発明の理解に資するために、上述の先の出願に関する光素子集積モジュールの構造等についての概略を、図1を参照して説明する。図1は先の出願の光素子集積モジュールを模式的に示した概略構成図である。
光素子集積モジュール200は、入力部として入射側光ファイバ203、出力部として出射側光ファイバ205、及び4逓倍部207を、支持体201に備えて構成される。4逓倍部207は、第1〜4のEAM211a〜d、第1〜3の遅延調整器241a〜c、第1〜3の入射側ハーフミラー221a〜c、及び第1〜3の出射側ハーフミラー223a〜cを備えている。
入射側光ファイバ203を経て入射された入射光(図中、矢印281で示す。)は、第1の入射側ハーフミラー221aで2分岐されて、第1及び第2の2分岐光(図中、矢印283a及び283bで示す。)となる。第1の2分岐光283aは、第2の入射側ハーフミラー221bで、さらに2分岐されて、第1及び第3の4分岐光(図中、矢印285a及び285cで示す。)となる。また、第2の2分岐光283bは、第3の入射側ハーフミラー221cで、さらに2分岐されて、第2及び第4の4分岐光(図中、矢印285b及び285dで示す。)となる。以下の説明では、入射光281の周期をT(s)とする。
第1〜4のEAM211a〜dに入力された第1〜4の4分岐光285a〜dは、それぞれ強度変調を受けて、第1〜4の変調光(図中、矢印291a〜dで示す。)を出力する。第1〜4の変調光291a〜dは、ビットインターリーブを行うために、第1〜3の遅延調整器241a〜cにより時間差が調整される。ビットインターリーブにより、ビットレートを4逓倍するとき、第3、第2、第1及び第4の変調光291c、291b、291a及び291dに対して、この順で、それぞれ、T/4(s)の時間差を与える。
時間差が調整された結果、T/2(s)の時間差が与えられた第1及び第3の変調光291a及び291cは、第1の出射側ハーフミラー223aで合波されて、第1の2逓倍光(図中、矢印293aで示す。)となる。また、時間差が調整された結果、T/2(s)の時間差が与えられた第2及び第4の変調光291b及び291dは、第2の出射側ハーフミラー223bで合波されて、第2の2逓倍光(図中、矢印293bで示す。)となる。第1の2逓倍光293a及び第2の2逓倍光293bには、T/4(s)の時間差が与えられていて、これら第1及び第2の2逓倍光293a及び293bは、第3の出射側ハーフミラー223cで合波されて、4逓倍光である出射光(図中、矢印295で示す。)となり、出射側光ファイバ205を経て出射する。
第1〜4のEAM211a〜dを、縦方向の長さがA、横方向の幅がB、及び高さがHの同一の形状及び大きさの直方体状とし、第1〜4のEAM211a〜dの光軸は、直方体の縦方向となるように設定される。第1〜4のEAM211a〜dは、第1〜4のEAM211a〜dの高さ方向が光学レベルの基準面に垂直な方向になるように、支持体201に配置される。このとき、第1〜4のEAM211a〜dの光軸は光学レベルの基準面に平行な同一平面内に含まれ、かつ、互いに平行になるように設定される。以下の説明では、第1〜4のEAM211a〜dの光軸に沿った方向(紙面に対して横方向)を第1の方向とし、第1〜4のEAM211a〜dの光軸が含まれる平面内の方向で、第1〜4のEAM211a〜dの光軸、すなわち、第1の方向に対して直角の方向(紙面に対して縦方向)を第2の方向とする。また、第1〜4のEAM211a〜dの、第2の方向の配置間隔をCとする。
第1〜4のEAM211a〜dは、第1の入射側ハーフミラー221aから第1〜4のEAM211a〜dのそれぞれまでの光路長、及び、第1〜4のEAM211a〜dのそれぞれから、第3の出射側ハーフミラー223cまでの光路長を実質的に一定とするために、第1の方向にずらして配置されている。例えば、第1のEAM211aと第2のEAM211bとは、第1の入射側ハーフミラー221aからの第2の方向についての光路長がEAMの幅BとEAMの配置間隔Cの和の分(B+C)だけ異なる。同様に、隣接するEAM同士の、第1の入射側ハーフミラー221aからの第2の方向についての光路長がB+Cずつ異なるので、第1〜4のEAM211a〜dを、第1の方向に順にB+Cずつずらして配置している。このように配置することで、第1の入射側ハーフミラー221aから第1〜4のEAM211a〜dのそれぞれの入力端までの光路長は互いに等しく、ほぼ3B+3Cとなる。
なお、第1及び第2のEAM211a及び211bへの入力、及び、第3及び第4のEAM211c及び211dからの出力の部分など、光の進行方向が変化する場所には、反射器(図示を省略する。)を備えている。
しかしながら、市場が要求する処理速度で動作する光通信装置をできるだけ、低コストで実現するために、光素子集積モジュールは、モジュールサイズがより小さく形成されることが期待されている。
そこで、この発明の目的は、その構造が簡単で、モジュールサイズがより小さく形成される、光パルス信号の逓倍を行う光通信装置を提供することにある。
また、先の出願に開示されている光パルス信号を4逓倍する光通信装置では、入射側光ファイバ203の出力端、出射側光ファイバ205の入力端、第1〜4のEAM211a〜dの入力端及び出力端の併せて10箇所に、光軸を決定する光素子端がある。このため、先の出願に開示されている光通信装置を製造する際には、例えば、第1〜4のEAM211a〜dの位置決めを行った後、入射側光ファイバ203及び出射側光ファイバ205の位置決めを行う。
しかしながら、光ファイバやEAMの入射面及び出射面に対する光軸が一定に決まらないなど、光軸を合せるのが難しいという改善可能な点がある。EAMや光ファイバの光軸が合っていないと、光素子集積モジュールでの光パルス信号の損失が増大する。
そこで、この発明の他の目的は、先の出願に開示の特徴を維持しつつ、精度良く光軸を合せることができる光通信装置を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の光素子集積モジュールは、分波部、変調部、合波部及び遅延部を備えている。
分波部は、光パルス信号を第1〜2n(nは1以上の自然数とする。)番目の2n分岐光に分波し、変調部は、第1〜2n番目の2n分岐光のそれぞれに対し強度変調を与えることにより、第1〜2n番目の変調光を生成し、また、合波部は第1〜2n番目の変調光を合波する。
遅延部は、変調部と合波部の間に設けられ、合波部で合波される第1〜2n番目の順次の変調光同士間にそれぞれT/2n(s)の時間差を生じさせる。
変調部は、第1〜2n番目の変調器を備え、第1〜2n番目の変調器がそれぞれ備える光軸が互いに平行となり、かつ、第1〜2n番目の変調器に第1〜2n番目の2n分岐光が入射する変調器の入射面が同一平面に含まれる位置に、それぞれ設定されている。また、分波部から第1〜2n番目の変調器のそれぞれまでの光路長を等しくしてある。
上述した光素子集積モジュールの実施にあたり、好ましくは、分波部から第1〜2n番目の変調器のそれぞれまでの間に第1〜2n番目の入射側光路調整部と、第1〜2n番目の変調器のそれぞれから合波部までの間に、第1〜2n番目の出射側光路調整部とを備えるのが良い。
また、この発明の光素子集積モジュールの好適実施例によれば、第1〜2n番目の入射側光路調整部及び第1〜2n番目の出射側光路調整部はそれぞれ一対の反射器を備えるのが良い。
この発明の光素子集積モジュールの他の好適実施例によれば、分波部、変調部及び合波部を備えている。
分波部は、光パルス信号を第1〜2n番目の2n分岐光に分波し、変調部は、第1〜2n番目の2n分岐光のそれぞれに対し強度変調を与えることにより、第1〜2n番目の変調光を生成し、また、合波部は、第1〜2n番目の変調光を合波する。
変調部は、第1〜2n番目の変調器を備え、第1〜2n番目の変調器がそれぞれ備える光軸が互いに平行となり、かつ、第1〜2n番目の変調器の第1〜2n番目の2n分岐光が入射する変調器の入射面が同一平面に含まれる位置に、それぞれ設定されている。
分波部から第1〜2n番目の変調器のそれぞれまでの間に、一対の反射器を備える第1〜2n番目の入射側光路調整部を備え、第1〜2n番目の変調器のそれぞれから合波部までの間に、一対の反射器を備える第1〜2n番目の出射側光路調整部を備えている。
また、分波部から第1〜2n番目の変調器のそれぞれまでの光路長が等しく、かつ、合波部で合波される第1〜2n番目の順次の変調光同士間にそれぞれT/2n(s)の時間差を生じさせるために第1〜2n番目の出射側光路調整部が備える一対の反射器の一方または双方の位置が調整可能である。
この発明の光パルス信号の逓倍を行う光素子集積モジュールによれば、変調部が備える第1〜2n番目の変調器を、各々の光軸が互いに平行となり、かつ、第1〜2n番目の変調器に第1〜2n番目の2n分岐光が入射する変調器の入射面が同一平面に含まれる位置に、それぞれ設定してあるので、その構造の簡単さを維持しつつ、モジュールサイズをより小さく形成できる。
また、分波部から第1〜2n番目の変調器のそれぞれまでの間に、第1〜2n番目の入射側光路調整部と、第1〜2n番目の変調器のそれぞれから合波部までの間に、第1〜2n番目の出射側光路調整部とを備えているので、第1〜2n番目の変調器や、入射側光ファイバ及び出射側光ファイバなどの光機能部品を、光素子集積モジュールを形成する支持体に実装した後に、光軸調整を行うことができる。このため、光ファイバやEAMの入射面及び出射面に対する光軸が一定に決まらないなど、光軸を合せるのが難しい場合でも、精度良く光軸を合せることができる。
また、第1〜2n番目の入射側光路調整部及び第1〜2n番目の出射側光路調整部を、それぞれ一対の反射器を備える構成とし、かつ、第1〜2n番目の出射側光路調整部が備える一対の反射器の一方または双方の位置を調整できる構成としてあるので、反射器の一調整を行って、第1〜2n番目の変調光同士間にそれぞれT/2n(s)の時間差を生じさせれば、別途遅延部を設ける必要が無くなる。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、構成および配置関係についてはこの発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されない。
(第1実施形態)
ここでは、ビットインターリーブにより光パルス信号を2n(nは1以上の自然数とする。)逓倍する光素子集積モジュールについて説明する。図2は、第1実施形態の光素子集積モジュールとしてnを2とした4逓倍する光素子集積モジュールを模式的に示した概略構成図である。
光素子集積モジュール100は、入力部として入射側光ファイバ103、出力部として出射側光ファイバ105、及び4逓倍部107を、支持体101に備えて構成されている。4逓倍部107は、変調部111として第1〜4の変調器111a〜d、遅延部141として第1〜3の遅延調整器141a〜c、分波部121として第1〜3の入射側ハーフミラー121a〜c、及び合波部123として第1〜3の出射側ハーフミラー123a〜cを備えている。ここで、支持体101は、例えば底板が六角形状の箱型に形成してあり、これに外部から光学部品を着脱自在に収容できる構造としてあるのが好ましい。この構成例では、支持体101の底板を定盤として、この定盤の所要光学部品を取り付ける面を光学レベルの基準面としてある。また、以下では、変調器を電界吸収型光変調器(EAM:Electro−Absorption Modulator)として説明する。なお、ここで用いる光ファイバ、EAM、及びハーフミラーは任意好適な公知のものを用いれば良く、ここでは説明を省略する。
第1〜4の変調器(EAM)111a〜dを、EAM素子が縦方向の長さがA、横方向の幅がB、及び高さがHの同一の形状及び大きさの直方体状の箱体に収められた構成とし、第1〜4のEAM111a〜dの光軸は、直方体の縦方向となるように設定される。第1〜4のEAM111a〜dは、第1〜4のEAM111a〜dの高さ方向が光学レベルの基準面に垂直な方向になるように、支持体101に配置される。このとき、第1〜4のEAM111a〜dの光軸は、光学レベルの基準面に平行な同一平面内に含まれ、かつ、互いに平行になるように、設定される。以下の説明では、第1〜4のEAM111a〜dの光軸に沿った方向(紙面に対して横方向)を第1の方向とし、第1〜4のEAM111a〜dの光軸が含まれる平面内の方向で、第1〜4のEAM111a〜dの光軸、すなわち、第1の方向に対して直角の方向(紙面に対して縦方向)を第2の方向とする。また、第1〜4のEAM111a〜dの光軸が含まれる平面を、光伝播面と称することもある。
第1実施形態の光素子集積モジュールは、第1〜4のEAM111a〜dを、それらの入射面、すなわち第1の方向の位置を揃えるように備えている。ここで、第1〜4のEAM111a〜dの、第2の方向の配置間隔をCとする。
入射側光ファイバ103は、入射側光ファイバ103を経て入射する光パルス信号である入射光(図中、矢印181で示す。)が、第1の方向に対して45度の角度の光路に沿って伝播するように、配置されている。
入射側光ファイバ103を経て入射された入射光181は、分波部121で4分岐されて第1〜4の4分岐光(図中、矢印185a〜dで示す。)となる。具体的には、入射光181は、先ず、第1の入射側ハーフミラー121aで2分岐されて、第1及び第2の2分岐光(図中、矢印183a及び183bで示す。)となる。第1の2分岐光183aは、第2の入射側ハーフミラー121bで、さらに2分岐されて、第1及び第3の4分岐光185a及び185cとなる。また、第2の2分岐光183bは、第3の入射側ハーフミラー121cで、さらに2分岐されて、第2及び第4の4分岐光185b及び185dとなる。
第1〜4の4分岐光185a〜dは、それぞれ、第1〜4のEAM111a〜dに入力される。なお、第1〜4のEAM111a〜dの入射部分には、任意好適な公知の反射器(図示を省略する。)が備えられていて、第2及び第3の入射側ハーフミラーで分岐された、第1〜4の4分岐光185a〜dが伝播する方向を、第1〜4のEAM111a〜dの光軸に沿った方向である第1の方向に変える。
第1〜4のEAM111a〜dに入力された第1〜4の4分岐光185a〜dは、それぞれ強度変調を受けて、第1〜4の変調光(図中、矢印191a〜dで示す。)となる。なお、第1〜4のEAM111a〜dの出射部分には、任意好適な公知の反射器(図示を省略する。)が備えられていて、第1〜4の変調光191a〜dが伝播する方向を、第1〜4のEAM111a〜dの光軸に沿った方向である第1の方向から、光伝播面内の方向であって、第1の方向に対して45度の方向、ここでは、第1又は第2の出射側ハーフミラー123a又は123bに向かう方向に変える。
第1〜4の変調光191a〜dは、ビットインターリーブを行うために、遅延部141で時間差が調整される。周期がT(s)の入射光181に対して、ビットインターリーブにより、ビットレートを4逓倍するとき、順次の変調光に対して、それぞれ、T/4(s)の時間差を与える。ここでは、第3の変調光191cには遅延を与えず、第1の遅延調整器141aにより、第1の変調光191aを第3の変調光191cに対してT/2(s)遅らせ、第2の遅延調整器141bにより、第2の変調光191bを第3の変調光191cに対してT/4(s)遅らせ、さらに、第3の遅延調整器141cにより、第4の変調光191dを第3の変調光191cに対して3T/4(s)遅らせる。第3の変調光191cを第1番目の変調光とし、第2の変調光191bを第2番目の変調光とし、第1の変調光191aを第3番目の変調光とし、及び、第4の変調光191dを第4番目の変調光とすると、第1〜4番目の順次の変調光同士の間にそれぞれT/4(s)の時間差が生じる。この順番については、この例に限定されるものではなく、遅延部140の構成により、任意好適に設定することができる。
時間差が調整された結果、T/2(s)の時間差が与えられた第1及び第3の変調光191a及び191cは、第1の出射側ハーフミラー123aで合波されて、第1の2逓倍光(図中、矢印193aで示す。)となる。また、時間差が調整された結果、T/2(s)の時間差が与えられた第2及び第4の変調光191b及び191dは、第2の出射側ハーフミラー123bで合波されて、第2の2逓倍光(図中、矢印193bで示す。)となる。第1の2逓倍光193a及び第2の2逓倍光193bには、T/4(s)の時間差が与えられているので、これら第1及び第2の2逓倍光193a及び193bは、第3の出射側ハーフミラー123cで合波されて、4逓倍光である出射光(図中、矢印195で示す。)となり、出射側光ファイバ105を経て出射する。
図2に示したように、光素子集積モジュールを構成すると、第1の入射側ハーフミラー121aから、第1〜4のEAM111a〜dまでのそれぞれの光路長は、互いに同一であり、およそ(3B+3C)/√2となる。また、第1〜4のEAM111a〜dから、第3の出射側ハーフミラー123cまでのそれぞれの光路長も、互いに同一であり、およそ(3B+3C)/√2である。なお、第1〜3の遅延調整器141a〜cとして、その内部での光路長を変えることで時間差を与える構成が考えられるが、ここでは、遅延調整器内での光路長の違いは考えない。
これに対し、図1に示した先の出願の構成によれば、第1の入射側ハーフミラー221aから、第1〜4のEAM211a〜dまでの光路長は、及び、第1〜4のEAM211a〜dから、第3の出射側ハーフミラー223cまでの光路長は、互いに同一で、およそ(3B+3C)である。
従って、第1実施形態の光素子集積モジュールの構成での第1の入射側ハーフミラー121aから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長は、先の出願の光素子集積モジュールの構成での光路長の約1/1.4程度になることが期待できる。なお、例えば、EAMの入射部分又は出射部分に設けられている反射器を、EAMの入射面又は出射面に備える構成とすれば、反射器とEAMとの間の光路長は0とすることができる。
また、図2に示したように、光素子集積モジュールを構成した場合、第1の入射側ハーフミラー121aから第1及び第4のEAM111a及び111dまでの光路、並びに、第1及び第4のEAM111a及び111dから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路はいずれも、長さが(3B+3C)/√2の直線である。さらに、第1の入射側ハーフミラー121aは、入射光を2分して、一方を透過させて第1の2分岐光183aとし、及び、他方を反射させて光の伝播方向を90度変換した第2の2分岐光183bとする。また、第3の出射側ハーフミラー123cは、第1の2逓倍光193aを反射させて光の伝播を90度変換し、及び、第2の2逓倍光193bを透過させることにより、第1及び第2の2逓倍光193a及び193bを合波して、4逓倍光である出力光195を生成する。従って、4逓倍部107の形状を、近似的に正方形と考えることができる。この正方形状の4逓倍部107の対角線、すなわち、第1の入射側反射ミラー121aと第3の出射側反射ミラー123cとを結ぶ直線、の長さは、A+3B+3Cであるので、4逓倍部107の面積は、(A+3B+3C)×(A+3B+3C)/2で与えられる。
これに対し、図1に示した先の出願の構成の場合、第1の入射側ハーフミラー221aは、入射光を2分して、一方を反射させて光の伝播方向を90度変換した第1の2分岐光283aとし、及び、他方を透過させて第2の2分岐光283bとする。また、第3の出射側ハーフミラー223cは、第1の2逓倍光293aを透過させ、及び、第2の2逓倍光293bを反射させて光の伝播方向を90度変換することにより、第1及び第2の2逓倍光293a及び293bを合波して、4逓倍光である出力光295とする。また、第1の入射側ハーフミラー221aから第1及び第4のEAM211a及び211bまでの光路、並びに、第1及び第4のEAM211a及び211bから第3の出射側ハーフミラー223cまでの光路は、いずれも、長さが3B+3Cの直線状である。従って、第1〜4のEAM211a〜dの光軸に沿った方向(第1の方向)の長さAを考慮すると、4逓倍部207の形状を、近似的に、縦の長さが4B+3Cであり、横の長さがA+3B+3Cである長方形と考えることができる。このとき、4逓倍部207の面積は、(A+3B+3C)×(4B+3C)である。
上述したように、第1実施形態の4逓倍部107の面積は、(A+3B+3C)×(A+3B+3C)/2であり、先の出願の4逓倍部207の面積は、(A+3B+3C)×(4B+3C)である。従って、EAMの縦方向の長さAと横方向の幅Bとが等しい場合、第1実施形態の構成における4逓倍部107の面積は、先の出願の構成における4逓倍部207の面積の50%となる。このように、光素子集積モジュールの面積は、従来の構成に比べて、半分程度にすることが可能となる。
ここでは、ビットインターリーブにより光パルス信号を4逓倍する光素子集積モジュールについて説明したが、第1実施形態の構成は、光パルス信号を2n逓倍する光素子集積モジュールについても適用できる。図3を参照して光パルス信号を2n逓倍する光素子集積モジュールについて説明する。
光パルス信号を2n逓倍する光素子集積モジュールでは、分波部120を例えば2n−1個の入射側ハーフミラーを備える構成として、光パルス信号である入力光(図中、矢印180で示す。)を第1〜2nの2n分岐光(図中、矢印186−1〜186−2nで示す。)に分波する。変調部110は、第1〜2nのEAM110−1〜110−2nがそれぞれ備える光軸が互いに平行となり、かつ、第1〜2nのEAM110−1〜110−2nに第1〜2nの2n分岐光が入射する入射面の位置を揃えるように配置している。
合波部122は、例えば2n−1個の出射側ハーフミラーを備えて、第1〜2nの変調光186−1〜186−2nを合波する構成とすればよい。変調部110と合波部122の間には、遅延部140として、1又は2以上の任意好適な公知の遅延調整器を設けて、第1〜2nの変調光186−1〜186−2nの、第1〜2n番目の順次の変調光同士の間に、それぞれT/2n(s)の時間差を生じさせる。
図4を参照して、第1実施形態の光素子集積モジュールの実装例について説明する。図4は、第1実施形態の光素子集積モジュールの実装図の一例を示している。ここで、図2を参照して説明した構成部品については、同じ符号で示している。
第1のEAM111a及び第2のEAM111bは、第1のEAM固定板115a上に固定され、さらに、第1のEAM固定板115aは、支持体101に固定される。第1のEAM111aの入射側には、第1の入射側反射器131aが備えられていて、この第1の入射側反射器131aによって、第2の入射側ハーフミラー121bから出射した光の伝播方向を変えて、第1のEAM111aに入射させる。また、第1のEAM111aの出射側には、第1の出射側反射器133aが備えられていて、この第1の出射側反射器133aによって、第1のEAM111aから出射した光の伝播方向を変えて、第1の遅延調整器141aを経て、第1の出射側ハーフミラー123aに入射させる。第2のEAM111bの入射側には、第2の入射側反射器131bが備えられていて、この第2の入射側反射器131bによって、第3の入射側ハーフミラー121cから出射した光の伝播方向を変えて、第2のEAM111bに入射させる。また、第2のEAM111bの出射側には、第2の出射側反射器133bが備えられていて、この第2の出射側反射器133bによって、第2のEAM111bから出射した光の伝播方向を変えて、第2の遅延調整器141bを経て、第2の出射側ハーフミラー123bに入射させる。
第3のEAM111c及び第4のEAM111dは、第2のEAM固定板115b上に固定され、さらに、第2のEAM固定板115bは、支持体101に固定される。第3のEAM111cの入射側には、第3の入射側反射器131cが備えられていて、この第3の入射側反射器131cによって、第2の入射側ハーフミラー121bから出射した光の伝播方向を変えて、第3のEAM111cに入射させる。また、第3のEAM111cの出射側には、第3の出射側反射器133cが備えられていて、この第3の出射側反射器133cによって、第3のEAM111cから出射した光の光路を変えて、第1の出射側ハーフミラー123aに入射させる。第4のEAM111dの入射側には、第4の入射側反射器131dが備えられていて、この第4の入射側反射器131dによって、第3の入射側ハーフミラー121cから出射した光の光路を変えて、第4のEAM111dに入射させる。また、第4のEAM111dの出射側には、第4の出射側反射器133dが備えられていて、この第4の出射側反射器133dによって、第4のEAM111dから出射した光の光路を変えて、第3の遅延調整器141cを経て、第2の出射側ハーフミラー123bに入射させる。
第1〜4のEAM111a〜dの長さAを24mm、幅Bを12mmとし、及び、隣り合うEAMの第2の方向の配置間隔Cを3mmとする。第1〜3の入射側ハーフミラー121a〜c、第1〜3の出射側ハーフミラー、第1〜4の入射側反射器131a〜d、及び、第1〜4の出射側反射器133a〜dが、支持板101上で占める部分は、一辺が5mmの正方形状とする。なお、ハーフミラー及び反射器は、光路長に対して、実質的には影響しない。第1〜3の遅延調整器141a〜cは、光軸に沿った長さを8mmとし、及び、幅を5mmとするが、ハーフミラー及び反射器と同様に、光路長に対して、実質的には影響しない。
上述した素子を用いた場合、第1の入射側ハーフミラー121aから第1〜第4のEAM111a〜111dのそれぞれまでの光路、及び、第1〜第4のEAM111a〜111dのそれぞれから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路の長さは、約32mmとなる。また、このときの光素子集積モジュールの面積は約3800mm2となる。
図5を参照して、先の出願の光素子集積モジュールの実装例について説明する。図5は、先の出願の光素子集積モジュールの実装図の一例を示している。ここで、図1を参照して説明した構成部品については、同じ符号で示している。
第1のEAM211a及び第2のEAM211bは、第1のEAM固定板215a上に固定され、さらに、第1のEAM固定板215aは、支持体201に固定される。第1のEAM211aの入射側には、第1の入射側反射器231aが備えられていて、この第1の入射側反射器231aによって、第2の入射側ハーフミラー221bから出射した光の伝播方向を変えて、第1のEAM211aに入射させる。第1のEAM211aから出射した第1の変調光(図1では符号291aで示す)は、第1の遅延調整器241aを経て、第1の出射側ハーフミラー223aに入射する。また、第2のEAM211bの入射側には、第2の入射側反射器231bが備えられていて、この第2の入射側反射器231bによって、第3の入射側ハーフミラー221cから出射した光の伝播方向を変えて、第2のEAM211bに入射させる。また、第2のEAM211bから出射した第2の変調光(図1では符号291bで示す)は、第2の遅延調整器241bを経て、第2の出射側ハーフミラー223bに入射する。
第3のEAM211c及び第4のEAM211dは、第2のEAM固定板215b上に固定され、さらに、第2のEAM固定板215bは、支持体201に固定される。第3のEAM211cの出射側には、第1の出射側反射器233aが備えられていて、この第1の出射側反射器233aによって、第3のEAM211cから出射した光の伝播方向を変えて、第1の出射側ハーフミラー223aに入射させる。また、第4のEAM211dの出射側には、第2の出射側反射器233bが備えられていて、この第2の出射側反射器233bによって、第4のEAM211dから出射した光の伝播方向を変えて、第3の遅延調整器241cを経て、第2の出射側ハーフミラー223bに入射させる。
図4を参照して説明した第1実施形態と同様に第1〜4のEAM211a〜dの長さAを24mm、幅Bを12mmとし、及び、隣り合うEAMの第2の方向の配置間隔Cを3mmとする。第1〜3の入射側ハーフミラー221a〜c、第1〜3の出射側ハーフミラー223a〜c、第1及び第2の入射側反射器231a及び231b、及び、第1及び第2の出射側反射器233a及び233bが、支持板201上で占める部分は、一辺が5mmの正方形状とする。なお、ハーフミラー及び反射器は、光路長に対して、実質的には影響しない。第1〜3の遅延調整器241a〜cは、光軸に沿った長さを8mmとし、及び、幅を5mmとするが、ハーフミラー及び反射器と同様に、光路長に対して、実質的には影響しない。
上述した素子を用いた場合、第1の入射側ハーフミラー221aから第1〜4のEAM211a〜dのそれぞれまでの光路、並びに、第1〜4のEAM211a〜dのそれぞれから第3の出射側ハーフミラー223cまでの光路の長さは、約45mmとなる。また、このときの光素子集積モジュールの面積は約5700mm2となる。
光路の長さについては、先の出願の45mmに対して、第1実施形態ではおよそ1/1.4の32mmであり、期待通りの結果が得られている。これに対し、光素子集積モジュールの面積については、先の出願の5700mm2に対して、第1実施形態ではおよそ1/1.5の3800mm2であり、1/2の小型化までには至っていない。これは、EAMの長さAが24mmであって、EAMの幅Bの12mmよりも大きいこと、また、図1及び図2を参照して説明した概略では、4逓倍部として、EAMやハーフミラーなどの光機能素子が内包された状態を想定していることによる。
ここでは、4逓倍の光時分割多重装置について説明しているが、8逓倍、16逓倍と、逓倍数を増やしていけば、EAMの長さAや、光機能素子の逓倍部に含まれない部分などの寄与が相対的に小さくなり、先の出願の面積に対して、1/2に近づくと想定される。
(第2実施形態)
図6を参照して、第2実施形態の光素子集積モジュールについて説明する。図6は第2実施形態の光素子集積モジュールの実装図の一例である。
第2実施形態の光素子集積モジュールは、第1実施形態の光素子集積モジュールに対して、第1〜4の入射側光軸調整用反射器135a〜135d及び第1〜4の出射側光軸調整用反射器137a〜137dを備えていて、かつ、第1〜3の遅延調整器141a〜cを備えない点が異なる。
第1の入射側光軸調整用反射器135aは、第2の入射側ハーフミラー121bと第1の入射側反射器132aの間に設けられている。第2の入射側光軸調整用反射器135bは、第3の入射側ハーフミラー121cと第2の入射側反射器132bの間に設けられている。第3の入射側光軸調整用反射器135cは、第2の入射側ハーフミラー121bと第3の入射側反射器132cの間に設けられている。さらに、第4の入射側光軸調整用反射器135dは、第3の入射側ハーフミラー121cと第4の入射側反射器132dの間に設けられている。
第1の出射側光軸調整用反射器137aは、第1の出射側反射器134aと第1の出射側ハーフミラー123aの間に設けられている。第2の出射側光軸調整用反射器137bは、第2の出射側反射器134bと第2の出射側ハーフミラー123bの間に設けられている。第3の出射側光軸調整用反射器137cは、第3の出射側反射器134cと第1の出射側ハーフミラー123aの間に設けられている。さらに、第4の出射側光軸調整用反射器137dは、第4の出射側反射器134dと第2の出射側ハーフミラー123bの間に設けられている。
第1〜4の入射側反射器132a〜d及び第1〜4の入射側光軸調整用反射器135a〜dは、反射面が回転可能であって、光路に対する反射面の傾きを調整できる。反射面の回転機構は、従来公知の任意好適な手法で構成することができる。第2の入射側ハーフミラー121bを透過した光の伝播方向は、第1の入射側光軸調整用反射器135aの反射面の回転により、光路に対する反射面の傾きが調整され、第1の入射側反射器132aの反射面へ向かう光路へと変えられる。第1の入射側光軸調整用反射器135aで反射した光の光路は、第1の入射側反射器132aの反射面の回転により、光路に対する反射面の傾きが調整され、第1のEAM111aの入射側の光軸に一致する光路へ変えられる。同様に、第3の入射側ハーフミラー121cで反射した光の光路は、第2の入射側光軸調整用反射器135b及び第2の入射側反射器132bの反射面の回転により、第2のEAM111bの入射側の光軸に一致する光路へ変えられ、第2の入射側ハーフミラー121bで反射した光の光軸は、第3の入射側光軸調整用反射器135c及び第3の入射側反射器132cの反射面の回転により、第3のEAM111cの入射側の光軸に一致する光路へ変えられ、さらに、第3の入射側ハーフミラー121cを透過した光の光路は、第4の入射側光軸調整用反射器135d及び第4の入射側反射器132dの反射面の回転により、第4のEAM111dの入射側の光軸に一致する光路へ変えられる。第1の入射側光軸調整用反射器135aと第1の入射側反射器132aとで、第1の入射側光路変換部143aを構成し、第2の入射側光軸調整用反射器135bと第2の入射側反射器132bとで、第2の入射側光路変換部143bを構成し、第3の入射側光軸調整用反射器135cと第3の入射側反射器132cとで、第3の入射側光路変換部143cを構成し、さらに、第4の入射側光軸調整用反射器135dと第4の入射側反射器132dとで、第4の入射側光路変換部143dを構成する。
第1〜4の出射側反射器134a〜d及び第1〜4の出射側光軸調整用反射器137a〜dは、反射面が回転可能であって、光路に対する反射面の傾きを調整できる。反射面の回転機構は、従来公知の任意好適な手法で構成することができる。第1のEAM111aから出射した光の光路は、第1の出射側反射器134aの反射面の回転により、光路に対する反射面の傾きが調整され、第1の出射側光軸調整用反射器137aの反射面へ向かう光路へと変えられる。第1の出射側反射器134aで反射した光の光路は、第1の出射側光軸調整用反射器137aの反射面の回転により、光路に対する反射面の傾きが調整され、第2の出射側光ファイバ105bの入射側の光軸に一致する光路へ変えられる。同様に、第2のEAM111bから出射した光の光路は、第2の出射側光軸調整用反射器137b及び第2の出射側反射器134bの反射面の回転により、第4の出射側光ファイバ105dの入射側の光軸に一致する光路へ変えられ、第3のEAM111cから出射した光の伝播方向は、第3の出射側光軸調整用反射器137c及び第3の出射側反射器134cの反射面の回転により、第3の出射側光ファイバ105cの入射側の光軸に一致する光路へ変えられ、さらに、第4のEAM111dから出射した光の光路は、第4の出射側光軸調整用反射器137d及び第4の出射側反射器134dの反射面の回転により、第1の出射側光ファイバ105aの入射側の光軸に一致する光路へ変えられる。第1の出射側光軸調整用反射器137aと第1の出射側反射器134aとで、第1の出射側光路変換部145aを構成し、第2の出射側光軸調整用反射器137bと第2の出射側反射器134bとで、第2の出射側光路変換部145bを構成し、第3の出射側光軸調整用反射器137cと第3の出射側反射器134cとで、第3の出射側光路変換部145cを構成し、さらに、第4の出射側光軸調整用反射器137dと第4の出射側反射器134dとで、第4の出射側光路変換部145dを構成する。
ここで、第1〜4の出射側反射器134a〜dは、第1〜4のEAM111a〜dの出射側の光軸上を移動できる構成となっている。この第1〜4の出射側反射器134a〜dの移動機構は、従来公知の任意好適な手法で構成することができる。第1〜4の出射側反射器134a〜dを、第1〜4のEAM111a〜dの出射側の光軸上を移動させることで、第1〜4のEAM111a〜dの出射端から、第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長を変化させることができる。第1〜4の出射側反射器134a〜dの移動できる範囲は、光時分割多重装置の設定に応じて決められる。例として、40Gbit/sの光信号を4逓倍して、160Gbit/sの光信号を得る場合について説明する。40Gbit/sの光信号は、空間中で、約7.5mm間隔で光強度のピークを有しているので、ビットインターリーブで4逓倍すると、第1の変調光191aと第4の変調光191dとでは、7.5mm×3/4=5.6mmだけ、離れた位置にピークが存在する。従って、第1〜4の出射側反射器134a〜dの移動できる範囲は、第1〜4のEAM111a〜dの出射端から、第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長に6mm程度の差が与えられるように設定すれば良い。
一般に、EAM及び光ファイバの入出力端の光軸は、一定に定まらない。このため、光素子集積モジュールの実装にあたり、入射側光ファイバを経て入射して、出射側光ファイバを経て出射される光が、最も結合効率の良い光路を伝播するように、光学部品を実装することが難しい。
これに対し、第2実施形態の光素子集積モジュールでは、第1〜4のEAM111a〜111dのそれぞれの入射側に、第1〜4の入射側光路変換部143a〜dを備え、また、第1〜4のEAM111a〜111dのそれぞれの出射側に、第1〜4出射側光路変換部145a〜dを備えている。従って、入射側光ファイバ103、第1〜4のEAM111a〜d、及び、第1〜4の出射側光ファイバ105a〜dを支持体101に固定した後に、光素子集積モジュール内を伝播する光の光路が最も結合効率の良い光路となるように、光軸合わせが可能となる。
さらに、第2実施形態の光素子集積モジュールでは、第1〜4の出射側反射器134a〜134dを、第1〜4のEAM111a〜111dの出射側の光軸に沿って移動することで、光路長差を与えられる。従って、第1実施形態の光素子集積モジュールが備える第1〜3の遅延調整器141a〜cが不要となる。
ここでは、ビットインターリーブにより光パルス信号を4逓倍する光素子集積モジュールについて説明したが、第2実施形態の構成は、第1実施形態と同様に光パルス信号を2n逓倍する光素子集積モジュールについても適用できる。
また、第2実施形態の光素子集積モジュールは、出力端子として第1〜4の出射側光ファイバ105a、105b、105c及び105dの4つの光ファイバを備えている。
ここでは、第1の出射側ハーフミラー123aを透過した第1の変調光191aと第1の出射側ハーフミラー123aで反射した第3の変調光191cとが合波されて、第1の2逓倍光193aとなる。また、第2の出射側ハーフミラー123bで反射した第2の変調光191bと第2の出射側ハーフミラー123bを透過した第4の変調光191dとが合波されて、第2の2逓倍光193bとなる。第3の出射側ハーフミラー123cで反射した第1の2逓倍光193aと第3の出射側ハーフミラー123cを透過した第2の2逓倍光193bとが合波されて、4逓倍光195aとなり、第1の出射側光ファイバ105aから出力光として出射される。また、第3の出射側ハーフミラー123cを透過した第1の2逓倍光193aと第3の出射側ハーフミラー123cで反射した第2の2逓倍光193bとが合波された光信号195bが、第2の出射側光ファイバ105bから出射され、第1の出射側ハーフミラー123aで反射された第1の変調光191aと第1の出射側ハーフミラー123aを透過した第3の変調光191cとが合波された光信号195cが、第3の出射側光ファイバ105cから出射され、さらに、第2の出射側ハーフミラー123bを透過した第2の変調光191bと第2の出射側ハーフミラー123bで反射した第4の変調光191dとが合波された光信号195dが、第4の出射側光ファイバ105dから出射される。第1の出射側光ファイバ105aから4逓倍光195aを出射光として出射してOTDM通信を行いながら、第2〜4の出射側光ファイバ105b〜105dから出射される光信号195b〜195dをモニタできるので、第1〜4のEAM111a〜111dの調整を行いながら、光時分割多重装置である光素子集積モジュールを働かせることができる。
(第3実施形態)
図7を参照して、第3実施形態の光素子集積モジュールについて説明する。図6は第3実施形態の光素子集積モジュールの実装図の一例である。
図6を参照して説明した第2実施形態の光素子集積モジュールでは、第1の入射側ハーフミラー121aと第1〜4のEAM111a〜111dのそれぞれとの間の光路長を等しくするために、及び、第1〜4のEAM111a〜111dのそれぞれと第3の出射側ハーフミラー123cとの間の光路長を等しくするために、第1の入射側ハーフミラー121a及び第3の出射側ハーフミラー123cは、中心線上に設けられている。ここで、中心線は、第1〜4のEAM111a〜111dの光軸に平行な仮想線であり、中心線から第1のEAM111a及び第4のEAM111dのそれぞれまでの距離が互いに等しく、かつ、中心線から第2のEAM111b及び第3のEAM111cのそれぞれまでの距離が互いに等しくなるように定められている。ビットインターリーブを行うための時間差は、第1〜4の出射側反射器134a〜134dを移動することで得られる光路差により与えられる。
これに対し、第3実施形態では、第1の入射側ハーフミラー121a及び第2の入射側ハーフミラー121b間の光路長、並びに、第1の入射側ハーフミラー121a及び第3の入射側ハーフミラー121c間の光路長を等しくLとする。第2の入射側ハーフミラー121b及び第1の入射側光軸調整用反射器135a間の光路長、第3の入射側ハーフミラー121c及び第2の入射側光軸調整用反射器135b間の光路長、第2の入射側ハーフミラー121b及び第3の入射側光軸調整用反射器135c間の光路長、並びに、第3の入射側ハーフミラー121c及び第4の入射側光軸調整用反射器135d間の光路長を全て等しくMとする。出射側も入射側と同様に、第1の出射側光軸調整用反射器137a及び第1の出射側ハーフミラー123a間の光路長、第2の出射側光軸調整用反射器137b及び第2の出射側ハーフミラー123b間の光路長、第3の出射側光軸調整用反射器137c及び第1の出射側ハーフミラー123a間の光路長、並びに、第4の出射側光軸調整用反射器137d及び第2の出射側ハーフミラー123b間の光路長を全て等しくMとする。また、第1の出射側ハーフミラー123a及び第3の出射側ハーフミラー123c間の光路長、並びに、第2の出射側ハーフミラー123b及び第3の出射側ハーフミラー123c間の光路長を等しくLとする。このとき、第1〜4のEAM111a〜111dのそれぞれの出射面から、第1〜4の出射側光軸調整用反射器137a〜137dのそれぞれまでの光路長をPとする。このとき、第1〜4のEAM111a〜111dのそれぞれの出射面から第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長はP+L+Mになる。
この状態で、第1〜3の出射側ハーフミラー123a〜cを中心線に対して直角方向にNだけずらすと、第1の出射側反射器134a及び第1の出射側光軸調整用反射器137a間の光路長、並びに、第2の出射側反射器134b及び第2の出射側光軸調整用反射器137b間の光路長はNだけ長くなる。一方、第3の出射側反射器134c及び第3の出射側光軸調整用反射器137c間の光路長、並びに、第4の出射側反射器134d及び第4の出射側光軸調整用反射器137d間の光路長はNだけ短くなる。従って、第1のEAM111a及び第2のEAM111bから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長はP+L+M+Nとなり、第3のEAM111c及び第4のEAM111dから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長はP+L+M―Nとなる。また、第1の出射側反射器134aを、第1のEAM111aの出射側の光軸に沿って動かし、光路長をQだけ長くする。同様に、第3の出射側反射器134cを、第3のEAM111cの出射側の光軸に沿って動かし、光路長をQだけ長くする。このとき、第1のEAM111aから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長はP+L+M+N+Qとなり、第2のEAM111bから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長はP+L+M+Nとなり、第3のEAM111cから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長はP+L+M−N+Qとなり、及び、第4のEAM111dから第3の出射側ハーフミラー123cまでの光路長はP+L+M―Nとなる。
従って、N及びQを、T/4(s)の時間差を与える光路長差を与える大きさにすると、第1番目の変調光である第4の変調光191d、第2番目の変調光である第3変調光191c、第3番目の変調光である第2変調光191b、及び、第4番目の変調光である第1変調光191aは、この順に、T/4(s)の時間差となる。
40Gbit/sを4逓倍して、160Gbit/sの光時分割多重信号とする場合、T/4(s)の時間差を与える光路長差は約1.875mmであるので、Nを1.875mmとし、第2及び第4の出射側反射器134b及び134dを1.875mmの光路長差を与えるように動かせば良い。
このように構成することで、第1〜4の出射側反射器の稼動範囲は2mm程度となるので、稼動範囲が6mm程度必要である第2実施形態に比べて、さらに、モジュールサイズが低減される。
ここでは、ビットインターリーブにより光パルス信号を4逓倍する光素子集積モジュールについて説明したが、第3実施形態の構成は、第1実施形態と同様に光パルス信号を2n逓倍する光素子集積モジュールについても適用できる。