JP2006074260A - 駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定方法 - Google Patents

駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】駐車場を監視するカメラの個数が予め与えられ、駐車場のブロック内に駐車マスを仕切り、各カメラについて、カメラ設置条件を複数とおり設定し、各カメラごとに複数設定されたカメラ設置条件の中から、それぞれのカメラについて1つのカメラ設置条件を選ぶことにより、カメラの全個数からなるカメラ設置条件の組を生成し、前記カメラ設置条件の組に対応する評価基準を算出し、前記算出された評価基準に基づいて、最適なカメラ設置条件の組を決定する。
【効果】与えられたカメラ台数で、カメラの最適な配置を行うことができ、駐車場全体の駐車状況を良好な精度で把握することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、駐車場の満空情報などの駐車場の状態(以下「駐車状況」という)を効率的に把握するための駐車場におけるカメラ設置条件を自動的に決定する方法に関するものである。
従来、駐車状況を把握するために、駐車場にカメラを設置して、その画面を監視することが行われている。
この場合、駐車場に設置するカメラの台数、設置場所、カメラの高さ、カメラの向き(姿勢パラメータという)、カメラの焦点距離などの条件(以下「カメラの設置条件」という)は、人間の経験、勘、現場における試行錯誤などにより適当に決定されていた。
特開平1−263798号公報 特開2000−137896号公報 特開2000−182187号公報
前記のような決定方法は、合理的な評価基準に基づいた方法ではないため、カメラの台数が必要以上設置されることがある。また、カメラの設置場所の選定が不適切であれば、限られたカメラ台数で駐車場全体をカメラでとらえることができなくなる。したがって従来の方法では、駐車状況を適切に把握するには限界があった。
そこで本発明は、カメラの設置条件を決定するための評価基準を設定して、この評価基準を満たす最適なカメラの設置条件を求めることができる、駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定方法を提供することを目的とする。
本発明のカメラ設置条件の自動決定方法は、駐車場を監視するカメラの個数が予め与えられ、駐車場のブロック内に駐車マスを仕切り、各カメラについて、カメラ設置条件を複数とおり設定し、前記各カメラごとに複数設定されたカメラ設置条件の中から、それぞれのカメラに対応して1つのカメラ設置条件を選んで、カメラの全個数からなるカメラ設置条件の組を生成し、前記カメラ設置条件の組に対応する評価基準を算出し、前記算出された評価基準に基づいて、最適なカメラ設置条件の組を決定する方法である。
この方法によれば、与えられた駐車場のブロック及びカメラの台数から、ブロック内の駐車マスの配置とカメラ設置の対象となる候補地点を設定した後、各カメラの3次元位置、焦点距離、姿勢パラメータに基づく評価基準を最適にする最適解を最適化手法により算出して、当該最適解を構成する各カメラの3次元位置、焦点距離、姿勢パラメータのデータを出力することができる。
前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の数の、全カメラ画面についての合計とすることができる。この構成は、できるだけ多くの駐車マスが画面に映るようにすれば、駐車状況をより的確に把握できるという想定に基づいている。
前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の実空間上の面積の、全カメラ画面についての合計としてもよい。駐車マスの面積は、ほぼ画一化されているので、画面に映る駐車マスの数と駐車マスの面積との対応が付くからである。ただし、駐車マスの面積が大型車用、小型車用で違っている場合、駐車マスの数で評価するのと、面積で評価するのとでは多少違った結果になることもある。
前記評価基準は、駐車マスの数の全カメラ画面についての合計と、駐車マスの実空間上の面積の全カメラ画面についての合計との組み合わせとしてもよい。
前記駐車マスの面積を評価する場合、他の駐車マスに車両が存在することにより死角になる部分を除外して算出することが望ましい。これは、他の駐車車両の陰になる位置にある駐車マスに車両が駐車している場合は、車両を確認しにくいので、それだけ面積を落として、評価基準を低くして評価することが望ましいからである。
駐車マスは、次の条件のいずれか1つ以上を満たすものを画面内で特定することが望ましい。まず、その駐車マスが撮像画面内に写っていることが必要である。次に当該駐車マスの入路部分が撮像画面内に写っていることが好ましい。これは駐車マスの車両の出入りを観察するにはその入路部分を監視することが好ましいからである。また、当該駐車マスの縦及び横の長さがそれぞれ一定値以上であることが望ましい。これはあまり遠くに写っている駐車マスは、駐車車両の判別がしにくいからである。また、当該駐車マスの縦又は横方向が、撮像画面の水平方向から一定角度以上ずれていないか、又は撮像画面の垂直方向から一定角度以上ずれていないことが望ましい。駐車マスが斜めに写っていると、隣接駐車車両の影に入って駐車車両の確認がしにくくなるからである。さらに、当該駐車マスの撮像画面上の面積が一定の閾値以上あることが望ましい。前記駐車マスの縦及び横の長さがそれぞれ一定値以上であることと同じように、小さく写っている駐車マスは、駐車車両の判別がしにくいからである
本発明によれば、カメラ設置条件の自動決定方法を提供することにより、与えられたカメラ台数で、駐車場全体の駐車状況を良好な精度で把握することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、用語の定義を説明する。
「駐車ブロック」:駐車場内で、複数の駐車マスが含まれるひとかたまりの領域をいう。通常は、長方形の領域となる。
「駐車マス」:一台の車両を駐車させるために仕切られる長方形の領域をいう。
「カメラ設置ゾーン」:駐車場内あるいはその周辺で、カメラを設置することが可能な一次元又は二次元の領域をいう。カメラを固定する柱がある、通信回線に接続できる、などの条件を満たしている必要がある。ただし、車両の走行を妨げたり、運転者の視野を狭くする危険性のある場所除く。前記の条件を満たしていれば、駐車ブロック内でもカメラ設置ゾーンとなり得る。
「カメラ設置対象地点」:カメラ設置ゾーンの中で、カメラを設置する場所をいう。カメラ設置ゾーンの中に1本又は複数本の直線又は曲線を引き、その上の点の座標、又は当該点から当該直線と直角な方向に奥行きを持つ点の座標で表現する。通常、カメラ設置ゾーンの中に離散的に配置された点となる。
図1は、本発明の駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定処理を説明する概略フローチャートである。
本処理は、CD−ROMやハードディスクなど所定の媒体に記録されたプログラムを、処理装置のコンピュータが実行することにより実現される。
まず、駐車ブロック、カメラ設置ゾーン、及びカメラ台数の情報を初期設定値として入力する(ステップS1)。これらの駐車ブロック、カメラ設置ゾーン、及びカメラ台数の情報は、与えられるものであり、本発明の駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定処理中は不変とする。
カメラの台数は、k(例えばk=10)台とする。
図2に、駐車場で与えられた駐車ブロック及びカメラ設置ゾーンの配置図を示す。縦軸及び横軸は距離(単位:m)を表す。駐車ブロック番号を1から19までとしている。駐車ブロックは平行四辺形で表し、カメラ設置ゾーンは、折れ線で表している。なお、カメラ設置ゾーンの黒い点は、ステップS2で決められるカメラ設置対象地点である。
次に、処理装置は、駐車ブロックの中に駐車マスを区切り、カメラ設置ゾーンの中のカメラ設置対象候補地点を設定する(ステップS2)。
駐車マスの仕切り方は、駐車マスを仕切ろうとする駐車ブロックの4つのコーナーの座標、駐車マスのタイプ(普通車、大型車)、駐車マスの縦横標準サイズ、駐車ブロックの中の駐車マスの数を与えて、コンピュータに入力し、これらのデータにもとづいて自動的に駐車マスを切る。これにより、所定数の駐車マスが、通常、一通りの方法で仕切られる。
しかし、駐車マスの仕切り方を一通りに固定するのではなく、駐車マスの配置の異なる複数の仕切り方があれば、それぞれについて適応度を算出し、最終的に適応度の最も高い仕切り方を採用するようにしてもよい。
駐車ブロック内の駐車マスは、一列又は二列とする。また駐車マスに方向性を持たせるため、ブロックの座標は駐車マスの入路地点から左回りで順に設定されているものとし、設定した駐車マスは、道路面を向いて左右、前後を定義する。
図3は、駐車ブロックの4地点を設定した図である。地点の設定は、A,B,C,Dの順に設定する。ただし、駐車ブロックが2列あって路面が両側にある場合、どちらの路面を基準にしてもよい。
入力された地点の座標は、微妙に誤差があると考えられるが、このために駐車マスがひずむのは、好ましくない。したがって、平行四辺形になるようにデータを修正する。
平行四辺形化は、図4に示すように行う。平行四辺形化したときの前記各点の座標を、それぞれ (X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3),(X4,Y4)とする。各座標は、次の関係を満たしている。
X1=x1,Y1=y1,X2=x2,Y2=y2,
X3=x2+dx,Y3=y2+dy,
X4=x1+dx,Y4=y1+dy
ベクトルX,Yを
X=(x1,y1,x2,y2,dx,dy)
Y=(X1,Y1,X,Y2,X3,Y3,X4,Y4)
とおくと、ベクトルX,Yの関係は、
Y=AX
X=(AtA)-1t
Figure 2006074260
で表される。
図5は、平行四辺形化して仕切られた駐車マスを表す。同図において、例えば駐車マスSに注目すると、駐車マスSの入路は下方を向いており(当該駐車マスSの入路は下方の道路であるため)、その左方、後方、左後方は、他の駐車マスと隣接しており、右方、右後方は隣接していないという情報を設定しておく。求めた駐車マスの大きさが、入力した標準縦横サイズからかけ離れている場合は、入力データの異常として処理を中断する。
図6は、図2の駐車ブロックに仕切られた駐車マスの配置例を示す図である。駐車ブロック番号1から12までは普通車の駐車マスを切り、駐車ブロック番号13から19までは大型車の駐車マスを切っている。
次に、カメラ設置ゾーンの中にカメラ設置対象候補地点を設定する。カメラ設置ゾーンは、図7に示すように、直線Lからなる。カメラ設置対象候補地点は、直線からなるカメラ設置ゾーンの中の、一定間隔ごとの点の座標a0〜an、又は当該点a0〜anから当該直線Lと直角な方向の奥行きdを持つ点b0〜bnの座標で表す。
このカメラ設置対象候補地点の座標を2次元直交座標(x,y)に変換する。変換された2次元座標とカメラの高さとをまとめて、「カメラの3次元位置」という。「カメラの3次元位置」は、カメラ設置対象候補地点の座標であるx,y座標と、カメラの高さzで表される。
次に、カメラ設置対象候補地点をカメラの数だけ選んでカメラを設置し、このカメラにより、仕切られた駐車マスを、一定条件で撮像できる、カメラ設置条件の組を探す(ステップS3)。
ここで、「カメラ設置条件の組」とは、カメラの3次元位置、カメラの焦点距離及びカメラの姿勢パラメータをいう。
「カメラの姿勢パラメータ」とは、カメラのピッチ角、ヨー角をいう。なお本実施の形態では、ロール角は常に0度とし、カメラ変数の対象とはしないが、ロール角を「カメラの姿勢パラメータ」の中に含めてもよい。
これらの、姿勢パラメータ、焦点距離、カメラの高さのいずれか又は全部は、地上から遠隔制御できることが望ましい。
図8は、駐車マスを切って、前記カメラ設置対象候補地点にカメラを設置し、前記カメラの焦点距離、姿勢パラメータを設定した場合の、カメラの平面位置とカメラの撮影方向(水平面内)を表した図である。
この図8では、カメラの台数は10であり、それらを番号1から10としている。カメラの設置位置から出ている線分1〜線分10は、カメラの撮影方向を示している。
本発明の駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定処理では、変数であるカメラの3次元位置、焦点距離、姿勢パラメータを、順に変更して、駐車マスが一定の条件で撮像できるカメラ設置条件の組を記録する。
まず、あるカメラ設置条件の組に対して、カメラで撮像した画面にもとづいて、以下の条件をすべて満たしている駐車マスを、カメラの画面ごとに特定する。特定方法は、例えば、駐車ブロックの特定と、その中の何番目の駐車マスかで行える。なお、一台のカメラの撮像画面の画素数は横が-300画素から+300画素まで、縦が-240画素から+240画素までとする。
(1)その駐車マスが撮像画面内に写っていること。
(2)当該駐車マスの入路部分が撮像画面内に写っていること。
(3)当該駐車マスの縦及び横の長さがそれぞれ一定値以上であること。その閾値は車長方向70画素×車幅方向40画素。これは、あまりにも小さく写っている駐車マスは数えないためである。
(4)当該駐車マスの縦又は横方向が、撮像画面の水平方向から一定角度以上ずれていないか、又は撮像画面の垂直方向から一定角度以上ずれていないこと。これは、なるべく縦方向又は横方向から駐車マスを観察したいという理由に基づく。斜め方向から駐車マスを観察すると、駐車車両の重複があれば、車両が認識しにくいからである。
(5)当該駐車マスの撮像画面上の補正された面積が一定の閾値以上あること。その閾値の単位は画素2とする。これは、前記(3)と同様あまりにも小さく写っている駐車マスは数えないようにするとともに、撮像画面からほとんどはみ出して切れているような駐車マスを除外するためである。
さらに、前記5つの基準の他に、1つの駐車マスの面積だけが大きく写るのを除外するため、駐車マスの面積の上限値を設定してもよい。
次に、前記(5)の基準における撮像画面上の駐車マスの面積補正について、次のA.B.に場合を分けて詳しく説明する。
A.カメラが駐車マスを斜め上から見ている場合
図9は、駐車マスとカメラとの位置関係を示す図である。注目する駐車マスSの斜めに隣接する点線の方向にカメラがある場合、カメラと駐車マスSとの視線を遮る隣接駐車マスがあれば、死角が発生する。図9の4箇所の点線領域は駐車マスSに対して、対称位置にあるので、Aの方向にカメラがあるものとして考察する。
図10(a)〜(f)は、隣接駐車マスに車両が駐車したために、死角が発生して、当該駐車マスを撮影する場合、見えなくなる部分を描いた図である。
図10(a)は駐車マスSの左横隣接駐車マスに駐車した車両の影響、(b)は斜め左後方の駐車マスに駐車した車両の影響、(c)は後方の隣接駐車マスに駐車した車両の影響、(d)は左横及び斜め左後方の隣接駐車マスに駐車した車両の影響、(e)は左横、斜め左後方及び後方の隣接駐車マスに駐車した車両の影響、(f)は斜め左後方及び後方の隣接駐車マスに駐車した車両の影響をそれぞれ描いている。このように、隣接駐車マスに車両が駐車したために死角が発生して、当該駐車マスの面積が見かけ上減少する。
B.カメラが駐車マスを横方向または縦方向から見ている場合
図11は、駐車マスとカメラとの他の位置関係を示す図である。注目する駐車マスの前後左右に隣接する駐車マス(点線)の方向にカメラがある場合、カメラと駐車マスとの視線を遮る隣接駐車マスがあれば、死角が発生する。図11の4箇所の点線領域は同一条件であるため、Aの方向にカメラがあるものとして考察する。
図12は、後方の駐車マスに車両が駐車したために死角が発生して、当該駐車マスを撮影する場合、見えなくなる部分を描いた図である。このように、後方の駐車マスに車両が駐車したために死角が発生して、当該駐車マスの面積が見かけ上減少するが、後方以外の駐車マスに車両が駐車しても死角が発生することはない。
以上により、死角になって見えなくなる部分の割合は、カメラと駐車マスとの相対的な角度関係により大きな影響を受けることが分かる。
以上の観点から、図13のように対象とする駐車マスの1つの端点からカメラまでの直線距離rと2つの角度θy,θpを定義する。角度θyは平面上の角度、角度θpは垂直面上の角度である。
なお、ベクトルa(x1+iy1)とベクトルb(x2+iy2)とのなす角θは、以下の式で算出される。
(x1+iy1)(cosθ+isinθ)=k(x2+iy2)
x1 cosθ−y1 sinθ=kx2
x1 sinθ+y1 cosθ=ky2
2=(x12+y12)/(x22+y22
cos2θ=(x1x2+y1y2)2/(x12+y12)(x22+y22
sin2θ=(x1y2+x2y1)2/(x12+y12)(x22+y22
駐車マスの端点からの、駐車マスの縦線をベクトルa、カメラの水平位置までの直線をベクトルbとすれば、前記θから、θy,θpを求めることができる。
カメラから見て、前後、横、斜めの方向にある駐車マスの面積補正係数k1,k2,k3を定義し、これらの平均値から最終的な面積補正係数を決定する。
前後の影響
k1=1/(1+αcosθy cosθp)
横の影響
k2=1/(1+βsinθy cosθp)
斜め後ろの影響
k3=1/(1+γsin 2θy cosθp)
総合的な面積補正係数
k=(k1+k2+k3)/3
ただし影響のないk=(k1+k2+k3)/3に対しては、1とする。前記式で、α,β,γはパラメータである。
以上により、駐車マスに対してカメラがどの位置関係にあるかにより、補正係数が確定する。
以上で、あるカメラ設置条件の組に対して、(1)から(5)までの条件をすべて満たしている駐車マスが特定される。
図14を例にとって説明する。図14は、カメラ1(図8参照)から俯瞰した駐車マスの画面図である。各駐車マスが写っているが、遠くの駐車マス群S1は前記(3)又は(5)の基準によりカウントされない。手前の駐車マスS3は(5)の基準によりカウントされない。その結果、中間に写っている駐車マス群S2と、手前の駐車マス(S3を除く)がカウントされる。
以上の駐車マスの特定を、すべてのカメラの撮像画面について行う。
この結果、あるカメラ設置条件の組において、例えば、カメラ1では5個の駐車マス、カメラ2では13個の駐車マスが特定されたなどという結果が得られる。
つぎに、遺伝的アルゴリズムによる処理を行う。この方法では、適応度を考慮して、カメラ設置条件の最適解を算出する処理である。
図15は、遺伝的アルゴリズムを示すフローチャートである。
カメラ設置数をk個とする。まず、カメラ設置条件の組に、シーケンス番号xijを付与する。ここで添字iはカメラを表し、添字jはカメラの3次元位置、カメラの焦点距離及びカメラの姿勢パラメータなどを表す。
例えば、x11というシーケンス番号に対して、次のようなカメラ設置条件の組を登録する。
x11=8,12,27,b0050,0005,10,600,480
各数字は、当該カメラの高さ下限、高さ上限、最大ピッチ、焦点距離最小値、焦点距離増加刻み、焦点距離刻み個数、画面横画素数、画面縦画素数である。
この1つのシーケンス番号を当該カメラの1つの遺伝子と対応させる。
1つのカメラに対して複数個の遺伝子(シーケンス番号組)を選び、他のカメラに対しても同様に、複数個の遺伝子を選ぶ(ステップT1)。このようにして、合計k個のカメラに対して、それぞれ複数個の遺伝子を選ぶ。
図16は、以上のような各カメラに対応する複数の遺伝子(シーケンス番号組)を図解した図である。
次に、初期設定において、これらの遺伝子を無作為でカメラの数と同じk列組み合わせる。これを並べたものを1つの個体とする。同様の方法でy個の個体を選ぶ(ステップT2)。yは500以上とすることが望ましい。個体数は、記憶量の制約から、上限を設定することが望ましい。例えば20万個を上限とする。
図17は、遺伝子を無作為でカメラの数と同じk列組み合わせてy個の個体を生成した図である。
次に、生成した各個体の適応度を算出する(ステップT3)。
個体の適応度の算出方法は、以下の(a),(b),(c)の中からいずれかを選択する。
(a)各カメラの画面内で特定された駐車マスの数の、y個のカメラについての合計。このとき、複数のカメラに写った同一の駐車マスは1と数えることによって、別のカメラに写った同一の駐車マスの重複を解除する。
(b)各カメラの画面内で特定された駐車マスの面積の、y個のカメラについての合計。ただし、「駐車マスの面積」とは、撮像画面上の面積ではなく、実空間上の面積とする。なお、撮像画面上の面積から実空間上の面積への変換は、カメラの3次元位置、焦点距離、姿勢パラメータ、カメラと駐車マスとの距離、角度が既知なので、公知の関係式により行うことができる。
(c)各カメラに映る駐車マスの数の合計と、カメラに映る駐車マスの面積の合計との線形和。
各個体に対して、適応度の分布をプロットする。適応度の高い順に、任意の個体を2体以上抽出する(ステップT4;図18(a)参照)。乱数を用いて複数点交叉(ステップT5;図18(b)参照)と突然変異(ステップT6;図18(c)参照)とを行って、新たな個体を生成する。
そして、生成した個体の適応度を算出する(ステップT7)。新しい個体の適応度のほうが大きい場合は(ステップT8)、優秀な個体を保存する(ステップT9)。この適応度を比較する場合、適応度が同一の場合がある。例えば、各カメラの画面内で特定された駐車マスの数が同一になる場合である。このときは、駐車マスのi)最小面積がもっとも大きいもの、ii)平均面積がもっとも大きいもの、又はiii)最小面積と平均面積の重み付き平均が最大となるもののいずれかを選ぶ。各カメラの画面内で特定された駐車マスの面積が同一になる場合は、異なる駐車マスの数が最大となるものを選ぶ。
そして、ステップT2の処理に戻り、今までの処理を繰り返す。
乱数による個体生成回数が上限回数に達すれば(ステップT10のYES)、一世代の終了時点とし、次の世代の個体の適応度を算出する。世代を繰り返しても、適応度に変化がなければ処理を終了する(ステップT11)。変化があれば、ステップT2の処理に戻り、今までの処理を繰り返す。そして、前記優秀な個体を保存して、処理を終了する。
最適解、カメラ設置状況、カメラから見える駐車マス配置状況、撮像対象駐車マスを出力する。
以上の最適化処理で得られた最適解に対して、以下のデータをリストまたは図で出力する。
この最適解に基づいて駐車場にカメラを設置すれば、駐車場の全体をもっとも効率よく監視することができる。したがって、駐車台数の推定の精度を上げることができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、最適なカメラ設置条件の組を決定するのに、遺伝子アルゴリズム以外の方法、例えば動的計画法、ニューラルネットといった方法を採用してもよい。動的計画法であれば、類似したカメラ条件の組み合わせを探索して、いくつかのグループに分け、グループごとに最もよい組み合わせのものを抽出する。さらに各グループから抽出したカメラ条件の組み合わせの中から最もよいものを1つ選び出す。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
本発明の駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定処理を説明するための概略フローチャートである。 道路上の駐車ブロック及びカメラ設置ゾーンの配置図である。 駐車ブロックの4地点を設定した図である。 平行四辺形化の方法を説明するための図である。 平行四辺形化して仕切られた駐車マスを表す図である。 道路上の駐車ブロック内に仕切られた駐車マスの配置例を示す図である。 カメラ設置ゾーンの中に設定されるカメラ設置対象候補地点を表す図である。 カメラ設置対象候補地点にカメラを設置し、カメラの焦点距離、姿勢パラメータを設定した場合の、カメラの平面位置とカメラの水平面内の撮影方向を図解した図である。 駐車マスとカメラとの位置関係を示す図である。 隣接駐車マスに車両が駐車したために、死角が発生して、当該駐車マスを撮影する場合、見えなくなる部分を描いた図である。 駐車マスとカメラとの他の位置関係を示す図である。 後方の駐車マスに車両が駐車したために死角が発生して、当該駐車マスを撮影する場合、見えなくなる部分を描いた図である。 対象とする駐車マスの1つの端点からカメラまでの直線距離と2つの角度θy,θpを定義した図である。 カメラから俯瞰した駐車マスの画面図である。 遺伝的アルゴリズムを示すフローチャートである。 各カメラごとに設定される遺伝子(シーケンス番号組)を図解した図である。 遺伝子を無作為でカメラの数と同じk列組み合わせてy個の個体を生成した状態を示す図である。 任意の個体を2体以上抽出し、乱数を用いて複数点交叉と突然変異を行う操作を解説するための図である。
符号の説明
S 駐車マス

Claims (8)

  1. カメラ画像に基づいて駐車場の駐車状況を把握するシステムにおいて
    駐車場を監視するカメラの個数が予め与えられ、
    駐車場のブロック内に駐車マスを仕切り、
    各カメラについて、カメラ設置条件を複数とおり設定し、
    前記各カメラごとに複数設定されたカメラ設置条件の中から、それぞれのカメラについて1つのカメラ設置条件を選ぶことにより、カメラの全個数からなるカメラ設置条件の組を生成し、
    前記カメラ設置条件の組に対応する評価基準を算出し、
    前記算出された評価基準に基づいて、最適なカメラ設置条件の組を決定することを特徴とする駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定方法。
  2. 前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の数の、全カメラ画面についての合計である請求項1記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
  3. 前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の実空間上の面積の、全カメラ画面についての合計である請求項1記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
  4. 前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の数の、全カメラ画面についての合計と、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の実空間上の面積の、全カメラ画面についての合計との組み合わせである請求項1記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
  5. 前記駐車マスの面積は、他の駐車マスに車両が存在することにより死角になる部分を除外して算出する請求項3又は請求項4記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
  6. 駐車マスは、次の条件(1)を満たし、次の条件(2)から(5)のいずれか1つ以上を満たしている場合に、前記画面内で特定されたものとする請求項2から請求項4のいずれかに記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
    (1)その駐車マスが撮像画面内に写っていること。
    (2)当該駐車マスの入路部分が撮像画面内に写っていること。
    (3)当該駐車マスの縦及び横の長さがそれぞれ一定値以上であること。
    (4)当該駐車マスの縦又は横方向が、撮像画面の水平方向から一定角度以上ずれていないか、又は撮像画面の垂直方向から一定角度以上ずれていないこと。
    (5)当該駐車マスの撮像画面上の面積が一定の閾値以上あること。
  7. 前記カメラ設置条件は、カメラの設置地点及び高さ、姿勢パラメータ、焦点距離の中から選ばれたいずれか1つ又は複数である請求項1から請求項6のいずれかに記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
  8. 前記駐車場のブロック内に駐車マスを仕切る場合に、仕切り方を変えてみて、評価基準がもっとも高くなる仕切り方を採用する請求項1から請求項7のいずれかに記載のカメラ設置条件の自動決定方法。



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