JP2006052177A - 光学活性ジエポキシド、これを含有する医薬及びこの製造方法 - Google Patents

光学活性ジエポキシド、これを含有する医薬及びこの製造方法 Download PDF

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Yujiro Hayashi
雄二郎 林
Mitsuru Shoji
満 庄司
Hiroyuki Osada
裕之 長田
Hideaki Kakeya
秀昭 掛谷
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RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

【課題】血管新生阻害活性を有し、免疫抑制作用を有する医薬として有用な新規化合物の提供。
【解決手段】 次の一般式(I)で表される化合物
【化1】
Figure 2006052177

[式中、Rは基a又はbを示し、Xはc又はdを示すが、XがdのときRはaを示す。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、血管新生阻害活性を有する、免疫抑制作用を有する新規化合物、その製造方法、および既存の化合物の効率的な製造方法に関する。
血管新生阻害剤は抗腫瘍剤である。しかし、現在開発が進められている血管新生阻害剤には副作用などの問題点が存在する。また、免疫抑制剤は臓器移植には欠かせない医薬品であるが、現在臨床で使用されている医薬品には副作用がある。
従って、より優れた血管新生阻害剤、免疫抑制剤を開発することは非常に重要なことである。
また、公知の医薬であるフマギロール(fumagillol)及びフマギリン(fumagillin)のラセミ体の合成例としては下記非特許文献1〜3に記載があり、これらの光学活性体の合成例は非特許文献4〜7に記載があり、FR65814の光学活性体の合成例は、非特許文献8に記載がある。
しかしながら、これらいずれの合成法もステップ数が多く、また、選択性の悪い反応が多く、大量合成に不向きである。即ち、現在、短段階での光学活性体の合成例は見出されていない。
コリー,E.L.(Corey,E.J.),スニダー,B.B.(Snider,B.B.)著,「ジェイ エイエム ケミ ソック(J.Am.Chem.Soc.)」1972,94,2549. ヴォスバーグ,D.A.(Vosburg,D.A.),ウェイラー,S(Weiler,S.),ソレンセン,E.J.(Sorensen,E.J.)著,「アンジー ケミ イント エド(Angew.Chem.Int.Ed.)」1999,38,971. フッチングス,M(Hutchings,M.),モッファト,D(Moffat,D.),シンプキンス,N.S.(Simpkins,N.S.)著,「シンレット(Synlett)」2001,661. キム,D(Kim,D.),アン,S.K.(Ahn,S.K.),バエ,H(Bae,H.),チョイ,W.J.(Choi,W.J.),キム,H.S.(Kim,H.S.)著,「テトラヒドロン レット(Tetrahedron Lett.)」1997,38,4437. タビー,D.F.(Taber,D.F.)、クリストス,T.E.(Christos,T.E.),レインゴルド,A.L.(Rheingold,A.L.),グゼイ,I.A.(Guzei,I.A.)著,「ジェイ エイエム ケミ ソック(J.Am.Chem.Soc.)」1999,121,5589. ボイチャウ,J.G.(Boiteau,J.G.),ウェゲ,P.V.(Weghe,P.V.),イウスタチェ,J(Eustache,J.)著,「オーグ レット(Org.Lett.)」2001,3,2737. ヴォスバーグ,D.A.(Vosburg,D.A.),ウェイラー,S(Weiler,S.),ソレンセン,E.J.(Sorensen,E.J.)著,「キラリティー(Chirality)」2003,15,156. アマノ,S(Amano,S.),オガワ,N(Ogawa,N.),オオツカ,M(Ohtsuka,M.),チダ,N(Chida,N.)著,「テトラヒドロン(Tetrahedron)」1999,55,2205.
従って、本発明の目的は、上記問題点が少ない、新規な医薬、その製造法,及び既存の医薬の工業的に有利な製造方法を提供することにある。
斯かる実状に鑑み、本発明者は鋭意研究を行った結果、下記一般式(I)で表される化合物を合成し、これらが血管新生阻害剤、免疫抑制剤として有用であることを見出し、さらに、これら化合物と共に既知の化合物の有利な製造方法を見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次のものを提供するものである。
<1>次の一般式(I)で表される化合物
Figure 2006052177
[式中、Rは基a又はbを示し、Xはc又はdを示すが、XがdのときRはaを示す。]
<2>
1)1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカン-8-オン(6)に触媒量のプロリン存在下ニ トロソベンゼンを作用させ、光学活性α−アミノオキシケトン(7)を得る。
2)(7)のN-O結合を還元的に切断し、アルコール(8)とし、
3)アミン存在下、TMSCNを作用させ、ビストリメチルシロキシニトリル(9)と し
4)還元剤を作用させ、ニトリルをアルデヒド(10)、更にアルコールに還元し 、
5)ケタールを酸で脱保護し、酸性条件下で脱水を行い、
6)一級アルコールを保護し、(11)を得、
7)側鎖(12)をマイケル反応により導入し、(13)を得、
8)(13)を酸化反応によりケトンのα−位に水酸基を導入し
9)アルコールの保護基を除去し(14)、
10) トシル化剤と塩基を作用させ(15)、
11) オレフィンを酸化剤によりエポキシ化し、
12) 塩基を作用させ、 エポキシを構築する
ことを特徴とする下記式(1)で表される化合物の製造方法。
Figure 2006052177
<3> 下記式(1)で表される化合物の水酸基をメチル化することを特徴とする下記RK-805の製造方法。
Figure 2006052177
<4>下記式(1)で表される化合物を還元することを特徴とする下記FR65814及 び化合物(2)の製造方法。
Figure 2006052177
<5> 下記式(1)で表される化合物の水酸基をメチル化し、還元することを特徴とする下記フマギロール(fumagillol)の製造方法。
Figure 2006052177
<6> 請求項1に記載の化合物を有効成分として含有する医薬。
本発明の化合物は、血管内皮細胞に選択的に増殖抑制効果を示すことから、血管新生阻害剤、抗腫瘍剤、転移抑制剤、抗リウマチ様関節炎剤、糖尿病性網膜症、免疫抑制剤などとして期待できる。
また、その化合物は、本発明方法により工業的に有利に製造でき、更に既存の化合物も効率的に製造することができる。
[化合物(I)]
本発明は、上記一般式(I)で表される化合物であるが、具体的には、次の化合物が好ましい。
Figure 2006052177
[製造方法]
一般式(I)の化合物の製造方法を既知の化合物の製造方法とともに説明する。
一般式(I)の化合物等は、例えば次の反応式に従って製造することができる。
以下、この式に沿って説明する。
Figure 2006052177
原料の1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカン-8-オン(6)は、市販品されているので、これを用いればよい。
<反応条件>
アミノオキシシクロヘキサノン(7)
まず、下記一般式(6)で表されるケトンとL−プロリンを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここでL−プロリンは、ニトロソベンゼンに対して0.01〜1当量用いることが好ましく、特に0.1〜0.3当量用いることが好ましい。ここで用いる有機溶媒としては、DMF,DMSO、CH3NO2、NMP(N−メチル−ピロリジノン)、CH3CN等の極性溶媒が好ましいが、これらに限定されない。
得られた、ケトン(6)とL−プロリンの溶液は、−50℃から25℃、好ましくは−10から10℃に冷却することが好ましく、次の反応時もこの温度を保つことがこのましい。
ケトン(6)はニトロソベンゼンに対し、1〜5当量とすることが好ましく、特に2〜3当量とすることが好ましい。
次いで、ニトロソベンゼンを上記溶媒に溶かし、これを、ケトン(6)とL−プロリンの溶媒に除除に加える。
ニトロソベンゼン溶液を、ケトン(6)とL−プロリンの溶液に添加する時間は、1分から24時間とすることが好ましく、特に、3〜12時間が好ましい。この後も上記温度に保ちつつ10分から1時間攪拌することにより、アミノオキシシクロヘキサノン(7)が得られる。
ヒドロキシシクロヘキサノン(8)
一般式(7)で表されるアミノオキシケトンを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, CH3CN, MeOH, AcOEt, ベンゼン, トルエン等が好ましいが、これらに限定されない。得られた溶液は-20℃から60℃、好ましくは0℃から室温にするのが好ましく、次の反応もこの温度を保つことが好ましい。
この溶液に水素添加触媒を加える。ここで、水素添加触媒 は0.005〜1当量用いることが好ましく、特に0.05-0.2当量用いるのが好ましい。水素添加触媒としてはPd/C, Pt/C, (Ph3P)3RhCl, ラネ ニッケル を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
この溶液を水素雰囲気下で5分から24時間、望ましくは10分から3時間撹拌することにより、ヒドロキシシクロヘキサノン(8)が得られる。
シアノビスシリルエーテル(9)
一般式(8)で表されるヒドロキシシクロヘキサノンを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, CH3CN, MeOH, AcOEt, ベンゼン, トルエン等が好ましいが、これらに限定されない。得られた溶液は-20℃から60℃、好ましくは0℃から室温にするのが好ましく、次の反応もこの温度を保つことが好ましい。
この溶液にアミンとトリメチルシリルシアニドを加える。アミンはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、アミンは0.01〜1.0当量用いるが、望ましくは0.05〜0.2当量である。
30分から10時間、望ましくは2時間から5時間撹拌することにより、シアノビスシリルエーテル(9)が得られる。
アルデヒド(10)
一般式(9)で表されるシアノビスシリルエーテルを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液にDIBALを加えるとアルデヒドが得られる。
シリルシクロへキセノン(11)
一般式(10)で表されるアルデヒドを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, MeOH, EtOH, i-PrOH等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液に還元剤を加える。用いる還元剤はDIBAL, LiAlH4, NaBH4, LiBH4等であるが、これらに限定されるものではない。還元反応により、アルコールが得られる。
アルコールを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, MeOH, EtOH, i-PrOH、DMF、DMSO等が好ましいが、これらに限定されない。この溶液に水を加える。水の割り合いは0.5%から40%であり、望ましくは1%から5%である。
反応溶液を30℃から120℃に、望ましくは40℃から70℃に保ち、加温するとヒドロキシシクロヘキサノンが得られる。
このヒドロキシシクロヘキサノンを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, DMF、DMSO等が好ましいが、これらに限定されない。アミンとt-ブチルジメチルシリルクロリドを加える。アミンとしてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、アミンは1〜5当量用いるが、望ましくは1.2〜2当量である。反応温度は0℃から80℃であり、望ましくは0℃から室温である。
反応溶液を10分から36時間、望ましくは6時間から18時間撹拌することにより、シリルシクロへキセノン(11)が得られる。
シリルエノールエーテル(13)
一般式(12)で表されるブロミドを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, DME, ベンゼン, トルエン等が好ましいが、これらに限定されない。この溶液を-100℃から-50℃、望ましくは-100℃から-60℃に冷却し、次の反応時もこの温度を保つことが望ましい。
t-ブチルリチウムを加え、ジメチル亜鉛を加える。亜鉛を加えた後、反応温度を-20℃から室温、望ましくは-10℃から0℃に昇温する。
この溶液を再び、-100℃から-50℃、望ましくは-100℃から-60℃に冷却し、シリルシクロへキセノン(11)を加える。その後アミンとトリメチルシリルクロリドを加える。アミンとしてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、アミンは1〜5当量用いるが、望ましくは1.2〜2当量である。
以上の反応により、シリルエノールエーテル(13)が得られる。
トリオール(14)
一般式(13)で表されるシリルエノールエーテルを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はアセトン、THF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, MeOH, EtOH, i-PrOH等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液を-100℃から-50℃、望ましくは-100℃から-70℃に冷却し、次の反応時もこの温度を保つことが望ましい。
ジメチルジオキシランを加え、10分から5時間、望ましくは30分から2時間反応を行う。ジメチルジオキシランは1〜10当量、望ましくは1.5〜3当量用いる。反応後、過剰の酸化剤を除くために還元剤を加え、-20℃〜室温で、望ましくは0℃から室温で1分から1時間、望ましくは5分から20分撹拌するとジオールが得られる。なお、過剰の酸化剤を除くための還元剤としてはジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン等があり、これらに限定されない。
ジオールを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はアセトン、THF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, MeOH, EtOH, i-PrOH等が好ましいが、これらに限定されない。この溶液にフッ化物を1当量から10当量、望ましくは1.5当量から5当量加える。フッ化物としてはテトラブチルアンモニウムフルオリド、アンモニウムフルオリド等があるが、これらに限定されない。
0℃から50℃で、望ましくは室温で撹拌する。1分から3時間、望ましくは30分から2時間撹拌するとトリオール(14)が得られる。
トシラート(15)
一般式(14)で表されるトリオールを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はアセトン、THF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, DMF, DMSO, CH3CN等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液を-30℃から50℃、望ましくは-10℃から10℃に冷却する。
アミンを加える。アミンとしてはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、アミンは1〜10当量用いるが、望ましくは1.2〜3当量である。
さらに、p-トルエンスルホニルクロリドを1当量から5当量、望ましくは1当量から2当量加える。0℃から60℃、望ましくは10℃から30℃で撹拌することにより、トシラート(15)が得られる。
ジエポキシド(1)
一般式(15)で表されるトシラートを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はアセトン、THF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, DMF, DMSO, CH3CN等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液を-30℃から30℃、望ましくは-10℃から10℃に冷却する。
バナジウムアセチルアセトナートを0.001当量から1当量、望ましくは0.005当量から0.05当量を加える。
さらに、tert-ブチルヒドロペルオキシドを1当量から20当量、望ましくは1当量から3当量加える。
0℃から70℃、望ましくは10℃から40℃で10分から12時間、望ましくは1時間から4時間撹拌する。
過剰の酸化剤を除くために還元剤を加え、-20℃〜室温で、望ましくは0℃から室温で1分から1時間、望ましくは5分から20分撹拌するとエポキシドが得られる。なお、過剰の酸化剤を除くための還元剤としてはジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン等があり、また、これらに限定されない。
エポキシドを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はアセトン、THF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, DMF, DMSO, CH3CN等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液を-30℃から30℃、望ましくは-10℃から10℃に冷却する。塩基を1当量から10当量、望ましくは1当量から3当量加え、1分から5時間、望ましくは5分から1時間撹拌する。塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどを用いることができるが、これらに限定されない。
以上の反応によりジエポキシド(1)が得られる。
RK-805
式(1)で表されるジエポキシドを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン, DMF, DMSO, CH3CN等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液を-30℃から30℃、望ましくは-10℃から10℃に冷却する。
塩基を1当量から20当量、望ましくは2当量から5当量加える。さらにメチル化剤を1当量から20当量、望ましくは2当量から5当量加える。
塩基としては、酸化銀、NaH, KH等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
メチル化剤としてはMeI, MeBr、Me2SO4, MeOSO2CF3 等が用いることができるが、これらに限定されるものではない。
撹拌を10分から24時間、望ましくは7時間から12時間行い、RK-805を得る。
フマギロール
RK-805を有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はTHF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液を-100℃から-40℃、望ましくは-80℃から-60℃に冷却する。
還元剤を1当量から20当量、望ましくは2当量から10当量加える。還元剤としてはポタジウム トリ-sec-ブチルボロヒドリド、LiAlH4, DIBAL, NaBH4, LiBH4等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
撹拌を1分から2時間、望ましくは5分から30分行うことにより、フマギロールを得る。
化合物2+FR65814
式(1)で表されるジエポキシドを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はMeOH, EtOH, i-PrOH, THF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液を-80℃から0℃、望ましくは-60℃から-20℃に冷却する。
還元剤を、1当量から10当量、望ましくは1.5当量から5当量加え、-10℃から室温に昇温する。
還元剤としてポタジウム トリ-sec-ブチルボロヒドリド、LiAlH4, DIBAL, NaBH4, LiBH4等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
以上の反応により化合物2とFR65814が得られる。
化合物3
(3R, 4S, 5S)-4-[(1E, 4E)1,5-ジメチル-ヘキサ-1,4-ジエチル]-5-ヒドロキシ-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタン-6-オン (16)
式(15)で表されるトシラートを有機溶媒に溶解して溶液を調製する。ここで用いる溶媒はMeOH, EtOH, i-PrOH, THF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン等が好ましいが、これらに限定されない。
この溶液を-30℃から30℃、望ましくは-10℃から10℃に冷却する。
塩基を1〜10当量、望ましくは1〜3当量加える。用いる塩基は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等があるが、これらに限定されない。
-10℃〜80℃、望ましくは0℃から30℃で、2分から5時間、望ましくは10分から1時間撹拌することによりエポキシド16を得る。
5-ヒドロキシ-4-[2-メチル-3-(3-メチル-ブテ-2-エニル)-オキシラニル]-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタン-6-オン (3)
エポキシド16 を溶媒に溶解し溶液を調製する。ここで用いる溶媒はMeOH, EtOH, i-PrOH, THF, Et2O, CH2Cl2, CHCl3, ベンゼン, トルエン等が好ましいが、これらに限定されない。 これにVO(acac)2を0.01〜1.0当量、望ましくは0.05〜0.2当量加え、さらに、tert-ブチルペルオキシドを1〜50当量、望ましくは2〜10当量加える。
-30℃〜50℃、望ましくは-10℃〜10℃で、10分から10時間、望ましくは2時間から4時間反応を行う。
攪拌後、還元剤加え、さらに攪拌した後、緩衝溶液を用いて反応を停止し、ジエポキシド3を得る。
なお、ここで用いる還元剤としてはジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン等があるがこれらに限定されない。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
アミノオキシシクロヘキサノン(7)
Figure 2006052177
1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカン-8-オン6 (275 mg, 2.4 mmol)とL-プロリン (0.20 mmol, 23.0 mg)のDMF溶液 (9.0 mL)にニトロソベンゼンのDMF溶液(3.0 mL)を0℃でマイクロフィーダーを用いて24時間かけて加える。30分間0℃で攪拌した後、リン酸緩衝溶液を加え反応を停止し、有機物を酢酸エチルを用いて3回抽出した後、飽和食塩水を用いて有機層を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィを用いて(酢酸エチル:ヘキサン=1:10 〜1:4)精製し、アミノオキシシクロヘキサノン 7 (490 mg, 1.86 mmol)を93%の収率で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 1.88-2.04 (2H, m), 2.16 (1H, t, J= 12.8 Hz), 2.36-2.46
(2H, m), 2.62 (1H, dt, J=14.0, 6.8 Hz), 4.38-4.21 (4H, m), 4.60 (1H, dd, J=12.9, 6.5 Hz), 6.87 (2H, d, J=7.7 Hz), 6.90 (1H, t, J=7.2 Hz), 7.20 (2H, t, J=7.2 Hz);
13C NMR (CDCl3):δ34.9, 36.0, 39.7, 64.8, 64.9, 82.7, 107.6, 114.5, 122.
2, 128.9, 148.0, 208.6;
IR (KBr):2960, 2888, 1728, 1602, 1494, 1305, 1122, 1052 cm-1 ;
[α]D 18 +78.7 (c = 1.2, CHCl3), >99% ee;
HRMS (FAB):計算値 [C14H17NO4]:263.1158, 実測値:263.1172.
エナンチオマー過剰率はキラルパック(Chiralpak)OD-Hカラム (10:1 ヘキサン:2-プロパノール) を用いた, HPLCで測定した。, 0 .5mL/分; メジャー エナンチオマー tr =26.5分, マイナー エナンチオマー tr =29.1分.
ヒドロキシシクロヘキサノン (8)
Figure 2006052177
α-アミノオキシシクロヘキサノン7 (400 mg, 1.52 mmol) のTHF溶液(3.0 mL)にPd/Cを40 mg加え、室温、水素下で2.5 時間攪拌する。攪拌後、無機物をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧流去する。粗生成物は溶媒を完全に留去すると分解が進行するため、すべての溶媒を減圧留去せずすぐにカラムクロマトグラフィーを用いて(酢酸エチル:ヘキサン=1:5 ~ 2:1)分離、精製する。精製後ヒドロキシシクロヘキサノン8 (198 mg, 1.15 mmol) を75%の収率で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 1.83 (1H, t, J=12.6 Hz), 1.95 (1H, dt, J=5.1, 13.6 H
z), 2.02-2.09 (2H, m), 2.44-252 (1H, m), 2.69 (1H, m), 2.69 (1H, dt, J=6.8, 13.6 Hz), 3.97-4.08 (4H, m), 4.33-4.39 (1H, m)
13C NMR (CDCl3):δ 34.5, 34.8, 43.2, 64.5, 64.7, 71.9, 107.1, 210.2;
IR (KBr):3463, 2954, 2884, 1716, 1365, 1305, 1130, 1049, 993, 848, 701 cm-1 ;
[α]D 28 +31.2 (c = 1.0, CHCl3);
HRMS (FAB):計算値 [C8H12O4+H]:173.0814, 実測値:173.0807.
ニトリル(9)
Figure 2006052177
ヒドロキシシクロヘキサノン 8 (20 mg, 0.116 mmol)、トリエチルアミン (1.6 μL,
0.017 mmol)のCH2Cl2 溶液(0.45 mL)にトリメチルシリルニトリル (TMSCN,46 μL, 0.348 mmol)を0℃で加え、3.5時間攪拌する。攪拌後、リン酸緩衝溶液を加
え反応を停止し、有機物をCHCl3を用いて3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:10 ~ 1:4)を用いて精製し、ニトリル 9 (27.2 mg, 0.079 mmol)を収率68%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.12 (9H, s), 0.23 (9H, s), 1.68-1.72 (1H, m), 1.83 (1
H, d, J=9.2 Hz), 1.86-1.90 (2H, m), 2.07 (1H, dd, J=4.0, 9.8 Hz), 3.71 (1H, dd, J=7.2, 8.9 Hz), 3.88-3.94 (4H, m);
13C NMR (CDCl3):δ 0.3, 1.31, 31.2, 33.8, 41.0, 64.3, 64.4, 74.3, 75.4, 1
07.4, 119.2 ;
IR (KBr):2960, 2894, 1375, 1253, 1141, 948, 844, 754 cm-1 ;
[α]D 28 +34.8 (c =1.0 , CHCl3);
HRMS (FAB):計算値 [C15H29NO4Si2+H]:344.1713, 実測値:344.1724.
アルデヒド (10)
Figure 2006052177
ニトリル 9 (190 mg, 0.553 mmol)のEt2O 溶液(7.4 mL)に-60℃でDIBALのヘキサン溶液(0.95 M, 1.6 mL, 1.49 mmol)を加え-30℃まで昇温しながら1時間攪拌する。攪拌後、MeOH (0.4 mL)、硫酸ナトリウム10水和物(300 mg)を加え室温で1時間さらに攪拌する。攪拌後無機物をろ過し、溶媒を減圧留去する。カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)を用いて精製し、アルデヒド 10 (138 mg, 0.4 mmol)を収率72%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.09 (9H, s), 0.10 (9H, s), 1.57-1.69 (2H, m), 1.77 (1
H, dd, J=10.2, 13.4 Hz), 1.86-1.96 (2H, m), 2.00-2.06 (1H, m), 3.87-3.98 (5H, m), 9.74 (1H, s);
13C NMR (CDCl3):δ 0.28, 2.35, 29.1, 31.0, 40.2, 64.2, 64.4, 75.4, 80.8,
108.3, 204.9;
IR (neat):2958, 2886, 1733, 1384, 1251, 1128, 1089, 867, 754 cm-1 ;
[α]D 27 +12.4 (c = 1.73, CHCl3);
HRMS (FAB):計算値 [C15H30O5Si2+H]:347.1710, 実測値:347.1697.
エノン (11)
Figure 2006052177
アルデヒド 10 (4.93 g, 14.2 mmol)のCH2Cl2 (76 mL)に-50℃でDIBAL のヘキサン溶液(0.95 M, 27 mL, 25.6 mmol)を加え、20分かけて-30℃まで昇温する。攪拌後、MeOH (8 mL) と硫酸ナトリウム10水和物(7.0 g)を加え、さらに室温で1 時間攪拌する。攪拌後、無機物をろ過し、溶媒を減圧留去することで粗生成物を4.92g得て、精製せずに次の反応に用いる。
粗生成物に室温でTHF (30 mL)とH2O (1 mL) と酸性イオン交換樹脂(Amberlyst 15 )(500 mg)を加え、60℃で48 時間攪拌する。その後、シリカゲル(10.0 g)を加え、さらに12時間60℃で攪拌する。攪拌後、無機物をろ過し、溶媒を減圧留去することでヒドロキシシクロヘキサノンを1.95 g得て、精製せずそのまま次の反応へ用いる。
粗生成物、トリエチルアミン (9.9 mL, 71.0 mmol)とジメチルアミノピリジン(50 mg)のCH2Cl2 (34 mL)溶液に0℃でtert-ブチルジメチルシリルクロリド (6.4 g, 42.6 mmol)を加え12時間室温で攪拌する。攪拌後、無機物をろ過し、溶媒を減圧留去する。カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)を用いて精製し、エノン11 (2.11 g, 8.23 mmol)を収率58%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.08 (6H, s), 0.90 (9H, s), 2.03-2.07 (2H, m), 2.35 (1
H, ddd, J=6.0, 17.2, 8.0 Hz), 2.63 (1H, dt, J=6.5, 17.2 Hz), 2.88 (1H, brs), 3.56 (1H, d, J=9.9 Hz), 3.60 (1H, d, J=9.9 Hz), 5.96 (1H, d, J=10.3 Hz), 6.74 (1H, d, J=10.3 Hz);
13C NMR (CDCl3):δ-5.5, 18.3, 25.8, 31.6, 34.0, 67.8, 69.9, 130.0, 150.2
, 198.9;
IR (KBr):3315, 2952, 2929, 2856, 1650, 1376, 1238, 1110, 1083, 848, 667 cm-1 ;
[α]D 28 -44.2 (c =1.0, CHCl3);
HRMS (FAB):計算値 [C13H24O3Si+H]:257.1573, 実測値:257.1552.
エノン11の光学純度は対応するアセタート 11に変換して決定した。
アセタート (11')
Figure 2006052177
エノン 11 (11.5 mg, 0.045 mmol)、ピリジン(0.2 mL)、触媒量のジメチルアミノピリジンのCH2Cl2 (0.6 mL)溶液に無水酢酸 (0.1 mL)を室温で加え3時間攪拌する。攪拌後、リン酸緩衝溶液を加え反応を停止し、有機物を酢酸エチルを用いて3回抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:3 )を用いて精製し、アセタート 11' (10.8 mg, 0.036 mmol)を収率81%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.04 (6H, s), 0.87 (9H, s), 2.01 (3H, s), 2.21-2.26
(1H, m), 2.43-2.58 (2H, m), 2.60-2.62 (1H, m), 3.86 (1H, d, J=10.4 Hz), 3.97 (1H, d, J=10.4 Hz), 6.00 (1H, d, J=10.3 Hz), 7.07 (1H, d, J=10.3 Hz);
13C NMR (CDCl3):δ 1.0, 18.2, 21.6, 25.7, 29.9, 33.7, 65.6, 79.1, 130.3,
148.2, 170.1, 198.6;
IR (neat):2954, 2929, 2857, 1739, 1689, 1367, 1249, 1122, 838 cm-1 ;
[α]D 19 +14.6 (c =0.61, CHCl3);
HRMS (FAB):計算値 [C15H27O4Si]:299.1679, 実測値299.1708.
エナンチオマー過剰率はキラルパック(Chiralpak)AS-Hカラム (10:1 ヘキサン:2-プロパノール) を用いた, HPLCで測定した。, 1.0mL/分; メジャー エナンチオマー tr =3.89分, マイナー エナンチオマー tr =4.24分.
シリルエノールエーテル(13)
Figure 2006052177
ブロミド 12 (1.03 g, 5.48 mmol)のTHF (7.0 mL)溶液に、-78℃でtert-ブチルリチウムのペンタン溶液 (1.60 M, 6.4 mL, 10.3 mmol)を加える。-78℃で1時間攪拌した後、ジメチル亜鉛のヘキサン溶液(0.97 M, 5.54 mL, 5.5 mmol)を加え、0℃まで昇温し、0℃で15分間攪拌する。攪拌後、再び-78℃に冷却しエノン 11 (402 mg, 1.57 mmol) のTHF (7.0 mL)溶液を滴下し、2時間かけて-40℃まで昇温する。その後、トリエチルアミン(0.96 mL, 7.85 mmol)とトリメチルシリルクロリド(1.53 mL, 11.0 mmol)のTHF (6.0 mL)溶液を加え、-20℃まで1時間以上攪拌する。攪拌後、リン酸緩衝溶液を加え反応を停止し、有機物を酢酸エチルを用いて3回抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:30 )を用いて精製し、シリルエノールエーテル 13 (423 mg, 0.96 mmol)を収率61%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.03 (6H, s), 0.17 (9H, s), 0.87 (9H, s), 1.61 (3H,
s), 1.66 (3H, s), 1.71 (3H, s), 1.75-1.81 (1H, m), 1.90-2.03 (1H, m), 2.15-2.25 (2H, m), 2.70-2.74 (3H, m), 2.91 (1H, brs), 3.42 (1H, d, J=9.5 Hz), 4.56 (1H, d, J=3.6 Hz), 5.07-5.11 (1H, m), 5.20 (1H, t, J=7.3 Hz);
13C NMR (CDCl3):δ 0.3, 3.0, 17.7, 18.2, 25.6, 25.9, 25.9, 27.0, 27.2, 29
.7, 48.4, 68.6, 71.6, 106.5, 123.0, 128.1, 131.6, 135.9, 149.9;
IR (neat):3531, 2956, 2929, 2857, 1668, 1251, 1187, 1091, 892, 840, 777 cm-1 ;
HRMS (FAB):計算値 [C24H46O3Si2]:438.2986, 実測値:438.2952.
トリオール(14)
Figure 2006052177
シリルエノールエーテル 13 (101 mg, 0.24 mmol)のMeOH (8 mL)溶液に-90℃でジメチルジオキシラン(DMD)のアセトン溶液(0.1 M, 7.2 mL, 0.72 mmol)を加え1.5時間攪拌する。攪拌後、ジメチルスルフィド (0.7 mL)を加え、0℃に昇温し10分攪拌し、溶媒を減圧留去し粗生成物を得て、精製を行わずそのまま次の反応に用いる。
粗生成物のTHF (2 mL)溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリドのTHF溶液(1.0 M, 1.0 mL, 1.0 mmol )を室温で加え、そのまま1.2時間攪拌する。攪拌後、溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:1-3:1 )を用いて精製し、トリオール 14 (47.1 mg, 0.18 mmol)を2段階で収率71%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 1.61 (3H, s), 1.67 (3H, s), 1.67-1.71 (1H, m), 1.96-
2.06 (1H, m), 2.18 (1H, d, J=11.9 Hz), 2.46 (1H, dddd, J=2.1, 2.1, 4.6, 14.0 Hz), 2.66-2.80 (2H, m), 2.90 (1H, dt, J=6.5, 14.0 Hz), 3.33 (1H, d, J=11.2 Hz), 3.61 (1H, d, J=11.2 Hz), 4.65 (1H, d, J=11.9 Hz), 5.08 (1H, t, J=7.2 Hz), 5.31 (1H, t, J=6.2 Hz);
13C NMR (CDCl3):δ 17.8, 25.6, 25.6, 17.0, 34.3, 35.8, 68.7, 72.7, 74.0,
121.9, 129.6, 132.6, 133.0, 211.2;
IR (neat):3428, 2965, 2925, 1716, 1376, 1114, 1095, 1045, 960 cm-1 ;
[α]D 21 -72.1 (c =1.0 , CHCl3);
HRMS (FAB):計算値 [C15H24O3]:268.1675, 実測値:268.1665.
トシラート (15)
Figure 2006052177
トリオール14 (5.8 mg, 0.0216 mmol)のCH2Cl2 (0.6 mL)溶液にトリエチルアミン(100 μL)と p-トルエンスルホニルクロリド(30 mg, 0.157 mmol)を0℃で加え、4時
間室温で攪拌する。攪拌後、リン酸緩衝溶液を加え反応を停止し、有機物を酢酸エチルを用いて3回抽出した後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、薄層クロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:1 )を用いて精製し、トシラート 15 (6.5 mg, 0.0154 mmol)を収率71%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 1.59 (3H, s), 1.67 (3H, s), 1.75 (3H, s), 2.11-2.17
(2H, m), 2.27 (1H, brs), 2.40-2.46 (1H, m), 2.44 (3H, s), 2.72 (1H, brs), 2.80 (1H, dt, J=5.8, 13.4 Hz), 3.33 (1H, d, J=2.4 Hz), 3.73 (1H, d, J=10.3 Hz), 3.98 (1H, d, J=10.3 Hz), 4.60 (5H, d, J=11.6 Hz), 5.00 (1H, t, J=7.0 Hz), 5.12-5.22 (1H, m), 7.34 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.74 (2H, d, J= 8.2 Hz);
13C NMR (CDCl3):δ 17.7, 21.7, 25.6, 25.6, 27.0, 33.9, 35.4, 59.8, 72.4,
72.8, 74.9, 122.1, 127.9, 129.4, 130.0, 130.8, 132.3, 132.4, 145.4, 210.3;
IR (neat):3478, 2969, 2925, 1716, 1598, 1452, 1363, 1189, 973, 813 cm-1;
[α]22 D -39.7 (c =1.0, CHCl3);
HRMS (FAB):計算値 [C22H30O6S]:422.1763, 実測値:422.1737.
ジエポキシド(1)
Figure 2006052177
トシラート 15 (3.2 mg, 0.0075 mmol)のCH2Cl2 (0.6 mL)溶液に0℃でバナジウムアセチルアセトナート(0.2 mg), tert-ブチルヒドロペルオキシドのトルエン溶液(4.05 M, 0.1 mL)を加え、3時間攪拌する。その後、ジメチルスルフィド (0.1 mL)を加え0℃で10分間攪拌した後、溶媒を減圧留去し粗生成物を得て、精製することなく次の反応へ用いる。
粗生成物のMeOH (0.6 mL)溶液に0℃で炭酸カリウム (5.3 mg)を加え20分間攪拌する。攪拌後、リン酸緩衝溶液を加え反応を停止し、有機物をCHCl3を用いて3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)を用いて精製し、ジエポキシド 1(1.5 mg, 0.0056 mmol)を収率75%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 1.29 (3H, s), 1.53 (1H, ddd, J= 2.0, 6.8, 13.9 Hz),
1.60 (3H, s), 1.03 (1H, d, J=12.0 Hz), 1.69 (3H, s), 2.07-2.21 (1H, m), 2.33-2.40 (1H, m), 2.49-2.57 (2H, m), 2.66 (1H, d, J= 4.2 Hz), 2.68-2.79 (1H, m), 3.01 (1H, d, J= 4.2 Hz), 3.51 (1H, brs), 4.58 (1H, d, J= 12.0 Hz), 5.14 (1H, t, J= 7.2 Hz);
13C NMR (CDCl3):δ 13.3, 18.0, 25.7, 27.4, 29.7, 33.9, 35.8, 50.7, 55.4,
58.6, 60.9, 74.8, 118.2, 135.2, 208.8;
IR (neat):2917, 1722, 1444, 1382, 1265, 1101, 736 cm-1 ;
[α]D 19 -48.7 (c =0.45, CHCl3) ;
HRMS (FAB):計算値 [C15H22O4]:266.1518, 実測値:266.1524.
RK-805
Figure 2006052177
ジエポキシド 1 (4.5 mg, 0.017 mmol)のCH3CN (0.8 mL)に酸化銀 (100 mg), ヨードメタン(0.2 mL)を室温で加え、9時間攪拌する。攪拌後セライトろ過を行い、溶媒を減圧留去する。精製はカラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)を用いて行い、RK-805 (3) (3.6 mg, 0.013 mmol)を収率75%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 1.27 (3H, s), 1.64 (3H, s), 1.67-1.70 (1H, m), 1.73
(3H, s), 1.86 (1H, d, J=10.4 Hz), 1.99-2.07 (1H, m), 2.09-2.17 (1H, m), 2.34-2.40 (1H, m), 2.46-2.52 (1H, m), 2.59 (1H, t, J=6.3 Hz), 2.62-2.69 (1H, m), 2.71 (1H, d, J=4.4 Hz), 3.03 (1H, d, J=4.4 Hz), 3.48 (3H, s), 4.05 (1H, d, J=10.4 Hz), 5.17 (1H, t, J=7.3 Hz);
13CNMR(CDCl3)δ14.0,18.0,25.7,27.4,33.2,36.8,51.9,53.7,58.4,58.5,58.7,60.5,83.3,118.3,135.1,207.0;
1H NMR (アセトン-d6):δ 1.23 (3H, s), 1.65 (3H, s), 1.66-1.71 (1H, m) 1.
73 (3H, s), 1.89 (1H, d, J=10.5 Hz), 2.06-2.09 (1H, m), 2.23-2.28 (2H, m), 2.38 (1H, ddd, J=4.4, 5.3, 14.2 Hz), 2.58-2.66 (1H, m), 2.62 (1H, t, J=6.3 Hz), 2.74 (1H, d, J=4.5 Hz), 3.03 (1H, d, J=4.5 Hz), 3.39 (3H, s), 4.12 (1H, d, J= 10.3 Hz), 5.21-5.26 (1H, m);
13C NMR (アセトン-d6):δ 14.4, 18.0, 25.8, 28.2, 33.6, 37.4, 52.4, 54.0,
57.9, 59.27, 59.31, 60.7, 83.9, 120.2, 134.9, 207.3;
IR (neat):2960, 2925, 1728, 1643, 1444, 1385, 1267, 1115 cm-1;
[α]D 22 -63.7 (c =0.1, CHCl3); 参照文献 (Marui, S.; Kishimoto, S. Chem. Pharm. Bull. 1992, 40, 575.) [α]D 24 -64.9 (c=0.21, CHCl3) lit. (Asami, Y.; Kakeya, H.; Onose, R.; Chang, Y-H.; Toi, M.; Osada, H. Tetrahedron in press.) [α]D 24 -61.3 (c=0.30, CHCl3);
HRMS (FAB):計算値 [C16H24O4]:280.1675, 実測値:280.1653.
フマギロール(fumagillol)
Figure 2006052177
RK-805 (2.8 mg, 0.01 mmol)のTHF (0.4 mL)溶液にポタジウム トリ−sec-ブチルボロヒドリド(K-selectride) (1.0 M, 0.1 mL, 0.1 mmol)のTHF溶液を加え、10分間攪拌する。攪拌後、リン酸緩衝溶液を加え反応を停止し、有機物をCHCl3を用いて3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)を用いて精製し、フマギロール (2.7 mg, 0.0094 mmol)を収率94%で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 0.94-0.97 (1H, m), 1.20 (3H, s), 1.64 (3H, s), 1.72 (3
H, s), 1.72-1.75 (1H, m), 1.90 (1H, d, J=11.1 Hz), 1.94-2.00 (1H, m), 2.13-2.21 (1H, m), 2.18 (1H, dt, J=4.6, 14.0 Hz), 2.29-2.39 (2H, m), 2.51 (1H, d, J=4.3 Hz), 2.56 (1H, t, J=6.3 Hz), 2.91 (1H, d, J=4.3 Hz), 3.47 (3H, s), 3.60 (1H, dd, J=2.8, 11.1 Hz), 4.33-4.35 (1H, m), 5.18 (1H, t, J=7.5 Hz) ;
13C NMR (CDCl3):δ 14.0, 18.0, 25.7, 26.5, 27.3, 28.5, 47.1, 50.7, 56.5,
58.5, 59.8, 61.2, 64.2 81.0, 118.6, 134.9;
IR (neat):3444, 2928, 1733, 1378, 1261, 1105, 929 cm-1;
[α]D 28 -62.1 (c =0.1, MeOH) ; 参照文献 (Taber, D. F.; Christos, T. E.; Rheingold, A. L.; Guzei, I. A. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 5589.) [α]D -67.4 (MeOH);
FR65814
Figure 2006052177
ジエポキシド 1 (3.0 mg, 0.011 mmol)のMeOH (0.4 mL)溶液に水素化ナトリウム (10 mg)を-50℃で加え、-10℃まで2時間かけて昇温する。反応後、リン酸緩衝溶液を加え反応を停止し、有機物をCHCl3を用いて3回抽出した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。無水硫酸ナトリウムをろ過し、溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィ(酢酸エチル:ヘキサン=3:1)を用いて精製し、FR65814 (1.9 mg, 0.007 mmol)を62%、5-デメトキシフマギロール(demethoxyfumagillol) 2(1.0 mg, 0.0036 mmol)を32%の収率で得た。
1H NMR (CDCl3):δ 1.18-1.21 (1H, m), 1.28 (3H, s), 1.38 (1H, d, J=11.2 H
z), 1.64 (3H, s), 1.66-1.71 (1H, m), 1.73 (3H, s), 1.90 (1H, dd, J=4.1, 13.7 Hz), 1.93-1.99 (1H, m), 2.09-2.16 (1H, m), 2.35-2.43 (1H, m), 2.52 (1H, d, J=4.3 Hz), 2.58 (1H, dd, J=5.9, 7.1 Hz), 2.75 (2H, brs), 2.81 (1H, d, J=4.3 Hz), 3.51 (1H, ddd, J=4.3, 8.7, 11.3 Hz), 3.86 (1H, dd, J=8.7, 11.2 Hz), 5.15 (1H, brt, J=7.4 Hz);
13C NMR (CDCl3):δ 13.7, 18.0, 25.7, 27.2, 28.1, 32.3, 49.3, 52.3, 58.4, 5
9.6, 61.9, 75.2, 75.3, 117.9, 135.6;
IR (neat):3411, 2924, 2854, 1105, 1070 cm-1 ;
[α]D 28 -38.1(c =0.1, MeOH); 参考文献. (Hatanaka, H.; Kino, T.; Hashimoto, M.; Tsurumi, Y.; Kuroda, A.; Tanaka, H.; Goto, T.; Okuhara, M. J. Antibiot. 1988, 41, 999.) [α]D 23 -38.4 (c=2.4, MeOH)
(3R, 4S, 5S)-4-[(1E, 4E)1,5-ジメチル-ヘキサ-1,4-ジエチル]-5-ヒドロキシ-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタン-6-オン (16)
Figure 2006052177
トシラート15(42.0 mg, 0.0993 mmol)のメタノール溶液(1.6 mL)に0℃で炭酸カリウム(0.2 mmol)を加え20分間室温で攪拌する。攪拌後リン酸緩衝溶液を加え、クロロホルムで3回抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥する。乾燥後、溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)を用いて精製し、エポキシド16(21.8 mg, 0.0871 mmol)を88%の収率で得た。
1H NMR (CDCl3) :δ 1.60 (3H, s), 1.67 (3H, s), 1.69 (3H, s), 2.25 (1H, dt
, J=5.0, 14.0 Hz), 2.57-2.62 (1H, m), 2.63 (1H, d, J=4.8 Hz), 2.70-2.73 (1H, m), 2.76 (1H, d, J=4.8 Hz), 2.81 (1H, dt, J=6.9, 14.0 Hz), 4.52 (1H, d, J=11.9 Hz), 5.04-5.08 (1H, m), 5.24 (1H, t, J=6.6 Hz);
13C NMR (CDCl3) :δ 17.7, 25.6, 26.8, 27.0, 27.8, 29.7, 49.8, 50.6, 60.0,
68.1, 70.9, 122.2, 129.9, 131.6, 132.2;
IR (KBr) 3469, 2967, 2923, 2856, 1720, 1442, 1376, 1097, 923, 715 cm-1 ;
[α]D 19 -88.7(c =0.35 , CHCl3)
HRMS (FAB): 計算値:[C15H22O3]: 250.1569, 実測値::250.1578
5-ヒドロキシ-4-[2-メチル-3-(3-メチル-ブテ-2-エニル)-オキシラニル]-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタン-6-オン (3)
Figure 2006052177
エポキシド16 (21.3 mg, 0.0851 mmol)のCH2Cl2(2.0 mL)溶液にVO(acac)2(2.3 mg, 0.0085mmol) とTBHP(1.6mmol)を0℃で加え、そのまま3時間攪拌する。攪拌後、ジメチルスルフィド(0.2 mL)加え、さらに5分間攪拌した後、リン酸緩衝溶液を用いて反応を停止する。酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で3回洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥する。乾燥後、溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)を用いて精製し、60%のジエポキシド1(13.7 mg, 0.604 mmol)、34%のジエポキシド3(7.7 mg, 0.289 mmol)を得た。
試験例1
前記化合物1、2、3による正常ヒトさい帯静脈血管内皮細胞HUVECs (human umbilical vein endothelial cells)の増殖抑制効果
HuMedia-EG2 (クラボウ社)培地を用いて培養維持された正常ヒトさい帯静脈血管内皮細胞HUVECsを96穴プラスチックディッシュに1.5x103の細胞数でまいた。細胞が接着後、一連の希釈の化合物1、2、3をそれぞれ0.001-10 ng/mlの濃度域で添加し、4日後の細胞生存率を生細胞測定試薬WST-8TM試薬(2-2(メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム, モノナトリウム塩)(ナカライテスク社)を用いて検定した。細胞生存率は、以下の式で算出した。
細胞生存率=100x(薬剤存在下の吸光度-ブランクの吸光度)/(薬剤非存在下の吸光度)-(ブランクの吸光度)
その結果、化合物1、2、3は、いずれも0.02〜0.50ng/mlの濃度域でHUVEC細胞の増殖を50%阻害した。
試験例2
化合物1、2、3によるヒト正常肺繊維芽細胞WI-38の増殖に与える影響
DMEM培地(10% ウシ胎児血清)を用いて培養維持された正常ヒト肺繊維芽細胞WI-38を96穴プラスチックディッシュに3x103の細胞数でまいた。細胞が接着後、一連の希釈の化合物1、2、3を0.001-10 ng/mlの濃度域で添加し、4日後の細胞生存率を生細胞測定試薬WST-8TM試薬(2-2(メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム, モノナトリウム塩)(ナカライテスク社)を用いて検定した。細胞生存率は、以下の式で算出した。
細胞生存率=100x(薬剤存在下の吸光度-ブランクの吸光度)/(薬剤非存在下の吸光度)-(ブランクの吸光度)
その結果、化合物1、2、3のWI-38細胞の増殖を50%阻害する濃度は、10ng/ml以上であった。
本発明の化合物は、血管内皮細胞に選択的に増殖抑制効果を示すことから、血管新生阻害剤、抗腫瘍剤、転移抑制剤、抗リウマチ様関節炎剤、糖尿病性網膜症、免疫抑制剤などの医薬として有用である。また、その化合物は、本発明方法により工業的に有利に製造でき、更に既存の化合物も効率的に製造することができる。

Claims (6)

  1. 次の一般式(I)で表される化合物
    Figure 2006052177
    [式中、Rは基a又はbを示し、Xはc又はdを示すが、XがdのときRはaを示す。]
  2. 1)1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカン-8-オン(6)に触媒量のプロリン存在下 ニトロソベンゼンを作用させ、光学活性α−アミノオキシケトン(7)を得る。
    2)(7)のN-O結合を還元的に切断し、アルコール(8)とし、
    3)アミン存在下、TMSCNを作用させ、ビストリメチルシロキシニトリル(9)と し
    4)還元剤を作用させ、ニトリルをアルデヒド(10)、更にアルコールに還元し 、
    5)ケタールを酸で脱保護し、酸性条件下で脱水を行い、
    6)一級アルコールを保護し、(11)を得、
    7)側鎖(12)をマイケル反応により導入し、(13)を得、
    8)(13)を酸化反応によりケトンのα−位に水酸基を導入し
    9)アルコールの保護基を除去し(14)、
    10) トシル化剤と塩基を作用させ(15)、
    11) オレフィンを酸化剤によりエポキシ化し、
    12) 塩基を作用させ、 エポキシを構築する
    ことを特徴とする下記式(1)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2006052177
  3. 下記式(1)で表される化合物の水酸基をメチル化することを特徴とする下記RK-805の製造方法。
    Figure 2006052177
  4. 下記式(1)で表される化合物を還元することを特徴とする下記FR65814及び化合物(2)の製造方法。
    Figure 2006052177
  5. 下記式(1)で表される化合物の水酸基をメチル化し、還元することを特徴とする下記フマギロール(fumagillol)の製造方法。
    Figure 2006052177
  6. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する医薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008146418A1 (ja) 2007-05-30 2008-12-04 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. アスベストの無害化処理方法及びアスベストの無害化処理水溶液
WO2009117902A1 (en) * 2008-03-27 2009-10-01 Versitech Limited 5-demethoxyfumagillol and derivatives thereof
CN104478832A (zh) * 2015-01-05 2015-04-01 富阳鸿祥技术服务有限公司 二萜化合物,含其的药物组合物及其制备方法和应用

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