JP2006133294A - 加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着部材に内包された輻射源からの輻射により定着部材の表面側を直接加熱する定着方式の定着装置において、十分な定着性を得るための加圧力を被定着材に加えることの出来る定着装置の提供。
【解決手段】輻射源6・7と、前記輻射源を内包し、少なくとも前記輻射源からの輻射を透過する輻射透過層4a・4bと、前記輻射透過層を透過した輻射を吸収して発熱する輻射吸収層4aとを有する多層構成の定着部材4と、前記定着部材とニップ部Nを形成する対向部材3と、を備え、未定着像Tを形成担持させた被定着材Sを前記ニップ部で挟持搬送しつつ加熱して被定着材上に未定着像を定着させる定着装置において、前記対向部材に対して前記定着部材を前記輻射透過層側から前記ニップ部に圧接せしめる加圧部材7を有する。
【選択図】図1
【解決手段】輻射源6・7と、前記輻射源を内包し、少なくとも前記輻射源からの輻射を透過する輻射透過層4a・4bと、前記輻射透過層を透過した輻射を吸収して発熱する輻射吸収層4aとを有する多層構成の定着部材4と、前記定着部材とニップ部Nを形成する対向部材3と、を備え、未定着像Tを形成担持させた被定着材Sを前記ニップ部で挟持搬送しつつ加熱して被定着材上に未定着像を定着させる定着装置において、前記対向部材に対して前記定着部材を前記輻射透過層側から前記ニップ部に圧接せしめる加圧部材7を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、電子写真方式・静電記録方式等のプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置において、被定着材上に転写式もしくは直接方式で形成担持させた加熱溶融性の未定着像を加熱定着させるための定着装置に関するものである。
従来、紙やOHPシート等の被定着材上に形成担持させた未定着トナー像を加熱定着させるための定着装置としては、一般的に図10に示すような熱ローラ定着装置70がある。この熱ローラ定着装置70は、定着ローラ71と加圧ローラ72とが圧接され、定着ローラ71は内部に配設されたヒータ73により加熱される。被定着材であるシートSは定着ローラ71と加圧ローラ72により形成されるニップNを通して搬送され、シートS上の未定着トナー像Tが加熱及び加圧されシートS上に定着される。
定着ローラ71は、アルミ等の熱伝導性の良好な金属からなる芯金71aと、シリコンゴムなどからなる弾性層71b、さらにその表面に設けられた離型層71cとからなる。また、加圧ローラ72も同様に金属製の芯金72a、弾性層72b、離型層72cとを有する。
この熱ローラ定着装置71は、金属芯金のローラ同士を圧接させることから、シートSに大きな加圧力を与えることが出来るという利点があるけれども、一方で、内部のヒータ73により芯金71aや弾性層71bを介して定着ローラ71の表面を加熱する必要があるため、電源をONしてから定着ローラ71表面を定着に必要な所定の温度まで昇温させるのに数分掛かってしまうという問題点があった。また、印字待機中であっても、印字信号(印字スタート信号)が来てすぐに印字を開始するためには常に定着ローラ71を加熱しておかねばならず、必要以上に電力を消費させてしまうという問題点もあった。
これら問題点を克服すべく、図11に示すような定着ローラ81も考案されている(特許文献1参照)。この定着ローラ81は金属芯金の代わりに、赤外線の透過率の良好な耐熱ガラスや耐熱プラスチック製の円筒体81aを用い、円筒体81aの外周面にカーボンブラックなどからなる赤外線を吸収して発熱する被覆層81bと、離型層81cとを積層具備させたものであり、定着ローラ81に内包されたヒータ83からの輻射により定着ローラ81の表面側を直接加熱することにより、所定の定着温度までの立ち上げ時間を短縮することを目的としたものである。
特開平6−258975号公報(第4頁、図1)
しかしながら、上記従来例のような表面加熱式の定着ローラ81では、ローラの芯となる円筒体81aを耐熱ガラスや耐熱プラスチックといった透明材料で製作する必要があり、十分な耐熱性の確保や、十分な定着性を得るための圧接力に耐えられる強度の確保も難しい。また、円筒体81a自身の熱容量も大きいため、立ち上げ時間の大幅な短縮も困難である。
そこで、本発明の目的は、定着部材に内包された輻射源からの輻射により定着部材の表面側を直接加熱する定着方式の定着装置において、十分な定着性を得るための加圧力を被定着材に加えることの出来る定着装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、立ち上げ時間の短縮と、消費電力の低減との両立が出来る定着装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る代表的な定着装置の構成は、輻射源と、前記輻射源を内包し、少なくとも前記輻射源からの輻射を透過する輻射透過層と、前記輻射透過層を透過した輻射を吸収して発熱する輻射吸収層とを有する多層構成の定着部材と、前記定着部材とニップ部を形成する対向部材と、を備え、未定着像を形成担持させた被定着材を前記ニップ部で挟持搬送しつつ加熱して被定着材上に未定着像を定着させる定着装置において、前記対向部材に対して前記定着部材を前記輻射透過層側から前記ニップ部に圧接せしめる加圧部材を有することを特徴とする定着装置、である。
本発明によれば、加圧部材によって定着部材を介して被定着材に十分な定着性を得るための加圧力を加えることが出来る。
また、本発明によれば、立ち上げ時間の短縮と、消費電力の低減との両立が出来る。
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
(1)画像形成装置例
図9は本発明に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例の概略模型図である。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。
図9は本発明に係る定着装置を搭載した画像形成装置の一例の概略模型図である。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用のレーザープリンタである。
101は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)である。矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
102は帯電手段としての接触帯電ローラである。回転する感光ドラム101の外周面を所定の極性・電位に一様に帯電処理する。
103は露光手段としてのレーザースキャナである。画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調したレーザー光を出力して、回転する感光ドラム101の一様帯電処理面を走査露光Lする。これにより感光ドラム面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
104は現像装置である。感光ドラム面の静電潜像をトナー像として反転現像または正規現像する。
105は転写手段としての転写ローラである。感光ドラム101に対して所定の押圧力で接触して転写ニップ部Tを形成している。この転写ニップ部Tに不図示の給送機構部から被定着材として紙、OHPシート等の記録材(以下、シートと記す)Sが所定の制御タイミングにて給送されて転写ニップ部Tを挟持搬送されていく。また転写ローラ105には所定の制御タイミングで所定の転写バイアスが印加される。これにより、転写ニップ部Tを挟持搬送されるシートSの面に感光ドラム101面側のトナー像が順次に静電転写される。
転写ニップ部Tを出たシートSは感光ドラム101面から分離されて定着装置1に導入される。定着装置1は導入されたシートS上の未定着トナー像を永久固着画像として加熱・加圧定着する。そしてシートSは排出搬送される。
106は感光ドラムクリーニング器であり、記録材分離後の感光ドラム上の転写残トナーを除去する。転写残トナーが除去されて清浄面化された感光ドラム面は繰り返して作像に供される。
aはシートSの搬送方向である。本実施例の画像形成装置において、シートSの給送・搬送はシート中心を搬送基準とする中央通紙基準でなされる。
(2)定着装置1
図1は定着装置の一例の縦断面図、図2は同装置の正面図、図3は同装置の横断面図である。
図1は定着装置の一例の縦断面図、図2は同装置の正面図、図3は同装置の横断面図である。
本実施例の定着装置1は、互い圧接させて定着ニップ部(以下、ニップ部と記す)Nを形成させた定着部材としてのエンドレス状の定着ベルト4と、対向部材としての弾性加圧ローラ(以下、加圧ローラと記す)3と、を有し、定着ベルト4が内包する輻射源としてのハロゲンランプ5・6によって定着ベルト4の表面側を直接加熱し、未定着トナー像(未定着像)tを担持したシートSをニップ部Nによって挟持搬送しつつ加熱および加圧することにより未定着トナー像tをシートS上に定着させる輻射加熱方式の定着装置である。
以下の説明において、幅方向とはシートSの平面においてシート搬送方向aに直交するシート幅方向をいう。また幅方向は、ハロゲンランプ5・6、後述の上側・下側ガイド部材10・8の長手方向でもある。
2は定着ベルトユニットであり、内径34mmの薄肉の無端ベルトである定着ベルト4と、輻射源としてのハロゲンランプ5および6と、加圧部材7などからなる。ハロゲンランプ5および6と加圧部材7は定着ベルト4の内空部に挿入されている。加圧部材7は上・下ガイド部材10・8を有し、そして下ガイド部材8に摺動部材9を設け、上ガイド部材10にパッド部材11を設けて、これらの部材9・11により定着ベルト4を走行案内させるようにしてある。ハロゲンランプ5および6は加圧部材7の長手方向両端部に設けたハロゲンランプ保持部材12a・12bによって保持されている。そして加圧部材7の長手方向両端部がユニットホルダ(不図示)によって支持されている。
定着ベルト4は、図1に示すように、輻射透過層としての基層4aおよび中間層4bと、輻射吸収層としての表層4cとを有する多層構成となっている。基層4aは厚み50μmの透明なポリイミドフィルムである。中間層4bは厚み200μmの透明なLVTシリコーンゴム層である。表層4cはFEPのフッ素樹脂中に、輻射吸収性を有する平均粒径が0.1μm以下のカーボン粒子を分散したコート剤を用いて20μm厚程度の黒色コート層として形成してある。
ここで、基層4aはポリイミドフィルムに限定されるものではなく、高強度で耐熱性と耐磨耗性とを有し、輻射透過性の良好な材料であれば使用することが出来る。例えばポリアミド樹脂等でも代用できる。基層4aの厚みは10〜500μmの範囲であることが好ましい。また、中間層4bは、耐熱性と良好な輻射透過性を有する弾性体であれば良く、LVTシリコーンゴムに限られない。厚みは50〜1000μmの範囲が好ましい。そして、表層4cは、トナー離型性と輻射吸収性とを兼ね備えたものであることが好ましく、上記材料に限られるものではない。例えばPFA、PTFE、ETFEなどのフッ素樹脂を用いることが出来る。フッ素樹脂中に分散させるカーボン粒子もこれに限定されることなく、輻射吸収性を有する材料であればいずれのものも用いることが出来る。表層4cの形態もコートに限られるものではなく、薄肉の熱収縮チューブなどを用いることも出来る。厚みは10〜100μmの範囲であることが好ましい。
加圧ローラ3は、定着ベルト4と対向して配置され、その長手方向両端部がローラホルダー(不図示)に回転可能に支持されている。この加圧ローラ3は、鉄製の芯金3cに、シリコーンゴムからなる弾性層3bと、表層3aとして厚み50μmのPFAチューブを積層して、外径約25mmになるように構成される。
上記の定着ベルトユニット2は、加圧ローラ3に対して、加圧力約300Nで圧接されている。この圧接力により加圧ローラ3の弾性層3bを弾性変形させ、定着ベルト4との間に所定幅のニップ部Nが形成される。加圧ローラ3に対する定着ベルトユニット2の圧接は、加圧部材7の長手方向両端部をバネ等の付勢手段13a・13bにより付勢することにより行なわれている。
加圧部材7は、高い剛性を得るために、鉄鋼を熱間圧延によりI型(H型)断面に成形したものであり、上下に平行部としての水平部7aおよび7cを有し、この水平部7aおよび7cのシート搬送方向の略中央部で水平部7aおよび7cを垂直部7bで繋いだような形態となっている。
加圧部材7のニップN側の水平部分7aには、下側ガイド部材8および摺動部材9が取り付けられている。水平部7aは、付勢手段13a・13bからの付勢力によって下側ガイド部材8と摺動部材9を定着ベルト4の内面(基層4aの内面)に圧接させることにより、定着ベルト4をニップ部Nに圧接させている。下側ガイド部材8はLCPなどの耐熱樹脂による成形品であり、定着ベルト4が安定して回転(走行)できるように定着ベルト4の内面をガイドするガイド面8a・8aの面形状を円弧形状としている。摺動部材9は下側ガイド部材8のガイド面8a・8a間の凹部に嵌合させて取り付けてあり、定着ベルト内面に摺動させるために摩擦係数の低い部材を用いて構成される。本実施例では、厚み約1mmのセラミック板の表面にガラスコーティングを施したものを用いている。摺動部材9は、その表面に圧接された定着ベルト4がスムーズに摺動できることが必要であり、耐磨耗性と耐熱性とを備え、良好な摺動性を有する材料であればこれに代用することが出来る。
加圧部材7の上部の水平部7cには、下側ガイド部材8と同様に定着ベルト4をガイドする上側ガイド部材10が備えられている。また、この上側ガイド部材10には、定着ベルト4の内面に接触しうる位置に耐熱性の繊維質のパッド部材(以下、パッドと記す)11が備えられている。このパッド11には耐熱性を有する潤滑剤としてシリコンオイルが含浸されている。この潤滑剤は定着ベルト4の内面と摺動部材9との摺動摩擦を低減させ、定着ベルト4のスムーズな回転を補助するものである。この潤滑剤もシリコンオイルに限られるものではなく、各種の耐熱性潤滑剤が使用可能である。フッ素系のグリスなどその粘性が高いものを用いれば、流れ出すことなく定着ベルト4の内面に留まるため、含浸のためのパッド11も不要とすることが出来る。
輻射源であるハロゲンランプ5および6は、それぞれ加圧部材7の垂直部7bの両サイドに分かれて、加圧部材7や定着ベルト4に接触しないような位置に配置されている。図4はハロゲンランプ5および6を並べて表した模式図である。ハロゲンランプ5および6は、長手方向における輻射領域5a、6aがそれぞれ異なる設定になっている。本実施例では、ハロゲンランプ5は、輻射領域5aがA4サイズのシートSの短辺より少し長く設定され、その外側には輻射領域を設けてない。一方、ハロゲンランプ6は、輻射領域6bをA4サイズのシートSの短辺より少し内側から最大搬送可能サイズであるA3サイズのシートSの短辺の少し外側までをカバーするように設定してある。
このように2本のハロゲンランプ5および6の輻射領域を長手方向で変えることにより、最大サイズであるA3サイズのシートを縦送り(またはA4横送り)搬送する場合にはハロゲンランプ5、6を同時に点灯させ、これよりも小さなサイズの中で使用頻度の大きいA4サイズのシートを縦送り(またはA5横送り)搬送する場合にはハロゲンランプ5のみを点灯させるといった、輻射域の制御を行なうことが出来る。
(3)定着装置1の未定着トナー像定着処理動作
次に、上記のような構成を有する本実施例の定着装置1にて、未定着のトナー像が形成されたシートを実際に定着する場合の動作について順を追って説明する。
次に、上記のような構成を有する本実施例の定着装置1にて、未定着のトナー像が形成されたシートを実際に定着する場合の動作について順を追って説明する。
定着装置1は、シートSが定着装置1に到達する前にあらかじめ定着可能な状態になっている必要がある。このため、シートS到達より前に定着ベルト4の加熱が開始される。画像形成装置のオペレータ操作部(不図示)で例えばA3サイズのシートSが選択された場合、或いは給紙機構部から搬送されたA3サイズのシートSをサイズ検知センサ(不図示)が検知した場合に、その選択信号、或いは検知信号を制御回路50(図2)に取り込む。制御回路50はその信号に基づいてハロゲンランプ駆動電源51をONしてハロゲンランプ5および6を同時に点灯させる。ハロゲンランプ5および6の点灯による輻射により定着ベルト4の表面がA3サイズ紙通紙幅全域において加熱される。
この輻射による定着ベルト4の加熱のメカニズムは以下のようである。ハロゲンランプ5および6からの輻射は、定着ベルト4の透明なポリイミドフィルムの基層4aと、透明なLVTシリコーンゴムの中間層4bとに吸収されること無くそのほとんどが透過して表層4cに達する。表層4cでは、透過してきた輻射のほとんどがこの輻射吸収性を有する黒色コート層に吸収され、表層4c自体が発熱する。つまり、シートSを定着する際にトナー面に直接触れる表層部分を、輻射により直接的に加熱することが出来るのである。また、基層4a、中間層4bも極薄く形成されているため、定着ベルト4全体の熱容量も小さくなっており、急速な加熱も可能としている。
この定着ベルト4の加熱開始と同期して、モーター等の駆動手段Mにより加圧ローラ3が反時計回りに駆動され、定着ベルト4はこれに従動して摺動部材9と摺動しつつ時計回りに回転する(加圧ローラ駆動方式)。
この回転により、定着ベルト4は円周方向にムラ無く加熱される。また、この加熱された定着ベルト4と接触する加圧ローラ3も伝熱により表面側から昇温していく。
定着ベルト4の外側には、ベルト外周面から一定の距離を隔てた位置に非接触式のサーミスタ14が備えられており、定着ベルト4の表面温度を逐次検出している。定着ベルト4の表面温度が所定の温度に達したところで、未定着トナー像Tが表面に形成されたシートSがニップNへと導かれる。定着ベルト4は加圧ローラ3に対して加圧部材7により定着ベルト内面側からニップ部Nに圧接されているため、シートSはニップN部通過中に十分に加熱、加圧される。これにより、トナー像Tが溶融してシートS面にアンカーリングされ、定着処理が完了する。
本実施例の定着装置1によれば、薄肉定着ベルト4を加圧部材7のニップ部N側の水平部7aで下側ガイド部材8および摺動部材9を介してニップ部Nに圧接するため、十分な定着性を得るための加圧力をニップ部通過中のシートSに加えることが出来、立ち上げ時間の短縮と良好な定着性とを両立出来る。また、ハロゲンランプ5および6をシート搬送方向aにおいて加圧部材7の垂直部7b両側の小さなスペースにバランス良く配置できるため装置の小型化が可能となる。
また、未定着トナー像Tが、シアン、イエロー、マゼンダ、ブラックの4色トナーから成るカラー像であった場合、各色トナーの積み重なりによりトナー面の凹凸が大きくなって、一般的には均一な定着性が得にくくなるが、定着ベルト4には弾性体から成る中間層4bを有するため、凹凸の大きいトナー面へも良好に追従して包み込むように接触、加熱出来るため、良好な定着性を得ることが出来る。
また、この一連の定着過程で、シートSがニップ部Nを通過している間は、このニップ部Nから常に定着ベルト4の熱が奪われていくけれども、本実施例の定着装置1では、急速にかつ効率良く定着ベルト4を加熱することができるため、定着中にも随時定着に必要な熱が供給されていく。そのため、複数枚のシートを連続で定着するような場合にも1枚ごとの定着ベルト4の温度低下を最小限にすることができるようになり、シートの間隔を詰めて高速の連続定着が可能となる。
また、搬送可能な最大幅のシートより小さな幅のシートについて未定着トナー像を定着する場合には、ハロゲンランプ5のみを点灯することにより、定着ベルト4の幅方向中央付近のみを加熱することが出来るため効率がよい。また、連続して小さな幅のシートについて未定着トナー像を定着する場合にも、定着ベルト4の幅方向両端部の非搬送領域(非通紙領域)がシートに熱を奪われないために過昇温してしまうといった問題の発生も防ぐことが出来る。
また、加圧部材7に具備させた下側ガイド部材8に、定着ベルト内面と摺動せしめるための摩擦係数の低い摺動部材9を取り付けたので、定着ベルト4と加圧部材7とが良好に摺動でき、定着ベルト4の回転が妨げられることがない。
また、加圧部材7に設けた下側ガイド部材8のガイド面8aによって定着ベルト内面をガイドするため、定着ベルト4の走行挙動を規制できて安定したベルト走行を実現出来る。
また、加圧部材7に設けた上側ガイド部材10に具備させたパッド11によって定着ベルト内面に耐熱性潤滑材を供給するため、低トルクで安定したベルト走行を実現出来る。
図5に本実施例の定着装置を示す。
尚、以下の実施例2〜5に示す定着装置においては、実施例1の定着装置と共通する部材・部分については同符号を付して説明を省略する。
図5の定着装置15は、定着ベルトユニット2の加圧部材7においてハロゲンランプ5および6からの輻射を受ける表面に反射面処理を施したものである。本実施例では、上記の加圧部材7の表面に、ハロゲンランプ5および6からの輻射を反射するための反射材16を貼り付けている。反射材16は、薄いアルミシートの片面に耐熱性の粘着剤を施したものであり、ハロゲンランプ5および6からの輻射を直接受ける加圧部材7の水平部7aの上面、垂直部7bの両側面、水平部7cの下面をそれぞれ覆うように粘着剤で貼り付けてある。
反射材16はアルミシートに限られるものでなく、各種の反射素材のシートや、反射塗装なども用いることができ、または、加圧部材7の表面を研磨するなどの光沢処理を直接施すことでも代用できる。
このように、加圧部材7に反射材16を貼り付けてハロゲンランプ5および6からの輻射を反射させるようにすることによって、輻射をより多く定着ベルト4へと向けることが出来、また、加圧部材7自身の輻射吸収による発熱も抑えることが出来るため、より効率良く定着ベルト4を加熱することができる。
尚、以下で説明する各実施例においても、同様に加圧部材表面に反射手段を設けることによって定着ベルト4の加熱効率を上げることが可能である。
図6に本実施例の定着装置を示す。
図6の定着装置20は、定着ベルトユニット2の加圧部材22の断面形状を水平部22a、垂直部22bとからなるT字形状とした。第1の実施例のI型(H型)断面形状の加圧部材7よりも強度は少し落ちるものの、ハロゲンランプ5および6によって定着ベルト4が直接照射される範囲が増えるため、より加熱速度を上げることが可能となる。
図7に本実施例の定着装置を示す。
図7の定着装置30は、定着ベルトユニット2の加圧部材32を複数の板金部品を結合することによって構成したものである。加圧部材32は、厚さ約1.6mmの鋼板をコの字型に折り曲げた部材33と部材34を背中合わせに結合させて断面形状をI字(H字)形状にしたものである。このように複数の板金部品を用いることにより、専用部品として熱間圧延加工により成形するI型(H型)やT字型断面の鋼材を用いるのに対し、同様な強度を得ながら、より部品コストを下げることが出来る。
この板金部品は、曲げ形状やその材質も上記に限られるものではなく、様々な形状の部品、アルミニウムや銅などの材質も用いることが可能である。板金部品同士の結合も、溶接や、ネジ止め、リベット、または単純な嵌め込みなど各種の結合手段を用いることが出来る。
図8に本実施例の定着装置を示す。
図8の定着装置40は、定着ベルトユニット2の加圧部材42にアルミニウムの押出し成形材を用いたものである。アルミニウムは材料自体の強度は落ちるものの、比較的自由な断面形状を得ることが出来るため、本発明に係る定着装置として必要な外形形状と強度を得るための断面形状とを両立することが出来る。
加圧部材42の側面部42aおよび42bは、ハロゲンランプ5および6からの輻射を良好に反射できるような曲面形状となっている。ニップ部Nに近接する底面部42cは、フラットな摺動部42c1と定着ベルト4をガイドする円弧部42c2とを一体に有する形状に成形加工してある。この底面部42cには、摺動部材としてガラス繊維からなる摺動シート43が貼り付けられており、摺動シート44は潤滑剤を含浸する作用もあるため、定着ベルト4の良好な回転を助けるものとなっている。加圧部材42の上面部42dも、定着ベルト4の形状に合わせた曲面形状とし、補助的なガイドとしてある。上面部42dには必要に応じてパッド部材11を設けてもよい。
尚、加圧部材42の材質はアルミニウムに限ったものではなく、ある程度自在に断面形状を成形できるものであれば他の材料も用いることが出来る。
以上説明したように、実施例1の定着装置1によれば、ハロゲンランプ5および6からの輻射により定着ベルト4の表面を直接加熱する輻射加熱方式の定着装置でも、I型(H型)断面の加圧部材7を用いることにより、2本のハロゲンランプ5および6を小さなスペースに効率良く配置することができ、加圧部材7の高剛性化と定着ベルトユニット2の小型化を両立することが出来る。
また、実施例2の定着装置15によれば、加圧部材7表面に反射手段として反射材16を設けることによって定着ベルト4の加熱効率を上げることが出来る。
また、実施例3の定着装置20によれば、加圧部材7の断面形状をT字型にすることにより、ハロゲンランプ5および6による定着ベルト4への照射範囲を広げることができ、加熱効率を上げることが出来る。
また、実施例4の定着装置30によれば、板金部品33および34を組み合わせて加圧部材32を構成することにより、加圧部材32のコストを下げることが出来る。
また、実施例5の定着装置40によれば、押出し成形で加圧部材42の断面を自在に形成することにより、加圧部材42に必要な強度と、定着ベルト4のガイド機能や反射機能とを兼ね備えることが出来、より簡易な装置構成を実現できる。
[その他]
1)定着装置の装置構成は、実施例1乃至5の各実施例の加圧ローラ駆動方式に限られるものではない。例えば、加圧部材と駆動ローラとテンションローラとに定着ベルトを巻回張設し、加圧部材に設けた下側ガイド部材および摺動部材もしくは摺動シートと対向部材としての加圧ローラとにより定着ベルトを挟ませて圧接させてニップ部を形成させ、定着ベルトを駆動ローラによって回転駆動させる装置構成にすることもできる。この場合、加圧ローラは従動回転ローラである。
1)定着装置の装置構成は、実施例1乃至5の各実施例の加圧ローラ駆動方式に限られるものではない。例えば、加圧部材と駆動ローラとテンションローラとに定着ベルトを巻回張設し、加圧部材に設けた下側ガイド部材および摺動部材もしくは摺動シートと対向部材としての加圧ローラとにより定着ベルトを挟ませて圧接させてニップ部を形成させ、定着ベルトを駆動ローラによって回転駆動させる装置構成にすることもできる。この場合、加圧ローラは従動回転ローラである。
2)実施例の装置はシートの搬送を中央通紙基準で行なう装置構成であるけれども、片側通紙基準の装置構成にも本発明は有効に適用することができる。この場合、ハロゲンランプ6は長手方向の片側端部に輻射領域を形成具備させる構成とされる。
1‥‥定着装置、2‥‥定着ベルトユニット、3‥‥加圧ローラ、4‥‥定着ベルト、
5、6‥‥ハロゲンランプ、7‥‥加圧部材、8‥‥下側ガイド部材、9‥‥摺動部材、
10‥‥上側ガイド部材、11‥‥パッド部材、N‥‥ニップ部、S‥‥シート
5、6‥‥ハロゲンランプ、7‥‥加圧部材、8‥‥下側ガイド部材、9‥‥摺動部材、
10‥‥上側ガイド部材、11‥‥パッド部材、N‥‥ニップ部、S‥‥シート
Claims (10)
- 輻射源と、前記輻射源を内包し、少なくとも前記輻射源からの輻射を透過する輻射透過層と、前記輻射透過層を透過した輻射を吸収して発熱する輻射吸収層とを有する多層構成の定着部材と、前記定着部材とニップ部を形成する対向部材と、を備え、未定着像を形成担持させた被定着材を前記ニップ部で挟持搬送しつつ加熱して被定着材上に未定着像を定着させる定着装置において、
前記対向部材に対して前記定着部材を前記輻射透過層側から前記ニップ部に圧接せしめる加圧部材を有することを特徴とする定着装置。 - 前記加圧部材は、少なくとも前記ニップ部近傍で前記被定着材搬送方向と略平行に配置される平行部と、前記平行部の前記被定着材搬送方向の略中央部で前記平行部と接続する垂直部と、を有し、前記輻射源は、前記垂直部の前記被定着材搬送方向の両側面側に分配して複数配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記加圧部材の平行部に、前記定着部材の輻射透過層と摺動せしめるための摩擦係数の低い摺動部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記加圧部材の平行部に、前記定着部材の走行をガイドするガイド部材を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
- 前記加圧部材は、前記垂直部を挟んで前記平行部と対向する部分に、前記定着部材の輻射透過層と接触するパッド部材を設け、前記パッド部材に耐熱性潤滑剤を含浸させ、前記輻射透過層に前記耐熱性潤滑剤を供給することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の定着装置。
- 前記加圧部材の垂直部の両側面は、前記輻射源からの輻射を前記定着部材の輻射透過層に向けて反射しうる反射面処理がなされていることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の定着装置。
- 前記加圧部材の、前記輻射源により輻射を受ける面は、前記定着部材の輻射透過層に向けて反射できるように曲面形状を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の定着装置。
- 前記加圧部材は、金属による一体成形品であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加圧部材は、複数の板金部材を結合させて形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置。
- 前記複数の輻射源は、前記被定着材の搬送方向と直交する幅方向における輻射領域もしくは輻射強度の設定が異なる複数種類の輻射源からなり、前記被定着材の搬送方向と直交する幅方向のサイズに応じて前記各輻射源の輻射制御を行なうことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の定着装置。
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- 2004-11-02 JP JP2004319248A patent/JP2006133294A/ja active Pending
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