JP2006099662A - 確率的及び工学的な水災評価方法 - Google Patents

確率的及び工学的な水災評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 過去の保険実績に関して利用可能なデータが存在しない、数十年、数百年に一度発生するような非常に大規模な水災についても想定した従来よりも精度の高いリスクカーブを作成すること。
【解決手段】 発生頻度が低く、規模の大きな部分(大規模災害モデルのリスクカーブが通常災害モデルのリスクカーブを上回る部分、図11の右半分)については大規模災害モデルによる数値を採用し、それ以外の部分(図11の左半分)については通常災害モデルによる数値を採用して、2つのリスクカーブを合成することにより、最終的なリスクカーブを得る。
【選択図】 図11

Description

本発明は、広くは、水災評価方法に関し、更に詳しくは、通常規模水災と大規模水災とについて別個の方法を用いて2つのリスクカーブを作成し、別個に作成された2つのリスクカーブを合成することにより、全体として従来よりも高精度なリスクカーブを作成する水災評価方法に関する。
なお、この特許出願において、「水災」とは、住宅総合保険普通保険約款等で担保危険として規定されている通り、台風、暴風雨、豪雨等が原因となって生じる洪水、融雪洪水、高潮、土砂崩れ等、水によって引き起こされる災害を意味する。
水災が発生する頻度は一定ではない。従って、水災による損害は、年度ごとの罹災率の変動が大きい。また、いったん大規模な水災が発生すると、被災地域が広域に及ぶことが多いため、支払保険金が非常に高額化する傾向にある。しかし、水災のような発生頻度が一定でない自然災害に関しても、公正で妥当な保険料の算出を通じて安定的な保険の提供が確保される必要がある。そのためには、過去の保険実績に関して利用可能なデータが存在しない、数十年、数百年に一度発生するような非常に大規模な水災についても想定したリスクカーブを作成することが望まれる。
ここで、リスクカーブとは、横軸に年間支払保険金、縦軸に年間支払保険に対応する年超過確率(1年間にその支払保険金を超える損害が発生する確率)をプロットしたグラフである。年超過確率リスクカーブとも称される。曲線の形状によるリスクの特性判断や、リスクのレイヤーリング(層分化)によるリスク管理に応用される。リスクカーブの形状によってリスク特性を判断するイメージの例が、図1に示されている。
水災による損害は、住宅総合保険、店舗総合保険、特約火災保険及び損害保険各社の個別商品によって担保されている(ただし、契約始期が昭和57年9月30日以前の一時払い長期住宅火災保険契約、普通火災保険契約を含む)。本発明においてリスクカーブを作成するにあたっては、第1に、住宅総合保険と住宅物件を対象とする各社個別商品とを「住宅総合」とする。第2に、店舗総合保険と一般物件を対象とする各社個別商品とを「店舗総合」とする。そして、特約火災保険は、対象とする物件に応じて、「特約火災・住宅物件」と「特約火災・一般物件(工場物件を対象とする特約火災保険を含む)」とに2分する。以上のように、全体としては4区分となり、それぞれの区分についての支払保険金を推定した。どのような被害状況が発生した場合にどれだけの保険金が支払われるかについては、図2に、水災の支払条件が整理されている。
本発明では、リスクカーブを作成するために、コンピュータによるシミュレーションを行うことにより長期間に亘る年間支払保険金を算出する。図3には、年間支払保険金の算出の概略が示されている。ここでの年間支払保険金の算出方法は、大別すると、次の2つの過程から構成されている。第1の過程では、利用可能な期間の火災保険統計から得た保有情報データ及び損害割合データと、一般統計から算出した罹災率データとに、損害割合の分布と罹災率の分布からなる保険数理的な支払保険金モデルを適用してモンテカルロ・シミュレーションを行い、年間支払保険金を算出する。第2の過程では、河川の重要度に応じて選定した全国の主要30水系について、国土交通省による洪水氾濫シミュレーション結果(国土交通省のウェブ・サイトで公開されている)から作成した浸水深データと、浸水深と損害割合との関係と、火災保険統計から得られた保有情報データという3つのデータを用いて、河川別の予想大規模支払保険金を算出し、算出された結果をモンテカルロ・シミュレーションによって年間支払保険金に変換している。
この2つの方法を比較検討すると、たしかに、第1の算出過程においても再現期間が長い損害を包含している。しかし、再現期間が長く大規模な損害については、洪水時の河川氾濫域を詳細にモデル化している第2の算出過程の方が精度が高いと考えられる。そこで、本発明では、便宜的に、第1の算出過程を「通常災害モデル」、第2の算出過程を「大規模災害モデル」と称し、2つの過程でそれぞれ算出した年間支払保険金についてリスクカーブを作成する。その上で、図1に示したリスクカーブについて見ると、横軸の年間支払保険金が大きな部分、つまり、グラフの右側では、再現期間が長く大規模な損害については大規模災害モデルによるリスクカーブを採用し、それ以外の部分、つまり、年間支払保険金が小さな部分、つまり、グラフの左側では、通常災害モデルによるリスクカーブを採用して最終的なリスクカーブとする。以上が、本発明によるリスクカーブ作成の概略である。
本発明によると、キーボードやマウスなどを含む入力手段と、ディスプレイを含む出力手段と、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメモリ手段と、中央処理装置(CPU)などの制御手段と、ハードディスクなどのストレージ手段とによって構成されており年間支払保険金を算出するためのリスクカーブを作成するコンピュータ・システムが提供される。このコンピュータ・システムは、(a)(a−1)前記制御手段の命令により前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された罹災率データから罹災率分布パラメータを推定する手段と、(a−2)前記制御手段の命令により前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された損害割合データから損害割合分布パラメータを推定する手段と、(a−3)前記制御手段の命令により(a−1)及び(a−2)の推定手段による推定から得られた罹災率分布及び損害割合分布パラメータ・データと所定の火災保険統計から得られたデータとを用いてモンテカルロ・シミュレーションを行い第1の年間保険金データを算出する手段と、(a−4)算出された第1の年間保険金データからリスクカーブを作成する手段とで構成される第1のリスクカーブ作成手段と、(b)(b−1)前記制御手段の命令により、予め選定された対象河川について、前記ストレージ手段に記憶されている国土交通省の洪水氾濫シミュレーション結果と地図情報とを前記メモリ手段に読み出し、町丁目別の浸水深データを作成する手段と、(b−2)前記制御手段の命令により、前記作成された浸水深データから町丁目別の損害割合データを算出し、算出された町丁目別の損害割合データを前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された保有保険金額データに乗じて、対象河川別の予想大規模支払保険金データを算出する手段と、(b−3)前記制御手段の命令により、(b−2)の算出手段によって算出された対象河川別の予想大規模支払保険金データと、前記ストレージから前記メモリに読み出された前記対象河川別の予想大規模支払保険金データに対応する計画期間データとをを用いてモンテカルロ・シミュレーションを行い、対象河川計である第2の年間保険金データを算出する手段と、(b−4)算出された第2の年間保険金データからリスクカーブを作成する手段とで構成される第2のリスクカーブ作成手段と、(c)前記第1及び第2のリスクカーブ作成手段(a)及び(b)によって作成された2つのリスクカーブを前記出力手段に表示して、2つのリスクカーブの交点よりも左側では第1のリスクカーブを採用し、2つのリスクカーブの交点よりも右側では第2のリスクカーブを採用することにより合成リスクカーブを作成し、表示手段に表示する合成リスクカーブ作成手段と、を備えている。
本発明は、また、請求項2に記載されているように、合成リスクカーブを作成する方法として定義することも可能である。
本発明は、更に、請求項3及び4に記載されているように、合成リスクカーブを作成する方法に含まれる各ステップをコンピュータ・システムに実行させるコンピュータ・プログラムが記憶されているコンピュータ読取可能な記憶媒体として、又は、そのようなコンピュータ・プログラム自体として、定義することも可能である。
以下では、「発明の開示」の項目において概略した通常災害モデルと、大規模災害モデルとについて、詳細に説明する。
1.通常災害モデル:
通常災害モデルは、(1)一般統計等を処理して得た罹災率データから罹災率分布のパラメータを推定する過程と、(2)火災保険統計から得た損害割合データから損害割合分布のパラメータを推定する過程と、(3)第1及び第2の過程で得た分布パラメータ・データとそれ以外の火災保険統計から得たデータを用いてモンテカルロ・シミュレーションを行い、年間保険金データを算出する過程と、の3つの過程から構成されている。図4には、これら3つの過程における計算の流れが示されている。通常災害モデルの計算の流れは、参考純率検証の過程に準じている。ただし、参考純率検証では、国土交通省による「災害統計」の「(風水雪災による)住家被害数」を採用し、これを、対象となる災害が水災となるように修正して使用しているのに対して、本発明では、被害件数の指標として、国土交通省による「水害統計」の「(水災による)全壊・半壊・床上浸水被害建物棟数」を採用した。また、罹災率の計算にあたって、契約件数の地域的な分布状況が反映されるようにした。
次に、通常災害モデルにおける罹災率のモデルと分布パラメータの推定とについて述べる。水災による罹災率は年度ごとの変動が大きいため、分布パラメータの推定に用いる過年度の観測データは、できるだけ長期間のデータを参照することが望ましい。火災保険統計の利用期間は、商品内容の変更等により1984年以降に限られるため、今般のリスクカーブ作成にあたっては一般統計を利用することとし、水災による被害に限定して被害件数を集計している指標として1961年以降の国土交通省の「水害統計」において、「全壊」、「半壊」又は「床上浸水」に分類された「被害建物棟数」のデータを採用することとした。
罹災率データの作成には、図5に示されている統計指標を利用する。まず、「水害統計」による全壊・半壊・床上浸水被害建物棟数データを、「国勢調査」による普通世帯数の増加分を「住民基本台帳」による総世帯数の増加分で補間して求めた毎年の普通世帯数データで除して構造計の罹災率データを得る。そして、これを、「住宅・土地統計調査」から得た木造住宅数割合データと、「火災保険統計」から得た発生率の構造間格差データとを利用して、図6に示されているような木造・非木造の構造別の罹災率データに展開した。ただし、後述する罹災率分布パラメータの推定手法との関係上、被害建物棟数と世帯数のデータセットを、「罹災率データ」として表示している。
次に、ここで用いられる被災率のモデルについて述べる。保険数理的なモデリングにおいては、罹災件数のモデルとして、通常、ポアソン分布が用いられる。周知のように、ポアソン分布では、平均と分散が等しくなるのが前提である。しかし、自然災害による罹災件数の標本には、分散が平均を上回るいわゆる「超過分散」が見受けられることが知られている。そして、本発明の対象である水災の罹災件数についても、超過分散になっていることが確認されている。
そこで、本発明では、罹災件数の分布であるポアソン分布のパラメータとなる罹災率がガンマ分布に従うことを仮定して、事後的な罹災件数の予測分布として負の二項分布を導き出すガンマ=ポアソン・モデルが適用される。
罹災率qの事前分布がガンマ分布Ga(α、β)に従うとすると、その確率密度関数w(q)は、次の数式1で与えられる。
Figure 2006099662
ここで、観測期間y、契約件数N1,N2,・・・,Nyのときの罹災件数z1,z2,・・・,zyの観測データ分布がポアソン分布Po(Ni*q)に従うとすると、その確率関数f(zi|q)は、次の数式2で与えられる。
Figure 2006099662
ベイズの定理により、罹災率qの事後分布の確率密度関数w(q|z1,z2,・・・,zy)は、次の数式3となる。
Figure 2006099662
これはガンマ分布Ga(α+Σzi、β+ΣNi)の確率密度関数と一致する。α’=α+Σzi、β’=β+ΣNiとおくと、罹災件数zの限界予測分布f(z)は、次の数式4となり、これは負の二項分布NB(α’+z、N/(β’+N))の確率関数と一致する。
Figure 2006099662
標本から罹災率の事前ガンマ分布パラメータを推定するにあたっては、経験ベイズ法により、罹災件数の周辺尤度関数 L を、次の数式5とし、対数尤度関数 l を次の数式6とする。
Figure 2006099662
Figure 2006099662
その上で、統計処理ソフトウェアを用いて数値計算を行って対数尤度関数の最大化問題をα、βについて解いてα、βの最尤推定値を求める。また、数値計算の際に出力されるHessian行列を利用して最尤推定値の標準誤差を求める。
なお、水災は、1回の事故により多数の物件が同時に罹災するというリスクの特性を有している。従って、都道府県別、物件別、構造別の罹災率を互いに独立であると考え、それぞれの区分別の罹災率の乱数を生成することは適当でない。そこで、本発明では、上述したガンマ=ポアソン・モデルの手法によって、全国計、非木造、住宅総合及び特約火災・住宅物件計の罹災率を求め、これに、一般統計から求めた都道府県別の罹災率格差係数と、火災保険統計から求めた発生率の構造間格差係数と、特約火災適用修正係数とを乗じて、他のリスク区分の罹災率としている。
次に、損害割合のモデルと分布パラメータの推定とについて述べる。本発明では、損害割合(正味の損害額を保険価額で除した割合)データの作成には、火災保険統計を利用する。図7に示されているように、上述した水災の支払条件と火災保険統計の性質とから、まず、損害割合が「15%未満」、「15%以上、30%未満」及び「30%以上」の場合の支払件数のウェイトを計算する。次に、損害割合が30%以上の場合は、更に5%区分のウェイトと損害割合100%の場合のウェイトに区分して、物件別、構造別、目的別の損害割合データとする。なお、火災保険統計のデータ報告要綱においては、支払条件との対応関係上、「損害割合」の項目に関しては、損害割合が30%未満の場合に記録を省略できることとしているので、損害割合が30%未満の損害割合については、「事故種別II」の項目から「床上浸水(損害割合15%以上30%未満)」、「床上浸水(損害割合15%未満)」の罹災件数のみの報告を得ている。また、損害割合の標本からは、損害割合が100%の場合に罹災件数が急増する傾向が見られるが、これは損害割合の分布と直接的な関係のない統計報告上の傾向であると考えられる。
このため、損害割合の分布全体については、実績による経験分布(実績値をそのまま再現するノンパラメトリックな分布型)を想定し、損害割合Xの分布関数F(x)を、次の数式7のようにして、p1,p2,p3,p4に実績による値を用いた。
Figure 2006099662
次に、損害割合が30%以上100%未満の区間については、区間を5%ごとに区分して罹災件数を集計したデータにパラメトリックな分布を想定し、代替的なモデルとして、対数正規分布、ガンマ分布、ワイブル分布、ベータ分布を候補として各分布の分布パラメータの最尤推定値を求め、AIC(赤池の情報量規準)を比較した。
損害割合データにおいて、区分 i (i=1,2,・・・,k) の下限値を Li-1 、上限値を Li 、各区分の度数を ni 、損害割合30〜100%未満の罹災件数合計n=Σi=1 kとおいて、罹災件数がパラメータθの分布に従い、確率密度関数f(x;θ)、分布関数F(x;θ)を持つとすると、尤度関数 L と対数尤度関数 l とは、次の数式8及び数式9のようになる。
Figure 2006099662
Figure 2006099662
ここで罹災率の場合と同様に、統計処理ソフトウェアを用いた数値計算でθの最尤推定値とその標準誤差、およびAICを計算した。なお、AICは、θの最尤推定値をθ*、パラメータ数をpとして次の数式10により定義され、その数値が小さいほどあてはまりのよいモデルであるといえる。
Figure 2006099662
推定の結果、ベータ分布のあてはまりが最もよく、また分布の特性として、値域が30%〜100%に限定できることからこれを損害割合のモデルとして採用した。
以上に基づいて、通常損害モデルのモンテカルロ・シミュレーションを次の手順に従って行う。(1)上述した罹災率のモデルと分布パラメータの推定に従って、罹災率の乱数(ガンマ乱数)を生成し、これを、全国計、非木造、物件計の罹災率データとする。(2)都道府県間格差係数と、構造間格差係数と、特約火災適用修正係数とを乗じて、都道府県別、構造別、物件別の罹災率データを作成する。(3)リスク区分別の罹災率に、火災保険統計から作成した都道府県別、構造別、物件別、目的別、会社別の契約件数データを乗じて、これを、ポアソン分布パラメータとしてポアソン乱数を生成し、都道府県別、構造別、物件別、目的別、会社別の支払件数データとする。(4)上述した損害割合のモデルと分布パラメータの推定に従って、リスク区分ごとの支払件数データ分の損害割合の乱数(経験分布−ベータ分布乱数)を生成し、損害割合データとする。(5)リスク区分ごとの損害割合に、限度数係数、特約火災co-insurance係数、費用保険金割合等を加味し、これを各リスク区分について合計して、都道府県別、構造別、物件別の罹災率データを作成する。(6)純保険料率データに、都道府県別、構造別、物件別、目的別、会社別の保有保険金額データを乗じて、年間支払保険金データを作成する。(7)(1)から(6)までを1万回繰り返す。
2.大規模災害モデル:
大規模損害モデルは、(1)計算の準備段階として、予想大規模支払保険金の計算対象とする河川(以下では、「対象河川」と称する)を選定する過程と、(2)対象河川について、国土交通省の洪水氾濫シミュレーション結果と地図情報とから、町丁目別の浸水深データを作成する過程と、(3)浸水深データから町丁目別の損害割合データを算出し、これを保有保険金額データに乗じて、対象河川別の予想大規模支払保険金データを算出する過程と、(4)対象河川別の予想大規模支払保険金データとこれに対応する計画期間データとを基に、モンテカルロ・シミュレーションを行い、対象河川計の年間支払保険金データを作成する過程という、4つの過程から構成されている。この計算の概略は、図8に示されている。
次に、本発明において用いられる大規模災害モデルを構成する4つの過程の詳細を説明する。第1に、河川別の予想大規模支払保険金を算出するにあたって、データの利用可能性と計算量との問題から、計算の対象とする河川を選定している。国土交通省河川局では、全国の主要な水系について、各水系につき特定の再現期間(計画期間)規模の降雨があった場合の河川の流量と各河川における複数の破堤点とを想定して、それぞれの破堤点について、当該河川からの洪水量から各地点からの浸水深を「二次元不定流モデル」によって計算する洪水氾濫シミュレーションを行っている。1級水系については、複数の破堤シナリオにおける浸水域を重ね合わせて作成された洪水氾濫危険区域図が公表されている。また、ほとんどの1級水系について、単一の破堤点に基づく浸水予想区域図やシミュレーション結果が公表されている。
そこで、河川の選定にあたっては、全国の109の1級水系について、洪水氾濫危険区域での浸水域に対応する地域の保有保険金額データを火災保険統計から作成し、累計割合が全国の保有保険金額の約80%を占める上位30水系を対象河川として選定した。選定された計算対象河川は、図9に示されているとおりである。
本発明では、選定された対象河川について、前述した国土交通省の浸水予想区域図で浸水深が表示されている地域をメッシュ地図情報に対応させてメッシュ別の浸水深データを作成した。国土交通省による洪水氾濫シミュレーション図では、標準地域メッシュコードに基づく矩形ごとに浸水深を表示している。この矩形の大きさは洪水氾濫シミュレーション図を公表する河川事務所によって異なり、縦横500メートルの場合や、縦横250メートル場合がある。本発明におけるデータ作成では、洪水氾濫シミュレーション図をメッシュ地図情報(全国を経度及び緯度により網の目状に区分して定めた標準地域メッシュコード)に対応させ、すべての洪水氾濫シミュレーション図を縦横250メートルのメッシュに区切り、メッシュ別の浸水深を表示した。火災保険統計による保有保険金額データは町丁目(郡部については町村)単位で把握可能な7桁のコード(「日本行政区画番号帳」による)によるため、市販の2万5千分の1数値地図による各町丁目の地図上のポイントと上記250メートルのメッシュ単位の洪水氾濫シミュレーション図による浸水深を対応させて、各町丁目の地図上のポイントに対応する標準地域メッシュ単位の浸水深を当該町丁目の浸水深として定義し、対象河川の町丁目別の浸水深データを作成した。
水災の場合には、建物の階数によって、浸水深と損害割合との関係が異なる。従って、火災保険統計から、対象河川別、物件別、構造別の建物階数ウェイトデータを作成し、上述した対象河川ごとの町丁目別、浸水深データに建物階数別、目的別の浸水深と損害割合との関係式を適用して、物件別、目的別、構造別、対象河川別、町丁目別の損害割合データを作成し、これに、物件別、目的別、構造別、対象河川別、町丁目別の予想大規模支払保険金データを対応させる。更に、限度額係数等により支払条件を加味して、物件別、目的別、構造別、対象河川別の予想大規模支払保険金が求められる。
次に、対象河川別に求めた予想大規模支払保険金から、地理的に近接する河川が同時に氾濫する確率を反映させて、年間支払保険金を予測する方法の概略が、図10に示されている。予想大規模支払保険金は、国土交通省の洪水氾濫シミュレーションでの各水系の計画期間における最大の降雨量に対応している。そこで、後述するように、対象河川別の年間支払保険金を、{予想大規模支払保険金の損害が発生する;損害が発生しない}という二値をとる確率変数と見なして、相関つき多変量ベルヌーイ乱数を発生させるモンテカルロ・シミュレーションを行い、10万年分の対象河川計の仮想年間支払保険金データを作成する。
まず、各河川における年間の予想大規模支払保険金の発生事象Liはベルヌーイ分布に従う2値をとる次の数式11ような確率変数であるとする。
Figure 2006099662
ここで、LiとLjの同時発生事象確率E[Li Lj]は、未知の二変量正規分布における相関係数をρ’ijとおけば、次の数式12のように書くことができる。
Figure 2006099662
ここで、Φ-1(p)は確率pを与えたときの標準正規分布のパーセント点をあらわし、次の数式13である。
Figure 2006099662
この関係を利用すれば、LiとLjの相関係数ρijは定義から、次の数式14であるから、数値計算による積分計算を行うことによりρijを再現するρ’ijが求まり、境界区分法によって多変量正規乱数から無作為に発生させたLi とLjの相関係数がρijとなるような多変量ベルヌーイ乱数を生成できる。
Figure 2006099662
最後にLi=1のときに各河川における年間の予想大規模支払保険金が発生するとして、各年度につき対象河川計の予想支払保険金を求めれば、これが対象河川計の予想年間支払保険金データとなる。
多変量ベルヌーイ乱数の相関係数は、国土交通省「水害統計」により対象河川につき異常気象別に集計した床上浸水被害建物棟数データから推定し、数値計算による積分計算および乱数の生成は統計処理ソフトウェアのルーチンによる。
3.リスクカーブの作成:
上述したように、本発明では、リスクカーブを作成するために、通常規模水災と大規模水災とにつき別個の方法を用いてモンテカルロ・シミュレーションを行って、年間支払保険金を算出した。それぞれのモデルによるリスクカーブが、図11に示されている。図11において、発生頻度が低く、規模の大きな部分(大規模災害モデルのリスクカーブが通常災害モデルのリスクカーブを上回る部分、図11の右半分)については大規模災害モデルによる数値を採用し、それ以外の部分(図11の左半分)については通常災害モデルによる数値を採用して、2つのリスクカーブを合成することにより、最終的なリスクカーブが得られる。
こうして合成されたリスクカーブは、それぞれの算出手法単独での数値によるリスクカーブよりも精度が高いことは明らかである。通常災害モデルを用いたシミュレーションでは、発生頻度が低く利用可能な過去のデータが存在しないような非常に大規模な水災について得られるリスクカーブは必ずしも適切とは言えず、他方で、大規模災害モデルを用いたシミュレーションでは、発生頻度が高く小規模の災害について得られるリスクカーブは必ずしも適切とは言えないからである。
4.ハードウェア:
本発明において、上述したモンテカルロ・シミュレーションに用いられるハードウェアは、一般的なパーソナル・コンピュータやワークステーションである。これらは通常のコンピュータ・システムであって、基本的には、入力部と、出力部と、実行中のプログラムとプログラムが必要とするデータとを格納する場所であるメモリと、プログラムの命令を実行する中央処理装置(CPU)と、プログラムやデータが記憶されておりそこからプログラムやデータがメモリに読み出されるハードディスクなどのストレージ装置とで構成されている(図示せず)。本発明は、これらのハードウェア自体に特徴があるのではない。また、モンテカルロ・シミュレーション自体は、一般的な手法であって、これも本発明の特徴ではない。しかし、一般的なコンピュータ・システムにおいて一般的なシミュレーション手法を用いて行われるのではあるが、特徴的な2つの方法によって作成された2つのリスクカーブを合成することの結果として、従来よりも精度の高いリスクカーブを作成するという点に、本発明の特徴が存在する。
リスクカーブの形状によるリスク特性の判断イメージを示している。 費用保険金を除いた水災の支払条件が示されている。 本発明における年間支払保険金算出の概略が示されている。 通常災害モデルにおける計算の流れが示されている。 罹災率データの歳出に利用した統計指標の一覧である。 罹災率データのイメージが示されている。 損害割合データのイメージが示されている。 大規模災害モデルにおける計算の流れが示されている。 日本全国の計算対象河川一覧である。 年間支払保険金の算出イメージ(数値例)である。 本発明における最終的なリスクカーブの作成が示されている。

Claims (4)

  1. 表示手段とメモリ手段と制御手段とストレージ手段とによって構成されており年間支払保険金を算出するためのリスクカーブを作成するコンピュータ・システムであって、
    (a)(a−1)前記制御手段の命令により前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された罹災率データから罹災率分布パラメータを推定する手段と、(a−2)前記制御手段の命令により前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された損害割合データから損害割合分布パラメータを推定する手段と、(a−3)前記制御手段の命令により(a−1)及び(a−2)の推定手段による推定から得られた罹災率分布及び損害割合分布パラメータ・データと所定の火災保険統計から得られたデータとを用いてモンテカルロ・シミュレーションを行い第1の年間保険金データを算出する手段と、(a−4)算出された第1の年間保険金データからリスクカーブを作成する手段とで構成される第1のリスクカーブ作成手段と、
    (b)(b−1)前記制御手段の命令により、予め選定された対象河川について、前記ストレージ手段に記憶されている国土交通省の洪水氾濫シミュレーション結果と地図情報とを前記メモリ手段に読み出し、町丁目別の浸水深データを作成する手段と、(b−2)前記制御手段の命令により、前記作成された浸水深データから町丁目別の損害割合データを算出し、算出された町丁目別の損害割合データを前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された保有保険金額データに乗じて、対象河川別の予想大規模支払保険金データを算出する手段と、(b−3)前記制御手段の命令により、(b−2)の算出手段によって算出された対象河川別の予想大規模支払保険金データと、前記ストレージから前記メモリに読み出された前記対象河川別の予想大規模支払保険金データに対応する計画期間データとをを用いてモンテカルロ・シミュレーションを行い、対象河川計である第2の年間保険金データを算出する手段と、(b−4)算出された第2の年間保険金データからリスクカーブを作成する手段とで構成される第2のリスクカーブ作成手段と、
    (c)前記第1及び第2のリスクカーブ作成手段(a)及び(b)によって作成された2つのリスクカーブを前記出力手段に表示して、2つのリスクカーブの交点よりも左側では第1のリスクカーブを採用し、2つのリスクカーブの交点よりも右側では第2のリスクカーブを採用することにより合成リスクカーブを作成し、表示手段に表示する合成リスクカーブ作成手段と、
    を備えていることを特徴とするコンピュータ・システム。
  2. 入力手段と出力手段とメモリ手段と制御手段とストレージ手段とによって構成されているコンピュータ・システムを用いて年間支払保険金を算出するためのリスクカーブを作成する方法であって、
    (a)(a−1)前記制御手段の命令により、前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された罹災率データから罹災率分布パラメータを推定するステップと、(a−2)前記制御手段の命令により、前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された損害割合データから損害割合分布パラメータを推定するステップと、(a−3)前記制御手段の命令により(a−1)及び(a−2)のステップにおける推定から得られた罹災率分布及び損害割合分布パラメータ・データと所定の火災保険統計から得られたデータとを用いてモンテカルロ・シミュレーションを行い第1の年間保険金データを算出するステップと、(a−4)算出された第1の年間保険金データからリスクカーブを作成するステップとを含む第1のリスクカーブを作成するステップと、
    (b)(b−1)前記制御手段の命令により、予め選定された対象河川について、前記ストレージ手段に記憶されている国土交通省の洪水氾濫シミュレーション結果と地図情報とを前記メモリ手段に読み出し、町丁目別の浸水深データを作成するステップと、(b−2)前記制御手段の命令により、前記作成された浸水深データから町丁目別の損害割合データを算出し、算出された町丁目別の損害割合データを前記ストレージ手段から前記メモリ手段に読み出された保有保険金額データに乗じて、対象河川別の予想大規模支払保険金データを算出するステップと、(b−3)前記制御手段の命令により、(b−2)の算出手段によって算出された対象河川別の予想大規模支払保険金データと、前記ストレージから前記メモリに読み出された前記対象河川別の予想大規模支払保険金データに対応する計画期間データとを用いてモンテカルロ・シミュレーションを行い、対象河川計である第2の年間保険金データを算出するステップと、(b−4)算出された第2の年間保険金データからリスクカーブを作成するステップとを含む第2のリスクカーブを作成するステップと、
    (c)前記第1及び第2のリスクカーブ作成ステップ(a)及び(b)によって作成された2つのリスクカーブを前記出力手段に表示して、2つのリスクカーブの交点よりも左側では第1のリスクカーブを採用し、2つのリスクカーブの交点よりも右側では第2のリスクカーブを採用することにより合成リスクカーブを作成し、表示手段に表示するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項2記載の方法に含まれる各ステップを前記コンピュータ・システムに実行させるコンピュータ・プログラムが記憶されているコンピュータ読取可能な記憶媒体。
  4. 請求項2記載の方法に含まれる各ステップを前記コンピュータ・システムに実行させるコンピュータ・プログラム。
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