JP2006132245A - 構造体の繊維強化構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】有端構造に対して強化繊維の利点を活用して剥離抵抗を増大させること。
【解決手段】剛性構造体(1)に多層繊維補強体(2)が接合する構造として提供されている。多層繊維補強体(2)の端部(3)は剥離強化構造として与えられる。剥離強化構造は、端部(3)と多層繊維補強体(2)の間で剥離方向に抵抗が特別に強化されている。端部(3)の剥離抵抗は、多層繊維補強体(2)の中央寄りの剥離抵抗より強い構造として与えられている。剥離に対する端部の補強は、全体の補強を促進し、簡素な補強処理で全体を顕著に強力に補強する。端部補強により、有端構造の補強を簡素に可能にする。
【選択図】 図1
【解決手段】剛性構造体(1)に多層繊維補強体(2)が接合する構造として提供されている。多層繊維補強体(2)の端部(3)は剥離強化構造として与えられる。剥離強化構造は、端部(3)と多層繊維補強体(2)の間で剥離方向に抵抗が特別に強化されている。端部(3)の剥離抵抗は、多層繊維補強体(2)の中央寄りの剥離抵抗より強い構造として与えられている。剥離に対する端部の補強は、全体の補強を促進し、簡素な補強処理で全体を顕著に強力に補強する。端部補強により、有端構造の補強を簡素に可能にする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、構造体の繊維強化構造に関し、特に、鋼材で製作されている構造体を繊維で補強する構造体の繊維強化構造に関する。
鋼製構造の各部位には、多様な外力が作用する。鋼製構造の疲労破壊の研究は高度に発達している。構造強化のために鋼材の肉厚を増大することは、鋼材コストの大幅な上昇を招き、更に、点検保守のコストを増大させる。鋼材量の増大は、橋梁のように軽量化が求められる構造に対して回避されることが求められる。鋼管、鋼板の強化のために優れた技術として、強化樹脂繊維(FRP)との多層的組合せが知られている。強化樹脂繊維は、強度強化のためだけでなく、腐食抑制のための構造材料としても優れている。
強度強化と腐食抑制のために強化樹脂繊維を利用する技術として、特許文献1が知られている。それの従来の技術で紹介されている技術では、鋼管にテープを巻き付けることが開示されている。テープの巻付け作業は海中のような特殊環境では困難であるが、テープの巻付けは腐食抑制の点で優れている。同文献は、強度補強のために鋼管面を概ね囲み込む円筒状樹脂層を開示している。
鋼管に螺旋状に多層的に重合する強化樹脂繊維の多層構造が強度強化の点で優れていることは、一般的に既知である。多層膜、特に、面内方向に延びる繊維強化層は、面内方向の強度に優れている。鋼管と鋼管面に多層化される構造の鋼管は、円周方向にかかる張力に強い強化繊維層で縛られているので、多重化構造の利点が十分に活かされている。更に、鋼管面と繊維層との間の剥離力が強く働かず、特殊環境(例示:鋼管の曲がり環境)で仮に剥離力が強く場合にも、鋼管面と繊維層との間の剥離方向の相対的変位が微小であり、剥離現象が生じにくい。
構造物体に強化繊維を巻き付ける強化方法は、鋼管に限られず多様な材料の構造に対して一般化されつつある。コンクリート製柱は、耐震性向上のために一般化されつつある。コンクリートに巻き付けられる強化繊維補強構造は、引張力が強い繊維が周方向の拘束力を高めるので、せん断強度が増大して耐震性が向上する。剛製橋脚又は水圧鉄管は、剛性・強度の向上のために一般化されつつある。有端繊維強化構造では、端部から中央部位に荷重が徐々に伝達され、各部位の変位の積算により端部に大きな剥離力が作用するので、有端繊維強化構造には、円周方向拘束力が存在する環状の無端構造の繊維強化利益を享受することができない。
課題として、鋼管ではなく鋼板のように端が存在する多層構造の繊維強化樹脂層の対向面どうしの剥離を克服することが困難であることが残存している。環のような無端構造でなく有端構造に対して強化繊維の利点を活用することが求められる。
本発明の課題は、有端構造に対して強化繊維の利点を活用して剥離抵抗を増大させる構造体の繊維強化構造を提供することにある。
本発明による構造体の繊維強化構造は、剛性構造体(1)に多層繊維補強体(2)が接合する構造として提供されている。多層繊維補強体(2)の端部(3)は剥離強化構造として与えられる。剥離強化構造は、端部(3)と多層繊維補強体(2)の間で剥離方向に抵抗が特別に強化されている。端部(3)の剥離抵抗は、多層繊維補強体(2)の中央寄りの剥離抵抗より強い構造として与えられている。剥離に対する端部の補強は、全体の補強を促進し、簡素な補強処理で全体を顕著に強力に補強する。端部補強により、有端構造の補強を簡素に可能にする。
剥離強化構造は、多層繊維補強体(2)の複数層の端部の段差構造として与えられる。その段差構造では、剛性構造体(1)に遠い層の端面が剛性構造体に近い層の端面より剛性構造体の中央寄りに偏寄している。段差のような簡素な処理により、剥離抵抗の増強が顕著である。
複数層のいずれかは多層構造を有し、多層構造の複数層には段差構造は与えられていない。各層を強化しながら全体的に段差を与えることにより、層自体の剛性強度の増大と剥離抵抗の増大が同時的に実現される。
剥離強化構造は、剛性構造体(1)に法線方向成分を有して立ち上がるリブ(4)として提供される。端部(3)はリブ(4)の法線方向成分を有して延びる側面に接合している。端部が本体部分に対して曲がっていて、端部に及ぶ剥離力が低減し、全体の剥離抵抗が増大する。
剥離強化構造は、端部(3)に貫通孔(10)が開けられている構造として与えられている。貫通孔を開けるだけで、繊維の方向分散により、剥離抵抗が増大する。簡素な処理で効果が大きい。
繊維が貫通孔(10)により切断されていないことは重要である。
貫通孔(10)にはピン(7)が挿入されている。繊維の方向分散性が、より効果的に保持される。
剥離強化構造は、剛性構造体(1)に法線方向成分を有して立ち上がるリブ(4)と、リブ(4)の側面と剛性構造体(1)の接合面に接合する曲がり金具(12)とで提供されている。端部(3)は曲がり金具(12)のうち接合面に接合する面内方向部位(13)に接合している。剥離強化構造には、面内方向接合部位(13)に開けられている孔と端部(3)に開けられている孔に通るピン(7)と、ピン(7)にねじ込まれるナット(9)とが更に追加される。端部(3)は面内方向部位(13)とナット(9)との間に強く挟まれている。機械的拘束力が追加され、剥離抵抗が更に増大する。
剥離強化構造は、剛性構造体(1)に法線方向成分を有して立ち上がるリブ(4)を備えている。端部は、リブ(4)の側面に接合している。剥離強化構造は、リブ(4)に剛性構造体(1)の接合面に平行に開けられている孔と端部に開けられている孔(10)に通されるピン(7)と、ピン(7)にねじ込まれるナット(15)とが更に追加されている。端部(3)はリブ(4)とナット(15)との間に強く挟まれている。より強化された機械的拘束力により、剥離抵抗が顕著に増大する。
剥離強化構造は、剛性構造体(1)に法線方向成分を有して立ち上がるリブ(4)と、リブ(4)と剛性構造体(1)に接合する金具(17)の組合せとして提供される。金具(17)は上方部位と下方部位を形成している。端部(3)は上方部位と下方部位に強く挟まれ、金具はリブ(4)に向かって引張されている。端部の剥離方向力に逆らう張力を積極的に与えることにより、剥離抵抗が実質的に顕著に増大する。
剛性構造体(1)は平らでり、又は、円筒面形状に曲がっていることが可能である。
本発明による構造体の繊維強化構造は、有端構造の端部で特別に剥離抵抗を強化することにより、強化層の全体を強化することができる。簡素な強化処理により、強化構造が顕著に強化される。
本発明による構造体の繊維強化構造の実施の最良の形態又は好ましい形態は、図に対応して、詳細に記述される。本発明の端部補強は、多様な形態で実施され得る。端部の数は、最小で1である。その数は、円板では1であり、テープ状(矩形状)では2〜4であり、十字形では最大で12である。
段差補強:
図1は、本発明による構造体の繊維強化構造の実施の好ましい形態を示している。本形態の端部補強は、段差補強として示されている。剛性構造体1は、補強構造2により補強される。剛性構造体1は、鉄板、鋼板、鋼管の一部、コンクリート柱の一部のように剛性と強度とが重視され許容範囲内で曲がりが必要である構造物体である。剛性構造体1は、主として単一層で剛性化されている。補強構造2は、原則的には多層で剛性強化されている。補強構造2の複数の層は、繊維強化樹脂層として提供されている。繊維強化樹脂層としては、炭素繊維強化樹脂層(CRFP)が特に好適に用いられる。補強構造2は、端部3を有している。図は、繊維が主として延びる方向に互いに離隔して位置する2つの端部のうちの1つの端部を示している。補強構造2の層数は、5が例示されている。第2層の端部面は、第1層の端部面に概ね一致している。第3層の端部面は、第2層の一方側端部面より補強構造2の中央寄り(反端部寄り、又は、他方側端部面より)に偏寄している。第4層の一方側端部面は、第3層の一方側端部面より補強構造2の中央寄りに偏寄している。第5層の一方側端部面は、第4層の一方側端部面より補強構造2の中央寄りに偏寄している。第1層〜第5層の各層は、それぞれに更に多層化され得る。第0層を第1層と剛性構造体1との間に介設することは有意義である。第0層は、ガラス繊維強化樹脂層が好適に用いられる。
図1は、本発明による構造体の繊維強化構造の実施の好ましい形態を示している。本形態の端部補強は、段差補強として示されている。剛性構造体1は、補強構造2により補強される。剛性構造体1は、鉄板、鋼板、鋼管の一部、コンクリート柱の一部のように剛性と強度とが重視され許容範囲内で曲がりが必要である構造物体である。剛性構造体1は、主として単一層で剛性化されている。補強構造2は、原則的には多層で剛性強化されている。補強構造2の複数の層は、繊維強化樹脂層として提供されている。繊維強化樹脂層としては、炭素繊維強化樹脂層(CRFP)が特に好適に用いられる。補強構造2は、端部3を有している。図は、繊維が主として延びる方向に互いに離隔して位置する2つの端部のうちの1つの端部を示している。補強構造2の層数は、5が例示されている。第2層の端部面は、第1層の端部面に概ね一致している。第3層の端部面は、第2層の一方側端部面より補強構造2の中央寄り(反端部寄り、又は、他方側端部面より)に偏寄している。第4層の一方側端部面は、第3層の一方側端部面より補強構造2の中央寄りに偏寄している。第5層の一方側端部面は、第4層の一方側端部面より補強構造2の中央寄りに偏寄している。第1層〜第5層の各層は、それぞれに更に多層化され得る。第0層を第1層と剛性構造体1との間に介設することは有意義である。第0層は、ガラス繊維強化樹脂層が好適に用いられる。
このような端部段差構造は、剛性構造体1と補強構造2の接合面の法線の方向には端部領域で薄膜化される特性(薄肉特性)を有している。図2(a),(b)は、強化構造層の厚さによりせん弾力又は剥離力が異なることを解析的に示している。図(a)は薄肉の場合のせん断変形を示し、図(b)は厚肉の場合のせん断変形を示している。図2(a)と図2(b)で、剛性構造体101は同じである。図2(a)の繊維強化層102の厚さは、図2(b)の繊維強化層102’の厚さより薄い。両繊維強化層に同じ荷重(相対的荷重)Aが加えられる場合に、実験により容易に確認されるように、繊維強化層102の上面端点の繊維方向の変位D1は繊維強化層102’の上面端点の繊維方向の変位D2より顕著に小さい。薄肉層102の剛性は厚肉層102’の剛性より小さく、薄肉層102のせん断変形量D1は厚肉層102’のせん断変形量D2より小さく、結果として、薄肉層102のせん断限界力は、厚肉層102’のせん断限界力より小さく、従って、厚肉層102’は薄肉層102より剛性構造体1に対して剥離力が大きくなって、厚肉層102’は薄肉層102より剛性構造体1から容易に剥離する。端部の剥離は、順々に中央層の剥離を招く。本発明では、端部が薄く形成されているので、端部の剥離が抑制される。
図3は、本発明による構造体の繊維強化構造の実施の他の好ましい形態を示している。本形態の端部補強は、方向転換補強として示されている。橋梁のような複雑構造体には、剛性構造体1を補強するために多くの補強用リブ4が結合しているのが実状である。そのような補強用リブ4を積極的に活用することは有意義である。端部3は、補強構造2の非端部部分5に一連続に製作されている。一連続とは、モノフィラメントのような連続一体繊維が非端部部分5と端部3の両方に属していることを意味する。連続一体繊維は、モノフィラメントに限られず、複数繊維の複合としても製造されている。帯状又はシート状の補強構造2の端部3は、非端部部分5に対して曲がっていて、剛性構造体1の接合面に平行である方向に延びるとともに、剛性構造体1の接合面に直交する方向にも延びている。端部3と補強用リブ4の結合は、接着性樹脂による接合が適正であるが、後述されるように、金属部品を用いる機械的拘束も接合のために適用される。端部を段差強化により更に強化することは自由である。非端部部分5の面内荷重は端部3に伝達され難く、補強用リブ4と端部3の間の剥離力又はせん断変形力は顕著に低減されている。
図4は、本発明による構造体の繊維強化構造の実施の更に他の好ましい形態を示している。本形態は、厚肉性と薄肉性の融合である厚肉薄肉融合補強である。端部3は厚く又は多層に製作されるとともに、その端部3に繊維方向分散穴10が貫通的に開けられている。その多層化のためには、端部3のみが第1端部多層化層3−1と第2端部多層化層3−2とにより挟着的に多層化されている。補強構造2の端部3は、第3端部多層化層3−3として非端部部分5に対して面内方向に一体化されている。非端部部分5と剛性構造体1の間には接着剤層が現実には存在するので、補強構造2の非端部部分5と剛性構造体1との間にある隙間(図の隙間は誇張的に描かれている。)は実際には生じない。繊維方向分散穴10の開け方は、図5に示されるように、強化繊維6を切断しないように先鋭な針状テーパピンを差し込むことにより容易に穴形状化される。端部3の中の繊維は、穴の存在によりその延び方向が分散し、せん断変形力が剥離方向に集中しないので、剥離が顕著に抑制される。図6に示されるように、繊維方向分散穴10に機械的拘束用ピン7を押し込むことは穴形状を維持し繊維の分散を保持することができる点で有意義である。
図6は、本発明による構造体の繊維強化構造の実施の更に他の好ましい形態を示している。本形態の端部補強は、図5の繊維方向分散補強と機械的拘束補強の融合である。既述のように、端部3には繊維方向分散穴10が開けられ、繊維方向分散穴10に機械的拘束用ピン7が押し込まれている。本形態は、既述のように、穴形状を維持し繊維の分散を保持することができる点で有意義であるとともに、端部3の面内方向の変位を機械的に拘束し、面内方向せん断変形力に対して大きい抵抗が機械的拘束用ピン7により生じている。図7に示されるように、機械的拘束用ピン7に機械的拘束金具8を通して、端部3と機械的拘束用ピン7を接着剤で接着的に結合し、機械的拘束金具8と機械的拘束用ピン7を接着剤で接着的に結合し、更に、機械的拘束用ピン7の端部のねじにナット9をねじ込むことにより、機械的拘束金具8と機械的拘束用ピン7と端部3を同体に化学的に(接着剤接着的に)結合し、更に、ナット9の機械的拘束力を増大することは有意義である。
図8は、本発明による構造体の繊維強化構造の実施の更に他の好ましい形態を示している。本形態の端部補強は、機械的拘束補強の変形である。曲折補強金具11が補強用リブ4に結合される。曲折補強金具11は、補強用リブ4の面直交部位12と面内方向部位13の一体成形により製作されている。面直交部位12は、補強用リブ4の側面に平行である(剛性構造体1の面に直交している。)。面内方向部位13は、剛性構造体1の接合面に平行であり剛性構造体1に結合している。面内方向部位13にねじ穴が形成され、端部3に繊維方向分散穴10が開けられ、ねじ穴に機械的拘束用ピン7がねじ込まれている。曲折補強金具11は、接着剤により補強用リブ4と剛性構造体1に結合している。端部3は、面内方向部位13とナット9により両側から挟み込まれ、端部3は剛性構造体1に概ね完全に機械的に拘束されている。本形態は、図6又は図7の機械的拘束補強の効果が取り入れられている。
図9は、本発明による構造体の繊維強化構造の実施の更に他の好ましい形態を示している。本形態は、図3の方向転換補強と図6の機械的拘束補強の結合である。端部3に既述の繊維方向分散穴10が開けられ、補強用リブ4に貫通孔が開けられ、その貫通孔と繊維方向分散穴10にボルト14が通され、ナット15により端部3は補強用リブ4に強固に接合される。端部3と補強用リブ4の間に接着材が存在する点は、図3の形態に同じである。本形態は、方向転換補強と機械拘束補強の相乗的補強が可能である。
図10は、本発明による構造体の繊維強化構造の実施の更に他の好ましい形態を示している。本形態は、図3の方向転換補強と図6の機械的拘束補強と図8の機械的拘束補強の結合である。本形態では、図8の曲折補強金具11に概同形の曲折補強金具16が用いられる。本形態の端部3は、補強用リブ4と曲折補強金具16の面直交部位12との間に挟み込まれ、ボルト14と曲折補強金具16により強固に締め付けられている。本形態は、3通りの補強の相乗的効果を有する。
図11は、図8の機械的拘束補強の変形を示している。本形態では、半割り機械的拘束金具17が用いられる。端部3は、半割り機械的拘束金具17の上位部分(剛性構造体1の接合面からより遠い側の部位)とそれの下位部分との間に挟まれ更に接着剤で接着的に半割り機械的拘束金具17に固着される。半割り機械的拘束金具17には、面内方向にボルト通し穴が開けられそのボルト通し穴にボルト18が通される。ボルト18の両端部位のねじ部分に両側から締付けナット19が通され、両側の半割り機械的拘束金具17は両側の締付けナット19により互いに近づく方向に締め付けられる。このような締め付けにより、半割り機械的拘束金具17に固着されている端部3は、剥離方向に対して反対である逆剥離方向に引張される。端部3は、このような逆方向張力を受け、更に、剛性構造体1の接合面に直交する方向に半割り機械的拘束金具17に押し付けられ、押し付け力と引張力との2重の機械的拘束力(剥離方向に対して逆方向の力:結合力と引張力の合成力)を受ける。ボルト18は、複数が用いられる。複数のボルト18は、互いに平行に配列されている。図12〜図14は、図11の引張機構の変形例を示している。一方側の半割り機械的拘束金具17に対応して1本のボルト18’と1つの締付けナット19’が用いられる。隣り合う2つ又は2つ以上の締付けナット19’は、補強用リブ4に対して互いに反対側に配置されている。このような交互配置により、端部3に与えられる引張力は均等に分散する。
図15は、図5の繊維方向分散補強と図6の機械的拘束補強の融合の補強構造を解析的に示している。図15(a)に示される繊維方向は、せん断力方向(剥離方向)に一致している。端部3又は端部多層化層3−1,2に配置される繊維方向分散穴10又は機械的拘束用ピン7の近傍周囲の繊維は、せん断方向に直交し又は交叉する成分を分散的に有して延びている。図16(a),(b)に示されるように、端部多層化層3−1,2の繊維方向が端部3の繊維方向に一致する必要はないが、同図(b)に示されるように、端部多層化層3−1,2の繊維方向が端部3の繊維方向に直交することはせん断抵抗が増加する点で好ましい。図17(a),(b),(c)に示されるように、第1端部多層化層3−1と第2端部多層化層3−2の繊維方向が端部3の繊維方向に対して互いに逆向きに斜め(例示:45゜)に向くことは補強効果増大の点で更に好ましい。
図18は、段差補強の他の形態を示している。端部3は、第1層集合21と第2層集合22と第3層集合23の3段構造として形成されている。複数の段21,22,23は、互いに段差関係を有し、それぞれに、非段差構造の2層として形成されている。段差関係を有する複数の第1層集合21と第2層集合22と第3層集合23は互いに補強関係を有している。本形態では、段差構造の層数は3であり、非段差構造の各段の層数は、それぞれに、2である。図19は、段差補強の更に他の形態を示している。この形態では、段差構造の層数は2であり、非段差構造の各段の層数は、それぞれに、5である。両形態で単位層(単位層の総数は、図18では6であり図19では10であり、全体の厚みは同じである。)が同じ物性を有している場合に、試験によれば、図18の剥離強度は図19の剥離強度より大きい。段差数の増加は、総数の増加よりも、剥離強度の点で有利である。
図20は、端部の形態の変形を示している。剛性構造体1は、曲がっているが閉じてはいない。図21は、端部の形態の他の変形を示している。剛性構造体1は略円筒体であるが閉じてはいない。図22は、端部の形態の更に他の変形を示している。剛性構造体1は閉じているが、1つ又は2つの補強構造2は閉じてはおらず、2つの補強構造2はそれぞれに2つの端部3を有している。図23は、端部の形態の更に他の変形を示している。互いに重合している2つの補強構造2は、両側の剛性構造体1により挟み込まれている。4つの端部3には、それぞれに、段差構造が付与されている。図20〜図23に示される段差補強に替えられて、既述の多様な形態の補強形態の1つ又は複数が選択され、多様な剛性構造体が多様に補強され得る。
1…剛性構造体
2…多層繊維補強体
3…端部
4…リブ
7…ピン
9…ナット
10…貫通孔
12…曲がり金具
13…面内方向部位
15…ナット
17…金具
2…多層繊維補強体
3…端部
4…リブ
7…ピン
9…ナット
10…貫通孔
12…曲がり金具
13…面内方向部位
15…ナット
17…金具
Claims (11)
- 剛性構造体と、
前記剛性構造体に接合する多層繊維補強体とを具え、
前記多層繊維補強体の端部は剥離強化構造として与えられ、前記剥離強化構造は、前記端部と前記多層繊維補強体の間で剥離方向に抵抗が強化され、前記端部の剥離抵抗は前記多層繊維補強体の中央寄りの剥離抵抗より強い構造として与えられている
構造体の繊維強化構造。 - 前記剥離強化構造は、前記多層繊維補強体の複数層の端部の段差構造として与えられ、前記段差構造では、前記剛性構造体に遠い層の端面が前記剛性構造体に近い層の端面より前記剛性構造体の中央寄りに偏寄している
請求項1の構造体の繊維強化構造。 - 前記複数層のいずれかは多層構造を有し、前記多層構造の複数層には段差構造は与えられていない
請求項2の構造体の繊維強化構造。 - 剥離強化構造は、前記剛性構造体に法線方向成分を有して立ち上がるリブを備え、前記端部は前記リブの前記法線方向成分を有して延びる側面に接合している
請求項1の構造体の繊維強化構造。 - 前記剥離強化構造は、前記端部に貫通孔が開けられている構造として与えられている
請求項1の構造体の繊維強化構造。 - 繊維は前記貫通孔により切断されていない
請求項5の構造体の繊維強化構造。 - 前記貫通孔にはピンが挿入されている
請求項6の構造体の繊維強化構造。 - 前記剥離強化構造は、
前記剛性構造体に法線方向成分を有して立ち上がるリブと、
前記リブの側面と前記剛性構造体の接合面に接合する曲がり金具とを備え、
前記端部は前記曲がり金具のうち前記接合面に接合する面内方向部位に接合し、
前記剥離強化構造は、
前記面内方向接合部位に開けられている孔と前記端部に開けられている孔に通るピンと、
前記ピンにねじ込まれるナットとを更に備え、
前記端部は前記面内方向部位と前記ナットとの間に強く挟まれている
請求項1の構造体の繊維強化構造。 - 前記剥離強化構造は、
前記剛性構造体に法線方向成分を有して立ち上がるリブを備え、
前記端部は、前記リブの側面に接合し、
前記剥離強化構造は、
前記リブに前記剛性構造体の接合面に平行に開けられている孔と前記端部に開けられている孔に通されるピンと、
前記ピンにねじ込まれるナットとを更に備え、
前記端部は前記リブと前記ナットとの間に強く挟まれている
請求項1の構造体の繊維強化構造。 - 前記剥離強化構造は、
前記剛性構造体に法線方向成分を有して立ち上がるリブと、
前記リブと前記剛性構造体に接合する金具と備え、
前記金具は上方部位と下方部位を具え、
前記端部は前記上方部位と前記下方部位に強く挟まれ、前記金具は前記リブに向かって引張されている
請求項1の構造体の繊維強化構造。 - 前記剛性構造体は曲がっている
請求項1〜10から選択される1請求項の構造体の繊維強化構造。
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ID=36726039
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JP (1) | JP2006132245A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016079638A (ja) * | 2014-10-15 | 2016-05-16 | 学校法人鶴学園 | 鋼構造物の補強構造 |
KR101892962B1 (ko) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | 한국철도기술연구원 | 종단부의 부가블럭 설치에 의한 종단부 부모멘트 발생억제 구성의 프리텐션 콘크리트 거더 제작방법 및 이에 의해 제작된 프리텐션 콘크리트 거더를 이용한 교량 시공방법 |
-
2004
- 2004-11-08 JP JP2004324366A patent/JP2006132245A/ja not_active Withdrawn
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JP2016079638A (ja) * | 2014-10-15 | 2016-05-16 | 学校法人鶴学園 | 鋼構造物の補強構造 |
KR101892962B1 (ko) * | 2017-02-23 | 2018-08-30 | 한국철도기술연구원 | 종단부의 부가블럭 설치에 의한 종단부 부모멘트 발생억제 구성의 프리텐션 콘크리트 거더 제작방법 및 이에 의해 제작된 프리텐션 콘크리트 거더를 이용한 교량 시공방법 |
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