JP2006067310A - 立体音響再生装置及び再生プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 サンプリング間隔にて焦点位置を変更しても不快な音を再生することなく、しかもサンプリング間隔以内の遅延のように多くの演算量や処理を不要とした。
【解決手段】 音響信号を再生する複数個のスピーカ4を有し、各スピーカ4の前段に備えられて、前記音響信号をサンプリング間隔にて遅延させる遅延部2とこのサンプリング間隔以内の時間にて遅延させるオールパスフィルタ6との直列体を有すること。オールパスフィルタ6の特性H(z)は、α+Z−1/1+αZ−1であること。オールパスフィルタ6の係数αは、α(x)=1−(Δt(x)−d(x))によって与えられること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オーディオ信号を再生する音響機器、通信機器にあって、特に複数のスピーカが配列された面(スピーカ面)より前方に音を定位させる立体音響再生装置及び再生プログラムに関する。
オーディオ信号を複数のスピーカにて再生するに当たり、音像を立体的に再生する技術としては、二つのスピーカを用いるステレオ再生方式、また、最近では、五つのスピーカと一つのサブウーハーを用いる5.1chシステムなどが知られている。しかしながら、これらの方式においては、受聴者が知覚する音像の位置を、スピーカよりも前方に定位させることは困難であった。
これを解決する方法として、複数のスピーカとそれぞれに設けられた遅延器により、空間上の焦点に音を集める(音の位相をそろえる)ことで、虚音像を作り出し、これによってスピーカ面より前方に音像を定位をさせる技術(非特許文献1)が知られている。この技術の簡単な構成を図3に示す。図3の構成は、入力信号端1からの音響信号が、遅延器2、音量調節部3を介して、スピーカ4にて再生され、焦点5に虚音像を結ぶという構成である。各遅延器2には、スピーカ面からの焦点位置xにおいて音の焦点が集まるように遅延量が付与される。図3においては、スピーカ再生するための駆動アンプ、ディジタル処理のためのA/D、D/A変換器は省略している。
通常、遅延器2はディジタル信号処理装置あるいはディジタル回路として実現されるため、この遅延器2に挿入できる遅延量は、遅延器2のサンプリング周期に合わせて離散的になってしまう。例えば、焦点位置をx、焦点位置xとi番目のスピーカ(iは1からN、Nはスピーカの数)との距離をr(x)、焦点5から一番遠い位置にあるスピーカ4までの距離をr(x)、i番目のスピーカに与えたい理想遅延量Δt(x)を
Figure 2006067310
としたとき、この理想遅延量は整数とは限らないので、サンプリング周期に合わせるために整数値とすべく各遅延器2に与える遅延量d(x)は、
(x)=int[Δt(x)]
で与えられる。ここで、int[]は、整数値化する関数である。
こうして遅延量は、サンプリング周期に合わせて離散的になる。なおこの場合、例えば、遅延器2あるいはシステムのサンプリング周波数fsが16KHzサンプリングであった場合、音響信号が1サンプリング周期だけ遅延ずれが生じたとしても、音の波長が4倍以下の4KHz程度の音までは位相が概ね揃うため、スピーカ4からの音は焦点位置に焦点を結ぶことができる。したがって、ディジタル処理を用いることによる切捨て誤差の影響が立体音響再生に与える影響は少ない。
上述のケースでは、焦点位置xを決め各遅延器2の遅延量を決めることになり、ここでは焦点位置xは固定している状況を前提とする。
しかしながら、一方で音響効果上焦点位置を移動させることも考えられ、この焦点位置を移動するためには、この移動に対応して遅延量を変化させる必要がある。焦点位置と遅延量の簡単な関係を図4に示すに、図4にて41は縦軸にスピーカの配置、横軸は右側に焦点位置、左側に各スピーカ4に与える遅延量を示している。この図によれば、焦点位置をスピーカ前面より、より遠くに移動する湯合、中央付近のスピーカに与える遅延は減少させる必要があることが判明する。
S. Komiyama,et al, J. Acoust Soc.Jpn.(E), vol.13,pp.171-180, March 1992.
このように焦点位置を移動させて遅延量を加減する場合、遅延をサンプリング周期の1時刻だけ増加させるということは、今まで再生してきた音に対して波形上1時刻空きを作って再生し、更に続けてまた再生することに対応する。図5は、この様子を示すもので、元の信号51に対して遅延挿入位置53にて一時刻の遅延を挿入し、その結果下の信号52を得ることを示している。この図5による一時刻の遅延挿入により、元の波形に0レベルが挿入され、不連続信号となってしまう。そして、この信号を音響信号として再生した場合、不快な音として再生される。
次に、1時刻だけ遅延を早めることを考えた場合を図6に示す.図6において、既にある時刻だけ遅延された元の信号61に対して遅延削除位置63にて一時刻遅延を削除し、その結果下の信号62を得ることを示している。この図6による一時刻の遅延削除により、元の波形の一部が再生されなくなり、不連続信号となる。そして、この信号を音響信号として再生した湯合、やはり不快な音として再生される。
こうして離散的なサンプル間隔を用いる遅延器2を利用して焦点位置xを移動させようとすると、遅延器2の実現手段であるディジタル処理の影響により信号に不連続が生じ、不快な音が再生されてしまうという課題があった。
一方、離散的なサンプリング間隔に対し、サンプリング周期以内の遅延をディジタル信号処理にて実現する方法も一般的には考えられる。例えば、離散的なサンプリング間隔によって遅延量dに遅延させた信号について,図7に示すFIRフィルタにて次のsinc関数を用いることにより更にサンプリング間隔以内での遅延の方法が知られる。
Figure 2006067310
なお、このsinc関数にあって,h(n)はsinc関数の特性を実現するFIRフィルタ係数、ΔdはΔd=Δt(x)−d(x)による理想遅延量と離散遅延量との間のサンプリング間隔以内の遅延量、nは負から正の左右対称な量であって選択された適宜な数Lである。このことは、図3の例によれば、遅延器2の後段に図7に示すFIRフィルタを挿入しL段の演算器にて信号を畳み込み遅延を得ることになる。具体例としてFIRフィルタを挿入し、例えば、sinc関数として長さ2L+1=4l(L=20)とし、サンプリング間隔の半分の遅延を表現するとした場合、すなわちΔd=0.3とΔd=0.5の場合のFIRフィルタ係数を求めると、図8に示す特性71及び72のようになり、横軸に時間に対するサンプリング数(演算器の段数に相当)、縦軸に正規化された振幅からなる特性が得られる。つまり、サンプル間隔以内での遅延を表現するためには、多くのフィルタ係数を必要とすることになる。
この様子を時間領域にて示す信号s(k)に関する式で表すと次式となる。
Figure 2006067310
ここで、y(k)は、遅延後の出力信号である。以上のことから判明することは、スピーカ面を形成する各スピーカについてFIRフィルタを挿入することにより、そしてsinc関数によって遅延位置を変化させるためには、信号とFIRフィルタを畳み込まなければならないため、多くの演算量が必要となることである。更に、遅延量を連続的に変化させるためには、理想遅延量Δtに応じてΔdが変化するため、これに伴い変化するsinc関数のFIRフィルタ係数h(n)(n=−L〜L)を全て入れ替えなければならないため、多くの処理が必要となることである。
この結果、例えばFIRフィルタを用いてサンプリング周期以内の遅延をディジタル信号処理にて実現するにつけては、単位スピーカ当たり多くの演算処理を必要とし、更に遅延量の連続変化のためにはフィルタ係数の入れ替えを要する。
以上述べたように従来技術では、サンプリング周期の遅延器のみを用いて焦点位置を移動させようとすると、遅延器の実現手段であるディジタル処理の影響により信号に不連続が生じ、不快な音が再生されてしまうという問題がある。また、この不快音の発生を避けるために、sinc関数を用いてサンプル間隔内の遅延を表現しようとすると、演算量が多く必要となり、また多くの係数を1サンプル時間に即座に入れ替えるための処理が必要となる、という問題があった。
本発明は、上述の間穎に鑑みて発明されたもので、サンプリング間隔にて焦点位置を変更しても不快な音を再生することなく、しかもサンプリング間隔以内の遅延のように多くの演算量や処理を不要とした立体音響再生装置及びその再生処理を実現する再生プログラムの提供を目的とする。
本発明は、音響信号を再生する複数個のスピーカを有し、各スピーカの前段に備えられて、前記音響信号をサンプリング間隔にて遅延させる遅延部とこのサンプリング間隔以内の時間にて遅延させるオールパスフィルタとの直列体を有する。
本発明によれば、サンプリング間隔以内の遅延を行うオールパスフィルタにより、焦点位置を変更しても不快な音が生ずることなく、また係数の数が少ないオールパスフィルタの特性上演算量を減少することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態につき説明する。
〔第1実施形態〕
ここで、第1実施形態について説明する。図1は立体音響再生装置の一例であり、図3と同一部分には同符号を付す。すなわち図1において、入力信号端1からの音響信号が、音量調節部3、遅延器2を介して、スピーカ4にて再生され、焦点5に虚音像を結ぶという構成である。各遅延器2には、スピーカが配列されたスピーカ面からの焦点位置xにおいて音の焦点が集まるように遅延量が付与される。図1においては、スピーカ再生するための駆動アンプ、ディジタル処理のためのA/D、D/A変換器は省略している。
本実施形態では、各スピーカ4の前段の音量調整部3、遅延部2からなる直列体には、更に直列にオールパスフィルタ6が挿入されている。このオールパスフィルタ6は、オールパスフィルタ6の特性(伝達関数)を示す次式に基づき図9に示す構成を有する。
Figure 2006067310
この式でαはオールパスフィルタの係数である。この式を実現する図9(a)では二つの掛け算器601と二つの加算器602とにより構成され、また図9(b)では一つの掛け算器601と二つの加算器602とにより構成される。ここで、係数αは、後述の遅延パラメータ設定部により焦点位置に応じて理想遅延量と整数値化された遅延量とから得られる値である。このオールパスフィルタ6は、図9に示すように従来の図7に示すFIRフィルタに対して演算器の数は格段に少なくなっている。なお、図1に示す直列体を構成するオールパスフィルタ6、音量調整部3、遅延部2の配置の順序は入れ替わることも可能である。
次に、このオールパスフィルタ6、音量調整部3、遅延部2の制御入力について述べる。制御入力生成のために本実施形態では、焦点位置設定部7、遅延パラメータ設定部8及び音量設定部9が配置される。ここで、焦点位置設定部7は、音像の焦点位置xが入力され、遅延パラメータ設定部8及び音量設定部9それぞれに焦点位置xとi番目のスピーカとの間の距離r(x)等が出力される。遅延パラメータ設定部8は、焦点位置設定部7の設定値を受けオールパスフィルタ6にその係数αを出力し、遅延部2に整数値化された遅延量d(x)を出力するものである。また、音量設定部9は、焦点位置設定部7の設定値を受け設定値r/r(この値は後述する)を出力するものである。
図10は、制御入力生成のための焦点位置設定部7及び遅延パラメータ設定部8をより詳細に示しており、焦点位置設定部7は入力部701より焦点位置xが入力され、サンプリング周波数fs及び音速cが設定されている。この場合、音速cは事前に測定しても良く、あるいは事前に定数として与えても良い。
また、焦点位置設定部7は焦点位置xによりこのxとi番目のスピーカ(iは1からN)との距離をr(x)を演算する。
遅延パラメータ設定部8では、最初に理想遅延量Δt(x)を求める。この理想遅延量Δt(x)は、整数値化された遅延量でなく小数点以下の値をも含めた本来必要な遅延量である。計算としては、焦点位置をx、焦点位置xとi番目のスピーカ(iは1からN)との距離をr(x)、焦点から一番遠い位置にあるスピーカまでの距離をr(x)、とした湯合には、まず、i番目のスピーカに与えたい理想遅延量Δt(x)を次式にて計算する。
Figure 2006067310
次いで、理想遅延量Δt(x)に基づきi番目のスピーカに対応する遅延部2に与える遅延量は整数値化関数を用いて、d(x)=int[Δt(x)]
により決定する。こうして、遅延部2に出力される遅延量d(x)が得られる。
更に、理想遅延量Δt(x)と遅延量d(x)とを減算して更に1から引くことにより次のようにオールパスフィルタ6の係数α(x)を得る。
α(x)=1−(Δt(x)−d(x))
ここで、係数α(x)の算出に当たり1から引く計算が行われるが、これは前述のオールパスフィルタの特性式H(z)の値を得るに当たり、α値の要素となる理想遅延量Δt(x)と遅延量d(x)との減算値に相応させるためである。こうして、遅延部2へのサンプリング周期での遅延量d(x)の他にオールパスフィルタ6への係数α(x)によってサンプリング周期以内の遅延量を得ることができる。
音量設定部9においては、焦点位置設定部7において設定された焦点位置xとスピーカ位置との関係に基づき、焦点位置xに最も近い位置のスピーカの音量を基準(例えば音量1)に設定し、他のスピーカ音量は、距離差に応じて小さく設定する。例えば、もっとも近い距離をrとした場合、i番目のスピーカと焦点までの距離がrである場合、スピーカ音量は、r/rとして設定する。これは、焦点位置xに近いスピーカほど、焦点位置xでの直接音と間接音の比が大きく、遠いほど直接音と間接音の比が小さいので、できるだけ焦点位置xで全てのスピーカからの信号を加算した時に、直接音と間接音の比が大きくなるようにするためである。そしてこのことは、直接音と間接音の比が大きければ大きいほど、前方定位がしやすくなるという事実に基づいている。また、直接音と間接音の比率を最大にするためには、焦点位置xからスピーカまでの距離をrとしたとき、それぞれの音量を1/rに比例させる。このことはマイクロホンアレーにおける目的音と雑音との関係において既に知られているが、本実施形態では、目的音を直接音、雑音を間接音と見なすことで、導き出すことができる。尤も、上述にとらわれることなく、各スピーカに与える音量は中心が大きく、端に行くほど小さく設定されていれば良い。
〔第2実施形態〕
図2は、本発明の第2実施形態を例示するものである。図2において、図1との違いは、焦点位置設定部7への入力部として事前遅延量測定部10を設け、しかも事前に決定した直線状の焦点位置にM個のマイクロホンを備えたことであり、他の部分は図1と同様である。なおここでは、簡単のため、事前測定した焦点位置は1本の直線上にあり、さらに設定できる焦点位置もその直線上にあると仮定したものであるが、事前測定する焦点位置と設定できる焦点位置の関係は、間が補間できる幾何学的関係にあればなんら制限されるものではない。
図2の事前遅延測定部10では、スピーカ面から事前に決定したM個(Mは2以上)の焦点位置x(mは1からM)にマイクロホンを設置し、個々のスピーカと複数の焦点位置との間の音の伝播遅延P(x)(iはスピーカ番号、mは焦点位置番号)を測定する。測定にあたっては、図11(a)に示すようにスピーカ面を形成する各スピーカ4と音源110との間に接続切り替えスイッチ111を設け、一方M個の直線な並べられたマイクロホン112の接続切り替えスイッチ113を設け、マイクロホン112の接続切り替えスイッチ113による接続切り替えごとに全スピーカ4を音源110につなぐように接続切り替えスイッチ111を一通り切り替える切り替え器114を設け、最後のスピーカ4を音源110につないだのちマイクロホン112の接続切り替えスイッチ113を次に切り替える切り替え器115を設ける。この結果、各焦点位置xの各マイクロホンごとに全スピーカ4からの距離に応じた伝播遅延P(x)が例えば図11(b)に示すように得られることになる。
図12は、事前遅延測定部10による伝播遅延P(x)の測定後、焦点位置設定部7での処理を示す。図12にてステップ121では、焦点位置xごとに伝播遅延P(x)の中でもっとも大きな伝播遅延PMAX(x)を求める。次いで、ステップ122にて焦点位置xごとにこのもっとも大きな伝播遅延PMAX(x)からそれぞれの伝播遅延P(x)を差し引き、焦点位置xごとに各スピーカに与えるべき遅延量d(x)(iはスピーカ番号、mは焦点位置番号)が決定される。ステップ123では、この遅延量d(x)を記憶し、次いで、ステップ124にて図10の入力部701にて入力され設定された焦点位置xを選択する。この後、ステップ125では、予め設定したM個の焦点位置x(m=1〜M)の中から、設定した焦点位置xが間に入る2つの焦点位置xおよびxm+1を選択する。次に、ステップ126では、理想遅延量Δt(x)を、各スピーカから焦点位置xまでの間の実測に基づく遅延量d(x)に応じて、次式によって補間で求める。
Figure 2006067310
ここで、Lは焦点位置xm+1と焦点位置xとの間の距離であり、Dは焦点位置xと焦点位置xとの間の距離である。この理想遅延量Δt(x)は、図10に示す遅延パラメータ設定部8での処理Δt(x)に相当する。
また、ステップ124による焦点位置xの選択後、第1実施形態で述べた焦点位置xとi番目のスピーカとの距離をr(x)を計算し(ステップ127)、ステップ128にて第1実施形態にて述べたスピーカ音量r/rとして設定される。このr/rは、図10の音量設定部9に相当する。
このようにして、演算器の少ないオールパスフィルタ6の係数を焦点位置から容易に求めることができ、この結果サンプリング周期以内の遅延量を少ない演算にて得ることができる。
これまでの説明は、焦点位置xをスピーカ面に対して1本の直線上に設定した例につき述べてきたが、音像の焦点位置は3次元空間内の任意の点にて選択可能であり、スピーカ面を形成する複数のスピーカのアレイ配置あるいは面配置と相俟って、スピーカ面に対する多数本の直線を想定することにより、3次元空間内の任意の点での焦点位置を設定することができる。
またこれまで説明した上述の構成の各機能は、コンピュータにて実現可能なプログラムにて記載することができる。
本発明の第1実施形態のブロック図である。 本発明の第2実施形態のブロック図である。 従来例のブロック図である。 遅延量と焦点位置との関係を示す線図である。 1時刻追加時の時間波形図である。 1時刻削除時の時間波形図である。 FIRフィルタの構成図である。 FIRフィルタ係数の特性線図である。 本発明のオールパスフィルタの二つの例の構成図である。 図1、図2の部分的拡大図である。 第2実施形態の伝播遅延の測定図である。 第2実施形態の処理フロー図である。

Claims (9)

  1. 音響信号を再生する複数個のスピーカを有し、各スピーカの前段に備えられて、前記音響信号をサンプリング間隔にて遅延させる遅延部とこのサンプリング間隔以内の時間にて遅延させるオールパスフィルタとの直列体を有することを特徴とする立体音響再生装置。
  2. 上記遅延部はサンプリング間隔毎の遅延量を変化させ、上記オールパスフィルタはサンプリング間隔以内の時間を制御する係数を変化させることを特徴とする請求項1に記載の立体音響再生装置。
  3. 上記オールパスフィルタの伝達関数H(z)は、
    Figure 2006067310
    であることを特徴とする請求項2に記載の立体音響再生装置。ここで、αは、0から1までの値を採る係数である。
  4. 複数のスピーカ配列によるスピーカ面からの焦点位置をx、この焦点位置xとi番目のスピーカ(iは1からN)との距離をr(x)、焦点位置xから一番遠い位置にあるスピーカまでの距離をr(x)、i番目のスピーカに与えたい理想遅延量Δt(x)を
    Figure 2006067310
    とし、各遅延部に与える遅延量d(x)をd(x)=int[Δt(x)]とした場合、上記オールパスフィルタの係数αiを理想遅延量Δt(x)と遅延量d(x)とにより決定し、この決定したオールパスフィルタの係数αiと遅延量d(x)を上記オールパスフィルタ及び遅延器に入力する遅延パラメータ設定部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の立体音響再生装置。ここで、fsは装置のサンプリング周波数、cは当該空間での音速であり、int[]は、整数値化する関数である。
  5. 各オールパスフィルタの係数αは、α(x)=1−(Δt(x)−d(x))によって与えられることを特徴とする請求項4に記載の立体音響再生装置。
  6. 予め各スピーカから焦点位置までの間で実測した伝播遅延時間に応じて決定した理想遅延量に基づき、各遅延部に与える遅延量と各オールパスフィルタ係数を計算する遅延パラメータ設定部を有することを特徴とする請求項2に記載の立体音響再生装置。
  7. 上記遅延パラメータ設定部は、
    理想遅延量Δt(x)を、予めM個(Mは2以上の自然数)の焦点位置x(mは1からM)に対して、各スピーカから焦点位置までの間で実測した遅度量d(x)に応じて、
    Figure 2006067310
    によって補間で求め、これに基づいて、各遅延部に与える遅延畳を
    (x)=int[Δt(x)]
    とし、さらに各オールパスフィルタ係数を
    α(x)=1−(Δt(x)−d(x))
    とすることを特徴とする請求項6に記載の立体音響再生装置。
    ただし、Lは焦点位置xm+1と焦点位置xとの間の距離であり、Dは焦点位置xと焦点位置xとの間の距離である。
  8. 各スピーカの音量を焦点から遠い位置にあるスピーカ程小さくする音量設定部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の立体音響再生装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の装置が有する機能をコンピュータにて実現させるための再生プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010114493A (ja) * 2008-11-04 2010-05-20 Yamaha Corp 遅延時間算出装置およびプログラム
JP5709849B2 (ja) * 2010-04-26 2015-04-30 Toa株式会社 スピーカ装置及びそのフィルタ係数生成装置

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