JP2006095410A - 液滴吐出装置の駆動方法、液滴吐出装置、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

液滴吐出装置の駆動方法、液滴吐出装置、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 液滴吐出装置を用いて基板上にインクを吐出し、ワイピング操作やフラッシング操作等の吐出回復操作を暫時行わない場合でも、インクの吐出不良及び吐出位置のズレを防止した、液滴吐出装置の駆動方法、液滴吐出装置、電気光学装置、及び電子機器を提供する。
【解決手段】 液状体を吐出するためのノズルを備えた液滴吐出ヘッドに、駆動波形VFを印加することによって液状体を吐出させる液滴吐出装置の駆動方法において、液滴吐出ヘッドから液状体を吐出させない間に、ノズルから液状体を吐出させることなく押し出させ、かつその状態から引き込ませる強さの駆動波形VFを液滴吐出ヘッドに印加する。そして、ノズルの周辺部に付着した液状体を回収する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、液滴吐出装置の駆動方法、液滴吐出装置、電気光学装置、及び電子機器に関する。
液滴吐出装置として用いられているインクジェットプリンタは、圧電素子によりインクに対し瞬間的に圧力を掛け、ノズル開口からインクを液滴として記録媒体に飛翔させてドットを形成するように構成されている。
このようなインクジェットプリンタでインクを吐出すると、液滴が分裂した際に発生する微小な液滴(ミスト)がノズル開口の周辺部に付着し、やがて液滴に成長する。すると、インクを吐出する場合に吐出されたインクがこの液滴に引き寄せられて、飛行曲がりが起きることにより吐出精度が低下したり、ノズルの詰まりなどによる吐出不良が起こる問題があった。
このため、通常、一定時間連続してインクの吐出を行った際には、インクの吐出動作を一時中断させ、インクジェットヘッドの吐出面にキャッピングを行い、負圧にすることでインクを強制的に吐出させる吐出回復操作が行われている。そして、より一層の完全を期するために、液滴吐出ヘッドの吐出面を弾性板片により擦過して物理的に塵埃を払拭するワイピング操作や、この操作により破壊されたメニスカスを回復させるための空吐出、いわゆるフラッシング操作などを組み合わせる吐出回復操作によりノズル開口を正常な状態に保つことで、インクの吐出不良防止がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−169668号公報
ところで、例えば大型の基板にインク(液状体)を吐出する場合、インクを吐出している間は前述したようなワイピング操作や、フラッシング操作等の吐出回復操作を行うことができず、基板へのインク吐出工程の途中で前述した液滴による吐出不良やインクの吐出精度の低下が起こる可能性がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、液滴吐出装置を用いて基板上にインクを吐出し、ワイピング操作やフラッシング操作等の吐出回復操作を暫時行わない場合でも、インクの吐出不良及び吐出位置のズレを防止した、液滴吐出装置の駆動方法、液滴吐出装置、電気光学装置、及び電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出装置の駆動方法では、液状体を吐出するためのノズルを備えた液滴吐出ヘッドに、駆動波形を印加することによって液状体を吐出させる液滴吐出装置の駆動方法において、前記液滴吐出ヘッドから液状体を吐出させない間に、前記ノズルから液状体を吐出させることなく押し出させ、かつその状態から引き込ませる強さの駆動波形を液滴吐出ヘッドに印加し、前記ノズルの周辺部に付着した液状体を回収することを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置の駆動方法によれば、印加された駆動波形によりノズルから押し出された液状体が、ノズル周りに付着した液状体を引き寄せる。そして、ノズルから押し出された液状体が吐出されることなく液滴吐出ヘッド内に引き込まれるので、前記ノズル周りに付着した液状体を液滴吐出ヘッド内に同伴し、回収するようになる。よって、ノズル周りに付着した液状体を除去することでノズルの詰まりや液状体の吐出精度の低下を防止して、液状体の吐出信頼性を向上することができる。
また、例えば、大型の基板上に液状体を吐出する場合には、液滴吐出ヘッドが基板の端まで到達しないと、ワイピング操作やフラッシング操作等の吐出回復操作によってノズル周りに付着した液状体を除去することができないが、本発明を採用すれば、前記液滴吐出ヘッドが液状体を吐出しない間に、前記ノズル部の周辺に付着した液状体を回収することで、ノズルの詰まりや液状体の吐出精度を向上できる。
また、前記液滴吐出ヘッドから液状体を吐出させない間に、前記ノズルから液状体を押し出させ、かつその状態から引き込ませる処理を連続的に複数回行うことが好ましい。
このようにすれば、ノズル周辺に付着した液状体を確実に回収することができる。
また、前記駆動波形の高さを漸増させることが好ましい。
このようにすれば、液滴吐出ヘッドに印加する駆動波形の高さの増加とともに、前記ノズルから押し出される液状体の量が増加し、ノズル周りに拡がる面積が大きくなる。よって、押し出す液状体の量を漸増させることで、ノズルの周辺部に付着した液状体を近いものから順に遠いものまで確実に回収することができる。
また、前記駆動波形は、前記キャビティの固有振動周期の整数倍であることが好ましい。
このようにすれば、前記駆動波形を印加した際に、キャビティの固有振動数に同期することで駆動波形に乱れが生じることがなく、したがってメニスカスを緩やかに戻すことで、次の吐出を安定化することができる。
本発明の液滴吐出装置では、液状体を吐出するためのノズルを備えた液滴吐出ヘッドに、駆動波形を印加することによって液状体を吐出させる液滴吐出装置において、
前記ノズルから液状体を吐出することなく押し出し、かつその状態から引き込み、前記ノズルの周辺部に付着した液状体を回収する駆動波形を、前記液滴吐出ヘッドに印加する制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドから液状体を吐出しない間に制御手段が印加した駆動波形によって、ノズルから液状体を押し出し、このノズルから液状体を吐出することなく液滴吐出ヘッド内に引き込むようになる。よって、ノズルから押し出された液状体が液滴吐出ヘッド内に引き込まれる時に、ノズル周りに付着した液状体も一緒に液滴吐出ヘッド内に回収できる。
したがって、例えばノズル周りに付着した液状体を回収することでノズルの詰まりや液状体の吐出精度の低下を防止でき、信頼性の高い液状体の吐出を行うことができる。
本発明の電気光学装置では、前記液滴吐出装置によって製造されたことを特徴としている。
このような電気光学装置によれば、ノズルの詰まりや、吐出精度の低下を防止した液滴吐出装置により製造されるので、信頼性が高いものとなる。
本発明の電子機器では、前記電気光学装置を備えたことを特徴としている。
このような電子機器によれば、信頼性の高い電気光学装置を備えているので、電子機器も信頼性が高いものとなる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の液滴吐出装置の一例を示す図であり、図1において符号30は液滴吐出装置である。この液滴吐出装置30は、ベース31、基板移動手段32、ヘッド移動手段33、液滴吐出ヘッド34、液供給手段35、前記液滴吐出ヘッドを制御するための制御装置(制御手段)40等を有して構成されたものである。ベース31は、その上に前記基板移動手段32、ヘッド移動手段33を設置したものである。
基板移動手段32は、ベース31上に設けられたもので、Y軸方向に沿って配置されたガイドレール36を有したものである。この基板移動手段32は、例えばリニアモータ(図示せず)により、スライダ37をガイドレール36に沿って移動させるよう構成されたものである。
スライダ37上にはステージ39が固定されている。よって、基板移動手段32がステージ39の移動軸となる。このステージ39は、基板Sを位置決めし保持するためのものである。すなわち、このステージ39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Sをステージ39の上に吸着保持するようになっている。基板Sは、例えばステージ39の位置決めピン(図示せず)により、ステージ39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。
前記ヘッド移動手段33は、ベース31の後部側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架台33a、33a上に設けられた走行路33bとを備えてなるもので、該走行路33bをX軸方向、すなわち前記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿って配置したものである。走行路33bは、架台33a、33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを有して形成されたもので、ガイドレール33d、33dの長さ方向に液滴吐出ヘッド34を搭載するキャリッジ42を移動可能に保持したものである。キャリッジ42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール33d、33d上を走行し、これにより液滴吐出ヘッド34をX軸方向に移動させるよう構成されたものである。
ここで、このキャリッジ42は、ガイドレール33d、33dの長さ方向、すなわちX軸方向に例えば1μm単位で移動が可能になっており、このような移動は制御装置40によって制御されるようになっている。液滴吐出ヘッド34は、前記キャリッジ42に取付部43を介して回動可能に取り付けられたものである。取付部43にはモータ44が設けられており、液滴吐出ヘッド34はその支持軸(図示せず)がモータ44に連結している。このような構成のもとに、液滴吐出ヘッド34はその周方向に回動可能となっている。また、モータ44も前記制御装置40に接続されており、これによって液滴吐出ヘッド34はその周方向への回動も、制御装置40によって制御されるようになっている。なお、前記制御装置40は、後述するように予め設定された駆動波形を液滴吐出ヘッド34に印加することにより、液滴吐出ヘッド34の吐出や本発明における液状体の回収を制御するようになっている。
図2(a)、(b)は、前記液滴吐出装置30が備えた液滴吐出ヘッド34の概略構成を説明するための図である。前記液滴吐出ヘッド34は、図2(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
各キャビティ15とリザーバ16は、その内部に液状体を満たしてこれを収容するようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を吐出するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。ノズル18は、前記キャビティ15の側がテーパ形状になっており、キャビティ15側に行くに連れて漸次拡径したものとなっている。また、キャビティ15と反対の側の開口は、液状体を吐出するためのノズル開口9となっている。ここで、ノズルプレート12には、そのノズル開口9を形成した面に撥液膜10が形成されており、この撥液膜10は、ノズル18の内壁面の、前記ノズル開口9の近傍部にまで回り込んで形成されたものとなっている。
一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19には液供給手段35が接続されるようになっている。また、前記液供給手段35は、液状体を充填したタンク45と、このタンク45から液状体を供給するためのチューブ46とからなっていて、前記チューブ46が前記孔19に接続している。
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、液滴吐出ヘッド34において吐出手段として機能するもので、一対の電極21、21間に挟持され、液滴吐出装置30が備えている制御装置40によって外側に突出するようにして撓ませるように構成されたものである。
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20が撓曲すると、これと一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18のノズル開口9から液状体が液滴22となって吐出される。
次に、前記液滴吐出装置30の駆動方法について説明する。
始めに、液滴吐出装置30の液滴吐出ヘッド34から液滴22を吐出する場合について説明する。
液滴吐出装置30に設けられている制御装置40から圧電素子20に図3に示すような駆動波形VWが印加される。この駆動波形VWの高さは、印加電圧(電圧)Vhの大きさを示していてこの印加電圧Vhが印加されることで前記圧電素子20が撓曲する。図3中の(A)は、駆動波形VW(a)の状態を示しており、前記圧電素子20が図中矢印P方向に撓曲することで、キャビティ15内の容積を増加し、これによって所定量の液状体を引き込む(引き込み工程)。そして、液状体を前記キャビティ15内に引き込んだ後、その状態を保持する。その後、図3中の(B)に示すように、駆動波形VW(b)により図中矢印P´方向に圧電素子20の撓曲した状態を開放することで、キャビティ15内を加圧し、これによってノズル18から液滴22を吐出する(吐出工程)。そして、図3中の(C)に示すように、駆動波形VW(c)により吐出に伴うキャビティ15内の振動を抑制する(振動抑制工程)。即ち、入力された駆動波形VWに応じた吐出量の液状体が吐出される。このような駆動波形VWの形状は制御装置40内に保持されていて所望の波形に変更するようになっている。例えば、電圧値Vhの大小や、駆動波形VWの周波数の高低の形状等を変更できる。
また、液滴吐出ヘッド34には、圧電素子20及びノズル18が、それぞれ複数設けられているので、各圧電素子20に対して駆動波形を印加することにより、各ノズルからそれぞれ液滴22を吐出させることができるようになっている。
また、本発明の液滴吐出装置30の駆動方法においては、液滴吐出ヘッド34のノズル18から液状体を吐出しない間に、このノズル18から液状体が吐出しない程度の波形を、前記制御装置40によって液滴吐出ヘッド34に印加するようにしている。具体的には、図4に示すように液状体を吐出するための吐出波形aを印加した後に、振動波形bを液滴吐出ヘッド34に印加している。なお、これら吐出波形aと振動波形bとからなる駆動波形VW1では、振動波形bとして後述するサイクルからなる波形を一つ印加しているが、後述するようにこのような波形を連続的に複数回印加するようにしてもよい。
前記吐出波形aは、図3(a)〜(c)を用いて説明した駆動波形VWと同様に引き込み工程と、吐出工程と、振動抑制工程とを備えている。前記吐出波形aは、3.5μ秒の時間に所望の印加電圧値まで一定勾配で立ち上がる立上り部h1(引き込み工程)と、印加電圧値を一定時間2.0μ秒の時間維持する平坦部h2と、3.5μ秒の時間に一定勾配で印加電圧を降下させる降下部h3(吐出工程)と、この降下した印加電圧値を3.5μ秒の時間保持する平坦部h4と、そして再び初期の印加電圧値まで3.5μ秒の時間に一定勾配で立ち上がる立上り部h5(振動抑制工程)と、から形成されている。
前記振動波形bは、h6=2.0μ秒後に、前述した吐出波形aと同様に、所望の印加電圧値まで一定勾配で立ち上がる立上り部h7(引込み工程)と、印加電圧値を維持する平坦部h8と、印加電圧から一定の勾配で降下する降下部h9(押出し部)と、からなるサイクルの波形によって形成されている。
ところで、本実施形態においては、キャビティ15の固有振動数=7.0μ秒、圧電素子20(ピエゾ)の固有振動周期Ta=3.5の液滴吐出ヘッド34を用いた。なお、前記立上り部h7と前記降下部h9の時間は、前記キャビティ15の固有振動周波数の整数倍に設定しており、h7=h9=7.0μ秒としている。よって、液状体の引き込み、押し出し時に生じるメニスカスの振動をキャビティ15の固有振動周期に同期させることで振動波形bに乱れを生じさせること無く、設定したとおりの駆動をなさせるようにしている。また、液状体は、引き込み、押し出し時の速度が遅いのでノズル18から吐出されることはなく、ノズル18から液状体が押し出された後、再びノズル18内に引き込まれる。なお、液状体22の引き込みから押し出しを行うまでの時間h8は0から固有振動周期が好ましいが、本実施形態では駆動回路の制限により2.0μ秒とした。
さらに、前記振動波形bは、前記吐出波形aに比べて印加する最大電圧が、すなわちh8の電圧がh2の電圧に比べて低く、したがって圧電素子20の撓み量が小さくなる。よって、前記圧電素子20は液滴22を吐出するために必要な撓み量を得る事が出来ず、液滴22を吐出しない。
図5(a)、(b)、(c)は、液滴吐出ヘッド34に前記振動波形bを印加した際にノズル18から液状体が押し出されて、引き込まれる状態を模式的に示した図である。
各ノズル18に振動波形bが印加されると、液状体がノズル18内に引き込まれ、図5(a)に示すように液状体が押し出されてくる。そして、図5(b)に示すように、液状体はノズル18から押し出された状態となる。なお、前述したように押し出された液状体は振動波形bによって吐出されることは無い。
すると、押し出された液状体は、ノズル18の周辺部に部分的に濡れ広がることにより、先に吐出を行った際に付着している液状体の微小液滴を図5(b)中矢印方向に引き寄せる。
その後、図5(c)に示すように液状体はノズル18内に引き込まれる。これにより、ノズル18の周辺部に付着した液状体の微小液滴は、ノズル18から吐出し部分的に濡れ拡がった液状体に同伴され、液滴吐出ヘッド34のキャビティ15内に回収される。
ところで、このような液状体による微小液滴の回収動作は、ノズル18から液滴22を吐出させない間において、1回でなく複数回連続的に行ってもよい。すなわち、液状体を吐出した後、液状体を吐出しない液滴吐出ヘッド34のノズル18に対して連続的な複数の振動波形bを印加してもよい。
図6(a)に示す駆動波形VFは、図4に示した駆動波形VW1に同様に、吐出波形a1によって液状体を液滴吐出ヘッド34から吐出した後に、振動波形b1を印加している。
前記振動波形b1は、連続的に複数の振動波形を印加していて、この振動波形の高さ(印加する電圧値)を漸増するようにしている。
すると、液滴吐出ヘッド34のノズル18から押し出される液状体の量が増加して、ノズル18の周りに濡れ広がる面積が大きくなる。よって、押し出す液状体の量を漸増させることで、ノズル18の周辺部に付着した微小液滴を近いものから順に遠いものまで確実に回収できるようになる。
なお、振動波形b1を構成する個々の波形は、前述したように液状体を吐出しない強さの電圧を印加するようにしている。また、本実施形態では、振動波形b1のデータサイズが大きくなってしまうので、例えば10%刻みで波形を漸増するようにしている。
前記駆動波形VFは、図4を用いて説明した駆動波形VW1と同様にt1=16μ秒の吐出波形a1と、t2=t3=t4=18μ秒及びt5=25μ秒の振動波形b1とからなっている。
よって、前記駆動波形VFは、波形全体としてT=95μ秒かかるので、約1kHzの吐出となる。また、振動波形b1の最後の波形は印加電圧を降下させる(降下部h20)際に他の振動波形の7μ秒(図4中h9参照)に比べて14μ秒と長く行うようにしている。最後の波形は印加する電圧が高くなっているので、液状体を吐出しやすいため液状体をゆっくりと押し出し、これによって液状体の吐出を防止するようにしている。また、急激に液状体を押し出してしまうとノズル18内の液状体22に残留振動が発生することで次に行う吐出に影響を与えて正確に液状体22を吐出することができなくなる。そこで、固有振動周期の整数倍である14μ秒としてメニスカス振動を緩やかに戻し、次の吐出を安定させるようにしている。
また、本実施形態においては、液滴吐出ヘッド34のすべてのノズル18に、駆動波形VFが印加されている。図6(b)に示すように、各ノズル18は、選択信号A、B、C、Dを備えていて、この選択信号A、B、C、DのON、OFFを切り替えることで、各ノズル18に印加される駆動波形VFを変更するようにしている。なお、選択信号のONの状態とは、図中6(b)中の選択信号の示す線が凸になった状態である。
前記選択信号Aは、図6(a)に示した吐出波形a1に対応していて、この選択信号AをONにすると液滴22を吐出するようになっている。また、液滴22を吐出しないノズル18については、液滴22を吐出しない選択信号B、C、Dに切り換えて振動波形b1を印加することでノズル18の周辺部に付着した微小液滴を回収する。
前記選択信号Bは、図6(a)に示した振動波形b1のt2〜t3の波形に対応し、前記選択信号Cは、図6(a)に示した振動波形b1のt2〜t4の波形に対応し、前記選択信号Dは、図6(a)に示した振動波形b1のt2〜t5の波形に対応し、それぞれの選択信号がONの状態でこれらの波形を印加するようになっている。
ノズル18の周辺に付着した微小液滴を回収する吐出回復処理は液滴吐出ヘッド34が液滴22を吐出しない休止期間の全てで行う必要は無く、液滴22を吐出したノズル18に対して1回〜数回行えば十分吐出性能を回復することができる。
また、選択信号E、F、Gを用いることで、吐出波形a1と振動波形b1とを連続させた波形を印加することで、例えば、液滴22を吐出しつつノズル18の吐出回復操作を行うようにしてもよい。よって、前記選択信号E、F、Gを用いることで連続して吐出を行う描画パターンにおいてノズル18の吐出回復操作を行うことができる。
しかしながら、図6(a)に示したように漸増する振動波形b1を液滴吐出ヘッド34に印加する場合に、ノズル18ごとに前述した固有振動周期、Taや圧電素子20の効率のばらつきがあるため、前記振動波形b1を漸増させる途中で液滴22を吐出してしまうおそれがある。
そこで、予め実験などを行い各ノズル18における液状体を吐出しない限界電圧を求めるようにしてもよい。この実験方法として、例えば、以下の方法を用いた。
図7(a)に示すように、振動波形b2としては、吐出波形a1に印加する電圧の最大振幅(以下、吐出電圧VM)における40%から80%の電圧値まで、10%毎に漸増するものとする。
そして、各ノズル18に前記振動波形b2を印加して電圧を漸増させていき、基板や紙などの被吐出体上に液滴22を吐出した際の電圧の値を測定する。そして、この電圧をノズル18における限界吐出電圧VLとした。つまり、限界吐出電圧VLを超えない電圧を液滴吐出ヘッド34に印加すれば、ノズル18から液滴22が吐出されることはない。
図7(b)は、前述した測定の結果を示したグラフである。図7(b)の縦軸は、液滴吐出ヘッド34に印加した電圧を示している。なお、電圧のパーセンテージ(%)の表示は、前述した吐出電圧VMに対するものである。
また、横軸は、各ノズル18の限界ノズル電圧VLに基づいて分類されたノズル群A、B、Cを示しており、本説明においては3つノズル群に分類した。
ノズル群Aは、液滴吐出ヘッド34に吐出電圧VMの80%より高い電圧を印加した際に液状体22を吐出するノズル18である。また、前記ノズル群Bは、液滴吐出ヘッド34に吐出電圧VMの70%より高い電圧を印加した際に液滴22を吐出するノズル18を示し、前記ノズル群Cは、液滴吐出ヘッド34に吐出電圧VMの60%より高い電圧を印加した際に液滴22を吐出するノズル18である。このようにして、ノズル18毎の限界ノズル電圧VLを求める。
なお、本実施形態の液滴吐出装置30においては、前述したように全てのノズル18に同じ波形が印加されるようになっている。よって、各ノズル18毎に後述する選択信号を設けてON、OFFを切り換えることで、ノズル18の限界ノズル電圧VLを越えない電圧を印加するようにしている。なお、選択信号のONの状態とは、図中7(a)中の選択信号の示す線が凸になった状態である。
したがって、限界ノズル電圧VLを印加した場合、液滴吐出ヘッド34は液滴22を吐出することなくノズル18から最も多い量の液状体を押し出した後に引き込むことができる。よって、ノズル開口9から最も遠くに付着した液状体を液滴吐出ヘッド34内に回収することができる。
選択信号A、B、Cは、それぞれスイッチ等によってON、OFFの状態を切り換えると、各ノズル18に異なる電圧を印加する。図7(a)中において、図7(b)で説明した前記ノズル群A、B、Cの符号と、この選択信号A、B、Cの符号は一致している。つまり、選択信号Cを用いると、ノズル群Cには限界ノズル電圧VL未満となる吐出電圧VMの40%〜60%の幅の振動波形b2のみが印加され、液滴22を吐出することなくノズル群Cのノズル18から押し出し、引き込むことができる。また、選択信号Aではノズル群Aのノズル18から液状体を押し出し、引き込むことができ、選択信号Bではノズル群Bのノズル18から液状体を押し出し、引き込むことができる。なお、選択信号Aも用いる場合は、ノズル群A以外のノズル群B、ノズル群C及びその他のノズル18のスイッチをOFFにすることでノズル18から液滴22が吐出することを防止している。
このようにして求めた各ノズル18毎の限界ノズル電圧VL及びこれ対応した信号パターンを液滴吐出装置30の制御部40に記憶しておくことでより液滴吐出装置30の液状体の吐出精度の信頼性を向上できる。
図8は、本発明の液滴吐出装置30の駆動方法を利用する場面を示した図である。
図8に示すように、液状体を吐出するための基板等からなる被吐出体150には、液状体を吐出してパターンを描画する描画領域100と、液状体を全く吐出しない非描画領域110とが形成されている。また、被吐出体150の外には、フラッシングやワイピング操作等の吐出回復操作を行うための吐出回復領域Fが設けられていてもよい。
従来、大型の基板Sにパターンを描画し始めると液滴吐出ヘッド34のノズル18の周辺部に付着した液状体を回収するといった吐出回復操作を行うことができず、基板Sの外に設けた吐出回復領域Fまで吐出回復処理を行うことができない。そこで、本発明の液滴吐出装置30の駆動方法を採用すると、図6で前述したように吐出波形a1と振動波形b2からなる駆動波形VFにおいて選択信号E、F、Gを選択することで基板S上の描画領域100に液滴22を吐出しつつ、ノズル18の吐出回復処理を行うことができる。また、図中矢印に示す非描画領域110上を液滴吐出ヘッド34が通過する間にも振動波形b1を印加することでノズル18の吐出回復処理を行うことができる。また、被吐出体15の端まで描画が終わると、通常どおり吐出回復領域Fにフラッシングを行うこともできるし、必要ならばワイピング操作を行うことができる。なお、本発明の液滴吐出装置30の駆動方法では、フラッシングやワイピング操作等の吐出回復操作自体を減らすことも可能となり、これによって液状体の使用量を減らすことも可能である。
前記非描画領域110としては、例えば、基板上に設けられた隔壁、色の異なる画素領域、チップとチップの間、絶縁部等である。
次に、本発明の液滴吐出装置30によって電気光学装置である液晶表示装置を製造する場合について説明する。なお、前記液滴吐出装置30は、後述する液晶表示装置を構成するカラーフィルタ基板220上にカラーフィルタ120を形成する際に用いている。
(液晶表示装置)
まず始めに、本発明の液滴吐出装置30によって得られた液晶表示装置の構造について説明する。
図9(a)は、液晶表示装置の平面図を示すもので図中符号200は、液晶表示装置である。なお、図9(a)においては、カラーフィルタ基板220の一部の図示を省略している。また、図9(b)は、図9(a)のH−H′線矢視による液晶表示装置200の側断面図である。
図9(b)に示すように、液晶表示装置200はTFTアレイ基板210とカラーフィルタ基板220とシール材252とによって形成される空間に、液晶250を封入したものである。
図9(a)、(b)に示すように、前記TFTアレイ基板210は、ガラスからなる基板の表面に、各画素のスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)を形成したものである。各TFTのゲート電極からのびる複数の走査線は、基板周縁部に形成された走査線駆動回路204に接続されている。また、各TFTの上方には層間絶縁膜が形成され、その表面に複数のデータ線が形成されている。そして、各TFTのソースはスルーホールを介してデータ線に接続され、各データ線は基板周縁部に形成されたデータ線駆動回路201に接続されている。なお、走査線駆動回路204及びデータ線駆動回路201を外部に接続するための端子202が、基板周縁部に形成されている。さらに、データ線の上方には層間絶縁膜が形成され、その表面に画素電極が形成されている。そして、各TFTのドレインは、スルーホールを介して画素電極に接続されている。加えて、画素電極の上方には、液晶分子の配向膜が形成されている。
そして、図9(a)に示したように、TFTアレイ基板210の画像表示領域を取り囲むように、熱硬化性樹脂等からなるシール材252が形成されている。なお、シール材252はTFTアレイ基板210の全周に形成されている。そして、このシール材252の内側には、前述したように液晶250が封入されたものとなっている。さらに、このシール材252を介して、TFTアレイ基板210とカラーフィルタ基板220とが貼り合わされている。これにより、TFTアレイ基板210及びカラーフィルタ基板220と、シール材252とによって形成される空間内に、液晶250が封入される。加えて、TFTアレイ基板210及びカラーフィルタ基板220の外側表面に偏光フィルムを形成すれば、液晶表示装置200が構成される。なお、液晶表示装置200の画像表示領域には、複数の画素がマトリクス状に形成されている。
図10は、前記カラーフィルタ基板220の側断面図である。
図10に示すように、前記カラーフィルタ基板220は、基板Sと、この基板Sの上に形成された隔壁255とを備えている。隔壁255に囲まれた各領域には、画素領域118(118R、118G、118B)が形成されていて、この画素領域118には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ120(120R、120G、120B)が形成されている。また、基板Sを平坦化し、且つカラーフィルタ基板220を保護するために、前記カラーフィルタ120と隔壁255とを覆う保護膜256が、基板S上に形成されている。
図11は、カラーフィルタを構成するための大型の基板Sの一部を示す平面図である。
前記基板Sには、カラーフィルタ基板220が複数形成されている。そして、液滴吐出装置30によりカラーフィルタ基板220上にカラーフィルタ120を形成した後、前記基板Sをダイシング等によって液晶表示装置200を構成するためのカラーフィルタ基板220の大きさに切断する。
図11中符号R、G、Bはカラーフィルタ120を構成するRGBの各色を表したものである。
前記カラーフィルタ基板220には、隔壁255によりマトリックス状に区切って形成される平面視で長方形状の画素領域118が設けられている。
このとき、カラーフィルタ120は、画素領域118の長辺方向に描画するようになっていて、図中矢印方向に基板Sを移動させることで各画素領域118内に液状材料23を液滴吐出装置30を用いて吐出する。
図12(a)は、図9に示した基板S上に形成されたカラーフィルタ基板220の側断面図を示している。
ここで、図6で説明した駆動波形VFを印加することでカラーフィルタ基板220を形成する。まず、図12(a)に示すように、大型の基板Sの全面上にスピンコート法によって例えば感光性樹脂を付着させ、続いてフォトレジスト法及びエッチング法により、図11に示したような各RGBに対応するカラーフィルタ120に対応する部分すなわち画素領域118の樹脂を除去する。前記樹脂としては、例えばウレタン系あるいはアクリル系の光硬化型樹脂が用いられる。
このようにしてパターニングすることにより、平面視した状態で基板S上をマトリックス状に区切る隔壁255と、この隔壁255によって平面視矩形(長方形)状のRGB各色に対応した画素領域118を形成する。このとき、前記隔壁255は撥液性を有することが好ましい。また、隔壁255はブラックマトリクスとして機能することが好ましい。
基板Sを液滴吐出装置30のステージ39上に保持した後に、図12(b)に示すように液滴吐出装置30の液滴吐出ヘッド34によって隔壁255内の画素領域118Rに赤(R)のカラーフィルタ120を構成するための液状材料23Rを吐出してカラーフィルタ120Rを形成する。
このとき、前述したように、赤(R)の液状材料23Rを吐出した液滴吐出ヘッド34のノズル18は、緑(G)の画素領域118Gと青(B)の画素領域118及び隔壁255上を通過する間は液状材料23を吐出することがない。そこで、液状材料23Rを吐出した液滴吐出ヘッド34のノズル18に対し駆動波形VFの振動波形b1を印加することで次の画素領域118Rに液状材料23Rを吐出するまでにノズル18の周辺に付着した微小液滴を回収することができる。
よって、ノズル18の周辺に付着した微小液滴を回収することで液滴吐出ヘッド34の液滴吐出回復操作を行うことができる。このようにして、前記駆動波形VFを印加することで画素領域118に液滴22を吐出していないノズル18に対してノズルの周辺部に付着した微小液滴を回収することができる。
また、吐出する液滴22の量については、図12(c)に示すように加熱工程における液滴22の体積減少を考慮した十分な量とする。なお、前述したように基板Sの端まで行った際にワイピング操作やフラッシング等の吐出回復操作を行うようにしてもよい。
本実施形態では、図11に示すように各画素領域118の短辺方向の幅が例えば、100μm、隔壁255の幅Mが20μmとなっている。また、各カラーフィルタ基板220の間には、前述したダイシングのために画素領域118が形成されていない領域、すなわち液滴吐出ヘッド34が暫く液状体を吐出しない非吐出領域がある。この非吐出領域の幅Lは5mm〜10mm程度が好ましく、本実施形態では10mmとしている。基板Sを移動させる速度を120mm/sとすると、1kHzの吐出によって各画素領域118に液状材料23を吐出するようになる。したがって、GとBにおける画素領域118上を液滴吐出ヘッド34が相対的に通過する2回の間に、図6で示した約1kHzの駆動波形VFを印加することができる。
また、前述したように各カラーフィルタ基板220における間の幅Lは10mmであり、120mm/sの速度で相対的に移動する液滴吐出ヘッド34は前記幅Lを通過するのに約83m秒かかる。そのため、波形の切り換えに片道約30m秒かかった場合でも23m秒の時間的余裕がある。そこで、駆動波形VFを、例えば図13に示すような同じ電圧を繰り返したり、細かく電圧が変化するような長い駆動波形VF1に切り替えてノズル18の吐出回復操作を行うようにしてもよい。
このようにして基板S上の全ての画素領域118に液状材料23を充填したら、ヒータ(図示せず)を用いて基板Sが所定の温度(例えば70℃程度)となるように加熱処理する。この加熱処理により、図14(a)に示すように、液状材料23の溶媒が蒸発して液状材料23の体積が減少する。このとき、体積の減少が大きい場合には、カラーフィルタ120として十分な膜厚が得られるまで、液滴吐出工程と加熱工程とを繰り返す。この処理により、液状材料23に含まれる溶媒が蒸発して、最終的に液状材料23に含まれる固形分のみが残留して膜化し、図14(a)に示したようなカラーフィルタ120となる。次いで、基板Sを平坦化し、且つカラーフィルタ120を保護するために、図14(b)に示すようにカラーフィルタ120や隔壁255を覆って基板S上に保護膜256を形成する。この保護膜256の形成にあたっては、カラーフィルタ120の形成方法と同様に、液滴吐出法により行うことができる。また、液滴吐出法の代わりに、スピンコート法、ロールコート法、リッピング法などの方法を用いてもよい。以上の工程によりカラーフィルタ基板220が得られる。
本発明の液滴吐出装置30の駆動方法によれば、印加された駆動波形VFによりノズル18から押し出された液状体は、液滴吐出ヘッド34から液状体を吐出することなく液滴吐出ヘッド34内に引き込まれるので、前記ノズル18の周りに付着した液状体を回収することができる。よって、ノズル18の周りに付着した液状体を除去することでノズル18の詰まりや液状体の吐出精度を向上でき、吐出の信頼性を向上することができる。
また、前記ノズル18から液状体を押し出させ、かつその状態から引き込ませる工程を複数回行うので、確実にノズル18の周辺に付着した液状体を回収することができる。
また、前記駆動波形VFの高さを漸増させるので、液滴吐出ヘッド34に印加する駆動波形VFの高さの増加とともに、前記ノズル18から押し出される液状体の量が増加するようになる。よって、急に多量の液状体が押し出されることで、液状体がノズル18の開口からあやまって吐出されてしまうことを防止できる。また、押し出す液状体の量が漸増することで、ノズル18の周辺部に近い液状体から次第に遠くの液状体を回収することができる。
本発明の液滴吐出装置40によれば、印加された駆動波形VFによって、ノズル18から押し出された液状体は、液滴吐出ヘッド34から吐出されることなく液滴吐出ヘッド34内に引き込まれるようになっている。よって、吐出操作を繰り返した際にノズル18の周りに付着する液状体を回収することができる。よって、ノズル18の周りに付着した液状体を除去することでノズル18の詰まりや液状体の吐出精度を向上でき、液滴吐出装置30の信頼性を向上することができる。
本発明の液晶表示装置200は、ノズル18の詰まりや、吐出精度を向上した信頼性の高い液滴吐出装置30により製造されるので、液晶表示装置200自体も信頼性の高いものとなる。
なお、本実施形態では、各吐出を四階調(4つの選択信号A、B、C、Dによって選べる)ようにしたが、選択信号の数を増やすことで液滴吐出ヘッド34を細かく制御するようにしてもよい。また、ノズル18毎に別の駆動波形を設定したり、複数の駆動波形を高速で切り換えできるシステムに適応させるようにしてもよい。
また、別の駆動波形VFの形態として、印加する電圧を漸増させた後、図15に示すように再び電圧を徐々に小さくする部分を備えた駆動波形VF2を印加するようにしてもよい。
この場合、ノズル18毎の限界ノズル電圧VLが異なる場合には、ノズル18のON、OFF操作のみでは制御することができない。したがって、液滴吐出ヘッド34をノズル18毎に電圧調整できるようにしてもよい。各ノズル18の限界ノズル電圧VLを下回るように調整した駆動波形VF2を各ノズル18に印加するようにする。
このような、駆動波形VF2を用いることで最大電圧になってノズル周辺の液滴を回収した時、大きく押し出された液柱によってノズル18の濡れが発生しても、次の小さい液柱がそれを集めて最終的にはノズル周辺に付着した全ての液滴を回収することができる。
また、本発明の電子機器は、電気光学装置として前記液晶表示装置200を備えたものである。
図16は、電子機器として、携帯電話の一例を示した斜視図である。図16において、携帯電話本体600は、前記液晶表示装置200からなる表示部601を備えている。
本発明の電子機器によれば、歩留まりを向上した電気光学装置を備えているので、これを備えた電子機器も信頼性が高いものとなる。
なお、前記実施形態では、液滴吐出装置30によって電気光学装置としての液晶表示装置200を製造する場合について説明したが、有機EL装置やPDP(プラズマディスプレイパネル)やFED(電子放出ディスプレイ)等の電気光学装置を製造する際に用いてもよい。例えば、有機EL装置の発光層を形成したり、PDPやFEDの配線部分を液滴吐出装置30によって形成することで、信頼性の高い電気光学装置を得ることができる。
本発明の液滴吐出装置の斜面図。 (a)は、液滴吐出ヘッドの斜視図、(b)は、(a)の要部側断面図。 液状体を吐出する際の駆動波形を説明する図。 液滴吐出装置の駆動波形を説明する図。 ノズルにおける液状体の状態説明図。 カラーフィルタ製造時の駆動波形の説明図。 (a)は、振動波形の説明図、(b)は、限界ノズル電圧の説明図。 液滴吐出装置の駆動場面を示した図。 (a)は、液晶表示装置の平面図、(b)は、液晶表示装置の側断面図。 カラーフィルタ基板の構成を説明する側面図。 カラーフィルタを製造するための基板の平面図。 (a)、(b)、(c)は、カラーフィルタの製造工程の説明図。 カラーフィルタ製造時の他の駆動波形を示した図。 (a)、(b)は、カラーフィルタの製造工程の説明図。。 液滴吐出装置に印加する他の駆動波形を示した図。 本発明の電子機器である携帯電話を示した斜視図。
符号の説明
15…キャビティ、18…ノズル、22…液滴、30…液滴吐出装置、34…液滴吐出ヘッド、200…液晶表示装置(電気光学装置)、220…カラーフィルタ基板、600…携帯電話(電子機器)、S…基板、VW…駆動波形、VW1…駆動波形、VF…駆動波形、VF1…駆動波形、VF2…駆動波形

Claims (7)

  1. 液状体を吐出するためのノズルを備えた液滴吐出ヘッドに、駆動波形を印加することによって液状体を吐出させる液滴吐出装置の駆動方法において、
    前記液滴吐出ヘッドから液状体を吐出させない間に、前記ノズルから液状体を吐出させることなく押し出させ、かつその状態から引き込ませる強さの駆動波形を液滴吐出ヘッドに印加し、前記ノズルの周辺部に付着した液状体を回収することを特徴とする液滴吐出装置の駆動方法。
  2. 前記液滴吐出ヘッドから液状体を吐出させない間に、前記ノズルから液状体を押し出させ、かつその状態から引き込ませる処理を連続的に複数回行うことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置の駆動方法。
  3. 前記処理を連続的に複数回行うに際して、前記駆動波形の高さを漸増させることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置の駆動方法。
  4. 前記駆動波形は、前記液滴吐出ヘッドが備えるキャビティの固有振動周期の整数倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出装置の駆動方法。
  5. 液状体を吐出するためのノズルを備えた液滴吐出ヘッドに、駆動波形を印加することによって液状体を吐出させる液滴吐出装置において、
    前記ノズルから液状体を吐出することなく押し出し、かつその状態から引き込み、前記ノズルの周辺部に付着した液状体を回収する駆動波形を、前記液滴吐出ヘッドに印加する制御する制御手段を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液滴吐出装置によって製造されたことを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項6に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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