JP2006084447A - 超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被計測物の深さ方向の弾性的性質を容易に高い計測精度で求めることができる超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、表面波を用いた超音波非破壊計測方法であって、超音波振動子から複数周波数の成分を含む超音波パルスを被計測物に照射して表面反射波及び表面伝播波を生じさせ、その後、該表面反射波及び該表面伝播波を受信して、周波数バンドフィルタF1〜Fnを用いて該複数周波数における波形を分離し、次いで、分離した各波形から伝播時間差Δt1〜Δtn及び表面波音速V1〜Vnを求め、その後、これらから周波数毎の位相速度を算出して、該位相速度から被計測物の複数の深さにおける硬度等の弾性的性質を求めることを特徴とする。
【選択図】 図4
【解決手段】 本発明は、表面波を用いた超音波非破壊計測方法であって、超音波振動子から複数周波数の成分を含む超音波パルスを被計測物に照射して表面反射波及び表面伝播波を生じさせ、その後、該表面反射波及び該表面伝播波を受信して、周波数バンドフィルタF1〜Fnを用いて該複数周波数における波形を分離し、次いで、分離した各波形から伝播時間差Δt1〜Δtn及び表面波音速V1〜Vnを求め、その後、これらから周波数毎の位相速度を算出して、該位相速度から被計測物の複数の深さにおける硬度等の弾性的性質を求めることを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置に関する。更に詳しくは、被計測物の深さ方向の弾性的性質を容易に高い計測精度で求めることができる超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置に関する。
本超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置は、有効な品質管理法として採用されている押し込み硬さ試験、及び切り出された試験片による抜き取り試験等の破壊試験法等に替えて、被計測物の表面層の非破壊硬度計測等に用いることができる。
また、鉄鋼材料の焼き入れ、浸炭、窒化処理等の各種の表面処理、及びめっき、溶射、蒸着等の技術を用いた表面コーティング処理等により、表面層の硬さが向上した表面処理材、及び各種機能が付加された表面処理材において、表面処理品質の評価として表面層の硬さ等の弾性的性質や、表面処理深さの測定に用いることができる。
本超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置は、有効な品質管理法として採用されている押し込み硬さ試験、及び切り出された試験片による抜き取り試験等の破壊試験法等に替えて、被計測物の表面層の非破壊硬度計測等に用いることができる。
また、鉄鋼材料の焼き入れ、浸炭、窒化処理等の各種の表面処理、及びめっき、溶射、蒸着等の技術を用いた表面コーティング処理等により、表面層の硬さが向上した表面処理材、及び各種機能が付加された表面処理材において、表面処理品質の評価として表面層の硬さ等の弾性的性質や、表面処理深さの測定に用いることができる。
近年、金属材料等の表面処理技術は、非処理材である金属材料の種類の拡大とともに各種の処理方法も開発され、多様化してきている。また、従来のような表面層の改質ばかりでなく、各種のコーティング、薄膜技術の適用等がなされることも多く、これまで以上に表面層の品質を評価する方法が重要視されている。更に、表面層の平均的な物性値、例えば、硬さ等を測定するのみではなく、深さ方向及び平面方向における物性値の分布、及び層間の界面における物性値の分布等を評価する方法も必要とされている。
表面層の物性値等を評価するための非破壊的な方法として、渦電流法、磁気測定法、超音波散乱測定法、薄膜に対するX線回折法等が実用化されている。しかし、これらの各種の方法は、例えば、表面からの深さが100μm以内の表層における測定、及び深さ方向における物性値等の分布の測定等では、十分に機能しないこともある。また、材料系が異なると、それだけで電気的性質及び磁気的性質等が大きな影響を受け、汎用性に問題がある。
一方、硬さの測定方法として汎用性のあるビッカース硬さ試験等では、試料の破壊をともなうため、精密部品等への適用に適さない。そのため、生産現場等においては抜き取り試験により評価されることが多く、深さ方向の硬さの分布は、試料の断面において硬さの測定を繰り返すことによりなされる。このような抜き取り試験では評価に供された部品等は廃棄されることになり、製品となる部品等そのものの硬さが測定されるものではない。このような背景のもと、特に、小型部品及び精密な表面処理が施された部品等にも適用でき、非破壊であり、且つ深さ方向の硬さ等の弾性的性質の分布を評価することができる測定技術が必要とされている。
このため、超音波を照射して、表面層の硬さや処理深さを非破壊で計測する超音波非破壊計測方法が使われる(例えば、特許文献1を参照。)。この超音波非破壊計測方法は、超音波振動子を用いて超音波を照射し、その結果から位相速度を算出して、所定深さの状態を求める方法である。
表面層の物性値等を評価するための非破壊的な方法として、渦電流法、磁気測定法、超音波散乱測定法、薄膜に対するX線回折法等が実用化されている。しかし、これらの各種の方法は、例えば、表面からの深さが100μm以内の表層における測定、及び深さ方向における物性値等の分布の測定等では、十分に機能しないこともある。また、材料系が異なると、それだけで電気的性質及び磁気的性質等が大きな影響を受け、汎用性に問題がある。
一方、硬さの測定方法として汎用性のあるビッカース硬さ試験等では、試料の破壊をともなうため、精密部品等への適用に適さない。そのため、生産現場等においては抜き取り試験により評価されることが多く、深さ方向の硬さの分布は、試料の断面において硬さの測定を繰り返すことによりなされる。このような抜き取り試験では評価に供された部品等は廃棄されることになり、製品となる部品等そのものの硬さが測定されるものではない。このような背景のもと、特に、小型部品及び精密な表面処理が施された部品等にも適用でき、非破壊であり、且つ深さ方向の硬さ等の弾性的性質の分布を評価することができる測定技術が必要とされている。
このため、超音波を照射して、表面層の硬さや処理深さを非破壊で計測する超音波非破壊計測方法が使われる(例えば、特許文献1を参照。)。この超音波非破壊計測方法は、超音波振動子を用いて超音波を照射し、その結果から位相速度を算出して、所定深さの状態を求める方法である。
しかし、一定範囲の深さにおける状態の変化を求めるためには、超音波振動子を深さ方向に走査して、順次測定する必要があり、計測に時間が掛かっていた。
本発明は、このような問題点を解決するものであり、被計測物の深さ方向の弾性的性質を容易に高い計測精度で求めることができる超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような問題点を解決するものであり、被計測物の深さ方向の弾性的性質を容易に高い計測精度で求めることができる超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.表面波を用いた超音波非破壊計測方法であって、超音波振動子から複数周波数の成分を含む超音波パルスを被計測物に照射して表面反射波及び表面伝播波を生じさせ、その後、該表面反射波及び該表面伝播波を受信し、周波数フィルタを用いて該複数周波数における波形を分離し、次いで、分離した各波形から周波数毎の位相速度を算出して、該位相速度から被計測物の複数の深さにおける弾性的性質を求めることを特徴とする超音波非破壊計測方法。
2.上記超音波振動子は、水浸ラインフォーカス型又は水浸ポイントフォーカス型であり、位相速度の算出に用いる焦点深さ△Zは、下記(1)式によって算出される上記1.記載の超音波非破壊計測方法。
△Z=1/2・Vw(t0−tR) (1)
△Z:焦点深さ(m)
Vw:水の音速(m/s)
t0:焦点位置が表面である場合の表面反射波の伝播時間(s)
tR:表面波測定を行う焦点深さにおける表面反射波の伝播時間(s)
3.上記被計測物と同材質である材料表面層の所定周波数の位相速度に対応した深さ及び弾性的性質の基準測定値と、上記計測して算出した該被計測物の位相速度と、を比較して該所定周波数における該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出する上記1.又は2.記載の超音波非破壊計測方法。
4.上記複数周波数毎の上記基準測定値と、上記被計測物の位相速度と、を比較して該複数周波数毎の該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出する上記3.記載の超音波非破壊計測方法。
5.上記被計測物の表面を走査して得られる複数地点の位相速度からそれぞれ所定周波数における該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出し、該計測深さ及び該弾性的性質の分布画像を作成する上記3.又は上記4.記載の超音波非破壊計測方法。
6.上記1.乃至5.のいずれか1項に記載の超音波非破壊計測方法に用いる超音波非破壊計測装置であって、被計測物の表面部を走査する超音波振動子の走査部と、該走査部に設けられる超音波発受信部と、波形演算部とを備え、該波形演算部は、該超音波受信部から得られる受信波形から被計測物の弾性的性質を求めてその画像を作成することを特徴とする超音波非破壊計測装置。
1.表面波を用いた超音波非破壊計測方法であって、超音波振動子から複数周波数の成分を含む超音波パルスを被計測物に照射して表面反射波及び表面伝播波を生じさせ、その後、該表面反射波及び該表面伝播波を受信し、周波数フィルタを用いて該複数周波数における波形を分離し、次いで、分離した各波形から周波数毎の位相速度を算出して、該位相速度から被計測物の複数の深さにおける弾性的性質を求めることを特徴とする超音波非破壊計測方法。
2.上記超音波振動子は、水浸ラインフォーカス型又は水浸ポイントフォーカス型であり、位相速度の算出に用いる焦点深さ△Zは、下記(1)式によって算出される上記1.記載の超音波非破壊計測方法。
△Z=1/2・Vw(t0−tR) (1)
△Z:焦点深さ(m)
Vw:水の音速(m/s)
t0:焦点位置が表面である場合の表面反射波の伝播時間(s)
tR:表面波測定を行う焦点深さにおける表面反射波の伝播時間(s)
3.上記被計測物と同材質である材料表面層の所定周波数の位相速度に対応した深さ及び弾性的性質の基準測定値と、上記計測して算出した該被計測物の位相速度と、を比較して該所定周波数における該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出する上記1.又は2.記載の超音波非破壊計測方法。
4.上記複数周波数毎の上記基準測定値と、上記被計測物の位相速度と、を比較して該複数周波数毎の該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出する上記3.記載の超音波非破壊計測方法。
5.上記被計測物の表面を走査して得られる複数地点の位相速度からそれぞれ所定周波数における該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出し、該計測深さ及び該弾性的性質の分布画像を作成する上記3.又は上記4.記載の超音波非破壊計測方法。
6.上記1.乃至5.のいずれか1項に記載の超音波非破壊計測方法に用いる超音波非破壊計測装置であって、被計測物の表面部を走査する超音波振動子の走査部と、該走査部に設けられる超音波発受信部と、波形演算部とを備え、該波形演算部は、該超音波受信部から得られる受信波形から被計測物の弾性的性質を求めてその画像を作成することを特徴とする超音波非破壊計測装置。
本発明の超音波非破壊計測方法によれば、超音波振動子を深さ方向に走査することなく一定範囲の深さの弾性的性質を求めることができる。また、高い計測精度で求めることができる。このため、超音波振動子の操作を単一化し、簡便で迅速な測定を行うことができる。
水浸ラインフォーカス型又は水浸ポイントフォーカス型の超音波振動子を用いる場合は、硬さ測定に代表される弾性的性質の深さ方向測定値についてポイント測定、ライン測定及び面状の測定を行うことにより、その分布状態を測定することができる。
基準測定値及び位相速度を比較して被計測物の深さ及び弾性的性質を算出する場合は、被計測物の計測深さ及び弾性的性質を同時に求めることができる。
複数周波数毎の基準測定値及び位相速度を比較して被計測物の深さ及び弾性的性質を算出する場合は、被計測物の複数の深さにおける弾性的性質を同時に求めることができる。
被計測物の表面を走査して深さ及び弾性的性質の分布画像を作成する場合は、深さ方向の走査を簡略化することができる。
本超音波非破壊計測装置によれば、超音波振動子を深さ方向に走査することなく一定範囲の深さの弾性的性質を求めることができる。また、高い計測精度で求めることができる。このため、超音波振動子の操作を単一化し、簡便で迅速な測定を行うことができる。
水浸ラインフォーカス型又は水浸ポイントフォーカス型の超音波振動子を用いる場合は、硬さ測定に代表される弾性的性質の深さ方向測定値についてポイント測定、ライン測定及び面状の測定を行うことにより、その分布状態を測定することができる。
基準測定値及び位相速度を比較して被計測物の深さ及び弾性的性質を算出する場合は、被計測物の計測深さ及び弾性的性質を同時に求めることができる。
複数周波数毎の基準測定値及び位相速度を比較して被計測物の深さ及び弾性的性質を算出する場合は、被計測物の複数の深さにおける弾性的性質を同時に求めることができる。
被計測物の表面を走査して深さ及び弾性的性質の分布画像を作成する場合は、深さ方向の走査を簡略化することができる。
本超音波非破壊計測装置によれば、超音波振動子を深さ方向に走査することなく一定範囲の深さの弾性的性質を求めることができる。また、高い計測精度で求めることができる。このため、超音波振動子の操作を単一化し、簡便で迅速な測定を行うことができる。
以下、図1〜図20を用いて本発明の超音波非破壊計測方法を詳細に説明する。
上記「超音波振動子」は、広帯域の超音波パルスの送受信ができるものであれば良く、その種類は特に限定されない。また、水浸ラインフォーカス型及び水浸ポイントフォーカス型を好適に用いることができる。
超音波振動子は、広帯域特性があり、その中心周波数は、対象とする熱処理層深さの1/2がおおよそ波長(λ)に換算してλ/2に相当するものを選定することが好ましい。
上記「複数周波数」は、任意に選択される周波数フィルタによって個別の波形として分離可能であれば良く、その帯域等は特に問わず、中心周波数の0.1〜2倍(例えば中心周波数が50MHzならば、5〜100MHz)また、連続した広帯域の超音波パルスを発信することで複数周波数の超音波パルスの発信としても良い。また、超音波非破壊計測方法に用いる超音波パルスの周波数は通常用いられる範囲であれば良く、100kHz〜2GHz(特に、1MHz〜150MHz)を例示することができる。
上記「表面反射波」は、超音波振動子から照射され、試料の表面で反射して超音波振動子に戻ってきた超音波である。また、上記「表面伝播波」は、超音波振動子から照射され、試料の表面を表面波として伝播し、超音波振動子に戻ってきた超音波である。
上記「超音波振動子」は、広帯域の超音波パルスの送受信ができるものであれば良く、その種類は特に限定されない。また、水浸ラインフォーカス型及び水浸ポイントフォーカス型を好適に用いることができる。
超音波振動子は、広帯域特性があり、その中心周波数は、対象とする熱処理層深さの1/2がおおよそ波長(λ)に換算してλ/2に相当するものを選定することが好ましい。
上記「複数周波数」は、任意に選択される周波数フィルタによって個別の波形として分離可能であれば良く、その帯域等は特に問わず、中心周波数の0.1〜2倍(例えば中心周波数が50MHzならば、5〜100MHz)また、連続した広帯域の超音波パルスを発信することで複数周波数の超音波パルスの発信としても良い。また、超音波非破壊計測方法に用いる超音波パルスの周波数は通常用いられる範囲であれば良く、100kHz〜2GHz(特に、1MHz〜150MHz)を例示することができる。
上記「表面反射波」は、超音波振動子から照射され、試料の表面で反射して超音波振動子に戻ってきた超音波である。また、上記「表面伝播波」は、超音波振動子から照射され、試料の表面を表面波として伝播し、超音波振動子に戻ってきた超音波である。
上記「周波数フィルタ」は、上記複数周波数の波形を分離することができれば良く、通常バンドパスフィルタが選択される。また、フィルタはアナログ回路で構成されても良いし、デジタル信号をハードウェア又はソフトウェアで演算するように構成しても良い。周波数フィルタであるバンドパスフィルタのバンド幅及び中心周波数は必要に応じて任意に選ぶことが可能である。またその個数も上記バンド幅と、測定したい周波数範囲とによって、所要の個数を選択することができる。また、演算処理においては、複数のバンドパスフィルタを並列して用意することのほか、単一フィルタ演算機能を用いて、その操作要素として、バンド幅、中心周波数及び測定周波数範囲を予め設定して、演算を順次実行するようプログラム化することも可能である。
また、本超音波非破壊計測方法は、水浸法、コンタクト法等、任意の方法を選択することができるが、試料を水浸した状態で計測する水浸法が好ましい。
上記「弾性的性質」は、被計測物の硬度、及び硬度に関連する物性をいう。この「硬度に関連する物性」としては、ヤング率、密度等の物性や、計測部位の劣化度(例えば、脆化、腐食等)、及び表面処理の状態(例えば、焼き入れ、浸炭、窒化処理等)等を表す物性を例示することができる。
また、本超音波非破壊計測方法は、水浸法、コンタクト法等、任意の方法を選択することができるが、試料を水浸した状態で計測する水浸法が好ましい。
上記「弾性的性質」は、被計測物の硬度、及び硬度に関連する物性をいう。この「硬度に関連する物性」としては、ヤング率、密度等の物性や、計測部位の劣化度(例えば、脆化、腐食等)、及び表面処理の状態(例えば、焼き入れ、浸炭、窒化処理等)等を表す物性を例示することができる。
1.表面波音速の測定による弾性的性質の測定方法
図2に例示するように、超音波振動子から1周波数の縦波超音波パルスを、水及びそれに類するカップラント材を介して試料表面に斜め入射させると、カップラント材と試料との音響インピーダンス(音速×密度)の相違により屈折する。また、入射された縦波超音波がある一定角度(臨界角)を満足すると試料表面方向に屈折し、モード変換されて表面波となって伝播する。
球面状振動面を有する超音波振動子は、超音波発信器によって発せられるパルス電気信号によって励起し、縦波超音波が発生する。発生した縦波超音波の焦点Fは、水中において球面振動子の曲率の中心部に位置する。
この焦点Fの位置を試料表面より内部に位置するように調節して、試料表面と対向する球面振動子の中心部Aから縦波超音波を発生させると、試料表面Oで反射して、そのまま同じ球面振動子の中心部Aで受信できる。このように中心部Aに到着する表面反射波は、伝播経路A−O−Aを経る。
一方、焦点Fが同じ位置にある球面振動子面の外周部Bから縦波超音波を発生させると、超音波の進行方向と試料平面のなす角度が表面波の臨界角を満たす場合に、表面波として試料表面を伝播する。また、水中にある試料の表面波は、表面を伝播しながら絶えず水中へ入射されたときと反対の角度方向へ表面伝播波である漏洩表面波が放射される性質を備える。放射された漏洩表面波は、発信された球面振動子の対角位置Eで受信される。このように対角位置Eに到着する漏洩表面波は、伝播経路B−C−O−D−Eを経る。
図2に例示するように、超音波振動子から1周波数の縦波超音波パルスを、水及びそれに類するカップラント材を介して試料表面に斜め入射させると、カップラント材と試料との音響インピーダンス(音速×密度)の相違により屈折する。また、入射された縦波超音波がある一定角度(臨界角)を満足すると試料表面方向に屈折し、モード変換されて表面波となって伝播する。
球面状振動面を有する超音波振動子は、超音波発信器によって発せられるパルス電気信号によって励起し、縦波超音波が発生する。発生した縦波超音波の焦点Fは、水中において球面振動子の曲率の中心部に位置する。
この焦点Fの位置を試料表面より内部に位置するように調節して、試料表面と対向する球面振動子の中心部Aから縦波超音波を発生させると、試料表面Oで反射して、そのまま同じ球面振動子の中心部Aで受信できる。このように中心部Aに到着する表面反射波は、伝播経路A−O−Aを経る。
一方、焦点Fが同じ位置にある球面振動子面の外周部Bから縦波超音波を発生させると、超音波の進行方向と試料平面のなす角度が表面波の臨界角を満たす場合に、表面波として試料表面を伝播する。また、水中にある試料の表面波は、表面を伝播しながら絶えず水中へ入射されたときと反対の角度方向へ表面伝播波である漏洩表面波が放射される性質を備える。放射された漏洩表面波は、発信された球面振動子の対角位置Eで受信される。このように対角位置Eに到着する漏洩表面波は、伝播経路B−C−O−D−Eを経る。
このように表面反射波及び漏洩表面波は図5に示すように、伝播経路が異なるため伝播時間に差が生じ、漏洩表面波の伝播時間と表面反射波の伝播時間差△tは、試料表面の表面波の伝播時間に比例する。この伝播時間差△tと、超音波振動子及び試料間に介在する超音波伝播媒体である水中における音速Vwと、焦点深さ△Zとを以下の数式(2)に代入することによって、表面波の音速Vを求めることができる。
一方、試料表面の伝播距離C−O−Dは、当該振動子の焦点位置及び表面波の臨界角を用いることにより算定でき、これらから表面波の音速Vは次の(2)式により算定される。超音波の音速は一般に材料の密度、弾性係数等の弾性的性質に関連する性質があり、求めた表面波音速Vをその他の方法で測定した基準硬度等と比較することによって試料の弾性的性質を求めることができる。
一方、試料表面の伝播距離C−O−Dは、当該振動子の焦点位置及び表面波の臨界角を用いることにより算定でき、これらから表面波の音速Vは次の(2)式により算定される。超音波の音速は一般に材料の密度、弾性係数等の弾性的性質に関連する性質があり、求めた表面波音速Vをその他の方法で測定した基準硬度等と比較することによって試料の弾性的性質を求めることができる。
V(f)=Vw{n(f)Vw−(n(f)Vw)2/4}−1/2 (2)
n(f)=△t(f)/△Z
V(f):表面波位相速度(m/s)、
Vw:水の音速(m/s)、
△t(f):周波数fにおける表面反射波と表面伝播波の超音波振動子への到達時間差(s)、
△Z:焦点深さ(m)
n(f)=△t(f)/△Z
V(f):表面波位相速度(m/s)、
Vw:水の音速(m/s)、
△t(f):周波数fにおける表面反射波と表面伝播波の超音波振動子への到達時間差(s)、
△Z:焦点深さ(m)
また、上記焦点深さ△Zは、水浸ラインフォーカスタイプ及び水浸ポイントフォーカスタイプの超音波振動子を用いる場合、次の(3)式で求めることができる。
△Z=1/2・Vw(t0−tR) (3)
△Z:焦点深さ(m)
Vw:水の音速(m/s)
t0:焦点位置が表面である場合の表面反射波の伝播時間(s)
tR:表面波測定を行う焦点深さにおける表面反射波の伝播時間(s)
△Z=1/2・Vw(t0−tR) (3)
△Z:焦点深さ(m)
Vw:水の音速(m/s)
t0:焦点位置が表面である場合の表面反射波の伝播時間(s)
tR:表面波測定を行う焦点深さにおける表面反射波の伝播時間(s)
2.複数の深さにおける弾性的性質の同時測定方法
また、表面波は、その表面波の周波数に応じて、試料を浸透する深さが変化する、いわゆる周波数分散現象を示す。このため、超音波振動子から様々な周波数の超音波を試料に照射し、表面波音速V(位相速度)を求めることによって、浸透深さの異なる領域の弾性的性質を評価することが可能となる。
更に、超音波振動子から広帯域の超音波を試料に照射して、その表面反射波及び表面伝播波を受信し、周波数毎の表面波音速Vである位相速度を求めることで、超音波振動子と試料間の距離を変えることなく、1回の超音波の照射で複数深さの弾性的性質を求めることができる。
また、表面波は、その表面波の周波数に応じて、試料を浸透する深さが変化する、いわゆる周波数分散現象を示す。このため、超音波振動子から様々な周波数の超音波を試料に照射し、表面波音速V(位相速度)を求めることによって、浸透深さの異なる領域の弾性的性質を評価することが可能となる。
更に、超音波振動子から広帯域の超音波を試料に照射して、その表面反射波及び表面伝播波を受信し、周波数毎の表面波音速Vである位相速度を求めることで、超音波振動子と試料間の距離を変えることなく、1回の超音波の照射で複数深さの弾性的性質を求めることができる。
また、単波長成分を主体とする、いわゆる狭帯域の超音波振動子を用いた測定や、超音波振動子の中心周波数に注目した測定においては、1周波数における深さ範囲の音速が得られる。これに対して、鋭いパルス波を有し広い範囲の周波数成分を含む広帯域超音波振動子を用いる場合は、受信される超音波パルス信号の中に広い範囲の周波数成分が存在し、この周波数毎の音速、すなわち位相速度を解析することによって、深さに対応した弾性的性質が同時に把握される。
更に、受信した広帯域の表面反射波及び表面伝播波から1周波数の表面反射波及び表面伝播波を求める方法はいくつかあり、バンドパスフィルタを用いた周波数フィルタによって分離する方法等を選択することができる。
尚、FFTを用いた周波数変換方法は、計算に使用するために必要な時系列上の表面波の切り出し方法が一意に定まらず、波形の切り出し位置や、切り出し幅の僅かな時間の差異によって、演算結果のスペクトル波形が微妙に影響を受け、結果として算出される位相速度に大きな変動をもたらしていた。また、焦点を2点測定する必要があるため、焦点移動走査を二度行う必要があり、測定時間が長くなる。また、得られた波形から、計算波形を抽出することについて自動化が容易にできない問題点があり、結果的に精度面及び簡易な自動測定に不向きである。
このため、バンドパスフィルタを用いる方法が特に好ましい。このようなバンドパスフィルタを用いて抽出された、周波数毎の表面反射波及び表面伝播波の時系列データの例を図6に示す。
尚、FFTを用いた周波数変換方法は、計算に使用するために必要な時系列上の表面波の切り出し方法が一意に定まらず、波形の切り出し位置や、切り出し幅の僅かな時間の差異によって、演算結果のスペクトル波形が微妙に影響を受け、結果として算出される位相速度に大きな変動をもたらしていた。また、焦点を2点測定する必要があるため、焦点移動走査を二度行う必要があり、測定時間が長くなる。また、得られた波形から、計算波形を抽出することについて自動化が容易にできない問題点があり、結果的に精度面及び簡易な自動測定に不向きである。
このため、バンドパスフィルタを用いる方法が特に好ましい。このようなバンドパスフィルタを用いて抽出された、周波数毎の表面反射波及び表面伝播波の時系列データの例を図6に示す。
上記位相速度を求めた後、基準測定値曲線を用いて対応する硬度等の弾性的性質を求めることができる。この基準測定値曲線の作成方法は後述する。
上記作成した基準測定値曲線を用いて、同種類の熱処理材の内部方向硬さ分布の測定に対して基準試料で用いたものと同一の測定方法を適用して、超音波法による表面波位相速度の測定を行う。得られた周波数−位相速度データに関して、基準位相速度−硬さ曲線に照合して位相速度から硬さを求める。また、周波数からその波長の1/2を深さとして求め、最終的に、深さ−硬さデータに換算することにより、当該試料の硬さ分布を非破壊で求めることができる。更に、同様にして硬さ以外の弾性的性質、例えば、焼き入れ、浸炭、窒化処理等の表面処理の有無等を非破壊で求めることができる。
上記作成した基準測定値曲線を用いて、同種類の熱処理材の内部方向硬さ分布の測定に対して基準試料で用いたものと同一の測定方法を適用して、超音波法による表面波位相速度の測定を行う。得られた周波数−位相速度データに関して、基準位相速度−硬さ曲線に照合して位相速度から硬さを求める。また、周波数からその波長の1/2を深さとして求め、最終的に、深さ−硬さデータに換算することにより、当該試料の硬さ分布を非破壊で求めることができる。更に、同様にして硬さ以外の弾性的性質、例えば、焼き入れ、浸炭、窒化処理等の表面処理の有無等を非破壊で求めることができる。
3.基準測定値曲線の作成方法
位相速度から弾性的性質を求めるには、予め基準試料の基準測定値曲線を求める必要がある。
図7に、測定された位相速度を用いて基準試料表面層の硬さとその深さ分布を測定する手順を示す。
例えば、基準試料として炭素鋼を用いた場合の例を説明する。
材質、製造条件を整えた熱処理ありの基準試料と、熱処理無しの基準試料をそれぞれ2つ用意する。尚、熱処理は、高周波焼き入れ、浸炭焼き入れ、窒化処理等の種類に応じて製品に要求される基準の熱処理を同一条件において行う。
その後、熱処理ありの基準試料と、熱処理無しの基準試料の1つを切断し、深さ方向の硬さをビッカース硬さ試験等の本超音波非破壊計測方法以外の硬さ測定方法を用いて硬さの測定を行う。
次いで、本超音波非破壊計測方法を用いて、熱処理有りの基準試料と、熱処理無しの基準試料の1つを計測し、それぞれ周波数毎の位相速度を求める。
以上の測定により得られた周波数−位相速度データを、波長−位相速度、深さ(波長/2)−位相速度に変換する。
この変換データと、当該深さにおける材料硬さ実測データを対応させて、位相速度−硬さ特性テーブルを得た後、最小自乗法等の方法によって調節して基準となる基準測定値曲線を得る。以降、この基準測定値曲線を用いて位相速度を硬さに変換することができる。尚、この基準測定値曲線は複数の基準試料の測定により、より確度のあるものに調節することが好ましい。
位相速度から弾性的性質を求めるには、予め基準試料の基準測定値曲線を求める必要がある。
図7に、測定された位相速度を用いて基準試料表面層の硬さとその深さ分布を測定する手順を示す。
例えば、基準試料として炭素鋼を用いた場合の例を説明する。
材質、製造条件を整えた熱処理ありの基準試料と、熱処理無しの基準試料をそれぞれ2つ用意する。尚、熱処理は、高周波焼き入れ、浸炭焼き入れ、窒化処理等の種類に応じて製品に要求される基準の熱処理を同一条件において行う。
その後、熱処理ありの基準試料と、熱処理無しの基準試料の1つを切断し、深さ方向の硬さをビッカース硬さ試験等の本超音波非破壊計測方法以外の硬さ測定方法を用いて硬さの測定を行う。
次いで、本超音波非破壊計測方法を用いて、熱処理有りの基準試料と、熱処理無しの基準試料の1つを計測し、それぞれ周波数毎の位相速度を求める。
以上の測定により得られた周波数−位相速度データを、波長−位相速度、深さ(波長/2)−位相速度に変換する。
この変換データと、当該深さにおける材料硬さ実測データを対応させて、位相速度−硬さ特性テーブルを得た後、最小自乗法等の方法によって調節して基準となる基準測定値曲線を得る。以降、この基準測定値曲線を用いて位相速度を硬さに変換することができる。尚、この基準測定値曲線は複数の基準試料の測定により、より確度のあるものに調節することが好ましい。
4.表面処理層の深さの測定
基準となる基準試料の材料表面層の深さと、測定された位相速度との関係を用いて、目的とする同種材料表面の位相速度を測定し表面処理層の深さを測定することができる。
表面処理層の厚さが、ある一定以上有する硬さを示す深さ範囲とすると定義される場合、基準測定値曲線から、一定以上の硬さに相当する位相速度を求めて基準値として設定し、前項(3)と同様の方法により対象とする試料の周波数−位相速度の関係を求め、当該基準位相速度に相当する周波数から、その1/2波長を介して深さを求める。この深さ値が目的とする表面処理層の厚さに相当することになる。
基準となる基準試料の材料表面層の深さと、測定された位相速度との関係を用いて、目的とする同種材料表面の位相速度を測定し表面処理層の深さを測定することができる。
表面処理層の厚さが、ある一定以上有する硬さを示す深さ範囲とすると定義される場合、基準測定値曲線から、一定以上の硬さに相当する位相速度を求めて基準値として設定し、前項(3)と同様の方法により対象とする試料の周波数−位相速度の関係を求め、当該基準位相速度に相当する周波数から、その1/2波長を介して深さを求める。この深さ値が目的とする表面処理層の厚さに相当することになる。
5.二次元及び三次元の硬さ等の弾性的性質画像の作成
(5)前項(1)の方法を用いて前項(3)及び(4)に準じて、試料表面における定点位置で位相速度を測定するほか、超音波振動子をライン走査してその間において複数個の測定を行うこと、及びライン走査を少しずつ縦方向にステップ的に移動させ一定平面内の面状走査による複数個の測定を行う。これによりラインの位置情報及び面の位置情報と、それぞれに対応する周波数−位相速度のデータを用いることにより、二次元及び三次元の硬さ等の弾性的性質画像を作成することができ、対象とする試料のより詳細な表面処理具合を評価することが可能となる。図8、9に超音波振動子の走査方法例と、得られる定点及び二次元、三次元の弾性的性質画像を示す。
尚、表面反射波及び表面伝播波の振幅から弾性的性質画像を作成することもできる。
(5)前項(1)の方法を用いて前項(3)及び(4)に準じて、試料表面における定点位置で位相速度を測定するほか、超音波振動子をライン走査してその間において複数個の測定を行うこと、及びライン走査を少しずつ縦方向にステップ的に移動させ一定平面内の面状走査による複数個の測定を行う。これによりラインの位置情報及び面の位置情報と、それぞれに対応する周波数−位相速度のデータを用いることにより、二次元及び三次元の硬さ等の弾性的性質画像を作成することができ、対象とする試料のより詳細な表面処理具合を評価することが可能となる。図8、9に超音波振動子の走査方法例と、得られる定点及び二次元、三次元の弾性的性質画像を示す。
尚、表面反射波及び表面伝播波の振幅から弾性的性質画像を作成することもできる。
本測定法を用いて、前項(5)における面状走査による周波数−位相速度の測定において、目的とする必要な周波数を予め定め、あるいは周波数−位相速度の測定を行った後、必要な数の周波数を指定することにより、指定された周波数における面の位置情報と位相速度のデータテーブルが得られる。
これを二次元の画像化を行うことにより、特定周波数における波長の1/2深さの位相速度分布、すなわち硬さ等の弾性的性質画像が得られる。この一定深さの平面情報は、例えば表面処理層界面の特性、剥離、介在物の分布等を診断する上で非常に有益となる。
これを二次元の画像化を行うことにより、特定周波数における波長の1/2深さの位相速度分布、すなわち硬さ等の弾性的性質画像が得られる。この一定深さの平面情報は、例えば表面処理層界面の特性、剥離、介在物の分布等を診断する上で非常に有益となる。
本方法は、表面反射波と表面波を含む時系列データに対して、周波数バンドパスフィルタ処理を行うことにより、目的とする周波数毎の波形、すなわち時系列超音波信号を得ることができる。
また、得られた時系列超音波信号に対して各表面反射波と表面波の時間差の測定を行い、同時に測定された焦点深さデータを用いて当該周波数の音速すなわち位相速度が算出される。
また、得られた時系列超音波信号に対して各表面反射波と表面波の時間差の測定を行い、同時に測定された焦点深さデータを用いて当該周波数の音速すなわち位相速度が算出される。
6.超音波非破壊計測装置の構成
本測定法に用いる本発明の超音波非破壊計測装置は、図1に示すように超音波プローブ1、走査部2、送受信部3、波形測定部4、波形演算部5、出力部6を備える。また、本測定装置は、水槽91内の載置台92上に載置された試料8の測定を行うことができる。
超音波プローブ1は、先端に円弧状の超音波振動子11が設けられており、図3に示すように超音波振動子11から試料8に超音波パルスを発することができる。また、試料8からの表面反射波及び表面伝播波を受信する。
本測定法に用いる本発明の超音波非破壊計測装置は、図1に示すように超音波プローブ1、走査部2、送受信部3、波形測定部4、波形演算部5、出力部6を備える。また、本測定装置は、水槽91内の載置台92上に載置された試料8の測定を行うことができる。
超音波プローブ1は、先端に円弧状の超音波振動子11が設けられており、図3に示すように超音波振動子11から試料8に超音波パルスを発することができる。また、試料8からの表面反射波及び表面伝播波を受信する。
走査部2は、試料8を超音波プローブ1で走査するためのX軸駆動部21、Y軸駆動部22、及びZ軸駆動部23を備える。各駆動部21、22、23は、モータ等によって駆動し、超音波プローブ1を移動させることができる。また、X軸駆動部21及びY軸駆動部22によって試料8の1面を走査することができる。更に、Z軸駆動部23によって試料と超音波プローブ1との間の距離を調節したり、1度の超音波パルスによって測定できる範囲を超えた範囲の深さを走査したりすることができる。
送受信部3は超音波振動子11に接続され、超音波パルスの送信回路と、表面反射波及び表面伝播波を受信する受信回路を備える。
波形測定部4は、送受信部3で受信した表面反射波及び表面伝播波を波形演算部5で扱えるように、アナログ−デジタル変換を行う回路である。
送受信部3は超音波振動子11に接続され、超音波パルスの送信回路と、表面反射波及び表面伝播波を受信する受信回路を備える。
波形測定部4は、送受信部3で受信した表面反射波及び表面伝播波を波形演算部5で扱えるように、アナログ−デジタル変換を行う回路である。
波形演算部5は、パーソナルコンピュータとそのパーソナルコンピュータで実行されるプログラムによって構成され、波形測定部4で変換された表面反射波及び表面伝播波のデジタル信号を元に演算を行い、必要な弾性的性質を求めることができる。この周波数フィルタを用いた波形処理のフローチャートを図4に示す。
また、測定結果から平面分布及び深さ方向分布の二次元及び三次元等の弾性的性質画像を作成することができる。
また、測定結果から平面分布及び深さ方向分布の二次元及び三次元等の弾性的性質画像を作成することができる。
出力部6は、波形演算部5で求めた弾性的性質を出力手段に出力する手段である。この出力手段はディスプレイ装置による画面表示、プリンタによる印刷、CD−R等の外部記憶媒体への記録、ネットワークに接続されたコンピュータ機器への送信等を選択することができる。
水槽91は、試料表面と超音波プローブとの間を安定してカップリングするために用いられる。
水槽91は、試料表面と超音波プローブとの間を安定してカップリングするために用いられる。
本超音波非破壊計測方法及びそれを用いた超音波非破壊計測装置によって鋼材の硬さ測定を行った。
本実施例に用いた超音波非破壊計測装置は、図1に示すように超音波プローブ1、走査部2、送受信部3、波形測定部4、波形演算部5、出力部6を備える。また、本測定装置は、水槽91内の載置台92上に載置された試料8の測定を行うことができる。更に、超音波振動子11は、中心周波数50MHzの水浸ポイントフォーカスタイプ型を用いた。また、計測した超音波パルスは、1kHz〜150MHzで、5MHz毎にソフトウェアバンドパスフィルタで分離して位相速度を算出した。
本実施例に用いた超音波非破壊計測装置は、図1に示すように超音波プローブ1、走査部2、送受信部3、波形測定部4、波形演算部5、出力部6を備える。また、本測定装置は、水槽91内の載置台92上に載置された試料8の測定を行うことができる。更に、超音波振動子11は、中心周波数50MHzの水浸ポイントフォーカスタイプ型を用いた。また、計測した超音波パルスは、1kHz〜150MHzで、5MHz毎にソフトウェアバンドパスフィルタで分離して位相速度を算出した。
1.高周波焼き入れ炭素鋼の測定
(1)材料表面層硬さ分布測定
炭素鋼(S50C)からなる試料を、試料表面下約0.9mmに超音波振動子の焦点位置が位置するように水槽内に配置し、表面反射波及び表面伝播波である漏洩表面波の時系列波形を測定した。また、2mm程度の深さを目標に表層に高周波焼き入れを行ったものと、焼き入れを行わないものと、2種類の試料について測定を行った。この測定結果を図10に示す。図10に示すように焼き入れなしの試料のビッカース硬さ(Hv)が200前後であるのに対して、焼き入れ材においては深さ約1,000μmの範囲に硬化が生じている。
(1)材料表面層硬さ分布測定
炭素鋼(S50C)からなる試料を、試料表面下約0.9mmに超音波振動子の焦点位置が位置するように水槽内に配置し、表面反射波及び表面伝播波である漏洩表面波の時系列波形を測定した。また、2mm程度の深さを目標に表層に高周波焼き入れを行ったものと、焼き入れを行わないものと、2種類の試料について測定を行った。この測定結果を図10に示す。図10に示すように焼き入れなしの試料のビッカース硬さ(Hv)が200前後であるのに対して、焼き入れ材においては深さ約1,000μmの範囲に硬化が生じている。
また、同焼き入れ試料及び焼き入れなし試料を対象として、本超音波非破壊計測方法による超音波表面波を用いた位相速度の測定結果を図11に示す。更に測定した結果の解析により求めた周波数に対応する音速、すなわち位相速度の関係を示す。
焼き入れがされていない試料の位相速度は図11に示すように、評価した周波数範囲に対してほぼフラットな値を示し、音速レベルに変化が少ないことがわかった。一方、焼き入れされた試料は、低周波域から高周波域にかけて暫時位相速度が低下する傾向が示された。これは、表面波の性質として当該周波数の1波長程度の深さ範囲を伝播する性質があるため、特定周波数の表面波はそれに相当する深さを伝播することにより、当該深さの弾性的性質を反映した音速変化となって現れたことを示している。この場合、弾性的性質への影響として焼き入れにともなうマルテンサイト変態、密度変化等の事象に対応して音速が低下したことが予測される。
焼き入れがされていない試料の位相速度は図11に示すように、評価した周波数範囲に対してほぼフラットな値を示し、音速レベルに変化が少ないことがわかった。一方、焼き入れされた試料は、低周波域から高周波域にかけて暫時位相速度が低下する傾向が示された。これは、表面波の性質として当該周波数の1波長程度の深さ範囲を伝播する性質があるため、特定周波数の表面波はそれに相当する深さを伝播することにより、当該深さの弾性的性質を反映した音速変化となって現れたことを示している。この場合、弾性的性質への影響として焼き入れにともなうマルテンサイト変態、密度変化等の事象に対応して音速が低下したことが予測される。
(2)硬さ分布の予測
波長(λ)=音速/周波数の関係から、1λを浸透深さ範囲として、更に音速の代表深さを浸透深さ範囲の1/2にとり、λ/2と位相速度の関係を求めた結果を図12に示す。図12に示すようにλ/2は実質表面下の深さを示し、深いほど位相速度が上昇することがわかる。位相速度の上昇は硬さの変化に対応して現れたもので、この深さと位相速度及び当該焼き入れ試料の深さと硬さ実測値との関係から、硬さと位相速度の関係を求めた特性カーブを図13に示した。図13に示すように両者の関係は線形的な関係が認められ、こうして求めた特性カーブを基準測定値曲線として、硬さ未知の焼き入れ材の表面波位相速度を測定することにより、当該試料の深さ方向硬さ分布を予測することができる。
波長(λ)=音速/周波数の関係から、1λを浸透深さ範囲として、更に音速の代表深さを浸透深さ範囲の1/2にとり、λ/2と位相速度の関係を求めた結果を図12に示す。図12に示すようにλ/2は実質表面下の深さを示し、深いほど位相速度が上昇することがわかる。位相速度の上昇は硬さの変化に対応して現れたもので、この深さと位相速度及び当該焼き入れ試料の深さと硬さ実測値との関係から、硬さと位相速度の関係を求めた特性カーブを図13に示した。図13に示すように両者の関係は線形的な関係が認められ、こうして求めた特性カーブを基準測定値曲線として、硬さ未知の焼き入れ材の表面波位相速度を測定することにより、当該試料の深さ方向硬さ分布を予測することができる。
(3)硬さの誤差
炭素鋼S50Cに対して、焼き入れ深さ0.5mmを目標に高周波焼き入れを行った試料の表面からの深さ方向のビッカース硬さの実測値を図14に示す。また、同試料に対して本発明の周波数フィルタ法を用いて測定した位相速度を図15に示す。更に、位相速度とそのλ/2との関係を図16に示す。この焼き入れ材の場合もλ/2が小さくなるほど位相速度が低下する傾向が見られた。すなわち、表面層に近いほど位相速度が低下することが示されている。この位相速度の値から、図16を基準測定値曲線に照合して硬さ(Hv)を予測した。その結果と、図13に示す、相対する深さの硬さ実測値とを対比した結果を図17に示した。図17に示す結果における、実測硬さに対する位相速度から求めた予測硬さの誤差は、平均値において2.2%であった。また、バラツキを正規分布とする95%信頼度の区間推定において±2.7%の範囲において測定できることが確かめられた。
炭素鋼S50Cに対して、焼き入れ深さ0.5mmを目標に高周波焼き入れを行った試料の表面からの深さ方向のビッカース硬さの実測値を図14に示す。また、同試料に対して本発明の周波数フィルタ法を用いて測定した位相速度を図15に示す。更に、位相速度とそのλ/2との関係を図16に示す。この焼き入れ材の場合もλ/2が小さくなるほど位相速度が低下する傾向が見られた。すなわち、表面層に近いほど位相速度が低下することが示されている。この位相速度の値から、図16を基準測定値曲線に照合して硬さ(Hv)を予測した。その結果と、図13に示す、相対する深さの硬さ実測値とを対比した結果を図17に示した。図17に示す結果における、実測硬さに対する位相速度から求めた予測硬さの誤差は、平均値において2.2%であった。また、バラツキを正規分布とする95%信頼度の区間推定において±2.7%の範囲において測定できることが確かめられた。
2.窒化処理材工具鋼の計測
工具鋼(SCM435)にガス窒化処理を施した窒化処理材工具鋼を試料として、試料の表面層からの位相速度とその波長との関係を、本発明の超音波非破壊計測方法を用いて測定した結果を図18に示す。
図18に示すように、窒化処理なし、深さ0.03mmの窒化処理、及び深さ0.1mmの窒化処理の3つの試料を作製し、計測を行った。処理なしの場合に対して、各窒化処理材の位相速度は短波長側、すなわち表面層に近いほど音速が上昇する結果が得られた。また、窒化処理層が厚いほど位相速度はレベル的に上昇する傾向が認められる。
工具鋼(SCM435)にガス窒化処理を施した窒化処理材工具鋼を試料として、試料の表面層からの位相速度とその波長との関係を、本発明の超音波非破壊計測方法を用いて測定した結果を図18に示す。
図18に示すように、窒化処理なし、深さ0.03mmの窒化処理、及び深さ0.1mmの窒化処理の3つの試料を作製し、計測を行った。処理なしの場合に対して、各窒化処理材の位相速度は短波長側、すなわち表面層に近いほど音速が上昇する結果が得られた。また、窒化処理層が厚いほど位相速度はレベル的に上昇する傾向が認められる。
3.CrNコーティング材の計測
図19に示すように、PVD法によりステライト基材表面に実施されたCrNコーティング材と、コーティングなしの基材と、を本発明の超音波非破壊計測方法を用いて測定し、位相速度と波長の関係を比較した。
図19に示すように、基材における位相速度の変化は殆ど認められないのに対して、コーティング材においては、短波長側において位相速度の上昇が認められる。また、目標コーティング厚が厚いほど音速レベルは上昇する結果となった。
これら2例は、焼き入れ層のように順次性質が変化するのではなく、明瞭に材質の異なる層状をなす場合においても、本周波数フィルタリング法による表面波位相速度測定によりコーティング層の厚さに関連した情報が得られる特質のあることが示される。
尚、窒化層及びCrNコーティング層は、それぞれ前者にあっては窒化物の形成が、後者にあってはCrN層そのものが致密な高硬化層をなしていて、それにともない各処理なしの基材に対して超音波音速が上昇する特性を示したものである。
図19に示すように、PVD法によりステライト基材表面に実施されたCrNコーティング材と、コーティングなしの基材と、を本発明の超音波非破壊計測方法を用いて測定し、位相速度と波長の関係を比較した。
図19に示すように、基材における位相速度の変化は殆ど認められないのに対して、コーティング材においては、短波長側において位相速度の上昇が認められる。また、目標コーティング厚が厚いほど音速レベルは上昇する結果となった。
これら2例は、焼き入れ層のように順次性質が変化するのではなく、明瞭に材質の異なる層状をなす場合においても、本周波数フィルタリング法による表面波位相速度測定によりコーティング層の厚さに関連した情報が得られる特質のあることが示される。
尚、窒化層及びCrNコーティング層は、それぞれ前者にあっては窒化物の形成が、後者にあってはCrN層そのものが致密な高硬化層をなしていて、それにともない各処理なしの基材に対して超音波音速が上昇する特性を示したものである。
4.FFT演算法
FFT演算を用いて炭素鋼(S50C)の位相速度を求めた結果を図20に示す。
本計測方法は、超音波振動子の焦点Zを変えた2点における表面反射波及び表面伝播波である漏洩表面波を含む時系列波形を取得して、漏洩表面波部分を抽出し、FFT処理及び位相スペクトル解析を行い、相互の位相差から位相速度を求める方法である。
各例は、漏洩表面波の波形の抽出を開始する時間t1、t2と、抽出期間Δt1、Δt2を変化させたものである。図20の例1〜3に示すように、Δt1及びΔt2を一定にし、t1を16.300〜16.314μs、t2を15.832〜15.847μsと変化させた場合、特に30MHz以下において大きく位相速度が変化することがわかる。また、図20の例4〜6に示すように、t1及びt2を一定にし、Δt1を0.0596〜0.0694μs、Δt2を0.0596〜0.0694μsと変化させた場合も、特に30MHz以下において大きく位相速度が変化し、バンドパスフィルタを用いる場合と比べて計測精度が悪くなることがわかる。
FFT演算を用いて炭素鋼(S50C)の位相速度を求めた結果を図20に示す。
本計測方法は、超音波振動子の焦点Zを変えた2点における表面反射波及び表面伝播波である漏洩表面波を含む時系列波形を取得して、漏洩表面波部分を抽出し、FFT処理及び位相スペクトル解析を行い、相互の位相差から位相速度を求める方法である。
各例は、漏洩表面波の波形の抽出を開始する時間t1、t2と、抽出期間Δt1、Δt2を変化させたものである。図20の例1〜3に示すように、Δt1及びΔt2を一定にし、t1を16.300〜16.314μs、t2を15.832〜15.847μsと変化させた場合、特に30MHz以下において大きく位相速度が変化することがわかる。また、図20の例4〜6に示すように、t1及びt2を一定にし、Δt1を0.0596〜0.0694μs、Δt2を0.0596〜0.0694μsと変化させた場合も、特に30MHz以下において大きく位相速度が変化し、バンドパスフィルタを用いる場合と比べて計測精度が悪くなることがわかる。
本超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置は、(1)表面層の硬さ平面分布の測定、(2)表面層の硬さ深さ分布の測定、(3)薄膜の厚さ、硬さ(強度)、界面状態(密着強度、剥離検出等)の測定等に用いることができる。
1;超音波プローブ、11;超音波振動子、
2;走査部、21;X軸駆動部、22;Y軸駆動部、23;Z軸駆動部、
3;送受信部、4;波形測定部、5;波形演算部、6;出力部、8;試料、
91;水槽、92;載置台。
2;走査部、21;X軸駆動部、22;Y軸駆動部、23;Z軸駆動部、
3;送受信部、4;波形測定部、5;波形演算部、6;出力部、8;試料、
91;水槽、92;載置台。
Claims (6)
- 表面波を用いた超音波非破壊計測方法であって、
超音波振動子から複数周波数の成分を含む超音波パルスを被計測物に照射して表面反射波及び表面伝播波を生じさせ、
その後、該表面反射波及び該表面伝播波を受信し、周波数フィルタを用いて該複数周波数における波形を分離し、
次いで、分離した各波形から周波数毎の位相速度を算出して、該位相速度から被計測物の複数の深さにおける弾性的性質を求めることを特徴とする超音波非破壊計測方法。 - 上記超音波振動子は、水浸ラインフォーカス型又は水浸ポイントフォーカス型であり、
位相速度の算出に用いる焦点深さ△Zは、下記(1)式によって算出される請求項1記載の超音波非破壊計測方法。
△Z=1/2・Vw(t0−tR) (1)
△Z:焦点深さ(m)
Vw:水の音速(m/s)
t0:焦点位置が表面である場合の表面反射波の伝播時間(s)
tR:表面波測定を行う焦点深さにおける表面反射波の伝播時間(s) - 上記被計測物と同材質である材料表面層の所定周波数の位相速度に対応した深さ及び弾性的性質の基準測定値と、上記計測して算出した該被計測物の位相速度と、を比較して該所定周波数における該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出する請求項1又は2記載の超音波非破壊計測方法。
- 上記複数周波数毎の上記基準測定値と、上記被計測物の位相速度と、を比較して該複数周波数毎の該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出する請求項3記載の超音波非破壊計測方法。
- 上記被計測物の表面を走査して得られる複数地点の位相速度からそれぞれ所定周波数における該被計測物の計測深さ及び弾性的性質を算出し、該計測深さ及び該弾性的性質の分布画像を作成する請求項3又は4記載の超音波非破壊計測方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超音波非破壊計測方法に用いる超音波非破壊計測装置であって、
被計測物の表面部を走査する超音波振動子の走査部と、該走査部に設けられる超音波発受信部と、波形演算部とを備え、
該波形演算部は、該超音波受信部から得られる受信波形から被計測物の弾性的性質を求めてその画像を作成することを特徴とする超音波非破壊計測装置。
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JP2004272454A JP2006084447A (ja) | 2004-09-17 | 2004-09-17 | 超音波非破壊計測方法及びそれに用いる超音波非破壊計測装置 |
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