JP2006074260A - 駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定方法 - Google Patents
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Abstract
【効果】与えられたカメラ台数で、カメラの最適な配置を行うことができ、駐車場全体の駐車状況を良好な精度で把握することができる。
【選択図】 図1
Description
この場合、駐車場に設置するカメラの台数、設置場所、カメラの高さ、カメラの向き(姿勢パラメータという)、カメラの焦点距離などの条件(以下「カメラの設置条件」という)は、人間の経験、勘、現場における試行錯誤などにより適当に決定されていた。
そこで本発明は、カメラの設置条件を決定するための評価基準を設定して、この評価基準を満たす最適なカメラの設置条件を求めることができる、駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定方法を提供することを目的とする。
前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の実空間上の面積の、全カメラ画面についての合計としてもよい。駐車マスの面積は、ほぼ画一化されているので、画面に映る駐車マスの数と駐車マスの面積との対応が付くからである。ただし、駐車マスの面積が大型車用、小型車用で違っている場合、駐車マスの数で評価するのと、面積で評価するのとでは多少違った結果になることもある。
前記駐車マスの面積を評価する場合、他の駐車マスに車両が存在することにより死角になる部分を除外して算出することが望ましい。これは、他の駐車車両の陰になる位置にある駐車マスに車両が駐車している場合は、車両を確認しにくいので、それだけ面積を落として、評価基準を低くして評価することが望ましいからである。
まず、用語の定義を説明する。
「駐車ブロック」:駐車場内で、複数の駐車マスが含まれるひとかたまりの領域をいう。通常は、長方形の領域となる。
「駐車マス」:一台の車両を駐車させるために仕切られる長方形の領域をいう。
図1は、本発明の駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定処理を説明する概略フローチャートである。
まず、駐車ブロック、カメラ設置ゾーン、及びカメラ台数の情報を初期設定値として入力する(ステップS1)。これらの駐車ブロック、カメラ設置ゾーン、及びカメラ台数の情報は、与えられるものであり、本発明の駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定処理中は不変とする。
図2に、駐車場で与えられた駐車ブロック及びカメラ設置ゾーンの配置図を示す。縦軸及び横軸は距離(単位:m)を表す。駐車ブロック番号を1から19までとしている。駐車ブロックは平行四辺形で表し、カメラ設置ゾーンは、折れ線で表している。なお、カメラ設置ゾーンの黒い点は、ステップS2で決められるカメラ設置対象地点である。
駐車マスの仕切り方は、駐車マスを仕切ろうとする駐車ブロックの4つのコーナーの座標、駐車マスのタイプ(普通車、大型車)、駐車マスの縦横標準サイズ、駐車ブロックの中の駐車マスの数を与えて、コンピュータに入力し、これらのデータにもとづいて自動的に駐車マスを切る。これにより、所定数の駐車マスが、通常、一通りの方法で仕切られる。
駐車ブロック内の駐車マスは、一列又は二列とする。また駐車マスに方向性を持たせるため、ブロックの座標は駐車マスの入路地点から左回りで順に設定されているものとし、設定した駐車マスは、道路面を向いて左右、前後を定義する。
入力された地点の座標は、微妙に誤差があると考えられるが、このために駐車マスがひずむのは、好ましくない。したがって、平行四辺形になるようにデータを修正する。
X1=x1,Y1=y1,X2=x2,Y2=y2,
X3=x2+dx,Y3=y2+dy,
X4=x1+dx,Y4=y1+dy
ベクトルX,Yを
X=(x1,y1,x2,y2,dx,dy)
Y=(X1,Y1,X,Y2,X3,Y3,X4,Y4)
とおくと、ベクトルX,Yの関係は、
Y=AX
X=(AtA)-1AtY
図5は、平行四辺形化して仕切られた駐車マスを表す。同図において、例えば駐車マスSに注目すると、駐車マスSの入路は下方を向いており(当該駐車マスSの入路は下方の道路であるため)、その左方、後方、左後方は、他の駐車マスと隣接しており、右方、右後方は隣接していないという情報を設定しておく。求めた駐車マスの大きさが、入力した標準縦横サイズからかけ離れている場合は、入力データの異常として処理を中断する。
次に、カメラ設置ゾーンの中にカメラ設置対象候補地点を設定する。カメラ設置ゾーンは、図7に示すように、直線Lからなる。カメラ設置対象候補地点は、直線からなるカメラ設置ゾーンの中の、一定間隔ごとの点の座標a0〜an、又は当該点a0〜anから当該直線Lと直角な方向の奥行きdを持つ点b0〜bnの座標で表す。
次に、カメラ設置対象候補地点をカメラの数だけ選んでカメラを設置し、このカメラにより、仕切られた駐車マスを、一定条件で撮像できる、カメラ設置条件の組を探す(ステップS3)。
「カメラの姿勢パラメータ」とは、カメラのピッチ角、ヨー角をいう。なお本実施の形態では、ロール角は常に0度とし、カメラ変数の対象とはしないが、ロール角を「カメラの姿勢パラメータ」の中に含めてもよい。
図8は、駐車マスを切って、前記カメラ設置対象候補地点にカメラを設置し、前記カメラの焦点距離、姿勢パラメータを設定した場合の、カメラの平面位置とカメラの撮影方向(水平面内)を表した図である。
本発明の駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定処理では、変数であるカメラの3次元位置、焦点距離、姿勢パラメータを、順に変更して、駐車マスが一定の条件で撮像できるカメラ設置条件の組を記録する。
(2)当該駐車マスの入路部分が撮像画面内に写っていること。
(3)当該駐車マスの縦及び横の長さがそれぞれ一定値以上であること。その閾値は車長方向70画素×車幅方向40画素。これは、あまりにも小さく写っている駐車マスは数えないためである。
(5)当該駐車マスの撮像画面上の補正された面積が一定の閾値以上あること。その閾値の単位は画素2とする。これは、前記(3)と同様あまりにも小さく写っている駐車マスは数えないようにするとともに、撮像画面からほとんどはみ出して切れているような駐車マスを除外するためである。
次に、前記(5)の基準における撮像画面上の駐車マスの面積補正について、次のA.B.に場合を分けて詳しく説明する。
A.カメラが駐車マスを斜め上から見ている場合
図9は、駐車マスとカメラとの位置関係を示す図である。注目する駐車マスSの斜めに隣接する点線の方向にカメラがある場合、カメラと駐車マスSとの視線を遮る隣接駐車マスがあれば、死角が発生する。図9の4箇所の点線領域は駐車マスSに対して、対称位置にあるので、Aの方向にカメラがあるものとして考察する。
図10(a)は駐車マスSの左横隣接駐車マスに駐車した車両の影響、(b)は斜め左後方の駐車マスに駐車した車両の影響、(c)は後方の隣接駐車マスに駐車した車両の影響、(d)は左横及び斜め左後方の隣接駐車マスに駐車した車両の影響、(e)は左横、斜め左後方及び後方の隣接駐車マスに駐車した車両の影響、(f)は斜め左後方及び後方の隣接駐車マスに駐車した車両の影響をそれぞれ描いている。このように、隣接駐車マスに車両が駐車したために死角が発生して、当該駐車マスの面積が見かけ上減少する。
図11は、駐車マスとカメラとの他の位置関係を示す図である。注目する駐車マスの前後左右に隣接する駐車マス(点線)の方向にカメラがある場合、カメラと駐車マスとの視線を遮る隣接駐車マスがあれば、死角が発生する。図11の4箇所の点線領域は同一条件であるため、Aの方向にカメラがあるものとして考察する。
以上により、死角になって見えなくなる部分の割合は、カメラと駐車マスとの相対的な角度関係により大きな影響を受けることが分かる。
なお、ベクトルa(x1+iy1)とベクトルb(x2+iy2)とのなす角θは、以下の式で算出される。
x1 cosθ−y1 sinθ=kx2
x1 sinθ+y1 cosθ=ky2
k2=(x12+y12)/(x22+y22)
cos2θ=(x1x2+y1y2)2/(x12+y12)(x22+y22)
sin2θ=(x1y2+x2y1)2/(x12+y12)(x22+y22)
駐車マスの端点からの、駐車マスの縦線をベクトルa、カメラの水平位置までの直線をベクトルbとすれば、前記θから、θy,θpを求めることができる。
前後の影響
k1=1/(1+αcosθy cosθp)
横の影響
k2=1/(1+βsinθy cosθp)
斜め後ろの影響
k3=1/(1+γsin 2θy cosθp)
総合的な面積補正係数
k=(k1+k2+k3)/3
ただし影響のないk=(k1+k2+k3)/3に対しては、1とする。前記式で、α,β,γはパラメータである。
以上で、あるカメラ設置条件の組に対して、(1)から(5)までの条件をすべて満たしている駐車マスが特定される。
図14を例にとって説明する。図14は、カメラ1(図8参照)から俯瞰した駐車マスの画面図である。各駐車マスが写っているが、遠くの駐車マス群S1は前記(3)又は(5)の基準によりカウントされない。手前の駐車マスS3は(5)の基準によりカウントされない。その結果、中間に写っている駐車マス群S2と、手前の駐車マス(S3を除く)がカウントされる。
この結果、あるカメラ設置条件の組において、例えば、カメラ1では5個の駐車マス、カメラ2では13個の駐車マスが特定されたなどという結果が得られる。
つぎに、遺伝的アルゴリズムによる処理を行う。この方法では、適応度を考慮して、カメラ設置条件の最適解を算出する処理である。
カメラ設置数をk個とする。まず、カメラ設置条件の組に、シーケンス番号xijを付与する。ここで添字iはカメラを表し、添字jはカメラの3次元位置、カメラの焦点距離及びカメラの姿勢パラメータなどを表す。
例えば、x11というシーケンス番号に対して、次のようなカメラ設置条件の組を登録する。
各数字は、当該カメラの高さ下限、高さ上限、最大ピッチ、焦点距離最小値、焦点距離増加刻み、焦点距離刻み個数、画面横画素数、画面縦画素数である。
この1つのシーケンス番号を当該カメラの1つの遺伝子と対応させる。
1つのカメラに対して複数個の遺伝子(シーケンス番号組)を選び、他のカメラに対しても同様に、複数個の遺伝子を選ぶ(ステップT1)。このようにして、合計k個のカメラに対して、それぞれ複数個の遺伝子を選ぶ。
次に、初期設定において、これらの遺伝子を無作為でカメラの数と同じk列組み合わせる。これを並べたものを1つの個体とする。同様の方法でy個の個体を選ぶ(ステップT2)。yは500以上とすることが望ましい。個体数は、記憶量の制約から、上限を設定することが望ましい。例えば20万個を上限とする。
次に、生成した各個体の適応度を算出する(ステップT3)。
個体の適応度の算出方法は、以下の(a),(b),(c)の中からいずれかを選択する。
(b)各カメラの画面内で特定された駐車マスの面積の、y個のカメラについての合計。ただし、「駐車マスの面積」とは、撮像画面上の面積ではなく、実空間上の面積とする。なお、撮像画面上の面積から実空間上の面積への変換は、カメラの3次元位置、焦点距離、姿勢パラメータ、カメラと駐車マスとの距離、角度が既知なので、公知の関係式により行うことができる。
各個体に対して、適応度の分布をプロットする。適応度の高い順に、任意の個体を2体以上抽出する(ステップT4;図18(a)参照)。乱数を用いて複数点交叉(ステップT5;図18(b)参照)と突然変異(ステップT6;図18(c)参照)とを行って、新たな個体を生成する。
乱数による個体生成回数が上限回数に達すれば(ステップT10のYES)、一世代の終了時点とし、次の世代の個体の適応度を算出する。世代を繰り返しても、適応度に変化がなければ処理を終了する(ステップT11)。変化があれば、ステップT2の処理に戻り、今までの処理を繰り返す。そして、前記優秀な個体を保存して、処理を終了する。
以上の最適化処理で得られた最適解に対して、以下のデータをリストまたは図で出力する。
この最適解に基づいて駐車場にカメラを設置すれば、駐車場の全体をもっとも効率よく監視することができる。したがって、駐車台数の推定の精度を上げることができる。
Claims (8)
- カメラ画像に基づいて駐車場の駐車状況を把握するシステムにおいて
駐車場を監視するカメラの個数が予め与えられ、
駐車場のブロック内に駐車マスを仕切り、
各カメラについて、カメラ設置条件を複数とおり設定し、
前記各カメラごとに複数設定されたカメラ設置条件の中から、それぞれのカメラについて1つのカメラ設置条件を選ぶことにより、カメラの全個数からなるカメラ設置条件の組を生成し、
前記カメラ設置条件の組に対応する評価基準を算出し、
前記算出された評価基準に基づいて、最適なカメラ設置条件の組を決定することを特徴とする駐車場におけるカメラ設置条件の自動決定方法。 - 前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の数の、全カメラ画面についての合計である請求項1記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
- 前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の実空間上の面積の、全カメラ画面についての合計である請求項1記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
- 前記評価基準は、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の数の、全カメラ画面についての合計と、各カメラで撮影された画面内で特定された駐車マス(重複は1つと数える)の実空間上の面積の、全カメラ画面についての合計との組み合わせである請求項1記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
- 前記駐車マスの面積は、他の駐車マスに車両が存在することにより死角になる部分を除外して算出する請求項3又は請求項4記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
- 駐車マスは、次の条件(1)を満たし、次の条件(2)から(5)のいずれか1つ以上を満たしている場合に、前記画面内で特定されたものとする請求項2から請求項4のいずれかに記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
(1)その駐車マスが撮像画面内に写っていること。
(2)当該駐車マスの入路部分が撮像画面内に写っていること。
(3)当該駐車マスの縦及び横の長さがそれぞれ一定値以上であること。
(4)当該駐車マスの縦又は横方向が、撮像画面の水平方向から一定角度以上ずれていないか、又は撮像画面の垂直方向から一定角度以上ずれていないこと。
(5)当該駐車マスの撮像画面上の面積が一定の閾値以上あること。 - 前記カメラ設置条件は、カメラの設置地点及び高さ、姿勢パラメータ、焦点距離の中から選ばれたいずれか1つ又は複数である請求項1から請求項6のいずれかに記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
- 前記駐車場のブロック内に駐車マスを仕切る場合に、仕切り方を変えてみて、評価基準がもっとも高くなる仕切り方を採用する請求項1から請求項7のいずれかに記載のカメラ設置条件の自動決定方法。
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