JP2006124678A - 生分解性樹脂の分解処理方法及びそれに用いる分解処理液 - Google Patents
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Abstract
【課題】生分解性樹脂の使用期間終了後において、生分解を促進して短期間での分
解を可能とする分解処理方法及びそれに用いる分解処理液を提供する。
【解決手段】廃棄すべき生分解性樹脂を、該生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性分解処理液に接触させて分解する生分解性樹脂の分解処理方法、及び、生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性液である生分解性樹脂の分解処理液。
解を可能とする分解処理方法及びそれに用いる分解処理液を提供する。
【解決手段】廃棄すべき生分解性樹脂を、該生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性分解処理液に接触させて分解する生分解性樹脂の分解処理方法、及び、生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性液である生分解性樹脂の分解処理液。
Description
本発明は、生分解性樹脂の分解処理方法及びそれに用いる分解処理液に関し、更に詳しくは、生分解性樹脂の使用期間終了後において、生分解を促進して短期間での分解を可能とする分解処理方法及びそれに用いる分解処理液に関する。
近年、合成樹脂成形体の使用期間終了後の埋め立て廃棄処理に伴う環境蓄積による環境汚染の問題に対して、土壌中の微生物や酵素等で分解する生分解性樹脂の使用が注目されており、その生分解性樹脂として、従来より、例えば、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸との重縮合体や、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の重縮合体等の脂肪族ポリエステルに代表されるポリエステル系樹脂等が知られている。
ところが、ポリエステル系樹脂等の生分解性樹脂は、生分解速度が未だ不十分で、本格的な実用化には到り得ておらず、その生分解速度を、樹脂面から改良する方法、及び分解微生物、酵素等の面から改良する方法等について、多数の提案がなされているものの、これらの方法によっても、成形加工性、及び成形体としての機械的強度等を保持した生分解性樹脂としては、依然として生分解速度自体が十分とはならず、且つ、埋め立て廃棄処理される地域の気候風土や土壌質、及び季節等によって生分解速度に差が生じる等の問題もあって、それらの点の早期の解決が求められているのが現状である。
これに対して、本願出願人は、先に、生分解性樹脂成形体を埋め立てにより廃棄処理するにおいて、成形体表面に、該生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素等を接触せしめた後、埋め立てる廃棄処理方法、及び、その成形体が農業用マルチングフィルムである場合において、敷設状態のマルチングフィルム表面に前記微生物又は/及び酵素等を接触せしめた後、フィルムを土壌中に鋤込むことにより埋め立てる廃棄処理方法を発明し、特許出願した(特許文献1、特許文献2参照。)。しかしながら、これらの方法は、成形体表面に予め接触させる微生物又は/及び酵素等の処理液が成形体表面に保持され難く、埋め立て前の微生物又は/及び酵素等の接触による生分解促進効果が発現しないことが往々にして発生することが判明した。
特開2003−41047号公報
特開2002−348406号公報
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、生分解性樹脂の使用期間終了後において、生分解を促進して短期間での分解を可能とする分解処理方法及びそれに用いる分解処理液を提供することを目的とする。
本発明は、廃棄すべき生分解性樹脂を、該生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性分解処理液に接触させて分解する生分解性樹脂の分解処理方法、及び、生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性液である生分解性樹脂の分解処理液、を要旨とする。
本発明によれば、生分解性樹脂の使用期間終了後において、生分解性樹脂の生分解を促進して短期間での分解を可能とする分解処理方法及びそれに用いる分解処理液を提供することができる。
以下に本発明の生分解性樹脂の分解処理方法及びそれに用いる分解処理液の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
本発明の生分解性樹脂の分解処理方法における生分解性樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知の生分解性樹脂の中で成形加工性、及び成形体としての機械的強度等を有する樹脂であればよいが、中で、例えば、脂肪族或いは脂環式ジオールと脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸との重縮合体及び共重縮合体、脂肪族或いは脂環式ヒドロキシカルボン酸の重縮合体及び共重縮合体、ラクトンの重縮合体及び共重縮合体、並びに、これらのジオールとジカルボン酸、及びラクトン、ヒドロキシカルボン酸等の共重縮合体等のポリエステル系樹脂が好適なものとして挙げられる。
そのポリエステル系樹脂において、脂肪族或いは脂環式ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等が、又、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、及び、これらジカルボン酸の炭素数1〜4程度のアルキルエステル、無水物等の誘導体等が、それぞれ挙げられる。
又、脂肪族或いは脂環式ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−n−酪酸、3−ヒドロキシ−n−酪酸、4−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−n−吉草酸、3−ヒドロキシ−n−吉草酸、4−ヒドロキシ−n−吉草酸、5−ヒドロキシ−n−吉草酸、2−ヒドロキシ−n−カプロン酸、2−ヒドロキシ−i−カプロン酸、3−ヒドロキシ−n−カプロン酸、4−ヒドロキシ−n−カプロン酸、5−ヒドロキシ−n−カプロン酸、6−ヒドロキシ−n−カプロン酸等が、又、ラクトンとしては、例えば、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ラウロラクトン等が、それぞれ挙げられる。
これらの中で、本発明においては、脂肪族或いは脂環式ジオール、及び脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸からなる脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂、並びに、脂肪族或いは脂環式ジオール、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸、及び脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸からなる脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂が好ましい。
更に、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位が、炭素数2〜10の脂肪族ジオールに由来する単位、或いは炭素数3〜10の脂環式ジオールに由来する単位であり、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位が、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸に由来する単位、或いは炭素数3〜12の脂環式ジカルボン酸に由来する単位であるのが好ましく、又、脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成単位が、炭素数2〜12の2−ヒドロキシアルカン酸に由来する単位であるのが好ましい。更に、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位が1,4−ブタンジオールに由来する単位であり、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位が琥珀酸に由来する単位であり、脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成単位が乳酸又はグリコール酸に由来する単位であるのが特に好ましい。
本発明において、これらの脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂は、バイオマス資源から誘導されるものでもよい。
又、その脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂としては、成形加工性、及び成形体としての機械的強度、並びに生分解性等の面から、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位が35〜50モル%、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位が35〜50モル%、及び脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成単位が0〜30モル%からなるものが好ましく、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位が40〜50モル%、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位が40〜50モル%、及び脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成単位が0〜20モル%からなるものが更に好ましく、脂肪族或いは脂環式ジオールに由来する構成単位が45〜50モル%、脂肪族或いは脂環式ジカルボン酸に由来する構成単位が45〜50モル%、及び脂肪族或いは脂環式オキシカルボン酸に由来する構成単位が0〜10モル%からなるものが特に好ましい。
尚、前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂としては、共重合成分として、例えば、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、及び、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、並びに、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、没食子酸、及び、林檎酸、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三官能以上の多官能成分を、全成分に対して5モル%以下の量の構成単位として含んでいてもよく、これらの前記脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂は、例えば、特開平8−239461号公報等に記載される公知の方法により製造される。
又、本発明に係る脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂には、カーボネート化合物やジイソシアネート化合物等の鎖延長剤を使用することもできる。その量は、通常、ポリエステル樹脂を構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合ならびにウレタン結合が10モル%以下となるような量である。
しかしながら、ポリエステル樹脂を生分解性樹脂として使用する場合には、ジイソシアネートやカーボネート結合が存在すると、生分解性を阻害する可能性があるため、その使用量は、ポリエステル樹脂を構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合が好ましくは10モル%未満、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは5モル%以下であり、ウレタン結合が、好ましくは3モル%未満、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.001モル%以下となるような量である。
しかしながら、ポリエステル樹脂を生分解性樹脂として使用する場合には、ジイソシアネートやカーボネート結合が存在すると、生分解性を阻害する可能性があるため、その使用量は、ポリエステル樹脂を構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合が好ましくは10モル%未満、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは5モル%以下であり、ウレタン結合が、好ましくは3モル%未満、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.001モル%以下となるような量である。
ここでカーボネート化合物としては、具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが例示される。その他、フェノール類、アルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種、または異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物が使用可能である。
ジイソシアネート化合物としては、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合体、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。
また、その他の鎖延長剤として、ジオキサゾリン、珪酸エステルなどを使用してもよい。
珪酸エステルとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が例示される。
珪酸エステルは、環境保全ならびに安全性の面の理由からは、特にその使用量に制限はされないが、操作が煩雑になったり、重合速度に影響を与える可能性があるため、その使用量は少ない方が良い場合がある。従って、その含有量は、ポリエステル樹脂を構成する全単量体単位に対して、0.1モル%以下とするのが好ましく、10−5モル%以下とするのが更に好ましい。
珪酸エステルとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が例示される。
珪酸エステルは、環境保全ならびに安全性の面の理由からは、特にその使用量に制限はされないが、操作が煩雑になったり、重合速度に影響を与える可能性があるため、その使用量は少ない方が良い場合がある。従って、その含有量は、ポリエステル樹脂を構成する全単量体単位に対して、0.1モル%以下とするのが好ましく、10−5モル%以下とするのが更に好ましい。
又、本発明に係るポリエステル樹脂には、溶融テンションを高めるために、毒性の低い化合物を添加する限り、少量のパーオキサイドを添加してもよく、ポリエステル末端基をカルボジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール又はカルボン酸で封止しても良い。
又、本発明における生分解性樹脂の分子量としては、成形加工性、及び成形体としての機械的強度、並びに生分解性等の面から、数平均分子量で1万〜20万であるのが好ましい。
又、本発明における前記生分解性樹脂は、樹脂成形体に通常用いられる酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、離型剤、防曇剤、核剤、可塑剤、着色剤、充填材等が含有されていてもよい。
本発明における前記生分解性樹脂の形状は、特に限定されるものではないが、使用期間終了後の廃棄処理時においては、通常、例えば、包装用資材、農業用資材、土木用資材、建築用資材、漁業用資材、自動車部品、家電部品、その他工業用資材等として、フィルム状、シート状、繊維状、トレイ状、ボトル状、パイプ状、その他特定形状等を有する成形体であり、これらは、熱可塑性樹脂の通常の溶融成形法、例えば、押出成形、圧縮成形、射出成形、中空成形、回転成形等、並びに、更にそれらに熱成形、延伸成形、発泡成形等の二次成形法を適用して成形されたものである。
これらの中で、本発明における前記生分解性樹脂としては、多量の廃棄量が発生する包装用資材、例えば、包装用フィルム、袋、トレイ、ボトル、緩衝用発泡体、魚箱等、及び、農業用資材、例えば、マルチングフィルム、トンネルフィルム、ハウスフィルム、日覆い、畦シート、発芽シート、植生マット、育苗床、植木鉢等、並びに自動車部品、家電部品等であるのが好ましく、特に、土壌に近い状態で用いられる農業用資材であるのが好ましい。
本発明の生分解性樹脂の分解処理方法は、使用期間終了後の廃棄すべき前記生分解性樹脂を、該生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性分解処理液に接触させて分解するものである。
ここで、生分解性樹脂の分解能を有する微生物、酵素としては、廃棄対象の生分解性樹脂を分解する能力を有するものであればよく、その微生物としては、例えば、ムコール(Mucor)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、バシラス(Bacillus)属、テルモミセス(Thermomyces)属、カンジダ(Candida)属、タラロミセス(Talaromyces)属、ケトミウム(Chaetomium)属、トルラ(Torula)属、スポロトリクム(Sporotrichum)属、マルブランケア(Malbranchea)属、クロモバクター(Chromobacter)属、フザリウム(Fusarium)属、フミコラ(Humicola)属、ハイフォザイマ(Hyphozyma)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ペニシリウム(Penicillium)属、リゾムコール(Rizomucor)属、リゾプス(Rizopus)属、ゲオトリキュウム(Geotrichum)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、及びピクロバクター(Psychrobacter)属等に属するものが挙げられる。これらの微生物は、1種を単独で用いても良く、可能な組み合わせで2種以上を組み合わせて用いても良い。
又、その酵素としては、例えば、リパーゼ、クチナーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、リゾホスホリパーゼ、ホスホリパーゼ、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、ペプチターゼ、セリンハイドロラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ等の加水分解酵素、ペルオキシターゼ、モノオキシゲナーゼ、ジオキシゲナーゼ、ラッカーゼ等の酸化還元酵素等が挙げられ、本発明においては、リパーゼ、クチナーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼが好ましく、リパーゼ、クチナーゼ、エステラーゼが特に好ましい。これらの酵素は、1種を単独で用いても良く、可能な組み合わせで2種以上を組み合わせて用いても良い。
又、生分解性樹脂の分解能を有する微生物の1種又は2種以上と、生分解性樹脂の分解能を有する酵素の1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明においては、これらの中で、タンパク工学等の手法により、エステル結合の分解速度が増すようにアミノ酸配列を改変したフミコラ・インソレンス(Humicola・insolens)由来の加水分解酵素を用いることが好ましい。アミノ酸配列を改変したフミコラ・インソレンス(Humicola・insolens)由来の加水分解酵素は、エステル結合への分解反応の触媒作用が向上し、ポリエステル系樹脂のエステル結合を特異的に速く分解するので、ポリエステル系樹脂を比較的温和な温度条件下で著しく短い時間で分解し、該樹脂の強度を所望の程度まで低下させることが可能となる。
アミノ酸配列を改変したフミコラ・インソレンス由来の酵素とは、フミコラ・インソレンスに存在している対応遺伝子(親遺伝子)を突然変異させるか、又はフミコラ・インソレンスから直接的又は間接的に得た対応遺伝子を突然変異させてから微生物に移入(導入)させて、対応する未変異遺伝子の遺伝子産物である親酵素とは1ヶ所以上の場所で異なるアミノ酸配列を有する酵素をコードする突然変異遺伝子を有する宿主微生物によって産出される酵素であって、本発明においては、突然変異遺伝子の一部分を構成している宿主微生物がフミコラ・インソレンス(Humicola・insolens)の菌株であり、又は、アスペルギルス・オリゼの菌株であってもよい。
そして、本発明において、例えば、フミコラ・インソレンス DSM1800菌株のクチナーゼについて、アミノ酸やアミノ酸残基を1文字及び3文字で以下の略字で示したときのアミノ酸配列を以下に示す。
A=Ala=アラニン V=Val=バリン
L=Leu=ロイシン I=Ile=イソロイシン
P=Pro=プロリン F=Phe=フェニルアラニン
W=Trp=トリプトファン M=Met=メチオニン
G=Gly=グリシン S=Ser=セリン
T=Thr=トレオニン C=Cys=システイン
Y=Tyr=チロシン N=Asn=アスパラギン
Q=Gln=グルタミン D=Asp=アスパラギン酸
E=Glu=グルタミン酸 K=Lys=リシン
R=Arg=アルギニン H=His=ヒスチジン
L=Leu=ロイシン I=Ile=イソロイシン
P=Pro=プロリン F=Phe=フェニルアラニン
W=Trp=トリプトファン M=Met=メチオニン
G=Gly=グリシン S=Ser=セリン
T=Thr=トレオニン C=Cys=システイン
Y=Tyr=チロシン N=Asn=アスパラギン
Q=Gln=グルタミン D=Asp=アスパラギン酸
E=Glu=グルタミン酸 K=Lys=リシン
R=Arg=アルギニン H=His=ヒスチジン
そして、本発明における、アミノ酸配列を改変したフミコラ・インソレンス由来の加水分解酵素は、例えば、前記フミコラ・インソレンス DSM1800菌株のクチナーゼにおいて、前記アミノ酸配列のおける、Q1、L2、A4、E6、G8、E10、S11、A14、N15、A16、F24、T29、V38、N44、L46、E47、S48、H49、R51、D63、L66、A88、N91、S116、S119、G120、A130、L138、Q139、T164、T166、L167、I168、I169、L174、I178、E179、又はR189位の一つ又は複数のアミノ酸残基に変異を導入して改変したものであり、この酵素の詳細については、特表2003−520016号公報及び特表2003−534797号公報に詳細に記載されている。
尚、本発明において、水性分解処理液中の微生物又は/及び酵素の含有量(微生物及び酵素を含有する場合はその合計の含有量)は、水性分解処理液全量に対して、0.0001重量%以上であるのが好ましく、0.001重量%以上であるのが更に好ましく、又、90重量%以下であるのが好ましく、50重量%以下であるのが更に好ましい。微生物又は/及び酵素の含有量が前記範囲未満では、生分解性樹脂の生分解促進効果が認められ難い傾向となり、一方、前記範囲超過では、水性分解処理液としての取扱性が劣る傾向となる。
本発明において、これらの微生物、酵素を廃棄物としての前記生分解性樹脂の成形体表面に接触させて分解するには、前記成形体の表面に、前記微生物、酵素を水溶液や水分散液等とした水性液として、成形体表面に塗布、散布、或いは噴霧等するのが好ましい。又、これらをカプセル化或いはマイクロカプセル化して用いることもできる。その際、本発明においては、その水性分解処理液が、保水剤を含有することを必須とする。
本発明において、その保水剤としては、生分解性樹脂の成形体表面に塗布、散布、或いは噴霧等された前記水性分解処理液を、成形体表面に保持することができる保水力を有するものであればよく、フィルム状の成形体表面を水平面として該面に保水剤含有量5重量%の水性分解処理液を0.01g/cm2の量で塗布、散布、或いは噴霧等して塗膜を形成し、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿下に1時間静置した後の水性分解分散液の残存量が、塗膜形成直後の水性分解分散液の量に対して5重量%以上となるものであるのが好ましい。これらの保水剤としては、具体的には、例えば、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、オリゴトース、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、水溶性セルロースエーテル等が好適なものとして挙げられるが、中で、グリセリン、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、水溶性セルロースエーテルが更に好ましく、グリセリンが特に好ましい。これらの保水剤は、1種を単独で用いても良く、可能な組み合わせで2種以上を組み合わせて用いても良い。
尚、本発明において、水性分解処理液中の保水剤の含有量は、水性分解処理液全量に対して、1重量%以上であるのが好ましく、3重量%以上であるのが更に好ましく、又、50重量%以下であるのが好ましく、30重量%以下であるのが更に好ましい。保水剤の含有量が前記範囲未満では、水性分解処理液を樹脂成形体表面に保持することができず、結果として、生分解性樹脂の生分解促進効果が認められ難い傾向となり、一方、前記範囲超過では、保水剤が生分解性樹脂の生分解反応を阻害する傾向となる。
又、本発明においては、前記微生物又は/及び酵素、並びに前記保水剤を含有する水性分解処理液は、更に界面活性剤を含有しているのが好ましく、その界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、天然物に由来するもの、食品添加物として使用されているもの、微生物が菌体外に生産する界面活性物質(バイオサーファクタント)等の安全性に優れたものが好ましい。具体的には、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ロジングリセリンエステル、ロジンエチレンオキサイド付加物、ロジンプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコールの誘導体、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体及びその誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコールオレエート、グリセリンエチレンオキサイド付加物、グリセリンプロピレンオキサイド付加物等の非イオン性界面活性剤、脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルギン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤等が挙げられ、これらの中で、溶解性、使用のし易さ等から、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ロジンエチレンオキサイド付加物、ロジンプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコールの誘導体、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体及びその誘導体、ロジン酸石鹸、及びバイオサーファクタントの一種であるハイドロホービン等が好ましく、ポリエチレングリコールの誘導体、ポリプロピレングリコールの誘導体、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体及びその誘導体が特に好ましい。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いても良く、可能な組み合わせで2種以上を組み合わせて用いても良い。
これらの界面活性剤の中で、本発明においては、ポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物とがエステル結合又はエーテル結合を介して結合している化合物、及び、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体と脂肪族炭化水素基含有化合物とがエステル結合又はエーテル結合を介して結合している化合物が、酵素分解を促進させる性能が優れていることから特に好ましい。尚、ここで、脂肪族炭化水素基含有化合物としては、直鎖状、分岐状、又は脂環式、好ましくは直鎖状又は分岐状、更に好ましくは直鎖状であって、炭素数の下限が通常1以上、好ましくは4以上、特に好ましくは6以上、上限が通常100以下、好ましくは50以下、特に好ましくは30以下の脂肪族炭化水素基を含有する化合物が挙げられる。これらは、芳香族基、アルコキシル基、エーテル基、エステル基、アミド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シリル基、ヘテロ原子、ハロゲン原子等を置換基として有していてもよいが、界面活性剤としての効果を有効に発現させる面からは、脂肪族炭化水素基以外の置換基の含有量は30重量%以下であるのが好ましく、10重量%以下であるのが更に好ましく、0〜5重量%であるのが特に好ましい。又、ここで、ポリエチレングリコール、又は、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール共重合体の重合度は、下限が通常2以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、上限が通常500以下、好ましくは300以下、より好ましくは200以下である。
又、本発明におけるこれらの界面活性剤としては、HLBの下限が4以上、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、上限が通常20以下、好ましくは19以下、より好ましくは15以下であるものを用いるのが好ましい。
尚、本発明において、水性分解処理液中の界面活性剤の含有量は、水性分解処理液全量に対して、0.0001重量%以上であるのが好ましく、0.0005重量%以上であるのが更に好ましく、又、10重量%以下であるのが好ましく、1重量%以下であるのが更に好ましい。界面活性剤の含有量が前記範囲未満では、保水剤含有水性分解処理液の樹脂成形体表面への保持力が劣り、結果として、生分解性樹脂の生分解促進効果が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、界面活性剤が生分解性樹脂の生分解反応を阻害する傾向となる。
尚、本発明において、水性液としての前記分解処理液には、前記生分解性樹脂の分解反応における活性の発現とその維持のための最適pHに保持する必要性等の面から、必要に応じてpH調整剤、緩衝剤、アルカリ剤等が含有されていてもよい。
本発明の生分解性樹脂の分解処理方法は、使用期間終了後の廃棄すべき前記生分解性樹脂を、該生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する前記水性分解処理液に接触させて分解するものであるが、その分解は、前記水性分解処理液に接触後の生分解性樹脂を、土壌中への埋め立て、土壌への混入、堆肥への混入等によって埋め立てることによりなすのが好ましい。尚、その際、水性分解処理液への接触後、3時間以上経過させ、生分解性樹脂としての材料強度を低下せしめた後、埋め立てるのが好ましく、これにより、埋め立て時及び埋め立て後の樹脂の破片化が容易となり、生分解を更に促進させることができる。又、生分解性樹脂が特に肉厚の成形体の場合、埋め立て前に破砕するのが好ましく、破砕するにおいては、その破砕前、破砕時、或いは破砕後に前記水性分解処理液と接触せしめる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
1,4−ブタンジオールに由来する構成単位47.8モル%、琥珀酸に由来する構成単位47.8モル%、及び乳酸に由来する構成単位4.4モル%からなり、還元粘度(フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒)が2.30である脂肪族ポリエステル樹脂70重量%と、市販の脂肪族ポリエステル樹脂(BASF社製「エコフレックス」)30重量%とを溶融混練し、環状ダイを備えた押出機から溶融押出してインフレーションフィルム成形し、得られたチューブを切開することにより、厚み50μm、幅1m、長さ100mの農業用マルチングフィルムを成形した。得られたフィルムは、JIS K7127に準拠した引張試験での引張破断伸度は、成形方向で380%を示した。
1,4−ブタンジオールに由来する構成単位47.8モル%、琥珀酸に由来する構成単位47.8モル%、及び乳酸に由来する構成単位4.4モル%からなり、還元粘度(フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒)が2.30である脂肪族ポリエステル樹脂70重量%と、市販の脂肪族ポリエステル樹脂(BASF社製「エコフレックス」)30重量%とを溶融混練し、環状ダイを備えた押出機から溶融押出してインフレーションフィルム成形し、得られたチューブを切開することにより、厚み50μm、幅1m、長さ100mの農業用マルチングフィルムを成形した。得られたフィルムは、JIS K7127に準拠した引張試験での引張破断伸度は、成形方向で380%を示した。
前記で得られたフィルムから24cm×32mの大きさに切り取ったサンプル表面に、生分解酵素としてクチナーゼ(国際公開第01/092502号公報の実施例1記載の方法により作製されたクチナーゼでノボザイムズ社製実験品「NS44118」)1重量%、保水剤としてグリセリン5重量%、界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル(三菱化学製「ポリグリエステルL−1695」)0.01重量%、及びpH調整剤として炭酸水素ナトリウム0.42重量%を溶解した水溶液からなる水性分解処理液を小型噴霧器によって0.01g/cm2の量となるように噴霧し、次いで、35℃又は40℃のギアオーブン中に24時間放置した後、フィルムの6カ所をダンベル型で打ち抜き、JIS K7127に準拠した引張試験で成形方向の引張破断伸度を測定し、以下の基準に従って生分解の程度を評価し、結果を表1に示した。
◎: 引張破断伸度が100%以下となったのが6サンプル中5サンプル以上であり、生分解の進行が著しい。
○: 引張破断伸度が100%以下となったのが6サンプル中4サンプルであり、生分解が進行している。
△: 引張破断伸度が100%以下となったのが6サンプル中2〜3サンプルであり、生分解が進行している。
×: 引張破断伸度が100%以下となったのが6サンプル中0〜1サンプルであり、生分解の進行が殆ど認められない。
○: 引張破断伸度が100%以下となったのが6サンプル中4サンプルであり、生分解が進行している。
△: 引張破断伸度が100%以下となったのが6サンプル中2〜3サンプルであり、生分解が進行している。
×: 引張破断伸度が100%以下となったのが6サンプル中0〜1サンプルであり、生分解の進行が殆ど認められない。
更に、前記で得られたフィルムにつき、水性分解処理液を噴霧した後、1時間後に水を小型噴霧器によって0.02g/cm2の量となるように噴霧し、次いで、温度23℃、相対湿度50%の条件下に24時間放置した後、前記と同様にして引張破断伸度を測定し同様に評価した結果を表1に示した。
又、前記で得られたフィルムを用い、水性分解処理液を0.01g/cm2の量で噴霧した後、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿下に1時間静置した後の水性分解分散液の残存量の、噴霧直後の水性分解分散液の量に対する割合(噴霧後残存量)を表1に示した。
実施例2
保水剤としてのグリセリンの量を10重量%としたこと、及び界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを用いなかったこと、の外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
保水剤としてのグリセリンの量を10重量%としたこと、及び界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを用いなかったこと、の外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
実施例3
界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを、ライオン社製界面活性剤「レオコールTD−90」(合成アルコール系のポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物との反応物、HLB=13.3)に変えた外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを、ライオン社製界面活性剤「レオコールTD−90」(合成アルコール系のポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物との反応物、HLB=13.3)に変えた外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
実施例4
界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを、ライオン社製界面活性剤「レオックスCC−90」(天然アルコール系のポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物との反応物、HLB=13.3)に変えた外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを、ライオン社製界面活性剤「レオックスCC−90」(天然アルコール系のポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物との反応物、HLB=13.3)に変えた外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
実施例5
界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを、ライオン社製界面活性剤「レオックスCC−30」(天然アルコール系のポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物との反応物、HLB=8.0)に変えた外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを、ライオン社製界面活性剤「レオックスCC−30」(天然アルコール系のポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物との反応物、HLB=8.0)に変えた外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
実施例6
界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを、ライオン社製界面活性剤「レオコールTD−700F」(合成アルコール系のポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物との反応物、HLB=18.8)に変えた外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを、ライオン社製界面活性剤「レオコールTD−700F」(合成アルコール系のポリエチレングリコールと脂肪族炭化水素基含有化合物との反応物、HLB=18.8)に変えた外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
比較例1
保水剤としてのグリセリン、及び界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを用いなかった外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
保水剤としてのグリセリン、及び界面活性剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルを用いなかった外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
比較例2
保水剤としてのグリセリンを用いなかった外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
保水剤としてのグリセリンを用いなかった外は、実施例1と同様に処理及び評価を行って、結果を表1に示した。
本発明によれば、生分解性樹脂の使用期間終了後において、生分解を促進して短期間での分解を可能とし、よって、埋め立て廃棄処理される地域の気候風土や土壌質、及び季節等による生分解性の変動も少ない分解処理方法、及びそれに用いる分解処理液を提供でき、生分解性樹脂の埋め立て廃棄処理等において生分解速度を早め、土壌中の樹脂残存等による環境汚染の問題の解消が期待できる。
Claims (9)
- 廃棄すべき生分解性樹脂を、該生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性分解処理液に接触させて分解することを特徴とする生分解性樹脂の分解処理方法。
- 水性分解処理液における保水剤の含有量が1〜50重量%である請求項1に記載の生分解性樹脂の分解処理方法。
- 水性分解処理液における保水剤がグリセリンである請求項1又は2に記載の生分解性樹脂の分解処理方法。
- 水性分解処理液が、更にHLBが4〜20の界面活性剤を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の生分解性樹脂の分解処理方法。
- 水性分解処理液における界面活性剤の含有量が0.0001〜10重量%である請求項4に記載の生分解性樹脂の分解処理方法。
- 水性分解処理液に含有される微生物が生産する酵素、又は/及び、水性分解処理液に含有される酵素が、加水分解酵素又は酸化還元酵素である請求項1乃至5のいずれかに記載の生分解性樹脂の分解処理方法。
- 生分解性樹脂が、脂肪族或いは脂環式ポリエステル樹脂である請求項1乃至6のいずれかに記載の生分解性樹脂の分解処理方法。
- 生分解性樹脂の分解能を有する微生物又は/及び酵素、並びに、保水剤を含有する水性液であることを特徴とする生分解性樹脂の分解処理液。
- 更に界面活性剤を含有する請求項8に記載の生分解性樹脂の分解処理液。
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JP2012012509A (ja) * | 2010-07-01 | 2012-01-19 | Achilles Corp | 生分解性樹脂分解処理剤および生分解性樹脂の分解方法 |
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-
2005
- 2005-09-28 JP JP2005282390A patent/JP2006124678A/ja active Pending
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US11946197B2 (en) | 2022-09-14 | 2024-04-02 | Jiangnan University | Method for modifying polyester by swelling agent combined with cutinase |
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