JP2006062270A - 接合構造、接合方法及び接合装置 - Google Patents

接合構造、接合方法及び接合装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な装置構成で、接着形態等にかかわらず硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減し、経時変化による部品の位置ずれを回避することができる接合構造、接合方法及び接合装置を提供する。
【解決手段】被接着物1と接着物2をエネルギー硬化型接着剤3によって接合するときに、所定の密度勾配を持たせて気泡4を接着領域内に充填し、硬化プロセスの進度を接着領域内で段階的に変化させた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、被接着物に接着物を接着するための接合構造、接合方法及び接合装置に関し、特に、接着形態等にかかわらず硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減することができる接合構造、接合方法及び接合装置に関する。
従来、部品間を接合する構造において、被接着物に接着物を接着する接着剤としては、熱硬化型や光硬化型等のエネルギー硬化型接着剤が知られており、この中にはいくつかの性質を兼ね備えたものもある。これらのエネルギー硬化型接着剤は、反応速度が速く硬化時間が短くてすむことから、生産工程の効率化を図る目的で様々な分野で利用されている。
ところで、このエネルギー硬化型接着剤では、硬化する際に体積収縮(硬化収縮)が起こり、この硬化収縮に伴って応力(硬化収縮力)が発生する。一般に、アクリル系紫外線硬化型樹脂では5〜10%、エポキシ系紫外線硬化型樹脂では2〜5%程度硬化収縮し、この硬化収縮量に比例して硬化収縮力が発生する。この硬化収縮力による影響は接着強度的には僅かな低下しかなくても、硬化後に内部残留応力として存在すると、経時変化として内部残留応力が開放され、初期の接着位置を保持できなくなり、精密組立の機能を阻害する可能性がある。
このような問題を回避するために、例えば特許文献1〜6に示す技術が提案されている。特許文献1では、接着剤の粘度を低下させ、加圧して、接着剤層を薄く且つ均一にすることにより、接着剤の硬化収縮や温度変化による体積変化を小さく均一に起こるように工夫する技術を開示している。また、特許文献2には、平均粒径10μm以下の酸化物セラミック微粒子を添加して接着剤そのものの硬化収縮や温度変化による体積変化が小さくなるように工夫する技術が示されている。
また、特許文献3には、複数のレンズを接合する接着剤の硬化収縮に伴う接合層の収縮に追従してレンズの少なくとも一方を押圧しながら接合し、収縮に起因した応力を低減するとする技術が提案されている。また、特許文献4には、光硬化性樹脂にレーザ光を照射して硬化断面層を形成し、これを積層して三次元形状を造形する三次元造形方法において、レーザ光を断面形状の略重心から外側に向けてリング状に走査することにより、硬化収縮に伴う内部応力の偏りを無くし、変形を防止するという技術が示されている。
また、特許文献5では、接着物と被着物の間に中間保持部材を設け、充填接着並みの調整しろを許容して、薄い接着剤層のため、接着剤の硬化収縮や温度変化による体積変化が小さくなるように工夫したものが示されている。また、特許文献6では、粒径と密度をそろえた充填剤を添加し、接着剤そのものの硬化収縮や温度変化による体積変化が小さくなるように工夫したものが提案されている。
特開2000−090481公報 特開平07−201028号公報 特開平09−197105号公報 特許第2970300号 特開平10−309801号公報 特開平10−121013号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献5のように、使用(塗布)する接着剤を薄く少量とし、温度変動等による経時変化を低減する方法では、接着構造、接着箇所が限定される上、間接接着であるため別部品を必要とし、接着箇所が増えるという問題がある。
また、特許文献2や特許文献6のように、接着剤自体に手を加える方法、具体的にはセラミックス微粒子添加や充填材添加で接着剤の硬化収縮を小さくし、内部残留応力を低減することで温度変動等による経時変化を低減する技術の場合は、特殊な接着剤を使用する必要があり、また、接着剤量が増えれば比例的に硬化収縮量が増え、内部残留応力が大きくなるという問題がある。
また、特許文献3のように、接着剤の硬化収縮に伴う接合層の収縮に追従して接合層の厚みを調整しながら接合し、収縮に起因した応力を低減する技術では、基本的に面接着であり接着構造が限定される上、硬化収縮する接着剤と収縮しない部品の界面に起きる応力のみを低減できるものであり、硬化後の接着剤内部の残留応力を低減しきれない為、経時変化として初期位置を高精度に保てない。
また、3次元造形技術に関する特許文献4の技術は、レーザ光を断面形状の略重心から外側に向けてリング状に走査することにより、硬化収縮に伴う内部応力の偏りを無くし、変形を防止するものであるが、その方法を実施するには、硬化に対応したエネルギー線を微小スポットに収束して、接着剤略中心から同心円状に走査しなければならず、装置構成が大掛りになるばかりでなく、微小スポット走査で接着領域を網羅する為、硬化に長時間を要することになり、3次元造形技術分野における従来技術を、接着技術にそのまま適用しても不具合が生じる。
そこで、本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、簡単な装置構成で、接着形態等にかかわらず硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減し、経時変化による部品の位置ずれを回避することができる接合構造、接合方法及び接合装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る接合構造は、被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合構造であって、前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域内に所定の密度勾配を持たせて充填された気泡を備え、該気泡により硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させたことを特徴とする。
請求項2の発明は、被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合構造であって、前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域内に気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を備え、該気泡を含んだ前記エネルギー硬化型接着剤により硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させたことを特徴とする。
請求項3の発明は、被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合構造であって、前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域の外側に気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を備え、該気泡を含んだ前記エネルギー硬化型接着剤により硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1、2又は3において、前記気泡、又は気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を、前記エネルギー硬化型接着剤を硬化させるエネルギー照射面の中心で最も密度が高くなるように勾配を付けて充填したことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1、2又は3において、前記接着領域内において、前記気泡、又は気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を、前記エネルギー硬化型接着剤を硬化させるエネルギー照射面の端部で最も密度が高くなるように勾配を付けて充填したことを特徴とする。
請求項6の発明に係る接合方法は、被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合方法であって、前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域内に所定の密度勾配を持たせて気泡を充填することで、前記接着領域内に与えるエネルギー照射強度に分布を持たせ、硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させることを特徴とする。
請求項7の発明は、被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合方法であって、前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域内に気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を充填することで、前記接着領域内に与えるエネルギー照射強度に分布を持たせ、硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7において、前記接着領域の外側に気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤の層を付与し多層構造とすることで、前記接着領域内に与えるエネルギー照射強度に分布を持たせ、硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項6、又は7において、前記接着領域内において、前記気泡、又は前記気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を、エネルギー硬化型接着剤を硬化させるエネルギー照射面の中心で最も密度が高くなるように勾配を付けて充填することで硬化プロセスの進度に勾配を持たせることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項6、又は7において、前記接着領域内において、気泡、又は前記気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤の充填量が、前記エネルギー硬化型接着剤を硬化させるエネルギー照射面の端部で最も密度が高くなるように勾配を付けて充填することで硬化プロセスの進度に勾配を持たせることを特徴とする。
本発明によれば、硬化プロセスの進度に空間的な勾配をもって硬化させることにより、硬化する接着剤の隣接領域に流動性を確保し、硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減することができ、経時変化による部品の位置ずれを回避することができる。また、照射制御を行うことがなく、大掛かりな制御や高価な装置が必要とせず、それによる設置場所を確保する必要がないため既存の設備に置き換えやすい。
また、接着部の内部に周囲より硬化プロセス進度の遅い点が存在せず、硬化プロセスの進度に空間的な勾配をもって硬化させることができるので、硬化する接着剤の隣接領域に流動性を確保し、硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減することができ、経時変化による部品の位置ずれを回避することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
被接着物と接着物を接合するための接着剤としては、エネルギー硬化型接着剤(例えば、光硬化型接着剤(UV硬化型接着剤、可視光硬化型接着剤)、放射線硬化型接着剤、X線硬化型接着剤)を用いる。熱硬化型接着剤の場合は、硬化させるためにオーブン等で熱を加える必要があり、生産効率の向上の妨げになったり、被接着物又は接着物によっては熱を許容できなかったりすることがある。また、嫌気硬化型接着剤の場合は、硬化させるために空気を遮断する必要があり、そのために接着形態が限定される可能性がある。光硬化型接着剤にはこのような問題がなく、熱硬化型接着剤や嫌気硬化型接着剤に比べて取り扱いが容易で実用的である。
通常、被接着物に接着物を例えばUV硬化型接着剤にて接着接合する場合、接着剤を2部材の界面に塗布し、これにUV(紫外線)光を照射することにより接着剤が硬化して接着される。この接着剤硬化時には、硬化収縮現象が発生し、一般のアクリル系紫外線硬化性樹脂は5〜10%、エポキシ系紫外線硬化性樹脂は2〜5%前後収縮する。接着剤塗布を複数点で行う場合はこの硬化収縮が各接着点で発生する。この硬化収縮により引張応力を生じる。この硬化収縮力による影響は接着強度的には僅かな低下しかなくても、硬化後に内部残留応力として存在すると、経時変化として内部残留応力が開放され、初期の接着位置を保持できなくなる。
この内部残留応力は接着剤の硬化収縮と周辺接着剤の流動性に起因しており、硬化収縮により接着剤の体積が減少した際に周辺の接着剤に流動性を保持でき、収縮した分を補充できれば内部残留応力は発生しない。逆に硬化収縮により接着剤の体積が減少した際に周辺の接着剤も硬化して流動性が無ければ、応力が内部に残留してしまう。
図1(a)に示す一般的な接着方法では、被接着物1と接着物2とをUV光硬化型の接着剤3を用いて接着した場合を示しており、接着剤3にUV光を照射した際に、UV光に近い接着剤の上層から下層へと順に硬化が進む(図1(b)参照)。これは接着剤3が所定の吸光率を持っているためであり、接着層の下層にゆく程UV光の減衰が大きくなるために必ず起こる。
この場合、接着剤3の上層全域で硬化が始まり、この領域内で接着剤の流動性は硬化収縮が終わる前になくなってしまうため、収縮した分を補充できずに内部残留応力が発生する。続いて、この層より下層部の硬化が始まるが、この領域内においても同様に内部残留応力が発生する。その際上層においては、硬化が終了しているにもかかわらず下層の硬化収縮の影響を受けることとなり、さらなる内部残留応力を蓄えてしまう。このようにして接着硬化された場合(図1(c))、接着剤に膨大な内部残留応力が蓄積され、接着直後(硬化収縮時)の位置ずれだけでなく、経時変化による位置ずれが大きくなる。
本発明を実施するための最良の形態である接合構造、接合方法及び接合装置では、図2(b)のように、接着剤3の硬化プロセスの進度(進み具合)を段階的に変化させ(図においては右から左)、硬化する接着剤の隣接部(の接着剤)に流動性を確保し、硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減することにある。このように接着硬化された場合(図2(c))、接着層には最も硬化が遅い部分のみ(図においては左端)に内部残留応力が蓄積するため、接着剤が保有する内部残留応力量が圧倒的に少なくなり、経時変化後の位置ずれを防止して極めて高精度な接着接合を可能とするものである。
さて、図3に本発明を実施するための最良の形態である接合装置の概要図を示す。以下に、この接合装置についての説明と共に本発明を実施するための最良の形態である接合構造及び接合方法についての説明を示す。
接着物2と被接着物1をエネルギー硬化型接着剤3で接着する場合、先ず、エネルギー硬化型接着剤3を被接着物1、或いは接着物2に塗布するための第1塗布手段8aと、第1塗布手段用動作手段9aを任意位置へ動作可能な第1塗布手段用動作制御手段10aと、これを制御する制御手段11とにより、被接着物1の接着面の所望の位置に所望の範囲に亘ってエネルギー硬化型接着剤3を塗布する(図4(a)参照)。
次に、気泡又は気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤(ここでは気泡4)を塗布する第2塗布手段8bと第2塗布手段用動作手段9bを任意位置へ動作可能な第2塗布手段用動作制御手段10bとこれを制御する制御手段(密度勾配制御手段)11により、所望の密度勾配を持たせて気泡4を既に塗布されたエネルギー硬化型接着剤3の上層に塗布する(図4(b)参照)。
次に、被接着物1上に透明な接着物2をセットし、接着物2と被接着物1の相対位置を決め、エネルギー線照射手段5からエネルギー硬化型接着剤3に対応したエネルギー線6をエネルギー線照射制御手段7で制御して接着物2を透過させてエネルギー硬化型接着剤3上に射出させ、エネルギー硬化型接着剤3に照射する。装置全体の動作やタイミングの制御は制御手段11で行う。エネルギー線照射手段5は、エネルギー硬化型接着剤3の硬化エネルギー帯域を放射するエネルギー源と、放射されたエネルギーを所定位置まで導光する光ファイバと、導光されたエネルギーを硬化箇所に照射する集光レンズ又は発散レンズとを備えている。 気泡には光を散乱させる効果が非常に高いという性質があるため、エネルギー線照射強度を下げることができる。気泡をエネルギー硬化型接着剤3上層に付与するには、図5のように内径数μm〜100μmのチューブ12をエネルギー硬化型接着剤3上層に差込み空気を送り込んでもよい。気泡には、上層や、表面張力の高い端部に集まる性質があるので、密度分布は自動的に行われる。
なお、図6のように予め接着剤に数μm〜100μmの気泡を混ぜ合わせて白濁状にした別の接着剤(気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤4b)を用意し、エネルギー硬化型接着剤3の上層に塗布すれば作業時間の短縮ができる。この接着剤はエネルギー線によって硬化できるものであれば良いので別の接着剤を用いて多層構造としても良いが、接着剤自体はエネルギー硬化型接着剤3と同じものを使用した方が好ましい。
このように、本発明を実施するための最良の形態では、接着部は気泡の充填量を接着領域内に所定の密度勾配を付けて充填した構造となっている。気泡の充填量が多い程硬化プロセスの進度が遅くなるため、密度の低い部分から硬化反応が開始され、徐々に密度分布の高い部分へ反応が進むように構成することができる(図7参照)。
つまり、硬化プロセスの進度に勾配を持たせた状態となり、エネルギー硬化型接着剤にエネルギーを照射して硬化する際に、同時に硬化させる部分を極力減少でき、硬化する接着剤の隣接部(の接着剤)に流動性を確保することで、収縮分の体積を隣接部から補充しながら硬化が進んでいくことで、経時変化後の被接着物に対する接着物の位置ずれを防止して極めて高精度な接着接合を可能とするものである。また、照射制御を行うことがなく、大掛かりな制御や高価な装置を必要とせず、それによる設置場所を確保する必要がないため既存の設備に置き換えやすい。
図3、図4、図5、図6においては、端部の気泡の充填量が最も高く、中央に向けて連続的に充填量が低下している場合を記載した。この場合のエネルギー線8は、図8(a)のように透過率分布に対応した照射強度となり、エネルギー硬化型接着剤3に照射される。この強度プロファイルで照射された接着部は、最も照射強度の高い中央部が最も早く硬化プロセスが進み、外周部へ行くほど硬化プロセスの進度が遅くなり、最外周が最も遅く硬化する。つまり、硬化する接着剤の隣接部(の接着剤)に流動性を確保することで、収縮分の体積を隣接部から補充しながら、硬化が進んでいく。また、中央で充填密度が最も高くなるようにしても同様の効果が得られる(図8(b)、図8(c)参照)。
これにより、接着部の内部に周囲より硬化プロセス進度の遅い点が存在せず、硬化プロセスの進度に空間的な勾配をもって硬化させることができるので、硬化する接着剤の隣接領域に流動性を確保し、硬化収縮による硬化後の内部残留応力を低減することができ、経時変化による部品の位置ずれを回避することができる。
図9は、肉盛接着に適応した場合を図示したものである。接着方法や原理については、上述の面接着の場合と同様である。図10は充填接着とよばれる接着形態を記載してある。充填接着は、接着物2と被接着物1の相対的位置関係の調整軸数が多い場合に特に用いられ、図のように、被接着物1、接着物2のどちらか一方にピンPを、他方にピンに対応した穴Hを設け、位置調整後、接着剤を充填して接着する。この場合も充填接着の場合も面接着や肉盛接着と同様に考えることができる。被接着物1は、ガラス板、セラミックス板、金属板等の光学ベースから構成されている。また、接着物2はレンズ、回折格子、ミラー等の光学素子、受光素子、発光素子、CCD等の固体撮像素子等の光学部品から構成されている。
図11は装置全体の制御フローを示すフローチャートである。図11に示すように、先ず、被接着物1、接着物2、(複数の)エネルギー硬化型接着剤3を調整により所定の位置にセットする(ステップS1)。次に、気泡または気泡を含む接着剤を所定の位置にセットする(ステップS1’)。次に、エネルギー硬化型接着剤3に対応する照射条件(積算光量)をセットする(ステップS2)。次に、硬化箇所にエネルギー線照射を行う(ステップS3)。
次に、エネルギー線積算光量を算出する(ステップS4)。次に、算出された積算光量と予め設定されているエネルギー硬化型接着剤3の硬化が終了する積算光量とを比較して、積算光量が設定値(硬化が終了する積算光量)に到達したかどうか判定し(ステップS5)、積算光量が設定値に達していない場合にはステップS3に戻り、設定値に達した場合には、照射を終了する。
エネルギー硬化型接着剤3の硬化の判断は、例えば予めエネルギー線照射強度がわかっているので、エネルギー線照射強度×照射時間=積算光量の関係から照射時間を測ることで積算光量がわかり、この積算光量とエネルギー硬化型接着剤3の硬化に必要な積算光量と比較することにより行う。
一般的な接着方法における接着領域の側面図である。 本発明を実施するための最良の形態における接着領域の側面図である。 本発明を実施するための最良の形態である接合装置の概要図である。 所定の密度勾配を持たせて気泡を充填するときの接着領域の側面図である。 チューブ12を用いて気泡を付与するときの接着領域の側面図である。 気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤4bを付与するときの接着領域の側面図である。 充填密度とそれに応じた照射強度の関係を示すグラフ図である。 場所によって充填密度を変化させた場合の充填密度と照射強度との関係を示すグラフ図である。 肉盛接着における充填密度の説明図である。 充填接着における充填密度の説明図である。 接合装置の制御フローを示すフローチャートである。
符号の説明
1 被接着物
2 接着物
3 エネルギー硬化型接着剤
4 気泡
4b 気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤
5 エネルギー線照射手段
6 エネルギー線
7 エネルギー線照射制御手段
8a 第1塗布手段
8b 第2塗布手段
9a 第1塗布手段用動作手段
9b 第2塗布手段用動作手段
10a 第1塗布手段用動作制御手段
10b 第2塗布手段用動作制御手段
11 制御手段
12 チューブ

Claims (11)

  1. 被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合構造であって、
    前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域内に所定の密度勾配を持たせて充填された気泡を備え、該気泡により硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させたことを特徴とする接合構造。
  2. 被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合構造であって、
    前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域内に気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を備え、該気泡を含んだ前記エネルギー硬化型接着剤により硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させたことを特徴とする接合構造。
  3. 被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合構造であって、
    前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域の外側に気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を備え、該気泡を含んだ前記エネルギー硬化型接着剤により硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させたことを特徴とする接合構造。
  4. 前記気泡、又は気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を、前記エネルギー硬化型接着剤を硬化させるエネルギー照射面の中心で最も密度が高くなるように勾配を付けて充填したことを特徴とする請求項1、2、又は3のいずれか一項に記載の接合構造。
  5. 前記接着領域内において、前記気泡、又は気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を、前記エネルギー硬化型接着剤を硬化させるエネルギー照射面の端部で最も密度が高くなるように勾配を付けて充填したことを特徴とする請求項1、2又は3のいずれか一項に記載の接合構造。
  6. 被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合方法であって、
    前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域内に所定の密度勾配を持たせて気泡を充填することで、前記接着領域内に与えるエネルギー照射強度に分布を持たせ、硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させることを特徴とする接合方法。
  7. 被接着物と接着物をエネルギー硬化型接着剤によって接合する接合方法であって、
    前記被接着部と接着物との間に位置する未硬化状態にあるエネルギー硬化型接着剤の接着領域内に気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を充填することで、前記接着領域内に与えるエネルギー照射強度に分布を持たせ、硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させることを特徴とする接合方法。
  8. 前記接着領域の外側に気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤の層を付与し多層構造とすることで、前記接着領域内に与えるエネルギー照射強度に分布を持たせ、硬化プロセスの進度を前記接着領域内で段階的に変化させることを特徴とする請求項7に記載の接合方法。
  9. 前記接着領域内において、前記気泡、又は前記気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤を、エネルギー硬化型接着剤を硬化させるエネルギー照射面の中心で最も密度が高くなるように勾配を付けて充填することで硬化プロセスの進度に勾配を持たせることを特徴とする請求項6、又は7に記載の接合方法。
  10. 前記接着領域内において、気泡、又は前記気泡を含んだエネルギー硬化型接着剤の充填量が、前記エネルギー硬化型接着剤を硬化させるエネルギー照射面の端部で最も密度が高くなるように勾配を付けて充填することで硬化プロセスの進度に勾配を持たせることを特徴とする請求項6又は7に記載の接合方法。
  11. 被接着物と接着物を接合するためのエネルギー硬化型接着剤を塗布する第1塗布手段と、気泡又は気泡を含んだ前記エネルギー硬化型接着剤を塗布する第2塗布手段と、気泡を接着領域内において所定の密度勾配を付けて充填できるように制御する密度勾配制御手段と、を備えることを特徴とする接合装置。
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