JP2006075082A - オリゴヌクレオチドの架橋反応 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オリゴヌクレオチドを損傷させることなく、オリゴヌクレオチド分子間に架橋結合を形成する。
【解決手段】 芳香族基を有するリンカーを介してオリゴヌクレオチドに導入された少なくとも1個の架橋形成基と、該オリゴヌクレオチドと同一又は異なるオリゴヌクレオチドに含まれる少なくとも1個の反応性官能基との間で共有結合を形成する方法。
【選択図】 図6

Description

本発明は、オリゴヌクレオチドを架橋する方法、及び該方法によって架橋されてなる二本鎖オリゴヌクレオチドに関する。
DNA及びRNAなどのオリゴヌクレオチドは相補的な塩基対の形成によって互いに結合し、二本鎖を形成する。この二本鎖オリゴヌクレオチドとタンパク質とは相互作用することが報告されており、そうした相互作用は、個々の遺伝子の転写又は抑制に、そしてその結果、対応する生物の表現型に、重大な影響を及ぼすと考えられている。また、有糸分裂又は減数分裂における遺伝性因子類の複製、ウイルス核酸の制限、又は染色体中の真核生物核酸のパッケージング及びアンパッケージングも、タンパク質及びオリゴヌクレオチドの複雑な相互作用により制御される生細胞中の重要なプロセスである。従って、そうした相互作用を検出するための有効な方法の開発が望まれている。
しかしながら、二本鎖オリゴヌクレオチドの結合は水素結合であり、加熱や水素結合阻害剤などの添加によって二本鎖は容易に解離する。そのため、二本鎖オリゴヌクレオチドを過酷な条件に曝したまま研究用試料として用いる場合、解離を抑制する必要がある。そこで、形成された二本鎖オリゴヌクレオチド間を共有結合によって架橋する方法が知られている。
そのような架橋方法として、チオール基間にS−S結合を形成する方法(非特許文献1)、アミノ基若しくはホスホロチオエート基と、活性エステル基若しくはハロアルカンとを結合する方法(非特許文献2)、又は光架橋形成反応を用いる方法などが知られている。S−S結合による架橋反応は可逆的であり、還元条件下ではその結合が破壊されるため、二本鎖オリゴヌクレオチドは解離する。光架橋形成反応においては光を照射するため、オリゴヌクレオチド塩基部又は糖部が損傷するおそれがあり好ましくない。アミノ基若しくはチオール基と特異的に反応する活性エステル基を用いる方法においては、溶液中の水分子によって活性エステル基が不活性化され、反応効率が低下するという問題がある。
一方、オリゴヌクレオチド同士を架橋させないで、二本鎖を安定化させる方法もある。例えば、二本鎖の鎖長を長くし、塩基対の数を増加させることによって二本鎖を安定化させ、解離を抑制する方法である。しかしながら、この方法の場合、長鎖オリゴヌクレオチドを合成する必要があり、コストと収率の観点から汎用手段としては不適切である。短いオリゴヌクレオチドを用いて二本鎖を形成させた後、DNAポリメラーゼやRNAポリメラーゼなどの酵素を用い、オリゴヌクレオチド鎖を伸長し長鎖二本鎖オリゴヌクレオチドを作製する方法もある(非特許文献3)。この方法も、酵素を用いるためにコストと収率の観点から問題がある。また、反応系内中の全てのオリゴヌクレオチドにおいて、二本鎖の伸長反応が同程度に進行していることを保証することが困難であり、種々の塩基長の中間体混合物が生成するという問題がある。
Stevens,S.Y.,J.Am.Chem.Soc.,115,1585−1586(1993) Xu,Y.,Nat Biotechnol,19,148−152(2001). Bulyk,M.L.,Nat.Biotechnol.,17,573−577(1999).
本発明の課題は、オリゴヌクレオチドを損傷させることなく、オリゴヌクレオチド分子間に架橋結合を形成することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、オリゴヌクレオチド分子に芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基を導入し、オリゴヌクレオチド中の反応性官能基と共有結合を形成させることにより、オリゴヌクレオチド分子において効率的に架橋結合を形成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)芳香族基を有するリンカーを介してオリゴヌクレオチドに導入された少なくとも1個の架橋形成基と、該オリゴヌクレオチドと同一又は異なるオリゴヌクレオチドに含まれる少なくとも1個の反応性官能基との間で共有結合を形成する方法。
(2)芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されたオリゴヌクレオチド1と、該オリゴヌクレオチド1にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチド1にハイブリダイズしたときに該架橋形成基と近接する位置に、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含むオリゴヌクレオチド2とを反応させ、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法。
(3)架橋形成基が導入されたオリゴヌクレオチド1と、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基が導入されたオリゴヌクレオチド2とが、さらなる架橋で結合されている、(2)記載の方法。
(4)ハイブリダイズすることによってループを形成しうるオリゴヌクレオチドであって、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されており、かつハイブリダイズしてループを形成したときに該架橋形成基と近接する位置に、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含む該オリゴヌクレオチドにおいて、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法。
(5)芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも末端に導入されたオリゴヌクレオチド1と、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも末端に含むオリゴヌクレオチド2と、オリゴヌクレオチド1及び2にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド3とを反応させ、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法。
(6)ループを形成しうるオリゴヌクレオチドであって、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されており、かつ該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含む該オリゴヌクレオチドにおいて、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、オリゴヌクレオチドの架橋方法。
(7)芳香族基が置換又は無置換の1〜5環性芳香族炭化水素基である(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)芳香族基を有するリンカーを介して導入された架橋形成基が、オリゴヌクレオチドの末端に導入されており、その構造が一般式1:
B−D−(1)
(式中、Bは架橋形成基を表し、Dは少なくとも1つの芳香族基を有する二価の有機基を表し、Dはオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する)
で表される、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)Dが一般式2:
Figure 2006075082
(式中、Lは芳香族基を表し、Rは水素原子又は置換基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の二価の炭化水素基を表す)で表されるか、又は一般式2’:
Figure 2006075082
(式中、Lは二価の芳香族基を表し、R は水素原子又は置換基を表し、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の二価の炭化水素基を表し、R15は水酸基又は水酸基の保護された形態を表す)で表される、(8)記載の方法。
(10)芳香族基を有するリンカーを介して導入された架橋形成基が、オリゴヌクレオチドの鎖中に導入されており、その構造が一般式3:
Figure 2006075082
(式中、B’は架橋形成基を表し、D’は少なくとも1つの芳香族基を有する三価の有機基を表し、オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する)
で表される、(1)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)D’が一般式4:
Figure 2006075082
(式中、Lは二価の芳香族基を表し、R25は水素原子又は置換基を表し、R21、R22、R23及びR24はそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の二価の炭化水素基を表す)
で表される、(10)記載の方法。
(12)(2)〜(5)のいずれかに記載の方法によって形成される二本鎖オリゴヌクレオチド。
(13)芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも末端に導入されたオリゴヌクレオチドと、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも末端に含むオリゴヌクレオチドとが、該架橋形成基と該反応性官能基との間の共有結合で結合されてなるオリゴヌクレオチド。
(14)(12)記載の二本鎖オリゴヌクレオチド又は(13)記載のオリゴヌクレオチドが固定化された担体。
(15)(1)〜(11)のいずれかに記載の方法を実施するためのキットであって、一般式10:
Figure 2006075082
(式中、Bは架橋形成基又はその保護された形態を表し、Dは少なくとも1つの芳香族基を有する二価の有機基を表し、Oは酸素原子を表し、Pはリン原子を表し、Nは窒素原子を表し、Rはリン酸保護基を表し、R及びR10は有機基であり、それらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい)で表される中間体化合物、
及び/又は一般式11:
Figure 2006075082
(式中、B’は架橋形成基又はその保護された形態を表し、D’は少なくとも1つの芳香族基を有する三価の有機基を表し、O、P及びNは上記と同義であり、Eは水酸基保護基を表し、R はリン酸保護基を表し、R 及びR10 は有機基であり、それらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい)で表される中間体化合物を含む該キット。
(16)(12)記載の二本鎖オリゴヌクレオチドを用いて、二本鎖オリゴヌクレオチドと生体分子との相互作用を検出する方法。
本発明により、オリゴヌクレオチドを損傷させることなく、効率的かつ簡便に、オリゴヌクレオチド間に安定な架橋結合を形成することができる。
本発明は、芳香族基を有するリンカーを介してオリゴヌクレオチドに導入された少なくとも1個の架橋形成基と、該オリゴヌクレオチドと同一又は異なるオリゴヌクレオチドに含まれる少なくとも1個の反応性官能基との間で共有結合を形成することを特徴とする。
本発明においてオリゴヌクレオチドは、天然のものでも合成のものでもよく、ポリヌクレオチドをも包含する。また、オリゴヌクレオチドは、DNA及びRNA等の核酸、ならびにオリゴヌクレオチド誘導体を包含する。PCR産物も包含される。オリゴヌクレオチド誘導体としては、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がホスホロチオエート結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリン酸ジエステル結合がN3’−P5’ホスホアミダイト結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースとリン酸ジエステル結合がペプチド核酸結合に変換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5プロピニルウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のウラシルがC−5チアゾールウラシルで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがC−5プロピニルシトシンで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のシトシンがフェノキサジン修飾シトシンで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’−O−プロピルリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、オリゴヌクレオチド中のリボースが2’−O−メトキシリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体、及びオリゴヌクレオチド中のリボースが2’−メトキシエトキシリボースで置換されたオリゴヌクレオチド誘導体等を挙げることができる。
架橋形成基とは、反応性官能基と反応して共有結合を形成しうる基を意味する。例えば、反応性官能基としては、活性エステル基、エポキシ基、アルデヒド基、カルボジイミド基、イソチオシアネート基又はイソシアネート基などが挙げられ、これらと共有結合しうる架橋形成基としては、アミノ基などが挙げられる。また、反応性官能基としては、マレイミド基又はジスルフィド基なども挙げられ、これらと共有結合しうる架橋形成基としては、メルカプト基などが挙げられる。好ましい架橋形成基としては、メルカプト基及びアミノ基、特に1級アミノ基が挙げられる。アミノ基と共有結合を形成しうる反応性官能基としては、アルデヒド基が好ましい。反応性官能基は、オリゴヌクレオチド中に存在するものでもよく、導入したものでもよい。反応性官能基の導入は、当技術分野において通常用いられる方法によって実施できる。例えば、アルデヒド基の導入は、1,2−ジオールを含む化合物を酸化することによって得ることができる。このとき用いられる酸化剤としては、過ヨウ素酸などが挙げられる。また、核酸塩基部位を脱グリコシル化することによっても得ることができる。
芳香族基としては、特に制限されないが、置換又は無置換の単環性芳香族基、置換又は無置換の多環性芳香族基が挙げられる。ただし、本発明において芳香族基には核酸塩基は含まれない。本明細書において、複素原子には、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子又はリン原子が含まれる。
芳香族基の置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換又は無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルケニル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のシクロアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基及びカルボキシル基等を挙げることができる。
置換又は無置換の単環性芳香族炭化水素基としては、置換又は無置換のフェニル基、具体的には、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2,3−メチレンジオキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、2,3−エチレンジオキシフェニル基、及び3,4−エチレンジオキシフェニル基、ならびにこれらの二価の基を挙げることができる。
置換又は無置換の単環性芳香族複素環基としては、置換又は無置換のチエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基及びピリダジニル基、具体的には、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、ピラジニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−メチル−3−ピリジル基、6−メチル−3−ピリジル基、2−クロロ−3−ピリジル基、6−クロロ−3−ピリジル基、2−メトキシ−3−ピリジル基、6−メトキシ−3−ピリジル基、2,6−ジクロロ−3−ピリジル基及び2,6−ジメトキシ−3−ピリジル基、ならびにこれらの二価の基を挙げることができる。好ましい置換又は無置換の単環性芳香族複素環基としては、フリル基及びピロリル基、ならびにこれらの二価の基が挙げられる。
置換又は無置換の多環性芳香族炭化水素基としては、置換又は無置換のナフチル基、フェナントリル基、フルオレニル基、アントリル基、インダニル基、インダセニル基、インデニル基、フェナレニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、テトラヒドロナフチル基、ピセニル基、ペンタセニル基及びペリレニル基、具体的には、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−フルオロ−1−ナフチル基、4−クロロ−1−ナフチル基、2−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、2−メトキシ−1−ナフチル基、5−メトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−1−ナフチル基、7−メトキシ−1−ナフチル基、2−エトキシ−1−ナフチル基、5−エトキシ−1−ナフチル基、6−エトキシ−1−ナフチル基、7−エトキシ−1−ナフチル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、5−メトキシ−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、1−エトキシ−2−ナフチル基、3−エトキシ−2−ナフチル基、5−エトキシ−2−ナフチル基、4−インダニル基、5−インダニル基、5−テトラヒドロナフチル基、6−テトラヒドロナフチル基及び6−エトキシ−2−ナフチル基、ならびにこれらの二価の基が挙げられる。
置換又は無置換の多環性芳香族複素環基としては、チアントレニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、インドリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基及びフェノキサジニル基、具体的には、2−クロロ−5−キノリル基、ならびにこれらの二価の基などが挙げられる。
二価の芳香族基としては、具体的には、置換又は無置換のフェニレン基、ピリジレン基、ピリダジニル基、ピリミジニレン基、ピラジニレン基、フリレン基、チエニレン基、ピロリレン基、イミダゾリレン基、チアゾリレン基、オキサゾリレン基、ナフチレン基、アントリレン基、ピレニレン基、インダニレン基、テトラヒドロナフチレン基、キノリレン基、イソキノリレン基、シンノリニレン基、キナゾリニレン基、キノキサリニレン基、ナフチリジニレン基、フタラジニレン基、インドリレン基、イソインドリレン基、ベンゾフリレン基、ベンゾチエニレン基、インダゾリレン基、ベンゾイミダゾリレン基、ベンゾチアゾリレン基が挙げられる。好ましくはナフチレン基、アントリレン基、フルオレニレン基、フェナントリレン基及びピレニレン基が挙げられる。これら二価の芳香族基は、上記置換基で置換されていてもよい。
本発明においては、架橋形成基と反応性官能基との反応効率を高める観点から、疎水性の高い芳香族基が好ましい。本発明において芳香族基は、好ましくは置換又は無置換の多環性芳香族基、より好ましくは置換又は無置換の多環性芳香族炭化水素基である。さらに好ましくは置換又は無置換の1〜5環性、より好ましくは2〜4環性の芳香族炭化水素基であり、特に好ましくは置換又は無置換のフェナントレン環、フルオレン環、ナフタレン環、アントラセン環又はピレン環を含む芳香族基である。
本発明においては、芳香族基を含み、オリゴヌクレオチドと架橋形成基とをつなぐリンカーは、芳香族基と架橋形成基との距離が近くなるようなものが好ましい。そのようなリンカーを用いることによって、架橋形成基と反応性官能基との反応効率を高めることができる。
本発明の第一実施形態は、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されたオリゴヌクレオチド1と、該オリゴヌクレオチド1にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチド1にハイブリダイズしたときに該架橋形成基と近接する位置に、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含むオリゴヌクレオチド2とを反応させ、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法に関する。
上記架橋形成基は、芳香族基を有するリンカーを介してオリゴヌクレオチドに導入される。架橋形成基は、オリゴヌクレオチドの末端に導入されていてもよいし、オリゴヌクレオチドの鎖中に導入されていてもよい。芳香族基は、架橋形成基とオリゴヌクレオチドとをつなぐリンカーの主鎖中に存在していてもよいし、主鎖の側鎖として存在していてもよいし、分岐鎖中に存在していてもよいし、分岐鎖の側鎖として存在していてもよい。
架橋形成基が、オリゴヌクレオチドの末端に導入されている場合、その構造は、好ましくは、一般式1:
B−D− (1)
(式中、Bは架橋形成基を表し、Dは少なくとも1つの芳香族基を有する二価の有機基を表し、Dはオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する)で表される。
架橋形成基Bについては、すでに述べたとおりであり、好ましくは1級アミノ基である。リンカーDは、芳香族基を有し、架橋形成基と反応性官能基との結合性及びオリゴヌクレオチド間のハイブリダイゼーションを阻害するものでなければ特に制限されない。好ましくは複素原子を含んでいてもよい置換又は無置換の直鎖又は分岐の二価の炭化水素基である。
二価の炭化水素基としては、鎖員2〜50、好ましくは鎖員3〜30、より好ましくは鎖員3〜5のアルキレン基、鎖員2〜50、好ましくは鎖員3〜30、より好ましくは鎖員3〜5のアルケニレン基、鎖員2〜50、好ましくは鎖員3〜30、より好ましくは鎖員3〜10の二価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。上記炭化水素基においては、炭素の一部が複素原子で置換されていてもよい。
リンカーDにおける置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換又は無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、オキソ基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルケニル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のシクロアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基又はカルボキシル基等を挙げることができる。
上記複素原子を含んでいてもよい置換又は無置換の直鎖又は分岐の二価の炭化水素基において、芳香族基は、その主鎖中に存在していてもよいし、主鎖の側鎖として存在していてもよいし、分岐鎖中に存在してもよいし、又は分岐鎖の側鎖として存在していてもよい。
好ましい実施形態において、一般式1におけるリンカーDは、一般式2:
Figure 2006075082
(式中、Lは芳香族基を表し、Rは水素原子又は置換基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の二価の炭化水素基を表す)で表される。一般式2において、Rが架橋形成基Bと結合し、Rがオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する。Rが直接結合の場合は、一般式2における炭素原子が、オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と直接結合する。Rが直接結合の場合は、一般式2における炭素原子が、架橋形成基Bと結合する。
芳香族基Lは、すでに述べたとおりであり、好ましくは置換又は無置換のナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基及びピレニル基、特に1−ナフチル基及び9−アントリル基である。
は水素原子又は置換基であり、置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲン原子、ヒドロキシル基、置換又は無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルケニル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のシクロアルキル基、置換又は無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基又はカルボキシル基等を挙げることができる。好ましくは水素原子である。
は、好ましくは、置換又は無置換の、鎖長1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3の飽和炭化水素基である。
は、好ましくは、置換又は無置換の、鎖長1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の飽和炭化水素基である。
は、好ましくは直接結合、又は置換若しくは無置換の、鎖長1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の飽和炭化水素基である。
上記飽和炭化水素基においては、炭素の一部が複素原子で置換されていてもよい。また、鎖長とは、一般式2のR〜Rの構造において、それぞれ、炭素原子と、架橋形成基B、芳香族基L又はオリゴヌクレオチドとをつなぐ最短の経路を構成する原子の数を意味する。置換基としては、リンカーDの置換基として記載したものが挙げられる。
一実施形態において、Rは、一般式5:
−(CH−R−(CH− (5)
で表され、Rは好ましくは一般式6:
−(CH−R−(CH− (6)
で表され、Rは直接結合又は−R’−(CH−で表される。
において、−(CHが架橋形成基Bと結合し、Rにおいて、(CH−が芳香族基Lと結合し、Rにおいて(CH−がオリゴヌクレオチドと結合する。
、R及びR’は、それぞれ独立して、直接結合又は以下に示す基:
Figure 2006075082
から選択される。Rは水素原子又はリン酸保護基を表す。リン酸保護基としては、特に限定されないが、メチル基、2−シアノエチル基、2−トリメチルシリルエチル基、4−オキシペンチル基などを好ましい基として挙げることができる。
は好ましくは直接結合であり、Rは好ましくは−O−であり、R’は好ましくは直接結合又は−O−CO−NH−である。
m+tは、通常1〜10、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3であり、jは通常1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10であり、t+wは、通常1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。
別の好ましい実施形態において、一般式1におけるリンカーDは、一般式2’:
Figure 2006075082
(式中、Lは二価の芳香族基を表し、R は水素原子又は置換基を表し、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の、二価の炭化水素基を表し、R15は水酸基又は水酸基の保護された形態を表す)で表される。
一般式2’において、R11が架橋形成基Bと結合し、R14がオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する。R11が直接結合の場合は、芳香族基Lが架橋形成基Bと結合し、R14が直接結合の場合は、一般式2’における炭素原子が、オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と直接結合する。
水酸基の保護された形態としては、特に限定されないが、例えば、アセチル基、5’−O−4,4’,4’’−トリス(4−ベンゾイルオキシ)トリチル基及びジメトキシトリチル基が挙げられ、ジメトキシトリチル基が好ましい。
芳香族基Lは、すでに述べたとおりである。好ましくは、置換又は無置換のフェナントリレン基、フルオレニレン基、ナフチレン基、アントリレン基又はピレニレン基、特にナフチレン基及びアントリレン基である。より具体的には、置換又は無置換の2,6−ナフチレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,7−ナフチレン基、2,6−アントリレン基、1,8−アントリレン基、9,10−アントリレン基、1,5−アントリレン基、2,7−フェナントリレン基、2,8−フェナントリレン基、1,5−フェナントリレン基、1,6−フェナントリレン基、1,7−フェナントリレン基、1,8−フェナントリレン基、1,7−9H−フルオレニレン基、1,6−9H−フルオレニレン基、2,7−ピレニレン基、2,6−ピレニレン基、又は1,8−ピレニレン基などが挙げられる。
は水素原子又は置換基であり、上記Rと同様のものが挙げられる。好ましくは水素原子である。
11は、好ましくは、置換又は無置換の、鎖長1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の飽和炭化水素基である。
12は、好ましくは、置換又は無置換の、鎖長1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の飽和炭化水素基である。
13は、好ましくは、直接結合、又は置換若しくは無置換の、鎖長1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の飽和炭化水素基である。
14は、好ましくは、直接結合、又は置換若しくは無置換の、鎖長1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の飽和炭化水素基である。
15は、好ましくは水酸基である。
上記飽和炭化水素基においては、炭素の一部が複素原子で置換されていてもよい。鎖長については上記のとおりである。置換基としては、リンカーDの置換基として記載したものが挙げられる。
一実施形態において、R11は、好ましくは、一般式7:
−(CH−R −(CH− (7)
で表され、R12は好ましくは一般式8:
−(CH−R −(CH− (8)
で表され、R13は好ましくは、直接結合又は−(CH−であり、R14は好ましくは、直接結合又は−(CH−である。
11において、−(CHが架橋形成基Bと結合し、R12において、−(CH−が芳香族基Lと結合する。
及びR は、それぞれ独立して、直接結合又は以下に示す基:
Figure 2006075082
から選択される。R は好ましくは−NH−CO−であり、R は好ましくは−CO−NH−である。
e及びfは、それぞれ独立して、1〜20の整数を表し、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3の整数を表し、a+bは通常1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5であり、c+dは通常1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。R13及びR14は、好ましくは−CH−又は直接結合である。
芳香族基を有するリンカーを介して導入された架橋形成基が、オリゴヌクレオチドの鎖中に導入されている場合、その構造は、好ましくは一般式3:
Figure 2006075082
(式中、B’は架橋形成基を表し、D’は少なくとも1つの芳香族基を有する三価の有機基を表し、オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する)で表される。
架橋形成基B’については、架橋形成基Bと同様であり、好ましくは1級アミノ基である。リンカーD’は、芳香族基を有し、架橋形成基と反応性官能基との結合性及びオリゴヌクレオチド間のハイブリダイゼーションを阻害するものでなければ特に制限されない。好ましくは複素原子を含んでいてもよい置換又は無置換の三価の炭化水素基、より好ましくは複素原子を含んでいてもよい置換又は無置換の鎖員1〜40、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の三価の飽和炭化水素基である。リンカーD’における置換基は、リンカーDにおける置換基と同様である。
リンカーD’において、芳香族基は、オリゴヌクレオチドをつなぐ鎖の主鎖又は側鎖に存在していてもよいし、架橋形成基B’につながる鎖の主鎖又は側鎖に存在していてもよい。
好ましい実施形態において、一般式3におけるリンカーD’は、一般式4:
Figure 2006075082
(式中、Lは二価の芳香族基を表し、R25は水素原子又は置換基を表し、R21、R22、R23及びR24はそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の二価の炭化水素基を表す)で表される。一般式4において、R21が架橋形成基Bと結合し、R23及びR24がオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する。R21が直接結合の場合は、芳香族基Lが架橋形成基B’と結合し、R23及びR24が直接結合の場合は、一般式4における炭素原子が、オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と直接結合する。
21については上記R11と同様であり、R22についてはR12と同様であり、R23についてはR13と同様であり、R24についてはR14と同様であり、R25についてはR と同様である。ここで、R21についてR11と同様であるとは、R21を、R11について例示した基と同様の基から選択しうること、同様の基が好ましいことを意味するものであり、R21とR11が同じ基であることを意味するものではなく、2つの基は独立に選択される。
第1実施形態において、上記架橋形成基は、オリゴヌクレオチド1中に少なくとも1個導入されるが、オリゴヌクレオチド1の末端に導入されてもよく、オリゴヌクレオチド鎖中に導入されてもよく、双方に導入されてもよい。オリゴヌクレオチド2はオリゴヌクレオチド1とハイブリダイズしうるものであればよく、ハイブリダイズ可能である限りオリゴヌクレオチド1に対しミスマッチを含んでいてもよい。オリゴヌクレオチド2は、好ましくは、ストリンジェントな条件下でオリゴヌクレオチド1とハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである。ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、すなわち、特定のオリゴヌクレオチドの領域に対し高い相同性(相同性が80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上)を有するオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする条件をいう。より具体的には、このような条件は、0.5〜1MのNaCl存在下42〜68℃で、又は50%ホルムアミド存在下42℃で、又は水溶液中65〜68℃で、ハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(saline sodium citrate)溶液を用いて室温〜68℃でを洗浄することにより達成できる。オリゴヌクレオチド1とオリゴヌクレオチド2は、ハイブリダイズしうる領域をそれぞれ含んでいればよく、当該領域の塩基長は、通常1塩基以上、好ましくは3〜100塩基、より好ましくは10〜50塩基である。オリゴヌクレオチド2は、最も好ましくは、オリゴヌクレオチド1の相補鎖である。
オリゴヌクレオチド1の塩基長は、特に限定されないが、通常1〜500塩基、より好ましくは5〜200塩基、より好ましくは10〜100塩基である。オリゴヌクレオチド2の塩基長は、オリゴヌクレオチド1とハイブリダイズしうる限り特に限定されないが、通常1〜500塩基、より好ましくは5〜200塩基、より好ましくは10〜100塩基である。
第一実施形態において、オリゴヌクレオチド2は、オリゴヌクレオチド1にハイブリダイズしたときに、架橋形成基と近接する位置に、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含む。架橋形成基と近接する位置とは、オリゴヌクレオチド1とオリゴヌクレオチド2がハイブリダイズしたときに、各オリゴヌクレオチド中の架橋形成基と反応性官能基が共有結合を形成しうる位置にあることを意味する。従って、オリゴヌクレオチド1及び2がハイブリダイズした状態で、架橋形成基の位置と反応性官能基の位置に、通常1〜20塩基、好ましくは1〜10塩基、より好ましくは1〜5塩基のずれがあってもよい。反応性官能基の導入位置及び種類は、オリゴヌクレオチド1における架橋形成基の種類及び導入位置に依存して、両者が共有結合を形成できるように選択される。オリゴヌクレオチド1における架橋形成基の導入位置に対応するすべての位置に、反応性官能基が存在する必要はなく、対応する位置に少なくとも1個含んでいればよい。架橋形成基を芳香族基を有するリンカーを介して複数導入する場合、架橋形成基及び芳香族基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
第一実施形態においては、さらなるオリゴヌクレオチドがオリゴヌクレオチド1又は2にハイブリダイズしてもよいし、本発明の方法によって架橋を形成してもよい。
本発明の第一実施形態の概念図を、図6のa〜dに示す。
本発明の第二実施形態は、ハイブリダイズすることによってループを形成しうるオリゴヌクレオチドであって、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されており、かつハイブリダイズしてループを形成したときに該架橋形成基と近接する位置に、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含む該オリゴヌクレオチドにおいて、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法である。
第二実施形態においては、第一実施形態とは異なり、1本鎖オリゴヌクレオチドが、分子内でハイブリダイズしてループを形成することにより、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する。従って、1本鎖オリゴヌクレオチドに、架橋形成基と反応性官能基の双方が存在する。ハイブリダイズすることによってループを形成するとは、一本鎖オリゴヌクレオチドが、その分子内に、互いにハイブリダイズしうる領域を含み、この領域同士がハイブリダイズして二本鎖を形成することを意味する。該領域の塩基長については、第一実施形態と同様である。
第二実施形態においても、第1実施形態と同様に、架橋形成基はオリゴヌクレオチドの末端に導入されていてもよく、オリゴヌクレオチドの鎖中に導入されていてもよく、双方に導入されていてもよい。架橋形成基と反応性官能基の存在位置及び種類についても第一実施形態と同様に、一本鎖オリゴヌクレオチドがハイブリダイズしたときに、導入された架橋形成基と反応性官能基とが共有結合を形成しうるように、適宜選択される。オリゴヌクレオチドの末端又は鎖中に、芳香族基を有するリンカーを介して導入される架橋形成基、反応性官能基及びハイブリダイゼーション等については、第一実施形態について記載したのと同様である。
第二実施形態において、オリゴヌクレオチドの塩基長は、通常3〜200塩基、好ましくは5〜100塩基、より好ましくは10〜50塩基である。
第二実施形態においても、さらなるオリゴヌクレオチドがハイブリダイズしてもよいし、本発明の方法によって架橋を形成してもよい。
本発明の第二実施形態の概念図を、図6のeに示す。
本発明の第三実施形態は、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも末端に導入されたオリゴヌクレオチド1と、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも末端に含むオリゴヌクレオチド2と、オリゴヌクレオチド1及び2にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド3とを反応させ、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法である。
第三実施形態では、架橋形成基がオリゴヌクレオチド1の5’末端に導入される場合は、反応性官能基はオリゴヌクレオチド2の3’末端に存在し、架橋形成基がオリゴヌクレオチド1の3’末端に導入される場合は、反応性官能基はオリゴヌクレオチド2の5’末端に存在する。そしてオリゴヌクレオチド3にオリゴヌクレオチド1とオリゴヌクレオチド2とをハイブリダイズさせ、架橋形成基と反応性官能基の間で共有結合を形成させることにより、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成させる。従って、オリゴヌクレオチド3にオリゴヌクレオチド1とオリゴヌクレオチド2がハイブリダイズした状態で、オリゴヌクレオチド1の末端に導入された架橋形成基と、オリゴヌクレオチド2の末端に導入された反応性官能基が共有結合を形成しうる位置にある。すなわち、オリゴヌクレオチド3において、オリゴヌクレオチド1がハイブリダイズする領域と、オリゴヌクレオチド2がハイブリダイズする領域は、架橋形成基と反応性官能基の共有結合が形成可能な程度に近接している。好ましくはオリゴヌクレオチド3にハイブリダイズした状態で、オリゴヌクレオチド1の3’末端とオリゴヌクレオチド2の5’末端の距離、又はオリゴヌクレオチド1の5’末端とオリゴヌクレオチド2の3’末端の距離は、通常0〜20塩基、好ましくは0〜10塩基、より好ましくは0〜5塩基に相当する。
第三実施形態において、オリゴヌクレオチド1及び2の塩基長は、通常3〜200塩基、好ましくは5〜100塩基、より好ましくは10〜50塩基である。オリゴヌクレオチド3の塩基長は、通常6〜400塩基、好ましくは10〜200塩基、より好ましくは20〜100塩基である。
オリゴヌクレオチド1及びオリゴヌクレオチド2は、その鎖中にさらなる架橋形成基又は反応性官能基を含んでいてもよく、その場合は、第一実施態様と同様に、オリゴヌクレオチド3の対応する位置に、共有結合を形成するための反応性官能基又は架橋形成基が導入されていてもよい。
芳香族基を有するリンカーを介して導入される架橋形成基、反応性官能基、及びハイブリダイゼーション等については、第一実施形態と同様である。
第三実施形態においても、さらなるオリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチド1〜3にハイブリダイズしてもよいし、本発明の方法によって架橋を形成してもよい。
本発明の第三実施形態の概念図を、図6のfに示す。
本発明の第四実施形態は、ループを形成しうるオリゴヌクレオチドであって、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されており、かつ該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含む該オリゴヌクレオチドにおいて、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、オリゴヌクレオチドの架橋方法である。
第四実施形態においては、第二実施形態と同様に1本鎖オリゴヌクレオチドが、分子内で架橋を形成するが、該オリゴヌクレオチドがハイブリダイズしなくてもよい態様である。従って、該オリゴヌクレオチドの塩基配列は制限されず、ハイブリダイズして二本鎖を形成することなく架橋を形成する場合も含まれる。1本鎖オリゴヌクレオチドに、架橋形成基と反応性官能基の双方が存在するが、その位置は制限されない。
第四実施形態においても、第1実施形態と同様に、架橋形成基はオリゴヌクレオチドの末端に導入されていてもよく、オリゴヌクレオチドの鎖中に導入されていてもよく、双方に導入されていてもよい。架橋形成基と反応性官能基の種類については、第一実施形態と同様に、導入された架橋形成基と反応性官能基とが共有結合を形成しうるように、適宜選択される。オリゴヌクレオチドの末端又は鎖中に、芳香族基を有するリンカーを介して導入される架橋形成基及び反応性官能基等については、第一実施形態について記載したのと同様である。
第四実施形態において、オリゴヌクレオチドの塩基長は、通常3〜200塩基、好ましくは5〜100塩基、より好ましくは10〜50塩基である。
第四実施形態においても、さらなるオリゴヌクレオチドがハイブリダイズしてもよいし、本発明の方法によって架橋を形成してもよい。
本発明において、オリゴヌクレオチドは、さらに、上記のものとは異なる架橋で結合されていてもよい。そのような架橋は、当技術分野で公知であり特に制限されないが、例えば、ジスルフィド架橋(Nucleic Acid Research,23,285−292(1995))、スチルベン ジカルボキシアミド架橋、ルテニウム(Ru)複合体架橋(Lewis,F.D.ら、Chem.Commun.4,327(1999))、ヘキサエチレングリコール架橋(Durand,M.ら、Nucl.Acids Res.18,6353−6359(1990))、芳香族テレフタルイミド架橋(Salunkhe,M.S.ら、J.Am.Chem.Soc.114,8768−8772(1992))、非分岐又は分岐ジオール架橋、及び分岐ホスホルアミダイト架橋などが挙げられる。
本発明において、架橋形成基をオリゴヌクレオチドの末端に導入する場合は、上記の芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が導入されたオリゴヌクレオチドの構造において、オリゴヌクレオチド部分がホスホロアミダイトになった構造を有する中間体化合物を用いて架橋形成基を導入することができる。
一般式1で表される架橋形成基の導入は、以下の一般式10:
Figure 2006075082
(式中、B及びDは上記と同義であり、Oは酸素原子を表し、Pはリン原子を表し、Nは窒素原子を表し、Rはリン酸保護基を表し、R及びR10は有機基であり、それらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい)で表される中間体化合物を用いて導入することができる。
及びR10は、特に制限されないが、好ましくは炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基が挙げられる。
あるいは、R及びR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になって環基を形成していてもよい。該環はR及びR10が結合している窒素原子の他にさらに複素原子を含んでいてもよい。そのような環は、好ましくは環員5〜8、好ましくは6の環であり、例えば、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、チオモルホリン環等が挙げられ、好ましくはモルホリン環である。
ここでリン酸保護基は、ホスホロアミダイト法に使用されるものであればどのようなものでもよいが、メチル基、2−シアノエチル基、2−トリメチルシリルエチル基、4−オキシペンチル基などを好ましい基として挙げることができる。
例えば、Dが一般式2で表される一般式1の架橋形成基は、Dが一般式2で表される一般式10の中間体化合物を使用して導入することができる。同様に、Dが一般式2’で表される一般式1の架橋形成基は、Dが一般式2’で表される一般式10の中間体化合物を使用して導入することができる。
本発明において、架橋形成基をオリゴヌクレオチドの鎖中に導入する場合は、上記の芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が導入されたオリゴヌクレオチドの構造において、一方のオリゴヌクレオチド部分がホスホロアミダイトになっており、他方のオリゴヌクレオチド部分が水酸基保護基になった構造を有する中間体化合物を用いて架橋形成基を導入することができる。
一実施形態において、一般式3で表される架橋形成基の導入は、一般式11:
Figure 2006075082
(式中、B’及びD’は上記と同義であり、O、P及びNは上記と同義であり、Eは水酸基保護基を表し、R はリン酸保護基を表し、R 及びR10 は有機基であり、それらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい)で表される中間体化合物を用いて実施できる。
水酸基保護基としては、DNA合成においてリボースの5’位の保護に使用される保護基を使用することができ、例えば、アセチル基、5’−O−4,4’,4’’−トリス(4−ベンゾイルオキシ)トリチル基及びジメトキシトリチル基が挙げられ、ジメトキシトリチル基が好ましい。R’〜R10’は、R〜R10とそれぞれ同様である。
例えば、D’が一般式4で表される一般式3の架橋形成基は、D’が一般式4で表される一般式11の中間体化合物を使用して導入することができる。
本発明におけるオリゴヌクレオチドへの架橋形成基の導入は、上記中間体化合物をオリゴヌクレオチドと連結させることにより合成することができる。オリゴヌクレオチドへの中間体化合物の導入は、DNA自動合成機上でオリゴヌクレオチド合成と同時に実施することができる。
架橋形成基をオリゴヌクレオチドの末端に導入する場合は、DNA合成において、3’末端又は5’末端に、一般式10で表される中間体化合物を結合する。
架橋形成基をオリゴヌクレオチド鎖中に導入する場合は、DNA合成において、対応する中間体化合物を適宜結合させることにより、所望の位置に、所望の数で、芳香族基を有するリンカー基を介して架橋形成基を導入できる。例えば、一般式11で表される中間体化合物をオリゴヌクレオチドに導入した後、オリゴヌクレオチド合成を行い、再び一般式11で表される中間体化合物を導入することにより、複数の架橋形成基を導入することができる。オリゴヌクレオチドに導入される架橋形成基の数は特に限定されないが、通常1〜10個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個である。
本発明はまた、上記の方法によって得られた二本鎖オリゴヌクレオチドに関する。本発明の方法によって得られた二本鎖オリゴヌクレオチドにおいては、ハイブリダイズによって二本鎖が形成されるとともに、架橋形成基と反応性官能基とが反応することによって共有結合を形成し、二本鎖が安定化されている。従って、本発明の方法によって得られる二本鎖オリゴヌクレオチドは、厳しい条件においても解離しにくい。
本発明はまた、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも末端に導入されたオリゴヌクレオチドと、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも末端に含むオリゴヌクレオチドとが、該架橋形成基と該反応性官能基との間の共有結合で結合されてなるオリゴヌクレオチドに関する。この結合型のオリゴヌクレオチドは、例えば、上記第三実施形態において、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも末端に導入されたオリゴヌクレオチド1と、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも末端に含むオリゴヌクレオチド2と、オリゴヌクレオチド1及び2にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド3とを反応させ、該架橋形成基と該反応性官能基とを共有結合をさせて二本鎖オリゴヌクレオチドを形成させた後、オリゴヌクレオチド3を解離又は分解することにより得ることができる。オリゴヌクレオチド3の解離又は分解は、例えば、オリゴヌクレオチド1及び2がDNAである場合、オリゴヌクレオチド3をRNAとし、二本鎖形成後、RNAであるオリゴヌクレオチド3のみを分解することにより実施できる。
このようにして得られた結合型オリゴヌクレオチドは、従来オリゴヌクレオチドの連結に使用されてきたリガーゼ等の酵素を使用することなく、オリゴヌクレオチドを化学的に連結するこにより得られる高分子量オリゴヌクレオチドである。酵素を使用しなくてもよいことからコストの点で有利であるとともに、反応条件も制限されないため広範に使用できる。
架橋形成基と反応性官能基との間での共有結合の形成は、当技術分野で公知の方法に従って実施できる。例えば、架橋形成基としてのアミノ基と反応性官能基としてのアルデヒド基とを結合させる場合は、中性または弱塩基性条件下で行うことができる。このアミノ基とアルデヒド基の結合反応中または反応終了後に還元剤を添加することによって、アミノ基とアルデヒド基間で形成された結合を還元し、安定化させ、逆反応を阻害する。還元剤には水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素シアノナトリムなどが挙げられる。
本発明はまた、上記二本鎖オリゴヌクレオチド又は上記結合型オリゴヌクレオチドが固定化された担体に関する。該担体は、好ましくは、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドが有する架橋形成基又は反応性官能基と共有結合しうる官能基をその表面に有する。二本鎖オリゴヌクレオチドの担体への固定化は、当技術分野で通常用いられる方法により実施できる。
担体の基材としては、例えば、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス及びソーダライムガラスなどのガラス、シリコン、繊維、木材、紙、セラミックス、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene 樹脂)、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)が挙げられる。本発明においては、ガラス、シリコン、セラミックス、プラスチックを使用するのが好ましい。
担体の形状は、特に制限されず、基盤状、糸状、球状、ビーズ状、多角形状、粉末状、多孔質状などが挙げられ、本発明においては基盤状が好ましい。
本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、ビオチン及び蛍光色素などの標識に結合させることができる。蛍光色素としては、例えば、Cy3及びCy5などのCyDye、FITC、RITC、ローダミン、テキサスレッド、TET、TAMRA、FAM、HEX、ROX、GFPなどが挙げられる。本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドはまた、医薬に結合させることもできる。
本発明はまた、本発明の方法を実施するためのキットに関する。該キットは、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基をオリゴヌクレオチドに導入するための中間体化合物、具体的には、上記一般式10で表される中間体化合物及び/又は一般式11で表される中間体化合物を含む。本発明のキットにおいて、中間体化合物における架橋形成基B及びB’は、保護された形態でもよい。保護された形態とは、官能基の水素原子が保護基で置換された形態を意味する。アミノ基の保護基としては、特に制限されないが、アシル基、カルバメート基、トリアルキルシリル基、フタリル基、カルボキシアルキルカルボニル基、トシル基、トリチル基、トリフルオロアセチル基等が挙げられる。メルカプト基の保護基としては、特に制限されないが、t−ブチル基、アラルキル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基及びアシル基等が挙げられる。
本発明のキットは、さらに、反応液を構成するバッファー、dNTP混合物、酵素類(DNA合成酵素、逆転写酵素、RNaseHなど)、校正用の標準試料などを含んでもよい。また、本発明のキットは、さらに、ハイブリダイゼーションバッファー、洗浄バッファー、マイクロプレート、ナイロンメンブレンなどを含んでもよい。
本発明はまた、上記二本鎖オリゴヌクレオチドを用いて、二本鎖オリゴヌクレオチドと生体分子との相互作用を検出する方法に関する。本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、安定であるため解離しにくく、生体分子と二本鎖オリゴヌクレオチドとの相互作用を研究する上で有用である。
芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が導入されたオリゴヌクレオチドを合成するための中間体化合物(以下、アミダイト化合物と称する)を合成し、該中間体化合物を用いて得られたオリゴヌクレオチドの能力を評価した。
オリゴヌクレオチドへ芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基を導入するための中間体化合物(アミダイト化合物:Y3、Y4)を、図1及び2に示す方法により合成した。Y3は芳香族基としてナフチル基を有し、架橋形成基であるアミノ基と芳香族基との距離が近い。またY4はアミノ基が分岐のアルキル基にではなくナフチル基に結合している。
アミダイト化合物Y3、Y4をオリゴヌクレオチドに導入した、25又は35塩基のオリゴヌクレオチドを合成した(図3)。芳香族基を有しないオリゴヌクレオチド(X1−Sp25、X2−Sp25)も比較例として合成した(図3)。X1−Sp25及びX2−Sp25は、市販品のN−モノメトキシトリチル−6−アミノヘキシルホスホロアミダイト化合物又はトリフルオロアセチル−6−アミノヘキシルホスホロアミダイト化合物(グレンリサーチ社)を用いてオリゴヌクレオチドにアミノ基を導入したものである。
合成したオリゴヌクレオチドは、逆相カラムを用いて高純度に精製後、架橋反応(図4、図5)に供した。図4、図5に示す架橋反応では、芳香族基及び架橋形成基を有しない方のオリゴヌクレオチドの5’末端にフルオレセインを導入し、反応物と未反応物を分離し、その比率から架橋反応の効率を算出した。
図4、図5の結果より、架橋形成基と芳香族基との距離が近い構造を有するオリゴヌクレオチドを用いることにより、より効率よく架橋反応を形成できることが示された。
(実施例1)アミダイト化合物の合成
(2)アミダイト化合物(Y3)の合成(図1)
(S)−1−アジド−3−(1−ナフチルメトキシ)プロパン−2−オール(化合物g)
アルゴン雰囲気下、(R)−1−O−(1−ナフチルメチル)グリセロール(化合物c)1.90g(8.18mmol)をピリジン80mlに溶解し、塩化トシル2.32g(1.5当量)を加えて室温で4時間撹拌した。反応液にエタノール10mlを加えて過剰の試薬を分解した。減圧下溶媒を留去した後、残渣を酢酸エチル300mlに溶解し、水100mlで2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで1回、水100mlで1回、飽和食塩水100mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮後、得られたオイル状物質をアルゴン雰囲気下、ジメチルホルムアミド80mlに溶解し、アジ化ナトリウム1.60g(3当量)及び塩化アンモニウム1.75g(4当量)を加えて80℃で2時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷ました後、酢酸エチル300mlを加えて、水100mlで5回、飽和食塩水100mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物g)1.30g(収率62%)を無色オイル状物質として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ: 8.11-8.06 (m, 1 H), 7.96-7.87 (m, 2 H), 7.59-7.44 (m, 4 H), 5.29 (d, 1 H, J = 5.3 Hz), 4.94 (s, 2 H), 3.83 (dddt, 1 H, J = 3.6, 5.3, 6.3, 6.4 Hz), 3.51 (dd, 1 H, J = 5.3, 9.9 Hz), 3.46 (dd, 1 H, J = 6.3, 9.9 Hz), 3.29 (dd, 1 H, J = 3.6, 12.6 Hz), 3.21 (ddd, J = 6.4, 12.6 Hz).
(S)−1−アミノ−3−(1−ナフチルメトキシ)プロパン−2−オール(化合物h)
(S)−1−アジド−3−(1−ナフチルメトキシ)プロパン−2−オール(化合物g)1.30g(5.05mmol)をエタノール60mlに溶解し、パラジウム−炭素(10%)330mgを加えて、常圧の水素雰囲気化、室温で15時間撹拌した。パラジウム触媒をセライトろ過により除去した後、溶液を減圧下濃縮し、標記化合物(化合物h)1.17g(収率100%)を得た。当化合物は更なる精製をすることなく、後の反応に用いた。
(S)−3−(1−ナフチルメトキシ)−1−トリフルオロアセトアミドプロパン−2−オール(化合物i)
アルゴン雰囲気下、(S)−1−アミノ−3−(1−ナフチルメトキシ)プロパン−2−オール(化合物h)900mg(3.89mmol)をメタノール50mlに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル0.93ml(2当量)及びトリエチルアミン1.09ml(2当量)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物i)860mg(収率68%)を白色固体状物質として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ: 9.34 (br t, 1 H, J = 5.7 Hz), 8.12-8.08 (m, 1 H), 7.96-7.87 (m, 2 H), 7.59-7.45 (m, 4 H), 5.12 (d, 1 H, J = 5.3 Hz), 4.94 (s, 2 H), 3.83 (dddt, 1 H, J = 4.6, 5.3, 5.6, 7.7 Hz), 3.50 (dd, 1 H, J = 5.3, 9.9 Hz), 3.45 (dd, 1 H, J = 5.6, 9.9 Hz), 3.32 (ddd, 1 H, J = 4.6, 5.7, 13.2 Hz), 3.17 (ddd, 1 H, J = 6.1, 7.7, 13.2 Hz).
(S)−2−[N−(6’−ヒドロキシヘキシル)カルバモイル]オキシ−3−(1−ナフチルメトキシ)−1−トリフルオロアセトアミドプロパン(化合物j)
アルゴン雰囲気下、(S)−3−(1−ナフチルメトキシ)−1−トリフルオロアセトアミドプロパン−2−オール(化合物i)510mg(1.56mmol)及びDMAP38mg(0.2当量)をジメチルホルムアミド20mlに溶解し、1,1−カルボニルジイミダゾール190mg(0.75当量)を加えて室温で撹拌した。2時間後、1,1−カルボニルジイミダゾール190mg(0.75当量)を追加してさらに2時間撹拌した。この反応液に6−アミノ−1−ヘキサノール550mg(3当量)を加えて室温で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチル150mlを加えて、水50mlで4回、飽和食塩水50mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物j)487mg(収率67%)を白色固体状物質として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ: 9.48 (br s, 1 H), 8.09-8.06 (m, 1 H), 7.96-7.88 (m, 2 H), 7.59-7.44 (m, 4 H), 7.17 (br t, 1 H, J = 5.6 Hz), 5.01 (m, 1 H), 4.97 (d, 1 H, J = 11.9 Hz), 4.91 (d, 1 H, J = 11.9 Hz), 4.33 (t, 1 H, J = 5.2 Hz), 3.68-3.57 (m, 2 H), 3.42-3.34 (m, 4 H), 2.93 (dt, 2 H, J = 5.6, 6.9 Hz), 1.42-1.33 (m, 4 H), 1.27-1.20 (m, 4H).
(S)−2−[N−(6’−ヒドロキシヘキシル)カルバモイル]オキシ−3−(1−ナフチルメトキシ)−1−トリフルオロアセトアミドプロパン6’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(化合物Y3)
アルゴン雰囲気下、(S)−2−[N−(6’−ヒドロキシヘキシル)カルバモイル]オキシ−3−(1−ナフチルメトキシ)−1−トリフルオロアセトアミドプロパン(化合物j)188mg(0.40mmol)を塩化メチレン8mlに溶解し、2−シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト0.15ml(1.2当量)、1H−テトラゾールのアセトニトリル溶液0.98ml(0.45M,1.1当量)を加え、室温で20分撹拌した。反応液にクロロホルム30mlを加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mlで1回、水10mlで1回、飽和食塩水10mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン−1%トリエチルアミン)により精製して標記化合物(化合物Y3)170mg(収率63%)を白色固体状物質として得た。
31P NMR (109 MHz, DMSO-d6) δ: 147.21.
(3)アミダイト化合物(Y4)の合成(図2)
(R)−1−O−トシル−3−O−ジメトキシトリチルグリセロール(化合物k)
アルゴン雰囲気下、(S)−(+)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール(化合物b)1.24ml(10.0mmol)をピリジン50mlに溶解し、塩化トシル3.81g(2.0当量)を加えて室温で17時間撹拌した。反応液に水15mlを加えて過剰の試薬を分解した。減圧下溶媒を留去した後、残渣を酢酸エチル350mlに溶解し、水100mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで1回、水100mlで1回、飽和食塩水100mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮後、得られたオイル状物質に80%酢酸水溶液70mlを加えて溶解し、室温で20時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後トルエンとの共沸により酢酸を除き、さらにピリジンと共沸した。アルゴン雰囲気下、この残渣をピリジン60mlに溶解し、塩化ジメトキシトリチル4.07g(1.2当量)を加え、室温で2時間撹拌した。エタノール10mlを加えて反応を止めた後、減圧下溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル350mlに溶解し、水100mlで1回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで1回、水100mlで1回、飽和食塩水100mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物k)4.51g(収率82%)を白色泡状物質として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.74 (m, 2 H), 7.45 (m, 2 H), 7.29-7.13 (m, 9 H), 6.88-6.84 (m, 4 H), 5.28 (d, 1 H, J = 5.6 Hz), 4.04 (dd, 1 H, J = 3.6, 9.6 Hz), 3.96 (dd, 1 H, J = 5.4, 9.6 Hz), 3.78 (m, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 2.94 (dd, 1 H, J = 5.3, 9.2 Hz), 2.83 (dd, 1 H, J = 6.9, 9.2 Hz), 2.39 (s, 3 H).
(R)−3−ジメトキシトリチルオキシ−1−アジドプロパン−2−オール(化合物l)
アルゴン雰囲気下、(R)−1−O−トシル−3−O−ジメトキシトリチルグリセロール(化合物k)930mg(1.70mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶解し、アジ化ナトリウム440mg(4当量)及び塩化アンモニウム455mg(5当量)を加えて80℃で2時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷ました後、酢酸エチル150mlを加えて、水50mlで4回、飽和食塩水50mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物l)690mg(収率96%)を黄色オイル状物質として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.41-7.18 (m, 9 H), 6.91-6.86 (m, 4 H), 5.31 (d, 1 H, J = 5.3 Hz), 3.81 (dtdd, 1 H, J = 3.6, 5.3, 6.3, 6.6 Hz), 3.73 (s, 6 H), 3.36 (dd, 1 H, J = 3.6, 12.5 Hz), 3.28 (dd, 1 H, J = 6.3, 12.5 Hz), 3.00 (dd, 1 H, J = 5.3, 9.2 Hz), 2.88 (dd, 1 H, J = 6.6, 9.2 Hz).
(R)−3−ジメトキシトリチルオキシ−1−アミノプロパン−2−オール(化合物m)
(R)−3−ジメトキシトリチルオキシ−1−アジドプロパン−2−オール(化合物l)620mg(1.48mmol)をエタノール20mlに溶解し、パラジウム−炭素(10%)120mgを加えて、常圧の水素雰囲気化、室温で6時間撹拌した。パラジウム触媒をセライトろ過により除去した後、溶液を減圧下濃縮し、標記化合物(化合物m)548mg(収率94%)を白色泡状物質として得た。当化合物は更なる精製をすることなく、後の反応に用いた。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 7.42-7.21 (m, 9 H), 6.90-6.86 (m, 4 H), 4.71 (br s, 1 H), 3.73 (s, 6 H), 3.55 (dddd, 1 H, J = 4.0, 5.3, 6.0, 6.9 Hz), 2.94 (dd, 1 H, J = 5.3, 8.9 Hz), 2.83 (dd, 1 H, J = 6.0, 8.9 Hz), 2.68 (dd, 1 H, J = 4.0, 12.8 Hz), 2.46 (dd, 1 H, J = 6.9, 12.8 Hz).
6−{N−[(R)−3’−ジメトキシトリチルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル]カルバモイル}ナフタレン−2−カルボン酸ペンタフルオロフェニルエステル(化合物o)
アルゴン雰囲気下、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジペンタフルオロフェニルエステル(化合物n)822mg(1.5mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン0.70ml(4.0mmol)をテトラヒドロフラン70mlに溶解し、この溶液に(R)−3−ジメトキシトリチルオキシ−1−アミノプロパン−2−オール(化合物m)520mg(1.32mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を10分かけて滴下した。室温でさらに1時間撹拌した後、溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物o)664mg(収率67%)を白色泡状物質として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 9.01 (m, 1 H), 8.65 (br t, 1 H, J = 5.6 Hz), 8.51 (m, 1 H), 8.32 (d, 1 H, J = 8.6 Hz), 8.26 (d, 1 H, J = 8.6 Hz), 8.19 (dd, 1 H, J = 1.7, 8.6 Hz), 8.02 (dd, 1 H, J = 1.7, 8.6 Hz), 7.45-7.42 (m, 2 H), 7.31-7.17 (m, 7 H), 6.87-6.83 (m, 4 H), 5.12 (d, 1 H, J = 5.6 Hz), 3.94 (m, 1 H), 3.69 (s, 3 H), 3.68 (s, 3 H), 3.56 (m, 1 H), 3.29 (m, 1 H), 3.05-2.96 (m, 2 H).
6−{N−[(R)−3’−ジメトキシトリチルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル]カルバモイル}−2−{N−[N−(トリフルオロアセチル)−3’’−アミノプロピル]カルバモイル}ナフタレン(化合物p)
アルゴン雰囲気下、6−{N−[(R)−3’−ジメトキシトリチルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル]カルバモイル}ナフタレン−1−カルボン酸ペンタフルオロフェニルエステル(化合物o)640mg(0.84mmol)をジメチルホルムアミド20mlに溶解し、1,3−プロパンジアミン0.70ml(10当量)を加えて室温で30分撹拌した。反応液に酢酸エチル150mlを加えて水50mlで5回洗浄し、有機層を減圧下濃縮した。得られた残渣をアルゴン雰囲気下メタノール15mlに溶解し、トリフルオロ酢酸エチル0.50ml(5当量)及びトリエチルアミン0.59ml(5当量)を加えて、室温で14時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン)により精製して標記化合物(化合物p)440mg(収率70%)を白色泡状物質として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6)δ: 9.46 (br s, 1 H), 8.72 (br t, 1 H, J = 5.6 Hz), 8.55 (br t, 1 H, J = 5.6 Hz), 8.47 (m, 1 H), 8.41 (m, 1 H), 8.09-8.05 (m, 2 H), 7.99-7.91 (m, 2 H), 7.44-7.41 (m, 2 H), 7.31-7.16 (m, 7 H), 6.86-6.82 (m, 4 H), 5.10 (d, 1 H, J = 5.3 Hz), 3.93 (m, 1 H), 3.68 (s, 3 H), 3.67 (s, 3 H), 3.53 (m, 1 H), 3.41-3.23 (m, 5 H), 2.99 (m, 2 H), 1.81 (m, 2 H).
6−{N−[(R)−3’−ジメトキシトリチルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル]カルバモイル}−2−{N−[N−(トリフルオロアセチル)−3’’−アミノプロピル]カルバモイル}ナフタレン 2’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(化合物Y4)
アルゴン雰囲気下、6−{N−[(R)−3’−ジメトキシトリチルオキシ−2’−ヒドロキシプロピル]カルバモイル}−2−{N−[N−(トリフルオロアセチル)−3’’−アミノプロピル]カルバモイル}ナフタレン(化合物p)298mg(0.40mmol)を塩化メチレン10mlに溶解し、2−シアノエチルテトライソプロピルホスホロジアミダイト0.15ml(1.2当量)、1H−テトラゾールのアセトニトリル溶液0.98ml(0.45M,1.1当量)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液にクロロホルム30mlを加えて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液15mlで2回、飽和食塩水15mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル−ヘキサン−1%トリエチルアミン)により精製して標記化合物(化合物Y4)255mg(収率68%)を白色泡状物質として得た。
31P NMR (109 MHz, DMSO-d6)δ: 149.20, 148,95.
DNA自動合成機によってオリゴヌクレオチドを合成後、最後にY3、Y4アミダイト体を縮合させ、オリゴヌクレオチドXn−Sp25(n=3〜4)をそれぞれ得た。また芳香族基を有しないオリゴヌクレオチドとして、市販のアミノ基結合ホスホロアミダイト化合物(グレンリサーチ社)を用い、オリゴヌクレオチドの末端にアミノ基を導入したもの(X1−Sp25)、オリゴヌクレオチドとアミノ基の間に芳香族基を有しない直鎖リンカーを導入したオリゴヌクレオチド(X2−Sp25)も比較例として合成した。
(実施例2)架橋形成基を導入したオリゴヌクレオチドの合成と精製
オリゴヌクレオチドの合成はApplied Biosystems394型DNA/RNAシンセサイザー上で行った。
HPLCにはGilsonの装置を用い、分析はWaters996フォトダイオードアレイ検出器を用いて行った。逆相分析用カラムとしてμ−ボンダスフィアー(C−18)カラムΦ3.9x150mm(ウォーターズ社製)、陰イオン交換分析用として東ソーTSK−GEL DEAE−2SW(内径4.6mm×長さ250mm)を使用した。移動相として、逆相の場合には0.1M酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(TEAA、pH7.0)中アセトニトリル、陰イオン交換の場合には20%アセトニトリル水中ギ酸アンモニウムの濃度勾配を用いた。
オリゴヌクレオチドの合成
下記の各オリゴヌクレオチドを、デオキシヌクレオシド3’−ホスホロアミダイト(日本テクノサービス社より購入)を原料として、DNA自動合成機(モデル394A;(株)パーキンエルマージャパン・アプライドバイオシステムズ事業部製)で、0.2又は1μmolスケールで合成した。
Xn−Sp25(n=1〜4):5’−Xn−TCTTCCAAGCAATTCCAATGAAAGC−3’(配列番号1)
F−ASSp16Z:5’−F−d(GAATTGCTTGGAAGATZ)−3’
F−ASSp16rG:5’−F−d(GAATTGCTTGGAAGAT)rG−3’
ASSp32:5’−d(GAATTGCTTGGAAGAGTTTCTTGCTTAAAGTC)−3’
(Fはフルオレセインを示す)
X1−Sp25及びX2−Sp25のオリゴヌクレオチドの5’末端に導入するアミノ基にはN−モノメトキシトリチル−6−アミノヘキシルホスホロアミダイト(グレンリサーチ社)を用いた。X3−Sp25、X4−Sp25のアミノ基の導入は、Y3、Y4のホスホロアミダイト化合物を用いて行った。合成したオリゴヌクレオチドの構造を図3に示す。
合成終了後、オリゴヌクレオチドは以下のように処理し精製した。濃アンモニア水でCPG(Controlled Pore Glass)よりオリゴヌクレオチドを切り出し、50℃で12時間加温後、溶媒を留去し、脱イオン水に溶解した。X1−Sp25及びX2−Sp25については、C18(ウォーターズ社製)オープンカラムクロマトグラフィーを行なった(カラムサイズ0.8x18cm:5−50%アセトニトリル、0.1Mトリエチルアンモニウムアセテート(以下「TEAA」という)水溶液の溶媒を用いた直線濃度勾配により溶出)。約30%濃度のアセトニトリルで溶出されたフラクションを集め、濃縮し、2mlの80%酢酸水溶液を加え、60分間攪拌し、モノメトキシトリチル基を除去した。酢酸を減圧下留去し、水層を酢酸エチルで洗浄した。溶媒を留去後、滅菌水1mlに溶解した。
(実施例3)1−デアザ−2’−デオキシグアノシンCPG樹脂結合体の合成
3−[2’−デオキシ−5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−3’−O−スクシニル−β−D−リボフラノシル]−5−(N,N−ジ−n−ブチルホルムアミジノ)アミノ−7−(N,N−ジフェニルカルバモイル)オキシイミダゾ[4,5−b]ピリジン
アルゴン雰囲気下、3−[2’−デオキシ−5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−β−D−リボフラノシル]−5−(N,N−ジ−n−ブチルホルムアミジノ)アミノ−7−(N,N−ジフェニルカルバモイル)オキシイミダゾ[4,5−b]ピリジン(Nucleic Acids Res.,vol.31,7175−7188(2003)に従って合成)220mg(0.24mmol)をピリジン4mlに溶解し、無水コハク酸72mg(3当量)及びDMAP29mg(1当量)を加えて室温で2日間撹拌した。水0.5mlを加えた後、減圧下溶媒を留去した。残渣をクロロホルム70mlに溶解し、飽和リン酸二水素カリウム水溶液25mlで2回、飽和食塩水25mlで1回洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した。溶液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(中性シリカゲル、溶出溶媒:エタノール−クロロホルム)により精製して標記化合物219mg(収率92%)を白色泡状物質として得た。
1H NMR (270 MHz, DMSO-d6) δ: 8.44 (s, 1 H), 8.30 (s, 1 H), 6.65 (s, 1 H), 7.51-7.40 (m, 8 H), 7.31-7.26 (m, 4 H), 7.21-7.13 (m, 7 H), 6.78-6.72 (m, 4 H), 6.43 (t, 1 H, J = 6.5 Hz), 5.57 (m, 1 H), 4.11 (ddd, 1 H, J = 3.6, 4.0, 6.3 Hz), 3.67 (s, 3 H), 3.65 (s, 3 H), 3.43 (t, 2 H, J = 7.3 Hz), 3.24 (t, 2 H, J = 7.2 Hz), 3.31 (dd, 1 H, J = 6.3, 10.2 Hz), 3.16 (dd, 1 H, J = 3.6, 10.2 Hz), 2.55-2.47 (m, 6 H), 1.59-1.41 (m, 4 H), 1.28 (m, 2 H), 1.18 (m, 2 H), 0.90 (t, 3 H, J = 7.3 Hz), 0.82 (t, 3 H, J = 7.3 Hz).
3−[2’−デオキシ−5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−β−D−リボフラノシル]−5−(N,N−ジ−n−ブチルホルムアミジノ)アミノ−7−(N,N−ジフェニルカルバモイル)オキシイミダゾ[4,5−b]ピリジン3’−O−スクシニル−CPGユニット
アルゴン置換したガラスバイアル中、3−[2’−デオキシ−5’−O−(4,4−ジメトキシトリチル)−3’−O−スクシニル−β−D−リボフラノシル]−5−(N,N−ジ−n−ブチルホルムアミジノ)アミノ−7−(N,N−ジフェニルカルバモイル)オキシイミダゾ[4,5−b]ピリジン140mg(0.14mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC)27mg(1当量)をジメチルホルムアミド5mlに溶解し、CPG樹脂(CPG inc)400mg(36μmol)を加え密栓して室温で5日間振盪した。CPG樹脂をジメチルホルムアミド、ピリジン及び塩化メチレンで洗浄した後、室温で1時間減圧乾燥した。アルゴン置換したガラスバイアル中、乾燥したCPG樹脂にキャッピイング溶液(0.1MのDMAPを含むピリジン:無水酢酸(9:1)溶液)5mlを加えて密栓し、室温で2時間振盪した。CPG樹脂をピリジン及び塩化メチレンで洗浄して標記化合物(収量32.5μmol/g)を得た。
フルオレセイン結合オリゴヌクレオチドの合成
1−デアザ−2’−デオキシグアノシンCPG樹脂とグアノシンCPG樹脂を用い、3’末端に1−デアザ−2’−デオキシグアノシン又はグアノシンを有するオリゴヌクレオチド(F−ASSp16Z、F−ASSp16rG)をDNA自動合成機により合成した。合成したオリゴヌクレオチドの5’末端に市販のフルオレセインのアミダイト体(グレンリサーチ社)を縮合させ、5’−フルオレセイン−3’−(1−デアザ−2’−デオキシグアノシン)オリゴヌクレオチド(F−ASSp16Z)及び5’フルオレセイン−3’−グアノシンオリゴヌクレオチド(F−ASSp16rG)をそれぞれ合成した。
精製
Xn−Sp25(n=1〜4)、ASSp32、F−ASSp16Z、F−ASSp16rGは、逆相HPLCで分取し精製した。逆相HPLCの条件は以下の通りであった。カラムにはμ−ボンダスフィアー(C−18)カラムΦ3.9x150mm(ウォーターズ社製)を使用した。
溶液1
A溶液 5%アセトニトリル/0.1MTEAA(pH7.0)
B溶液 50%アセトニトリル/0.1MTEAA(pH7.0)
Figure 2006075082
カラム温度:50℃
溶液2
A溶液 5%アセトニトリル/0.1MTEAA(pH7.0)
B溶液 25%アセトニトリル/0.1MTEAA(pH7.0)
カラム温度:50℃
カラムA:μ−ボンダスフィアー(C−18)カラムΦ3.9x150mm(ウォーターズ社製)
カラムB:Inertsil ODS−3(C−18)カラムΦ8.0x300mm(GLScience社製)
(実施例4)架橋反応
F−ASSp16Zの脱グリコシル反応
F−ASSp16Z(1nmol)を0.5Mリン酸緩衝液(pH2;100μL)に溶解し、40℃で30分間加温した。その後NAP10カラム(ファルマシア社)により脱塩し、溶出液を集めた。逆相HPLCにより脱グリコシル化が進行したことを確認した。F−ASSp16Zの3’末端の1−デアザ−2’−デオキシグアノシンの脱グリコシル化されたオリゴヌクレオチドを以下F−ASSp16Z(H+)とする。
オリゴヌクレオチドの架橋反応−1(図4a)
3’末端1−デアザ−2’−デオキシグアノシンが脱グリコシル化されたF−ASSp16Z(H+)(12pmol)を、Xn−Sp25(n=1〜3;24pmol)、0.1M HEPES緩衝溶液、5mM塩化ナトリウム、100mM NaCNBH(水素化ホウ素シアノナトリウム)と混合し(全反応容量30μL)、37℃で加温した。反応開始後一定時間後に反応停止溶液(5μL:10M 尿素、50mM EDTA−Na、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレンシアノール)に反応液を一定量サンプリングして反応を停止させた。サンプリングした反応停止溶液を、8M 尿素を含む15%ポリアクリルアミドゲルによって分析した。架橋反応によって生成したオリゴヌクレオチドと、未反応のF−ASSp16Z(H+)の蛍光強度をバイオイメージングアナライザー(バイオラド社)によって測定し、架橋率を算出した。
架橋反応−2(3’末端がRNAであるオリゴヌクレオチドとの架橋反応;図4b)
F−ASSp16rG(12pmol)を50mM TEAA緩衝溶液(pH7)及び5〜40μMの過ヨウ素酸ナトリウムを含む反応溶液(20μL)に溶解し、37℃で加温し、F−ASSp16rGの3’末端の過ヨウ素酸酸化を行った。1時間後、Xn−Sp25(24pmol:n=1〜4)、400mM 水素化ホウ素シアノナトリウム(7.5μL)を加え、全量を30μLとし、37℃で加温し架橋反応を行った。一定時間後に2.5μLを反応液よりとり、反応停止溶液(5μL:10M 尿素、50mM EDTA−Na、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレンシアノール)に加え反応を停止させた。生成物の分析と架橋率の算出は、F−ASSp16Zと同様の方法で行った。
オリゴヌクレオチドの架橋反応−3(X4−SP35を用いた架橋反応:図4c)
F−ASSp16rG(12pmol)を50mM TEAA緩衝溶液(pH7)及び5〜40μMの過ヨウ素酸ナトリウムを含む反応溶液(20μL)に溶解し、37℃で加温し、F−ASSp16rGの3’末端の過ヨウ素酸酸化を行った。1時間後、X4−Sp35(24pmol)、400mM 水素化ホウ素シアノナトリウム(7.5μL)を加え、全量を30μLとし、37℃で加温し架橋反応を行った。一定時間後に2.5μLを反応液よりとり、反応停止溶液(5μL:10M 尿素、50mM EDTA−Na、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレンシアノール)に加え反応を停止させた。生成物の分析と架橋率の算出は、F−ASSp16Zと同様の方法で行った。
オリゴヌクレオチドの架橋反応−4(図5)
3’末端1−デアザ−2’−デオキシグアノシンが脱グリコシル化されたF−Sp17Z(H+)(12pmol)とAS−Sp32(24pmol)を滅菌水(12μL)に溶解し、Xn−Sp25(n=1〜3;24pmol)、1M HEPES緩衝溶液(3μL)、100mM 塩化ナトリウム(1.5μL)、400mM 水素化ホウ素シアノナトリウム(7.5μL)と滅菌水を添加し(全反応容量30μL)、37℃で加温した。反応開始後一定時間後に反応停止溶液(5μL:10M 尿素、50mM EDTA−Na、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレンシアノール)に反応液を一定量サンプリングして反応を停止させた。サンプリングした反応停止溶液を、8M 尿素を含む15%ポリアクリルアミドゲルによって分析した。架橋反応によって生成したオリゴヌクレオチドと、未反応のF−Sp17Z(H+)の蛍光強度をバイオイメージングアナライザー(バイオラド社)によって測定し、架橋率を算出した。
アミダイト化合物(Y3)の合成方法を示す。 アミダイト化合物(Y4)の合成方法を示す。 合成したオリゴヌクレオチドの配列と構造を示す。Aはオリゴヌクレオチド部分を示す。 架橋反応−1(a)、−2(b)、−3(c)を図示する。また、架橋反応−1の反応速度定数(d)、架橋反応−2、−3の反応速度定数(e)を示す。 架橋反応−4(a)とその反応の速度定数(b)を示す。 本発明の架橋反応の概念図を表す。
配列番号1〜4:合成オリゴヌクレオチド

Claims (16)

  1. 芳香族基を有するリンカーを介してオリゴヌクレオチドに導入された少なくとも1個の架橋形成基と、該オリゴヌクレオチドと同一又は異なるオリゴヌクレオチドに含まれる少なくとも1個の反応性官能基との間で共有結合を形成する方法。
  2. 芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されたオリゴヌクレオチド1と、該オリゴヌクレオチド1にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチド1にハイブリダイズしたときに該架橋形成基と近接する位置に、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含むオリゴヌクレオチド2とを反応させ、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法。
  3. 架橋形成基が導入されたオリゴヌクレオチド1と、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基が導入されたオリゴヌクレオチド2とが、さらなる架橋で結合されている、請求項2記載の方法。
  4. ハイブリダイズすることによってループを形成しうるオリゴヌクレオチドであって、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されており、かつハイブリダイズしてループを形成したときに該架橋形成基と近接する位置に、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含む該オリゴヌクレオチドにおいて、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法。
  5. 芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも末端に導入されたオリゴヌクレオチド1と、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも末端に含むオリゴヌクレオチド2と、オリゴヌクレオチド1及び2にハイブリダイズしうるオリゴヌクレオチド3とを反応させ、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、二本鎖オリゴヌクレオチドを形成する方法。
  6. ループを形成しうるオリゴヌクレオチドであって、芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも1個導入されており、かつ該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも1個含む該オリゴヌクレオチドにおいて、該架橋形成基と該反応性官能基との間で共有結合を形成することを含む、オリゴヌクレオチドの架橋方法。
  7. 芳香族基が置換又は無置換の1〜5環性芳香族炭化水素基である請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 芳香族基を有するリンカーを介して導入された架橋形成基が、オリゴヌクレオチドの末端に導入されており、その構造が一般式1:
    B−D−(1)
    (式中、Bは架橋形成基を表し、Dは少なくとも1つの芳香族基を有する二価の有機基を表し、Dはオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する)
    で表される、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. Dが一般式2:
    Figure 2006075082
    (式中、Lは芳香族基を表し、Rは水素原子又は置換基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の二価の炭化水素基を表す)で表されるか、又は一般式2’:
    Figure 2006075082
    (式中、Lは二価の芳香族基を表し、R は水素原子又は置換基を表し、R11、R12、R13及びR14はそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の二価の炭化水素基を表し、R15は水酸基又は水酸基の保護された形態を表す)で表される、請求項8記載の方法。
  10. 芳香族基を有するリンカーを介して導入された架橋形成基が、オリゴヌクレオチドの鎖中に導入されており、その構造が一般式3:
    Figure 2006075082
    (式中、B’は架橋形成基を表し、D’は少なくとも1つの芳香族基を有する三価の有機基を表し、オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端の、水酸基又はリン酸基の酸素と結合する)
    で表される、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. D’が一般式4:
    Figure 2006075082
    (式中、Lは二価の芳香族基を表し、R25は水素原子又は置換基を表し、R21、R22、R23及びR24はそれぞれ独立して、直接結合又は複素原子を含んでいてもよい置換若しくは無置換の二価の炭化水素基を表す)
    で表される、請求項10記載の方法。
  12. 請求項2〜5のいずれか1項記載の方法によって形成される二本鎖オリゴヌクレオチド。
  13. 芳香族基を有するリンカーを介して架橋形成基が少なくとも末端に導入されたオリゴヌクレオチドと、該架橋形成基と共有結合を形成しうる反応性官能基を少なくとも末端に含むオリゴヌクレオチドとが、該架橋形成基と該反応性官能基との間の共有結合で結合されてなるオリゴヌクレオチド。
  14. 請求項12記載の二本鎖オリゴヌクレオチド又は請求項13記載のオリゴヌクレオチドが固定化された担体。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項記載の方法を実施するためのキットであって、一般式10:
    Figure 2006075082
    (式中、Bは架橋形成基又はその保護された形態を表し、Dは少なくとも1つの芳香族基を有する二価の有機基を表し、Oは酸素原子を表し、Pはリン原子を表し、Nは窒素原子を表し、Rはリン酸保護基を表し、R及びR10は有機基であり、それらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい)で表される中間体化合物、
    及び/又は一般式11:
    Figure 2006075082
    (式中、B’は架橋形成基又はその保護された形態を表し、D’は少なくとも1つの芳香族基を有する三価の有機基を表し、O、P及びNは上記と同義であり、Eは水酸基保護基を表し、R はリン酸保護基を表し、R 及びR10 は有機基であり、それらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい)で表される中間体化合物を含む該キット。
  16. 請求項12記載の二本鎖オリゴヌクレオチドを用いて、二本鎖オリゴヌクレオチドと生体分子との相互作用を検出する方法。
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