JP2006066497A - フェライト材料、非可逆回路素子、及び無線装置 - Google Patents

フェライト材料、非可逆回路素子、及び無線装置 Download PDF

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Abstract

【課題】38GHzのミリ波帯での磁気損失が小さいフェライト材料、及び該フェライト材料を使用して製造された自己バイアス型の非可逆回路素子、及び該非可逆回路素子が搭載された車載レーダ等の無線装置を提供する。
【解決手段】フェライト基板3が、一般式{(Sr1-xBax)O・aMeO・b(Fe1-y}(ただし、MeはCo、Ni、Cu、Mn及びZnの中から選択された1種以上、MはSn、In、及びZrの中から選択された1種以上を示す)を主成分とし、かつ主要相がW型六方晶結晶構造であり、前記a、b、x、及びyが、それぞれ2<a≦3、7≦b<8、0≦x≦1、0<y≦0.40とされている。また、前記bと前記aとの比b/aが、2.3≦b/a<4.0である。さらに不可避不純物としてMn及びZrのうちのいずれか一方を含有されると共に、前記Mn及びZrの含有量総計が、1.5重量%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は非可逆回路素子用フェライト材料、非可逆回路素子、及び無線装置に関し、特に、38GHzのミリ波帯での使用に好適なフェライト材料、該フェライト材料を使用して形成されたアイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子、及び該非可逆回路素子を備えた無線装置に関する。
ミリ波帯車載レーダは、レーザ方式に比べ、波長の短いミリ波を使用していることから、雨や霧、雪等の悪天候下においても、距離測定性能が低下しにくく、車間距離自動制御システムや衝突被害軽減システムのキーデバイスとして最近注目を集めている。
ところで、ミリ波帯車載レーダには76GHzの周波数帯域が割り当てられており、この車載レーダには電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator;以下、「VCO」という。)が搭載されて発振周波数(38GHz)が制御され、このVCOを安定的に発振させるために非可逆回路素子(アイソレータ)が組み込まれている。
前記非可逆回路素子では、従来より、イットリウム鉄ガーネットYFe12(以下、「YIG」という。)に代表されるガーネット系フェライトや、MgフェライトやNiCuZnフェライトに代表されるスピネル系フェライト等のマイクロ波フェライトを使用し、希土類磁石やSrフェライト磁石等の永久磁石で前記マイクロ波フェライトに直流磁界を印加し、高周波で生じた強磁性共鳴を利用している。
すなわち、直流磁界が印加されて磁場が発生すると、高周波磁界は直流磁界の方向に向かって右回りに旋回する正円偏波と左回りに旋回する負円偏波とが生じるが、該フェライトの透磁率は正円偏波と負円偏波とで異なり、このような性質を利用して非可逆回路素子を実現している。
しかしながら、上記非可逆回路素子では、直流磁界を印加するために永久磁石を使用しているため、非可逆回路素子の低背化、小型化、低コスト化には限界がある。
一方、一軸的な磁気異方性を有するBaフェライト(BaO・6Fe)やSrフェライト(SrO・6Fe)等の六方晶系のマグネトプランバイト型フェライト(以下、「M型六方晶フェライト」という。)を使用した自己バイアス動作形の非可逆回路素子も従来から知られている。
該自己バイアス動作形の非可逆回路素子では、例えば、Baフェライトは、1.40×10kA/mの異方性磁界を有し、また、Srフェライトは、1.54×10kA/mの異方性磁界を有していることから、永久磁石を要することなく前記異方性磁界を駆動させて磁場を発生させている。
このようにM型六方晶フェライトを使用した自己バイアス動作形非可逆回路素子は、ガーネット系フェライトやスピネル系フェライトのような磁場印加用の永久磁石が不要であるため、非可逆回路素子の低背化・小型化や低コスト化の観点から有望視されている。
そして、このようなM型六方晶フェライトを使用した自己バイアス動作形の非可逆回路素子としては、非可逆回路素子としてのアイソレータを半導体チップと共にマイクロ波集積回路又はマイクロ波回路モジュール内に表面実装形式で実装した表面実装型アイソレータが提案されている(特許文献1)。
該特許文献1には、M型六方晶フェライト材料自体に内部磁界を有する特性があることから、永久磁石が不要となり、特にBaフェライトやSrフェライトからなるM型六方晶フェライトは、異方性磁界が大きく、フェライト材料として有用であるとされている。
また、他の従来技術としては、フェリ磁性体が、所定の非可逆伝送を行う高周波信号の周波数よりも高い周波数において自己共鳴する異方性磁界を有するようにしたストリップ線路接合型非可逆回路も提案されている(特許文献2)。
該特許文献2は、BaO・xAl・(1−x)Feなる組成を有するM型六方晶フェライト材料が高周波信号の所定周波数よりも高い周波数において自己共鳴する異方性磁界を有する点に着目し、図12に示すように、前記M型六方晶フェライト材料をフェリ磁性体101に使用することにより、外部磁界を与えなくとも、信号端子102に入力される高周波信号が接合部107を介して信号端子103に出力する一方、信号端子103からの高周波信号は信号端子104に接続されたチップ抵抗器105及びオープンスタブ106によって抵抗終端され、信号端子102には伝送しないようにしてアイソレータを構成している。
また、特許文献2には、M型六方晶フェライト材料としてSrO・xAl・(1−x)Feで表されるフェライト材料をフェリ磁性体101に使用した場合や、BaO・2MeO・8Fe(Meは2価の金属イオン)で表されるW型六方晶フェライトを磁性体フェリ101に使用した場合も、BaO・xAl・(1−x)Feの場合と同様の作用効果が得られる点が開示されている。
特開平11−17408号公報 特開平10−4304号公報
しかしながら、特許文献1のM型六方晶フェライトは、例えば、Baフェライトの場合、強磁性共鳴周波数のピークが30〜40GHzのミリ波帯にあり、斯かる共鳴周波数のピーク近傍で磁気損失が急増することから、38GHzのミリ波帯で使用すると磁気損失が大きくなり、低磁気損失を有する非可逆回路素子を得ることができないという問題点があった。
また、特許文献2のようにAl成分を含有したBaフェライトでは、Al成分の含有量を増加させることにより、強磁性共鳴周波数のピークを高周波側に移動させることができるが、この場合は飽和磁化が減少するため材料自体のQ特性、すなわち共振性の鋭さが悪化するという問題点があった。
内部磁界Hinは、数式(2)で表され、共鳴角周波数ωは、数式(3)で表される。
Hin=Ha−(Nt−Nz)×4πMs …(2)
ω=2πfr=γ×Hin …(3)
ここで、Haは異方性磁界(A/m)、Nzは外部磁界の印加方向の反磁界係数、Ntは外部磁界の印加方向に対し垂直方向の反磁界係数、4πMsは飽和磁化(T)、γはジャイロ定数(=2.21×10m/A・s)、frは共鳴周波数(MHz)である。
そして、Al成分の含有量を増加させると異方性磁界Haが大きくなることから、数式(2)により内部磁界Hinが大きくなり、その結果数式(3)により共鳴周波数frが大きくなって強磁性共鳴周波数のピークを高周波数側にシフトさせることができる。しかしながら、この場合、飽和磁化4πMsが減少し、このため材料自体のQ特性が悪化するという問題点があった。
また、W型六方晶フェライトを磁性体フェリに使用した場合も、強磁性共鳴周波数のピークは30〜50GHzであり、38GHzのミリ波帯での磁気損失が大きくなり、しかもこの場合は誘電損失も大きくなるという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、38GHzのミリ波帯での磁気損失が小さいフェライト材料、及び該フェライト材料を使用して製造された自己バイアス型の非可逆回路素子、及び該非可逆回路素子が搭載された車載レーダ等の無線装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究したところ、化学量論組成が組成式BaO・2MeO・8Feで表されるW型六方晶フェライトにおいて、Feの一部をSn、In、及びZrのうちの少なくとも1種で所定量置換し、かつMeをCo、Ni、Cu、Mn、及びZnのうちの少なくとも1種で構成すると共に、MeOを化学量論組成よりも所定量だけ過剰とし、かつ主要相の結晶構造をW型六方晶結晶構造とすることにより、異方性磁界Haを小さくすることができ、これにより共鳴周波数frのピークを低周波数側にシフトすることができ、その結果38GHzのミリ波帯での磁気損失が小さいフェライト材料を得ることができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係るフェライト材料は、一般式{(Sr1-xBax)O・aMeO・b(Fe1-y}(ただし、MeはCo、Ni、Cu、Mn及びZnの中から選択された1種以上、MはSn、In、及びZrの中から選択された1種以上を示す)を主成分とし、かつ主要相の結晶構造がW型六方晶構造を有し、前記a、b、x、及びyが、それぞれ2<a≦3、7≦b<8、0≦x≦1、0<y≦0.40であることを特徴としている。
また、上記フェライト材料において、b/aが2.3≦b/a<4.0の範囲にあるときは、より効果的に磁気損失を低減できる。
すなわち、本発明のフェライト材料は、前記bと前記aとの比b/aが、2.3≦b/a<4.0であることを特徴としている。
また、不純物としてフェライト素原料中に含まれるMnやZrが、フェライト材料中に混入することがあるが、斯かる不純物の含有量が1.5重量%を超えると誘電損失tanδが増大し、抵抗率ρが低下するため好ましくない。
そこで、本発明のフェライト材料は、不可避不純物としてMn及びZrのうちのいずれか一方を含有すると共に、Mn及びZrの含有量総計が1.5重量%以下であることを特徴としている。
また、本発明に係る非可逆回路素子は、前記フェライト材料で形成されたフェライト部材を備えていることを特徴としている。
さらに、本発明に係る無線装置は、上記非可逆回路素子を備えていることを特徴としている。
以上詳述したように本発明に係るフェライト材料は、一般式{(Sr1-xBax)O・aMeO・b(Fe1-y}(ただし、MeはCo、Ni、Cu、Mn及びZnの中から選択された1種以上、MはSn、In、及びZrの中から選択された1種以上を示す)を主成分とし、かつ主要相の結晶構造がW型六方晶構造を有し、前記a、b、x、及びyが、それぞれ2<a≦3、7≦b<8、0≦x≦1、0<y≦0.40であるので、異方性磁界Haを小さくすることができ、強磁性共鳴周波数のピークを低周波数側にシフトすることができる。そして、これにより38GHz帯で使用しても磁気損失の小さなフェライト材料を得ることが可能となる。
また、本発明のフェライト材料は、前記bと前記aとの比b/aが、2.3≦b/a<4.0であるので、38GHzのミリ波帯での磁気損失を効果的に低減することができる。
また、本発明のフェライト材料は、不可避不純物としてMn及びZrのうちのいずれか一方を含有すると共に、Mn及びZrの含有量総計が1.5重量%以下であるので、誘電損失tanδが増大したり、抵抗率ρの低下を招くこともなく、磁気損失の小さいフェライト材料を得ることができる。
また、本発明に係る非可逆回路素子は、上記フェライト材料を使用して形成されたフェライト部材を備えているので、38GHzのミリ波帯での磁気損失が小さい非可逆回路素子を得ることが可能となる。しかも、上記フェライト材料は、異方性磁界Haを使用して駆動させることができるので、永久磁石を必要とせず、小型化・低背化や低コスト化が可能となる。
また、本発明に係る無線装置は、上記非可逆回路素子を備えているので、38GHzのミリ波帯での磁気損失が小さく、所望の非可逆性を有する自己バイアス形の非可逆回路素子を具備した小型化・低背化や低コスト化がなされた車載レーダ等の無線装置を得ることが可能となる。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
本発明に係るフェライト材料は、下記一般式〔A〕で表される組成成分を主成分とし、主要相の結晶構造がW型六方晶構造とされている。
(Sr1-xBax)O・aMeO・b(Fe1-y…〔A〕
ただし、MeはCo、Ni、Cu、Mn及びZnの中から選択された1種以上、MはSn、In、及びZrの中から選択された1種以上を示している。
また、前記a、b、x、yは、それぞれ2<a≦3、7≦b<8、0≦x≦1、0<y≦0.40を充足するように調製されている。
ここで、aを2<a≦3、及びbを7≦b<8としたのは以下の理由による。
Co、Ni、Cu、Mn及びZnのうちの少なくとも1種以上を含む金属酸化物を含有し、かつFeの一部がSn、In、及びZrの少なくとも1種以上で置換されたW型六方晶構造を有するフェライト材料は、M型六方晶構造のフェライト材料に比べ、異方性磁界Haが小さく、飽和磁化4πMsは略同等であるので、フェライト材料のQ特性を損なうことなく、共鳴周波数のピークを低周波数側にシフトさせることができ、これにより38GHzのミリ波帯での磁気損失を低減させることが可能となる。
しかしながら、aが2及びbが8となってフェライト材料の結晶構造がW型六方晶構造の化学量論組成となると、38GHzのミリ波帯での磁気損失が大きくなり、所期の目的を達成することができない。
一方、aが3を超えかつbが7未満になると、Feが過少となるため、磁気異方性を示さなくなる。
そこで、本実施の形態では、aが2<a≦3、かつbが7≦b<8となるように組成成分を配合している。
また、yを0<y≦0.40としたのは以下の理由である。
yが0の場合は、フェライト材料中にSn、In、又はZrが含有されなくなって異方性磁界Haを低減させることができず、したがって強磁性共鳴周波数のピークを低周波数側にシフトさせることができないため、38GHzのミリ波帯での磁気損失を低減することができない。
一方、yが0.40を超えると、Feが過少となるため、磁気異方性を示さなくなる。
そこで、本実施の形態では、yが0<y≦0.40となるように組成成分を配合している。
尚、xを0≦x≦1としたのは、フェライト材料中にBaO及びSrOのいずれかを含有させる主旨である。
このように本実施の形態のフェライト材料は、一般式〔A〕で示されるフェライト材料が、2<a≦3、7≦b<8、0≦x≦1、0<y≦0.40を満足しているので、異方性磁界Haが小さくなって強磁性共鳴周波数のピークが低周波数側にシフトし、その結果38GHzのミリ波帯での磁気損失を小さくすることができる。
特に、b/aが2.3≦b/a<4.0の範囲となるように調製することにより、MeOと(Fe,M)との配合バランスが良好となり、38GHzのミリ波帯での磁気損失をより効果的に低減することができる。
また、フェライト素原料に不純物として含まれるMn及びZrがフェライト材料中に混入してしまうおそれがあるが、Mn及びZrの含有量総計が、1.5重量%を超えると、誘電損失tanδの増大や抵抗率ρの低下を招き、その結果、渦電流損が大きくなって伝送特性が悪化するおそれがある。
したがって、不可避不純物として含まれるMn及びZrの含有量総計を1.5重量%以下に制御するのが好ましい。
また、フェライト素原料からの不純物として、0.07重量%未満の微量のCl、Ni、Zn、Mg、S、Cr、Bi等が混入したり、或いは混合処理過程で不純物として0.8重量%未満の微量のZrやSiが混入することがあるが、特性上影響を受けることはない。
次に、上記フェライト材料を使用した非可逆回路素子について述べる。
図1は、本発明に係る非可逆回路素子の一実施の形態(第1の実施の形態)としての集中定数形サーキュレータを模式的に示した斜視図である。
該集中定数形サーキュレータは、マイクロストリップ線路1a、1b、1cが互いに120℃間隔となるように交叉状に形成され、かつ、これらマイクロストリップ線路1a、1b、1cの上下両面は絶縁体層2を介して上記フェライト材料で形成されたフェライト基板3と接触している。そして、マイクロストリップ線路1a、1b、1cの端子部1a′、1b′、1c′には不図示のコンデンサが取り付けられ、フェライト基板3の有するインダクタンスと前記コンデンサとで共振周波数を調整している。
本第1の実施の形態では、例えば、マイクロストリップ線路1aに電流を流すと、フェライト基板3にはマイクロストリップ線路1a、1b、1cにより形成される交叉回路により一様な回転磁界が形成される。そして、フェライト基板3が上記フェライト材料で形成されているので、38GHzのミリ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有するサーキュレータを得ることが可能となる。しかも、フェライト材料は、異方性磁界Haにより駆動させているので、永久磁石等の外部磁界を必要とすることなく、サーキュレータの小型・低背化や低コスト化を図ることができる。
図2(a)は非可逆回路素子の第2の実施の形態としてのストリップ線路Y接合形サーキュレータであり、図2(b)は図2(a)のA−A矢視図である。
本第2の実施の形態では、ストリップ線路4の分岐路4a、4b、4cが円形状の中心部4dでY字状に接合されており、さらに前記分岐路4a、4b、4cには補正用のコンデンサ部5a、5b、5cが形成されている。そして、前記中心部4dの上下両面にはフェライト基板6が設けられると共に、該フェライト基板6が挟持状となるように分岐路4a、4b、4cの上下両面には外部導体7a、7bが設けられている。
そして、例えば、TM110モードで共振する場合、分岐路4aに入力された高周波磁界は、フェライト基板6を通過する際に矢印で示すように偏波面が回転し、分岐路4bにのみ出力され、サーキュレータを形成する。
本第2の実施の形態でも、フェライト基板6が上記フェライト材料で形成されているので、38GHzのミリ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化がなされたサーキュレータを得ることが可能となる。
図3は非可逆回路素子の第3の実施の形態としてのフェライト基板サーキュレータであって、フェライト基板9の表面にY字状のストリップ線路10が形成されている。そして、本第3の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様、例えば、TM110モードで共振する場合、分岐路10aに入力された高周波磁界は、フェライト基板9上を偏波面が回転し、分岐路10bにのみ出力され、サーキュレータを形成する。
本第3の実施の形態でも、フェライト基板9が上記フェライト材料で形成されているので、38GHzのミリ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化がなされたサーキュレータを得ることが可能となる。
図4は非可逆回路素子の第4の実施の形態としての導波管形サーキュレータを模式的に示した斜視図であって、本第4の実施の形態では、Y字状の導波管11のY分岐の中心部に円柱状のフェライト柱12が挿入されており、上記第2及び第3の実施の形態と略同様に動作し、サーキュレータを形成する。そして、フェライト柱12が上記フェライト材料で形成されているので、38GHzのミリ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化がなされたサーキュレータを得ることが可能となる。
図5(a)は非可逆回路素子の第5の実施の形態としての非放射性誘電体線路Y型サーキュレータを模式的に示した斜視図であり、図5(b)は図5(a)のB−B断面図である。尚、図5(a)では上下一対の金属板を省略している。
本第5の実施の形態では、誘電体ストリップ13a、13b、13cが互いに等間隔で120°に配設されると共に、一対の円盤状フェライト基板14a、14bが誘電体ストリップ13a、13b、13cの一方の端部により挟持され、さらに、誘電体ストリップ13a、13b、13c及びフェライト基板14a、14bの上下両面に平板状の金属板15a、15bが設けられている。そして、フェライト基板14a、14bにより共振器を構成し、HE11δモードで共振する。
本第5の実施の形態でも、フェライト基板14a、14bが上記フェライト材料で形成されているので、38GHzのミリ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化がなされたサーキュレータを得ることが可能となる。
図6は非可逆回路素子の第6の実施の形態としてのファラデー回転形アイソレータを模式的に示した斜視図であって、該ファラデー回転形アイソレータは、支持誘電体16に挿通されたフェライト棒17と抵抗板18a、18bとが導波管19内に収容されている。
そして、例えば、矢印C方向からのTE10モードの入力信号は方形−円形変換器20aによりTE11モードに変換される。入力信号の電界は抵抗板18aに垂直であるので吸収されずにフェライト棒17に到達し、正負の円偏波に分解され、正円偏波と負円偏波との透磁率差Δμが位相定数の差となって偏波面が角度θだけ回転する。そして、その結果、フェライト棒17を通過した入力信号は、抵抗板18bと平行となり、入力信号は吸収される。
一方、矢印D方向からのTE10モードの入力信号は方形−円形変換器20bによりTE11モードに変換される。そして、入力信号の電界は抵抗板18bに垂直であるので吸収されずにフェライト棒17に到達し、正負の円偏波に分解され、偏波面が角度θだけ回転する。フェライト棒17を通過した入力信号は抵抗板18aと垂直となり導波管19から出力され、これにより矢印D方向へのアイソレータが形成される。
そして、本第6の実施の形態でも、フェライト棒17が上記フェライト材料で形成されているので、38GHzのミリ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化がなされたアイソレータを得ることが可能となる。
図7は非可逆回路素子の第7の実施の形態としてのペリファリ・モード形アイソレータを模式的に示した斜視図であって、該第7の実施の形態は、上記フェライト材料で形成されたフェライト基板21の表面に略台形状のストリップ線路22が形成され、さらに、一部がストリップ線路22の端部と重畳するようにフェライト基板21の表面に抵抗体23が形成されている。
そして、端子24aに高周波信号が入力すると、高周波磁界はファラデー効果により矢印Eに示すように、ストリップ線路22の一方の端部を伝播して出力側に進んでゆき、端子24bから出力する。一方、端子24bに高周波信号が入力すると、抵抗体23の方向に捩れて進行し、高周波信号は抵抗体23により吸収され、これによりアイソレータを形成している。
そして、本第7の実施の形態でも、フェライト基板21が上記フェライト材料で形成されているので、38GHzのミリ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化がなされたアイソレータを得ることが可能となる。
図8(a)(b)は非可逆回路素子の第8の実施の形態としての導波管共鳴形アイソレータを模式的に示す斜視図であって、フェライト棒26a〜26cが方形状の導波管25の所定位置に挿入されている。
本第8の実施の形態では、導波管25を基本モード、すなわちTE10モードで伝搬する場合、特定位置で高周波磁界は回転し、円偏波となる。そして円偏波には正の円偏波と負の円偏波とがあり、一方の円偏波、例えば正の円偏波が大きな磁気損失として作用する場合、他方の円偏波、例えば負の円偏波は減衰を受けることなく通過する。
そこで、図8(a)(b)に示すように、円偏波が発生する特定位置にフェライト棒26a〜26cを挿入することによってアイソレータを形成することができる。
本第8の実施の形態でも、フェライト棒26a〜26cが上記フェライト材料で形成されているので、38GHzの周波数帯域での磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化がなされたアイソレータを得ることが可能となる。
図9は非可逆回路素子の第9の実施の形態としての十字ストリップ線路共鳴型アイソレータである。
該第9の実施の形態では、誘電体29a、29bの一方の面に接地導体27a、27bが形成されると共に、誘電体29の略中央部には円柱状のフェライト柱28が埋設され、ストリップ線路30が誘電体29a、29bに挟着されている。また、ストリップ線路30は整合用のコンデンサ部31を有すると共に、フェライト柱28と当接可能となるように、ストリップ線路30上にはλ/4共振器32が形成されている。そして、本第9の実施の形態では、ストリップ線路30とλ/4共振器32との交点で円偏波が生じるので、図8と同様の動作原理によりアイソレータが形成される。
本第9の実施の形態でも、フェライト柱28が上記フェライト材料で形成されているので、38GHzのミリ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化がなされたアイソレータを得ることが可能となる。
図10は本発明に係る無線装置の一実施の形態を示すシステム構成図であって、31は図6〜図9で示されたアイソレータであり、32は図1〜図5で示されたサーキュレータである。
すなわち、本無線装置は、変調信号が、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)33に入力されると、アイソレータ31を経てカプラ34に入力され、変調信号はカプラ34によりサーキュレータ32とミキサ36とに分割され、サーキュレータ32に入力された変調信号はアンテナ35から送信される。
一方、アンテナ35に入力された受信信号はサーキュレータ32を経てミキサ36に入力され、カプラ34からの変調信号とミキシングされ、受信周波数が引き下げられてIF信号(Intermediate Frequency:中間周波数)を得ている。
本実施の形態では、上述したアイソレータ及びサーキュレータを使用しているので、38GHz帯で使用するVCO33が搭載された車載レーダ(76GHz)においても、磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型・低背化や低コスト化が可能な無線装置を得ることが可能となる。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
表1の組成を有する一般式{(Ba1-xSr)O・aMeO・b(Fe1-ySn}からなるフェライト材料を作製した。
すなわち、フェライト素原料としてBaCO、SrCO、Fe、NiO、CuO、MnO、ZnO、SnOを用意し、これらフェライト素原料を、2.00≦a≦3.05、6.95≦b≦8.00、2.28≦b/a≦4.00、0≦x≦1.00、0≦y≦0.45となるように秤量して調合し、ボールミルで湿式混合した後、大気中で仮焼し、その後湿式粉砕して、比表面積が約5m/gの仮焼粉末を作製した。
次いで、この仮焼粉末を酢酸ビニル系バインダと混練してスラリーとし、このスラリーを磁場中で脱水成形し、その後大気中で焼成して焼結体を作製し、一般式{(Ba1-xSr)O・aMeO・b(Fe1-ySn}で表される試料番号1〜28のフェライト材料を得た。
次に、これら各試料の飽和磁化Ms、異方性磁界Ha、共鳴周波数frを測定し、さらに半値幅ΔHを測定して磁気損失を評価した。
ここで、飽和磁化MsはVSM(試料振動型磁化測定装置)で測定した。
また、異方性磁界Haは以下のようにして求めた。すなわち、まず、ネットワークアナライザを使用し、反磁界係数Nt、Nzが既知試料の共鳴各周波数ω(=2πfr:frは共鳴周波数)を外部磁界なしで測定し、数式(4)に基づいて異方性磁界Haを算出した。
ω=γ・(Ha−(Nt−NZ)・Ms)…(4)
ここで、γはジャイロ定数(=2.21×10m/A・s)である。
また、半値幅ΔHは空洞共振器を使用して測定した。
そして、図11に示すように磁気損失μは、内部磁界Hinに対し、ローレンツ形の分布曲線になることが知られており、磁気損失が小さいと最大磁気損失μmaxの1/2である共鳴ピークの半値幅ΔHも小さくなることから、本実施例では半値幅ΔHで磁気損失を評価した。
表1は各試料番号の組成成分と、飽和磁化4πMs、異方性磁界Ha、共鳴周波数fr、及び半値幅ΔHを示している。
Figure 2006066497
試料番号1、14、19、及び24は、aが2.00、bが8.00であり、フェライト材料の組成がW型六方晶構造の化学量論組成であるので、半値幅ΔHが10〜11×10(A/m)と大きく、磁気損失が大きくなることが分かった。
試料番号5、18、23、及び28は、aが3.05、bが6.95となってFeの含有モル量が過少となり、このため飽和磁化4πMsが0となって磁気異方性を示さなくなった。
試料番号9は、yが0となってフェライト材料中にSnが含有されていないため、異方性磁界Haが12×10(A/m)と大きく、このため共鳴周波数も37.3GHzと大きくなって低周波数側にシフトさせることができず、半値幅ΔHが20×10(A/m)と大きく、磁気損失が大きくなることが分かった。
試料番号13は、yが0.45となってFeの含有モル量が過少となり、このため飽和磁化4πMsが0となって磁気異方性を示さなくなった。
これに対して試料番号2〜4、6〜8、10〜12、15〜17、20〜22、及び25〜27は、2.05≦a≦3.00、7.00≦b≦7.95、0.10≦y≦0.40であり、本発明範囲内であるので、異方性磁界Haが5.1〜8.1×10(A/m)と小さく、このため共鳴周波数frを15.0〜28.9GHzと30GHz以下の低周波数側にシフトさせることができ、これにより半値幅ΔHも4〜7×10(A/m)と小さくなり、磁気損失を低減できることが分かった。
また、b/aは2.33≦b/a≦3.88の範囲にあり、したがって2.3≦b/a<4の範囲で良好な結果が得られることが確認された。
尚、本発明の試料番号2〜4、6〜8、10〜12、15〜17、20〜22、及び25〜27について、X線回折分析装置を使用して主要相の結晶構造を分析したところ、W型六方晶構造を有していることが確認された。
〔実施例1〕におけるSnOに代えてInを使用した以外は、〔実施例1〕と同様の方法・手順で表2の組成を有する一般式{(Ba1-xSr)O・aMeO・b(Fe1-yIn}からなる試料番号31〜58のフェライト材料を作製した。
次に、〔実施例1〕と同様の方法でこれら各試料の飽和磁化Ms、異方性磁界Ha、共鳴周波数frを測定し、さらに半値幅ΔHを測定して磁気損失を評価した。
表2は各試料番号の組成成分と、飽和磁化4πMs、異方性磁界Ha、共鳴周波数fr、及び半値幅ΔHを示している。
Figure 2006066497
この表2から明らかなように〔実施例1〕の表1と略同様の結果を得た。
すなわち、試料番号31、44、49、及び54は、aが2.00、bが8.00であり、フェライト材料の組成がW型六方晶構造の化学量論組成であるので、半値幅ΔHが12〜13×10(A/m)と大きく、磁気損失が大きくなることが分かった。
試料番号35、48、53、及び58は、aが3.05、bが6.95となってFeの含有モル量が過少となり、このため飽和磁化4πMsが0となって磁気異方性を示さなくなった。
試料番号39は、yが0となってフェライト材料中にInが含有されていないため、異方性磁界Haが12.0×10(A/m)と大きく、このため共鳴周波数も38.0GHzと大きくなって低周波数側にシフトさせることができず、半値幅ΔHは20×10(A/m)と大きく、磁気損失が大きくなることが分かった。
試料番号43は、yが0.45となってFeの含有モル量が過少となり、このため飽和磁化4πMsが0となって磁気異方性を示さなくなった。
これに対して試料番号32〜34、36〜38、40〜42、45〜47、50〜52、及び55〜57は、2.05≦a≦3.00、7.00≦b≦7.95、0.10≦y≦0.40であり、本発明範囲内であるので、異方性磁界Haが5.0〜8.2×10(A/m)と小さく、このため共鳴周波数frを15.0〜28.8GHzと30GHz以下の低周波数側にシフトさせることができ、これにより半値幅ΔHも4〜7×10(A/m)と小さくなり、磁気損失を低減できることが分かった。
また、b/aは2.33≦b/a≦3.88の範囲にあり、したがって2.3≦b/a<4の範囲で良好な結果が得られることが確認された。
尚、本発明の試料番号32〜34、36〜38、40〜42、45〜47、50〜52、及び55〜57について、X線回折分析装置を使用して主要相の結晶構造を分析したところ、W型六方晶構造を有していることが確認された。
〔実施例1〕におけるSnOに代えてZrOを使用した以外は、〔実施例1〕と同様の方法・手順で表3の組成を有する一般式{(Ba1-xSr)O・aMeO・b(Fe1-yZr}からなる試料番号61〜88のフェライト材料を作製した。
次に、〔実施例1〕と同様の方法でこれら各試料の飽和磁化Ms、異方性磁界Ha、共鳴周波数frを測定し、さらに半値幅ΔHを測定して磁気損失を評価した。
表3は各試料番号の組成成分と、飽和磁化4πMs、異方性磁界Ha、共鳴周波数fr、及び半値幅ΔHを示している。
Figure 2006066497
この表3から明らかなように〔実施例1〕の表1と略同様の結果を得た。
すなわち、試料番号61、74、79、及び84は、aが2.00、bが8.00であり、フェライト材料の組成がW型六方晶構造の化学量論組成であるので、半値幅ΔHが11〜13×10(A/m)と大きく、磁気損失が大きくなることが分かった。
試料番号65、78、83、及び88は、aが3.05、bが6.95となってFeの含有モル量が過少となり、このため飽和磁化4πMsが0となって磁気異方性を示さなくなった。
試料番号69は、yが0となってフェライト材料中にZrが含有されていないため、異方性磁界Haが12.0×10(A/m)と大きく、このため共鳴周波数も38.5GHzと大きくなって低周波数側にシフトさせることができず、半値幅ΔHは20×10(A/m)と大きく、磁気損失が大きくなることが分かった。
試料番号73は、yが0.45となってFeの含有モル量が過少となり、このため飽和磁化4πMsが0となって磁気異方性を示さなくなった。
これに対して試料番号62〜64、66〜68、70〜72、75〜77、80〜82、及び85〜87は、2.05≦a≦3.00、7.00≦b≦7.95、0.10≦y≦0.40であり、本発明範囲内であるので、異方性磁界Haが4.9〜8.2×10(A/m)と小さく、このため共鳴周波数frを14.9〜28.3GHzと30GHz以下の低周波数側にシフトさせることができ、これにより半値幅ΔHも4〜7×10(A/m)と小さくなり、磁気損失を低減できることが分かった。
また、b/aは2.33≦b/a≦3.88の範囲にあり、したがって2.3≦b/a<4の範囲で良好な結果が得られることが確認された。
尚、本発明の試料番号62〜64、66〜68、70〜72、75〜77、80〜82、及び85〜87について、X線回折分析装置を使用して主要相の結晶構造を分析したところ、W型六方晶構造を有していることが確認された。
このように〔実施例1〕〜〔実施例3〕から、Feの一部をSn、In、又はZrで置換し、2<a≦3、7≦b<8、0<y≦0.40の範囲となるように成分組成を配合することにより、共鳴周波数frを低周波数側にシフトさせることができ、これにより38GHzのミリ波帯での磁気損失を低減できることが確認された。
CoOを用意し、〔実施例1〕の試料番号3、〔実施例2〕の試料番号33、及び〔実施例3〕の試料番号63のNiの一部をCoで置換した一般式{(Ba1-xSr)O・aMeO・7.60(Fe0.900.10}(ただし、MeはNi及びCo、MはSn、In、又はZr)からなる試料番号91〜96のフェライト材料を作製した。
次に、〔実施例1〕と同様の方法でこれら各試料の飽和磁化Ms、異方性磁界Ha、共鳴周波数frを測定し、さらに半値幅ΔHを測定して磁気損失を評価した。
表4は各試料番号の組成成分と、飽和磁化4πMs、異方性磁界Ha、共鳴周波数fr、及び半値幅ΔHを示している。
Figure 2006066497
この表4の試料番号91〜96から明らかなように、NiとCoとの配合量により異方性磁界Ha及び共鳴周波数frは変動するものの、半値幅ΔHは7.0〜7.6×10(A/m)と小さく、磁気損失を低減できることが分かった。
〔実施例1〕の試料番号3のNiの一部をZn、Cu、Mnで置換した一般式{(Ba1-xSr)O・aMeO・7.60(Fe0.90Sn0.10}(ただし、MeはNi、及びZn、Cu、Mnのいずれか1種)からなる試料番号101〜106のフェライト材料を作製した。
次に、〔実施例1〕と同様の方法でこれら各試料の飽和磁化Ms、異方性磁界Ha、共鳴周波数frを測定し、さらに半値幅ΔHを測定して磁気損失を評価した。
表5は各試料番号の組成成分と、飽和磁化4πMs、異方性磁界Ha、共鳴周波数fr、及び半値幅ΔHを示している。
Figure 2006066497
この表5の試料番号101〜106から明らかなように、Niと、Zn、Cu、又はMnとの配合量により異方性磁界Ha及び共鳴周波数frは変動するものの、半値幅ΔHは7.0〜7.4×10(A/m)と小さく、磁気損失を低減できることが分かった。
〔実施例1〕の試料番号3について、意図的にMnO及びZrOを添加し、試料番号111〜116のフェライト材料を作製した。
すなわち、フェライト素原料としてBaCO、SrCO、Fe、NiO、Inを用意し、これらフェライト素原料を、aが2.40、bが7.60、(b/aは4.00)、xが0.25、yが0.10となるように秤量して調合し、ボールミルで湿式混合した後、大気中で仮焼し、その後、所定量のMnO及びZrOを添加して湿式粉砕し、比表面積が約5m/gの仮焼粉末を作製した。
次いで、この仮焼粉末にを酢酸ビニル系バインダと混練してスラリーとし、このスラリーを磁場中で脱水成形し、その後大気中で焼成して焼結体を作製し、一般式{(Ba0.75Sr0.25)O・2.40NiO・7.60(Fe0.90Sn0.10}で表される試料番号111〜116のフェライト材料を得た。
次に、各試料番号111〜116のフェライト材料について、ICP(誘導結合プラズマ発光分析装置)で質量分析を行い、各フェライト材料中のMn及びZrの含有量を算出した。
また、インピーダンスアナライザで誘電損失tanδを測定し、さらに、高抵抗測定器を用いて四端子法で比抵抗率ρを測定した。
表6はその測定結果である。
Figure 2006066497
この表6から明らかなように試料番号116は、Mn及びZrの含有量総計が1.52重量%であり、1.50重量%を超えているため、誘電損失tanδが27×10-4と大きく、抵抗率ρも5.9×108Ω・mと低下することが分かった。
これに対し試料番号111〜115は、Mn及びZrの含有量総計が1.50重量%以下であるため、誘電損失tanδが1〜8×10-4と小さく、抵抗率ρも8.2×1011〜6.5×1013Ω・mと良好であることが分かった。
本発明に係る非可逆回路素子の第1の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の第2の実施の形態を示す正面図(a)及び要部平面図(A−A矢視図)である。 本発明に係る非可逆回路素子の第3の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の第4の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の第5の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の第6の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の第7の実施の形態を示す平面図である。 本発明に係る非可逆回路素子の第8の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の第9の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係る無線装置の一実施の形態を示すシステム構成図である。 本発明に係るフェライト材料の磁気共鳴半値幅を示す図である。 特許文献2に記載された非可逆回路の斜視図である。
符号の説明
3 フェライト基板
6 フェライト基板
9 フェライト基板
12 フェライト柱
14a、14b フェライト基板
17 フェライト棒
21 フェライト基板
26a〜26c フェライト基板
28 フェライト柱
31 アイソレータ
32 サーキュレータ

Claims (5)

  1. 一般式{(Sr1-xBax)O・aMeO・b(Fe1-y}(ただし、MeはCo、Ni、Cu、Mn及びZnの中から選択された1種以上、MはSn、In、及びZrの中から選択された1種以上を示す)を主成分とし、かつ主要相の結晶構造がW型六方晶構造を有し、前記a、b、x、及びyが、それぞれ
    2<a≦3、
    7≦b<8、
    0≦x≦1、
    0<y≦0.40
    であることを特徴とするフェライト材料。
  2. 前記bと前記aとの比b/aが、2.3≦b/a<4.0であることを特徴とする請求項1記載のフェライト材料。
  3. Mn及びZrのうちのいずれか一方を含有されると共に、前記Mn及びZrの含有量総計が、1.5重量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフェライト材料。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフェライト材料で形成されたフェライト部材を備えていることを特徴とする非可逆回路素子。
  5. 請求項4記載の非可逆回路素子を備えていることを特徴とする無線装置。
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