JP2006067755A - 配電線の区間負荷算出方法とそのプログラム - Google Patents

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栄之 湧谷
Yoko Kosaka
葉子 小坂
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量一 市川
Shoji Kobayashi
昭二 小林
Hironori Sakashita
寛憲 坂下
Tatsusuke Yoshitake
立輔 吉竹
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Abstract

【課題】配電系統の不平衡の影響を受けることがないように、相関関係の強い2つの計測値について過去のデータを用いて補正を行うことにより、区間負荷の推定誤差を低減するようにした配電線の区間負荷算出方法ならびにそのプログラムを提供する。
【解決手段】配電線の複数箇所の電圧および位相の計測値と配電線のインピーダンスから前記電圧および位相の計測点間の電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する方法において、過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧降下計測値との関係について各々推定式を求め、現在時点の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正する。
【選択図】図3

Description

本発明は、配電線監視制御システムにおける区間負荷算出方法ならびに配電線の区間負荷算出プログラムに関する。
図17は一般的な配電系統の構成図、図18は従来の配電系統監視制御システムを示す構成図、図19、図20は配電線事故時の開閉器の応動状況を示す図、図21、図22は従来技術による配電系統の区間負荷を求めるための説明図である。
まず、図17から説明する。一般的な配電系統は、配電用変電所1の主変圧器2の2次側から配電線遮断器3a、3bによって配電線4a、4bを引き出して地中管路内や電柱上の架空に敷設し、供給対象地域の需要家(図示せず)に電力を供給するように構成されている。
前記各配電線3a、3bはそれぞれ、定常時は「入り」状態の常閉開閉器5a1、5a2、…5a4および5b1、5b2、…5b4によって複数の区間に区分されている(図17の場合は5区間に区分されている)。また、隣接する配電線4a、4b間は、定常時は「切り」状態の常開開閉器5cによって接続されている。
そして、図18で示すようにこれらの常閉開閉器5b1、5b2、…5b4および常開開閉器5cの近傍には、開閉器子局61、62、…65を1個づつ設置し、この各開閉器子局61、62、…65によって常閉開閉器5b1、5b2、…5b4および常開開閉器5cを制御するようにしている。なお、常閉開閉器5a1、5a2、…5a4は図示を省略している。
各開閉器子局61、62、…65は前記常閉開閉器5a1、5a2、…5a4および常開開閉器5cの電源側端子、負荷側端子の両側から制御電源を供給されるように、制御用電源変圧器7を介して配電線4bに接続されている。そして、各開閉器子局61、62、…65は情報伝送路8および変電所1内の変電所子局9を通じて配電線5a、5bを管理運用する営業所10の制御用計算機11に接続されている。この制御用計算機11は変電所子局9を介して前記常閉開閉器5b1、5b2、…5b4および常開開閉器5cを遠隔監視制御し、電力融通を行う機能を備えている。
以下、図19を参照して常閉開閉器3、常開開閉器4の遠隔監視制御の一例を説明する。図19において、配電線5bの区間2で地絡または短絡などの事故Fが発生したとする。この場合、変電所1に設置される図示しない保護継電器が動作し、配電線遮断器3bを開放(初回遮断)する。この結果、当該配電線4bに接続されている全ての常閉開閉器5b1〜5b4は無電圧開放(切り状態)するので、配電線4b全体は停電状態になる。
また、変電所1では、配電線遮断器3bの初回遮断と同時に、図示しない再閉路装置が起動されて所定時間経過後に動作し、開放中の配電線遮断器3bを投入(再閉路)する。
なお、各開閉器子局は、時限順送機能により配電線が充電されてから投入時限(Tx時限)経過時に開閉器を自動投入する機能と、自動投入後の検出時限(Ty時限)内に無電圧になった場合、再々閉路時に当該投入された開閉器の自動投入をロックする機能(これを「Y時限ロック」と言う)とを備えている。
したがって、図19において、配電線遮断器3bの投入(再閉路)によりまず区間1が充電開始された後、変電所に最も近い開閉器4b1の開閉器子局61が投入時限(Tx時限)経過後動作して開閉器5b1を自動投入し、区間2に送電する。このとき事故点Fはまだ除去されていないので、開閉器3b1の自動投入とともに区間2へ事故電流が再度流れる。開閉器子局61にとっては開閉器5b1の自動投入時点からカウントして前記検出時間(Ty時限)内に前記保護継電器が動作し、配電線遮断器3bを再び開放(再閉路失敗)して配電線4bを再度停電させる。
この結果、開閉器子局61は配電線遮断器3bが再び投入(再々閉路)され、開閉器5b1の電源側区間が充電されても時限順送投入されず、開閉器子局62は負荷側である区間3から充電されても時限順送投入されない状態となる。
制御用計算機11では、再閉路から再閉路失敗までの時間を計測することにより事故区間が区間2であるとの仮判定を行う。また再々閉路後、仮判定区間の電源側開閉器5b1の状態を確認し、図20のように、「切り」状態であれば、当該区間2を事故区間と本判定する。制御用計算機11では、このように事故区間を検出し、事故区間2よりも負荷側の停電区間(この場合区間3)に対しては、隣接する配電線5aからの電力供給(以下、融通と呼ぶ)の可否を評価し、融通が可能な場合はそのための開閉器操作手順を作成し、制御を行う。
図20は常開開閉器4を「入り」状態から「入り」状態に切り替えることによって、他の健全区間(区間3〜区間5)については隣接する配電線4aから電力を供給し、事故区間9以外の健全区間(区間3〜区間5)の需要家に電力を供給する様子を示す。
このような融通の結果、融通元となる配電線5aに流れる負荷電流は増大することになるが、融通元の配電線4aや変電所主変圧器2の供給限界を超えることは許されないので、制御用計算機11では、融通による電力供給対象とする区間やそのための操作対象開閉器などを、予め決められた供給限界を超えないように選択する制御を行っている。このように、配電線を適切に運用するためには配電線の各区間の負荷を常に正確に把握しておくことが重要である。
この区間負荷を求めるために、下記の特許文献1に記載の発明では、図21に示すように、配電線遮断器3bの出口側に計器用変流器13を介して設置した電流センサー(電流計)12によって配電用変電所1から配電線4bへの送り出し電流値を計測し、この送り出し電流値を配電線4bから電力を供給されている需要家の契約電力をもとにして、各区間に按分するという方法を採用している。
送り出し電流値の按分方法は、以下に示す(1)式で求めるようにしている。
(区間iの区間負荷)=(配電線電流値)×(区間iの按分値) …(1)
また、(1)式の区間iの按分値は(2)式のようにして求めるようにしている。
Figure 2006067755
ここで、区間iに接続する需要家の総設備容量は、例えば、区間iに接続する高圧需要家の契約電力の総和と、区間iに接続する低圧需要家の口数の総和を単位口数あたりの容量で換算したものとの和から求めるようにしている((3)式)。
(区間iに接続する需要家の総設備容量)
=(区間iに接続する高圧需要家の契約電力の総和) …(3)
+(単位口数の容量)×(区間iに接続する低圧需要家の口数の総和)
配電線全体の需要家の総設備容量は、注目している配電線の全ての区間について、前記区間iに接続する需要家の総設備容量を足し合わせたものとして次の(4)式から計算される。
Figure 2006067755
以上述べた配電用変電所の配電線への送り出し電流値を、当該配電線に接続されている需要家の契約電力をもとに、前記(1)式乃至(4)式により各区間に按分する方法の場合、時間と共に変動する区間負荷を常に正確に把握しておくことは困難である。
このため、特許文献1には、別の方法として配電線を所定区間毎に区分する開閉器設置点の電圧の大きさおよびその位相を定期的に計測し、この計測値と既知の配電線の各区間インピーダンス値とを用いて各区間に流れる配電線通過電流を計算し、「切り」状態の開閉器により互いに接続されている隣接区間の通過電流の差に基づいて区間負荷を算出する発明も開示されている。
図22は各区間に流れる配電線通過電流値を求めるための説明図である。特許文献1では、配電線を所定区間に分割する開閉器設置点の電圧の大きさおよび位相の計測値Vi∠δiと各区間のインピーダンス(i)とを、次の(5)式に代入することにより、各区間の配電線通過電流値(i)を求めるようにしている。ここで、文中のiiはそれぞれ電流Ii、インピーダンスZiのベクトル量を表わすものとする。
Figure 2006067755
なお、配電線通過電流値(i)を計算する場合、配電線の対地静電容量は考慮しても無視してもほとんど差はないので、(5)式は対地静電容量を無視している。
このとき「入り」状態になっている開閉器の前方区間の配電線通過電流値(i)および後方区間の配電線通過電流値(i)の差分を以下の(6)式により計算し、各計測点の差引き電流を隣接する区間へと配分することにより、区間負荷を計算する。
Figure 2006067755
上述した計測点の差引き電流を区間へ割り当てる方法としては、配電自動化システムが保持している各需要家の契約容量や配電線への接続位置の情報といった需要家の分布情報を利用して割り当てる方法がある(例えば図23)。
図23は需要家の分布情報を示す図であり、横軸は配電線の変電所送り出し端からの電気的距離(例えば、変電所送り出し端からのインピーダンスの大きさ(単位:オーム))、縦軸は接続位置毎の需要家の契約電力の総和(単位:kw)である。
図24は図23の任意の1つの区間j内の1地点iに契約容量Wiの需要家が接続している例を示す図である。なお、需要家の契約容量としては、図示の例では契約電力としているが、契約電力に替えて契約電流にしても、あるいはその他の需要家の負荷の大きさを表す指標にしてもよい。
この需要家の契約容量を電圧および位相の計測点(例えば、区間の始端側の開閉器設置点と末端側の開閉器設置点)に割り当てることを考える。割当て方法の一例として、以下に記載の(7)式および(8)式に示す方法がある。
(7)式は区間の始端側割当量dsiを表す式であり、(8)式は区間の末端側割当量deiを表す式である。
Figure 2006067755
Figure 2006067755
なお、前記(7)式および(8)式において、miは任意の1つの区間jの始端側の開閉器設置点とこの需要家が区間に接続する点iとの電気的距離であり、また、mtotalは当該区間の始端側の開閉器設置点と末端側の開閉器設置点との電気的距離、すなわち、任意の1つの区間j全体の電気的距離である。
また、前述の電気的距離miおよびmtotalを用いる代わりに、区間始端から需要家接続点までのインピーダンスiおよび区間全体のインピーダンスtotalを用いた場合の例を(9)式、(10)式に示す。
(9)式は区間の始端側割当量dsiを表す式であり、(10)式は区間の末端側割当量deiを表す式である。
Figure 2006067755
Figure 2006067755
なお、任意の1つの区間j内の1つの地点iに複数の需要家が接続されている場合は、それらの需要家の契約容量の総和を求め、前記(7)式と(8)式、または(9)式と(10)式におけるWiの値として用いればよい。
また、任意の1つの区間j内の複数の地点に需要家が接続されている場合は、接続地点i毎に(7)式と(8)式、または(9)式と(10)式に相当する計算を行い、Dj siおよびdj ei(i=1,…,n)(iは区間j内の需要家の接続地点のインデックスであり、nは区間j内の需要家の接続地点数)の合計値である次の(11)式、(12)式
Figure 2006067755
Figure 2006067755
をそれぞれ始端側割当量、末端側割当量とすればよい。
ここでは、このDj sおよびDj eを区間jの始端側配分係数および末端側配分係数とそれぞれ呼ぶ。
図25は負荷変動分を考慮した配分係数を用いて各区間に差引き電流値を配分する方法を説明する図であり、前記始端側配分係数Dj sおよび前記末端側配分係数Dj eを算出した結果(図25(b))を、配電線の区間jにてそれぞれ、電圧および位相の計測点である開閉器設置点前後の差引き電流値*Liを利用して始端側より各区間の負荷変動分補正量を算出し(図25(a))、補正した始端側配分係数Dj s ´および末端側配分係数Dj e ´を算出し(図25(c))、この負荷変動分を考慮した配分係数を用いて各区間に差引き電流値*Liを配分する(図25(d))。
図25(c)では、負荷変動分を考慮した配分係数を配電線始端側より末端側まで順次(13)式および(14)式により計算する。図25の例では立ちあがり区間である区間1には負荷がないものとして末端側の配分係数Dj e ´をゼロとする。
補正後の始端側配分係数は(13)式として表され、
Figure 2006067755
また、補正後の末端側配分係数は(14)式として表される。
Figure 2006067755
ただし、隣接する区間に負荷の無いことが明らかである始端区間と末端区間のような場合は、配分係数と差引き電流値との比をそのまま補正後の配分係数とする。
補正後の区間5の末端側配分係数は(15)式として表される。
Figure 2006067755
図25(d)では計測点前後の区間の配分係数を利用した(16)式および(17)式によって、区間jと区間j+1を区分する開閉器設置点の差引き電流値Ljをそれぞれの区間に配分している。
Figure 2006067755
Figure 2006067755
このようにして区間に配分された計測点の差引き電流値の区間毎の総和が、最終的な区間負荷の算出結果となる。
特開2004−64969号公報
上述したように、特許文献1に記載されている配電線の区間負荷を算出する方法として、計測点の電圧および位相から各区間の通過電流を求めることにより、隣接区間の通過電流の差分に基づいて各区間毎の区間負荷を算出する方法((6)式)、あるいは、需要家の分布情報を用いて計測点の差分電流を区間へ割り当てる方法((16)式、(17)式)がある。
しかし、特許文献1に記載の方法では、2地点の電圧計測値を用いて、その間の配電線通過電流を計算しているため、配電系統が不平衡になっている場合、配電線通過電流に誤差が生じる。この配電線通過電流の誤差は最終的には区間負荷の誤差要因となる。このほか、開閉器子局に接続される制御用変圧器の特性、変電所における測定データの不足などにより、計測値に誤差が生じて区間負荷の誤差要因となる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、配電系統の不平衡の影響を受けることがないように、相関関係の強い2つの計測値について過去のデータを用いて補正を行うことにより、区間負荷の推定誤差を低減するようにした配電線の区間負荷算出方法ならびにそのプログラムを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る配電線の区間負荷算出方法の発明は、配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧降下計測値との関係について各々推定式を求め、現時刻の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正することを特徴とする。
また、請求項10に係るプログラムの発明は、配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する機能を備えたコンピュータによって処理されるプログラムであって、前記コンピュータに、変電所で計測した配電線送り出し電流計測値および各区分開閉器で複数に区分された各区間における始端側および末端側電圧計測値を所定期間記憶する機能と、前記所定期間記憶されている電圧計測値のうち、負荷を接続している区間の中で変電所に最も近い区間の始端側の電圧計測値および末端側の電圧計測値から求めた当該区間の電圧降下の計測値と前記所定期間記憶されている送り出し電流計測値とを用いて推定式を求める機能と、この求めた推定式に現在時刻における配電線送り出し電流計測値を代入して、当該区間の電圧降下推定値を算出する機能と、前記始端側の電圧振幅計測値から電圧降下推定値を減算することにより、当該区間の末端側の電圧振幅推定値を算出する機能と、以下、当該選択区間の末端側に接続されている各区間に対して前記当該区間の電圧降下推定値を算出する処理および当該区間の末端側の電圧振幅推定値を算出する処理を繰り返し実施する機能と、を実現させる。
本発明の請求項1に係る発明によれば、配電線の複数箇所の電圧および位相の計測値と配電線のインピーダンスから前記電圧および位相の計測点間の電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧降下計測値との関係について各々推定式を求め、現時刻の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正するので、電圧振幅に負荷の変動分以外のばらつきを与える、配電線の不平衡などによる影響の少ない区間負荷を算出することが可能であり、従来技術と比較してより正確に区間負荷を算出することができる。
また、請求項10の発明によれば、配電線の電圧あるいは位相計測値を補正して、より正確に区間負荷を算出することが可能なプログラムを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、背景技術に関する図を含めて各図を通して共通する部分には同一符号を付けて説明する。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1に係る配電線の区間負荷算出方法について図1乃至図4を参照して説明する。
図1は本発明が適用される配電線監視制御システムの概念構成を示す図である。
図1において、配電線4bは配電用変電所1に設置されている主変圧器2の2次側母線から配電線遮断器3bを介して引き出され、常閉開閉器5b1、5b2、…5b4によって供給対象地域まで適宜区間(ここでは区間5)に区分されて各需要家にそれぞれ電力を供給するとともに、常開開閉器5cによって末端を他の配電線に接続するように構成されている。そして、常閉開閉器5b1、5b2、…5b4および常開開閉器5cの各設置点では制御用電源変圧器7により取り込んだ電圧、電流情報を対応する開閉器子局61、62、…65に入力し、伝送路8を介して変電所子局9に送るように構成されている。
一方、前記配電用変電所1では主変圧器2の2次側に計器用変流器131、計器用変圧器14を設置するとともに、配電線遮断器3bの需要家側すなわち電流送り出し側に計器用変流器132を設置して測定した変電所送り出し端側の電圧・電流を変電所子局9に入力するように構成されている。
この変電所子局9は配電用変電所1内で取り込んだ電圧、電流および各開閉器子局で取り込んだ電圧、電流を営業所10内に設置されている制御用計算機11に送るように構成している。
この制御用計算機11は、各区間の径間インピーダンス(i)を予め記憶しており、この径間インピーダンス(i)と前記計測値とを用いて区間負荷を算出するほか、変電所送り出し電流(I1)と、配電線を複数の区間に区分する開閉器設置点や配電線の変電所送り出し端などの電圧および位相を計測する。なお、変電所子局9や各開閉器子局61、62…によって電圧および位相を計測し、制御用計算機11に送信する構成であってもよい。
この制御用計算機11による区間負荷の算出方法は、変電所子局9および各開閉器子局61、…から送信されてくる配電所の変電所送り出し端や各開閉器設置点の複数箇所の電圧および位相の計測値と配電線の既知の径間インピーダンス(i)から前記電圧および位相の計測点間の電流値を算出し、更にこの算出した計測点に流入する電流値と算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出するというものである。
前掲した図25で説明したように、電圧および位相の計測値に誤差があると区間負荷の算出値に誤差となって表れるため、本実施例1では次のようにして計測値の補正を行うようにしている。
図2は、実施例1による送り出し電流大きさと計測点間の電圧降下計測値から電圧降下推定式を導くための説明図であり、図2(a)は実線で示す配電線の送り出し電流計測値大きさ(I1)と、破線で示す計測点相互間の電圧振幅計測値の差、つまり計測点相互間の電圧降下計測値(Vi-1−Vi)とが時間の経過とともに変化する様子を示す。この図2(a)には、推定対象の期間内で送り出し電流計測値大きさ(I1)および電圧降下計測値(Vi-1−Vi)とも大きく増加する様子を示しているが、これは夜間に比べ昼間に電力需要(負荷)が増えることによるものである。
図2(b)は、過去の所定期間(前記推定対象の期間)における送り出し電流大きさ計測値(I1)と電圧降下計測値(Vi-1−Vi)との関係を表す散布図である。この散布図から過去の所定期間内の計測値、例えば最も変化幅を持つと考えられる夜間のオフピークから昼間のピークにかけての計測値を用いて送り出し電流大きさ計測値(I1)と電圧降下計測値(Vi-1−Vi)との関係について、例えば最小二乗法を用いて各区間毎の推定式(下記(18)式)を求める。
Figure 2006067755
この推定式(18)の変数xに現在時点の送り出し電流大きさ計測値(I1)を代入することにより、電圧降下の推定値yを求めることができる。
図3は、送り出し電流大きさ計測値(I1)を用いて各区間の電圧降下を補正する方法の説明図である。送り出し電流大きさ計測値(I1)と各区間(区間2〜区間5)の電圧降下計測値(Vi-1−Vi)を用いて、各区間毎の推定式(18)を求める。なお、電圧降下計測値iにおいて、iは補正をする区間を示す記号であり、例えば区間2であれば、i=2であり、i−1は区間1になる。
各区間毎に求めた推定式(18)に現在時点の送り出し電流大きさ計測値(I1)を代入して、各区間毎に電圧降下推定値を計算する。
図4は、電圧振幅計測値の補正方法を説明するフローチャートである。
まずステップ(S1400)では、変電所に最も近い負荷区間として、区間2を選択する。なお、区間1は負荷の無い区間であるため、選択対象から外す。以下の実施例においても同様。次にステップ(S1401)では、選択した区間2の始端側(区間1に隣接する側)の計測点および末端側(区間3に隣接する側)の計測点相互間の電圧降下計測値(Vi-1−Vi)と、送り出し電流大きさ計測値(I1)の過去の所定期間について最小二乗法等により(18)式に示す推定式を求める。ステップ(S1402)では、現在時刻の送り出し電流大きさ(I1)を(18)式のxへ代入し、現在時刻における電圧降下の推定値(Vi-1−Vi)´を求める。
ステップ(S1403)では、次の(19)式で示すように始端側の電圧振幅計測値Vi-1から電圧降下推定値(Vi-1−Vi)´を減算して、末端側の電圧振幅推定値Vi´を算出する。
i´=Vi-1−(Vi-1−Vi)´ …(19)
次に末端側の隣接区間を選択し、同様に推定式の計算(S1401)から電圧振幅推定値の計算ステップ(S1403)を配電線末端まで繰り返す(S1404)。
前掲した図22で説明したように、配電線を区間に分割する開閉器設置点の電圧および位相の計測値(Vi∠δi)と各区間のインピーダンス(i)を用いて、各区間の配電線通過電流値(i)を前掲の(5)式のように求めることができる。(配電線通過電流値の計算においては、配電線の対地静電容量は考慮しても無視してもほとんど差はでてこないので、以下で配電線通過電流値の計算方法を説明する必要がある場合には、対地静電容量を無視した場合の前掲式5を代表的計算方法として示す。)
Figure 2006067755
開閉器の前後の区間の配電線通過電流値(i)の差分を計算し、前掲した式(6)各計測点の差引き電流を隣接する区間へと配分することにより、区間負荷を計算する。
Figure 2006067755
以上述べた電圧振幅計測値の補正方法を、例えば区間2に適用した場合について具体的に説明する。区間2の過去の所定期間における電圧降下計測値(V1−V2)と送り出し電流大きさ(I1)とから推定式(18)を求め、この求めた推定式(18)の変数xに現在時点の配電線送り出し電流計測値(I1)を代入して、区間2における始端および末端間の電圧降下推定値(V1−V2)´を求める。そして区間2の始端側の電圧計測値V1から電圧降下推定値(V1−V2)´を減算(V1−(V1−V2)´)することにより区間2の末端側の電圧振幅推定値(V2´)を算出する。
区間3に電圧振幅計測値の補正方法を適用した場合、区間3の過去の所定期間における電圧降下計測値(V2−V3)と送り出し電流大きさ(I1)とから推定式(18)を求め、この区間3で求めた推定式(18)の変数xに現在時点の配電線送り出し電流計測値(I1)を代入して、区間3における始端および末端間の電圧降下推定値(V2−V3)´を求める。そして区間3の始端側の電圧計測値V2から電圧降下推定値(V2−V3)´を減算(V2−(V2−V3)´)することにより区間3の末端側の電圧振幅推定値(V3´)を算出する。以下、同様にして各区末端側電圧振幅推定値(V4´)、(V5´)を算出する。
以上述べたように、本実施例1によれば、配電線送り出し電流の大きさ(I1)および各区間の過去の所定期間における電圧降下計測値(Vi-1−Vi)とから求めた推定式に、現在時点の送り出し電流の大きさを代入して当該区間の電圧降下推定値を求め、この推定値を用いて各区間の末端側電圧振幅を補正するようにしたので、電圧振幅の負荷変動分以外のばらつきを抑え、配電系統の不平衡などによる影響の少ない区間負荷の算出が可能である。
(実施例2)
次に本発明の実施例2に係る配電線の区間負荷算出方法について図5および図6を参照して説明する。
図5は、送り出し電流大きさ計測値(I1)を用いて、電圧降下を補正する方法の概要を示す図である。図5(a)では、送り出し電流大きさ計測値(I1)と各区間の電圧降下計測値(Vi-1−Vi)を用いて、区間2の推定式(18)を求める。この区間2の推定式(18)の変数xに現在時点の送り出し電流大きさ計測値(I1)を代入して、区間2の電圧降下推定値(Vi-1−Vi)´を計算する。
次に図5(b)では、始端側の電圧振幅計測値(Vi-1)より区間2の電圧降下推定値(Vi-1−Vi)´を減算して末端側の電圧振幅推定値(Vi´)を計算する。
i´=(Vi-1)−(Vi-1−Vi)´
図5(c)では、補正した電圧と区間の径間インピーダンス(i)とから、(20)式を用いて配電線通過電流(i)を計算する。
Figure 2006067755
図5(d)では、補正する対象区間を末端側の区間3側へ移動し、前記図5(a)と同様に、電圧降下を補正する。以下、順次末端側の区間へ補正の対象区間を移動して、末端の区間まで電圧降下の補正を行う。
図6は、電圧振幅計測値の補正方法を説明するフローチャートである。
まず、ステップ(S1400)では、変電所に最も近い負荷区間である区間2を選択し、続くステップ(S1405)では推定に用いる変数として配電線の送り出し電流大きさ(I1)を選択する。次にステップ(S1401’)では、選択した区間の始端側と末端側の電圧降下計測値(Vi-1−Vi)と、選択した推定に用いる変数(i区を選択したとき、配電線通過電流の大きさ|Ii-1|)の過去の所定期間について前記(18)式に示す推定式を計算する。
次に、ステップ(S1402’)では、現在時刻の変数Ii-1を前記(18)式のxへ代入し、電圧降下の推定値(Vi-1−Vi)´を求める。
更に、続くステップ(S1403)では、前記(19)式のように始端側の電圧振幅計測値Vi-1から電圧降下推定値(Vi-1−Vi)´を減算して、末端側の電圧振幅推定値V´iを算出する。
ステップ(S1406)では、(20)式のように、始端側の電圧ベクトルと補正した末端側の電圧ベクトルの差分を当該区間の径間インピーダンスで除算して配電線通過電流を算出し、この配電線通過電流の大きさを次に求める区間の推定に用いる変数とする。
Figure 2006067755
次に、区間3を選択し、前記推定式の計算ステップ(S1401’)で選択した区間の始端側と末端側の電圧降下計測値(Vi-1−Vi)と、選択した推定に用いる変数(i区を選択したとき、配電線通過電流の大きさ|Ii-1|)の過去所定期間について推定式を計算する。電圧降下推定値の計算ステップ(S1402’)で、現在時刻の変数Ii-1を前記(18)式のxへ代入して電圧降下の推定値(Vi-1−Vi)´を求め、続いて電圧振幅推定値の計算ステップ(S1403)で、区間2と同様にして末端側の電圧振幅推定値Vi´を算出する。このようにして順次隣接する区間へと電圧振幅を補正し、配電線の末端まで繰り返す。
以上述べたように、本実施例2によれば、配電線送り出し電流大きさと各区間の配電線通過電流を用いて電圧振幅を補正することにより、電圧振幅の負荷変動分以外のばらつきを抑え、配電系統の不平衡などによる影響の少ない区間負荷の算出が可能である。また区間毎の推定式を求めて補正を行うことにより、区間毎の負荷容量や変動のばらつきの違いがあっても、精度良く負荷の変動を捉えることができる。
(変形例)
次に実施例1、2の変形例について説明する。
例えば電圧位相角δiの計測ができなくても、図1に示した開閉器子局6iにて計測し、制御用計算機11に収集される電圧振幅計測値を用いて、前述した方法により電圧振幅計測値を補正して区間負荷を算出することにより、計測装置を改めて設置する必要がなく低コストでかつ精度良く区間負荷を算出することができる。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3に係る配電線の区間負荷算出方法について図7、図8および図9を用いて説明する。
本実施例3は送り出し電流大きさ計測値(I1)と各区間の電圧位相差計測値(δi-1−δi)とを用いて、各区間毎の推定式(18)を求め、この各区間毎に求められた推定式の変数xに現在時点の送り出し電流大きさ計測値(I1)を代入して、各区間の電圧位相差推定値を計算するようにしたものである。
図7は、送り出し電流大きさ計測値(I1)を用いて、電圧位相差計測値(δi-1−δi)を補正する方法を示す図である。
図8は電圧位相差の推定値を求めるための図であり、図8(a)は、配電線の送り出し電流大きさ計測値(I1)と計測点間の電圧位相計測値の差により算出される電圧位相差計測値(δi-1−δi)の時間変化を表わし、図8(b)は、過去の所定期間の送り出し電流大きさ計測値(I1)と電圧位相差計測値(δi-1−δi)との関係を表わす。
本実施例3では、過去の所定期間における送り出し電流大きさ計測値(I1)と電圧位相差計測値(δi-1−δi)から各区間毎に前掲した(18)式と同じ推定式を求める。そして、現在時点の送り出し電流大きさ計測値(I1)を求めた推定式(18)の変数xに代入し、電圧位相差の推定値を計算する。
図9は本実施例3の電圧位相差計測値の補正方法を説明するフローチャートである。
まず、ステップ(S1400)では、最初の負荷区間である区間2を選択する。次にステップ(S1407)では、選択した区間の始端側と末端側の電圧位相差計測値(δi-1−δi)と、送り出し電流大きさ計測値(I1)の過去の所定期間について推定式(18)を求める。ステップ(S1408)では、現在時刻の送り出し電流大きさ(I1)を推定式(18)の変数xに代入し、電圧位相差の推定値(δi-1−δi)´(区間2の場合は(δ1−δ2)´として表される)を求める。次のステップ(S1409)では、以下(21)式のように選択した区間の始端側の電圧位相計測値δi-1から電圧位相差推定値(δi-1−δi)´を減算して、同じ区間の末端側の電圧位相推定値δi´を算出する。
δi´=δi-1−(δi-1−δi)´…(21)
次に末端側の隣接区間(前述した選択区間が区間2であれば区間3が末端側の隣接区間となる)を選択し、同様に推定式の計算ステップ(S1407)から電圧位相推定値の計算ステップ(S1409)を配電線末端まで繰り返す。
以上のように、本実施例3によれば、配電線送り出し電流大きさ(I1)を用いて電圧位相を補正することにより、電圧振幅の負荷変動分以外のばらつきを抑え、配電系統の不平衡などによる影響の少ない区間負荷の算出が可能である。
(実施例4)
次に本発明の実施例4に係る配電線の区間負荷算出方法について、図10および図11を参照して説明する。
図10は、送り出し電流大きさ計測値(I1)および各区間の配電線通過電流を用いて、電圧位相を補正する方法の概要を示す図である。図10(a)では、送り出し電流大きさ計測値(I1)と各区間の電圧位相計測値(δi-1−δi)を用いて、区間2の推定式(18)を求め、この区間2の推定式へ現在時点の送り出し電流大きさ計測値(I1)を代入して、区間2の電圧位相差推定値(δi-1−δi)´を計算する。
次に図10(b)では、始端側の電圧位相計測値(δi-1)より最初の負荷区間である区間2の電圧位相差推定値(δi-1−δi)´を減算して末端側の電圧位相推定値δi´を計算する。図10(c)では、補正した電圧と区間の径間インピーダンスとから、(20’)式のように配電線通過電流を計算する。
Figure 2006067755
図10(d)では、補正する対象区間を末端側へ移動し、前記図10(a)と同様に、電圧位相差を補正する。補正の対象区間を次の区間3へ移動して電圧位相の補正を行う。順次末端側の区間へと補正の対象区間を移動して、末端の区間まで電圧位相の補正を行う。
図11は、電圧位相計測値の補正方法を説明するフローチャートである。
まず、ステップ(S1400)では、最初の負荷区間である区間2を選択し、選択ステップ(S1405)では推定に用いる変数として配電線の送り出し電流大きさ(I1)を選択する。次に、ステップ(S1401’)では、選択した区間2の始端側と末端側の電圧位相差計測値(δi-1−δi)と、選択した推定に用いる変数(送り出し電流大きさ計測値I1)の過去の所定期間について前記推定式(18)を計算する。ステップ(S1402’)では、現時刻の送り出し電流大きさI1を前記推定式(18)のxへ代入し、電圧位相の推定値(δi-1−δi)´を求める。
ステップ(S1403)では、(19)式のように始端側の電圧位相計測値δi-1から電圧位相差推定値(δi-1−δi)´を減算して、末端側の電圧位相推定値(δi´)を算出する。
ステップ(S1406)では、前記(20’)式のように、始端側の電圧ベクトルと補正した末端側の電圧ベクトルの差分を、区間の径間インピーダンスで除算して配電線通過電流を算出し、この配電線通過電流の大きさを次に求める区間の推定に用いる変数とする。
次に区間3を選択し、ステップ(S1401’)で選択した区間3の始端側と末端側の電圧位相差計測値(δi-1−δi)と、選択した推定に用いる変数(i区を選択したとき、配電線通過電流の大きさ|Ii-1|)の過去一定期間について推定式を計算する。ステップ(S1402’)で、現時刻の送り出し電流大きさI1を推定式へ代入し、電圧位相差の推定値(δi-1−δi)´を求め、ステップ計算(S1403)で、区間2と同様に末端側の電圧位相推定値(δi´)を算出する。このように順次隣接する区間へと電圧位相を補正し、配電線の末端まで繰り返す。
以上のように配電線送り出し電流大きさと各区間の配電線通過電流を用いて電圧位相を補正することにより、電圧位相の負荷変動分以外のばらつきを抑え、配電系統の不平衡などによる影響の少ない区間負荷の算出が可能である。また区間毎の推定式を求めて補正を行うことにより、区間毎の負荷容量や変動のばらつきの違いがあっても、精度良く負荷の変動を捉えることができる。
(実施例5)
次に本発明の実施例5に係る配電線の区間負荷算出方法を説明する。
本実施例5は、配電線送り出し電流大きさ計測値(I1)を用いて電圧振幅計測値と、電圧位相計測値を補正するものである。具体的には、配電線の複数箇所の電圧および位相の計測値と配電線のインピーダンスから前記電圧および位相の計測点間の電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧降下計測値との関係について各々推定式を求め、現時刻の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正し、更に過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧位相差計測値との関係について各々推定式を求め、現在時刻の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて各計測値を補正するようにしたものである。
なお、この場合の補正方法のアルゴリズムは前掲した図4および図9のフローチャートに示した通りであるので説明は省略する。
(実施例6)
次に本発明の実施例6に係る配電線の区間負荷算出方法を説明する。
本実施例6は、配電線送り出し電流大きさ計測値(I1)および各区間の配電線通過電流を用いて電圧振幅計測値と、電圧位相計測値を補正するものである。具体的には、配電線の複数箇所の電圧および位相の計測値と配電線のインピーダンスから前記電圧および位相の計測点間の電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、過去の所定期間の送り出し電流計測値と始端側から最初の計測点間の電圧降下計測値との関係について推定式を求め、現時刻の送り出し電流を推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて計測値を補正し、この電圧降下の推定値と位相計測値、および配電線のインピーダンスから計測点間の電流値を算出し、この計測点間電流値と隣接する末端側区間の電圧降下計測値との関係について推定式を求め、現時刻の計測点間電流値を推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて計測値を補正し、順次末端区間まで電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正し、更に過去の所定期間の送り出し電流計測値と始端側から最初の計測点間の電圧位相差計測値との関係について推定式を求め、現時刻の送り出し電流を推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて計測値を補正し、この電圧位相差の推定値と電圧振幅計測値、および配電線のインピーダンスから計測点間の電流値を算出し、この計測点間電流値と隣接する末端側区間の電圧位相差計測値との関係について推定式を求め、現時刻の計測点間電流値を推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて計測値を補正し、順次末端区間まで電圧位相差の推定値を求めて各計測値を補正するようにしたものである。
なお、補正方法のアルゴリズムは前掲した図6および図11のフローチャートに示した通りであるので説明は省略する。
(実施例7)
次に本発明の実施例7に係る配電線の区間負荷算出方法を図12を用いて説明する。
図12は電圧位相差計測値を用いて電圧振幅計測値の補正方法を説明するフローチャートである。
電圧計測を例えば図1に示した開閉器子局6の制御用電源変圧器7の2次側から行うと、制御用電源変圧器7の個々の特性が電圧降下と電圧位相差に影響し、この計測値を用いて求める区間負荷の誤差となる。しかし、制御用電源変圧器7の特性は位相計測値に与える影響は小さいため、電圧位相差を正(もと)として電圧振幅を図12のように補正することを考える。
まずステップ(S1400)では、最初の負荷区間である区間2を選択する。次にステップ8S1410)では、選択した区間の始端側と末端側の電圧降下計測値(Vi-1−Vi)と、電圧位相差計測値(δi-1−δi)の過去の所定期間について前記(18)式に示す推定式を求める。更に次のステップ(S1411)では、現在時刻の電圧位相差計測値(δi-1−δi)を(18)式の変数xに代入し、電圧降下推定値(Vi-1−Vi)´(区間2の場合は(V1−V2)´となる)を求める。
ステップ(S1403)では、前記(19)式のように始端側の電圧振幅計測値(Vi-1)から電圧降下推定値(Vi-1−Vi)´を減算して、末端側の電圧振幅推定値(Vi´)を算出する。次にステップ(S1404)では末端側の隣接区間を選択し、同様に推定式の計算ステップ(S1410)から電圧振幅推定値の計算ステップ(S1403)を配電線末端まで繰り返す。
以上のように本発明の実施例7によれば、開閉器子局6に設置した制御用電源変圧器7の特性に起因する電圧振幅計測値のばらつきを補正することにより、より正確に区間負荷を算出することができる。
(実施例8)
次に本発明の実施例8に係る配電線の区間負荷算出方法を図13および図14を用いて説明する。
図13は、変電所1内で電圧計測値を得ることができない場合に配電線送り出し電流大きさ計測値を用いて計測点における差引き電流値IL1を計算する方法を説明する図である。
前掲の図1に示した立ちあがり区間(区間1)については変電所1において電流センサー12を用いて配電線送り出し電流大きさ(I1)を計測し、一方区間2については配電線通過電流(2)は電圧振幅と位相の計測値および区間2の径間インピーダンスより前述した(5)式により算出される。計測した送り出し電流(I1)の力率位相が、算出した区間2の配電線通過電流(I2)の力率位相と等しいとすると、計測点前後の差引き電流値(L1)は、(22)式のように計算できる。
Figure 2006067755
なお、図13において、345はそれぞれ区間3、4、5を通過する配電線通過電流である。
図14は、計測点における配電線電流の差引き電流値を求めるフローチャートである。立ちあがり区間(区間1)の配電線電流計測のステップ(S1412)では、変電所1で計測する配電線送り出し電流を立ちあがり区間(区間1)の配電線電流とする。続くステップ(S1413)は、区間2の始端と末端計測点における電圧振幅と位相および径間インピーダンスより区間2の配電線電流を算出する。ステップ(S1414)は、区間1と区間2の力率位相が等しいと仮定し区間2の力率位相を用いて(22)式により区間1と区間2の計測点における配電線電流差引き電流を算出する。
以上のように本実施例8によれば、区間2の始端側の計測点については、(22)式のように算出した計測点の差引き電流値L1を用いて図25のように区間負荷の算出を行うことにより、変電所1で電圧および位相計測値の収集が困難な場合でも、区間2の区間負荷を算出することができる。
(実施例9)
次に本発明の実施例9に係る配電線の区間負荷算出方法を図15および図16を用いて説明する。
図15は、変電所で電圧計測値を得ることができない場合に電流センサー12による配電線電流計測値(I1)を用いて計測点における差引き電流値20を計算する方法を説明する図である。
立ちあがり区間(区間1)については電流センサー12を用いて配電線電流(1)を計測し、区間2については配電線通過電流(2)は電圧振幅と位相の計測値および区間2の径間インピーダンスより前記(5)式により算出される。
なお、配電線電流(1)の力率位相についても計測可能な場合は、計測点前後の差引き電流値L1は、(23)式のように計算することができる。
Figure 2006067755
図16は、計測点における配電線電流の差引き電流値L1を求めるフローチャートである。立ちあがり区間(区間1)のステップ(S1412’)では、電流センサー12を用いて電流計測値と力率を計測する。ステップ(S1413)では、区間2の始端と末端計測点における電圧振幅と位相および径間インピーダンスより区間2の配電線電流を算出する。ステップ(S1414)では、(23)式により区間1と区間2の計測点における配電線電流差引き電流L1を算出する。
以上のように区間2の始端側の計測点については、算出した計測点の差引き電流値L1を用いて図25に示したように区間負荷の算出を行うことにより、変電所における電圧および位相計測値の収集が困難な場合においても、区間2の区間負荷を算出することができる。
(第10の実施例)
以上述べた各実施例においては、全ての処理は例えば営業所10の制御用計算機11においてCPUが区間負荷算出方法を実現したプログラムを処理することにより実施されるので、区間負荷算出方法プログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含んでいる。また、FDドライブやCD−ROMドライブなどの外部記憶装置を接続し、この外部記憶装置に区間負荷算出方法プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を装着して、当該記録媒体に格納された区間負荷算出方法プログラムを制御用コンピュータのメモリにロードしてCPUに実行させるようにしてもよい。
本発明が適用される配電線監視制御システムの概念構成を示す図。 実施例1による送り出し電流大きさと計測点間の電圧降下計測値から電圧降下推定式を導くための説明図であり、図2(a)は配電線の送り出し電流計測値大きさと、計測点間の電圧降下計測値とが時間の経過とともに変化する様子を示す図、図2(b)は、過去の所定期間における送り出し電流大きさ計測値と電圧降下計測値との関係を表す散布図。 送り出し電流大きさ計測値を用いて各区間の電圧降下を補正する方法の説明図。 実施例1による電圧振幅計測値の補正方法を説明するフローチャート。 実施例2による送り出し電流大きさ計測値を用いて各区間の電圧降下を補正する方法の説明図。 実施例2による電圧振幅計測値の補正方法を説明するフローチャート。 実施例3による送り出し電流大きさ計測値を用いて各区間の電圧位相差計測値を補正する方法の説明図。 実施例3による送り出し電流大きさと計測点間の電圧位相差計測値から電圧位相差推定式を導くための説明図、図8(a)は配電線の送り出し電流計測値大きさと、計測点間の電圧位相差計測値とが時間の経過とともに変化する様子を示す図、図8(b)は、過去の所定期間における送り出し電流大きさ計測値と電圧位相差計測値との関係を表す散布図。 実施例3による電圧位相差計測値の補正方法を説明するフローチャート。 実施例4による送り出し電流大きさ計測値を用いて各区間の電圧位相差計測値を補正する方法の説明図。 実施例4による電圧位相差計測値の補正方法を説明するフローチャート。 実施例7による電圧振幅推定値を得るためのフローチャート。 実施例8による配電線送り出し電流大きさ計測値を用いて計測点における差引き電流値を計算する方法を説明する図。 実施例8による配電線電流の差引き電流を得るためのフローチャート。 実施例9による配電線電流計測値を用いて計測点における差引き電流値を計算する方法を説明する図。 実施例9による配電線電流の差引き電流を得るためのフローチャート。 一般的な配電系統を示す図。 従来の技術の配電系統監視制御システム構成図。 従来の技術による配電線事故時の応動を説明する図。 従来の技術による配電線事故時の応動を説明する図。 従来の技術による配電線送り出し電流を計測する様子を示す図。 従来の技術による各区間に流れる配電線通過電流値を求めるための説明図。 需要家の分布情報を示す図。 図23の任意の1区間内の1地点に需要家が接続している例を示す図。 負荷変動分を考慮した配分係数を用いて各区間に差引き電流値を配分する方法を説明する図。
符号の説明
1…配電用変電所、2…主変圧器、3…配電線遮断器、4a1、…、4b1、……配電線、5a1…、5b1……常閉開閉器、5c…常開開閉器、6…開閉器子局、7…制御用電源変圧器、8…伝送路、9…変電所子局、10…営業所、11…制御用計算機、12…電流センサー、13…計器用変流器、14…計器用変圧器。

Claims (10)

  1. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    前記配電線の各区間に接続された各需要家が契約容量の負荷状態に対する負荷の変動分を配電線の送り出し側に最も近い差し引き電流値を利用して算出し、この負荷変動分を利用して順次末端側へと負荷の変動分を算出し、配電線に接続する需要家の接続位置に関する情報と需要家の契約容量に関する情報と前記負荷変動分から算出される配分係数に基づいて前記差引き電流値の区間毎への配分を行い、過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧降下計測値との関係について各々推定式を求め、現時刻の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正することを特徴とする配電線の区間負荷算出方法。
  2. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    (1)変電所で計測した配電線送り出し電流計測値(I1)および各区分開閉器で複数に区分された各区間における始端側および末端側電圧計測値(Vi-1、Vi)を所定期間記憶し、
    (2)前記所定期間記憶されている電圧計測値のうち、負荷を接続している区間の中で変電所に最も近い区間の始端側の電圧計測値および末端側の電圧計測値から求めた当該区間の電圧降下の計測値(Vi-1−Vi)と、前記所定期間記憶されている送り出し電流計測値(I1)とを用いて推定式を求め、
    (3)この求めた推定式に現在時刻における配電線送り出し電流計測値(I1)を代入して、当該区間の電圧降下推定値(Vi-1−Vi)´を算出し、
    (4)前記始端側の電圧振幅計測値(Vi-1)から電圧降下推定値(Vi-1−Vi)´を減算することにより、当該区間の末端側の電圧振幅推定値(Vi´=Vi-1−(Vi-1−Vi)´)を算出し、
    (5)以下、当該選択区間の末端側に接続されている各区間に対して前記(3)の処理および(4)の処理を繰り返し実施して各電圧計測値を補正することを特徴とする配電線の区間負荷算出方法。
  3. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    過去の所定期間の送り出し電流計測値と始端側から最初の計測点間の電圧降下計測値との関係について推定式を求め、現時刻の送り出し電流を推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて計測値を補正し、この電圧降下の推定値と位相計測値、および配電線のインピーダンスから計測点間の電流値を算出し、この計測点間電流値と隣接する末端側区間の電圧降下計測値との関係について推定式を求め、現時刻の計測点間電流値を推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて計測値を補正し、順次末端区間まで電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正することを特徴とする配電線の区間負荷算出方法。
  4. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧位相差計測値との関係について各々推定式を求め、現時刻の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて各計測値を補正することを特徴とする配電線の区間負荷算出方法。
  5. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    過去の所定期間の送り出し電流計測値と始端側から最初の計測点間の電圧位相差計測値との関係について推定式を求め、現時刻の送り出し電流を推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて計測値を補正し、この電圧位相差の推定値と電圧振幅計測値、および配電線のインピーダンスから計測点間の電流値を算出し、この計測点間電流値と隣接する末端側区間の電圧位相差計測値との関係について推定式を求め、現時刻の計測点間電流値を推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて計測値を補正し、順次末端区間まで電圧位相差の推定値を求めて各計測値を補正することを特徴とする配電線の区間負荷算出方法。
  6. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧降下計測値との関係について各々推定式を求め、現時刻の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正し、更に過去の所定期間の送り出し電流計測値と各計測点間の電圧位相差計測値との関係について各々推定式を求め、現時刻の送り出し電流を各推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて各計測値を補正することを特徴とする配電線の区間負荷算出方法。
  7. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    過去の所定期間の送り出し電流計測値と始端側から最初の計測点間の電圧降下計測値との関係について推定式を求め、現時刻の送り出し電流を推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて計測値を補正し、この電圧降下の推定値と位相計測値、および配電線のインピーダンスから計測点間の電流値を算出し、この計測点間電流値と隣接する末端側区間の電圧降下計測値との関係について推定式を求め、現時刻の計測点間電流値を推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて計測値を補正し、順次末端区間まで電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正し、更に過去の所定期間の送り出し電流計測値と始端側から最初の計測点間の電圧位相差計測値との関係について推定式を求め、現時刻の送り出し電流を推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて計測値を補正し、この電圧位相差の推定値と電圧振幅計測値、および配電線のインピーダンスから計測点間の電流値を算出し、この計測点間電流値と隣接する末端側区間の電圧位相差計測値との関係について推定式を求め、現時刻の計測点間電流値を推定式へ代入し電圧位相差の推定値を求めて計測値を補正し、順次末端区間まで電圧位相差の推定値を求めて各計測値を補正することを特徴とする配電線の区間負荷算出方法。
  8. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    過去の所定期間の各計測点間の電圧位相差計測値と電圧降下計測値との関係について各々推定式を求め、現時刻の各計測点間の電圧位相差を各推定式へ代入し電圧降下の推定値を求めて各計測値を補正することを特徴とする配電線の区間負荷算出方法。
  9. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する配電線の区間負荷算出方法において、
    配電線立ちあがり区間に隣接する区間の始端側と末端側の電圧降下および電圧位相差の計測値と配電線のインピーダンスとから配電線通過電流を算出し、この算出した配電線通過電流の力率位相を配電線送り出し電流の力率位相とし、この配電線送り出し電流と前記配電線通過電流との差引きを計測点における前記差引き電流とすることを特徴とする請求項1乃至請求項8記載の配電線の区間負荷算出方法。
  10. 配電線を区分する複数の開閉器の設置点における電圧および位相の計測値と、既知の配電線インピーダンスとから前記計測点間の通過電流値を算出し、更に前記算出した計測点に流入する電流値と前記算出した計測点から流出する電流値の差引き電流値を求め、この差引き電流値を開閉器によって区分された配電線の区間に配分することにより区間毎の負荷を算出する機能を備えたコンピュータによって処理されるプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    変電所で計測した配電線送り出し電流計測値および各区分開閉器で複数に区分された各区間における始端側および末端側電圧計測値を所定期間記憶する機能と、
    前記所定期間記憶されている電圧計測値のうち、負荷を接続している区間の中で変電所に最も近い区間の始端側の電圧計測値および末端側の電圧計測値から求めた当該区間の電圧降下の計測値と前記所定期間記憶されている送り出し電流計測値とを用いて推定式を求める機能と、
    この求めた推定式に現在時刻における配電線送り出し電流計測値を代入して、当該区間の電圧降下推定値を算出する機能と、
    前記始端側の電圧振幅計測値から電圧降下推定値を減算することにより、当該区間の末端側の電圧振幅推定値を算出する機能と、
    以下、当該選択区間の末端側に接続されている各区間に対して前記当該区間の電圧降下推定値を算出する処理および当該区間の末端側の電圧振幅推定値を算出する処理を繰り返し実施する機能と、
    を実現させるためのプログラム。

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