JP2006084196A - 温度センサ一体型渦流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ライン流体を止めることなくセンサの交換を可能とする温度センサ一体型渦流量計を提供する。
【解決手段】 温度センサ一体型渦流量計1は、測定管2に対する固定部と、固定部に連続する可動管部10と、可動管部10の先端に位置する受圧板11と、固定部及び可動管部10に跨る空洞部14とを有し、可動管部10及び受圧板11を渦発生体3内部の計測室6に挿入する構成の振動管8を備える。また、可動管部10の内側にバネ板23を介して接触する弾性母材17を有し、且つ空洞部14に対して着脱自在となり、且つ振動管8の振動に応動してその振動を検出する構成の渦検出部9を備える。更には、被測定流体の温度測定を行うために弾性母材17の内部に差し込まれて渦検出部9に一体化する構成の温度センサ4を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、渦流量計に温度センサを一体化した温度センサ一体型渦流量計に関する。
流管に流れる被測定流体の流量を計測するために渦流量計が用いられている。渦流量計は、周知のように、流体の流れの中に渦発生体を配設したとき、所定のレイノルズ数範囲では、渦発生体から単位時間内に発生するカルマン渦の数(渦周波数)が気体、液体に関係なく流量に比例することを利用したもので、この比例定数はストローハル数と呼ばれている。渦検出センサとしては、圧電センサ等が挙げられ、渦発生体により生じるカルマン渦に基づく変化を検出することが可能である。渦流量計は、被測定流体の物性に影響されずに流量を測定できる簡易な流量計であって、気体や流体の流量計測に広く使用されている。
従来の渦流量計おいて、例えば下記特許文献1には、渦流量計に質量流量測定機能を付加するための構造が開示されている。すなわち、渦発生体の内部に大径及び小径の連続する凹部を形成して、大径の凹部に渦検出センサを固着するとともに、小径の凹部に温度センサを固着する構造が開示されている。下記特許文献1における渦発生体は、測定管内に差し込まれて固定される構造になっている。
特開2003−254799号公報 (第4頁、第1図)
上記従来技術にあっては、渦発生体の内部に渦検出センサや温度センサを固着してなる構造であることから、センサの交換を必要とする場合には、渦発生体ごと取り外してその渦発生体を含めて交換しなければならないという問題点を有している。また、上記従来技術にあっては、渦発生体を測定管内に差し込んで固定してなる構造であることから、交換の際に流体の流出が生じないようにする必要性があり、ライン流体を止めなければならないという問題点を有している。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ライン流体を止めることなくセンサの交換を可能とする温度センサ一体型渦流量計を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の温度センサ一体型渦流量計は、測定管に対して固定する固定部と、該固定部に連続する可動管部と、該可動管部の先端に位置して被測定流体のカルマン渦による圧力変動を受ける受圧板と、前記固定部及び前記可動管部に跨る空洞部とを有し、前記可動管部及び前記受圧板を前記測定管における渦発生体内部の計測室に挿入する構成の振動管を備えるとともに、前記可動管部の内側にバネ板を介して接触する弾性母材を有し、且つ前記空洞部に対して着脱自在となり、且つ前記振動管の振動に応動して該振動を検出する構成の渦検出部を備え、更には、前記被測定流体の温度測定を行うために前記弾性母材の内部に差し込まれて前記渦検出部に一体化する構成の温度センサを備えてなることを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、保守・点検の際に、温度センサを一体化した渦検出部のみを振動管から取り外すだけでセンサの交換が行えるようになる。渦検出部を取り外しても測定管には振動管が残ることから、センサ交換の際の流体の流出が阻止される。
請求項2記載の本発明の温度センサ一体型渦流量計は、請求項1に記載の温度センサ一体型渦流量計において、前記温度センサの測定値を補正する温度補正手段を更に備えることを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、温度センサが被測定流体に対して直接接触しない構成であっても、被測定流体の温度を精度良く測定することが可能になる。
請求項3記載の本発明の温度センサ一体型渦流量計は、請求項1又は請求項2に記載の温度センサ一体型渦流量計において、前記温度センサの周囲に高熱伝導性の金属リングを設けることを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、弾性母材及び金属リングを介して被測定流体の温度が温度センサに伝わる。金属リングを設けることにより、被測定流体の温度を精度良く測定することが可能になる。
請求項4記載の本発明の温度センサ一体型渦流量計は、請求項3に記載の温度センサ一体型渦流量計において、低熱伝導性の封止材を用いて前記金属リングを固定することを特徴としている。このような特徴を有する本発明によれば、封止材で金属リングが固定される。また、低熱伝導性の封止材で封止すると、被測定流体以外の他の部位からの温度影響を受け難くすることが可能になる。
請求項1に記載された本発明によれば、ライン流体を止めることなくセンサの交換を容易に行うことができるという効果を奏する。また、請求項2、3に記載された本発明によれば、被測定流体の温度を精度良く測定することができるという効果を奏する。また、請求項4に記載された本発明によれば、金属リングの固定と他の部位からの温度影響を受け難くすることができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の温度センサ一体型渦流量計の一実施の形態を示す断面図である。また、図2は振動管の断面図、図3は渦検出部の断面図、図4はセンサ指示温度−補正量のグラフである。
図1において、引用符号1は本発明の温度センサ一体型渦流量計を示している。その本発明の温度センサ一体型渦流量計1は、測定管2と、渦発生体3と、温度センサ4を内蔵した渦検出センサ5と、その渦検出センサ5からの出力信号に基づいて被測定流体(図示省略)の流速又は容積流量を算出するとともに、温度センサ4からの出力信号に基づいて質量流量を算出することが可能な流量変換器(図示省略)と、を備えて構成されている。以下、図1ないし図3を参照しながら上記各構成について説明する。
測定管2は、管断面が例えば円形状となる筒状に形成されている。測定管2は、被測定流体が流れる方向に沿って伸びるように形成されている。渦発生体3は、測定管2の内部に渦を発生させるための部分であって、被測定流体の流れに対向するように、その形状が形成されている。渦発生体3は、本形態において、三角柱形状に形成されている(形状は一例であるものとする)。渦発生体3には、一端が開口した計測室6が形成されている。計測室6は、渦発生体3の軸方向に形成されている。このような計測室6には、被測定流体の流れに対して直交方向に貫通する導圧孔7が形成されている。導圧孔7は、渦(カルマン渦)による変動圧を計測室6に導入するために形成されている。
ここで、渦発生体3により生じる渦について説明する。渦は、測定管2に流入する被測定流体が渦発生体3に沿って流れる流れによって生じる運動量変化の大きい位置から剥離するもので、渦発生体3の断面が本形態のように三角形状の場合は、三角形エッジ部が剥離点となる。渦発生体3から剥離し流出する渦は、カルマンの安定渦条件に従って、千鳥状に交互に発生し、一定の渦間距離及び渦列間距離を保った渦列を形成しながら流出する。渦間距離は、単位時間当たりに発生する渦の数、すなわち、渦周波数と、所定時間内に、例えば、基準タンク等の基準容器に流入した流体から求めた流量に基づいて算出された単位時間当たりの流速とから求めることができる。
渦検出センサ5は、渦検出のためのセンサであって、ここでは圧電センサが用いられている。渦検出センサ5は、振動管8と渦検出部9とを備えて構成されている。振動管8は、計測室6に差し込まれる可動管部10と、可動管部10の一端に連成される受圧板11と、可動管部10の他端に連成されて測定管2の固定部に固定される振動部取り付けフランジ12と、その振動部取り付けフランジ12に連成される振動管頭部13と、振動管頭部13から可動管部10の上記一端近傍にかけて形成される空洞部14とを有している。尚、振動部取り付けフランジ12と振動管頭部13は、特許請求の範囲に記載した固定部に相当するものとする。
可動管部10は、計測室6の内周面に対して僅かな隙間があくような形状に形成されている。受圧板11は、導圧孔7の位置に合うように配置形成されている。振動部取り付けフランジ12には、ボルト穴(図示省略)が形成されている。振動管頭部13の固定面15には、渦検出部9を固定するためのボルト穴16が形成されている。空洞部14には、渦検出部9が僅かな隙間をあけて差し込まれるようになっている。
渦検出部9は、振動管8に対して着脱自在となるように構成されている。すなわち、渦検出センサ5は、渦検出部9に劣化が生じてもその渦検出部9を交換すれば容易に正常復帰させることができるようになっている。また、渦検出センサ5は、被測定流体の流れを止めずにメンテナンスを行うことができるようになっている。渦検出部9には、後述するが、温度センサ4が一体化されている。渦検出部9は、振動管8が受けるカルマン渦による圧力変動を忠実に受けて電気信号に変換して流量変換器(図示省略)へ出力することができるように構成されている。具体的には、弾性母材17と、圧電素子板18と、電極板19と、端子20と、リード線21と、挿通管22と、バネ板23と、素子カバー24とを備えて構成されている。
弾性母材17は、異径の金属柱であって、上端部25と支持円柱部26とバネ取り付け部27とを有している。また、弾性母材17は、有底であり内部が空洞となるように形成されている。上端部25には、圧電素子板18が貼り付けによって取り付けられている。弾性母材17は、上端部25側が素子カバー24内に収容されるようになっている。支持円柱部26は、可動管部10に差し込まれる部分であって、空洞部14に対して僅かな隙間があくような形状に形成されている。支持円柱部26の上端には、上端部25が、また、支持円柱部26の下端には、バネ取り付け部27が連成されている。バネ取り付け部27は、支持円柱部26よりも小径であって、バネ板23が溶接等により連成されている。
バネ板23は、空洞部14の端部に形成される係止凹部28に挿入され、そして、バネ作用によって支持可能となる部分であって、放射状のスリット(図示省略)が複数形成されている。バネ板23は、係止凹部28の径よりも若干大きな径となるように形成されている。
圧電素子板18は、上端部25に形成された二つの面取り部に各々金ペースト等の導電性接着剤を用いて貼着された圧電素子であって、非貼着面には、各々、例えば多孔板からなる電極板19が貼着されている。圧電素子板18は、端子20や電極板19を介してリード線21に接続されている。
素子カバー24は、圧電素子板18、電極板19、及び端子20からなる検出素子部(符号省略)を密封するために備えられている。素子カバー24は、両端部が窄む略円筒体の形状に形成されている。素子カバー24の周囲には、素子カバーフランジ29と固定段部30とが形成されている。素子カバーフランジ29には、ボルト穴31が形成されている。固定段部30には、固定面32が形成されている。
渦検出部9は、振動管頭部13の固定面15に固定段部30の固定面32を載せて素子カバーフランジ29のボルト穴31に挿通したボルト33を振動管頭部13のボルト穴16に螺合させることにより固定されるようになっている。
素子カバー24の上端部には、リード線21を挿通する挿通管22が気密に取り付けられている。また、素子カバー24の下端部には、上端部25と支持円柱部26の境界部分とが溶接されている。素子カバー24の下端部からは、支持円柱部26とバネ板23が突出するようになっている。素子カバー24は、上記検出素子部を収容するために二分割することができる形状に形成されている。引用符号Mは分割部分の溶接部を示している。
温度センサ4は、被測定流体の温度を測定するための棒状のセンサであって、渦検出センサ5に一体化されている。具体的には、弾性母材17の内部(上端部25及び支持円柱部26の内部)に温度センサ4が差し込まれて収容固定されている。温度センサ4は、その先端が支持円柱部26の先端近傍に配置されている。温度センサ4の先端側の周囲には、温度センサ4を支持して支持円柱部26との間に介在する金属リング34が設けられている。
金属リング34は、高熱伝導性を有する金属部材であって、被測定流体の温度が温度センサ4に伝わり易くするために設けられている。このような金属リング34の上には、封止材35が設けられている。封止材35は、金属リング34を固定するために設けられている。封止材35は、低熱伝導性を有するものであって、被測定流体以外の他の部位からの温度影響を受け難くするために設けられている。温度センサ4からのびるリード線36は、渦検出部9のリード線21と共に挿通管22に挿通されている。
図示しない流量変換器内において、温度センサ4の指示温度は、温度補正手段(図示省略)によって補正されるようになっている。すなわち、本発明では、温度センサ4が直接に被測定流体に接していなくとも、被測定流体の温度を精度良く測定することができるように構成されている。
図示しない温度補正手段は、例えば流量変換器の制御部に組み込まれており、本形態においては、図4のセンサ指示温度−補正量のグラフに示されるような関係から被測定流体の温度を補正するように構成されている。図4のセンサ指示温度−補正量のグラフには、流量計本体の口径の違いに合わせたグラフが示されている。口径は、例えば設置時に予め入力するようになっている。
上記構成において、渦検出センサ5は、温度センサ4を内蔵した渦検出部9を振動管8内に挿入して振動伝達可能に一体に固着したものであって、振動管8と渦検出部9との固着部分は、係止凹部28とバネ板23の外周のバネ力による接触部分、及び、振動管8の振動管頭部13の固定面15と素子カバーフランジ29とのボルト穴を介したボルト締めによる部分の二カ所となっている。
測定管2の流路37に被測定流体(図示省略)が流れ、カルマン渦が左右交互に発生すると、変動圧力が生じ受圧板11が左右に振動する。これにより振動管8の可動管部10は、振動部取り付けフランジ12を支点として振動する。振動は、バネ板23を介して弾性母材17に伝達される。弾性母材17は、上端部25側が素子カバー24内に収容され、また、固着されていることから、上端部25側を支点として片持ち状に左右に振動して圧電素子板18に交番応力を生じさせる。渦検出センサ5は、渦に対応した電気信号を流量変換器(図示省略)に出力する。また、温度センサ4は、可動管部10、弾性母材17、及び金属リング34を介して伝わる被測定流体の温度に対応した電気信号を流量変換器(図示省略)に出力する。流量変換器(図示省略)では、温度補正手段(図示省略)により温度センサ4で測定された被測定流体の温度が補正される。
本発明の温度センサ一体型渦流量計1は、温度センサ4を備えることから、既知の機能の他に質量流量測定機能を付加することができる。また、本発明の温度センサ一体型渦流量計1は、渦発生体3に差し込まれて固定される振動管8と、その振動管8の空洞部14に対して着脱自在な渦検出部9と、渦検出部9に内蔵されて一体化する温度センサ4とを備えていることから、保守・点検の際に、渦検出部9を振動管8から取り外すだけでセンサの交換を行うことができる。すなわち、センサ交換を容易に行うことができる。さらに、本発明の温度センサ一体型渦流量計1は、渦検出部9を取り外しても測定管2に振動管8が残ることから、センサ交換の際の被測定流体の流出を阻止することができる。従って、ライン流体を止めることなくセンサ交換を行うことができる。さらにまた、本発明の温度センサ一体型渦流量計1は、温度補正手段(図示省略)を備えることから、温度センサ4が被測定流体に対して直接接触しない構成であっても、被測定流体の温度を精度良く測定することができる。
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
本発明の温度センサ一体型渦流量計の一実施の形態を示す断面図である。 振動管の断面図である。 渦検出部の断面図である。 センサ指示温度−補正量のグラフである。
符号の説明
1 温度センサ一体型渦流量計
2 測定管
3 渦発生体
4 温度センサ
5 渦検出センサ
6 計測室
7 導圧孔
8 振動管
9 渦検出部
10 可動管部
11 受圧板
12 振動部取り付けフランジ
13 振動管頭部
14 空洞部
15 固定面
16 ボルト穴
17 弾性母材
18 圧電素子板
19 電極板
20 端子
21 リード線
22 挿通管
23 バネ板
24 素子カバー
25 上端部
26 支持円柱部
27 バネ取り付け部
28 係止凹部
29 素子カバーフランジ
30 固定段部
31 ボルト穴
32 固定面
33 ボルト
34 金属リング
35 封止材
36 リード線
37 流路
M 分割部分の溶接部

Claims (4)

  1. 測定管に対して固定する固定部と、該固定部に連続する可動管部と、該可動管部の先端に位置して被測定流体のカルマン渦による圧力変動を受ける受圧板と、前記固定部及び前記可動管部に跨る空洞部とを有し、前記可動管部及び前記受圧板を前記測定管における渦発生体内部の計測室に挿入する構成の振動管を備えるとともに、
    前記可動管部の内側にバネ板を介して接触する弾性母材を有し、且つ前記空洞部に対して着脱自在となり、且つ前記振動管の振動に応動して該振動を検出する構成の渦検出部を備え、
    更には、前記被測定流体の温度測定を行うために前記弾性母材の内部に差し込まれて前記渦検出部に一体化する構成の温度センサを備えてなる
    ことを特徴とする温度センサ一体型渦流量計。
  2. 請求項1に記載の温度センサ一体型渦流量計において、
    前記温度センサの測定値を補正する温度補正手段を更に備える
    ことを特徴とする温度センサ一体型渦流量計。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の温度センサ一体型渦流量計において、
    前記温度センサの周囲に高熱伝導性の金属リングを設ける
    ことを特徴とする温度センサ一体型渦流量計。
  4. 請求項3に記載の温度センサ一体型渦流量計において、
    低熱伝導性の封止材を用いて前記金属リングを固定する
    ことを特徴とする温度センサ一体型渦流量計。
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