JP2006112908A - 電圧記録用セル、および該セルを有してなる帯電量測定器 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程さらに輸送時において、電子部品の帯電量を簡易に記録し測定することができるとともに、電子機器や人体などの帯電量を簡易に記録し測定することができる電圧記録用セルおよび該セルを有する帯電量測定器を提供する。
【解決手段】函体形状の電圧記録用セル2が、梯子形状3の枠内に嵌め込まれ、長手方向に5つの電圧記録用セル2が配置された形状を有している。なお、帯電量測定器1の形状や電圧記録セル2の数は、その目的に応じて適宜変更することができる。また、枠体3の材質は特に限定されない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品、電子機器、人体などの帯電量を記録し測定することの可能な電圧記録用セル、および該セルを有してなる帯電量測定器に関する。
従来から、帯電している電子部品、電子機器、人体などが、導電性の物体に接触し、あるいは充分に接近すると、激しい放電が発生することが知られている。この現象はESD(electro-static discharge;静電気放電)と呼ばれ、電子機器の誤動作や、静電気破壊による電子部品の損傷などの問題を引き起こすことがある。特に、この静電気破壊による電子部品の損傷は、外見では全く判断できないため、電子部品が損傷を受けているか判断することは容易ではない。さらに、この電子部品のうちでも半導体の分野においては、多機能化や高集積化の要求や、製造技術等の向上により年々微細化が進んでおり、そのためESDにより回路が損傷を受け易くなっている。例えば、MOS型半導体は、約80〜100Vの電圧により半導体としての機能を失ってしまう。
したがって、製造工程において電子部品、電子機器、人体などの帯電量を測定することは、静電気対策として重要である。そのような帯電量を測定するものとして、電子機器の表面に取り付ける液晶からなる帯電量測定器が提案されている(例えば、特許文献1)。この液晶からなる帯電量測定器を、帯電している電子機器に取り付けると、電界の印加により液晶を透過する光の強度、波長、位相が変化するため、この変化を確認することにより電子機器の帯電状況を知ることができる。また、この帯電量測定器を、電子部品に取り付ければ、電子部品の帯電状況を知ることができると考えられる。
しかしながら、この帯電量測定器は、電子部品等の現在の帯電量を確認することはできるものの、帯電量が減少すれば液晶の配向が元の状態に戻るため、電子部品がその製造工程において損傷が発生する所定レベル以上の帯電量を一瞬でも有していたかを記録することはできない。電子部品が、所定レベル以上の帯電量を測定し、さらに記録することができれば、その電子部品の損傷を予測することができるため好ましい。しかしながら、製造工程においては、電子部品は密閉された装置内に存在しており、電子部品の帯電量を容易に確認することはできない。したがって、製造工程における電子部品に印加された最大帯電量を記録することができる帯電量測定器が従来から望まれていた。
製造工程において電子部品の帯電量を確認することができるものとして、半導体ウエハに近接して帯電量測定器を設け、その帯電量測定器が制御部に接続された半導体ウエハ製造装置が提案されている(例えば、特許文献2)。この電界測定器を有する半導体ウエハ製造装置によれば、一定量の帯電量を検出した場合には、製造工程を停止することができ、電子部品の損傷を未然に防止することができる。しかしながら、このような帯電量測定器は、製造装置ごとに設置しなければならず、製造装置が複雑となり、さらに製造工程が煩雑になる問題もあった。さらに、電子部品を製造装置から他の製造装置に搬送する際に一定量の電圧が印加され電子部品が損傷しても、製造装置において帯電量が検出されなければ製造工程は停止されないため、損傷した電子部品の混入を防止することができないという問題があった。
一方、半導体素子などの電子部品を輸送する場合には、電子部品を帯電防止剤が塗布された容器や静電気拡散性のアルミラミネート袋などに入れ、静電気の発生を抑え、または拡散させることによって静電気対策が行われている。しかしながら、輸送時における電子部品の帯電は避けられず、ESDを原因とする電子部品の損傷が問題となっており、さら
に、このような電子部品を組み込んだ電気・電子製品が故障する原因となっていた。したがって、電子部品がどの程度の最大帯電量を有していたか記録することができれば、電子部品の損傷を容易に確認することができるとともに、ひいては電気・電子製品の故障を未然に防止することができる。
特開昭63−36156号公報 特開平7−22355号公報
本発明は、従来技術の問題を解決するものであって、製造工程さらに輸送時において、電子部品の帯電量を簡易に記録し測定することができ、さらに電子機器や人体などの帯電量を簡易に記録し測定することができる電圧記録用セルおよび該セルを有してなる帯電量測定器を提供することを目的とする。
本発明に係る電圧記録用セルは、被測定物の帯電量を測定するためのセルであって、前記電圧記録用セルは、表示用透明基板と被測定物側に位置するベース基板とが所定間隔離間して配置されてなり、前記表示用透明基板の前記ベース基板と対向する面には、金属層(1a)と絶縁層(2a)とが順に積層されていることを特徴とする。
このような電圧記録用セルは、帯電している被測定物に接触または近接すると、被測定物から電圧記録用セルのベース基板に電荷が移動する。ベース基板から絶縁層に印加される電圧が所定量以上となると、絶縁層が絶縁破壊され絶縁性を失って金属層に電流が一気に流れ、この金属層が放電破壊される。このようにして、被測定物の帯電量を記録することができる。また、被測定物が外部の環境変化により帯電する前に本セルを被測定物に接触又は近接した状態にしてから、被測定物が外部の環境変化により帯電した場合、本セルは環境変化による帯電量を記録することもできる。
したがって、ユーザは、表示用透明基板を通して金属層の破壊による色調の変化や透過度の変化を確認することにより、電子部品等の帯電状況を容易に把握することができ、損傷を受けた電子部品が混入するのを防止することができる。さらに、電子機器や人体などの帯電量を簡易に確認することもできるため、帯電量が多いと判断される場合には、電子機器や人体に対して静電気が発生するのを防止する手段、または拡散させる手段を施すことができ、静電気放電による電子部品の損傷を未然に防止することができる。
前記ベース基板の前記表示用透明基板と対向する面には、帯電量調整層を有し、該帯電量調整層は金属層(1b)および/または絶縁層(2b)とからなることが好ましい。
前記絶縁層(2a)および(2b)が、高分子材料層、誘電体層および強誘電体層からなる群より選択される少なくとも1層からなることが好ましい。
また、前記金属層(1a)の膜厚が、15〜500nmの範囲にあることが好ましく、また、前記ベース基板は、前記表示用透明基板に対向する面に放電用突起部が形成されていることが好ましい。
電圧記録用セルがこのような構成であると、(1)電子部品が損傷を受ける所定量以上の電圧を有していた場合、または(2)電子機器や人体が電子部品に損傷を与えてしまう所定量以上の電圧を有していた場合には、絶縁層(2a)が絶縁破壊されるとともに金属層(1a)が放電破壊され、帯電量が記録される。したがって、ユーザはこの金属層(1a)の破壊を確認することにより帯電状況を知ることができるため、上記(1)によれば、損傷を受けたと予想される電子部品を排除することができ、上記(2)によれば、静電
気放電による電子部品の損傷を未然に防止することができる。
本発明に係る電圧記録用セルは、帯電量を測定するためのセルであって、表示用透明基板と被測定物側に位置するベース基板とが所定間隔離間して配置されてなり、前記表示用透明基板が、前記ベース基板と対向する面にエレクトロクロミック膜または透明電極膜とエレクトロクロミック膜とが順に積層されてなる積層膜を有することを特徴とする。
このような電圧記録用セルは、帯電している被測定物に接触または近接すると、被測定物から電圧記録用セルのベース基板に電荷が移動して帯電し、ベース基板からエレクトロクロミック膜に対し電圧が印加され、エレクトロクロミック膜が発色する。このようにして、被測定物の帯電量を記録することができる。したがって、ユーザは、表示用透明基板を通して発色を確認することにより電子部品等の帯電状況を容易に把握することができ、損傷を受けた電子部品が混入するのを防止することができる。さらに、電子機器や人体などの帯電量を簡易に確認することもできるため、帯電量が多いと判断される場合には、電子機器や人体に対して静電気が発生するのを防止する手段、または拡散させる手段を施すことができ、静電気放電による電子部品の損傷を未然に防止することができる。
前記ベース基板の前記表示用透明基板と対向する面には、帯電量調整層が設けられており、該帯電量調整層は金属層(2a)および/または絶縁層(2b)とからなることが好ましく、前記絶縁層(2b)が、高分子材料層、誘電体層および強誘電体層からなる群より選択される少なくとも1層からなることも好ましい。
前記エレクトロクロミック膜が、無機化合物または有機化合物からなり、
前記無機化合物が、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、または酸化ニッケルの酸化還元反応によりクロミック特性を有する材料から選択され、
前記有機化合物が、ビオロゲン誘導体、Lu−ジフタロシアニン、ポリピロール、ポリチオフェン 、ポリアニリン、ポリアズレン、ポリインドール、またはポリカルバゾール
の酸化還元反応によりクロミック特性を有する材料から選択されることが好ましい。
前記エレクトロクロミック膜の膜厚が、15〜500nmの範囲にあることが好ましく、前記電圧記録用セルの表示用透明基板とベース基板と間には、電解液が封入されていることが好ましく、また前記ベース基板は、前記表示用透明基板と対向する面に放電用突起部が形成されていることが好ましい。
このような電圧記録用セルは、(1)電子部品が損傷を受ける所定量以上の電圧を有していた場合、または(2)電子機器や人体が電子部品に損傷を与えてしまう所定量以上の電圧を有していた場合には、エレクトロクロミック膜が発色し、帯電量を記録することができる。したがって、ユーザはこの発色を確認することにより帯電状況を知ることができるため、上記(1)によれば、損傷を受けたと予想される電子部品を排除することができ、上記(2)によれば、静電気放電による電子部品の損傷を未然に防止することができる。
本発明に係る帯電量測定器は、被測定物に取り付けて帯電量の測定を行う測定器であって、上記の電圧記録用セルを少なくとも一つ備えることを特徴とする。
前記帯電量測定器が、上記の電圧記録用セルを複数個有する場合には、セルごとに、表示用透明基板とベース基板との間に封入された電解液の電気伝導度が異なるように構成されていることが好ましい。
さらに、前記帯電量測定器が、上記の電圧記録用セルを複数個有する場合には、セルご
とに、表示用透明基板に形成された膜とベース基板または放電用突起部との距離が異なるように構成されていることも好ましい。
このような帯電量測定器によれば、より正確に帯電量を測定することができるため、上記効果に特に優れる。
本発明によれば、製造工程さらに輸送時において、電子部品の帯電量を簡易に記録し測定することができる。したがって、ユーザは帯電状況を確認することにより、損傷を受けた電子部品を排除することができ、電気・電子製品の故障を未然に防止することができる。また、本発明によれば、電子機器や人体などの帯電量を簡易に記録し測定することもできる。したがって、電子機器や人体の帯電量が多いと判断される場合には静電気が帯電しないように処置を施すことができ、静電気放電による電子部品の損傷を未然に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の帯電量測定器を示す概略斜視図であり、図2〜4は、帯電量測定器のA−A線概略断面図であり、図2は本発明の電圧記録用セルの第1の実施例を示し、図3は第2の実施例を示し、図4は第3の実施例を示す。また、図5は、所定量以上の電圧が印加された場合の電圧記録用セル(第1実施例)内部の変化を示し、図6は、電圧記録用セル(第2実施例)内部の変化を示す。なお、各図面において同一の部分を示す場合には、同一の符号を記す。
図1〜4に示すように、本発明の帯電量測定器1は、函体形状の電圧記録用セル2が、梯子形状の枠体3の枠内に嵌め込まれ、長手方向に5つの電圧記録用セル2が配設された形状を有している。なお、帯電量測定器1の形状や電圧記録用セル2の数は、その目的に応じて適宜変更することができる。また、枠体3の材質は特に限定されない。
帯電量測定器1は、被測定物の表面に載置することができればよいが、被測定物の表面に取り付けることができるように、図示しない接着層を有していてもよい。接着層は、枠体3の下面に形成されており、さらにベース基板6の下面にも形成されていてもよい。接着層は、従来公知の接着剤により形成することができ、接着剤の組成や接着層の層厚,形状等により、何度も繰り返し使用(取り付け)することができるように構成されていることが好ましい。接着層がベース基板6の下面にも形成されている場合には、接着剤に、金、銀、ニッケル、カーボンなどの導電性微粒子が分散されていることが好ましい。これにより、被測定物に帯電している電圧量が極微量であったとしても電圧記録用セル2に電荷を効率良く送ることができる。
電圧記録用セル
以下、本発明の電圧記録用セル2を、図面を参照しながら説明する。本発明の電圧記録用セル2としては、第1、第2または第3の実施例が挙げられる。以下、順に説明する。
(第1の実施例)
本発明の電圧記録用セル2の第1実施例は、図2に示すように、表示用透明基板4と、ベース基板6とがスペーサー8を介して所定間隔離間して配置され、これらの内面により囲まれた直方体形状の空隙部9を有するセル構造を有する。この表示用透明基板4は、ベース基板6と対向する面4aに金属層(1a)10(以下単に、金属層10)と絶縁層(2a)11(以下単に、絶縁層11)とが順に積層されている。
表示用透明基板4としては、具体的には、ガラス基板、透明樹脂基板等を用いることができる。透明な樹脂基板は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂などから形成される。なかでも、透明性の観点からは、アクリル樹脂またはポリカーボネート樹脂が好ましい。本発明において透明樹脂基板とは、半透明樹脂基板を含むものである。表示用透明基板4の厚みは、特に限定されないが、通常100〜2000μm程度である。
ベース基板6は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などから形成される。ベース基板6は、これらの樹脂に金、銀、ニッケル、カーボンなどの導電性微粒子が分散された樹脂組成物や、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)などの導電性高分子を含む樹脂組成物を用いて形成されることも好ましい。このように、ベース基板6が導電性を有することにより、被測定物に帯電している電圧量が極微量であったとしても測定することができる。ベース基板6の厚みは、特に限定されないが、通常100〜2000μm程度である。
スペーサー8は、非導電性であって、公知の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂から形成される。そのような樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が好ましく用いられる。スペーサー8は非導電性であるため、測定対象である被測定物の電荷がスペーサー8を介して、放電されることがなく、被測定物の電荷量を正確に測定することができる。
本発明の電圧記録用セル2は、表示用透明基板4のベース基板6と対向する面4aに、金属層10と絶縁層11とが順に積層されている。
金属層10は、従来公知の方法により作成することができる。具体的には、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング法などの薄膜形成法により作成される。この金属層としては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、チタン、ニッケル、クロム、スズ、ロジウム、パラジウム、モリブデンなどの金属やこれらの合金を用いることができ、さらにこれら金属の炭化物、窒化物等も用いることができる。金属層10が積層膜であるときは、酸化珪素、または窒化珪素、またはそれらの混合物からなる層を一部に有していてもよい。
金属層10の膜厚は、10〜1000nm、好ましくは15〜750nm、さらに好ましくは15〜500nmであることが望ましい。
絶縁層11は、高分子材料層、誘電体層および強誘電体層からなる群より選択される少なくとも1層からなり、任意の順序で積層されていてもよい。
高分子材料層は、例えば、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー若しくはプレポリマーなどから形成されたUV硬化性樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、パリレン樹脂等を用い、スピンコート、ロールコート、プラズマ重合法などの従来公知の方法により作成することができる。
誘電体層は、例えば、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、硫化亜鉛等の酸化物、窒化物、硫化物等を用い、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD,ゾルゲル法などの従来公知の方法により作成することができる。
強誘電体層は、例えば、BaTiO3、PbTiO3、NH4LiSO4、K2ZnBr4、K2ZnI4等を用い、真空蒸着、イオンプレーティング、ゾルゲル法などの従来公知の方
法により作成することができる。
この絶縁層11の膜厚は、10〜5000nm、好ましくは10〜3000nm、さらに好ましくは15〜2000nmであることが望ましい。金属層10と絶縁層11が、このような膜厚であることにより、静電気の放電によって絶縁層11が絶縁破壊されて絶縁性を失い、次いで金属層10が静電破壊され、被測定物の帯電量を好適に記録することができる。
このような電圧記録用セル2は、図2(1)に示すように、表示用透明基板4に形成された絶縁層11と、ベース基板6とが間隔a離間して配置される。この間隔aは、ベース基板6の厚みや被測定物等により好ましい範囲が異なり、特に限定されないが、1〜5000μm、好ましくは1〜2000μmの範囲であることが望ましい。電圧記録用セル2の間隔aが、このような範囲であると、静電気対策として求められる50〜40000Vの範囲の電圧を測定することができる。
さらに、この間隔aは、上記範囲をさらに細分化することにより、測定可能な電圧の範囲も細分化することができる。
具体的には、例えば、電圧記録用セル2の間隔aを10μm、20μm、100μm、500μm、2000μm程度とすることにより、測定可能な電圧を各々50〜200V未満、200〜400V未満、400〜2000V未満、2000〜10000V未満、10000〜40000Vと設定することができる。
また、電圧記録用セル2の第1実施例は、その別形態として、図2(2)に示したように、金属層10と対向するベース基板6の面6aに放電用突起部12が形成された電圧記録用セル2を挙げることもできる。このような電圧記録用セル2であれば、電荷を放電用突起部12に集中させ、放電用突起部12の先端から絶縁層11を介して金属層10に放電されるため、被測定物に帯電している電圧量が極微量であっても帯電量を精度良く記録することができる。
放電用突起部12の形状は、面6aから突出した形状であれば特に限定されず、面6aからの高さも特に限定されない。また、面6aに設けられる放電用突起部12の数は、面6aの面積などによって適宜選択すればよい。このような放電用突起部12は、機械加工、半導体のフォトリソ工程、または光ディスク用スタンパ製作のフォトリソ工程などにおいて、最終的には光ディスクの基板製作のように2P法及び射出成形法又は硝子のダイレクトエッチングにより作成することができる。
図2(2)に示す電圧記録用セル2は、表示用透明基板4に形成された絶縁層11と、放電用突起部12とが間隔a離間して配置され、この間隔aは上記と同様であり、間隔aの長さを変えることにより測定可能な帯電量の範囲を上記と同様に変更することができる。
このような第1の実施例の電圧記録用セル2において、ベース基板6の面6aには、帯電量調整層(図示しない)が形成されていてもよい。この帯電量調整層は、金属層(1b)および/または絶縁層(2b)からなる。
金属層(1b)は、上記の金属層10と同様の材料を用い、同様な方法により作成することができる。金属層(1b)の膜厚は、10〜1000nm、好ましくは10〜750nm、さらに好ましくは15〜500nmであることが望ましい。
絶縁層(2b)は、ベース基板6とは異なる材料で形成された高分子材料層、誘電体層
および強誘電体層からなる群より選択される少なくとも1層からなり、上記の絶縁層11と同様の材料を用い、同様な方法により作成することができる。この絶縁層(2b)の膜厚は、10〜5000nm、好ましくは10〜3000nm、さらに好ましくは15〜2000nmであることが望ましい。
帯電量調整層を構成する金属層(1b)および/または絶縁層(2b)が、このような膜厚であることにより、ベース基板6の帯電量を調整することが可能となり、被測定物に予想される帯電量に応じて膜厚を適宜変化させ、被測定物の帯電量を好適に記録することができる。
このような第1の実施例の電圧記録用セル2に、所定量の電圧が印加された場合、電圧記録用セル2の内部がどのような変化を示すか図5を参照しながら説明する。なお、図2(2)に示す電圧記録用セル2を用いた場合を例にとり説明する。
図5に示すように、電圧記録用セル2は、帯電している被測定物に接触または近接すると、被測定物から電圧記録用セル2のベース基板6に電荷が移動する。ベース基板6の放電用突起部12の先端から絶縁層11に印加される電圧が所定量以上となると、絶縁層11が絶縁破壊され絶縁性を失って金属層10に電流が一気に流れる。これにより、金属層10が放電破壊されて穿孔13が形成される。金属層10は、穿孔13部分で光が通過するようになるので、ユーザは、表示用透明基板4の上面から色調や光の透過(帯電量の記録)を確認することにより、被測定物が所定量以上の電圧を有していたか確認することができる。
(第2の実施例)
本発明の電圧記録用セル2の第2実施例は、図3の概略断面図に示すように、表示用透明基板4と、ベース基板6とがスペーサー8を介して所定間隔離間して配置され、表示用透明基板4は、ベース基板6に対向する面4aにエレクトロクロミック膜14を有し、表示用透明基板4のエレクトロクロミック膜14と、ベース基板6と、スペーサー8とによって形成された直方体形状のセル内部に、電解液20が封入されている。なお、各図面において同一の部分を示す場合には、同一の符号を記し、その説明を省略する。
エレクトロクロミック膜14は、電圧が印加されると発色し、逆極性の電圧が印加されない限り色が消えないことからメモリー性があり、好ましく用いられる。なお、第2の実施例においては、電圧の印加によるエレクトロクロミック膜14の発色を表示用透明基板4を通して容易に確認できるように、ベース基板6は白色であることが好ましい。
エレクトロクロミック膜14は、無機化合物または有機化合物からなり、前記無機化合物としては、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、または酸化ニッケルなどの酸化還元反応によりクロミック特性を有する材料が挙げられ、前記有機化合物としては、ビオロゲン誘導体、Lu−ジフタロシアニン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアズレン、ポリインドール、またはポリカルバゾールなどの酸化還元反応によりクロミック特性を有する材料が挙げられる。エレクトロクロミック膜14は、従来公知の、真空蒸着、スパッタリング、電界成膜、化学的成膜等により形成させることができる。エレクトロクロミック膜14の膜厚は、10〜1000nm、好ましくは15〜500nmであることが望ましい。
電解液20としては、LiClO4−炭酸プロピレン溶液、硫酸水溶液、KCl水溶液
、ビオロゲン水溶液、KClO4水溶液、LiBF4−アセトニトリル、LiClO4−ア
セトニトリル、塩酸水溶液などが挙げられ、エレクトロクロミック膜14を形成する化合物により好ましいものを適宜選択して用いる。
また、ベース基板6は、第1の実施例と同様であり、図3(2)に示すように、放電用突起部12が形成されていてもよい。このような放電用突起部12を有することにより、電荷を放電用突起部12に集中させ、放電用突起部12の先端からエレクトロクロミック膜14に放電されるため、被測定物に帯電している電圧量が極微量であっても帯電量をさらに精度良く測定することができる。
このような電圧記録用セル2は、図3(1)(2)に示すように、表示用透明基板4に形成されたエレクトロクロミック膜14と、ベース基板6とが間隔b離間して配置される。この間隔bは、ベース基板6の厚みや被測定物等により好ましい範囲が異なり、特に限定されないが、1〜5000μm、好ましくは1〜2000μmの範囲であることが望ましい。電圧記録用セル2の間隔bが、このような範囲であると、静電気対策として求められる50〜40000Vの範囲の電圧を測定することができる。
さらに、この間隔は、上記範囲をさらに細分化することにより、測定可能な電圧の範囲も細分化することができる。
具体的には、例えば、電圧記録用セル2の間隔bを10μm、20μm、100μm、500μm、2000μmとすることにより、測定可能な電圧を各々50〜200V未満、200〜400V未満、400〜2000V未満、2000〜10000V未満、10000〜40000Vと設定することができる。
また、電圧記録用セル2は、そのセル内に封入される電解液20の電気伝導度を変化させることもでき、電気伝導度は0.001〜10000000mS/m、好ましくは0.01〜1000000mS/mの範囲であることが望ましい。電解液20の電気伝導度が、このような範囲であると、静電気対策として求められる50〜40000Vの範囲の電圧を測定することができる。
さらに、電解液20の電気伝導度は、上記範囲をさらに細分化することにより、測定可能な電圧の範囲も細分化することができる。
具体的には、例えば、電解液20の電気伝導度を1000mS/m、100mS/m、25mS/m、10mS/m、2.5mS/mとすることにより、測定可能な電圧を各々50〜100V未満、100〜1000V未満、1000〜4000V未満、4000〜10000V未満、10000〜40000Vと設定することができる。
また、電圧記録用セル2の第2実施例は、その別形態として、図3(3)(4)に示したように、表示用透明基板4がベース基板6と対向する面4aに透明電極膜16とエレクトロクロミック膜14とを順に積層されてなる積層膜を有する電圧記録用セル2を挙げることもできる。このような電圧記録用セル2であれば、ベース基板6から、導電性である透明電極膜16に対し電圧が印加されやすいため、被測定物に帯電している電圧量が極微量であっても帯電量をさらに精度良く測定することができる。
透明電極膜16は、透明性を有し、かつ導電性を有するものであれば特に制限されないが、一般には、酸化インジウム−酸化スズ(以下ITOと略す)、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン等の薄膜が用いられる。形成方法としては、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、スプレー法、ゾル−ゲル法、CVD法等の公知の方法が好適に採用される。透明電極膜16の膜厚は、150〜5000Å程度で形成される。
また、ベース基板6は、第1の実施例と同様のものを用いることができ、図3(4)に示すように、放電用突起部12が形成されていてもよい。このような放電用突起部12を有することにより、電荷を放電用突起部12に集中させ、放電用突起部12の先端からエ
レクトロクロミック膜14に対し放電されるため、被測定物に帯電している電圧量が極微量であっても帯電量をさらに精度良く測定することができる。
このような電圧記録用セル2は、そのセル内に電解液20が封入されている。電解液20としては、上記と同様のものを用いることができ、電気伝導度は上記の範囲であることが望ましい。
さらに、この電圧記録用セル2は、図3(3)(4)に示すように、エレクトロクロミック膜14と、ベース基板6または放電用突起部12とが間隔c離間して配置される。この間隔cは、ベース基板6の厚みや被測定物等により好ましい範囲が異なり、この範囲に制限されないが、1〜5000μm、好ましくは1〜2000μmの範囲であることが望ましい。前記電解液20の電気伝導度と、電圧記録用セル2の間隔cとが、このような範囲であると、静電気対策として求められる50〜40000Vの範囲の電圧を精度良く測定することができる。
このような第2の実施例の電圧記録用セル2において、ベース基板6の面6aには、帯電量調整層(図示しない)が形成されていてもよい。この帯電量調整層は、金属層(1b)および/または絶縁層(2b)からなる。
金属層(1b)は、第1の実施例における金属層10と同様の材料を用い、同様な方法により作成することができる。金属層(1b)の膜厚は、10〜1000nm、好ましくは10〜750nm、さらに好ましくは15〜500nmであることが望ましい。
絶縁層(2b)は、高分子材料層、誘電体層および強誘電体層からなる群より選択される少なくとも1層からなり、第1の実施例における絶縁層11と同様の材料を用い、同様な方法により作成することができる。この絶縁層(2b)の膜厚は、10〜5000nm、好ましくは10〜3000nm、さらに好ましくは15〜2000nmであることが望ましい。
帯電量調整層を構成する金属層および/または絶縁層が、このような膜厚であることにより、ベース基板6の帯電量を調整することが可能となり、被測定物に予想される帯電量に応じて膜厚を適宜変化させ、被測定物の帯電量を好適に記録することができる。
このような第2の実施例の電圧記録用セル2に、所定量の電圧が印加された場合、電圧記録用セル2の内部がどのような変化を示すかを図6を参照しながら説明する。なお、図3(4)に示す電圧記録用セル2を用い、電圧記録用セル2のエレクトロクロミック膜14として「酸化タングステン(WO3)膜」を用い、電解液20として「LiClO4−炭酸プロピレン溶液」を用いた例により説明する。
図5に示すように、被測定物から電圧記録用セル2のベース基板6に所定量以上の電圧が印加されると、放電用突起部12の先端から透明電極16に対して電圧が印加され、エレクトロクロミック膜(WO3膜)14が電解液(LiClO4−炭酸プロピレン溶液)20中で還元される。このとき、電解質カチオン(Li+)がWO3結晶格子にはいり込み、LixWO3が生成して青色に変化した発色部18が形成される(図6(2))。ユーザは、表示用透明基板4の上面から透明電極16を介して色調の変化(帯電量の記録)を確認することにより、被測定物が所定量以上の電圧を有していたか確認することができる。
(第3の実施例)
本発明の電圧記録用セル2の第3実施例は、図4の概略断面図に示すように、表示用透明基板4と、ベース基板6とがスペーサー8を介して所定間隔離間して配置され、表示用
透明基板4は、ベース基板6に対向する面4aにエレクトロクロミック膜14' を有し、表示用透明基板4のエレクトロクロミック膜14' と、ベース基板6と、スペーサー8との内面により囲まれた直方体形状の空隙部9を有する。なお、空隙部9を有し、エレクトロクロミック膜14' を用いた以外は基本的には第2の実施例と同様であるので、各図面において同一の部分を示す場合には、図3と同一の符号を記し、その説明を省略する。
エレクトロクロミック膜14' は、例えば、酸化タングステン膜にZnイオン,
Liイオン、Naイオン、Kイオン、またはHイオンなどを挿入したものが挙げられる。エレクトロクロミック膜14' は、具体的には、酸化タングステン薄膜を形成し、定電位ステップ法により電解液(例えば、ZnCl2/PC:炭酸プロピレン)から陽イオン(
例えば、Znイオン)を膜内に挿入することにより製造することができる。エレクトロクロミック膜14' の膜厚は、10〜1000nm、好ましくは15〜500nmであることが望ましい。
また、ベース基板6は、第2の実施例と同様であり、図4(2)に示すように、放電用突起部12が形成されていてもよい。このような放電用突起部12を有することにより、電荷を放電用突起部12に集中させ、放電用突起部12の先端からエレクトロクロミック膜14に放電されるため、被測定物に帯電している電圧量が極微量であっても帯電量をさらに精度良く測定することができる。
このような電圧記録用セル2は、図4(1)(2)に示すように、表示用透明基板4に形成されたエレクトロクロミック膜14' と、ベース基板6とが間隔b離間して配置される。この間隔bは、ベース基板6の厚みや被測定物等により好ましい範囲が異なり、特に限定されないが、1〜5000μm、好ましくは1〜2000μmの範囲であることが望ましい。電圧記録用セル2の間隔bが、このような範囲であると、静電気対策として求められる50〜40000Vの範囲の電圧を測定することができる。
さらに、この間隔bは、上記範囲をさらに細分化することにより、測定可能な電圧の範囲も細分化することができる。
具体的には、例えば、電圧記録用セル2の間隔bを10μm、20μm、100μm、500μm、2000μmとすることにより、測定可能な電圧を各々50〜200V未満、200〜400V未満、400〜2000V未満、2000〜10000V未満、10000〜40000Vと設定することができる。
また、電圧記録用セル2の第3実施例は、その別形態として、図4(3)(4)に示したように、表示用透明基板4がベース基板6と対向する面4aに透明電極膜16とエレクトロクロミック膜14' とを順に積層されてなる積層膜を有する電圧記録用セル2を挙げることもできる。このような電圧記録用セル2であれば、ベース基板6から、導電性である透明電極膜16に対し電圧が印加されやすいため、被測定物に帯電している電圧量が極微量であっても帯電量をさらに精度良く測定することができる。
また、ベース基板6は、第2の実施例と同様のものを用いることができ、図4(4)に示すように、放電用突起部12が形成されていてもよい。このような放電用突起部12を有することにより、電荷を放電用突起部12に集中させ、放電用突起部12の先端からエレクトロクロミック膜14'に対し放電されるため、被測定物に帯電している電圧量が極
微量であっても帯電量をさらに精度良く測定することができる。
さらに、この電圧記録用セル2は、図4(3)(4)に示すように、エレクトロクロミック膜14' と、ベース基板6または放電用突起部12とが間隔c離間して配置される。この間隔cは、ベース基板6の厚みや被測定物等により好ましい範囲が異なり、この範囲
に制限されないが、1〜5000μm、好ましくは1〜2000μmの範囲であることが望ましい。前記電圧記録用セル2の間隔cが、このような範囲であると、静電気対策として求められる50〜40000Vの範囲の電圧を精度良く測定することができる。
このような第3の実施例の電圧記録用セル2において、ベース基板6の面6aには、帯電量調整層(図示しない)が形成されていてもよい。この帯電量調整層は、金属層(1b)および/または絶縁層(2b)からなる。
金属層(1b)は、第1の実施例における金属層10と同様の材料を用い、同様な方法により作成することができる。金属層(1b)の膜厚は、10〜1000nm、好ましくは10〜750nm、さらに好ましくは15〜500nmであることが望ましい。
絶縁層(2b)は、高分子材料層、誘電体層および強誘電体層からなる群より選択される少なくとも1層からなり、第1の実施例における絶縁層11と同様の材料を用い、同様な方法により作成することができる。この絶縁層(2b)の膜厚は、10〜5000nm、好ましくは10〜3000nm、さらに好ましくは15〜2000nmであることが望ましい。
帯電量調整層を構成する金属層および/または絶縁層が、このような膜厚であることにより、ベース基板6の帯電量を調整することが可能となり、被測定物に予想される帯電量に応じて膜厚を適宜変化させ、被測定物の帯電量を好適に記録することができる。
このような第3の実施例の電圧記録用セル2に、所定量の電圧が印加された場合、電圧記録用セル2の内部がどのような変化を示すかを説明する。なお、図3(4)に示す電圧記録用セル2を用い、電圧記録用セル2のエレクトロクロミック膜14' として「酸化タングステン膜にZnイオンを挿入した膜」を用いた例により説明する。なお、膜内の変化は実施例2と同様であるので図示を省略する。
被測定物から電圧記録用セル2のベース基板6に所定量以上の電圧が印加され、放電用突起部12の先端から透明電極16に対して電圧が印加されると、エレクトロクロミック膜14' 内で、酸化タングステンにZnイオンと電子が共挿入され、W6+がW5+に還元され青色に変化する。ユーザは、表示用透明基板4の上面から透明電極16を介して色調の変化(帯電量の記録)を確認することにより、被測定物が所定量以上の電圧を有していたか確認することができる。
帯電量測定器
このような電圧記録用セル2を用いた本発明の帯電量測定器1は、例えば次のように作成することができる。まず、上述の条件を適宜組み合わせて、測定可能な電圧の範囲が異なる電圧記録用セル2を5個準備する。そして、図1の帯電量測定器1において、一方の端部から長手方向に、この5個の電圧記録用セル2を測定可能な電圧が順に大きくなるように配置して作成する。このように作成された帯電量測定器1を電子機器などの被測定物に取り付け、被測定物から所定量の電圧が印加されると、設定された電圧量以上の電圧が印加された電圧記録用セル2は、所定の変化が起こる。一方、印加された電圧が、電圧記録用セル2に設定された電圧量未満であると変化が起こらない。ユーザは、色調や透過度の変化した電圧記録用セル2を確認することにより、被測定物の帯電量を測定することができる。
本実施例においては、帯電量測定器1が電圧記録用セル2を5個有する例によって説明したが、特に限定されず、1個以上有していればよく、また、本発明の電圧記録用セル2は、それ単独でも帯電量測定器として用いることができる。
このような電圧記録用セルを有してなる本発明の帯電量測定器は、電子部品、電子部品のパッケージなどの表面に取り付けることにより、製造工程さらに輸送時において、電子部品の帯電量を簡易に記録し測定することができる。また、本発明によれば、電子機器や人体などの帯電量を簡易に記録し測定することもできる。したがって、電子機器や人体の帯電量が多いと判断される場合には静電気が帯電しないように処置を施すことができ、静電気放電による電子部品の損傷を未然に防止することができる。このような帯電量測定器は、その他の静電気対策が必要な箇所に適用可能であるとともに、種々の改変が可能であることは勿論である。
なお、本発明の電圧記録用セルおよび帯電量測定器は、被測定物の帯電量を測定するために用いるものであるが、表示用透明基板4側から印加される外部電圧に応答して表示が変化するように構成することも可能である。
図1は、本発明の帯電量測定器を示す概略斜視図である。 図2(1)〜(2)は、本発明の帯電量測定器のA−A線概略断面図であり、本発明の電圧記録用セルの第1の実施例を示す。 図3(1)〜(4)は、本発明の帯電量測定器のA−A線概略断面図であり、本発明の電圧記録用セルの第2の実施例を示す。 図4(1)〜(4)は、本発明の帯電量測定器のA−A線概略断面図であり、本発明の電圧記録用セルの第3の実施例を示す。 図5は、本発明の帯電量測定器において所定量以上の電圧が印加された場合の第1の実施例の電圧記録用セル内部の変化を示す図である。 図6は、本発明の帯電量測定器において所定量以上の電圧が印加された場合の第2の実施例の電圧記録用セル内部の変化を示す図である。
符号の説明
1 ・・・ 帯電量測定器
2 ・・・ 電圧記録用セル
3 ・・・ 枠体
4 ・・・ 表示用透明基板
6 ・・・ ベース基板
8 ・・・ スペーサー
9 ・・・ 空隙部
10 ・・・ 金属層
11 ・・・ 絶縁層
12 ・・・ 放電用突起部
13 ・・・ 穿孔
14,14' ・・・ エレクトロクロミック膜
16 ・・・ 透明電極
18 ・・・ 発色部
20 ・・・ 電解液

Claims (15)

  1. 被測定物の帯電量を測定するための電圧記録用セルであって、
    前記電圧記録用セルは、表示用透明基板と被測定物側に位置するベース基板とが所定間隔離間して配置されてなり、
    前記表示用透明基板の前記ベース基板と対向する面には、金属層(1a)と絶縁層(2a)とが順に積層されていることを特徴とする電圧記録用セル。
  2. 前記ベース基板の前記表示用透明基板と対向する面には、帯電量調整層を有し、該帯電量調整層は金属層(1b)および/または絶縁層(2b)からなることを特徴とする請求項1に記載の電圧記録用セル。
  3. 前記絶縁層(2a)および(2b)が、高分子材料層、誘電体層および強誘電体層からなる群より選択される少なくとも1層からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電圧記録用セル。
  4. 金属層(1a)の膜厚が、15〜500nmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電圧記録用セル。
  5. 前記ベース基板は、前記表示用透明基板に対向する面に放電用突起部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電圧記録用セル。
  6. 被測定物の帯電量を測定するための電圧記録用セルであって、
    前記電圧記録用セルは、表示用透明基板と被測定物側に位置するベース基板とが所定間隔離間して配置されてなり、前記表示用透明基板の前記ベース基板と対向する面に、エレクトロクロミック膜、または透明電極膜とエレクトロクロミック膜とが順に積層されてなる積層膜を有することを特徴とする電圧記録用セル。
  7. 前記ベース基板の前記表示用透明基板と対向する面には、帯電量調整層が設けられており、該帯電量調整層は金属層(2a)および/または絶縁層(2b)からなることを特徴とする請求項6に記載の電圧記録用セル。
  8. 前記絶縁層(2b)が、高分子材料層、誘電体層および強誘電体層からなる群より選択される少なくとも1層からなることを特徴とする請求項6または7に記載の電圧記録用セル。
  9. 前記エレクトロクロミック膜が、無機化合物または有機化合物からなり、
    前記無機化合物が、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、または酸化ニッケルの酸化還元反応によりクロミック特性を有する材料より選択され、
    前記有機化合物が、ビオロゲン誘導体、Lu−ジフタロシアニン、ポリピロール、ポリチオフェン 、ポリアニリン、ポリアズレン、ポリインドール、またはポリカルバゾール
    の酸化還元反応によりクロミック特性を有する材料より選択されることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の電圧記録用セル。
  10. 前記エレクトロクロミック膜の膜厚が、15〜500nmの範囲にあることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の電圧記録用セル。
  11. 前記表示用透明基板とベース基板との間には、電解液が封入されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の電圧記録用セル。
  12. 前記ベース基板は、前記表示用透明基板と対向する面に放電用突起部が形成されていることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の電圧記録用セル。
  13. 被測定物に取り付けて帯電量の測定を行う帯電量測定器であって、
    前記帯電量測定器は、請求項1〜12のいずれかに記載の電圧記録用セルを少なくとも一つ備えることを特徴とする帯電量測定器。
  14. 前記帯電量測定器が、請求項11に記載の電圧記録用セルを複数個有する場合には、セルごとに、表示用透明基板とベース基板との間に封入された電解液の電気伝導度が異なるように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の帯電量測定器。
  15. 前記帯電量測定器が、請求項1〜12のいずれかに記載の電圧記録用セルを複数個有する場合には、セルごとに、表示用透明基板に形成された膜とベース基板または放電用突起部との距離が異なるように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の帯電量測定器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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