JP2006125933A - 皮膜検査方法、皮膜検査装置および皮膜検査システム - Google Patents

皮膜検査方法、皮膜検査装置および皮膜検査システム Download PDF

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Abstract

【課題】 皮膜の断熱性や耐熱性などの性能を検査することができるとともに、検査に要する時間を短縮することができる皮膜検査方法、皮膜検査装置および皮膜検査システムを提供する。
【解決手段】 基材3の表面に設けられた皮膜5に熱を加える加熱手段7と、皮膜5の表面温度情報を取得する温度計測手段9と、を備え、加熱手段7により皮膜5に熱を加え、熱を加えたことにより変化する皮膜5の表面温度情報を温度計測手段9により取得し、取得された表面温度情報の変化に基づき皮膜の断熱性能を算出することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、皮膜検査方法、皮膜検査装置および皮膜検査システムに関する。
従来、内燃機関やタービンなどの高温機器において、高温燃焼ガスと直接接触する部材の接触面に遮熱皮膜(例えば、セラミックスなどの溶射皮膜)を形成し、遮熱皮膜を断熱または耐熱用の保護皮膜として用いて上記高温機器の耐熱温度の向上を図ることが検討されていた。
上述の遮熱皮膜における断熱性や耐熱性などの断熱性能評価・検査方法としては、遮熱皮膜を形成された基材を遮熱皮膜側からバーナ等の加熱手段で加熱し、基材の遮熱皮膜の形成面と反対側の面の温度変化を測定することにより、遮熱皮膜の断熱性能を推定し、断熱性能を検査する方法も知られている。しかしながら、この方法では遮熱皮膜の断熱性能推定にかかる時間が長く、量産製品に施される遮熱皮膜の全数検査を行うことは困難であった。また、全数検査を行うとこの検査工程がボトルネックとなり、生産効率の向上を阻害するという問題があった。
そのため、遮熱皮膜の上記断熱性能評価・検査に変わる方法として、遮熱皮膜の外観を目視で観察して、その欠陥(例えば、剥離や割れ等)の有無の検査と、ダイヤルゲージなどの測定機器による膜厚測定が考えられる。つまり、欠陥及び膜厚の検査・測定の結果より上記断熱性能評価・検査の代用とすることにより、検査・測定に要する時間を短縮して全数検査を行うことができる。
しかしながら、目視による遮熱皮膜の欠陥検査においては、例えば、目視においては、大きさが約1mm以下の割れを発見することは困難であるため、十分な検査精度を保障することが困難である。そのため、溶射皮膜などの欠陥を検査するさまざまな方法が提案されている(例えば、特許文献1または2参照。)。
特開平05−288699号公報 特開平07−035620号公報
上述の特許文献1においては、非磁性材からなる被検査材を加熱装置で加熱し、加熱された被検査材から放射される赤外線を赤外線検出器により検出し、検出された信号に基づき傷の有無を判定する赤外線探傷装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されていえる赤外線探傷装置は、被検査材の傷を探知する装置であるため、溶射皮膜の断熱性能を直接評価することができないという問題があった。
特許文献2においては、被測定物と赤外線センサとの間に、0.2以上の放射率を有する材料からなる高放射層と、赤外線透過材料からなる透過層と、所定波長の赤外線をカットするバンドカットフィルタと、を被測定物側から順に配置し、これらの層を通して被測定物の表面温度分布を測定する方法が開示されている。この方法では、被測定物の材質や表面の放射率の違いや凹凸度に左右されずに、被測定物表面の正確な温度分布情報を得ることにより、被測定物内部の欠陥の検出が可能である。
しかしながら、特許文献2に開示されている検査方法では被測定物である溶射皮膜の断熱性や耐熱性などの断熱性能を直接評価することができないという問題があった。
超音波検査による遮熱皮膜の欠陥検査方法も知られているが、遮熱皮膜の膜厚が薄いと欠陥の検査が困難であった。また、セラミックスなどの多孔体からなる溶射皮膜が遮熱皮膜の場合には、ノイズが多くなり検査が困難となっていた。
また、上述の検査・測定方法においては、断熱性や耐熱性が異なる遮熱皮膜をその断熱性や耐熱性が徐々に変化するように積層させた傾斜機能膜の場合、各遮熱皮膜の層ごとに膜厚などを検査・測定する必要があり、検査・測定に要する時間を短縮することは困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、皮膜の断熱性や耐熱性などの性能を検査することができるとともに、検査に要する時間を短縮することができる皮膜検査方法、皮膜検査装置および皮膜検査システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の皮膜検査方法は、基材の表面に設けられた皮膜に熱を加える加熱手段と、前記皮膜の表面温度情報を取得する温度計測手段と、を備え、前記加熱手段により前記皮膜に熱を加え、熱を加えたことにより変化する前記皮膜の表面温度情報を、前記温度計測手段により取得し、前記取得された表面温度情報の変化に基づき前記皮膜の断熱性能を算出することを特徴とする。
本発明によれば、温度計測手段により取得された表面温度変化に基づいて、皮膜の断熱性能を直接算出することができる。そのため、上記の基材の反対側の面の温度変化を測定する方法と比較して、皮膜の断熱性能の測定時間を短縮することができる。
また、皮膜の断熱性能を直接測定できるため、代わりに測定していた皮膜の膜厚を測定する必要がなくなる。そのため、例えば複数の異なる皮膜からなる傾斜機能膜の場合でも、各層の測定を行う必要がなく、1回の検査で傾斜機能膜の断熱性能を得ることができる。また、膜厚測定が困難であるセラミックスの溶射皮膜のような多孔体の皮膜でも、容易に断熱性能を測定することができる。
また、上記発明においては、少なくとも前記算出された断熱性能に基づき、前記皮膜の欠陥を推定することが望ましい。
本発明によれば、少なくとも表面温度情報の変化により算出された断熱性能に基づいて皮膜の剥離や割れ等の欠陥を推定しているため、表面温度情報のみに基づいて算出した場合と比較して、皮膜の欠陥を正確に推定することができる。つまり、周囲の温度環境に影響される表面温度情報に対して、断熱性能は皮膜固有の性質であり外部環境の影響を受けないため、正確に皮膜欠陥の位置、大きさ等を推定することができる。
さらに、上記発明においては、少なくとも前記取得された表面温度情報または前記算出された断熱性能の一方を含む複数の評価パラメータと、当該複数の評価パラメータにおける良・不良を判断する各閾値とを比較し、前記複数の評価パラメータと前記各閾値との差に基づいて前記皮膜の良・不良を判断することが望ましい。
本発明によれば、少なくとも表面温度情報または断熱性能を含む複数の評価パラメータと各評価パラメータにおける閾値との差に基づいて皮膜の良・不良を判断することができる。そのため、皮膜の良・不良の判断基準を所定の基準に固定することができ、安定した判断を下すことができる。また、所定の判断方法を定めることにより、判断の自動化を図ることができ、判断に要する時間を短縮し、大量の皮膜の判断を行うことができる。
なお、上記判断の方法にはさまざまな手法を用いることができ、例えば、マハラノビスの距離を用いた方法などを例示することができる。
本発明の皮膜検査装置は、基材の表面に設けられた皮膜に熱を加える加熱手段と、該加熱手段により変化する前記皮膜の表面温度情報を取得する温度計測手段と、少なくとも、前記温度測定手段により取得された表面温度情報の変化に基づき前記皮膜の断熱性能を算出する演算部と、を備えることを特徴とする皮膜検査装置。
本発明によれば、温度計測手段により取得された表面温度変化に基づいて、演算部が皮膜の断熱性能を直接算出することができる。そのため、皮膜の断熱性能の測定時間を短縮することができる。
また、演算部により皮膜の断熱性能を直接測定できるため、代わりに測定していた皮膜の膜厚を測定する必要がなくなる。
本発明の皮膜検査システムは、前記皮膜が形成された基材を搬送する搬送手段と、前記皮膜の断熱性能を検査する検査装置と、該検査装置の検査結果と、該検査結果の良・不良を判断する閾値と、に基づいて前記被膜の良・不良を判断する演算部と、を備える皮膜検査システムであって、前記検査装置が、上記本発明の検査装置であることを特徴とする。
本発明によれば、皮膜の断熱性能の検査に上記本発明の検査装置を用いているため、断熱性能を直接検査することができるとともに検査に要する時間を短縮することができる。さらに、目視では発見困難な剥離や割れ等の皮膜欠陥を発見することができる。
また、演算部が、検査装置の検査結果とその閾値との差に基づいて皮膜の良・不良を判定するため、判定基準を固定することができるとともに、安定して判定を行うことができる。さらに、判定に要する時間を短縮することができ、大量の皮膜の検査を行うことができる。
搬送手段により皮膜が形成された基材を搬送するため、皮膜を検査装置に搬入する時間を短縮することができるとともに、大量に搬送することができ、検査できる皮膜の数を増やすことができる。
本発明の皮膜検査方法および皮膜検査装置によれば、温度計測手段により取得された表面温度変化に基づいて、皮膜の断熱性能を直接算出することができるため、皮膜の断熱性能を検査することができるとともにその測定時間を短縮することができるという効果を奏する。
本発明の皮膜検査システムによれば、皮膜の断熱性能の検査に上記本発明の検査装置を用いているため、断熱性能を直接検査することができるとともに検査に要する時間を短縮することができるという効果をそうする。
また、判定部により、検査装置の検査結果とその閾値との差に基づいて皮膜の良・不良を判定するため、判定に要する時間を短縮することができ、大量の皮膜の検査を行うことができるという効果を奏する。さらに、搬送手段により皮膜が形成された基材を搬送するため、皮膜を検査装置に搬入する時間を短縮することができるという効果を奏する。
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施形態にかかる皮膜検査装置について図1から図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態における皮膜検査装置の概略を説明する概念図である。
皮膜検査装置1は、図1に示すように、基材3の表面に設けられた溶射皮膜(皮膜)5に熱を加える加熱部(加熱手段)7と、溶射皮膜5の表面温度を計測するサーモグラフィ(温度計測手段)9と、計測された表面温度に基づいて溶射皮膜5の断熱性能を算出する演算部11と、から概略構成されている。
基材3としては、例えば内燃機関やタービンなどの高温機器の高温領域と接する部材を例示することができ、具体的にはディーゼルエンジンのシリンダヘッドやピストン等を挙げることができる。なお、図1において、基材3は簡略化のため略直方体と仮定しているが、実際にはそれぞれの目的に適した形状に形成されている。
溶射皮膜5としては、例えば断熱性能の高い(熱伝導率の低い)材料であるセラミックの溶射皮膜を挙げることができるが、他の材料からなる溶射皮膜であっても構わない。溶射皮膜5が設けられる場所としては、例えば、上述のシリンダヘッドの場合にはシリンダの内面を形成する領域であり、高温領域と接する領域に設けられる。
さらには、断熱性能(例えば熱伝導率)の異なる溶射皮膜5を複数層設けた傾斜機能膜(皮膜)13を基材3に形成してもよい。溶射皮膜の層数としては、図2に示すように、溶射皮膜(皮膜)5aから溶射皮膜(皮膜)5eまでの5層であってもよいし、それよりも多くても少なくてもよい。
複数の溶射皮膜5a〜5eの配置順序としては、熱伝導率が徐々に変化するように配置されるとともに、基材3側には基材3の熱伝導率に近い熱伝導率を有する溶射皮膜5aが配置され、高温領域側には熱伝導率の低い溶射皮膜5eことが望ましい。このように構成することにより、各溶射皮膜の熱伝導率の違いによる熱応力の発生を低減させることができるとともに、良好な断熱性能を具備させることができる。
加熱部7は、基材3の溶射皮膜5が設けられた面を加熱できるように、基材3の溶射皮膜5側に配置されている。加熱部7としては、赤外線ヒータやレーザ照射機のような大熱量を有する装置であってもよいし、白熱灯やハロゲンランプのような小熱量を有するものであってもよい。特に溶射皮膜5の加熱に大熱量を必要としないため、装置の簡略化などの観点からハロゲンランプなどの小熱量のものが好ましい。
サーモグラフィ9は、溶射皮膜5の表面温度が測定できるように、基材3の溶射皮膜5側に配置されている。表面温度は、溶射皮膜5の表面から放射されている赤外線をサーモグラフィ9に備えられたセンサの画素ごとに計測することで測定されている。
演算部11には、サーモグラフィ9により測定された溶射皮膜5の表面温度の情報が入力されている。演算部11は、入力された溶射皮膜5の表面温度の時間変化に基づいて、溶射皮膜5の断熱性能を算出している。
次に、上記の構成からなる皮膜検査装置1における断熱性能の算出・検査方法について説明する。
まず、図1に示すように、基材3を、溶射皮膜5が設けられた面が加熱部7およびサーモグラフィ9と対向するように配置する。その後、加熱部7により溶射皮膜5を所定時間加熱する。加熱する時間は溶射皮膜5の断熱性能の算出に必要な表面温度の変化を起こすことができる時間であればよく、特に限定されるものではないがより短い時間である方が好ましい。溶射皮膜5の検査時間の短縮を図ることができるからである。
サーモグラフィ9は、加熱により温度上昇中の溶射皮膜5の表面温度、あるいは、加熱終了後の冷却中の溶射皮膜5の表面温度の少なくとも一方を所定期間測定する。測定はサーモグラフィ9に備えられたセンサの画素ごとに行われ、画素ごとに測定された表面温度は表面温度情報として演算部11に出力される。
画素ごとの表面温度と時間との関係は、例えば図3に示すような関係となっている。図3では溶射皮膜5の表面温度が上昇中の場合を示しており、時間が経過するにつれ画素ごとの表面温度も上昇している。溶射皮膜5が冷却中の場合には、時間が経過するにつれ画素ごとの表面温度が低下する。
画素ごとの表面温度情報が入力された演算部11においては、以下に説明する非定常温度分布を利用した皮膜の熱伝導率の推定方法を用いて溶射皮膜5の断熱性能を算出・推定する。
ここで、溶射皮膜5の表面温度から、溶射皮膜5の断熱性能を推定する方法について説明する。
図4は、溶射皮膜5の断熱性能の推定に用いるモデルを示す図である。
まず、溶射皮膜5と基材3とを併せた熱伝導率をλmと定義すると、熱伝導率λmは以下の式により表される。
Figure 2006125933
ここで、Lは溶射皮膜5と基材3との合計寸法であり、lは溶射皮膜5の膜厚寸法、λは溶射皮膜5の熱伝導率であり、lは基材3の厚さ寸法、λは基材3の熱伝導率である。
基材3の寸法lおよび熱伝導率λは既知であり、また、溶射皮膜5の膜厚寸法lは基材3の寸法lより十分に小さい(l<<l)ことから、溶射皮膜5と基材3との合計寸法Lは基材3の寸法lと略等しい(L≒l)とすることができる。すると、熱伝導率λmが判れば、溶射皮膜5の熱通過率K=λ/lを求めることができる。
熱通過率とは、溶射皮膜5の両側の媒質の温度差が1℃のときに、1mの面積を通過する熱量のことであり、熱通過率の値が大きいと断熱性能が低く(熱伝導率が高く)、逆に熱通過率の値が小さいと断熱性能が高い(熱伝導率が低い)ことになる。
次に、熱伝導率λmの算出方法について説明する。
溶射皮膜5の表面温度の計測時間を極短時間とし、基材3の深部にまで熱が伝わらないと仮定し、半無限体の一次元熱伝導問題として考える。この場合、基礎式は以下に表される式となる。
Figure 2006125933
ここで、κは熱拡散率であり、κ=λm/cmρmである。λmは等価熱伝導率、cmは等価比熱、ρmは等価密度である。
初期温度としては、t=0,T0(ここでは便宜上、0℃とする)が用いられ、境界条件としては、x=0,T(0,t)=f(t)が用いられる(図5参照)。
表面温度が時間的に変化するときの解は、デュアメルの定理より以下の式で表される。
Figure 2006125933
ここで、F(x,t)は、図5に示すように、時刻t=0において単位ステップだけ表面温度が変化したときの解であり、以下の式で与えられる。
Figure 2006125933
(1),(2)式より、任意の時刻および位置の温度T(x,t)の解析解が得られる。熱拡散率κを推定するためには、次式を満足するように最適化計算(繰り返し計算)により決定する。
Figure 2006125933
熱拡散率κが求まると、等価比熱cm、等価密度ρmを与えることにより等価熱伝導率λmを算出することができる。その結果、溶射皮膜5の熱透過率Kを求めることができ、断熱性能を推定することができる。
なお、等価比熱cm、等価密度ρmは、事前に演算部11に設定しておく必要があるが、これらの値を事前に設定することは困難である。そのため、厳密な等価熱伝導率λmを算出することはできないが、熱拡散率κを溶射皮膜5の断熱性能の評価指標として用いることができる。
上記の構成によれば、サーモグラフィ9により取得された溶射皮膜5の表面温度変化に基づいて、溶射皮膜5の断熱性能を直接算出することができる。そのため、上記の基材の反対側の面の温度変化を測定する方法と比較して、皮膜の断熱性能の測定時間を短縮することができる。
また、例えば基材3の表面に複数層の溶射皮膜5a〜5eからなる傾斜機能膜13が形成されている場合でも、1回の測定・検査により傾斜機能膜13の断熱性能を算出することができる。そのため、従来の各溶射皮膜5の膜厚測定で代用していた場合と比較して、断熱性能の測定時間を大幅に短縮することができる。
溶射皮膜5の断熱性能を直接測定できるため、代わりに測定していた溶射皮膜5の膜厚を測定する必要がなくなる。そのため、膜厚測定が困難であるセラミックスのような多孔体からなる溶射皮膜5でも、容易に断熱性能を測定することができる。さらに、複数の異なる溶射皮膜5からなる傾斜機能膜の場合でも、各層の測定を行う必要がなく、1回の検査で傾斜機能膜の断熱性能を得ることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図6および図7を参照して説明する。
本実施の形態の皮膜検査装置の基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、演算部における溶射皮膜の欠陥検出方法が異なっている。よって、本実施の形態においては、図6および図7を用いて演算部における溶射皮膜の欠陥検出方法について説明し、加熱部等の説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る皮膜検査装置の概略を説明する概念図である。
皮膜検査装置51は、図6に示すように、基材3の表面に設けられた溶射皮膜5に熱を加える加熱部7と、溶射皮膜5の表面温度を計測するサーモグラフィ9と、計測された表面温度に基づいて溶射皮膜5の断熱性能を算出するとともに、溶射皮膜5の欠陥55を推定する演算部53と、から概略構成されている。
溶射皮膜5には、図6に示すように、皮膜内に剥離などの欠陥55が発生している。欠陥55としては、図6に示すような剥離であっても構わないし、亀裂などの割れであっても構わない。
演算部53には、サーモグラフィ9により測定された溶射皮膜5の表面温度の情報が入力されている。演算部53は、入力された溶射皮膜5の表面温度の時間変化に基づいて、溶射皮膜5の断熱性能を算出している。
次に、上記の構成からなる皮膜検査装置51における作用について説明する。
皮膜検査装置51の演算部53における溶射皮膜5の断熱性能の算出方法については、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
図7は、欠陥55を有する溶射皮膜5の断熱性能の分布状態を例示する図である。
演算部53において算出された各画素に対応した断熱性能を、溶射皮膜5の表面に対応させると、図7に示すように、欠陥55に対応した領域の断熱性能が局所的に高くなる。これは、欠陥55が溶射皮膜5内に存在すると、欠陥55により熱の伝達が阻害され迂回して流れるためである。
なお、上述のように溶射皮膜5の断熱性能分布に基づいて欠陥55の有無およびその位置を推定してもよいし、溶射皮膜5の表面温度分布に基づいて欠陥55の有無およびその位置を推定しても構わない。
上記の構成によれば、少なくとも演算部53により算出された断熱性能の分布に基づいて溶射皮膜5の剥離や割れ等の欠陥55を推定しているため、表面温度のみに基づいて推定した場合と比較して、溶射皮膜5の欠陥55を正確に推定することができる。つまり、周囲の温度環境に影響される表面温度に対して、断熱性能は溶射皮膜5固有の性質であり外部環境の影響を受けないため、正確に欠陥55の位置、大きさ等を推定することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図8および図9を参照して説明する。
本実施の形態の皮膜検査装置の基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、演算部における溶射皮膜の欠陥検出方法が異なっている。よって、本実施の形態においては、図8および図9を用いて演算部における溶射皮膜の欠陥検出方法について説明し、加熱部等の説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る皮膜検査装置の概略を説明する概念図である。
皮膜検査装置101は、図8に示すように、基材3の表面に設けられた溶射皮膜5に熱を加える加熱部7と、溶射皮膜5の表面温度を計測するサーモグラフィ9と、計測された表面温度に基づいて溶射皮膜5の断熱性能を算出するとともに、溶射皮膜5の欠陥55を推定する演算部105と、から概略構成されている。
演算部105には、サーモグラフィ9により測定された溶射皮膜5の表面温度の情報が入力されている。演算部105は、入力された表面温度に基づいて溶射皮膜5の断熱性能を算出するとともに、後述するように溶射皮膜5の良品・不良品を判定する。
次に、上記の構成からなる皮膜検査装置101における作用について説明する。
皮膜検査装置101における溶射皮膜5の断熱性能の算出方法については、第1の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
次に、演算部105における、溶射皮膜5の判定方法について説明する。
演算部105においては、「マハラノビスの距離」を用いて溶射皮膜5の判定が行われる。判定に用いる溶射皮膜5の特徴量(評価パラメータ)としては、測定された画素ごとの温度分布や、その温度履歴、算出された断熱性能などを用いることができる。
なお、上記判定の特徴量に、溶射皮膜5の断熱性能を用いることにより、溶射皮膜5の性能不良品を判別することができるようになる。
「マハラノビスの距離」を用いた評価とは、ある集団の特徴量(多変数)を一つのパラメータ(マハラノビスの距離)で表し、あるサンプルの良・不良を、健全な集団(良品)の基本データからの距離で評価する方法である。
あるサンプルが不良品であれば、健全な集団からの距離は大きくなり、良品であれば健全な集団からの距離は小さくなる。
つまり、演算部105では、予め良品と判定されている溶射皮膜5の特徴量をマハラノビスの距離で表した良品のデータが蓄積されており、その後に測定された溶射皮膜5の特徴量をマハラノビスの距離で表した際に、上記良品のデータからどれだけ離れているかにより判定が行われている。
これをイメージで表したのが図9であり、図9では理解の容易化のため特徴量が2つの場合で示している。図9中のGが良品の溶射皮膜5の特徴量により形成された基準空間(閾値)を示し、Sが測定された溶射皮膜5の特徴量の位置である。基準空間は、例えば、相関関数と平均と標準偏差で決定することができる。
Sで示された溶射皮膜5の判定は、基準空間Gの中心からの距離Lにより行われる。基準空間Gの中心からその境界までの距離よりも距離Lが長い場合、つまり基準空間Gの外部に位置する場合には、不良品と判定される。逆に、基準空間Gの中心からその境界までの距離よりも距離Lが短い場合、つまり基準空間Gの内部に位置する場合には、良品と判定される。
上記の構成によれば、溶射皮膜5の表面温度や断熱性能などの複数の特徴量と各特徴量における基準空間Gとの差に基づいて溶射皮膜5の良品・不良品を判断することができる。そのため、溶射皮膜5の良品・不良品の判断基準を所定の基準に固定することができ、安定した判別を行うことができる。
また、演算部105により自動的に溶射皮膜5の判別を行うことができ、溶射皮膜5の判別に要する時間を短縮し、大量の溶射皮膜5の判断を行うことができる。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図10を参照して説明する。
本実施の形態の皮膜検査システムの基本構成は、第3の実施の形態と同様であるが、第3の実施の形態とは、皮膜検査装置の周辺構成の有無が異なっている。よって、本実施の形態においては、図10を用いて皮膜検査装置の周辺構成を説明し、皮膜検査装置等の説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る皮膜検査システムの概略を説明する図である。
なお、第3の実施形態と同一の構成要素には、同一の符号を付しその説明を省略している。
皮膜検査システム151は、図10に示すように、基材3に設けられた溶射皮膜5の検査を行う検査装置101と、基材3を検査装置101に搬送するベルトコンベヤ(搬送手段)153とから概略構成されている。
なお、ベルトコンベヤ153は、溶射皮膜5を検査する検査工程(検査装置101の近傍領域)だけに設置されていてもよいし、より上流工程側に延設されて基材3に溶射皮膜5を溶射する溶射工程から連続して一体に設置されていてもよいし、下流工程側に延設されて基材3を他の部品と組み合わせる組立工程にまで連続して一体に設置されていてもよい。
次に、上記の構成からなる皮膜検査システム151における作用について説明する。
ベルトコンベヤ153の上に乗せられた基材3は、ベルトコンベヤ153により皮膜検査装置101に搬入される。搬入された基材3は、移動しながら皮膜検査装置101により、その溶射皮膜5の断熱性能等が検査され、その演算部105において良品・不良品の判断がされる。なお、皮膜検査装置101における溶射皮膜5の断熱性能の算出方法については、第3の実施形態と同様であるのでその説明を省略する。
良品と判断された溶射皮膜5は、そのままベルトコンベヤ153により皮膜検査装置101から搬出され、さらに下流工程に運ばれる。不良品と判断された溶射皮膜5は、ベルトコンベヤ153から除去される。
上記の構成によれば、溶射皮膜5の断熱性能の検査に検査装置101を用いているため、断熱性能を直接検査することができるとともに検査に要する時間を短縮することができる。さらに、目視では発見困難な剥離や割れ等の皮膜欠陥を発見することができる。
また、演算部105が、検査装置101の検査結果とその基準空間との差に基づいて溶射皮膜5の良品・不良品を判別するため、判定基準を固定することができるとともに、安定して判別を行うことができる。さらに、判別に要する時間を短縮することができ、大量の照射皮膜5の検査を行うことができる。
ベルトコンベヤ153により溶射皮膜5が形成された基材3を搬送するため、溶射皮膜5を検査装置101に搬入する時間を短縮することができるとともに、大量に搬送することができ、検査できる溶射皮膜5の数を増やすことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、断熱を目的としたセラミックの溶射皮膜の検査を行うものに適用して説明したが、他の金属の溶射皮膜等、その他各種の皮膜コーティングの検査に適用することができるものである。
本発明による第1の実施形態における皮膜検査装置の概略を示す図である。 複数の溶射皮膜から構成される傾斜機能膜の一例を示す図である。 画素ごとの表面温度と時間との関係の一例を示す図である。 図1の溶射皮膜の断熱性能の推定に用いるモデルを示す図である (1)式のF(x,t)の時刻t=0における、単位ステップだけ表面温度が変化したときの解を示す図である。 本発明による第2の実施形態における皮膜検査装置の概略を示す図である。 欠陥を有する溶射皮膜の断熱性能の分布状態の一例を示す図である。 本発明による第3の実施形態における皮膜検査装置の概略を示す図である。 マハラノビスの距離を用いた判別方法を説明する図である。 本発明による第4の実施形態における皮膜検査システムの概略を示す図である。
符号の説明
1,51,101 皮膜検査装置
3 基材
5,5a,5b,5c,5d,5e 溶射皮膜(皮膜)
7 加熱部(加熱手段)
9 サーモグラフィ(温度計測手段)
11,53,105 演算部
13 傾斜機能膜(皮膜)
151 皮膜検査システム
153 ベルトコンベヤ(搬送手段)
G 基準空間(閾値)

Claims (5)

  1. 基材の表面に設けられた皮膜に熱を加える加熱手段と、
    前記皮膜の表面温度情報を取得する温度計測手段と、を備え、
    前記加熱手段により前記皮膜に熱を加え、
    熱を加えたことにより変化する前記皮膜の表面温度情報を、前記温度計測手段により取得し、
    前記取得された表面温度情報の変化に基づき前記皮膜の断熱性能を算出することを特徴とする皮膜検査方法。
  2. 少なくとも前記算出された断熱性能に基づき、前記皮膜の欠陥を推定することを特徴とする請求項1記載の皮膜検査方法。
  3. 少なくとも前記取得された表面温度情報または前記算出された断熱性能の一方を含む複数の評価パラメータと、当該複数の評価パラメータにおける良・不良を判断する各閾値とを比較し、
    前記複数の評価パラメータと前記各閾値との差に基づいて前記皮膜の良・不良を判断することを特徴とする請求項1または2に記載の皮膜検査方法。
  4. 基材の表面に設けられた皮膜に熱を加える加熱手段と、
    該加熱手段により変化する前記皮膜の表面温度情報を取得する温度計測手段と、
    少なくとも、前記温度測定手段により取得された表面温度情報の変化に基づき前記皮膜の断熱性能を算出する演算部と、を備えることを特徴とする皮膜検査装置。
  5. 前記皮膜が形成された基材を搬送する搬送手段と、
    前記皮膜の断熱性能を検査する検査装置と、
    該検査装置の検査結果と、該検査結果の良・不良を判断する閾値と、に基づいて前記被膜の良・不良を判断する演算部と、を備える皮膜検査システムであって、
    前記検査装置が、請求項4記載の検査装置であることを特徴とする皮膜検査システム。
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