JP2006101935A - 表皮部材 - Google Patents

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Tsutomu Tanaka
力 田中
Yasuki Makino
耕樹 牧野
Makoto Kyogoku
誠 京極
Yoshifumi Miyahama
芳文 宮濱
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Abstract

【課題】 触感・なじみ感を含む握り心地性を定量的に評価するとともに、その握り心地性を向上させる表皮部材を提供する。
【解決手段】 表皮部材は、その表面の圧縮特性が最大荷重1cm当り30g以下の領域での変位−荷重特性において、荷重30g/cmにおける圧縮歪量が0.00527〜0.0110cm、圧縮回復性が56〜65%であり、上記表皮部材表面の平均摩擦係数が0.2〜0.4であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車用等の車両用の内装部材などに使用される表皮部材に関するものである。
自動車などの車両の内装部材としては、例えばポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などの比較的硬質な樹脂の表面を、軟質の表皮部材で被覆して形成されたものが広く使用されている。
この車両用内装部材に使用される表皮部材には、見栄えが良いことだけでなく、乗員が触れたときの触感が良いことも重要な要素として要求されている。
このような触感に関して、特許文献1では、リサイクル性を向上させる観点から、塩化ビニル樹脂と同等若しくはそれ以上の手触り感が得られる熱可塑性を有する成形部材について記載されている。また、特許文献1では、この触感について、これを左右する物理的な因子を明確にし、人間の実際の触感に基づいた官能評価と高い相関性のある定量的な評価法が開示されている。
特開2002−293955号公報
ところで、車両用内装部材の表皮部材において、このような触感が要求される場合には、天然皮革が好まれており、例えば高級な本革表皮などが使用されている。しかし、この本革表皮を表皮部材として使用すると、コストが非常に高くなる。
更に、本革表皮を用いる場合には、生産工程において傷等の表面欠陥のない表面品質を確保するために、歩留りが悪くなり、更にコストが高くなるので、特定の車種にのみ使用されている。ところが、このような表皮部材の表面品質に関しては、表皮部材表面の外観及び人間の実際の感触に基づいて判断されているのみである。
この表皮部材に関して、車両用内装部材の中でも、特に乗員が操作する操作部材においては、操作部材を握った時の良好な握り心地性が求められている。しかし、この握り心地における触感(心地良さ)・なじみ感についても、実際に触った感触に基づいて判断されるのみである。
良好な握り心地性を有する表皮部材を、特定の車種だけでなく、すべての車種の車両用内装部材に適用するためには、この握り心地性を定量的に測定し、その良否を判定する必要がある。
従って、本発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、触感・なじみ感を含む握り心地性を定量的に評価するとともに、その握り心地性を向上させる表皮部材を提供することを目的とする。
本願発明者等は、種々の試験研究を重ねた結果、握り心地性に対する感性因子が圧縮特性によって左右されること、換言すれば、この特性を定量化することにより、触感・なじみ感を定量的に測定し、握り心地性の良否を判定できることを知見した。また、かかる知見に基づいた握り心地性の高い表皮部材を開発した。
本願の第1の発明に係る表皮部材は、以上のような研究開発活動の結果として得られたものであり、表皮部材表面の圧縮特性が最大荷重1cm当り30g以下の領域での変位−荷重特性において、荷重30g/cmにおける圧縮歪量が0.00527〜0.0110cm、圧縮回復性が56〜65%であり、上記表皮部材表面の平均摩擦係数が0.2〜0.4であることを特徴としたものである。
ここに、上記圧縮歪量を0.00527〜0.0110cmとしたのは、様々な市販のステアリングホイールをサンプルとしてその握り心地の官能評価とその圧縮特性の測定を行い、握り心地と相関を有する圧縮特性パラメータを判別分析した結果、圧縮歪量が0.00527cm以上である場合には、心地良さを得ることが難しく、その一方、上記サンプルの圧縮歪量は0.0110cm以下であるからである。また、上記圧縮回復性を56〜65%としたのは、圧縮回復性が上記範囲から外れると、心地良さを得ることが難しいからである。
更に、各圧縮特性値が上記範囲から外れると、良好ななじみ感を得ることが難しいからである。
また更に、上記平均摩擦係数を0.2〜0.4としたのは、平均摩擦係数が0.2より小さい場合には表皮部材の表面が滑り易く、一方、平均摩擦係数が0.4より大きい場合には表皮部材の表面がべたつくので、好適な摩擦力を確保することが難しいからである。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1記載の表皮部材において、上記圧縮歪量が0.010〜0.011cm、上記圧縮回復性が59〜62%であることを特徴としたものである。
ここに、上記圧縮歪量を0.010〜0.011cmとしたのは、圧縮歪量が上記範囲から外れると、より良好な心地良さを得ることが難しいからである。また、上記圧縮回復性を59〜62%としたのは、圧縮回復性が上記範囲から外れると、より良好な心地良さを得ることが難しいからである。
更に、各圧縮特性値が上記範囲から外れると、より良好ななじみ感を得ることが難しいからである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の表皮部材において、上記表皮部材が天然皮革を主材料とすることを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一に記載の表皮部材において、上記表皮部材が車両用内装部材の表面に被覆成形されてなるものであることを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項4記載の表皮部材において、上記車両用内装部材は、乗員が操作する操作部材であることを特徴としたものである。
また更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項5記載の表皮部材において、上記操作部材が、ステアリングホイール又は操作レバーのノブの何れか一方であることを特徴としたものである。
本願の請求項1の発明によれば、上記荷重領域の上記変位−荷重特性において、荷重30g/cmにおける圧縮歪量が0.00527〜0.0110cm、圧縮回復性が56〜65%であるので、良好な心地良さ及びなじみ感を得ることができ、良好な握り心地性を得ることができる。
また、表皮部材表面の平均摩擦係数が0.2〜0.4であるので、好適な摩擦力を確保することができる。
また、本願の請求項2の発明によれば、上記請求項1の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記圧縮歪量が0.010〜0.011cm、上記圧縮回復性が59〜62%であるので、より良好な心地良さ及びなじみ感を得ることができ、良好な握り心地性をより高次元で実現することができる。
また、本願の請求項3の発明によれば、上記請求項1又は2に係る発明と同様の効果を奏することができる。特に、表皮部材が天然皮革を主材料とするので、上記効果を有効に実現し得る表皮部材を提供することができる。
更に、本願の請求項4の発明によれば、上記請求項1〜3の発明の何れか一と同様の効果を奏することができる。特に、表皮部材が車両用内装部材の表面に被覆成形されてなるものであるので、乗員が触れる車両用内装部材において、良好な心地良さおよびなじみ感を得ることができる。
また更に、本願の請求項5の発明によれば、上記請求項4の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記車両用内装部材が、乗員が操作する操作部材であるので、乗員が触れる機会の多い操作部材において、良好な心地良さおよびなじみ感を得るとともに、好適な摩擦力を確保することができ、良好な握り心地性を有効に得ることができる。
また更に、本願の請求項6の発明によれば、上記請求項5の発明と同様の効果を奏することができる。特に、上記操作部材が、ステアリングホイール又は操作レバーのノブの何れか一方であるので、乗員が運転中に特に触れる機会の多い操作部材であり、上記効果をより有効に奏することができる。
以下、本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら説明する。本実施形態では、車両用内装部材の中でも、特に触感が重要視されるステアリングホイールを例に、その表皮部材について以下に説明する。
本発明者らは、上記表皮部材を評価する上で、先ず、ステアリングホイールに要求される摩擦特性について実験を行った。
(1)ステアリングホイールの摩擦特性
ステアリングホイールの摩擦特性を調べるためにステアリングホイールの握り力の測定を行った。様々な位置にセンサを取り付けた手袋を使用して、実際に走行している時に手にかかる荷重及び分布を調べた。
この測定により、実際に走行している時にステアリングホイールが30〜40Nの力で握られていることがわかった。また、走行時には、手のひらと中指第3関節のあたりを主に使用して握っており、それらがステアリングホイールに押し付けられるような状態で接していることがわかった。上記走行状態において、ステアリングを回すために必要な力である必要操舵力は8〜12Nであった。
図1は、ステアリングホイールの握り力と操舵力の関係を示したグラフである。このグラフでは、ステアリング握り力を横軸にとり、必要操舵力を縦軸にとって表示している。ステアリングホイールに求められる機能と摩擦特性の関係より、上記グラフにおける傾きは、ステアリングホイールの表面の摩擦係数を表すと勘案することができる。
図1には、上記握り力及び上記操舵力について、その上限値及び下限値が破線により表されている。上記破線により囲まれた領域を満たすためには、すなわち、走行時において上記握り力と上記操舵力を確保するためには、ステアリングホイールは、その表面の平均摩擦係数をμとすると、μ=0.2〜0.4であることが好ましいことがわかる。
上記平均摩擦係数μが0.2より小さい場合には、表皮部材の表面が滑り易く、ステアリングを回すために必要な操舵力を得るには握り力を大きくする必要があるので乗員に過度の負担がかかる。その一方、上記平均摩擦係数μが0.4より大きい場合には、表皮部材の表面がべたつき、ステアリングホイールの握り力に対してステアリングが敏感に反応し過ぎるので、乗員に過度の負担がかかる。
従って、乗員に過度の負担がかかることなく、ステアリングホイールを回すための好適な摩擦力を確保するためには、ステアリングホイールの表面の平均摩擦係数μが0.2〜0.4であることが好ましい。
次に、ステアリングホイールの握り心地性について、その握り心地性の良否若しくは特徴を定量的に評価できるようにするために、人間の実際の感触に基づいた官能評価と、上記ステアリングホイールに使用される表皮部材の種々の物理特性との関係(相関性)について調べた。
(2)官能評価
以下に人間の実際の感触に基づいた官能評価について説明する。
本実施形態では、人間の感触について体系的なデータを得るために、40人のメンバで構成されるグループ(評価会)を設定し、この評価会で種々の市販のステアリングホイールについてその感触(握り心地)を評価し、その感触品質のデータを採取した。
この官能評価では、8つのステアリングホイールのサンプル(S1〜S8とする)について、“握り心地が好き(Y)”を5段階で評価した。評価としては、“大変思う(Y=5とする)”、“かなり思う(Y=4)”、“やや思う(Y=3)”、“ふつう(Y=2)”、“思わない(Y=1)”を用いた。また、上記ステアリングホイールを握った時の握り心地に影響する感性因子として、“やわらかい”、“手に馴染む”、“滑らし易い”、“底つく感じ”、“つるつる”、“心地よい”、“べたべた”、“握り易い”を選択して評価した。上記官能評価に基づいて、“握り心地が好き”を目的変数とし、上記感性因子を説明変数として判別分析を行った。
図2は、“握り心地が好き”を感性因子により判別分析した結果を示す説明図である。図2には、その判定基準値が示され、影響の強い感性因子が各分岐点に表されている。また、分析対象の数(N)と分析対象Nにおける“握り心地が好き”の平均値(Average)とが表示されている。なお、判別後の各サンプルも図に表されており、“握り心地が好き”のスコアが高いグループ(S1、S2、S7及びS8)が二点鎖線により示されている。
図に示されるように、上記判別分析に基づく握り心地に最も影響を与える感性因子が“心地良い”であることが示されている。
本実施形態では、更に、“心地良さ”の感性因子と各感性因子との相関性を調べた。表1は、上記官能評価に基づく各感性因子間の相関を示している。
Figure 2006101935
表に示されるように、“心地良さ”の感性因子に最も相関のある感性因子が、“手に馴染む”であり、その次に相関のある感性因子が“滑らし易い”、“べたべた”であることが示されている。また、“感触が好き”に対して、特に相関のある感性因子が“手に馴染む”、“心地よい”であることが分かった。
これらの結果より、表皮部材の握り心地性に関しては、心地良さ及びなじみ感を評価することにより、その良否を判断することが可能である。
また、“心地良さ”を得るためには、滑らし易さやべたつきにくさが求められる。上記のように、ステアリングホイールの表面の平均摩擦係数が0.2〜0.4である場合には、滑らし易く、べたつきにくいので心地良さを得ることができる。
(3)圧縮特性
次に、これらの官能評価と相関性を有する物理特性との関係について調べた。上記判別分析の結果に基づく握り心地の良いステアリングホイール及び握り心地の悪いステアリングホイールについて、その圧縮特性を評価するために、その変位―荷重特性を測定した。上記判別分析結果に示されるように、握り心地の良いステアリングホイールとしてはサンプルS2を選択し、握り心地の悪いステアリングホイールとしてはサンプルS6を選択した。なお、走行時の握り力に基づいて、圧縮特性の測定における最大荷重を30g/cmと設定した。図3は、握り心地の良いステアリングホイールの変位―荷重特性の測定結果を示した説明図であり、図4は、握り心地の悪いステアリングホイールの変位−荷重特性の測定結果を示した説明図である。
ここで、このような変位−荷重特性曲線をモデル化したものを図5に示す。この図を参照しながら、圧縮特性パラメータについて説明する。圧縮特性パラメータとしては、圧縮仕事量、圧縮回復仕事量、圧縮回復性、圧縮剛さ、圧縮歪量、圧縮損失仕事量の各パラメータを選択した。各パラメータは、以下のようにして求めることができるものである。
圧縮仕事量(gf・cm/cm)=aの面積+bの面積
圧縮回復仕事量(gf・cm/cm)=bの面積
圧縮回復性(%)=(圧縮回復仕事量/圧縮仕事量)×100
圧縮剛さ(%)=(aの面積+bの面積)/三角形ABCの面積
圧縮歪量(mm)=T
圧縮損失仕事量(gf・cm/cm)=aの面積
ここに、図中の矢印は荷重を加える工程及び荷重を取り除く工程を示しており、A点は測定開始位置を示し、B点は最大荷重を加えた時の荷重及び歪量の位置を示し、C点は最大荷重時における歪量(Tとする)の位置を示している。
図3及び4に示されるように、上記握り心地の良いステアリングホイールと上記握り心地の悪いステアリングホイールの歪量−荷重曲線において相違点を有している。
握り心地の良いステアリングホイールは、握り心地の悪いステアリングホイールに比して、低荷重時より大きく変形して圧縮歪量が大きく、また、圧縮仕事量と圧縮回復仕事量の差である圧縮損失仕事量が大きい。
このような圧縮特性を更に具体的に評価するために、上記ステアリングホイール(S1〜S8)に関して、“心地良さ”を目的変数に、上記各圧縮特性パラメータを説明変数に選択して判別分析を行った。
図6は、心地良さを各圧縮特性パラメータにより判別分析した結果を示す説明図である。図6には、影響の強い圧縮特性パラメータが各分岐点に示され、その判定基準値が示されている。また、分析対象の数(N)と分析対象Nにおける“心地良さ”の平均値(Average)とが表示されている。また、判別後の各サンプルも図に表されており、“心地良さ”のスコアが高いグループ(S1、S2、S7及びS8)が二点鎖線により示されている。
図に示されるように、上記判別分析に基づく心地良さに影響を与える圧縮特性パラメータが圧縮歪量と圧縮回復性であることが示されており、圧縮歪量が0.00527cm以上であり、圧縮回復量が65%以下である場合には、“心地良さ”のスコアが高いことが示されている。
このように圧縮歪量及び圧縮回復性が、心地良さに非常に影響を及ぼしている。上記判別分析より、“心地良さ”のスコアの高いサンプルは、“握り心地が好き”のスコアの高いサンプルと同様であった。
図7には、心地良さのスコアと圧縮歪量の関係を示したグラフが示されている。このグラフでは、圧縮歪量を横軸にとり、心地よいを縦軸にとって表示しており、上記グラフでは、○印は心地良さスコアが4以上、□印は心地良さスコアが3以上4未満、◆印は心地良さスコアが2以上3未満、▲印は心地良さスコアが2未満であることを示している。
図7に示されるように、上記判別分析結果に基づく圧縮歪量が0.00527cm以上である場合には、良好な心地良さ(心地良さスコアが3以上)を得ることができるが、それ以下の場合には良好な心地良さを得ることが難しい。また、上記サンプルの圧縮歪量が0.0110cmであることが示されている。更に、圧縮歪量が0.010以上である場合には、より良好な心地良さ(心地良さスコアが4以上)を得ることができることが示されている。なお、図7にはこれらの数値について実線で示されている。
図8には、心地良さのスコアと圧縮回復性の関係を示したグラフが示されている。このグラフでは、圧縮回復性を横軸にとり、心地よいを縦軸にとって表示しており、上記グラフにおいては、○印は心地良さスコアが4以上、□印は心地良さスコアが3以上4未満、◆印は心地良さスコアが2以上3未満、▲印は心地良さスコアが2未満であることを示している。
図8に示されるように、圧縮回復性が56〜65%である場合には、良好な心地良さ(心地良さスコアが3以上)を得ることができるが、上記範囲から外れると心地良さを得ることが難しい。更に、圧縮回復性が59〜62%である場合には、より良好な心地良さ(心地良さスコアが4以上)を得ることができる。なお、図8にはこれらの数値について実線で示されている。
上記のように心地良さと相関性を有するなじみ感については、圧縮歪量がたわみ性を意味し、圧縮回復性が反発性を意味する。図9には、なじみ感のスコアと圧縮歪量及び圧縮回復性の関係を示したグラフが示されている。このグラフでは圧縮歪量を横軸にとり、圧縮回復性を縦軸にとって表示しており、上記グラフにおいては、○印はなじみ感スコアが4以上、□印はなじみ感スコアが3以上4未満、◆印はなじみ感スコアが2以上3未満、▲印はなじみ感スコアが2未満であることを示している。
図9に示されるように、圧縮歪量が0.00527〜0.0110cmであり、圧縮回復性が56〜65%である場合には、良好ななじみ感(なじみ感スコアが3以上)を得ることができる。更に、圧縮歪量が0.0100〜0.0110cm、圧縮回復性が59〜62%である場合には、より良好ななじみ感(なじみ感スコアが4以上)を得ることができる。なお、図9にはこれらの数値について実線で示されている。
上記のように、表皮部材表面の圧縮特性が最大荷重1cm当り30g以下の領域での変位−荷重特性において、荷重30g/cmにおける圧縮歪量が0.00527〜0.0110cm、圧縮回復性が56〜65%である場合には、良好な心地良さおよびなじみ感を得ることができ、良好な握り心地性を得ることができる。
また、表皮部材表面の平均摩擦係数が0.2〜0.4である場合には、好適な摩擦力を確保することができる。
特に、上記圧縮歪量が0.010〜0.011cm、上記圧縮回復性が59〜62%である場合には、より良好な心地良さおよびなじみ感を得ることができ、良好な握り心地性をより高次元で実現することができる。
上記のように、ステアリングホイールの握り心地性に関して、表皮部材表面の圧縮歪量及び圧縮回復性を測定することで、心地良さ及びなじみ感を評価することができ、表皮部材の握り心地性を評価することができる。
本実施形態では、表皮部材の製作工程において型押し、なめし及び塗料を種々に変更した天然皮革である本革表皮を使用してステアリングホイールを製作した。図10は、上記ステアリングホイール(S9とする)の変位−荷重特性の測定結果の一例を示した説明図である。
図に示される上記ステアリングホイールS9の圧縮歪量は0.00710cmであり、圧縮回復性は58%であり、表面摩擦係数は0.21であり、良好な握り心地を得るための上記圧縮特性及び物理量を満たしている。
また、図11は、上記ステアリングホイールS9に使用した表皮部材の下側にクッション材を重ね合わせた、本実施形態に係るもう1つのステアリングホイール(S10とする)の変位−荷重特性の測定結果を示した説明図である。
図に示される上記ステアリングホイールS10の圧縮歪量は0.0106cmであり、圧縮回復性は60%であり、表面摩擦係数は0.21である。
図10及び11に示されるように、表皮部材の下側にクッション材を挿入することにより、圧縮歪量および圧縮回復性が大きくなり、握り心地性を向上させることができ、より良好な握り心地性を得ることができる。
また、図12は、心地良さが○の本革ステアリングホイールの変位−荷重特性の測定結果を示した説明図である。このステアリングホイールの圧縮歪量は0.00692cmであり、圧縮回復性が58.6%であり、良好な握り心地を得ることができる。しかし、このステアリングホイールの平均摩擦係数は0.16であり、滑り易く好適な摩擦力を得ることが難しい。
図13には、心地良さが×の本革ステアリングホイール(S11とする)の変位−荷重特性の測定結果を示す。本実施形態に係るステアリングホイール(S9、S10)と比べると、圧縮歪量が小さく、良好な握り心地を得ることが難しい。
本実施形態に係るステアリングホイールを実際に車両に取り付けて、専門家により特性評価を行った。図14は、ステアリングホイールの特性評価を示した説明図である。評価項目としては、“触感”、“なじみ”、“握り形状”、“握り太さ”、“剛性感”、“ダイレクト感”、“減衰感”を用い、各項目について8段階で評価した。サンプルとしては、◆印で示される心地良さが×の本革ステアリングホイール(S11)、▲印で示される本実施形態に係るステアリングホイール(S9)、●印で示される本実施形態に係るもう1つのステアリングホイール(S10)を用いた。
図に示されるように、本実施形態に係るステアリングホイールは、触感及びなじみ感について大幅に向上されていることがわかる。また、クッション材を重ね合わせることにより、触感及びなじみ感をより向上させることができることが示されている。
上記実施形態では、ステアリングホイールの表皮部材としては、天然皮革が主材料として使用されている。このような天然皮革が用いられることにより、良好な握り心地性を得ることと、好適な摩擦力を確保することとを有効に実現し得る表皮部材を提供することができる。
また、良好な握り心地性を得るために、表皮部材として、上記圧縮特性及び各物理量を満足するその他の材料が使用されてもよい。
上記表皮部材はステアリングホイールに用いる場合について記述されているが、乗員が触れるその他の部分にも使用可能である。上記表皮部材が、乗員が触れる車両用内装部材の表面に被覆成形されてなるものである場合には、乗員が触れる車両用内装部材において、良好な心地良さおよびなじみ感を得ることができる。
また、上記表皮部材が、車両用内装部材の中でも、特に、乗員が操作する操作部材に用いられる場合には、乗員が触れる機会の多い操作部材において、良好な心地良さおよびなじみ感を得るとともに、好適な摩擦力を確保することができ、良好な握り心地性を有効に得ることができる。
更に、上記表皮部材が、例えばシフトレバーやパーキングブレーキなどの操作レバーのノブなどに用いられる場合には、乗員が運転中に特に触れる機会の多い操作部材において、良好な握り心地性を有効に得ることができるとともに、好適な摩擦力を有効に確保することができる。
以上のように、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明に係る表皮部材は、例えば自動車等の車両の内装部材などに使用することができ、特に乗員が操作する操作部材に好適に適用可能である。
ステアリングホイールの握り力と操舵力の関係を示したグラフである。 握り心地を感性因子により判別分析した結果を示す説明図である。 握り心地の良いステアリングホイールの変位−荷重特性の測定結果を示す説明図である。 握り心地の悪いステアリングホイールの変位−荷重特性の測定結果を示す説明図である。 変位―荷重特性曲線をモデル化して示した説明図である。 心地良さを各圧縮特性パラメータにより判別分析した結果を示す説明図である。 心地良さのスコアと圧縮歪量との関係を示したグラフである。 心地良さのスコアと圧縮回復性との関係を示したグラフである。 なじみ感のスコアと圧縮歪量及び圧縮回復性との関係を示したグラフである。 本実施形態に係るステアリングホイールの変位−荷重特性の一例を示した説明図である。 本実施形態に係るもう1つのステアリングホイールの変位−荷重特性を示した説明図である。 心地良さが○の本革ステアリングホイールの変位−荷重特性の測定結果を示す説明図である。 心地良さが×の本革ステアリングホイールの変位−荷重特性の測定結果を示す説明図である。 本実施形態に係るステアリングホイールの特性評価を示した説明図である。

Claims (6)

  1. 表皮部材表面の圧縮特性が最大荷重1cm当り30g以下の領域での変位−荷重特性において、荷重30g/cmにおける圧縮歪量が0.00527〜0.0110cm、圧縮回復性が56〜65%であり、上記表皮部材表面の平均摩擦係数が0.2〜0.4であることを特徴とする表皮部材。
  2. 請求項1記載の表皮部材において、
    上記圧縮歪量が0.010〜0.011cm、上記圧縮回復性が59〜62%であることを特徴とする表皮部材。
  3. 請求項1又は2に記載の表皮部材において、
    上記表皮部材が、天然皮革を主材料とすることを特徴とする表皮部材。
  4. 請求項1〜3の何れか一に記載の表皮部材において、
    上記表皮部材が、車両用内装部材の表面に被覆成形されてなるものであることを特徴とする表皮部材。
  5. 請求項4記載の表皮部材において、
    上記車両用内装部材は、乗員が操作する操作部材であることを特徴とする表皮部材。
  6. 請求項5記載の表皮部材において、
    上記操作部材が、ステアリングホイール又は操作レバーのノブの何れか一方であることを特徴とする表皮部材。
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