JP2006101142A - ネットワーク制御装置及びネットワーク制御方法並びにネットワーク制御用プログラム - Google Patents

ネットワーク制御装置及びネットワーク制御方法並びにネットワーク制御用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 ネットワークシステムに含まれるいずれかのノードにおいてその中継機能が停止した場合でも、その下位にあるノードにおける処理に影響を与えることが少なく、ネットワークシステム自体の信頼性を向上させつつ確実にコンテンツを配信することが可能なネットワーク制御装置を提供する。
【解決手段】 サーバSと、複数の階層を形成しつつ接続された複数のノードNと、を含み、複数のパケットにより構成されるコンテンツがサーバSから各ノードNに対して配信されるネットワークシステムNSに含まれるノードNを制御する場合に、当該コンテンツが、各ノードNの処理においてその対象とすることが省略可能な空パケットを含み、更に、制御対象のノードNに対して下位に接続されているノードNにおけるコンテンツの蓄積状態を検出し、その蓄積状態に基づいて、下位の各ノードNへの空パケットのサーバSからの配信の実行を、各ノードN毎に制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ネットワーク制御装置及びネットワーク制御方法並びにネットワーク制御用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、配信元から配信される配信情報を、その下位に複数の階層を構成しつつ接続されている中継装置において段階的に中継しつつ配信するネットワークシステム内における配信態様を制御するネットワーク制御装置及びネットワーク制御方法並びに当該配信態様の制御のために用いられるネットワーク制御用プログラムの技術分野に属する。
近年、家庭用のインターネット回線の高速化に伴い、配信元となる一の配信装置を頂点として各家庭等内にあるパーソナルコンピュータ等を複数個ツリー状に接続してネットワークを構成し、そのネットワークを介して上記配信装置から音楽や映画等のいわゆるコンテンツを配信情報として配信するネットワークシステムが一般化しつつある。なお、当該ネットワークを、その接続態様の観点から見たものを「トポロジ」と称する。また、このようなネットワークのトポロジにおいて、当該ネットワークを構成する上記配信装置及び各パーソナルコンピュータの夫々は、一般に「ノード」と称される。
上述したネットワークシステムに関する従来の技術を開示する文献としては、例えば以下に示す特許文献1がある。
特開2003−169089
なお、上記特許文献1に代表される従来のネットワークシステムに含まれている各ノードでは、上位にあるノードから伝送されて来たコンテンツを一時的にバッファメモリに蓄積した後に当該各ノードにおける再生処理等に供させる構成とされている。これは、当該ネットワークシステム内の配信経路を構成する上記インターネット回線における伝送速度の変動の影響を吸収するためであり、上記バッファメモリとしては、例えばいわゆるリングバッファメモリ等のFIFO(First In First Out)形式のメモリが用いられる。
一方、上記したネットワークシステムにおいては、それを構成する各ノードが上述したように家庭内にあるパーソナルコンピュータ等であるため、コンテンツの配信中であるか否かを問わず、その配信経路上にあるいずれかのノードにおいてその電源スイッチがオフとされる場合があり得る。そしてその場合は、その電源スイッチがオフとされたノードに接続されていた下位のノードに対しては、上記コンテンツの中継機能が停止することになる。
ここで、上記ネットワークシステムにおいて、コンテンツの配信中にその配信経路上にあるいずれかのノードにおける中継機能が停止した場合には、その中継機能が停止したノードを除く他のノードを含んだトポロジの再構築(すなわち、中継機能が停止したノードに直接接続されていた下位のノードに対する上記配信装置からの配信経路の再構築並びに配信の再開)が実行される。
しかしながら、上述した従来のネットワークシステムにおけるトポロジの再構築においては、配信装置からの最短経路の探索及びその探索結果を用いた接続切換等の処理が必要となるため、結果として下位にあるノードに対するコンテンツの配信が一時的に中断される。そして、その配信が中断した場合、下位にあるノードにおいてはバッファメモリ内に蓄積されていたコンテンツの再生処理(換言すれば、当該バッファメモリ内に蓄積されているコンテンツとしてのデータの消費)は継続されているものの当該バッファメモリに対する新たなコンテンツの補充が為されないこととなるため、当該バッファメモリにおける蓄積量が徐々に減少し、場合によっては、その下位にあるノードにおけるコンテンツの再生処理が中断してしまうという問題点があった。
そして、この再生処理の中断は、結果として、ネットワークシステムに含まれるいずれかのノードにおいてその中継機能が停止した場合におけるネットワークシステム自体の信頼性の低下に繋がることとなる。
そこで、本発明は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、ネットワークシステムに含まれるいずれかのノードにおいてその中継機能の停止等の原因により当該ノードの下位に接続されているノードにおけるコンテンツの蓄積状態が変動した場合でも、当該下位のノードにおける処理に影響を与えることが少なく、ネットワークシステム自体の信頼性を向上させつつ確実にコンテンツを配信することが可能となるように当該ネットワークシステム内における配信態様を制御するネットワーク制御装置及びネットワーク制御方法並びに当該配信態様の制御のために用いられるネットワーク制御用プログラムを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、配信情報の配信元である配信装置と、当該配信装置に対して複数の階層を形成しつつ接続された複数の中継装置と、を含み、当該配信装置から各前記中継装置に対して、複数の単位配信情報により構成される前記配信情報が配信されるネットワークシステムに含まれるいずれかの当該中継装置を制御するネットワーク制御装置において、前記配信情報は、各前記中継装置における処理において当該処理の対象とすることが省略可能な前記単位配信情報である処理省略可能情報を含み、制御対象の前記配信装置又は制御対象の前記中継装置のいずれかである対象装置に対して前記配信情報の配信において下流にあるいずれかの前記中継装置である下流中継装置における前記配信情報の蓄積状態を検出する検出手段と、前記検出された蓄積状態に基づいて、前記対象装置から各前記下流中継装置への前記処理省略可能情報の配信の実行を、当該各下流中継装置毎に制御する制御手段と、を備える。
よって、対象装置の下流にある下流中継装置における配信情報の蓄積状態に基づいて、当該各下流中継装置に対する処理省略可能情報の配信を各下流中継装置毎に制御するので、処理省略可能情報の各下流中継装置への配信の有無等を制御することにより、当該各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を、対象装置から制御することができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のネットワーク制御装置において、いずれかの前記下流中継装置における前記蓄積状態が、当該下流中継装置における前記処理について蓄積量不足となる可能性があることが前記検出手段により検出されたとき、前記制御手段は、当該可能性があることが検出された前記下流中継装置以外の他の前記下流中継装置に対してのみ、前記処理省略可能情報が挿入された前記配信情報を配信するように制御するように構成される。
よって、請求項1に記載の発明の作用に加えて、配信情報の蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があることが検出された下流中継装置以外の他の下流中継装置に対してのみ、処理省略可能情報が挿入された配信情報が配信されるので、当該下流中継装置において配信情報の蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があっても、配信すべき実体的な内容としての配信情報(処理省略可能情報以外の実体的な配信情報)自体の配信タイミングを各下流中継装置の全てにおいて一致させることができ、各下流中継装置における配信情報の処理タイミングを併せて上記配信情報の蓄積量不足の影響を滅却できる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のネットワーク制御装置において、前記検出手段は、前記下流中継装置に対して上流側にあるいずれかの前記中継装置における中継機能が停止したとき、当該下流中継装置の前記蓄積状態が前記蓄積量不足となる可能性があると検出するように構成される。
よって、請求項2に記載の発明の作用に加えて、上流側にある中継装置における中継機能の停止に起因して、対応する下流中継装置における配信情報の蓄積状態がその処理について蓄積量不足となる可能性があることが検出されたときでも、その下流中継装置と、他の全ての下流中継装置と、の間で必要な配信情報の配信タイミングを併せて当該配信を実行することができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のネットワーク制御装置において、各前記下流中継装置は、夫々の当該下流中継装置内における前記配信情報の蓄積状態が前記蓄積量不足となる可能性があるとき、当該可能性がある旨を示す不足可能性情報を生成して前記ネットワーク制御装置に出力する生成手段を夫々に備え、前記検出手段は、いずれかの前記下流中継装置から前記不足可能性情報が出力されて来たとき、当該不足可能性情報を出力してきた前記下流中継装置における前記蓄積状態が前記蓄積量不足となる可能性があると検出するように構成される。
よって、請求項2又は3に記載の発明の作用に加えて、いずれかの下流中継装置から不足可能性情報が出力されて来たとき、当該下流中継装置における配信情報の蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があると判断するので、その判断結果に基づいて処理省略可能情報を含む配信情報の配信先を制御することで、不足可能性情報を用いた簡易な構成で配信情報の配信態様を制御することができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のネットワーク制御装置において、前記不足可能性情報がいずれかの前記下流中継装置から出力されて来たときのみ、前記配信情報に対して前記処理省略可能情報を挿入する挿入手段を更に備え、前記制御手段は、前記蓄積量不足となる可能性があることが検出された前記下流中継装置以外の他の前記下流中継装置に対してのみ、前記処理省略可能情報が挿入された前記配信情報を配信するように制御するように構成される。
よって、請求項4に記載の発明の作用に加えて、不足可能性情報が出力されて来たときのみ処理省略可能情報を配信情報に挿入して当該配信情報を配信するので、普段は処理省略可能情報が挿入されていない配信情報の配信を継続して行うことができ、蓄積量が正常の場合とそれが不足する可能性がある場合の双方で効率よく配信情報の配信を行うことができる。
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置において、前記処理省略可能情報は、当該処理省略可能情報としての前記配信情報の情報量が零である空単位配信情報であるように構成される。
よって、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、処理省略可能情報が空単位配信情報であるので、他の単位配信情報よりも情報量が少ない単位配信情報(すなわち、処理省略可能情報)の配信先を制御することで、ネットワークシステム全体に対する負担を軽減しつつ、各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を制御することができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置において、前記処理省略可能情報は、当該処理省略可能情報が挿入される前記配信情報内の位置の直前にある前記単位配信情報と同一の内容を有する単位配信情報であるように構成される。
よって、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、処理省略可能情報が、当該処理省略可能情報が挿入される配信情報内の位置の直前にある単位配信情報と同一の内容を有する単位配信情報であるので、その処理省略可能情報を含む配信情報が配信された下流中継装置においては、他の単位中継装置との配信情報の内容の相違を認識することなく当該処理省略可能情報を処理することができ、各下流中継装置における処理を相互に複雑化させることなく当該各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を制御することができる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、配信情報の配信元である配信装置と、当該配信装置に対して複数の階層を形成しつつ接続された複数の中継装置と、を含み、当該配信装置から各前記中継装置に対して、複数の単位配信情報により構成される前記配信情報が配信されるネットワークシステムに含まれるいずれかの当該中継装置を制御する制御方法において、前記配信情報は、各前記中継装置における処理において当該処理の対象とすることが省略可能な内容を有する前記単位配信情報である単位処理省略可能情報を含み、制御対象の前記配信装置又は制御対象の前記中継装置のいずれかである対象装置に対して前記配信情報の配信において下流にあるいずれかの前記中継装置である下流中継装置における前記配信情報の蓄積状態を検出する検出工程と、前記検出された蓄積状態に基づいて、前記対象装置から前記下流中継装置への前記処理省略可能情報の配信の実行を、当該各下流中継装置毎に制御する制御工程と、を含む。
よって、対象装置の下流にある下流中継装置における配信情報の蓄積状態に基づいて、当該各下流中継装置に対する処理省略可能情報の配信を各下流中継装置毎に制御するので、処理省略可能情報の各下流中継装置への配信の有無等を制御することにより、当該各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を、対象装置から制御することができる。
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、配信情報の配信元である配信装置と、当該配信装置に対して複数の階層を形成しつつ接続された複数の中継装置と、を含み、当該配信装置から各前記中継装置に対して、複数の単位配信情報により構成される前記配信情報が配信されるネットワークシステムであって、前記配信情報が、各前記中継装置における処理において当該処理の対象とすることが省略可能な前記単位配信情報である単位処理省略可能情報を含みネットワークシステムに含まれるいずれかの前記中継装置を制御するネットワーク制御装置に含まれるコンピュータを、制御対象の前記配信装置又は制御対象の前記中継装置のいずれかである対象装置に対して前記配信情報の配信において下流にあるいずれかの前記中継装置である下流中継装置における前記配信情報の蓄積状態を検出する検出手段、及び、前記検出された蓄積状態に基づいて、前記対象装置から前記下流中継装置への前記処理省略可能情報の配信の実行を、当該各下流中継装置毎に制御する制御手段、として機能させる。
よって、対象装置の下流にある下流中継装置における配信情報の蓄積状態に基づいて、当該各下流中継装置に対する処理省略可能情報の配信を各下流中継装置毎に制御するようにコンピュータが機能するので、処理省略可能情報の各下流中継装置への配信の有無等を制御することにより、当該各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を、対象装置から制御することができる。
請求項1に記載の発明によれば、対象装置の下流にある下流中継装置における配信情報の蓄積状態に基づいて、当該各下流中継装置に対する処理省略可能情報の配信を各下流中継装置毎に制御するので、処理省略可能情報の各下流中継装置への配信の有無等を制御することにより、当該各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を、対象装置から制御することができる。
従って、例えばネットワークシステムに含まれるいずれかの中継装置においてその中継機能の停止等の原因により当該中継装置の下位に接続されている他の中継装置における配信情報の蓄積状態が変動した場合でも、当該下位の中継装置における処理に影響を与えることが少なく、ネットワークシステム自体の信頼性を向上させつつ確実に配信情報を配信することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、配信情報の蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があることが検出された下流中継装置以外の他の下流中継装置に対してのみ、処理省略可能情報が挿入された配信情報が配信されるので、当該下流中継装置において配信情報の蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があっても、配信すべき実体的な内容としての配信情報自体の配信タイミングを各下流中継装置の全てにおいて一致させることができ、各下流中継装置における配信情報の処理タイミングを併せて上記配信情報の蓄積量不足の影響を滅却できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、上流側にある中継装置における中継機能の停止に起因して、対応する下流中継装置における配信情報の蓄積状態がその処理について蓄積量不足となる可能性があることが検出されたときでも、その下流中継装置と、他の全ての下流中継装置と、の間で必要な配信情報の配信タイミングを併せて当該配信を実行することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果に加えて、いずれかの下流中継装置から不足可能性情報が出力されて来たとき、当該下流中継装置における配信情報の蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があると判断するので、その判断結果に基づいて処理省略可能情報を含む配信情報の配信先を制御することで、不足可能性情報を用いた簡易な構成で配信情報の配信態様を制御することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、不足可能性情報が出力されて来たときのみ処理省略可能情報を配信情報に挿入して当該配信情報を配信するので、普段は処理省略可能情報が挿入されていない配信情報の配信を継続して行うことができ、蓄積量が正常の場合とそれが不足する可能性がある場合の双方で効率よく配信情報の配信を行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、処理省略可能情報が空単位配信情報であるので、他の単位配信情報よりも情報量が少ない単位配信情報の配信先を制御することで、ネットワークシステム全体に対する負担を軽減しつつ、各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を制御することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、処理省略可能情報が、当該処理省略可能情報が挿入される配信情報内の位置の直前にある単位配信情報と同一の内容を有する単位配信情報であるので、その処理省略可能情報を含む配信情報が配信された下流中継装置においては、他の単位中継装置との配信情報の内容の相違を認識することなく当該処理省略可能情報を処理することができ、各下流中継装置における処理を相互に複雑化させることなく当該各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を制御することができる。
請求項8に記載の発明によれば、対象装置の下流にある下流中継装置における配信情報の蓄積状態に基づいて、当該各下流中継装置に対する処理省略可能情報の配信を各下流中継装置毎に制御するので、処理省略可能情報の各下流中継装置への配信の有無等を制御することにより、当該各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を、対象装置から制御することができる。
従って、例えばネットワークシステムに含まれるいずれかの中継装置においてその中継機能の停止等の原因により当該中継装置の下位に接続されている他の中継装置における配信情報の蓄積状態が変動した場合でも、当該下位の中継装置における処理に影響を与えることが少なく、ネットワークシステム自体の信頼性を向上させつつ確実に配信情報を配信することが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、対象装置の下流にある下流中継装置における配信情報の蓄積状態に基づいて、当該各下流中継装置に対する処理省略可能情報の配信を各下流中継装置毎に制御するようにコンピュータが機能するので、処理省略可能情報の各下流中継装置への配信の有無等を制御することにより、当該各下流中継装置における配信情報の蓄積状態を、対象装置から制御することができる。
従って、例えばネットワークシステムに含まれるいずれかの中継装置においてその中継機能の停止等の原因により当該中継装置の下位に接続されている他の中継装置における配信情報の蓄積状態が変動した場合でも、当該下位の中継装置における処理に影響を与えることが少なく、ネットワークシステム自体の信頼性を向上させつつ確実に配信情報を配信することが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、配信情報としてのコンテンツの配信元である配信装置たるノードとしてのサーバと、当該サーバに対して複数の階層を形成しつつツリー構造として接続されたユーザ端末としての複数のノードと、を含んでコンテンツが配信されるネットワークシステムにおける当該コンテンツの配信態様を制御するネットワーク制御処理に対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
(I)第1実施形態
先ず、本発明に係る第1実施形態について、図1乃至図12を用いて説明する。
なお、図1は実施形態に係るネットワークシステムの概要構成を示す図であり、図2は当該ネットワークシステムに含まれる各ノードの細部構成を示すブロック図であり、図3乃至図6は当該各ノードにおいて実行される本発明に係る配信処理を夫々示すフローチャートであり、図7乃至図12は当該配信処理を具体的に例示する図である。
実施形態のネットワークシステムを物理的な接続態様として見た場合、図1(a)に示すように、当該ネットワークシステムNSは、有線回線又は無線回線である回線Lを夫々介して、上記サーバSと、ユーザ端末である中継装置としての複数のノードNと、が、インターネット回線等のネットワークNTを介して相互に情報の授受が可能に接続されている。そして、図1(a)に示すネットワークシステムNSを、サーバSを頂点としたトポロジとしてみた場合には、図1(b)に示すように、サーバSに対して回線Lを介して例えば二つのノードNが接続されており、更に各ノードNに対して二つのノードNが接続されている。このようにサーバSを頂点として各ノードNがツリー状に接続されたトポロジにより、必要なコンテンツが、サーバSからそのコンテンツを所望したノードNまで階層を追って配信されることになる。
次に、上述したネットワークシステムNSに含まれる各ノードNの具体的な構成について、図2を用いて説明する。
図2(a)に示すように、実施形態に係るノードNは、検出手段、制御手段、生成手段及び挿入手段としてのCPU1と、接続認証部2と、ハードディスク又は半導体メモリ等からなる記憶部3と、マウス又はキーボード等よりなる入力部4と、画像表示用のディスプレイ及び音声出力用のスピーカ並びに画像及び音声復号用のデコーダ等よりなる出力部5と、メッセージ送受信部6と、データ送受信部7と、により構成され、CPU1、接続認証部2、記憶部3、入力部4、出力部5、メッセージ送受信部6及びデータ送受信部7は、相互にバス8を介して情報の授受が可能となるように接続されている。
次に、概要動作を説明する。
先ず、メッセージ送受信部6は、機能的には、上位の階層にあるノードN(又はサーバS)に回線Lを介して接続されて当該上位の階層にあるノードN等との間におけるメッセージの授受を行う部分と、下位の階層にあるノードNに回線Lを介して接続されて当該下位の階層にあるノードNとの間におけるメッセージの授受を行う部分と、に分割されている。ここで、メッセージとは、ネットワークシステムNSにおいて必要なコンテンツの配信する際に必要な種々の制御情報等を示すものであり、当該メッセージが授受されることにより実際のコンテンツが配信される環境が形成されることになる。
一方、データ送受信部7は、機能的には、上記メッセージ送受信部6と同様に、上位の階層にあるノードN等に回線Lを介して接続されて当該上位の階層にあるノードN等との間におけるデータの授受を行う部分と、下位の階層にあるノードNに回線Lを介して接続されて当該下位の階層にあるノードNとの間におけるデータの授受を行う部分と、に分割されている。ここで、データとは、ネットワークシステムNSにおいて配信されるコンテンツ自体を構成する音声又は画像を含むパケット形式のデータを言い、上記メッセージの授受より形成された環境の下で、コンテンツとしてサーバSから各ノードNに配信されるものである。
ここで、このパケット形式のデータにつき、一纏まりのコンテンツ(例えば映画一本分のコンテンツ又は楽曲一曲分のコンテンツ等)内においてはそれを構成するデータのパケットには、そのコンテンツの先頭から連続するパケット番号が付与されているものとする。
次に、接続認証部2は、例えばネットワークシステムNSが有料のコンテンツを配信するネットワークシステムであった場合に、CPU1の制御の下、そのコンテンツの配信が許可されているノードNであるか否か等のいわゆる認証処理を、当該ノードNがそのネットワークシステムNSに加入した場合又は他のノードNが新たに接続された場合等においてサーバSとの認証情報の授受により実行する。
更に、記憶部3は、後述する各情報を書き換え可能に一時的又は不揮発的に記憶し、必要に応じてCPU1に出力する。
一方、入力部4は、それが含まれているノードNにおいて再生すべきコンテンツの指定等の操作がその使用者により実行されると、当該実行された操作に対応する操作信号を生成してCPU1へ出力する。そして、当該操作信号を受信したCPU1がノードNを構成する他の構成部材を制御することにより、当該所望されるコンテンツの配信及び再生処理が実行されることになる。
このとき、当該再生処理は、CPU1の制御の下で出力部5を用いて実行されることとなる。
次に、上記記憶部3の細部構成について、具体的に図2(b)を用いて説明する。なお、図2(b)は、夫々に記憶される情報の種類毎に領域分割された記憶部3を示すものである。
図2(b)に示すように、記憶部3は、図1(b)に示すトポロジ上において当該記憶部3が含まれているノードNに対して直近上位に接続されているノードNを示す上位ノード情報が記憶される第1上位ノード情報記憶領域10と、当該トポロジ上において当該上位ノードNに対して更に直近上位に接続されている他のノードNを示す上位ノードの上位ノード情報が記憶される第2上位ノード情報記憶領域11と、当該トポロジ上において記憶部3が含まれているノードNに対して直近下位に接続されている一又は複数のノードNを夫々示す下位ノード情報がその下位ノードの数だけ記憶される下位ノード情報記憶領域12と、当該下位ノードに対して送信済みのデータを含むパケットの番号を示す送信データ番号情報が記憶される送信データ番号情報記憶領域13と、記憶部3が含まれているノードN自体において受信済みのデータを含むパケットの番号を示す受信データ番号情報が記憶される受信データ番号情報記憶領域14と、記憶部3を含むノードNにおいてその直近下位に接続されている他のノードNにおいてコンテンツの蓄積量に不足が生じているか否かの判断基準として予め設定されている閾値が記憶されている閾値記憶領域15と、実際にコンテンツとして配信されて来たデータが一時的に蓄積されるリングバッファ領域16と、により構成されている。
ここで、第1上位ノード情報記憶領域10、第2上位ノード情報記憶領域11及び下位ノード情報記憶領域12に夫々記憶されているノード情報としては、具体的には夫々のノードNを示すIP(Internet Protocol)グローバルアドレス等が含まれている。
また、リングバッファ領域16は、配信されて来たコンテンツに対応するデータをFIFO形式で一時的に蓄積するリングバッファメモリ形式の記憶領域であり、上述したコンテンツデータとしてのパケットを順次記憶すると共に、原則としてその記憶順に出力して出力部5における再生処理に供させるものである。
次に、実施形態に係るネットワークシステムNSに対して新たなノードNが新規に加入した後、コンテンツに対応するデータの配信を受けて当該コンテンツを再生する処理と、その再生中においてそのノードNに接続されている他のノードNにおいて、例えばそのノードNがネットワークシステムNSから脱退した等の原因により当該他のノードNへのデータの中継機能が停止した場合の処理と、について、各ノードNにおける処理として図3乃至図6に示すフローチャートを用いて具体的に説明する。
既存のネットワークシステムNS内のいずれかのノードNに対する直近下位の位置に新たなノードNを加入させる場合、当該加入するノードN(以下、図3に示すフローチャートに沿ってネットワークシステムNSに新たに加入してデータの受信処理並びに再生処理を実行するノードNを、ネットワークシステムNSに既に加入済みの他のノードと区別するために「着目ノードN」と示す)においては、最初に当該上位のノードN(又はそのネットワークシステムNSにおける最上位のサーバS)に対して着目ノードNを接続するための処理を行う(ステップS1、S2)。そして、当該接続のための要求が当該上位のノードNにおいて拒否された場合(ステップS2;NO)、その時に既存のネットワークシステムNSに対して着目ノードNは加入できないことになるので、当該着目ノードNにおける処理は終了することとなる。なお、着目ノードNが最初にネットワークシステムNSに加入する際には、図示しない管理サーバ等がトポロジの態様及び各ノードNのIPアドレスを把握しており、当該管理サーバ等にその加入時において問い合わせることにより、当該加入の際の直近上位となる上位ノードNを認識して加入することができる。
一方、ステップS2の判定において、上位のノードN(又はサーバS)から加入が許可されて必要な接続処理が当該上位のノードN(又はサーバS)との間で実行された後は(ステップS2;YES)、次に、現在加入しているネットワークシステムNSから脱退する旨の操作が着目ノードN内の入力部4において実行されたか否かが確認される(ステップS3)。
そして、加入中のネットワークシステムNSから脱退するときは(ステップS3;脱退)、そのための脱退処理をその脱退する着目ノードNにおいて実行し(ステップS4)、当該着目ノードNとしての処理を終了する。
一方、ネットワークシステムNSからの脱退処理を行わず引き続きデータの受信処理等を実行する場合は(ステップS3;継続)、上位のノードNから必要なデータを受信する処理を行い(ステップS5)、出力部5を用いてその受信したデータを再生・出力する(ステップS14)。そして、着目ノードNに接続されている他のノードNと当該着目ノードNとの接続を切断するための脱退メッセージ応答処理を当該接続されている他のノードNとの間で必要に応じて実行する(ステップS8)。
次に、後述する空パケットの配信を要求する旨のメッセージが着目ノードNの下位に接続されている他のノードNから送信されて来たときは、当該メッセージ自体の受信処理並びに要求された空パケットの必要に応じた当該下位のノードNへの送信処理を実行し(ステップS9)、再度上記ステップS3に戻って着目ノードNとしてのデータの受信処理及び再生処理を継続して実行する。
このとき、着目ノードNにおいては、上記データ再生処理(ステップS14)と並行して、当該着目ノードNに対して直近下位の階層に他のノードNを接続する処理(ステップS6)及びその接続した下位のノードNに対するデータの送信(中継)処理(ステップS7)を、夫々実行している。
なお、上記データ再生処理(ステップS14)においては、通常のデータの再生処理とは時分割的に、リングバッファ領域16への空パケットの挿入処理を実行することになるが、その詳細は後述する。
次に、図3に示す各ステップのうち、ステップS1及びS4乃至S9の夫々の処理について、順次詳述する。
先ず、図4(a)に示すフローチャートを用いて、上記ステップS1の処理について詳細に説明する。
図4(a)に示すように、当該ステップS1の処理においては、先ず直近上位となる他のノードNに対して着目ノードNがその直近下位のノードNとして加入することを要求する旨を、回線Lを介して送信し(ステップS10)、その要求に対する上位ノードNからの返信を待機し(ステップS11)、更にその返信があったときにその内容を確認する(ステップS12)。
そして、当該返信内容に応じて、着目ノードNがネットワークシステムNSに加入することが認められたときは(ステップS12;可)、当該直近上位となるノードNに対応するIPアドレス等を含む上記上位ノード情報を着目ノードNの記憶部3内の第1上位ノード情報記憶領域10に記憶させると共に、更に当該上位となるノードNに対して更に直近上位となっている他のノードNに対応するIPアドレス等を含む上記上位ノードの上位ノード情報を着目ノードNの記憶部3内の第2上位ノード情報記憶領域11に記憶させ(ステップS13)、図3に示すステップS2に移行する。
一方、上記ステップS12の判定において、着目ノードNがネットワークシステムNSに加入することが認められないときは(ステップS12;不可)、着目ノードNとしての機能が発揮できないことになるが、この場合も図3に示すステップS2に移行した後(ステップS2;NO)、着目ノードNにおける処理を終了する。
次に、図4(b)に示すフローチャートを用いて、図3に示すステップS5のデータ受信処理について詳細に説明する。
図4(b)に示すように、当該ステップS5の処理においては、先ず、その時に接続されている直近上位のノードNに対して、回線Lを介して着目ノードNにおいて所望するデータを要求する旨のメッセージを送信し(ステップS15)、それに対する当該上位のノードNからの送信許可応答の有無を確認する(ステップS16)。
そして、当該送信許可応答があったときは(ステップS16;有)、当該応答の内容に則って着目ノードNにおいて所望するデータが含まれているパケットを受信し(ステップS17−2)、次に、その時に受信したパケットの番号と、前回のステップS17−2の処理において受信したパケットの番号と、を比較する(ステップS18)。そして、それらの番号が連続しているときは(ステップS18;隙間無)、リングバッファ領域16内における最新のパケットを記憶させるべき領域内にその受信した(ステップS17−2)パケット内のコンテンツを記録し(ステップS19)、図3に示すステップS6及びS14に移行する。
一方、ステップS18の判定において、比較した二つの番号が連続しておらず離れているときは(ステップS18;隙間有)、後述するように着目ノードNのリングバッファ領域16においてコンテンツの蓄積量が不足状態となっていることになるので、その離れている番号の間のパケットが記憶されるべきリングバッファ領域16内にゼロデータを記憶させた後(ステップS19−1)、その時に受信したパケット(すなわち、ステップS18の判定において番号が離れているとされたパケット)内のコンテンツを更に記憶し(ステップS19)、図3に示すステップS6及びS14に移行する。
他方、ステップS16の判定において、送信許可応答が上位のノードNから得られなかったときは(ステップS16;無)、当該上位のノードNと着目ノードNとの間の回線L上に何らかの障害が発生してその上位のノードNとの間の接続が断となっているか、又はそのノードNがネットワークシステムNSから脱退している可能性があるため、当該障害を排除してデータの授受を可能とすべく、先に説明したステップS1の上位ノードNとの接続処理(図4(a)参照)を行い、次に、その再接続した上位のノードNに対して着目ノードNが所望しているコンテンツのデータを送信することを要求する旨のメッセージを再度送信する(ステップS17)。次に、上記ステップS16の判定において上位のノードNから送信許可応答が無かったことの理由としての回線障害又は上位ノードNの脱退に起因して、着目ノードNにおいてリングバッファ領域16におけるデータ蓄積量の不足が発生している可能性があるため、その蓄積量を回復すべく、空パケットの着目ノードNへの送信を要求する旨のメッセージを接続された上位のノードN又は当該ノードNを介してサーバSに送信し(ステップS17−1)、上記再接続された上位のノードNからのデータの受信を行う(ステップS17−2乃至S19)。
次に、図5(a)に示すフローチャートを用いて、図3に示すステップS6の下位ノード接続処理について詳細に説明する。
図5(a)に示すように、当該ステップS6の処理においては、先ず、着目ノードNに対して直近下位に接続されているノードNからの接続要求メッセージが当該着目ノードNに対して送信されて来たか否かを確認し(ステップS20)、当該接続要求メッセージが送信されていないときは(ステップS20;無)、そのまま図3に示すステップS7に移行し、一方、当該接続要求メッセージが送信されて来たときは(ステップS20;有)、次に、その接続要求メッセージを送信してきた下位のノードNと着目ノードNとの間で(又は当該下位のノードNと着目ノードNを介したサーバSとの間で)当該下位のノードNがネットワークシステムNSに加入する資格を有するノードNであるか否かを判断する認証処理を、例えば当該下位のノードN及び着目ノードN夫々に含まれている接続認証部2により実行する(ステップS21、S22)。
そして、当該認証処理により下位のノードNをネットワークシステムNSに加入させることが認められない場合は(ステップS22;否)、その旨を接続不許可メッセージとして当該下位のノードNに送信し(ステップS25)、図3に示すステップS7に移行する。
一方、ステップS22の判定において、当該認証処理により下位のノードNをネットワークシステムNSに加入させることが認められる場合は(ステップS22;可)、その旨を接続許可メッセージとして当該下位のノードNに送信し(ステップS23)、更に当該直近下位となるノードNに対応するIPアドレス等を含む上記下位ノード情報を着目ノードNの記憶部3内の下位ノード情報記憶領域12に記憶させ(ステップS24)、図3に示すステップS7に移行する。
次に、図6(a)に示すフローチャートを用いて、図3に示すステップS7のデータ送信処理について詳細に説明する。
図6(a)に示すように、当該ステップS7の処理においては、先ず、着目ノードNに対して直近下位に接続されているノードNから、その下位ノードNにおいて再生するためのデータの送信要求がメッセージとして送信されて来たか否かを確認し(ステップS35)、その旨のメッセージが着目ノードNにおいて受信されないときは(ステップS35;無)そのまま図3に示すステップS8に移行する。
一方、ステップS35の判定において、その旨のメッセージが送信されてきているときは(ステップS35;有)、次に、送信すべきデータが含まれるべきパケット内に下位のノードNから要求されたパケット番号に相当するコンテンツを格納する(ステップS35−1)。
そして、その要求されたパケット番号に相当するコンテンツがゼロデータであり、そのコンテンツ格納後のパケットが空パケット(すなわち、パケットとしてのヘッダ情報等のみが含まれており、コンテンツを構成する実体的な画像情報等が含まれていないパケット)となっているか否かを確認し(ステップS36)、空パケットでない場合は(ステップS36;NO)、その空パケットでないパケットをコンテンツのデータとして下位のノードNに回線Lを介して送信し(ステップS38)、図3に示すステップS8に移行する。
他方、ステップS36の判定において、送信すべき順番に相当するパケットが空パケットであったときは(ステップS36;YES)、次に、図6(a)に示すステップS7の処理が開始される直前に着目ノードNが受信したパケットのパケット番号と、下位のノードNに送信すべき実体情報(すなわち、画像情報又は音声情報等の実体情報であり、上記で定義付けしたように空パケット内にはこの実体情報が含まれていない)を構成するパケットの番号と、を比較し、それらの番号同士の差分を求める(ステップS37)。そして、その差分が図2(b)に示す記憶部3内の閾値記憶領域15に記憶されている閾値(すなわち、ステップS38の処理により必要なデータを含むパケットを送信する際の送信先であるノードNにおいてコンテンツの蓄積量に不足が生じているか否かの判断する基準である閾値)より小さいか否かを確認する(ステップS37−1)。
ステップS37−1の判定において、当該差分が閾値よりも小さいときは(ステップS37−1;YES)、当該下位のノードNにおいてはコンテンツの蓄積量は十分であり現在の空パケットを送信しても問題ないとして当該空パケットをそのまま送信し(ステップS38)、図3に示すステップS8に移行する。
一方、ステップS37−1の判定において、その差分が閾値以上であるときは(ステップS37−1;NO)、例えば着目ノードNより上位にあるノードNが脱退してコンテンツの中継機能が停止した等の理由により当該下位のノードNにおいてコンテンツの蓄積量が不足している可能性があるとして、その下位のノードNに送信すべきパケットを現在の空パケットからそのパケットの次に送信すべきパケットに入れ替え(ステップS37−2)、その入れ替え後のパケットについて上記ステップS36以降の処理を繰り返すべく当該ステップS36に戻る。
次に、図5(b)に示すフローチャートを用いて、図3に示すステップS8の接続ノードの脱退メッセージ応答処理について詳細に説明する。
図5(b)に示すように、当該ステップS8の処理においては、先ず、着目ノードNに現在接続されている他のいずれかのノードN(具体的には、直近上位に接続されている上位ノードN又は直近下位に接続されている下位ノードNのいずれか一方)から、そのノードNがネットワークシステムNSから脱退する旨のメッセージを着目ノードNが受信したか否かを確認し(ステップS26)、当該メッセージを受け取っていない場合は(ステップS26;NO)そのまま図3に示すステップS3に戻り、一方、脱退を要求する旨のメッセージを受信しているときは(ステップS26;YES)そのメッセージが直近上位のノードNから送信されて来たものであるか、或いは直近下位のノードNから送信されて来たものであるかを確認する(ステップS27)。
そして、その脱退要求メッセージが直近上位のノードNから送信されて来たものであるときは(ステップS27;上位)、着目ノードNの記憶部3内の第2上位ノード情報記憶領域11に記憶されている上位ノードNの直近上位にあるノードを示すノード情報に基づき、その上位ノードN(すなわち、脱退要求メッセージを送信したノードN)の直近上位に接続されているノードNとの間で上記ステップS1として説明した上位ノード接続処理を実行してトポロジを回復し(ステップS1)、図3に示すステップS3に戻る。
これに対して、その脱退要求メッセージが直近下位のノードNから送信されて来たものであるときは(ステップS27;下位)、着目ノードNの記憶部3内の下位ノード情報記憶領域12に記憶されている当該下位ノードNを示すノード情報を当該下位ノード情報記憶領域12から削除して(ステップS28)、図3に示すステップS3に戻る。
次に、図5(c)に示すフローチャートを用いて、図3に示すステップS4のノード脱退処理(着目ノードN自体の、ネットワークシステムNSからの脱退処理)について詳細に説明する。
図5(c)に示すように、当該ステップS4の処理においては、先ず、着目ノードNに対して直近上位に接続されている上位ノードNに対して上述した(図5(b)参照)脱退要求メッセージを送信し(ステップS30)、次に、着目ノードNに対して直近下位に接続されている下位ノードNに対して同様に上述した脱退要求メッセージを送信し(ステップS31)、夫々のメッセージの送信後に自らのネットワークシステムNSからの脱退処理を実行する。
最後に、図6(b)に示すフローチャートを用いて、図3に示すステップS9の空データ生成要求メッセージ受信処理について詳細に説明する。
図6(b)に示すように、当該ステップS9の処理においては、先ず、上記空データ生成要求メッセージ(図4(b)ステップS17−1参照)が下位のノードNから着目ノードNに対して送信されて来たか否かが確認され(ステップS40)、確認されないときは(ステップS40;NO)そのまま図3に示すステップS3に戻り、一方、空データ生成要求メッセージが送信されて来たときは(ステップS40;YES)、着目ノードNの記憶部3内の上位ノード情報記憶領域10内に記憶されている情報を確認することで直近上位に接続されているノードN(又はサーバS)があるか否かを確認する(ステップS41)。そして、直近上位に接続されているノードN(又はサーバS)がないときは(ステップS41;NO)、着目ノードN自体が空パケットを生成して上記空データ生成要求メッセージを送信してきた下位のノードNに送信する必要があるため、当該下位のノードNに送信すべきデータにおける未送信の部分に空パケットを着目ノードN自体で挿入し(ステップS42)、その空パケットを含めて下位のノードNに対するデータの配信を継続すべく図3に示すステップS3に戻る。
一方、ステップS41の判定において、着目ノードNに対して直近上位に接続されているノードN(又はサーバS)があるときは(ステップS41;YES)、本実施形態において最終的に空パケットを挿入するのはサーバSであることが望ましいため、当該サーバSに至るまで上記空データ生成要求メッセージを転送させるべく、現在着目ノードNに対して直近上位に接続されているノードNに対して上記空データ生成要求メッセージを転送し(ステップS43)、図3に示すステップS3に移行する。
次に、上述してきた一連のネットワーク制御処理に付き、コンテンツとしてのデータを構成するパケットの流れを含めて、図7乃至図12に例示しつつより具体的に説明する。
なお、図7乃至図11においては、サーバSを頂上とするトポロジとして、当該サーバSから見て下位の第一階層目に二つのノードN及びNが接続されており、当該ノードN及びNの夫々について二つずつのノードN乃至Nが直近下位に接続されており、更に当該ノードN乃至Nの夫々について二つずつのノードN乃至N14が直近下位に接続されているものとする。そして、この構成を有するトポロジで示される接続態様を有するネットワークシステムNSにおいて、サーバSに予め蓄積されているコンテンツとしての画像データをパケット化した上でそのパケット毎に下位の各ノードN乃至N14に配信すると共に、当該各ノードN乃至N14のうちのノードNがネットワークシステムNSから途中で脱退した場合の処理について説明する。
更に、サーバS及び各ノードN乃至Nは、夫々にリングバッファ領域16を有しており、その中に順次上記データとしてのパケットPを蓄積しつつ夫々の下位にある他のノードN乃至N14(これらも夫々にリングバッファ領域16を有している)に対する中継処理をも実行するものとする(図3ステップS7参照)。また、図7乃至図12においては、一つのパケットPを一つの□で表示するものとし、当該□内の番号は夫々にパケット番号を示すものとする。
更にまた、図7乃至図11においては、各ノードN乃至N14夫々におけるリングバッファ領域16を横一列で表現しているが、パケットの入出力処理上は、当該各リングバッファ領域16の左端と右端が接続されてリング状とされている。そして、一つのパケットPが再生処理に供され且つ直近下位のノードNに配信される度にそのときにリングバッファ領域16に記憶されているパケットPのうち最も古いパケットPが直近上位のノードNから配信されて来る新しいパケットPと入れ替わることで、上述したFIFO形式のバッファメモリが実現されている。
また、図7乃至図11におけるサーバS内のリングバッファ領域16に表示されている下向き中抜き矢印は、その矢印が指し示す位置に□の左端が位置しているパケットPがサーバSから送信されるタイミングを示すものである。また、図8乃至図11における各ノードN内のリングバッファ領域16に表示されている上向き黒矢印は、各パケットPにおいてその矢印が指し示す位置に格納されている画像データがその時点でそのノードNにおいて表示されていることを示すものである。更に、サーバS及び各ノードNにおけるリングバッファ領域16のパケットPの表示(□)において当該□の内部が「−」と表示されているものは、その表示がされているパケットPに相当するリングバッファ領域16の部分には何らデータが格納されていないことを示すものである。
ここで、図7乃至図12に示す例において、各ノードN内のリングバッファ領域16におけるデータの蓄積量として十分と判断される下限値)の値はパケット三つ分であるとする。
先ず、パケットの配信前においては、図7(a)に示すように、サーバS内にはこれから配信されるパケットがそのリングバッファ領域16内に配信されるべき順番で格納されており、この各パケットが番号順に下位に接続されている各ノードN乃至N14に順次配信されていくことになる。すなわち、図7(a)に示すようにパケットPがサーバSから出力されるべきタイミングが到来すると、サーバSとノードN及びNとを接続している回線L上に当該パケットP(パケット番号は「0」)が送出される。その後、当該送出されたパケットPは、図7(b)及び(c)に示すように、時間の経過に沿って、順位下位の階層にあるノードNにより中継されつつ且つ当該各ノードN内のリングバッファ領域16内に格納される。
そして、当該パケットPがネットワークシステムNSにおいて末端に接続されているノードN乃至N14まで配信されると、次に、図8(a)に示すようにパケットPの次に配信されるべきパケットPについて、そのサーバSからの送出が開始される。
以上のことが繰り返されることで、例えば図8(b)に示すようにネットワークシステムNSの末端に接続されているノードN乃至N14に上記規定値分としてパケット三つ分の画像情報が蓄積されると、各ノードN乃至N14における画像の再生処理が、パケットP内の画像情報から開始される。
そして、図8(c)に示すように、各ノードN乃至N14におけるパケットPを用いた一パケット分の再生処理が完了すると、次のパケットPを用いた再生処理が各ノードN乃至N14において開始されると共に、サーバSから四つ目のパケットPの配信が行われる。
以上の処理が繰り返されることで画像情報としてのパケットが順次配信され、それがFIFO形式でリングバッファ領域16に格納(及び消去)されつつ再生される。なお、実施形態の各ノードN乃至N14においては、図9(a)に示すように、現在再生されているパケットPの一つ前のパケットPまでを残し、それ以前に格納されたパケットPは順次新しいパケットPに更新されるものとする。
そして、図9(b)及び(c)に示すように、サーバSにおいて配信すべきパケットPを全て配信し終わった後は、順次、各ノードN乃至N14内のリングバッファ領域16が空になってネットワークシステムNS内の全ての配信処理が完了する。
次に、上記ネットワークシステムNS内のノードNが、例えばその電源がオフとされたこと等に起因してその中継機能を停止させ、当該ネットワークシステムNS自体から脱退した場合の処理について、図10及び図11を用いて説明する。
図10(a)に例示するように、各ノードN乃至N14において、例えばパケットPに含まれている画像情報の再生処理が完了し、同時にパケットPのサーバSからの送出が行われているとき、上述したような理由でノードNがネットワークシステムNSから脱退したとする(図5(b)参照)。すると、その脱退以降は、当然のことながら下位のノードN及びN10に対するパケットPの配信は滞ることになる。そしてこの場合、図10(b)に示すように、ノードN10を現在の上位ノードNであるノードNに再接続する処理と、その再接続されたノードN10にノードNを再接続する処理と、が実行される(図5(b)ステップS1参照)と共に、その再接続後のノードNから、ノードN及びN10に対して一つ前の配信タイミングで配信されなかったパケットPの再配信が行われる。この結果、当該ノードN及びN10夫々に含まれているリングバッファ領域16においては、他のノードN乃至N並びにN11乃至N14に比べて書き換えタイミングがパケット一つ分だけ遅れ、結果として、図10(b)に示すように再生処理前のパケットが二つ(パケットP及びパケットP)だけになってしまう、いわゆるデータ遅延が発生する。なお、これ以降は、例えば図11(a)に例示するように、全てのパケットPの配信が完了するまで、ノードN及びN10においては、再生されるパケットPが、他のノードN乃至N並びにN11乃至N14に比べて一パケット分だけ少なくなる状態が継続されることになる。
そこで、本実施形態においては、図11(a)及び(b)に示すように、ノードN及びN10においてデータ遅延が発生することでリングバッファ領域16におけるデータの蓄積量が不足状態(いわゆるアンダーフロー状態)となる可能性が高くなると、そのノードN又はN10の少なくともいずれか一方からサーバSに対して上記空データ生成要求メッセージを送信し(図4(b)ステップS17−1参照)、これにより、サーバSでは、例えば図11(a)に示す送出タイミングでネットワークシステムNS内に送出すべきパケットPであるパケットPを空パケットとし(図6(b)ステップS42参照。以下、当該パケットPのことを適宜「空パケットP」と称する)、その空パケットであるパケットPを他のパケットPと同様にネットワークシステムNS内に送出する。なお、この図11(a)に示す送出タイミングでは、ノードN及びN10では、パケットPの受信順序としては他のノードNに対して一パケット分だけ遅れたパケットPを受信することになる。
次に、図11(b)に示すように、図11(a)の送出タイミングから一パケット分進んだ送出タイミングにおいては、現在ノードN10の直近上位のノードNとなっているノードNにおいては、パケットPが空パケットであることから(ステップS36;NO)、図6(a)に示すステップS37、S37−1及びS38の処理が実行され、結果として、図11(b)に示すように、当該パケットPがノードN及びN10に配信されることはなく、当該ノードN及びN10から見て直前に配信されたパケットPに続くパケットPとしてはパケットPが配信されることになる。従って、この図11(b)に示す送出タイミングでは、サーバSに接続されている全てのノードNにおいて配信されるパケットPがパケットPであることになり、当該全てのノードNに対するパケットPの配信タイミングが同じパケットPに対して同期することとなる。
そして、図11(b)に示す送出タイミング以降は、例えば図11(c)に示すように、全てのノードNに対するパケットPの配信タイミングが同じパケットPに対して同期した状態で後続するパケットPの配信が継続されることとなる。
ところで、図11に夫々示した実施形態に係る配信方法によると、たとえコンテンツの配信中においてノードNがネットワークシステムNSから脱退した場合であっても残った各ノードNにおけるパケットPの配信タイミングを同じパケットPに対して同期させることはできるものの、ノードN及びN10において発生している上記データ遅延状態は未だ解消されていない。より具体的には、ノードN及びN10における未再生のパケットPはパケットP及びPのみであり、他のノードN乃至N及びN11乃至N14に比して一パケット分だけ少ない状態が続いている。そこで、本実施形態では、ノードN及びN10において図4(b)ステップS18及びS19−1の処理を行い、空パケットPの他のノードNへの配信タイミングに対応してゼロデータを当該ノードN及びN10におけるリングバッファ領域16内に挿入することで、この未再生のパケットPの数が減少する状態を回復させている。
次に、上記したノードN及びN10において実行される、未再生のパケットPの数を回復させる処理について、ノードN及びN10に対して直近上位及び直近下位に夫々接続されているノードNとの間におけるパケットの授受態様の時間的な変化と共に、具体的に図12を用いて例示しつつ説明する。
なお、ノードN及びN10の夫々において実行される回復処理自体はお互いに同一であるので、以下の説明では、ノードN10において実行される回復処理について説明する。また、図12は、横軸をコンテンツの配信開始時刻を左端とした当該配信における時刻とし、縦軸をノードN10に配信されてくるパケットPの番号(従って、縦軸の下端がパケットP(パケット番号「0」)となる)としたときの、ノードNに対して直近上位及び直近下位に夫々接続されている他のノードNとの間におけるパケットPの授受の状態を示すものである。
先ず、図7乃至図11において、ノードN10に対して直近上位に接続されているノードNの中継機能が正常に動作している場合、ノードN10においては、直近上位のノードNからパケットPの配信を受けつつ、これをそのまま直近下位のノードに中継する動作を繰り返している。なお、これまで説明してきた図7乃至図11においては、ノードN10には直近下位のノードNは接続されていないが、ネットワークシステムNSに含まれている各ノードNの機能をより一般的に説明するため、図12においてはノードN10にも直近下位に他のノードNが接続されているものとして説明する。
この中継機能と並行して、ノードN10では、ノードNから配信されて来たパケットPをその配信順にリングバッファ領域16内に蓄積しており(図8及び図9参照)、パケットPが三つ蓄積されたタイミングで出力部5による当該パケットP内に格納されていたデータの復号及び表示等(当該データが画像情報である場合の表示処理及び当該データが音声データである場合の音声出力処理を含む。以下、同様)の処理を実行する。図12(a)に示す例では、図7乃至図11において例示した最初のパケットPがサーバSからノードNを介して配信されてノードN10のリングバッファ領域16に蓄積された時刻が横軸の左端であり、その左端の時刻から、後続するパケットP及びPが同様に配信されて来てリングバッファ領域16に蓄積され、その後パケットPに格納されていたデータの復号並びに表示等が開始される時刻までの時間が図12(a)に示す初期バッファリング時間Tであることになる。このとき、リングバッファ領域16における蓄積量(実施形態の場合パケット三つ分以上)は、図12(a)及び(b)中、符号「M」で示される量となる。
また、各パケットP内のデータの復号及び表示等の処理が終了すると、そのパケットPが記録されていたリングバッファ領域16の部分には、その後に配信されて来る後続のパケットPが上書きされることになる。図12(a)に示す例では、パケットP内のデータに対する復号及び表示等の処理が開始されてからそのパケットPが記憶されていたリングバッファ領域16の部分に、後続して来たパケットP内のデータが記憶(上書き記憶)されるまでに時間Tが必要であることになる。
次に、図10を用いて先に示したように、ノードN10に対して直近上位にあったノードNがネットワークシステムNSから脱退してその中継機能が停止した場合、その停止後図10(b)乃至図11に示したトポロジの再構築が完了してパケットPの配信が再開されるまでの間は、当該ノードN10に対しては何らパケットPの配信が為されない。従って、この無配信期間(図12(a)において「データ遅延期間」と示す)では、時間は経過するが上位のノードNからのパケットPの配信がないため、ノードN10においては、図12(a)に示すように上位のノードNからのパケットPの配信状態及び下位のノードNへのパケットPの中継状態を示すグラフには、その無配信期間だけ平坦な部分が含まれることになる。この結果、リングバッファ領域16における蓄積量は減少していく。なお、その無配信期間の前後におけるグラフの傾き(すなわちパケットPの配信速度及び中継速度)は同一である。更に、図12(a)に示す例では、無配信期間(データ遅延期間)の数だけ、上位のノードNにおけるネットワークシステムNSからの脱退処理が実行されたことになる。
次に、上記の無配信期間があった場合、実施形態では、その発生回数やそれにより影響を受ける下位のノードNにおけるコンテンツの蓄積量の変化に応じて、サーバSにおいて空パケットPを挿入し、更にその空パケットPを、無配信期間が発生しているノードN及びN10以外のノードN乃至N、N乃至N及びN11乃至N14にのみ配信する処理を行う。この点につき、図12(a)に示す場合は「空白データ」と当該図12(a)において示した空パケットP11乃至P13及びP26乃至P28がサーバSによりコンテンツ内に挿入されて配信されて来た結果、ノードN10においては、それら空パケットPが他のノードNに配信された直後に後続して配信されてくるパケットPの番号が「10」から「14」或いは「25」から「「29」にまで一気に飛んでいる点に表現されている。そしてこれにより、上位のノードNがネットワークシステムNSから脱退した場合でも、その後に他のノードN乃至N、N乃至N並びにN11乃至N14に対するパケットPの配信タイミングとノードN10に対するパケットPの配信タイミングとが同じパケットPに対して同期した状態で、後続するパケットPのノードN10への配信が継続される。
これに加えて、実施形態のノードN10では、当該空パケットPが他のノードNに配信されると、図12(b)に示すように、その空パケットPが記憶されるべきリングバッファ領域16上の領域内に、各空パケットPが他のノードNに配信される各タイミング毎にゼロデータ(図12(b)において「空」と示す)を記憶させる(図4(b)ステップS18及びS19−1参照)。なお、図12(b)において、符号(0)から(8)で示される各配信タイミング(図12(a)横軸に記されている同一符号の時刻を夫々に示す)における各ノードN10内のリングバッファ領域16に表示されている右向き黒矢印は、その矢印が指し示す位置に格納されている画像情報がその時点でそのノードN10において表示されていることを示すものであり、太い□で示されている領域は未再生の画像情報が記憶されている領域を示すものであり、ハッチング表示が施されている領域はその配信タイミングにおいて新たに記憶されたパケットPを示すものである。
このように、ネットワークシステムNSから脱退した上位のノードNの下位に接続されていたノードN10において、空パケットPの他のノードNへの配信タイミングに応じてゼロデータをリングバッファ領域16に記憶するので、当該リングバッファ領域16における蓄積量の低減を回復することができるのである。
なお、図12に示す実施形態では、リングバッファ領域16におけるパケットPの更新と下位のノードNへの配信(中継)は、図12(a)に示すように、上位のノードNからのパケットPの配信と全く同様の時間的変化をもって実行される。
以上説明したように、実施形態に係るネットワーク制御処理によれば、下位に接続されているノードNにおけるコンテンツの蓄積状態に基づいて、当該各下位のノードNに対する空パケットPの配信を各ノードN毎に制御するので(図6(a)参照)、空パケットPの下位のノードNへの配信の有無等を制御することにより、当該下位のノードNにおけるコンテンツの蓄積状態を、他のノードNから制御することができる。
従って、例えばネットワークシステムNSに含まれるいずれかのノードNにおいてその中継機能の停止等の原因により当該ノードNの下位に接続されている他のノードNにおけるコンテンツの蓄積状態が変動した場合でも、当該下位のノードNにおける処理に影響を与えることが少なく、ネットワークシステムNS自体の信頼性を向上させつつ確実にコンテンツを配信することが可能となる。
また、コンテンツの蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があることが検出されたノードN以外の他のノードNに対してのみ、空パケットPが挿入されたコンテンツが配信される(図6(a)参照)ので、当該ノードNにおいてコンテンツの蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があっても、配信すべき実体的な内容としてのコンテンツ自体の配信タイミングを各ノードNの全てにおいて一致させることができ、各ノードNにおけるコンテンツの処理タイミングを併せて上記コンテンツの蓄積量不足の影響を滅却できる。
更に、上位側にあるノードNにおける中継機能の停止に起因して、対応する下位のノードNにおけるコンテンツの蓄積状態がその処理について蓄積量不足となる可能性があることが検出されたときでも、その下位のノードNと、他の全てのノードNと、の間で必要なコンテンツの配信タイミングを併せて当該配信を実行することができる。
更にまた、いずれかのノードNから空データ生成要求メッセージが出力されて来たとき(図6(b)参照)、当該ノードNにおけるコンテンツの蓄積状態が蓄積量不足となる可能性があると判断するので、その判断結果に基づいて空パケットPを含むコンテンツの配信先を制御することで、空データ生成要求メッセージを用いた簡易な構成でコンテンツの配信態様を制御することができる。
また、空データ生成要求メッセージが出力されて来たときのみ空パケットPをコンテンツに挿入して配信する(図6(b)参照)ので、普段は空パケットPが挿入されていないコンテンツの配信を継続して行うことができ、蓄積量が正常の場合とそれが不足する可能性がある場合の双方で効率よくコンテンツの配信を行うことができる。
更に、空パケットPにおける実体的なコンテンツの情報量がゼであるので、他のパケットPよりも情報量が少ないパケットPの配信先を制御することで、ネットワークシステムNS全体に対する負担を軽減しつつ、各ノードNにおけるコンテンツの蓄積状態を制御することができる。
(II)変形形態
次に、本発明に係る変形形態について説明する。
先ず、第1の変形形態について、図13を用いて説明する。なお、図13における符号又は記号の凡例は図12におけるものと同様である。
上述した実施形態では、リングバッファ領域16に蓄積されているデータの蓄積量の不足の可能性を補う方法として、空パケットPが他のノードNに配信されるタイミングでゼロデータをリングバッファ領域16内に記憶させたが、これ以外に、そのノードN独自で空パケットPに対応するタイミングで対応するリングバッラ領域16内にデータを補うことも可能である。
すなわち、先ず、第1の変形形態を実施するに当たっては、図13(c)に示すように、各ノードNの記憶部3内に、図2(b)に示す構成に加えて、他のノードNに配信される空パケットPに対応してリングバッファ領域16における蓄積量の不足を補うための補完データを記憶する補完データ記憶領域17を備える必要がある。
そして、第1の変形形態のノードN10では、当該空パケットPが他のノードNに配信されると、図13(b)に示すように、その空パケットPが記憶されるべきリングバッファ領域16上の領域内に、各空パケットPが他のノードNに配信される各タイミング毎に、上記補完データ記憶領域17内に記憶されていた補完データを用いて(換言すればリングバッファ領域16からのデータの読み出しを停止して)当該ノードNにおける再生処理を実行する。このとき、当該補完データとして具体的には、空パケットPより前に配信されていたいずれかのパケットPの内容を複写して補完データ記憶領域17内に記憶させておいたものを用いてもよいし、或いは、たとえばいわゆるブルーバック表示用のデータを補完データ記憶領域17内に記憶させておいたものを用いてもよい。
このとき、第1の変形形態に係るノードN10におけるリングバッファ領域16の更新状況としては、図13(b)に示すように、当該リングバッファ領域16からのパケットPの読み出しが中断する期間(すなわち、上記補完データを用いて再生処理が実行されている時間)が生じることとなり、この間は、逐次上位のノードNから配信されてくるパケットP(図13(b)に示す場合はパケットP14乃至P18)の蓄積が実行され、これによりノードN10におけるデータの蓄積量不足が解消されることとなる。より具体的には、図13(b)におけるタイミング(2)においては未再生のパケットPの数が二つ(パケットP10及びP14)であったのに対し、リングバッファ領域16からのデータの読み出しが再開されるタイミング(5)においては、未再生のパケットPの数は四つ(パケットP14乃至P17)にまで回復している。
以上説明したような第1の変形形態でも、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、図13に示す第1の変形形態では、リングバッファ領域16におけるパケットPの更新と下位のノードNへの配信(中継)は、上述したように一定期間リングバッファ領域16からのデータの読み出しが行われないため、図13(a)に示すように、空パケットPが他のノードNに配信されるタイミングまでは当該読出中断の影響を受けつつ実行されることになる。
次に、第2の変形形態として、上述した実施形態及び第1の変形形態においては、ノードNがネットワークシステムNSから脱退した場合に空パケットPをサーバSにおいて挿入した後に各ノードNに配信する構成としたが、この外に、当該空パケットPを挿入すべきタイミングの直前に配信されたパケットPに含まれている実体情報と同一の実体情報を含むパケットP(以下、同一内容パケットPと称する)を、当該空パケットPに代えてコンテンツに挿入して配信しても良い。
この場合は、当該同一内容パケットPを含むコンテンツが配信されたノードNにおいては、直前に配信されて来たパケットPとのコンテンツとしての内容の相違を認識することなく同一内容パケットPを再生処理に供させることができ、各ノードNにおける再生処理を相互に複雑化させることなく当該各ノードNにおけるコンテンツの蓄積状態を制御することができる。
なお、図3乃至図6のフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態又は各変形形態に係るCPU1として機能させることも可能である。
以上夫々説明したように、本発明は、ツリー構造を有するネットワークシステムNSを用いたコンテンツの配信の分野に利用することが可能であり、特に映画や音楽等のリアルタイムの放送の如き、途中で配信が中断してしまうことが不都合なコンテンツの配信の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
実施形態に係るネットワークシステムの概要構成を示すブロック図であり、(a)はその物理的な接続態様を示すブロック図であり、(b)はトポロジとしてその接続態様を示すブロック図である。 実施形態に係るネットワークシステムに含まれる各ノードの構成を示す図であり、(a)はそのブロック図であり、(b)は記憶部内に記憶される情報の内容を示す図である。 実施形態に係るノードにおける処理の全体を示すフローチャートである。 実施形態に係るノードにおける処理の細部を夫々示すフローチャート(I)であり、(a)は上位ノード接続処理を示すフローチャートであり、(b)はデータ受信処理を示すフローチャートである。 実施形態に係るノードにおける処理の細部を夫々示すフローチャート(II)であり、(a)は下位ノード接続処理を示すフローチャートであり、(b)は脱退メッセージ応答処理を示すフローチャートであり、(c)はノード脱退処理を示すフローチャートである。 実施形態に係るノードにおける処理の細部を夫々示すフローチャート(III)であり、(a)はデータ送信処理を示すフローチャートであり、(b)は空データ生成要求メッセージ受信処理を示すフローチャートである。 実施形態に係るネットワークシステムにおけるパケット配信の状態を例示する図(I)であり、(a)はその詳細を例示する図(i)であり、(b)はその詳細を例示する図(ii)であり、(c)はその詳細を例示する図(iii)である。 実施形態に係るネットワークシステムにおけるパケット配信の状態を例示する図(II)であり、(a)はその詳細を例示する図(iv)であり、(b)はその詳細を例示する図(v)であり、(c)はその詳細を例示する図(vi)である。 実施形態に係るネットワークシステムにおけるパケット配信の状態を例示する図(III)であり、(a)はその詳細を例示する図(vii)であり、(b)はその詳細を例示する図(viii)であり、(c)はその詳細を例示する図(ix)である。 実施形態に係るネットワークシステムにおいてノードの脱退が発生した場合のパケット配信の状態を例示する図であり、(a)はその詳細を例示する図(i)であり、(b)はその詳細を例示する図(ii)である。 実施形態に係るネットワークシステムにおいてノード脱退後の再接続が完了した場合のパケット配信の状態を例示する図であり、(a)はその詳細を例示する図(i)であり、(b)はその詳細を例示する図(ii)であり、(c)はその詳細を例示する図(iii)である。 実施形態に係るネットワークシステムにおいてノード脱退・再接続後に再生遅延が回復する際のパケット配信の状態を例示する図であり、(a)はその時間的変化を例示する図であり、(b)はその際のリングバッファ領域内におけるデータの更新状況を例示する図である。 第1の変形形態に係るネットワークシステムにおいてノード脱退・再接続後に再生遅延が回復する際のパケット配信の状態を例示する図であり、(a)はその時間的変化を例示する図であり、(b)はその際のリングバッファ領域内におけるデータの更新状況を例示する図であり、(c)は第1の変形形態に係る記憶部内に記憶される情報の内容を示す図である。
符号の説明
1 CPU
2 接続認証部
3 記憶部
4 入力部
5 出力部
6 メッセージ送受信部
7 データ送受信部
8 バス
10 第1上位ノード情報記憶領域
11 第2上位ノード情報記憶領域
12 下位ノード情報記憶領域
13 送信データ番号情報記憶領域
14 受信データ番号情報記憶領域
15 閾値記憶領域
16 リングバッファ領域
17 補完データ記憶領域
NS ネットワークシステム
S サーバ
N、N、N、N、N、N、N、N、N、N、N10、N11、N12、N13、N14、 ノード
L 回線
NT ネットワーク
NS ネットワークシステム

Claims (9)

  1. 配信情報の配信元である配信装置と、当該配信装置に対して複数の階層を形成しつつ接続された複数の中継装置と、を含み、当該配信装置から各前記中継装置に対して、複数の単位配信情報により構成される前記配信情報が配信されるネットワークシステムに含まれるいずれかの当該中継装置を制御するネットワーク制御装置において、
    前記配信情報は、各前記中継装置における処理において当該処理の対象とすることが省略可能な前記単位配信情報である処理省略可能情報を含み、
    制御対象の前記配信装置又は制御対象の前記中継装置のいずれかである対象装置に対して前記配信情報の配信において下流にあるいずれかの前記中継装置である下流中継装置における前記配信情報の蓄積状態を検出する検出手段と、
    前記検出された蓄積状態に基づいて、前記対象装置から各前記下流中継装置への前記処理省略可能情報の配信の実行を、当該各下流中継装置毎に制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするネットワーク制御装置。
  2. 請求項1に記載のネットワーク制御装置において、
    いずれかの前記下流中継装置における前記蓄積状態が、当該下流中継装置における前記処理について蓄積量不足となる可能性があることが前記検出手段により検出されたとき、前記制御手段は、当該可能性があることが検出された前記下流中継装置以外の他の前記下流中継装置に対してのみ、前記処理省略可能情報が挿入された前記配信情報を配信するように制御することを特徴とするネットワーク制御装置。
  3. 請求項2に記載のネットワーク制御装置において、
    前記検出手段は、前記下流中継装置に対して上流側にあるいずれかの前記中継装置における中継機能が停止したとき、当該下流中継装置の前記蓄積状態が前記蓄積量不足となる可能性があると検出することを特徴とするネットワーク制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載のネットワーク制御装置において、
    各前記下流中継装置は、夫々の当該下流中継装置内における前記配信情報の蓄積状態が前記蓄積量不足となる可能性があるとき、当該可能性がある旨を示す不足可能性情報を生成して前記ネットワーク制御装置に出力する生成手段を夫々に備え、
    前記検出手段は、いずれかの前記下流中継装置から前記不足可能性情報が出力されて来たとき、当該不足可能性情報を出力してきた前記下流中継装置における前記蓄積状態が前記蓄積量不足となる可能性があると検出することを特徴とするネットワーク制御装置。
  5. 請求項4に記載のネットワーク制御装置において、
    前記不足可能性情報がいずれかの前記下流中継装置から出力されて来たときのみ、前記配信情報に対して前記処理省略可能情報を挿入する挿入手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記蓄積量不足となる可能性があることが検出された前記下流中継装置以外の他の前記下流中継装置に対してのみ、前記処理省略可能情報が挿入された前記配信情報を配信するように制御することを特徴とするネットワーク制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置において、
    前記処理省略可能情報は、当該処理省略可能情報としての前記配信情報の情報量が零である空単位配信情報であることを特徴とするネットワーク制御措置。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置において、
    前記処理省略可能情報は、当該処理省略可能情報が挿入される前記配信情報内の位置の直前にある前記単位配信情報と同一の内容を有する単位配信情報であることを特徴とするネットワーク制御措置。
  8. 配信情報の配信元である配信装置と、当該配信装置に対して複数の階層を形成しつつ接続された複数の中継装置と、を含み、当該配信装置から各前記中継装置に対して、複数の単位配信情報により構成される前記配信情報が配信されるネットワークシステムに含まれるいずれかの当該中継装置を制御する制御方法において、
    前記配信情報は、各前記中継装置における処理において当該処理の対象とすることが省略可能な内容を有する前記単位配信情報である単位処理省略可能情報を含み、
    制御対象の前記配信装置又は制御対象の前記中継装置のいずれかである対象装置に対して前記配信情報の配信において下流にあるいずれかの前記中継装置である下流中継装置における前記配信情報の蓄積状態を検出する検出工程と、
    前記検出された蓄積状態に基づいて、前記対象装置から各前記下流中継装置への前記処理省略可能情報の配信の実行を、当該各下流中継装置毎に制御する制御工程と、
    を含むことを特徴とするネットワーク制御方法。
  9. 配信情報の配信元である配信装置と、当該配信装置に対して複数の階層を形成しつつ接続された複数の中継装置と、を含み、当該配信装置から各前記中継装置に対して、複数の単位配信情報により構成される前記配信情報が配信されるネットワークシステムであって、前記配信情報が、各前記中継装置における処理において当該処理の対象とすることが省略可能な前記単位配信情報である単位処理省略可能情報を含みネットワークシステムに含まれるいずれかの前記中継装置を制御するネットワーク制御装置に含まれるコンピュータを、
    制御対象の前記配信装置又は制御対象の前記中継装置のいずれかである対象装置に対して前記配信情報の配信において下流にあるいずれかの前記中継装置である下流中継装置における前記配信情報の蓄積状態を検出する検出手段、及び、
    前記検出された蓄積状態に基づいて、前記対象装置から各前記下流中継装置への前記処理省略可能情報の配信の実行を、当該各下流中継装置毎に制御する制御手段、
    として機能させることを特徴とするネットワーク制御用プログラム。
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