランジスタの制御端子に供給する第1の供給手段と、
前記レート期間の開始タイミング毎に、第3の電圧から前記第3の電圧よりも高い第4の電圧への立ち上がりと前記第4の電圧から前記第3の電圧への立ち下がりとを繰り返すとともに、前記開始タイミングにて立ち下がった前記レート期間における前記受信期間には前記第4の電圧を維持し、前記開始タイミングにて立ち上がった前記レート期間における前記受信期間には前記第3の電圧を維持する信号を前記第2のトランジスタの制御端子に供給する第2の供給手段とを具備したことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記第1の素子群または前記第2の素子群は、互いに逆極性に並列に接続された2つのダイオードを含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
- 前記第1のトランジスタはP型の電界効果トランジスタであり、
前記第2のトランジスタはN型の電界効果トランジスタであり、
さらに前記第1および前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第1端および第2端がそれぞれドレイン端子およびソース端子であることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記第1の供給手段は、前記第1の電圧を、前記送信電圧を基準として前記第1のトランジスタにおける前記電流通路が低インピーダンス状態となる電圧とし、前記第2の電圧を、前記送信電圧を基準として前記第1のトランジスタにおける前記電流通路が高インピーダンス状態となる電圧とした前記信号を供給することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
- 前記第2の供給手段は、前記第3の電圧を、前記グランド電位を基準として前記第2のトランジスタにおける前記電流通路が高インピーダンス状態となる電圧とし、前記第4の電圧を、前記グランド電位を基準として前記第2のトランジスタにおける前記電流通路が低インピーダンス状態となる電圧とした前記信号を供給することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
- 第1および第2の端子を備え前記第1の端子と前記第2の端子との間に送信電圧が印加された際に超音波を放出するとともに、反射超音波を受けて受信電圧を前記第1の端子から出力する超音波振動子と、
電流通路の第1端が前記第1の端子に接続された第1導電型の第1のトランジスタと、
電流通路の第1端が前記第1の端子に接続された第2導電型の第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に入力端子が接続された増幅器と、
一端が前記第1のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が前記入力端子に接続されたコンデンサと、
一端が前記第1のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が前記送信電圧の電源線に接続され、前記受信電圧の通過を阻止し、かつ前記送信電圧を通過させる特性を持った第1の素子群と、
前記第1の素子群の両端に生じる電荷を放電する手段と、
一端が前記第2のトランジスタにおける前記電流通路の第2端に接続されるとともに、他端が接地され、前記受信電圧の通過を阻止し、かつ前記送信電圧を通過させる特性を持った第2の素子群と、
前記第2の素子群の両端に生じる電荷を放電する手段とを具備したことを特徴とする超音波プローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004330726A JP2006136630A (ja) | 2004-11-15 | 2004-11-15 | 超音波診断装置および超音波プローブ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008067886A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | 超音波振動子駆動回路および超音波診断装置 |
JP2009297128A (ja) * | 2008-06-11 | 2009-12-24 | Hitachi Medical Corp | 超音波診断装置 |
-
2004
- 2004-11-15 JP JP2004330726A patent/JP2006136630A/ja not_active Withdrawn
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