JP2006126438A - マスクパターン回路修正方法及びマスク修正システム - Google Patents

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Abstract

【目的】 簡易迅速にマスクパターン上の回路修正を行うことを目的とする。
【構成】 マスクパターン回路を修正するマスクパターン回路修正方法において、マスクに形成された開口パターン回路上に、集束イオンビームと成膜ガスとを用いて前記所定の薄膜を形成して前記開口パターン回路を遮断することを特徴とする。そして、マスク上の所望する位置におけるマスク材料を集束イオンビームとエッチングガスとを用いてエッチングして所定の開口パターン回路をマスク上に形成することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マスクパターン回路修正方法及びマスク修正システムに係り、特に、半導体装置の製造工程での微細なパターンをマスクから転写形成リソグラフィにおいて、回路パターンを修正する方法およびシステムに関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。従来、半導体デバイスの生産では光露光技術が用いられてきたが、近年、LSI、超LSI等の高密度集積化する先端デバイスのパターン寸法が限界解像度に近づきつつあり、高解像露光技術の開発が急務となっている。
電子線(電子ビーム)露光技術は本質的に優れた解像性を有しており、DRAM(Dynamic random access memory)を代表とする最先端デバイスの開発や一部ASIC(application specific integrated circuit)の生産に用いられている。しかし、従来の可変成形型電子線露光法ではパターンを一筆描きの要領で描画するため単位時間当たりのウェハ処理能力すなわちスループットが低く、デバイスの量産には不向きであった。
現在、次世代の露光技術として分割縮小転写する電子ビームプロジェクション(電子線投影露光:Electron Projection Lithography:EPL)技術が提案されており、昨今、その研究開発が行われている。
図19は、EPL露光装置の動作を説明するための概念図である。
まず、EPL露光装置におけるレチクルステージには、1つの半導体チップについての露光単位領域となるサブフィールド320を投影転写するためのサブフィールドパターンが形成されたサブフィールドマスク350が格子状に整列形成されたマスク340が配置される。サブフィールド320が電子線330(荷電粒子線)を照射する際の1ショットに対応する領域である。サブフィールドマスク350には、それぞれ、電子線330が透過する種々のサブフィールドパターンが形成されている。そして、荷電粒子ソースから照射された電子線330は、偏向器により偏向され、所定のサブフィールドマスク350のパターンを照射し、透過した電子線330は、電子レンズにより1/4に縮小されウェハ300上に区分けされた複数の半導体チップ領域310のうち、1つの半導体チップ領域の中の露光単位領域となるサブフィールド320を照射することによりサブフィールドマスク350に形成されたサブフィールドパターンを投影転写する。次に、その列の隣に位置するサブフィールドマスク350のサブフィールドパターンを電子線330が照射するように、偏向器により偏向され、同様に、前記1つの半導体チップについての隣のサブフィールド320を照射することによりサブフィールドマスク350に形成されたサブフィールドパターンを隣のサブフィールド320に投影転写する。これを順次繰り返し、その列のサブフィールドマスク350のサブフィールドパターンを照射し終わったら、2列目のサブフィールドマスク350の先頭がウェハ300に投影転写できる位置に、レチクルステージとウェハステージとを移動させ、順次、2列目のサブフィールドマスク350の種々のサブフィールドパターンを照射する。このようにして、全列のサブフィールドマスク350のサブフィールドパターンを照射することにより、1つの半導体チップ領域310についての露光が終了する。かかる動作をウェハ300上に区分けされた全ての半導体チップ領域310に対して行っていく。その他、EPL露光装置については、以下の文献に記載されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
ここで、EPL露光装置に用いる電子線露光用マスクに対しマスク基板上にパターンを形成する場合には、可変成形型電子線露光装置が用いられる。
図20は、可変成形型電子線露光装置の動作を説明するための概念図である。
可変成形型電子線露光装置(電子線直描型露光装置:EB(Electron beam)直描装置)における第1のアパーチャ410には、電子線330を成型するための長方形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に整形するための可変成形用開口421と、可変成形用開口421の周りに繰り返し使用する頻度の高い種々の基本パターンが形成された部分一括マスク422とが形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形用開口421の一部を通過してマスク340上に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形用開口421との両方を通過できる矩形形状がマスク340上の所定のサブフィールドマスク350となる領域に直描される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形用開口421との両方を通過させ、任意の矩形形状を作成する方式を可変成形方式という。また、繰り返し使用する頻度の高い基本パターン全体に電子線330を照射させ、基本パターンを作成する方式を部分一括方式という(例えば、特許文献2〜5参照)。以上の方式の他に、精度が許容される場合には、電子ビーム又はレーザービームの点ビームで描画する方法でマスクパターンを形成することができる。
図21は、EPL露光装置に用いる電子線露光用マスクの一部分を示す図である。
図21に示すように、マスクの一例として、2μmのSi(シリコン)薄膜にパターン部分を貫通させたステンシルマスクが用いられる。電子線投影露光では、貫通しているところを電子線が透過してウェハ上に到達する。一方、Siがあるところでは、透過する電子線がSiにより散乱させてウェハ上に到達する電子線量が少なくなる。ウェハ上には、照射された電子線量により溶解度が変化するレジストが塗布されていて、上記電子線の露光量に差により溶解度が変化し、レジストの現像を行なうことでウェハ上にマスクパターンの像を形成する。上述したように、このマスクを用いた電子線投影露光では、半導体素子を形成するウェハにマスクパターンを縮小して投影し、電子線投影露光装置のステージを移動させて繰り返して転写を行い、多数の同一のパターンをウェハ上に配置する。
ここで、このマスクを作成する工程で、形成されたパターンの中には、所望するパターン形状どおりにならなかった欠陥が発生するが、マスクの欠陥は、それを用いたパターン転写で繰り返し転写されるため、ウェハ上に配置される際に繰り返し行われるすべての転写で欠陥も転写されてしまう。したがって、所望の半導体装置を作成することができなくなる。このためマスクパターン欠陥が残らないようにマスクパターンの形状は全面で検査が行われ、検知した欠陥箇所について修正を行うようにしている。
図22は、マスクの欠陥修正の様子を説明するための図である。
図22に示すように、Siが残されているべきところに貫通パターンが形成されている場合は、中空に薄膜を形成する。そして電子線投影露光の際に、Siと同様に、この薄膜により電子線が散乱されるようにする。また、貫通したパターンが形成されているべきところにSiが残っている欠陥に対しては、この残っているSiを除去するエッチングを行う。この2種類の加工は、マスクパターンよりも微細で、任意の形状の領域で行うために、ガリウム(Ga)イオンを微小な領域のみ照射を行えるようにしたフォーカストイオンビーム(FIB:集束イオンビーム)を用い、Gaイオン照射を利用したエッチングや薄膜のデポジションを行うようにしている。そして、かかる修正は、欠陥部位毎に局所的に行なわれる(例えば、特許文献6参照)。
その他、FIBを利用して中空に薄膜を形成していく技術が文献に開示されている(例えば、特許文献7参照)。また、マスクのパターン修正後に修正付近の未反応物の脱離処理を行なうとする技術が文献に開示されている(例えば、特許文献8参照)。
また、マスク修正ではないが、マスク形成における高アスペクト比の微細な貫通孔を設ける方法として、Si上部に、加工する領域を残して窓をあけるようにカーボン膜を形成し、カーボン膜を保護膜として、窓部のみイオンが照射されるようにすることで、垂直に加工するとした技術が開示されている(例えば、特許文献9参照)。
特開2001−319872号公報 特開2001−135558号公報 特開2000−58424号公報 特開2000−269126号公報 特開2000−58413号公報 特開2000−122267号公報 特開2002−139827号公報 特開2001−93823号公報 特開2002―141266号公報 "Nikon ニコンテクノロジー:EPL" http://www.nikon.co.jp/main/jpn/profile/technology/epl/index.htm
ここで、このマスクを作成する工程で、形成されたパターンの中には、所望するパターン形状どおりにならなかった欠陥が発生するだけではなく、ウェハ上に露光転写した後に回路のチェックをした結果、設計した回路構成通りであったとしてもかかる回路構成を変更したい場合が生じる。
かかる場合、従来行われてきた技術では、半導体素子一個ずつに対してパターン修正を行なっていた。しかし、半導体素子一個ずつにパターン修正を行なっていたのでは、十分なサンプル数をとることができないといった問題があった。
或いは、EB直接描画で、ウェハへの露光転写をし直すといった対策も行なっていた。しかし、EB直接描画で、ウェハへの露光転写をし直すのでは、修正の必要のない回路全体を描画しなければならず、マスクを用いない分、回路全体を描画するのに時間を要するといった問題があった。
さらに、回路配置を変更したマスクを再製作するといったことも行なっていた。しかし、マスクの再製作ではコスト及び時間を要するという問題があった。
本発明は、上述した問題点を克服し、簡易迅速にマスクパターン上の回路修正を行うことを目的とする。
本発明のマスクパターン回路修正方法は、
マスクパターン回路を修正するマスクパターン回路修正方法において、
マスクに形成された開口パターン回路上に所定の薄膜を形成して前記開口パターン回路を遮断することを特徴とする。
遮断したい開口パターン回路上に所定の薄膜を形成することで、前記開口パターン回路を遮断することができ、回路構成を変更することができる。
そして、本発明における前記マスクパターン回路修正方法において、集束イオンビームと成膜ガスとを用いて前記所定の薄膜を形成することを特徴とする。
集束イオンビームと成膜ガスとを用いることにより、高精度な薄膜をマスク材料上から成長させて開口部上に形成することができる。
そして、前記マスクパターン回路修正方法において、前記所定の薄膜を形成する領域にガリウムイオンを照射し、
前記マスクは、電子線露光に用いられるマスクであることを特徴とする。
前記所定の薄膜を形成する領域にガリウムイオンを照射することにより、薄膜内やマスク材料内には、ガリウムイオンが打ち込まれることになる。ガリウムイオンが打ち込まれることにより、電子線露光の際、電子線を透過させたくない領域である薄膜が形成された領域或いはガリウムイオンが打ち込まれた領域において、電子線をより散乱させることができる。
また、本発明のマスクパターン回路修正方法は、
マスクパターン回路を修正するマスクパターン回路修正方法において、
マスク上の所望する位置におけるマスク材料をエッチングして所定の開口パターン回路をマスク上に形成することを特徴とする。
マスク上の所望する位置におけるマスク材料をエッチングすることで、所定の開口パターン回路をマスク上に形成することができ、回路構成を変更することができる。
そして、本発明における前記マスクパターン回路修正方法において、集束イオンビームとエッチングガスとを用いて前記マスク材料をエッチングすることを特徴とする。
集束イオンビームとエッチングガスとを用いて前記マスク材料をエッチングすることにより高精度な開口部を形成することができる。特に、エッジ部を高精度に形成することができる。また、自由に所望する開口パターン回路を形成していくことができる。
また、本発明のマスクパターン回路修正方法は、
マスクに形成された開口パターン回路上に前記開口パターン回路を遮断する所定の薄膜を形成する薄膜形成工程と、
前記所定の薄膜上に前記開口パターン回路とは異なる回路になるように前記所定の薄膜をエッチングするエッチング工程と、
を備えたことを特徴とする。
上述した薄膜形成とエッチングとを組み合わせることにより、自由に回路変更を行うことができる。特に、形成された前記所定の薄膜上に前記開口パターン回路とは異なる回路になるように前記所定の薄膜をエッチングすることにより、一度、埋めた部分にも新たな形状の開口部を形成することができ、回路変更の自由度を向上させることができる。
また、本発明のマスクパターン回路修正方法は、
マスク上に所定の間隔で複数の刻印マークを形成する刻印マーク形成工程と、
前記複数の刻印マークを用いてマスク上の所定の位置を検出する位置検出工程と、
前記所定の位置に形成される所定の開口パターン回路を遮断する薄膜を形成する薄膜形成工程と、
を備えたことを特徴とする。
前記複数の刻印マークを用いてマスク上の所定の位置を検出することで、正確な位置で回路遮断をすることができ、高精度の回路修正ができる。
また、本発明のマスクパターン回路修正方法は、
マスク上に所定の間隔で複数の刻印マークを形成する刻印マーク形成工程と、
前記複数の刻印マークを用いてマスク上の所定の位置を検出する位置検出工程と、
前記所定の位置におけるマスク材料をエッチングして所定の開口パターン回路を形成するパターン回路形成工程と、
を備えたことを特徴とする。
前記複数の刻印マークを用いてマスク上の所定の位置を検出することで、正確な位置で開口パターンを形成することができ、高精度の回路修正ができる。
また、本発明のマスク修正システムは、
所定のパターンが形成された所定のマスクを自動搬入し、前記所定のマスクを用いて前記所定のパターンを基板上に露光する露光装置と、
前記露光装置から前記基板を搬入し、前記基板に露光された前記所定のパターンまたはパターン形状に影響を受ける電気特性を検査する検査装置と、
前記検査装置により検査された結果に基づいて、前記所定のマスクに形成された前記所定のパターンの修正情報を生成する修正情報生成装置と、
前記修正情報生成装置により生成された前記所定のパターンの修正情報に基づいて、前記所定のマスクを自動搬入し、搬入された前記所定のマスクに形成された前記所定のパターンを修正するマスク修正装置と、
を備えたことを特徴とする。
従来、マスク修正装置は、マスクメーカーに配置されていたため、迅速な対応ができなかった。マスクを自動搬送できる領域に、露光装置とマスク修正装置とを配置し、基板の検査ができる領域に検査装置を配置し、修正情報生成装置でマスクのパターンの修正情報を生成することにより、迅速にマスクのパターンを修正することができる。
さらに、本発明における前記マスク修正装置において、前記所定のマスクに形成された前記所定のパターンにおける回路配置を修正することを特徴とする。
前記マスク修正装置において、前記所定のマスクに形成された前記所定のパターンにおける回路配置を修正することにより、迅速に回路配置を修正することができる。さらに、パターン回路の最適化は、設計段階では予測できなかった製造プロセスの誤差が発生する可能性があるので迅速なトライアンドエラーで確認していくことができることが望ましい。本発明では、修正されたマスクで再度、露光、検査、修正と行うことができるので、トライアンドエラーでパターン回路が最適化された高精度なマスクパターンを形成することができる。
以上説明したように、本発明によれば、薄膜形成による前記開口パターン回路を遮断や所望する位置におけるマスク材料のエッチングによる開口パターン回路の形成により、マスクを再製作することなく、回路構成を修正することができる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン回路の修正例を示す図である。
まず、マスクには、図1(a)に示すパターン回路が形成されているとする。具体的には、マスク材料となるSi基板10上に、直角に曲がった配線パターン経路をもつ開口パターン605と、同様に直角に曲がった配線パターン経路をもつ開口パターン615とが形成されている。開口パターン605と開口パターン615とには、基板上では、直上或いは直下の層に形成されるコンタクト部が接続される。図1(a)では、かかる開口パターン605に接続されるコンタクト部のコンタクト位置601とコンタクト位置603と、かかる開口パターン615に接続されるコンタクト部のコンタクト位置602とコンタクト位置604とを説明のための便宜上、記載している。言い換えれば、開口パターン605は、コンタクト位置601のコンタクト部とコンタクト位置603のコンタクト部とを接続している回路である。また、開口パターン615は、コンタクト位置602のコンタクト部とコンタクト位置604のコンタクト部とを接続している回路である。ここでは、かかる回路をコンタクト位置601のコンタクト部とコンタクト位置604のコンタクト部とを接続する回路に回路変更を行ない、また、コンタクト位置602のコンタクト部とコンタクト位置603のコンタクト部とを接続する回路に回路変更を行なう場合について説明する。ここでは、回路の遮断と新しい開口パターン形成とを行なう。
図2は、実施の形態1におけるパターン回路の修正方法の要部を表すフローチャートである。
図2において、本実施の形態では、パターン検査工程(S102)、デポ膜領域の設定工程(S104)、薄膜形成工程の一例としてのデポ膜形成工程(S106)、エッチング領域の設定工程(S108)、エッチング工程(S110)という一連の工程を実施する。
まず、S(ステップ)102において、パターン検査工程として、例えば、ウェハ上のパターンの外観検査、半導体素子の電気特性、歩留り解析、不良の断面観察によりウェハ上に形成されたパターンの不具合が特定され、次にこの不具合がマスクに起因するものか特定するためにマスクに形成されたパターンを検査する。ウェハ上パターン検査は、その都度選択されるものなので、ここでは説明を省略し、マスクパターンの検査について説明する。
図3は、ホールパターン検査装置の概要を説明するための図である。
EPLマスク修正装置をパターン検査装置として用いて、マスクのパターンの形状を検出する。ここでは、EPL用の貫通する開口部を有するステンシルマスクを用いて説明する。図3では、説明に必要な程度の構成を記載しているにすぎず、その他の構成を省略している。
チルトステージに配置されたEPLマスクにFIBを照射し、マスク表面で生じた二次電子を二次荷電粒子検出器(SED)で検出し、表面像を得る。一方、マスクの開口部を通って貫通してきたFIBを二次荷電粒子(SE)変換器に衝突させ、二次荷電粒子を発生させ、EPLマスク下部においてSEDで検出し、透過像を得る。かかる表面像と透過像とを照合させ、モニタに表示させることにより欠陥パターン或いは回路変更したパターンを検出することができる。パターン検査工程の他の例としては、FIBの他、電子ビームを走査して2次電子を検出する電子顕微鏡(SEM)や、レーザービームを用いて透過光等を検出するものが使われていて検査用に用いることができる。
S104において、デポ膜領域の設定工程として、遮断したい回路上の開口部を塞ぐように、デポ膜領域を設定する。図1(b)では、デポ膜を形成するデポ膜領域606とデポ膜領域616とを示している。デポ膜領域は、遮断したい回路上の開口部の幅と2倍程度の幅とすることが望ましい。言い換えれば、片側に開口部の幅の1/2程度のマスク材料と重なる領域を設けるようにするとよい。後述するように、デポ膜は、マスク材料上に成膜した膜が成長することにより開口部を覆う。よって、まず、デポ膜を成長させる土台となるマスク材料面を確保することが望ましい。例えば、ウェハ等の基板上において、70nmの配線幅を有するパターン回路の場合、マスク上では、例えば、その4倍の280nmとなる。したがって、デポ膜領域は、片側に140nm程度のマスク材料であるSi基板10との重なり代を設けるとよい。特に、重なり代は、片側に開口部の幅の1/2以下とするとなおよい。重なり代が、片側に開口部の幅の1/2以下とすることにより、修正のいらない隣のパターンに影響を与えないようにすることができる。
S106において、デポ膜形成工程として、設定したデポ膜領域にデポ膜を成膜する。図1(b)では、デポ膜領域606とデポ膜領域616とにデポ膜を成膜する。デポ膜を形成することにより開口部を覆い、回路を遮断することができる。
図4は、EPLマスク修正装置の概要を説明するための図である。
EPLマスク修正装置100では、液体ガリウム等のイオン源110からイオンを引き出し、静電レンズ等のイオン光学系120を通って、イオンをビーム状に集束加速させる。そして、集束加速させられたイオンビーム112は、偏向器により偏向され、集束イオンビームとして、マスクステージ150上に配置されたマスク340の所定の領域を照射する。その際、ガス銃140から成膜ガス142を噴射させて化学気相成長(CVD)により前記所定の領域に成膜する。次に、隣に位置する領域をイオンビーム112が照射するように、偏向器により偏向し、同様に、隣に位置する領域へとデポ膜を成長させる。照射するマスク上の位置は、イオンビーム112の照射により生じる二次電子を二次荷電粒子検出器130で検出することで把握することができる。
図5は、デポ膜を形成する手法を説明するための図である。
デポ膜領域606,616にFIBを照射し、デポ反応ガスである成膜ガス142を噴射させて化学気相成長(CVD)により、EPL露光時に、高加速度で入射する電子を十分に遮蔽できる厚さにデポを行う。図5では、FIBとして、Gaイオンビーム112を用いている。Gaイオンビームを照射して成膜されたデポ膜260中には、Gaイオンが入り込む。Gaイオンが入り込むことで、電子を透過させにくくすることができ、より電子を遮蔽できるデポ膜260を形成することができる。また、FIBとして、Gaイオン以外に電子線(EB)やアルゴン(Ar)イオンを用いてもデポ膜260を形成することができる。デポ膜260は、Si基板10表面に堆積後、エッジ部での成長速度が速いため、中空上にデポ(成膜)が進む。よって、Siが無い開口部を覆うように形成することができる。
デポ膜260としては、炭素系の物質から構成されることが望ましい。成膜ガス142は、必然的に炭素系物質を主成分とするものが好ましい。例えば、デポ膜260として、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等を用いることができる。そして、成膜ガス142として、フェナントレン等の芳香族ガスを用いることができる。
また、EPL露光時に、高加速度で入射する電子を十分に遮蔽できるデポ膜260の厚さとして、0.5μm以上が望ましい。
S108において、エッチング領域の設定工程として、新しい開口パターンを形成したい場合、図1(c)に示すように、新しく開口するエッチング領域607とエッチング領域617とを設定する。ここでは、コンタクト位置601のコンタクト部とコンタクト位置604のコンタクト部とを接続するため、エッチング領域617を設定する。また、コンタクト位置602のコンタクト部とコンタクト位置603のコンタクト部とを接続するため、エッチング領域607を設定する。エッチング領域は、エッチングされた領域が、そのまま開口部となり露光時に電子線が透過するため、所望するパターン通りに設定することが望ましい。例えば、ウェハ等の基板上において、70nmの配線幅を有するパターン回路の場合、マスク上では、例えば、その4倍の280nmとなる。したがって、エッチング領域607とエッチング領域617との幅も280nmで設定することが望ましい。
S110において、エッチング工程として、設定したエッチング領域をエッチングする。図1(c)では、エッチング領域607とエッチング領域617とに位置するSiをエッチングする。エッチングしてマスク材料であるSi基板10を開口させることによりパターン回路を修正することができる。
図6は、エッチングする手法を説明するための図である。
エッチング領域607,617にエッチングガス144を噴射させて開口したい領域のSi表面にエッチングガス分子146を吸着させ、FIBを照射することで、ガスアシストエッチング法により、余分なSiをエッチングする。装置は、図4において説明したものを使用してもよいし、同様の別の装置で加工しても構わないので装置構成や動作等の説明を省略する。また、エッチング領域の外側に位置する必要なSi表面には、自然酸化膜(SiO)が、形成されているので、FIBが照射されない部分にエッチングガス144が吹き付けられても、その部分がエッチングされることはない。
図6では、FIBとして、Gaイオンビーム112を用いている。FIBとして、Gaイオン以外に電子線(EB)やアルゴン(Ar)イオンを用いてもエッチングを行うことができる。エッチングガス144としては、ハロゲン含有物質ガスが望ましい。例えば、XeF、CF、CHF、Cl、CHCl、I等を用いるとよい。
図1(b)(c)に示すように、デポ膜形成とエッチングとを組み合わせることにより、自由に回路構成を修正し、変更することができる。フォトマスクの場合には、デポあるいはエッチング修正を行う領域は小範囲、あるいは1度の加工しか許されないことが多い。これは修正することによってマスク基板にダメージが入り、透過率が変化するためである。一方EPL用マスクの場合、エッチング修正では膜そのものを除去することから透過率の変化はなく、デポジション修正はデポジション膜の厚さが十分であれば問題はない。つまり複数の加工を行うことが可能となる。
図7は、実施の形態1における別のパターン回路の修正例を示す図である。
まず、マスクには、図7(a)に示すパターン回路が形成されているとする。具体的には、マスク材料となるSi基板10上に、直線の配線パターン経路をもつ開口パターン511と、同様に直線の配線パターン経路をもつ開口パターン512と開口パターン513とが形成されている。開口パターン511と開口パターン512と開口パターン513とには、基板上では、直上或いは直下の層に形成されるコンタクト部が接続される。図7(a)では、かかる開口パターン511に接続されるコンタクト部のコンタクト位置502と、かかる開口パターン512に接続されるコンタクト部のコンタクト位置501とコンタクト位置503と、かかる開口パターン513に接続されるコンタクト部のコンタクト位置504とを説明のための便宜上、記載している。言い換えれば、開口パターン512は、コンタクト位置501のコンタクト部とコンタクト位置503のコンタクト部とを接続している回路である。ここでは、かかる回路をコンタクト位置502のコンタクト部とコンタクト位置504のコンタクト部とを接続する回路に回路変更を行なう場合について説明する。ここでは、回路の遮断と新しい開口パターン形成とを行ない、さらに、遮断した回路上に別の新しい開口パターン形成を行なう。
まず、S102のパターン検査工程は、上述した通りで構わないので説明を省略する。
S104において、デポ膜領域の設定工程として、遮断したい回路上の開口部を塞ぐように、デポ膜領域を設定する。図7(b)では、デポ膜を形成するデポ膜領域505とデポ膜領域515とポ膜領域525とを示している。デポ膜領域は、遮断したい回路上の開口部の幅と2倍程度の幅、特に、重なり代は、片側に開口部の幅の1/2以下とするとなおよいことは上述した通りである。
S106において、デポ膜形成工程として、設定したデポ膜領域にデポ膜を成膜する。図7(b)では、デポ膜領域505とデポ膜領域515とデポ膜領域525とにデポ膜を成膜する。デポ膜を形成することにより開口部を覆い、開口パターン512については回路を遮断することができる。使用する装置の構成やデポ膜形成手法は、上述した通りで構わないので説明を省略する。
S108において、エッチング領域の設定工程として、新しい開口パターンを形成したい場合、図7(c)に示すように、新しく開口するエッチング領域506とエッチング領域516とエッチング領域526とを設定する。ここでは、コンタクト位置502のコンタクト部とコンタクト位置504のコンタクト部とを接続するため、エッチング領域506とエッチング領域526とを設定する。エッチング領域は、エッチングされた領域が、そのまま開口部となり露光時に電子線が透過するため、所望するパターン通りに設定することが望ましいことも上述した通りである。
S110において、エッチング工程として、設定したエッチング領域をエッチングする。図7(c)では、エッチング領域506とエッチング領域516とエッチング領域526とに位置するSiをエッチングする。エッチングしてマスク材料であるSi基板10を開口させることによりパターン回路を修正することができる。さらに、ここでは、デポ膜形成工程において形成したデポ膜領域515上に別の開口パターンを形成する。デポ膜領域515上の不要なデポ膜260は、FIBを照射することで、スパッタリングして除去する。デポ膜260となるカーボン膜は、ハロゲン系のガスでは反応しないが、FIBによるスパッタリングして除去することができる。このように一旦デポジションした膜をエッチング除去することも可能である。その他の不要なSiが存在する場合には、エッチング領域にエッチングガス144を噴射させて余分なSi表面にエッチングガス分子146を吸着させ、FIBを照射することで、ガスアシストエッチング法により、余分なSiをエッチングする。装置は、図4において説明したものを使用してもよいし、同様の別の装置で加工しても構わないので装置構成や動作等の説明を省略する。
図8は、マスク修正前とマスク修正後の回路構成を示す図である。
図8(a)に示すマスク修正前の回路構成に対し、図7において説明した回路の遮断と新しい開口パターン形成と遮断した回路上での別の新しい開口パターン形成とにより、図8(b)に示すような開口パターン706,716,726となるマスクの回路構成に修正することができる。
図9は、図7(c)の回路構成からさらに修正するパターン回路の修正例を示す図である。
エッチング領域をエッチングして開口した後に、かかる開口部に再度、デポ膜を形成してもよい。図9(a)では、図7(c)に示すエッチング領域516をエッチングした後に、再度、デポ膜領域の設定工程として、デポ膜領域507を設定する。そして、デポ膜形成工程として、設定したデポ膜領域507にデポ膜を成膜する。そして、図9(b)では、エッチング領域の設定工程として、図7(b)に示すデポ膜領域505にエッチング領域508を設定すると共に、新たにコンタクト位置504のコンタクト部とコンタクト位置503のコンタクト部とを接続するためのエッチング領域518を設定する。そして、エッチング工程として、エッチング領域508に位置するデポ膜とエッチング領域518とに位置するSiをエッチングする。ここで、デポ膜領域507の一部において、デポ膜領域505との重なり部分があり、同様に、デポ膜領域507の一部において、デポ膜領域515との重なり部分がある。その箇所においては、デポ膜の厚さが倍となる。ここでは例えばデポジション膜が高アスペクトとなり、倒壊の危険性が生じる場合においては、重なり部分となる領域を最初にエッチング除去を行った後に膜堆積を行えばよい。
図10は、図9に示す修正の終了後の回路構成を示す図である。
図8(b)に示すようなマスクの回路構成が、図9に示す修正の結果、図10に示すような開口パターン706,708,718となるマスクの回路構成に修正することができる。また、当然ながら初期の回路特性が優れていた場合は、図10の形状から図8(a)の形状に元に戻すことも可能である。このようにEPLマスクの場合には何度でも膜堆積、エッチング除去を行うことが可能であることから、フレキシブルに回路変形を行うことが可能となる。
以上のように、半導体素子の配線接続、導通孔の位置変更、回路パターンサイズの変更を、電子線を散乱させる箇所を貫通させて作製されるマスクを加工して行うことができる。
実施の形態2.
実施の形態1における加工が複雑な場合、あるいは数μmにわたる比較的長いパターンの加工の場合に、加工修正を行う前に目印として、微細ドットを作製すればよい。実施の形態2では、この微細ドットを目印に加工修正を行う手法を説明する。この微細ドットを目印に加工修正を行うことによって高精度な位置合わせを行うことが可能となる。
図11は、実施の形態2におけるパターン回路の修正方法の要部を表すフローチャートである。
図11において、本実施の形態では、刻印マーク形成工程(S1102)、パターン検査工程(S1104)、位置検出工程(S1106)、デポ膜領域の設定工程(S1108)、薄膜形成工程の一例としてのデポ膜形成工程(S1110)、エッチング領域の設定工程(S1112)、エッチング工程(S1114)という一連の工程を実施する。
S1102において、刻印マーク形成工程として、マスクを作製する過程において、予めマスクにグリッドパターンを刻印マークとして作製する。或いは、マスクを作製後、かかるグリッドパターンを刻印マークとして形成してもよい。
図12は、グリッドパターンが形成されたマスクの一部を示す図である。
図12(a)に示すように、Si基板10上に、グリッドパターン802を等間隔に形成して配置する。また、図12(b)に示すように、このグリッドパターン802の深さは数100nm程度であることが望ましい。この深さが深い場合には電子線転写の際に電子散乱が少なくなり、グリッドが転写される可能性があること、あるいはデバイスパターンを作製する際に段差による影響によりパターン変形が生じる可能性があることから、修正装置にて観察可能な範囲にて浅いほうがよい。その後デバイスパターンを作製すればよい。グリッドパターン802(或いはドットパターン)は、回路修正する際に必要な画像倍率において視野に入る必要がある。よって、グリッドパターン802(或いはドットパターン)の間隔P及びPは、回路修正する際に必要な画像倍率において視野に入る間隔であればよい。例えば、グリッドパターン(或いはドットパターン)の間隔P及びPは、所望する線幅の10倍以内が望ましい。例えば、X,Y方向に、5μm間隔に配置する。
S1104において、パターン検査工程として、マスクに形成されたパターンを検査する。パターン検査工程は、実施の形態1と同様で構わないので説明を省略する。
S1106において、位置検出工程として、前記複数のグリッドパターン802を用いてマスク上の所定の位置を検出する。回路修正を行う場合にはこのグリッドパターンを目印に転写すればよい。
以下、回路修正方法は、実施の形態1と同様で構わないので説明を省略する。
ここで、コンタクト部となる導通孔をあける条件を満たす位置に、貫通しない微細な点パターンであるグリッドパターン802を配置しておいてもよい。かかる不要な導通孔に相当する貫通パターン部にデポ膜を形成し、必要な導通孔に相当する電子線を散乱させる領域の残存部をエッチングにより除去することで半導体素子の配線接続変更を行うことで、高い合わせ精度を実現することができる。
或いは、グリッドパターン802に沿って、不要な配線個所に相当する貫通パターン部にデポ膜を形成し、必要な配線個所に相当する電子線を散乱させる領域の残存部をエッチングにより除去することで半導体素子の導通孔の位置変更を行うようにしてもよい。
膜堆積・エッチング除去を行う際は上下の層の配置に合わせて高精度に位置を決定する必要があるが、目印となるパターンが周辺にない場合には高い合わせ精度を実現することは困難となる。本実施の形態2では、以上のようにマスクにグリッドパターンを作製することにより修正箇所あるいは回路変更を行う箇所の周辺にパターンがない場合においても実施の形態1を適用することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、いわゆるドーナツパターン回路を修正する場合について説明する。
図13は、実施の形態3におけるパターン回路の修正例を示す図である。
まず、マスクには、図13(a)に示すパターン回路が形成されているとする。具体的には、マスク材料となるSi基板10上に、直角に曲がった配線パターン経路をもつ開口パターン925が形成されている。開口パターン925の両端には、基板上では、直上或いは直下の層に形成されるコンタクト部が接続される。図13(a)では、かかる開口パターン925に接続されるコンタクト部のコンタクト位置921とコンタクト位置922とを説明のための便宜上、記載している。言い換えれば、開口パターン925は、コンタクト位置921のコンタクト部とコンタクト位置922のコンタクト部とを接続している回路である。ここでは、開口パターン925をエッチング領域927で示すパターンに回路変更を行なう場合について説明する。ここでは、回路の遮断と新しい開口パターン形成とを行なう。
かかる回路修正を行なう場合、エッチング領域927をエッチングするとSi930が宙に浮いてしまう。すなわち、ステンシルマスクでは禁じられている、いわゆるドーナツパターンとなる問題がある。
そこで、図13(b)に示すように、エッチング加工を行なう前に、先行して、デポ膜926を形成するデポ膜形成工程を行なう。デポ膜926に用いるカーボン膜は、薬液洗浄を行っても残っていることが確認されており、十分パターンを支持する接着性能と強度を有している。また、カーボン膜の接着性で支持性能が十分にとれるようにデポ膜の面積を十分に広くとることが望ましい。
その後、図13(c)に示すように、エッチング加工を行なうことにより、いわゆるドーナツパターンを解消することができる。
図14は、いわゆるドーナツパターンを回避するマスクの一部を示す図である。
図14(a)には、開口パターン925上に、デポ膜926が形成されたマスクの一部を示している。ここでは、いわゆるドーナツパターンを回避するため、ドーナツを発生させるエッチング領域のエッチング加工パターンとなる開口パターン935を図14(b)に示すような予備のサブフィールドに描画して、露光時に2度露光を行なって相補露光して配線を完成させるようにしても構わない。さらに、実施の形態2で説明したグリッドパターンを利用して予備のサブフィールドとのIP精度を高めるようにするとなお好ましい。
図15は、メンブレンマスクの一部を示す図である。
図15(a)に示すように、メンブレンマスクは、散乱層11に形成されるパターンとなる部分が貫通されずに薄いメンブレン938で塞がれているマスクである。メンブレン938の材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)や炭化シリコン(SiC)等が有効である。DLCやSiCなどの極薄メンブレンでSiパターンを支持するUTMマスクでは、エッチング領域に貫通するエッチング加工を行ない、開口パターン935を形成する、いわゆるドーナツパターンでも中央部に残る散乱層932を開口パターン925の下のメンブレン938で支えるため、脱落の問題は生じない。
そして、図15(b)に示すように、デポ膜926を形成するデポ膜形成工程を行なえばよい。言い換えれば、メンブレンマスクでは、デポ膜形成とエッチング加工との順序は、どちらが先であっても構わない。
その他、いわゆるドーナツパターンとなるような開口部が、交差しないように配線修正の経路を限定するようにしてもよい。
実施の形態4.
実施の形態4では、前記実施の形態1,2におけるマスク修正を行なう場合のシステム構成について説明する。
図16は、マスク修正システムの構成を示す図である。
図16において、マスク修正システムは、マスクストッカ902、EPL装置904、不良解析装置906、故障解析装置(EDA)908、マスク修正装置910、自動搬送系914を備えている。EPL装置904、不良解析装置906、故障解析装置(EDA)908、マスク修正装置910、自動搬送系914は、LAN(ローカルエリアネットワーク)912にて接続されている。また、マスクストッカ902とEPL装置904とマスク修正装置910は、自動搬送系914によりマスクを自動搬送可能に接続されている。
図17は、マスク修正に至るまでの要部を表すフローチャートである。
S1302において、マスクメーカーよりEPLマスクが入荷する。そして、マスクストッカ902に配置される。
S1304において、EPL装置904によりウェハにEPL転写する。
S1306において、転写したマスクパターンのウェハプロセス、例えば、現像、エッチング、アッシング等が行われ、ウェハ上に所定パターンが形成される。
S1308において、不良解析装置906により、ウェハ欠陥検査、あるいは走査型電子線顕微鏡を用いて検査を行うことによってパターンに不良がないかのチェックを行う。
S1310において、もし不良がある場合には局部的な修正でよいかどうかを判断する。局部的な修正だけではなく、かなり広範囲にわたる修正の場合にはマスクの再作製を行う
S1312において、局部的な修正で可能である場合には、マスク修正装置910でEPLマスクの修正を行い、S1304に戻って再度EPL転写を行う。
S1314において、パターン形成の結果が良好な場合には、不良解析装置906により、回路特性の評価を行なう。
S1320において、回路特性の評価の結果が良好な場合にはEPLを用いての量産・試作が行う。
S1316において、回路特性が不十分な場合には局部的な修正が必要かどうかを判断する。局部的な修正で収まらない場合にはマスクの再作製を行う。
S1318において、局部的な修正で可能である場合には、マスク修正装置910でEPLマスクの回路修正を行い、S1304に戻って再度EPLによる再転写を行う。
かかるマスク修正のフローにおいて、従来、マスク修正装置は欠陥の除去を目的でEPLマスク製作会社が所有している。従って、前記実施の形態1,2の回路変更を行う場合においてもマスクをEPLマスク製作会社に送付する必要がある。以上のように、マスク修正装置が、マスクメーカーに配置されていたため、迅速な対応ができなかった。そこで、マスク修正装置を半導体装置メーカーが所有することにより、フレキシブルさをより有効に利用することが可能となる。さらに、マスクを自動搬送できる領域に、露光装置とマスク修正装置とを配置し、基板の検査ができる領域に検査装置を配置し、修正情報生成装置でマスクのパターンの修正情報を生成することにより、欠陥にすぐに対応することができ、迅速にマスクのパターンを修正することができる。
図18は、自動搬送を伴うマスク修正システムの要部を表すフローチャートである。
S1502において、マスクストッカ902に配置されたマスクをEPL装置904に自動搬送系914を介して搬送する。
S1504において、EPL装置904は、パターンが形成されたマスクを自動搬送系914を介して自動搬入し、図示していないマスクステージに配置して、かかるマスクを用いてマスク上のパターンを基板上に露光する。露光終了後、EPL装置904は、使用したマスクを自動搬送系914を介してマスクストッカ902に搬送して戻しておく。
S1506において、EPL装置904で露光された基板を不良解析装置906に搬送し、不良解析装置906において、ウェハ欠陥検査や回路特性の評価を行なう。
S1508において、不良解析装置906からLAN912を介してウェハ欠陥検査や回路特性の評価の結果情報をEDA908が入力し、EDA908により、故障解析を行ない、修正すべきパターン修正情報を生成する。
S1510において、EDA908からどのマスクの修正を行なうのかをマスクストッカ902にLAN912を介して情報を出力し、マスクストッカ902は、かかる情報に基づいて選択されたマスクを自動搬送系914を介してマスク修正装置910に搬送する。マスクは、EPL装置904から自動搬送系914を介してマスク修正装置910に搬送されても構わない。
S1512において、マスク修正装置910は、EDA908からLAN912を介して修正すべきパターン修正情報を入力し、設定する。そして、マスク修正装置910は、搬入したマスクを図示していないマスクステージに配置して、かかるマスクのパターン修正を行なう。
S1514において、マスク修正装置910は、自動搬送系914を介して修正されたマスクをマスクストッカ902に搬送して戻しておく。
かかる自動搬送システムによりマスクを修正することで、迅速にマスク修正を行なうことができる。さらに、マスク修正装置910において、前記マスクに形成された前記所定のパターンにおける回路配置を修正することにより、迅速に回路配置を修正することができる。ここで、パターン回路の最適化は、設計段階では予測できなかった製造プロセスの誤差が発生する可能性があるので迅速なトライアンドエラーで確認していくことができることが望ましい。本実施の形態では、修正されたマスクで再度、露光、検査、修正と行うことができるので、トライアンドエラーでパターン回路が最適化された高精度なマスクパターンを形成することができる。
以上のように、上記各実施の形態では、マスクパターン上で短時間に回路修正を行って、ウェハ上に転写されたパターンを修正するとともに、ウェハ上に多数繰り返しパターンを形成することができるために不良解析を充実させることができる。その結果、その結果、低価格で多数の試作チップを得ることができる。特に、半導体素子の開発試作段階で生じる小規模の修正を効率的に行うことに好適な方法となっている。
その他、上記各実施の形態では、EPL法を用いて説明を行ったが、部分一括方式を含むマスクを利用した電子線投影を行う装置においては適用が可能である。
以上、具体例を参照しつつ各実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマスク修正方法は、本発明の範囲に包含される。
実施の形態1におけるパターン回路の修正例を示す図である。 実施の形態1におけるパターン回路の修正方法の要部を表すフローチャートである。 ホールパターン検査装置の概要を説明するための図である。 EPLマスク修正装置の概要を説明するための図である。 デポ膜を形成する手法を説明するための図である。 エッチングする手法を説明するための図である。 実施の形態1における別のパターン回路の修正例を示す図である。 マスク修正前とマスク修正後の回路構成を示す図である。 図7(c)の回路構成からさらに修正するパターン回路の修正例を示す図である。 図9に示す修正の終了後の回路構成を示す図である。 実施の形態2におけるパターン回路の修正方法の要部を表すフローチャートである。 グリッドパターンが形成されたマスクの一部を示す図である。 実施の形態3におけるパターン回路の修正例を示す図である。 いわゆるドーナツパターンを回避するマスクの一部を示す図である。 メンブレンマスクの一部を示す図である。 マスク修正システムの構成を示す図である。 マスク修正に至るまでの要部を表すフローチャートである。 自動搬送を伴うマスク修正システムの要部を表すフローチャートである。 EPL露光装置の動作を説明するための概念図である。 可変成形型電子線露光装置の動作を説明するための概念図である。 EPL露光装置に用いる電子線露光用マスクの一部分を示す図である。 マスクの欠陥修正の様子を説明するための図である。
符号の説明
10 Si基板
11,932 散乱層
100 EPLマスク修正装置
110 イオン源
112 イオンビーム
120 イオン光学系
130 二次荷電粒子検出器
140 ガス銃
150 マスクステージ
142 成膜ガス
144 エッチングガス
146 エッチングガス分子
260 デポ膜
300 ウェハ
310 半導体チップ領域
320 サブフィールド
330 電子線
340 マスク
350 サブフィールドマスク
410 アパーチャ
411 開口
420 アパーチャ
421 可変成形用開口
422 部分一括マスク
430 荷電粒子ソース
501,502,503,504 コンタクト位置
601,602,603,604,921,922 コンタクト位置
505,515,525,606,616,926 デポ膜領域
506,516,526,607,617,927 エッチング領域
511,512,513,605,615 開口パターン
706,708,716,718,726,925,935 開口パターン
802 グリッドパターン
902 マスクストッカ
904 EPL装置
906 不良解析装置
908 EDA
910 マスク修正装置
912 LAN
914 自動搬送系
930 Si
938 メンブレン

Claims (10)

  1. マスクパターン回路を修正するマスクパターン回路修正方法において、
    マスクに形成された開口パターン回路上に所定の薄膜を形成して前記開口パターン回路を遮断することを特徴とするマスクパターン回路修正方法。
  2. 前記マスクパターン回路修正方法において、集束イオンビームと成膜ガスとを用いて前記所定の薄膜を形成することを特徴とする請求項1記載のマスクパターン回路修正方法。
  3. 前記マスクパターン回路修正方法において、前記所定の薄膜を形成する領域にガリウムイオンを照射し、
    前記マスクは、電子線露光に用いられるマスクであることを特徴とする請求項2記載のマスクパターン回路修正方法。
  4. マスクパターン回路を修正するマスクパターン回路修正方法において、
    マスク上の所望する位置におけるマスク材料をエッチングして所定の開口パターン回路をマスク上に形成することを特徴とするマスクパターン回路修正方法。
  5. 前記マスクパターン回路修正方法において、集束イオンビームとエッチングガスとを用いて前記マスク材料をエッチングすることを特徴とする請求項4記載のマスクパターン回路修正方法。
  6. マスクに形成された開口パターン回路上に前記開口パターン回路を遮断する所定の薄膜を形成する薄膜形成工程と、
    前記所定の薄膜上に前記開口パターン回路とは異なる回路になるように前記所定の薄膜をエッチングするエッチング工程と、
    を備えたことを特徴とするマスクパターン回路修正方法。
  7. マスク上に所定の間隔で複数の刻印マークを形成する刻印マーク形成工程と、
    前記複数の刻印マークを用いてマスク上の所定の位置を検出する位置検出工程と、
    前記所定の位置に形成される所定の開口パターン回路を遮断する薄膜を形成する薄膜形成工程と、
    を備えたことを特徴とするマスクパターン回路修正方法。
  8. マスク上に所定の間隔で複数の刻印マークを形成する刻印マーク形成工程と、
    前記複数の刻印マークを用いてマスク上の所定の位置を検出する位置検出工程と、
    前記所定の位置におけるマスク材料をエッチングして所定の開口パターン回路を形成するパターン回路形成工程と、
    を備えたことを特徴とするマスクパターン回路修正方法。
  9. 所定のパターンが形成された所定のマスクを自動搬入し、前記所定のマスクを用いて前記所定のパターンを基板上に露光する露光装置と、
    前記露光装置から前記基板を搬入し、前記基板に露光された前記所定のパターンまたはパターン形状に影響を受ける電気特性を検査する検査装置と、
    前記検査装置により検査された結果に基づいて、前記所定のマスクに形成された前記所定のパターンの修正情報を生成する修正情報生成装置と、
    前記修正情報生成装置により生成された前記所定のパターンの修正情報に基づいて、前記所定のマスクを自動搬入し、搬入された前記所定のマスクに形成された前記所定のパターンを修正するマスク修正装置と、
    を備えたことを特徴とするマスク修正システム。
  10. 前記マスク修正装置において、前記所定のマスクに形成された前記所定のパターンにおける回路配置を修正することを特徴とする請求項9記載のマスク修正システム。
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