JP2006080396A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 曲面を有する光電変換素子において集光効率を上げる。
【解決手段】 光電変換層14と、光電変換層14より外周側に配置された透明電極12と内周側に配置された対向電極15と、これらの層の最外周に配置された透明保護膜11と、が曲面を形成して積層された光電変換素子1において、透明保護膜の屈折率をn、透明保護膜の接する外部環境の屈折率をn、透明保護膜の内周に接する層の屈折率をnとし、透明保護膜の内周曲面の曲率半径をa、外周曲面の曲率半径をrとした場合に、n<n≦n、かつn/n≦a/r<1を満たす。
【選択図】 図1

Description

本発明は、曲面を有する構造の、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する光電変換素子に関し、特に、集光効率の高い光電変換素子に関する。
従来の太陽電池は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換機能を有する材料として、主に多結晶シリコンを用いている。多結晶シリコンは、塊として安価につくりやすいため、その塊を切り出すことによって太陽電池を大量生産している。そのため、太陽電池は、切り出しがしやすい平板構造のものが主流になっている。
したがって、太陽電池は、平板構造であることを前提に効率的な光電変換機能を得る方法が考案されてきた。しかし、太陽電池が平面構造であると、平面構造の太陽電池は1平面に光電変換機能を有する層(光電変換層)が配置されることとなり、十分な光電変換能力を得るためには、広い面積の光電変換層が必要となる。したがって、太陽電池の設置面積も大きくなる。また、多くの電力を得るためには太陽電池の光電変換層が太陽の方向を向くように、すなわち、光電変換層の表面の法線方向が太陽からの光の放射方向にできるだけ近づくように設置しなければならず、設置条件が限定されるという問題もある。
そこで、最近、限られた面積にて設置でき、設置条件が限定されない太陽電池として、特許文献1のような円筒形状の太陽電池が提案されている。円筒形状の太陽電池では、光電変換層が平面でなく、円筒形状になっているので、あらゆる方向から入射する太陽光線を効率よく集光でき、単位設置面積あたりの有効発電表面積が格段に広くなる。従って、設置面積が小さくても、効率よく十分な電気エネルギーが得られる。また、あらゆる方向からの太陽光線を受容できるので、どのような方向に向けて設置しても比較的多くの光を受容でき、設置条件が限定されない。
なお、特許文献1では、円筒形状の太陽電池として、外径(半径)r=0.5mm、内径(半径)a=0.25mmのガラス管を用い、内側に透明電極、多孔質透明電極、色素、電解質、対向電極を形成した、円筒型色素増感太陽電池が開示されている。このようにガラス管内部に太陽電池の各構成を設置することで、外部環境と隔離している。
特開2003−77550(公開日:2003年3月14日) N. S. Sariciftci et al,「アプライドフィジックスレターズ」("Applied physics letters"),(アメリカ合衆国),2002年,第80巻,第7号,p1288−p1290
しかし、前記特許文献1の太陽電池では、ガラス管を介して入射する太陽光を利用するため、ガラス管を通る間に、太陽光が減少してしまうという問題がある。特に、太陽電池の機械的強度を保つために、ガラス管の厚さを大きくすると、その減少率はより大きなものとなり、十分な発電ができない可能性がある。また、太陽光を減少させずにガラス管内部に到達させるために、ガラス管の屈折率をも考慮する必要がある。
特許文献1では、このような検討はなされておらず、円筒型にすることによって有効発電表面積は増えるものの、集光効率(=円筒型透明セル内周に入射する光束/円筒型透明セル外周に入射する光束)が下がるので、効率的に電気エネルギーが得られないものと考えられる。このことは、後述する実施の形態にて計算されている、特許文献1の実施例の、ガラス材からなる、外径(半径)r=0.5mm、内径(半径)a=0.25mmのガラス管の内部に太陽電池の各構成を設置した太陽電池の集光効率から明らかである。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、曲面を有する光電変換素子において、集光効率を上げることにある。
本発明は、上記課題を解決するために、光電変換層と、光電変換層から電流を取り出す1対の電極と、最外周に配置された透明保護膜と、を備えている光電変換素子において、透明保護膜の屈折率をn、透明保護膜の接する外部環境の屈折率をn、透明保護膜の内周に接する層の屈折率をnとし、透明保護膜の内周曲面の曲率半径をa、外周曲面の曲率半径をrとした場合に、n<n≦n、かつn/n≦a/r<1を満たし、上記透明保護膜の厚さが2μmより大きいことを特徴としている。
屈折率が、n<n≦nを満たすことにより、透明保護膜に入射する光のうち反射する光が減り、光電変換層に届く光量(透過率)が増す。
また、光電変換素子の最外周の少なくとも一部に、内周側に光電変換層が位置するような曲面を有する透明保護膜が配されている。つまり、光電変換層は透明保護膜が形成する曲面の内周側に形成される構成である。この場合、透明保護膜が厚すぎると、透明保護膜に入射した光が光電変換層には届かずに、透明保護膜のみを通過して外界に出てしまう可能性がある。しかし、本発明では、n/n≦a/r<1となる形状の透明保護膜を用いているため、透明保護膜に入射した光が透明保護膜の内側、すなわち、透明保護膜の曲面の曲率半径の中心に向かうように屈曲する。
なお、外周の曲率半径は内周の曲率半径より大きいので、a/r<1が前提となる。また、n/n>a/rの場合は、透明保護膜に照射された光のうち、透明保護膜に入射した時の光の屈折方向が光電変換層に向かわず、光電変換に寄与しないものがでてくる。したがって、一部の光について、光電変換素子の表面に光線が照射されているにも拘わらず、光電変換層まで光線が届かない構造となり、集光効率が落ちる。
以上のように、本発明の光電変換素子は、反射が抑えられ、曲率半径の中心に向かうように屈曲するので、外部からの光を効率的に光電変換層に集められ、集光効率を高く保てる。
さらに、自然酸化膜や薄い熱酸化膜のような、厚さが2μm以下の膜では、外部環境からの保護機能や強度が不十分となり、透明保護膜に不具合が生じる可能性があるが、透明保護膜の厚さが2μmより大きいので十分な保護機能、強度を有する。
また、光電変換層と1対の電極と透明保護膜とは、全体が曲面を形成して積層されていてもよい。この場合、1対の電極は光電変換層を挟んで積層されていることが好ましい。
また、本発明の光電変換素子は、上記透明保護膜が円筒状または略円筒状の管であり、透明保護膜の内周曲面の曲率半径が管の内径、外周曲面の曲率半径が管の外径であることを特徴としている。
これによれば、円筒状の透明保護膜を用いた光電変換素子において、外部からの光を効率的に光電変換層に集められる。
また、本発明の光電変換素子は、上記透明保護膜が円筒状または略円筒状の管を湾曲させて端部同士をつなげたドーナツ型であり、透明保護膜の内周曲面の曲率半径が管の内径、外周曲面の曲率半径が管の外径であることを特徴としている。
これによれば、ドーナツ型の透明保護膜を用いた光電変換素子において、外部からの光を効率的に光電変換層に集められる。
ドーナツ型の光電変換素子では、透明保護膜の中が、密閉された閉じた構造となるため、円筒状の光電変換素子など端部を密閉する工程が必要となるものと比べて、密閉しやすい。また、構造上、橋などと同じ原理で、長い円筒よりも、横方向からの力に耐えることができ、強度が高い。
また、本発明の光電変換素子は、上記透明保護膜が、球状または略球状の中空球であり、透明保護膜の内周曲面の曲率半径が中空球の内径、外周曲面の曲率半径が中空球の外径であることを特徴としている。
これによれば、球形状の透明保護セルを用いた光電変換素子において、外部からの光を効率的に光電変換層に集められる。さらに、球状の光電変換素子は、全方向からの光を集光できるので、他の形状の光電変換素子と比べて、より効率的に外部からの光を光電変換層に集められる。
また、球状の光電変換素子は、透明保護膜の中が、密閉された閉じた構造となるため、円筒状の光電変換素子など端部を密閉する工程が必要となるものと比べて、より簡単に、密閉ができる。また、構造的にも全方向からの力に耐えることができ、強度が高い。
また、本発明の光電変換素子は、上記透明保護膜が、円筒状または略円筒状の管を軸方向に半分に切断した半円筒形状であり、透明保護膜の内周曲面の曲率半径が管の内径、外周曲面の曲率半径が管の外径であることを特徴としている。
これによれば、半円筒形状の透明保護膜を用いた光電変換素子において、外部からの光を効率的に光電変換層に集められる。
なお、電気を取り出す場合、電極に導線を接続する必要がある。円筒の光電変換素子の場合は、外界に開けている箇所(透明保護膜が外界と接続する箇所)は両端だけであるので、円筒の両端にて導線と接続する必要があり、電極を円筒の両端に配さなければならないという電極の位置の制約がある。対して半円筒形状の光電変換素子では、円筒を軸方向に半分に切断したときの切断面にあたる部分が、すべて外界に開けているので、任意の位置にある電極に導線を取り付けることができる。例えば、導線をプリントしたプリント基板に、光電変換素子の断面部分を合わせて取り付けることで、自由に位置設定された電極に導線を接続できる。
また、本発明の光電変換素子は、上記透明保護膜が、中空の半球形状であり、透明保護膜の内周曲面の曲率半径が中空球の内径、外周曲面の曲率半径が中空球の外径であることを特徴としている。
これによれば、半球形状の透明保護膜を用いた光電変換素子において、外部からの光を効率的に光電変換層に集められる。
なお、光電変換素子を設置する場合、例えば球形状の光電変換素子の場合は、外形がすべて曲面となっていて、形状的に固定しにくい。対して、半球形状の光電変換素子では、半分に切断したときの切断面にあたる部分が平面となり、平板の任意の位置に安定して固定できる。また、光電変換素子は切断部分から外界に開けているので、半円筒状の光電変換素子と同様、平板に配置された導線と接続させることもできる。
また、本発明の光電変換素子は、上記透明保護膜が、平板状の透明基板を機械的に湾曲させたものであることを特徴としている。
これによれば、平板上の透明基板に光電変換層などの層を積層した後に、全体を機械的に湾曲させることで、光電変換素子が形成できるので、簡単に、曲面を形成して積層された集光効率の高い光電変換素子が製造できる。
なお、透明基板を湾曲させる場合は、決まった厚さの透明基板を不等式の条件にあてはまる範囲の外周曲率半径に湾曲させてもよいし、予め外周曲率半径を設定し、不等式の条件にあてはまるような厚さの透明基板を選んで使用してもよい。
決まった厚さの透明基板を用いる場合は、不等式にあてはまる範囲内で透明保護膜の外周曲率半径を自由に設定でき、製造しやすいサイズやできるだけ小さいサイズ等の任意のサイズの光電変換素子を製造することができるという利点がある。また、予め外周曲率半径を設定する場合は、製造しやすいサイズやできるだけ小さいサイズ等の任意のサイズの光電変換素子を製造することができるという利点がある。例えば、曲面に透明基板を湾曲させて巻きつけて透明保護膜を形成する場合は、上記不等式の範囲にあてはまるような厚さの透明基板を用いて湾曲させればよい。なお、ここで、任意のサイズの光電変換素子を製造することができるとは、製造時に透明基板をカットすることによりそのサイズを制御することが容易なことをいう。
また、本発明の光電変換素子は、光電変換層と、光電変換層から電流を取り出す1対の電極と、最外周に配置された透明保護膜と、を備えている光電変換素子において、上記透明保護膜が、厚さDの平板状の透明基板を、予め設定された外周曲面の曲率半径rとなるように機械的に湾曲させて形成されたものであり、透明保護膜の屈折率をn、透明保護膜の接する外部環境の屈折率をn、透明保護膜の内周に接する層の屈折率をnとした場合に、n<n≦nとし、かつ、透明基板としてDが2μm<D≦r(1−n/n)を満たすものを用いることを特徴としている。
屈折率が、n<n≦nを満たすことにより、透明保護膜に入射する光のうち反射する光が減り、光電変換層に届く光量(透過率)が増す。
また、光電変換層は透明保護膜が形成する曲面の内周側に形成される構成であるが、この場合、透明保護膜が厚すぎると、透明保護膜に入射した光が光電変換層には届かずに、透明保護膜のみを透過して外界へでてしまう可能性がある。また、透明保護膜が薄すぎると強度が不十分になる。しかし、本発明では、D≦r(1−n/n)となる形状の透明保護膜を用いているため、十分な強度を有し、透明保護膜に入射した光が透明保護膜の内側に届くように、すなわち、透明保護膜の曲面の曲率半径の中心に向かうように屈曲する。
D≦2μmであると、外部環境からの保護機能や強度が不十分となり、透明保護膜に不具合が生じる可能性がある。また、D>r(1−n/n)であると、透明保護膜に照射された光のうち、透明保護膜に入射した時の光の屈折方向が光電変換層に向かわず、光電変換に寄与しないものがでてくる。したがって、一部の光について、光電変換素子の表面に光線が照射されているにも拘わらず、光電変換層まで光線が届かない構造となり、集光効率が落ちる。
以上のように、本発明の光電変換素子は、平板状の透明基板を機械的に湾曲させて透明保護膜を形成するものにおいて、目標となる透明保護膜の曲率半径がすでに決まっているときにも、上記不等式に適合するような厚さの透明基板を用いることで、外部からの光を効率的に光電変換層に集められ、集光効率が良好な光電変換素子を製造できる。なお、上記「予め設定された外周曲面の曲率半径」は、使用に適したサイズや製造しやすいサイズとなるように適宜設定されたものである。
本発明の光電変換素子は、以上のように、透明保護膜の屈折率をn、透明保護膜の接する外部環境の屈折率をn、透明保護膜の内周に接する層の屈折率をnとし、透明保護膜の内周曲面の曲率半径をa、外周曲面の曲率半径をrとした場合に、n<n≦n、かつn/n≦a/r<1を満たし、上記透明保護膜の厚さが2μmより大きい。
また、本発明の光電変換素子は、以上のように、光電変換層と、光電変換層から電流を取り出す1対の電極と、最外周に配置された透明保護膜と、を備えている光電変換素子において、上記透明保護膜が、厚さDの平板状の透明基板を、予め設定された外周曲面の曲率半径rとなるように機械的に湾曲させて形成されたものであり、透明保護膜の屈折率をn、透明保護膜の接する外部環境の屈折率をn、透明保護膜の内周に接する層の屈折率をnとした場合に、n<n≦nとし、かつ透明基板としてDが2μm<D≦r(1−n/n)を満たすものを用いることを特徴とする光電変換素子。
それゆえ、光電変換層に届く光量(透過率)が増し、また、透明保護膜に入射した光が透明保護膜の曲率円の中心に向かうように屈曲する。従って、本発明の光電変換素子は、外部からの光を効率的に光電変換層に集められ、集光効率が増す。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図1を用いて詳細に説明する。
本実施の形態にかかる太陽電池(光電変換素子)1は、透明保護膜11、透明電極12、バッファー層13、光電変換層14、対向電極15からなり、光を電気エネルギーに変換するものである。
透明保護膜11は、屈折率約1.5のガラス材からなるガラス管であり、形状は長さ40mm、外径(半径)10mm、内径(半径)8mm、厚さ2mmである。透明保護膜11は、太陽電池の基体となっており、外部から太陽電池の各構成を隔離し、保護する機能を有する。また、光電変換の元となる光を透明保護膜11の内部に透過させる必要があるため、透過率の高い透明な材質を使用している。
透明電極(透明保護膜の内周に接する層)12は、ITO(酸化インジウム錫:Indium−Tin−Oxide、屈折率約2)からなる電極であり、後述する光電変換層14で生成した光電流を出力するものである。透明電極12は、透明保護膜11の内壁に接するように形成され、透明保護膜11を透過した光がさらに内側に透過できるよう透過率の高い透明な材質を使用している。
バッファー層13は、透明電極12のさらに内側に積層させるものであり、透明電極12と光電変換層14との接触および電荷取り出しを良好に行うために導入する層である。
光電変換層14は、バッファー層13の内側に積層され、外部から入射した光を受け、光電変換をして、光電流を発生させるものである。
対向電極15は、光電変換層14の内側に積層されたものであり、光電変換層14で生成された電流を出力するものである。
なお、透明電極12と対向電極15とには導線16が接続されており、導線16を介して生成した電力を他の機器に供給可能になっている。
この太陽電池1の光電変換の仕組みは、有機薄膜太陽電池の光電変換構造によるものであり、シリコン太陽電池のp型、n型と同じ思想で構成されている。但し、シリコン太陽電池には、ホール輸送層(p型)と電子輸送層(n型)があり、どちらかまたは両方で励起された励起子がpn層界面で解離され、電子は電子輸送層を通って、ホールはホール輸送層を通って電界の傾きで取り出される。一方、バルクヘテロ接合型有機太陽電池では、p層n層それぞれが薄膜の形態で層構造をしているヘテロ接合構造ではなく、p層n層がバルクで無秩序に混合している。無秩序になっていても、p層n層の機能は果たしていて電極に電流が流れる。このpn層が太陽電池1の光電変換層14である。
次にこのような円筒型有機太陽電池の製造方法について説明する。この太陽電池1は、非特許文献1を参照し、以下の方法で製作した。上記したガラス管を透明保護膜11として用意し、ガラス管の内側に、メタノールにインジウム(In)と錫(Sn)のアセチルアセトネートを溶解した溶液を塗布した。そして、溶液を塗布された透明保護膜11を減圧下(N、H、O、HOを低減管理した雰囲気)で乾燥し、480℃で焼成を行った後、200℃まで同様に管理された雰囲気内で冷却した。これにより、85%以上の可視光透過率をもつITOからなる透明電極12が形成された。
透明電極12形成後、PEDOT:PSS(poly(2,3−dihydrothieno[3,4−b]−1,4−dioxin)/poly(styrenesulfonate))水溶液を透明電極12上にキャストした。十分乾燥させた後、さらに水分をなくすため真空中で30分間90℃にて乾燥させて、膜厚約100nmのバッファー層13を得た。
次に、電子ドナーとしてのMDMO−PPV(poly[2−methoxy,5−(3‘,7’−dimethyl−octyloxy)]−p−phenylene−vinylene)と、電子アクセプターとしてのPCBM([6,6]―phenyl C61―butyric acid methyl ester)をそれぞれ重量比率1:3でキシレンを溶媒として混合した溶液を用い、膜厚約100nmになるように円筒内側全体にキャストし乾燥させた。これにより、光電変換層14が形成された。
最後に、銀(Ag)微粒子をベースとするペーストを、透明電極12と導通しないように、端から約5mm以上あけて塗布することにより、対向電極15を形成した。そして、バッファー層13と光電変換層14とを部分的に除去して露出された透明電極12と対向電極15のそれぞれの電極に銀ペーストで導線16を接続し、バルクヘテロ接合型の有機太陽電池を製作した。
ここで、このような円筒状の透明保護膜11に太陽電池1の構成を内蔵した場合の、透明保護膜11の屈折率、外径(半径)、内径(半径)が集光効率に及ぼす影響について概説する。
まず、透明保護膜11を形成する場合、第1に太陽電池1を保護できる程度の強度を有し、第2に内部に、すなわち、透明保護膜11内周の接平面に、できるだけ多くの太陽光を導く(集光)、という条件を満たすことが望まれる。
特に各層が曲面を形成して積層されている場合は、光電変換層14に太陽光を導くような構成とすることが重要である。その理由は以下のとおりである。平面構造の太陽電池では、透明保護膜11と光電変換層14とが平行なので、入射した光はフレネルの透過率は存在するものの、光線そのものは直接光電変換層14に到達できる。一方、円筒形状の太陽電池の場合は、透明保護膜外周に入射した光線が、透明保護膜より内側の光電変換層へ届かなくなることがある。つまり、内周曲面の曲率半径によっては、透明保護膜11の一部から入射した光が透明保護膜11を進んで、そのまま透明保護膜11の他の外周面に到達して透過してしまう。そこで、このような光電変換に寄与しない光線をできるだけ減らすため、光電変換層14へと光を導く構成とすることが重要になる。
光線を効率よく集光するには、光電変換層に到達するまでの光線の反射を小さくし(つまり、透過率を高く保ち)、かつ、光線を円筒の中心に向くように屈曲させる必要がある。
透過率について考えると、光線が界面を通して異なる媒質に入射するとき、フレネルの透過率だけ透過される光量は減少する。ここで、太陽電池1の場合は、光が大気から入射するので、屈折率の低い媒質から高い媒質へと入射する場合について考える。一般的に、この光量の減少は、入射角が大きくないほとんどの場合において、屈折率のより大きい媒質に入射するときにその屈折率の差に依存して大きくなる。そして、光線が屈折率の低い媒質から高い媒質に入射するときは、間にその中間の屈折率の媒質を配し、この中間の屈折率の媒質を介して光線を入射させることで、屈折率の減少が抑えられる事が知られている。これは、中間の屈折率の媒質を介することによって、光線の反射が抑えられ、透過率が向上するためである。従って、透明保護膜11内周に沿って光電変換層14の受光面が配された円筒型の光電変換素子では、透過率の面から、周囲環境(通常空気)の低い屈折率nの媒質から、高い屈折率nの透明電極12に直接入射するよりも、その間に両者の中間の屈折率nを有する透明保護膜11を配して、透明保護膜11を介して透明電極12に入射させる方が効率的である。
つまり、光電変換層14への透過率を上げるために、透明保護膜12の屈折率nがn<n≦nを満たす必要がある。ここで、太陽電池1では、透明保護膜11は屈折率nが約1.5であり、外部環境である空気の屈折率n0≒1であり、透明保護膜に内接するITO透明電極の屈折率n1≒2である。従って、n0≒1<n<n1≒2の関係が成立するので、外部環境から透明電極12へ直接光が入射する場合よりも、反射が抑えられるという効果がある。
次に、上記した屈折率の材料を用いていることを前提として、光線を円筒の中心に向くような屈折をさせる構成について図2を用いて考える。なお、図2では透明セル11の中が屈折率nの媒質で満たされている物体をモデルとして考えている。
ここでは、円筒状形状の太陽電池1に、円筒の長さ方向に垂直な方向から光が照射された場合の集光効率(=透明保護膜内周に入射する光束/透明保護膜外周に入射する光束)を算出した。ここで、円筒の長さ方向をz方向、光の入射方向をx方向、x方向およびz方向に直交する方向をy方向とする。なお、円筒型透明保護膜11の外径(半径)をr、内径(半径)をa、長さをLとする。
太陽電池1の透明保護膜外周における、x方向を透明保護膜11の中心を軸に角度qだけ回転させた方向上にある単位面dSに(つまり、入射角がqである)、単位面積あたりIinの光束が照射されるとする。単位面dSに光線が入射するとき、単位面積あたりの光束IinはCosqだけ減少するので、円筒型透明保護膜11外周にある方向から入射する全光束φcyl−inは式(1)で表される。
Figure 2006080396
入射する光線は、円筒型透明保護膜11外周のある面dSに入射角qで入射し、屈折角qでフレネルの透過率T(q,n,n)だけ透過し、続いて、円筒型透明保護膜内周面に入射角Qで入射し、透過率T(q,n,n,n)で、光電変換層に透過する。ここで、スネルの法則nSinq=nSinqによりqは消去でき、透過率Tはqの関数で表されている。同様に、円筒型透明保護膜11内周に入射するときにおいても、透過率TはQの関数で表され、正弦定理よりsinQ=r/a・Sinqとなるので、これとnSinq=nSinqにより、SinQ=(r/a)・(n/n)・Sinqとなる関係が得られ、透過率Tはqの関数で表されている。以上を考慮して計算すると、円筒型透明保護膜内周に入射する全光束φcyl−transは式(2)で表される。
Figure 2006080396
このとき、入射角Q=π/2のとき(a/r=n/nのとき)を境界にして、つまり、円筒型透明保護膜の外径(半径)と内径(半径)の比a/rがn/nより大きいか小さいかで集光する光量は大きく変化する。つまり、n/n≦a/rでは、図3(a)に示すように、透明保護膜11に入射して屈折した後の光の進行方向が、必ず透明保護膜11の内側に届く。よって、すべての光線を円筒型透明保護膜11内周側へと導ける(光線の方向はすべて透明保護膜11の内側へ向かうが、界面で光が反射するので、光量のすべてが透明保護膜11の内側に届くわけではない)。しかし、a/r<n/nでは、入射角によっては、図3(b)のように円筒型透明保護膜11内周に入射せずに通り抜ける光線が多く存在するため、集光する光量は減少する。なお、外径(半径)は内径(半径)よりは大きく、どちらも正数であるので、0<a/r<1となっていることは言うまでもない。以上の計算から、集光効率φcyl−trans/φcyl−in(=円筒型透明保護膜内周に入射する光束/円筒型透明保護膜外周に入射する光束)は、式(1)と式(2)により式(3)のように表される。
Figure 2006080396
以上の計算を用いて、透明保護膜11の機能についてシミュレーションしたところ、ある方向から指向性をもった光線が入射する場合、周囲の雰囲気の屈折率と、透明保護膜11の屈折率、透明保護膜11の内側に配置された層の屈折率、および透明保護膜11の厚さ(すなわち、内径/外径比)に依存して、集光効率が大きく変化することがわかった。このことから、透明保護膜11を有した円筒状の太陽電池1を製作する上では、前記の要素について考慮した上で素子設計することで、光電変換層14により多くの光を集めることができ、より効率的な光電変換が行えることが見出された。光線が多方面から入射する場合においても、一つ一つが指向性のある光線であるので、同様の理論を用いて素子設計をすることで光電変換の効率が上がる。
ここで、このような計算に基づいて、特許文献1の実施例に記載されている太陽電池の集光効率を算出した。特許文献1の従来例では、外径(半径)r=0.5mm、内径(半径)a=0.25mm、つまりa/r=0.5のガラス管を用いている。一般的なガラス管の屈折率がn≒1.5であるので、周囲環境である空気の屈折率をn≒1として、酸化錫透明電極(n≒2)を用いた太陽電池を考えると、ガラス管上のある方向から光線が入射するとき、集光効率は約0.69に減少する。これは、a/rがa/r=0.5<n/n≒0.67の領域であるので、図3(b)のように、円筒型透明保護膜11内周へ入射できない光線が存在するためである。よって、太陽電池の機械的強度を保ちたいがために、むやみに円筒型透明保護膜の内径/外径比a/rを小さくすると集光効率が下がるという問題点が生じることがわかった。
一方、本実施の形態の太陽電池1は、ガラス管の内径/外径比a/rがn/n=0.67<a/r=0.8を満たすので、円筒断面上のある方向から光線が入射するとき、透明保護膜11外周に入射した光線は屈折し透明保護膜11の内周へ入射できる。従って、集光効率(=透明保護膜内周に入射する光束/透明保護膜外周に入射する光束)が落ちない。
図4は、横軸に透明保護膜11の屈折率nと、内径、外径比a/rをとり、縦軸に集光効率をとったものである。これによれば、従来例の特許文献1の実施例において、透明電極12の屈折率をn≒2とし、外径(半径)0.5mm、内径(半径)0.25mmのガラス管(屈折率:約1.5)を透明保護膜11として用いた場合、集光効率が約0.69(図4の点A)であったのに対して、本実施の形態の外径(半径)10mm、内径(半径)8mmのガラス管(屈折率:約1.5)を用いれば、集光効率は約0.91(図4の点B)に増加する。なお、この図4のグラフで集光効率が急激に落ちている境界線はa/r=n/nを満たす線である。
実際に、得られた円筒型のバルクヘテロ接合型有機太陽電池1を、ソーラーシミュレーター(ワコム電創製光源)にて、AM(Air Mass)1.5条件下の100mW/cmの強度の光線を照射して光電変換特性を評価した。このとき、比較例として、特許文献1の従来例と同じ内径/外径比のガラス管を透明保護膜として用いた、つまり、本発明の太陽電池1と透明保護膜の外径および厚さだけが異なる、長さ40mm、外径(半径)16mm、内径(半径)8mmのガラス管(屈折率:約1.5)を透明保護膜として用いたバルクヘテロ接合型有機太陽電池を製作し、光電変換特性を評価した。このとき、反射光が入射しないように構成した。
太陽電池1及び比較例の太陽電池上の、長さ方向に直交する方向から光を垂直入射したところ、入射方向を法線とする円筒中心断面における単位面積あたりの発電量は、太陽電池1で1・0mW/cm、比較例の太陽電池で0.77mW/cmと、本実施の形態の太陽電池1の方が約1.3倍発電量が高かった。ここで、透明保護膜11の内部の構造は全く同じであるので、発電量の差は透明保護膜の集光効率の差に起因していると判断できる。
〔実施の形態2〕
本発明の略球型の太陽電池(光電変換素子)2について、図5を用いて詳細に説明する。図5(a)は太陽電池2の球中心を通る断面図である。
太陽電池2は、透明保護膜21、透明電極(透明保護膜の内周に接する層)22、バッファー層23、光電変換層24、対向電極25からなり、光を電気エネルギーに変換するものである。
透明保護膜21は、屈折率約1.5のガラス材からなる2つの中空半球状ガラスを、図5(b)のようにして貼りあわせた中空球状ガラスであり、形状は外径(半径)20mm、内径(半径)18mm、厚さ2mmである。透明保護膜21は、太陽電池2の基体となっており、太陽電池の各構成を外部から隔離し、保護する機能を有する。また、光電変換の元となる光を透明保護膜21の内部に透過させる必要があるため、透過率の高い透明な材質を使用している。
透明電極22は、後述する光電変換層24で生成した光電流を出力するものである。透明電極22は、透明保護膜21の内壁に接するように形成され、透明保護膜21を透過した光がさらに内側に透過できるよう透過率の高い透明な材質を使用している。ここでは屈折率が約2のITOを使用している。
バッファー層23は、透明電極22のさらに内側に積層させるものであり、透明電極22と光電変換層24との接触および電荷取り出しを良好に行うために導入する層である。光電変換層24は、バッファー層23の内側に積層され、外部から入射した光を受け、光電変換をして、光電流を発生させるものである。
対向電極25は、光電変換層24の内側に積層されたものであり、光電変換層24で生成された電流を出力するものである。
なお、透明電極22と対向電極25とには導線26が接続されており、導線26を介して生成した電力を他の機器に供給可能になっている。
太陽電池2の製作方法は以下のとおりである。貼り合わせる前の半球状の透明保護膜21に、実施の形態1に記載した方法と同様にして、透明電極22、バッファー層23、光電変換層24、対向電極25を積層していった。このとき、透明電極22としてのITOは、導通および接着剤との接触を防ぐため、半球透明保護膜の端から約1mmをエッチングした。製作した半球型の有機太陽電池を2つ用意し、透明電極22と対向電極25に導線を接続して、窒素雰囲気中で透明保護膜21の端断面をエポキシ系の接着剤で接着し、球型有機太陽電池である太陽電池2を構成した。
太陽電池2も、太陽電池1と同様に、透明保護膜21であるガラスの屈折率nが約1.5で、n≒1<n<n≒2(n≒1:空気の屈折率、n1≒2:透明保護膜に内接するITO透明電極22の屈折率)の関係が成立するので、反射が抑えられるという効果がある。
また、球形の太陽電池2でも、透明保護膜21の形状、性質を規定することで、透明保護膜21に入射した光を光電変換層24に向けて屈折する構造となる。
図6に示すように、球型の透明保護膜21(r:外径(半径)、a:内径(半径)、n:屈折率)に、単位面積あたりIinの光束で、ある球法線方向(z方向)から入射する極座標系で考える。球透明保護膜外周に入射する全光束φsqr−inは式(4)で表される。
Figure 2006080396
球透明保護膜21内周に入射する全光束φsqr−transは太陽電池1と同様の考え方で式(5)のように表される。
Figure 2006080396
以上から、集光効率φcyl−trans/φcyl−in(=球型透明保護膜内周に入射する光束/球型透明保護膜外周に入射する光束)は、式(4)と式(5)により式(6)のように表される。
Figure 2006080396
このような計算に基づいて、太陽電池2の集光効率を計算したところ、透明保護膜21の内径/外径比a/rがn/n=0.67<a/r=0.8を満たすので、球面上の法線方向から光線が入射するとき、球外周に入射した光線は屈折し球内周へ入射できるようになるという効果がある。従って、集光効率(=透明保護膜内周に入射する光束/透明保護膜外周に入射する光束)がn/n≧a/rにあるときに比べて高い。
図7は、横軸に透明保護膜11の屈折率nと、内径、外径比a/rをとり、縦軸に集光効率をとったものである。これによると、本実施の形態の外径(半径)20mm、内径(半径)18mmの中空半球ガラス(屈折率:約1.5)を用いれば、集光効率は約0.89(図7の点C)となり、集光効率は高い。なお、この図7のグラフで集光効率が急激に落ちている境界線はa/r=n/nを満たす線である。
また、これに加えて、太陽電池2は球型であるので半球同士を接着させることで完全に中身が密閉され、円筒型よりも密閉しやすく、水分や酸素による劣化を低減させることができる。さらに、円筒型の太陽電池と比べ、全方向からの圧力に強く、より強度があると言える。
得られた球型のバルクヘテロ接合型有機太陽電池を、ソーラーシミュレーターにて、実施の形態1と同様に光電変換特性を評価した。ここでも、反射光が入射しないように構成した。太陽電池2の、ある法線方向から垂直光を入射させたところ、入射方向を法線とする球外周断面における単位面積あたりの発電量は1.0mW/cmと、実施の形態1の円筒型と比較してほとんど変わらなかった。
さらに、円筒型では長さ方向に垂直な方向から光線を入射させる場合が特に発電効率が高く、その他の方向からの入射では発電量が劣ることになる。これに対して、本実施の形態の球型の太陽電池2は入射光の方向を変化させても発電量は変わらなかった。これは、太陽電池2表面の法線方向があらゆる方向に向いているので、あらゆる方向の光線を集光できるからである。
〔実施の形態3〕
本発明の略ドーナツ型の太陽電池(光電変換素子)3について、図8を用いて詳細に説明する。
太陽電池3は、透明保護膜31、透明電極(透明保護膜の内周に接する層)32、バッファー層33、光電変換層34、対向電極35からなり、光を電気エネルギーに変換するものである。
透明保護膜31は、屈折率約1.5のガラス材からなる、外径(半径)10mm、内径(半径)8mmのガラス管を、円筒軸の曲率半径が約30mmとなるように湾曲させたドーナツ型のガラス管である。透明保護膜31は、太陽電池の基体となっており、太陽電池の各構成を外部から隔離し、保護する機能を有する。また、光電変換の元となる光を透明保護膜31の内部に透過させる必要があるため、透過率の高い透明な材質を使用している。
透明電極32は、後述する光電変換層34で生成した光電流を出力するものである。透明電極32は、透明保護膜31の内壁に接するように形成され、透明保護膜31を透過した光がさらに内側に透過できるよう透過率の高い透明な材質を使用している。ここでは、屈折率約2のITOを使用している。
バッファー層33は、透明電極32のさらに内側に積層させるものであり、透明電極32と光電変換層34との接触および電荷取り出しを良好に行うために導入する層である。
光電変換層34は、バッファー層33の内側に積層され、外部から入射した光を受け、光電変換をして、光電流を発生させるものである。
対向電極35は、光電変換層34の内側に積層されたものであり、光電変換層34で生成された電流を出力するものである。
なお、透明電極32と対向電極35とには導線36が接続されており、導線36を介して生成した電力を他の機器に供給可能になっている。
ドーナツ型の太陽電池3は以下の方法で製作した。外径(半径)10mm、内径(半径)8mmのガラス管をバーナーで加熱し、円筒軸の曲率半径が約30mmになるように湾曲させた後、半ドーナツ型(湾曲が180度のガラス管)を切り出した。そして、実施の形態1と同様に、透明電極32、バッファー層33、光電変換層34、対向電極35を積層していった。製作した半ドーナツ型太陽電池を2つ用意し、窒素雰囲気中で透明保護膜31の部分をエポキシ系の接着剤で接着し、ドーナツ型有機太陽電池を構成した。このとき、透明電極32としてのITOは、導通および接着剤との接触を防ぐため、半ドーナツ型透明保護膜の端から約1mmをエッチングした。
このようなドーナツ型の太陽電池3は、透明保護膜31の屈折率、外径(半径)、内径(半径)が同じであるため、実施の形態1と同様の高い集光効率を有する。加えて、管が湾曲しているため、管の円形断面があらゆる方向を向いて多数存在することとなり、透明保護膜31の表面があらゆる方向を向いているので、より一層多くの光線を集光できるという効果がある。つまり、どの方向からの光でも、太陽電池3の何れかの部分で管の軸と光の方向が垂直となるので、太陽電池3の管の軸が位置している面(ドーナツ面)と垂直の方向、水平な方向(ドーナツ外周の接平面方向)を含むあらゆる方向から入ってくる光線を集光しやすくなるという効果もある。
さらに、円筒型と異なり、ドーナツ型は透明保護膜31の中が露出することとなる端部がないので、密閉しやすく、水分や酸素による劣化を低減させることができるという効果もある。また、ドーナツ型は腕輪などとして携帯しやすい。
得られたドーナツ型のバルクヘテロ接合型有機太陽電池である太陽電池3を、ソーラーシミュレーターにて、実施の形態1と同様に光電変換特性を評価した。ここで、反射光が入射しないように構成した。太陽電池3の管の軸が位置している面(ドーナツ面)の法線方向から光を入射させたところ、ドーナツ断面における単位面積あたりの発電量は、1・0mW/cmと、実施の形態1と同等の発電量であった。
なお、太陽電池3のドーナツ面の法線に対して入射光を変化させたときは、球型よりは一定ではないが、球型と同様に、すべての方向からの入射光を安定して光電変換していた。これは、ドーナツ型の太陽電池3の管の円形断面があらゆる方向に向いており、あらゆる方向の光線を集光できるからである。
〔実施の形態4〕
本発明の略半円筒型のバルクヘテロ接合型の太陽電池(光電変換素子)4について、図9を用いて詳細に説明する。
太陽電池4は、透明保護膜41、透明電極42、バッファー層43、光電変換層44、対向電極45からなり、光を電気エネルギーに変換するものである。
透明保護膜41は、屈折率約1.5のガラス材からなる半円筒状ガラスであり、形状は、長さ40mm、外径(半径)10mm、内径(半径)8mmのガラス管を長さ方向に半分に切ったものである。透明保護膜41は、太陽電池4の基体となっており、太陽電池4の各構成を外部から隔離し、保護する機能を有する。また、光電変換の元となる光を透明保護膜41の内部に透過させる必要があるため、透過率の高い透明な材質を使用している。
透明電極42は、後述する光電変換層44で生成した光電流を出力するものである。透明電極42は、透明保護膜41の内壁に接するように形成され、透明保護膜41を透過した光がさらに内側に透過できるよう透過率の高い透明な材質を使用している。ここでは、屈折率約2のITOを使用している。
バッファー層43は、透明電極42のさらに内側に積層させるものであり、透明電極42と光電変換層44との接触および電荷取り出しを良好に行うために導入する層である。
光電変換層44は、バッファー層43内側に積層され、外部から入射した光を受け、光電変換をして、光電流を発生させるものである。
対向電極45は、光電変換層44の内側に積層されたものであり、光電変換層44で生成された電流を出力するものである。
なお、透明電極42と対向電極45とに導線46が接続されており、導線46を介して生成した電力を他の機器に供給可能になっている。
半円筒型の太陽電池4は、簡単のため、導線46を配置した絶縁性のプリント配線基板47上に半円筒型有機太陽電池4をエポキシ系の接着剤で接着している。このような設置方法は、透明保護膜41に十分な強度があるために可能となっている。プリント配線基板47上には、半円筒型有機太陽電池46を複数並べてもよい。
このような半円筒型の太陽電池4は、透明保護膜41の屈折率、外径、内径が実施の形態1と同じであるため、実施の形態1と同様の高い集光効率を有する。
加えて、円筒型を半分に切断した形の半円筒型という特徴を備えていることから、実施の形態1に示した太陽電池が円筒型であることによる効果に加えて、透明保護膜41の内部が露出しているので、光電変換層44や電極などの形成が容易になる。また、プリント配線基板47上に導線46を配置することにより、電極のどの位置からも簡単に電気を取り出せる構成にできる。従って、電極の形成位置も自由に設定できる。また、太陽電池4を単数または複数並べ易い。
なお、上記の効果は、半円筒型の太陽電池4に限られず、球や管を半分に切断した、半球型や、半円筒型を湾曲した形の半ドーナツ型においても、同様の効果がある。
得られた半円筒型のバルクヘテロ接合型有機太陽電池を、ソーラーシミュレーターにて、実施の形態1と同様に光電変換特性を評価した。光をプリント配線基板47に対して垂直な方向から太陽電池4に入射したところ、入射方向に垂直な円筒外周断面における単位面積あたりの発電量は1.0mW/cmと、実施の形態1の円筒型とほぼ同様になった。
〔実施の形態5〕
本発明の太陽電池(光電変換素子)5について、図10を用いて詳細に説明する。図10(a)は太陽電池5の一部を示す斜視図である。
太陽電池5は、透明保護膜51、透明電極52、バッファー層53、光電変換層54、対向電極55からなり、光を電気エネルギーに変換するものである。
透明保護膜51は、屈折率約1.5のアクリル材からなる半円筒状であり、形状は、厚さ1mmで外周部の曲率が50mmとなっている。透明保護膜51は、太陽電池の基体となっており、太陽電池5の各構成を外部から隔離し、保護する機能を有する。また、光電変換の元となる光を透明保護膜51の内部に透過させる必要があるため、透過率の高い透明な材質を使用している。
透明電極52は、後述する光電変換層54で生成した光電流を出力するものである。透明電極52は、透明保護膜51の内壁に接するように形成され、透明保護膜51を透過した光がさらに内側に透過できるよう透過率の高い透明な材質を使用している。ここでは、屈折率約2のITOを使用している。
バッファー層53は、透明電極52のさらに内側に積層させるものであり、透明電極52と光電変換層54との接触および電荷取り出しを良好に行うために導入する層である。光電変換層54は、バッファー層53内側に積層され、外部から入射した光を受け、光電変換をして、光電流を発生させるものである。対向電極55は、光電変換層54の内側に積層されたものであり、光電変換層54で生成された電流を出力するものである。
なお、電流は透明電極52と対向電極55とに導線56が接続されており、導線56を介して生成した電力を他の機器に供給可能になっている。
太陽電池5は、以下の方法で製作した。厚さ1mmの平板状透明アクリル樹脂(透明基板)上に、透明電極52であるITO(屈折率約2)をスパッタ法により成膜した。
透明電極形成後、実施の形態1と同様の膜厚約100nmのバッファー層53を成膜し、膜厚約100nmの光電変換層54を成膜した。最後に、電極とのオーミックコンタクトを得るため、LiF(フッ化リチウム)を約0.6nmで真空蒸着し、その後対向電極55としてアルミニウムを約80nm真空蒸着した。そして、透明電極52と対向電極55とに導線56を接続した。
このような積層体を、図10(b)のように、アクリル樹脂が外周になるように曲率半径50mmで半円筒になるように機械的に湾曲させた。これにより、バルクヘテロ接合型の半円形状フレキシブル有機太陽電池である太陽電池5を製作した。
なお、透明保護層51の材料としては、アクリル樹脂以外にも、透明で曲げることができ水分などを透過しにくいものであれば、例えばポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂などの材料を用いてもよい。
この太陽電池5では、透明保護層51であるアクリル樹脂の屈折率nが約1.5で、n≒1<n<n1≒2(n≒1:空気の屈折率、n≒2:透明保護層に内接するITO透明電極の屈折率)の関係が成立するので、アクリル樹脂外周方向から光線が入射するとき反射が抑えられるという効果がある。
また、実施の形態1に記載したとおり、n/n≦a/rであれば、集光効率が高くなる。透明保護膜の厚さDは透明保護膜の外径(半径)r−内径(半径)aに等しいので、a=r−Dを代入すると、n/n≦a/rを満たすには、D≦r(1−n/n)であればよく、この場合に集光効率が高くなることが導き出される。
ここで、透明アクリルが外周になるように曲率半径r≒50mmの曲面となるように湾曲させたとき、アクリル樹脂の厚さDがD=1mm<r(1−n/n)≒50mm×(1−1/1.5)≒17mmを満たす。従って、太陽電池5へある方向から光線が入射するとき、透明保護膜51外周に入射した光線は屈折し内周へ入射できるようになるという効果があり、集光効率(=透明保護層内周に入射する光束/透明保護層外周に入射する光束)がD≧r(1−n/n)にあるときに比べて高い。また、厚さが2μmより大きいので、太陽電池4は、外部環境からの水分透過や衝撃に対して内部を保護する機能を有する。
なお、本実施の形態の製造方法の場合、要望に応じて透明保護膜51の外周曲率半径を様々に変化させられる。そして、光を透明保護膜51の内周まで到達させるには、厚さ1mmのアクリル樹脂の湾曲は、外周曲率半径が50mm曲率半径rをr≧D/(1−n/n)≒1mm/(1−1/1.5)≒3.0mmの範囲とすればよい。逆に、曲率半径rを設定しておいて、厚さDを適当な範囲に設定するようにしてもよい。
つまり、曲率半径rが決定しているときは、太陽電池5の透明保護膜51の厚さDを2μm<D≦r(1−n/n)とするように設計し、また、透明保護膜51の厚さDが決まっているときは、曲率半径rがr≧D/(1−n/n)となるようすれば、太陽電池5の集光効率を下げないようにすることができる。これにより、設置場所を選ばず単位面積あたりより多くの電力を得ることができるという効果がある。
得られた太陽電池5を、ソーラーシミュレーターにて実施の形態1と同様に光電変換特性を評価した。太陽電池5の半円筒形状外周の法線方向から垂直入射したところ、入射方向に垂直な外周断面における単位面積あたりの発電量は、1.0mW/cmと、実施の形態1の円筒型とほぼ同様になった。
なお、実施の形態1〜4に記述した太陽電池は、バルクヘテロ接合型の有機太陽電池であるが、湾曲した透明保護膜の内周に太陽電池の各構成を配置するものであれば、これに限られるものではなく、例えば光電変換層にp型、n型の有機半導体層を導入したヘテロ接合型の有機太陽電池とすることもでき、また、透明電極の内側に多孔質透明電極、色素、電解質、対向電極を形成した色素増感型太陽電池とすることもでき、また、p型、n型のシリコンを用いたシリコン太陽電池とすることもできる。
シリコン系の太陽電池は、ドナーをドープしたn型シリコン(電子輸送層)とアクセプターをドープしたp型シリコン(ホール輸送層)のpn界面を生成することで空乏層ができ、電界の傾きが生じ、それぞれの層で励起されたホールと電子が電界分離され、電流が取り出されるものである。
色素増感太陽電池は、基本的に化学でいう酸化還元過程を経て電荷の受け渡しがあることを利用して電流が取り出されている。構成としては、透明電極の上に酸化チタンの粉末を焼結で形成し、Ru錯体などの色素をこすりつけ、ヨウ素溶液に浸し、白金などの対向電極ではさんでセルをつくるものである。色素で励起された励起子は解離し、電子が酸化チタンへ、ホールがヨウ素イオンI-を酸化しI3-にする。酸化されたヨウ素イオンは再び対極で電子を受けて還元され、サイクルする。
また、本発明の太陽電池は、極細の(糸状または光ファイバー状の)円筒型光電変換素子として製作することもできる。さらに、この極細の円筒形光電変換素子を格子状に編みこめば、様々な方向の円筒断面方向の光線を集光でき、あらゆる方向の光線を集光できる光電変換素子を高密度に形成できる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、本発明は、以下の構成とすることもできる。
略円筒形状または略球形状に積層した光電変換層と、略円筒形状または略球形状内周部の光電変換層に接して配置した電極および外周部の光電変換層に接して配置した電極、および最外周部に配置した略円筒形状または略球形状の透明保護膜とを有する光電変換素子において、最外周部透明保護膜の屈折率nがn<n≦n(n:周囲環境の屈折率、n:透明保護層に接する光電変換層等の屈折率)であって、a/r(a:内径(半径)、r:外径(半径))がn/n≦a/r<1を満たすことを特徴とする第1の光電変換素子。
第1の光電変換素子において、略円筒を略ドーナツ型に湾曲した形の略ドーナツ型とすることを特徴とする光電変換素子。
第1の光電変換素子において、略円筒型または略球型を半分に切断した形の略半円筒型または略半球型とすることを特徴とする光電変換素子。
積層した光電変換層と、光電変換層の両端に接して配置した電極、および電極の片側に配置した透明保護層とを有するフレキシブル光電変換素子において、透明保護層の屈折率nがn<n≦n(n:周囲環境の屈折率、n:透明保護層に接する光電変換層等の屈折率)であって、透明保護層が外周になるように曲率半径rで曲面に巻いたとき、透明保護層の厚さDが2μm<D≦r(1−n/n)を満たすように設計されることを特徴とする光電変換素子。
これまで、太陽電池に代表される光電変換素子は平面であるがゆえに、その取扱い範囲が限られていた。我々が生活している空間にはどこにでもあらゆる反射光やあらゆる方向の光線、動く光線であふれている。この光線を回収して利用できれば、電源に関しても「いつでもどこでも」を可能にするユビキタス社会を実現できる。
本発明の光電変換素子は、曲面を有する透明保護膜の形状を最適化することであらゆる方向の光線を効率よく太陽電池へと集めることができる。これにより、小型の太陽電池であっても必要な電力を出力でき、例えば腕輪や時計、バンド、ペンに内蔵した太陽電池などを実現することができる。
円筒型有機太陽電池の構造を示す図である。 円筒型透明保護膜での集光効率の計算方法を示す図である。 r/a(内径/外径比)の違いによる光線の経路を示す図である。 円筒型太陽電池における円筒型透明保護膜のr/a(内径/外径比)および屈折率nによる集光効率を示す図である。 球型有機太陽電池の構造を示す図である。 球型透明保護膜での集光効率の計算方法を示す図である。 球型太陽電池における球型透明保護膜のr/a(内径/外径比)および屈折率nによる集光効率を示す図である。 ドーナツ型有機太陽電池の構造を示す図である。 半円筒型有機太陽電池の構造を示す図である。 円形状フレキシブル有機太陽電池の構造を示す図である。
符号の説明
1、2、3、4、5 太陽電池(光電変換素子)
11、21、31、41、51 透明保護膜
12、22、32、42、52 透明電極(透明保護膜の内周に接する層)
13、23、33、43、53 バッファー層
14、24、34、44、54 光電変換層
15、25、35、45、55 対向電極

Claims (8)

  1. 光電変換層と、
    光電変換層から電流を取り出す1対の電極と、
    最外周に配置された透明保護膜と、を備えている光電変換素子において、
    透明保護膜の屈折率をn、透明保護膜の接する外部環境の屈折率をn、透明保護膜の内周に接する層の屈折率をnとし、
    透明保護膜の内周曲面の曲率半径をa、外周曲面の曲率半径をrとした場合に、
    <n≦n、かつ
    /n≦a/r<1
    をみたし、
    上記透明保護膜の厚さが2μmより大きいことを特徴とする光電変換素子。
  2. 上記透明保護膜が円筒状または略円筒状の管であり、
    透明保護膜の内周曲面の曲率半径が管の内径、外周曲面の曲率半径が管の外径であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 上記透明保護膜が円筒状または略円筒状の管を湾曲させて端部同士をつなげたドーナツ型であり、
    透明保護膜の内周曲面の曲率半径が管の内径、外周曲面の曲率半径が管の外径であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 上記透明保護膜が、球状または略球状の中空球であり、
    透明保護膜の内周曲面の曲率半径が中空球の内径、外周曲面の曲率半径が中空球の外径であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  5. 上記透明保護膜が、円筒状または略円筒状の管を軸方向に半分に切断した半円筒形状であり、
    透明保護膜の内周曲面の曲率半径が管の内径、外周曲面の曲率半径が管の外径であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  6. 上記透明保護膜が、中空の半球形状であり、
    透明保護膜の内周曲面の曲率半径が中空球の内径、外周曲面の曲率半径が中空球の外径であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子
  7. 上記透明保護膜が、平板状の透明基板を機械的に湾曲させたものであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  8. 光電変換層と、
    光電変換層から電流を取り出す1対の電極と、
    最外周に配置された透明保護膜と、を備えている光電変換素子において、
    上記透明保護膜が、厚さDの平板状の透明基板を、予め設定された外周曲面の曲率半径rとなるように機械的に湾曲させて形成されたものであり、
    透明保護膜の屈折率をn、透明保護膜の接する外部環境の屈折率をn、透明保護膜の内周に接する層の屈折率をnとした場合に、
    <n≦nとし、かつ
    透明基板としてDが2μm<D≦r(1−n/n)を満たすものを用いることを特徴とする光電変換素子。
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