JP2006102563A - 液中微生物処理装置 - Google Patents

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俊幸 長田
Takeshi Okubo
剛 大久保
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Abstract

【課題】小型で消費動力が少なくてすむ処理能力の高い液中微生物処理装置を提供すること。
【解決手段】機械的処理装置10は、バラスト水中に含まれる微生物類を死滅させる装置であって、ケーシング11内にロータ12及びステータ13を配設し、ロータ12とステータ13との面間距離を所定値以下に設定した狭間隙部14を設け、バラスト水が狭間隙部14を通過して流れるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば船舶のバラスト水等の液体中に含まれる微生物類を処理して死滅させる液中微生物処理装置に関する。
船舶のバラスト水は、船体の姿勢制御や復原性確保のためにバラストタンクに積載される海水または淡水であり、船舶の安全運航上欠くことのできないものである。このバラスト水は、空船時にポンプでバラスト水を吸い込んでバラストタンク内に積載し、貨物を積み込む港において積荷の進行に合わせて排出される。
上述したバラスト水には、種々の微生物類(水生生物)が含まれている。この微生物類には、微小な生物(バクテリア等の微生物やプランクトン等の浮遊生物等)に加えて、魚類等の卵や幼生等も含まれる。
従って、バラスト水は積載地と異なる港(水域)に排水されることとなるため、バラスト水とともに移動した微生物類が新たな環境に定着すれば、その水域の生態系や水産業等の経済活動に影響を与えることが懸念される。また、バラスト水とともに移動した一部の病原菌は、人体の健康に直接影響を与えることも懸念される。このため、バラスト水に含まれる微生物類の管理が必要となり、バラスト水の排水時には微生物類を死滅させることが求められる。
このようなバラスト水中の微生物類を死滅させる装置としては、流路内に設けたスリット板をバラスト水が所定流速以上で通過するようにして、スリット通過により乱れた流れの内部に存在する剪断現象(場所による流速の急激な差)を利用し、この剪断により液中の微生物を破壊して殺減する液中微生物殺滅装置が提案されている。また、スリット位置をずらしたスリット板を前後に配置しておき、前のスリット板で剪断により破壊されなかった微生物については、前のスリット板で発生させたキャビテーションを後側のスリット板で潰す際に生じる衝撃圧を利用して破壊することにより、さらに殺減させるようにした液中微生物殺滅装置も提案されている。(たとえば、特許文献1参照)
特開2003−200156号公報
しかしながら、上述した従来技術の液中微生物殺滅装置は、バラスト水がスリットを通過して流れるものであるから、バラスト水系の圧力損失がかなり大きくなるという問題を有している。このような圧力損失の大幅な増大に伴い、バラスト水ポンプの能力(特に揚程)を上げることが必要になるので、ポンプ等の設置スペースや消費動力が増加することとなる。
また、船舶という限られた空間に設置しなければならないため、特に、既存の船舶にも設置することを考慮すると、処理能力が高いことに加えて、装置自体が小型で消費動力の少ないものが好ましい。
このような背景から、バラスト水等の液体中に含まれる微生物類を効率よく確実に死滅させることができ、しかも、小型で消費動力が小さくてすむ処理能力の高い液中微生物処理装置の開発が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型で消費動力が少なくてすむ処理能力の高い液中微生物処理装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の請求項1に記載の液中微生物処理装置は、液体中に含まれる微生物類を死滅させる液中微生物処理装置であって、液体流路内に回転体及び静止体を配設し、前記回転体と前記静止体との面間距離を所定値以下に設定した狭間隙部を設け、前記液体が前記狭間隙部を通過して流れるように構成したことを特徴とするものである。
このような液中微生物処理装置によれば、液体流路内に回転体及び静止体を配設し、回転体と静止体との面間距離を所定値以下に設定した狭間隙部を設け、液体が狭間隙部を通過して流れるように構成したので、狭間隙部においては、回転体の壁面から静止体の壁面に向けて減少する速度分布が形成される。従って、この速度分布により、液中微生物を死滅させる高い剪断力が発生する。
上記の液中微生物処理装置において、前記回転体及び前記静止体が、軸方向へ板幅を有し半径方向へ交互に同心円状に配置された板状部材であることが好ましく、これにより、円筒状の回転体及び静止体が同心円状に半径方向へ交互に配置された構成となる。このため、外周側にあって周速及び剪断力が大きくなる領域を広く(軸方向へ長く)設定し、微生物類を死滅させる処理能力を増すことができる。
上記の液中微生物処理装置において、回転軸に固定支持された円盤状の回転体と、前記回転軸の貫通孔を備え前記液体流路に固定支持されたドーナツ形円盤状の静止体とが、軸方向へ交互に配置されていることが好ましく、これにより、簡単な構造で円盤状の回転体及び静止体が軸方向へ交互に配置された構成となる。このため、比較的簡単な構造で高い剪断力を発生させ、微生物を機械的に死滅させることができる。
この場合、前記円盤状の回転体にスリットまたは貫通孔が設けられていることが好ましく、これにより、液体がスリットまたは貫通孔を通り抜ける際に回転速度を付与され、微生物類を死滅させる剪断力はより一層大きくなる。なお、円盤状の回転体には、たとえば半径方向のスリットを放射状に複数配置したもの、円周方向のスリットを半径方向へ複数配置したもの、あるいは、多数の貫通孔を穿設したものを採用すればよい。
上記の液中微生物処理装置において、前記回転体を回転軸の円周方向に複数配列した動翼とし、前記静止体を前記液体流路の円周方向に複数配列した静翼とし、前記動翼及び前記静翼が軸方向に交互に配置されていることが好ましく、これにより、動翼列及び静翼列が軸方向へ交互に複数段配置すれば多段軸流ポンプとなる。このため、動翼と静翼との間に、段間の翼列干渉により微生物類を死滅させる剪断力を発生させることができる。
また、多段軸流ポンプとしても機能するため、液体の加圧送水を補助するポンプとして使用することも可能である。
上記の液中微生物処理装置は、前記回転体が、上流側から順に配列された円錐形状部及び円筒部を備えていることが好ましく、これにより、上流側の円錐部で比較的大きな微生物類(貝類等)をすりつぶして死滅させた後、比較的小さな微生物類は円筒部に発生する剪断力で死滅させることができる。
本発明の請求項7に記載の液中微生物処理装置は、液体中に含まれる微生物類を死滅させる液中微生物処理装置であって、前記液体を加圧して送出するポンプ手段と、先端出口部を絞って前記液体を噴出させるノズルとを具備して構成したことを特徴とするものである。
このような液中微生物処理装置によれば、前記液体を加圧して送出するポンプ手段と、先端出口部を絞って前記液体を噴出させるノズルとを具備して構成したので、ポンプ手段で加圧した液体がノズルを通過し、ジェット流となって噴出する際のキャビテーション及び剪断力により、微生物類を破断して死滅させることができる。
この場合、前記ノズルから噴出した液体のエネルギ回収手段を設けることが好ましく、これにより、運転に要するエネルギーロスを低減することができる。なお、エネルギ回収手段の具体例としては、たとえばノズルから噴出した液体によりペルトン水車等を駆動して得られる動力を、ポンプ手段の駆動にフィードバックすればよい。
上述した本発明の液中微生物処理装置によれば、液体流路内に回転体及び静止体を配設し、回転体と静止体との面間距離を所定値以下に設定した狭間隙部を設け、液体が狭間隙部を通過して流れるように構成したので、狭間隙部においては、回転体の壁面から静止体の壁面に向けて減少する速度分布が形成され、この速度分布により発生する高い剪断力で液中微生物を効率よく破断して確実に死滅させることができる。このように回転体及び静止体の間に発生する剪断力を利用し、微生物類を機械的に死滅させる装置は、上述した従来技術の装置と比較して、液体通過による圧力損失を小さく抑えることができるので、バラスト水ポンプ等の液体ポンプに要求される能力を抑制し、小型化や消費動力の低減に顕著な効果を奏する。
以下、本発明に係る液中微生物処理装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
液中微生物処理装置は、たとえば船舶のバラスト水として使用される海水や淡水等の液体中に含まれている微生物類を機械的に死滅させる処理装置のことである。ここでの微生物類には、海水及び淡水等の液体中に生息するバクテリア等の微生物、プランクトン等の浮遊生物、魚類等の卵や幼生などを含み、本処理装置における主な処理対象は、その大きさが概ね100μm以上となる微生物類が中心となる。
図3は、船舶のバラスト水系統を示す概略構成図である。このバラスト水系統1は、船内に設置されたバラスト水ポンプ2を用いて、船外からバラスト水を吸い込んでバラスト水タンク3に導入したり、あるいは、バラスト水タンク3内のバラスト水を船外に排出したりして、貨物の積載状況に応じて最適な船舶の航行状態を維持する。
このバラスト水系統1の適所には、微生物類を機械的に死滅させる液中微生物処理装置として、機械的処理装置10が設けられている。図示の例では、機械的処理装置10がバラスト水ポンプ2とバラスト水タンク3との間を連結する液体流路内(配管中)に設けられているので、バラスト水の吸入時及び排水時の両方において、バラスト水が機械的処理装置10を通過して微生物類を処理できるようになっている。また、機械的処理装置10の設置位置については、バラスト水ポンプ2とバラスト水タンク3との間(バラスト水ポンプ2の下流側)に限定されることはなく、たとえばバラスト水ポンプ2の上流側(吸入側)としてもよい。
なお、図中の符号4はバラスト水を吸い込む際に比較的大きな異物を除去する粗取り用のスクリーンであり、5は船舶の航行中、バラスト水タンク3内のバラスト水に含まれている微生物類を死滅させる化学的処理装置を示している。
<第1の実施形態>
以下、上述した機械的処理装置(以下、「処理装置」と呼ぶ)10の具体的構成例について、第1の実施形態を図1及び図2に示して説明する。
この処理装置10は、バラスト水中に含まれる微生物類を死滅させるため、バラスト水(液体)流路の配管6と連結されたケーシング11内にロータ(回転体)12及びステータ(静止体)13を配設し、ロータ12とステータ13との面間距離(具体的には、図2に示すように、後述するロータ本体12bとステータ本体13bとの面間距離)Sを所定値以下に小さく設定した狭間隙部14を設けておき、微生物類を含むバラスト水が狭間隙部14を通過して流れるように構成されている。なお、図中の符号7はバラスト水ポンプ2の駆動源となる電動機、8は電動機7に連結されてバラスト水ポンプ2及びロータ12を駆動する回転軸15の端部を支持している軸受である。
ロータ12は、一体に回転するよう回転軸15に固定支持された回転支持部材12aに対し、板幅Wrの板状部材をリング状に成形したロータ本体12bを矢印16で示す流れ方向と逆向きに突出させて取り付けた構成とされる。また、ステータ13は、ケーシング11に固定支持された静止支持部材13aに対し、板幅Wsの板状部材をリング状に成形したステータ本体13bを流れ方向(矢印16)へ向けて突出させて取り付けた構成とされる。
回転支持部材12a及び静止支持部材13aは、静止支持部材13aを軸方向(流れ方向)の上流側とし、所定の間隔Lを設けて互いに対向するような配置とされる。また、ロータ本体12b及びステータ本体13bは、各々リング形状の半径が異なるように設定されている。なお、図示の例において、図2(b)に示すように、回転支持部材12a及び静止支持部材13aは、それぞれ同一平面上で円周方向へ90度ピッチに配置された4本ずつの支持部材により構成されている。
このため、ロータ本体12b及びステータ本体13bは、半径方向へ交互に重なるような同心円状の配置となる。図示の例では、ロータ本体12bが3重の同心円とされ、2重の同心円としたステータ本体13bが隣接するロータ本体12b間に入り込むように構成されている。この結果、ロータ本体12bとステータ本体13bとの間には、面間距離Sを所定値以下に小さく設定した狭間隙部14が形成される。また、このような狭間隙部14を形成するロータ12及びステータ13の組み合わせは、図示の例では回転軸15の軸方向に3段形成されている。
なお、ケーシング11内でバラスト水が通過可能となるおおよその流路断面積は、ケーシング11内の断面積から、回転軸15の断面積と、ロータ本体12b及びステータ本体13bの断面積と、回転支持部材12a及び静止支持部材13aの面積との合計を除いた値になる。
上述した構成の処理装置10は、電動機7を駆動してバラスト水ポンプ2を運転するのと同時に、同軸の回転軸15とともにロータ12が回転する。このとき、バラスト水ポンプ2が運転されているので、バラスト水は矢印16の流れ方向へ流れて処理装置10を通過する。このため、処理装置10を通過して流れるバラスト水は、回転するロータ本体12bと静止しているステータ本体13bとの間に形成された狭間隙部14の面間距離Sを3段階にわたって通過して流れるため、各段階において狭間隙部14を流れる流体に生じる速度分布により剪断力が発生する。この剪断力がバラスト水に含まれる微生物類に作用することで、微生物類を機械的に破断して死滅させることができる。
すなわち、上述した処理装置10は、バラスト水を狭間隙部14に通して積極的に速度分布を与え、この速度分布により発生した剪断力を有効に利用して微生物類を死滅させるものである。特に、回転軸15から離間した外周側の狭間隙部14程周速度が大きい領域となるので、その分速度分布差も大きくなって大きな剪断力を得ることができ、従って、微生物類を死滅させる能力も大きくなる。
また、このような剪断力の大きい領域は、ロータ本体12b及びステータ本体13bが板幅Wr,Wsを有しているので軸方向に長い広範囲となり、これによっても微生物類を死滅させる処理能力を増すことができる。
ところで、上述した実施形態では、静止支持部材13aからステータ本体13bを流れ方向に向けて突出させているが、回転支持部材12aからロータ本体12bを流れ方向に向けて突出させてもよい。また、上述した処理装置10は、バラスト水を吸引する際及び排水する際のいずれにおいても使用可能であり、従って、ロータ本体12a及びステータ本体13aの突出方向については、互いに流れ方向の逆向きで狭間隙部14を形成できればよい。なお、同心円を形成する2重及び3重のロータ本体12b及びステータ本体13bの数、そしてその組み合わせの段数等については、上述した実施形態に限定されることはなく、たとえば1つのロータ本体12b及びステータ本体13bよりなる同心円を1段とした最も単純なものから、同心円の数や組み合わせの段数を増すなど、諸条件に応じて適宜変更することができる。
<第2の実施形態>
続いて、本発明に係る第2の実施形態の処理装置10Aについて、図4を参照して説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この処理装置10Aは、上述した第1の実施形態とロータ21(回転体)及びステータ22(静止体)の構成が異なっている。この実施形態では、ロータ21が回転軸15に固定支持された円盤状とされ、ステータ22がケーシング11に固定支持されて回転軸15の貫通孔22aを備えたドーナツ形円盤状とされる。ロータ21及びステータ22は、いずれも回転軸15と直交して取り付けられ、軸方向に所定の面間距離Sをもって交互に配置されることで狭間隙部14を形成している。なお、図示の例ではロータ21及びステータ22が軸方向にそれぞれ4枚ずつ交互に配列されているが、この数に限定されるものではない。
このような構成の処理装置10Aでは、回転軸15と一体にロータ21が回転すると、面間距離Sの狭間隙部14を通過して流れるバラスト水に速度分布が形成される。この速度分布により剪断力が発生するので、バラスト水に含まれる微生物類を機械的に死滅させることができる。このように、ともに円盤状のロータ21及びステータ22を配列した処理装置10Aは、比較的簡単な構造で高い剪断力を発生させ、微生物類を機械的に死滅させることができる。
なお、狭間隙部14の面間距離Sについては、全て同じ値としてもよいが、軸方向へ徐々に狭めて下流側ほど剪断力が強くなるようにしてもよいし、あるいは、軸方向へ徐々に広げて下流側ほど剪断力が弱くなるようにしてもよい。
ところで、上述した第2の実施形態においては、ロータ21が開口部のない円盤状の板材であったが、以下に説明する各変形例のように、スリットまたは貫通孔を設けた円盤状のロータを採用してもよい。以下、この変形例を図5に基づいて説明するが、上述した各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5(a)に示された第1変形例の処理装置10Bでは、円盤状としたロータ21Aに半径方向の細長いスリット23を放射状に設けてある。このスリット23は、円盤状としたロータ21Aを貫通して設けられているので、バラスト水が回転中のスリット23を通り抜ける際に回転速度を付与される。このため、上述した面間距離Sの狭間隙部14を通過することにより発生する剪断力と協働して、微生物類を死滅させる剪断力がより一層大きくなるので、より一層効果的に死滅させることができる。なお、半径方向のスリット23については、その形状や数など図示の例に限定されることはなく、必要に応じて適宜変更することができる。
図5(b)に示す第2変形例の処理装置10Cでは、円盤状としたロータ21Bに円周方向の細長いスリット24を設けてある。このスリット24も円盤状としたロータ21Bを貫通して設けられているので、バラスト水が回転中のスリット24を通り抜ける際に回転速度を付与される。従って、微生物類を死滅させる剪断力がより一層大きくなり、第1変形例と同様に、微生物類をより一層効果的に死滅させることができる。なお、円周方向のスリット24については、円周方向の分割や半径方向の配列など図示の例に限定されることはなく、必要に応じて適宜変更することができる。
図5(c)に示す第3変形例の処理装置10Dでは、円盤状としたロータ21Cに多数の貫通孔25を穿設してある。この貫通孔25を設けたことにより、バラスト水が回転中の貫通孔25を通り抜ける際に回転速度を付与されるので、微生物類を死滅させる剪断力がより一層大きくなる。従って、第1変形例及び第2変形例と同様に、微生物類をより一層効果的に死滅させることができる。
<第3の実施形態>
続いて、本発明に係る第3の実施形態の処理装置10Eについて、図6を参照して説明する。なお、上述した各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この処理装置10Eでは、回転軸15′と一体に回転する回転体のロータ30が、バラスト水の流れ方向上流側から順に配列されたコーン部(円錐形状部)31及び円筒部32を備えている。
コーン部31は、バラスト水の流れ方向上流側を頂点とし、下流側へ拡径する形状とされる。このコーン部31に連続して、コーン部31の最大径と同径の円筒部32が設けられている。なお、円筒部32の外周面とケーシング11の内周面との間は、上述した各実施形態と同様に、面間隙間Sの狭間隙部14とされる。
また、円筒部32の下流側軸中心には、小径円筒部32aとして機能する回転軸15′が連続して設けられている。一方、ケーシング11の内周面には、円筒部32の底面32b及び小径円筒部32aと対向して面間距離Sの狭間隙部14を形成するように、矩形断面の突起部33が全周にわたって設けられている。なお、この突起部33については、これを組み合わせることで剪断力をより一層有効に利用して微生物類を死滅させることが可能になるので、複数を設けるなど必要に応じて適宜追設すればよい。
このような構成の処理装置10Eでは、上流側のコーン部31において、たとえば貝類のように比較的大きな微生物類をすりつぶして機械的に死滅させた後、比較的小さな微生物類については、円筒部32及び小径円筒部32aの周囲に発生する剪断力により、機械的に死滅させることができる。この場合、円筒部32の底面32bと突起部33との間に形成される面間隙間Sの狭間隙部14は、実質的に上述した第2の実施形態(図4参照)と同様の作用効果が得られる。また、小円筒部32aと突起部33との間に形成される面間隙間Sの狭間隙部14は、実質的に上述した第1の実施形態(図1及び2参照)と同様の作用効果が得られる。
<第4の実施形態>
続いて、本発明に係る第4の実施形態の処理装置10Fについて、図7を参照して説明する。なお、上述した各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この処理装置10Fでは、回転軸15の外周面に対し、動翼40を円周方向に複数配列して動翼列(回転体)を構成するとともに、ケーシング11の内周面に対し、円周方向に静翼41を複数配列して静翼列(静止体)を構成する。そして、この動翼列及び静翼列を回転軸15の軸方向に交互にそれぞれ複数段配列することで処理装置1Fとされ、動翼40及び静翼41の面間に狭間隙部14を形成する。
このような処理装置10Fでは、動翼列及び静翼列が軸方向へ交互に複数段配置されたことにより多段軸流ポンプとなる。このため、動翼40と静翼41との間に、段間の翼列干渉により微生物類を死滅させる剪断力を発生させることができる。
また、この場合の処理装置10Fは、多段軸流ポンプが有するポンプ機能により、バラスト水の加圧送水を補助するポンプとして使用することも可能である。すなわち、処理装置10Fから得られるポンプ機能分だけ、バラスト水ポンプ2の能力を小さくすることも可能である。
なお、動翼40及び静翼41の前縁形状については、少なくとも一方にできるだけ鋭利でシャープな形状を採用することにより、比較的大きな微生物類をナイフのように切断して機械的に死滅させることができる。
<第5の実施形態>
続いて、本発明に係る第5の実施形態の処理装置10Gについて、図8を参照して説明する。なお、上述した各実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この処理装置10Gは、バラスト水中に含まれる微生物類を死滅させるため、バラストタンク3内のバラスト水を加圧して送出する加圧ポンプ(ポンプ手段)50と、加圧ポンプ50に接続された配管51の先端出口部を絞ってバラスト水をジェット流にして噴出させるノズル52とを具備して構成される。
このような構成の処理装置10Gによれば、バラストタンク3内のバラスト水を加圧ポンプ50で加圧してノズル52から噴出させることにより、バラスト水がジェット流となってノズル52を通過する際にキャビテーション及び剪断力が発生する。このため、バラスト水に含まれている微生物類は、ジェット流となって噴出する際にキャビテーション及び剪断力を受け、機械的に破断されて死滅する。
また、上述した構成の処理装置10Gにおいては、ノズル52からジェット流となって噴出したバラスト水のエネルギ回収手段として、たとえばペルトン水車53及び回転動力回収部54とが設けられている。
ペルトン水車53は、ノズル52から噴出されたジェット流を受けることで回転駆動するので、この回転エネルギを回収すればエネルギーロスを低減することができる。具体的には、ペルトン水車53を駆動して得られる回転エネルギを回転動力回収部54で電力等に変換し、加圧ポンプ50を運転する動力の一部として利用するようフィードバックすればよい。あるいは、ペルトン水車53を駆動して得られる回転エネルギを回転動力回収部54で変速するなどして、回転エネルギをそのまま加圧ポンプ50を運転する動力の一部として利用してもよい。
以上説明いたように、本発明の処理装置によれば、バラスト水の流路内に回転体及び静止体を配設し、回転体と静止体との面間距離Sを所定値以下に設定した狭間隙部14を設け、バラスト水が狭間隙部14を通過して流れるように構成したので、狭間隙部14においてはバラスト水に速度分布が形成され、この速度分布により発生する高い剪断力で液中微生物を効率よく破断して確実に死滅させることができる。このように回転体及び静止体の間に発生する剪断力を利用し、微生物類を機械的に死滅させる装置は、処理能力が高いだけでなく、従来技術で説明した装置と比較して液体通過による圧力損失が小さくなるので、バラスト水ポンプ2に要求される揚程等の能力も小さくなる。このため、バラスト水ポンプ2の小型化や消費動力の低減が可能となり、既存の船舶に追加設置することが容易になる。
ところで、上述した各実施形態においては、バラスト水ポンプ2と処理装置とが別体に構成されていたが、両者を一体化して共通のケーシング内に収納し、全体を小型化することも可能である。また、処理装置専用の駆動源を設けて、バラスト水ポンプ2から独立した独自の運転が可能となるように設置してもよい。さらに、処理装置の設置位置をバラスト水ポンプ2の上流側とすれば、微生物類を機械的に死滅させるキャビテーションが発生しやすいため有利になる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明は、船舶のバラスト水中に含まれる微生物類の他にも、各種の液体中に含まれる微生物類を死滅させる装置としても利用することができる。
本発明に係る液中微生物処理装置の第1の実施形態を示す図で、(a)は設置例を示す平面図、(b)は概略構成例を示す軸方向の断面図である。 (a)は図1(b)の要部拡大図、(b)は(a)のA−A線に沿う縦断面図である。 船舶のバラスト水系統を示す概略構成図である。 本発明に係る液中微生物処理装置の第2の実施形態として、概略構成例を示す軸方向の断面図である。 図4に示す第2の実施形態の変形例を示す図で、(a)は第1変形例を示す縦断面図、(b)は第2変形例を示す縦断面図、(c)は第3変形例を示す縦断面図である。 本発明に係る液中微生物処理装置の第3の実施形態として、概略構成例を示す軸方向の断面図である。 本発明に係る液中微生物処理装置の第4の実施形態として、概略構成例を示す軸方向の断面図である。 本発明に係る液中微生物処理装置の第5の実施形態として、概略構成を示す図である。
符号の説明
1 バラスト水系統
2 バラスト水ポンプ
3 バラスト水タンク
10,10A〜10G 機械的処理装置(液中微生物処理装置)
11 ケーシング
12,21,21A〜21C ロータ(回転体)
12a 回転支持部材
12b ロータ本体
13,22 ステータ(静止体)
13a 静止支持部材
13b ステータ本体
14 狭間隙部
15 回転軸
23,24 スリット
25 貫通孔
30 ロータ(回転体)
31 コーン部(円錐形状部)
32 円筒部
40 動翼
41 静翼
50 加圧ポンプ(ポンプ手段)
52 ノズル
53 ペルトン水車(エネルギ回収手段)
54 回転動力回収部(エネルギ回収手段)

Claims (8)

  1. 液体中に含まれる微生物類を死滅させる液中微生物処理装置であって、
    液体流路内に回転体及び静止体を配設し、前記回転体と前記静止体との面間距離を所定値以下に設定した狭間隙部を設け、前記液体が前記狭間隙部を通過して流れるように構成したことを特徴とする液中微生物処理装置。
  2. 前記回転体及び前記静止体が、軸方向へ板幅を有し半径方向へ交互に同心円状に配置された板状部材であることを特徴とする請求項1に記載の液中微生物処理装置。
  3. 回転軸に固定支持された円盤状の回転体と、前記回転軸の貫通孔を備え前記液体流路に固定支持されたドーナツ形円盤状の静止体とが、軸方向へ交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液中微生物処理装置。
  4. 前記円盤状の回転体にスリットまたは貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の液中微生物処理装置。
  5. 前記回転体を回転軸の円周方向に複数配列した動翼とし、前記静止体を前記液体流路の円周方向に複数配列した静翼とし、前記動翼及び前記静翼が軸方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液中微生物処理装置。
  6. 前記回転体が、上流側から順に配列された円錐形状部及び円筒部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の液中微生物処理装置。
  7. 液体中に含まれる微生物類を死滅させる液中微生物処理装置であって、
    前記液体を加圧して送出するポンプ手段と、先端出口部を絞って前記液体を噴出させるノズルとを具備して構成したことを特徴とする液中微生物処理装置。
  8. 前記ノズルから噴出した液体のエネルギ回収手段を設けたことを特徴とする請求項7に記載の液中微生物処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013072476A1 (en) 2011-11-16 2013-05-23 Pureteq A/S A liquid treatment device
WO2021215935A1 (en) * 2020-04-24 2021-10-28 Dennis Mason A fluid treatment device and a method for treating fluid comprising organisms

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