JP2006050590A - 無線装置、該無線装置に用いられる制御方法及び制御プログラム - Google Patents
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Abstract
2つ以上のアンテナを有する携帯無線端末のアンテナ・スイッチ内のアナログスイッチ回路におけるIMD(相互変調歪)特性を向上させ、かつ消費電力を低減させる。
【解決手段】送信部41から発生する送信信号Tの送信パワー値が所定の閾値以上のとき,制御部70により、電圧変換回路62が動作して出力電圧Vaがアンテナ・スイッチ61に印加され、同アンテナ・スイッチ61における相互変調歪が改善される。また、送信パワー値が閾値よりも小さいとき、制御部70により、電圧変換回路62が停止する。このとき、半導体スイッチ63がオン状態となり、電源電圧Vcがアンテナ・スイッチ61に印加される。このため、アンテナ・スイッチ61に電圧変換回路62の出力電圧Vaが印加される場合よりも消費電流が低減され、バッテリの寿命が長くなり、携帯無線端末の待受け時間が延長される。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載された高周波信号切換装置では、可変容量ダイオードの両端に、電圧変換部からトランスミッションラインを介して電圧が印加される。電圧変換部は電源部から電源が供給され、同電圧変換部の出力電圧はCPU(中央処理装置)により制御される。可変容量ダイオードのインピーダンスを変化させることにより、インピーダンス整合手段の整合性を変化させて高周波信号の送受信のスイッチングが行われる。
すなわち、2つ以上のアンテナを有する携帯無線端末では、アンテナ・スイッチの適切な切替制御を行う必要がある。また、この携帯無線端末では、アンテナ・スイッチ内のアナログスイッチ回路におけるIMD特性を向上させる必要がある。また、アナログスイッチ回路のIMD特性を向上させることで、携帯無線端末の設計の自由度を向上させる必要がある。また、携帯無線端末のIMD特性を向上させ、かつ消費電力を低減させる必要がある。また、送信信号のパワーに応じた消費電流が流れ、同送信信号のパワーが低いときには消費電流が低減される携帯無線端末を提供する必要がある。
この携帯無線端末は、同図9に示すように、送受信回路10と、アンテナ21,22と、アンテナ選択部30と、制御部14とから構成されている。送受信回路10は、送信部(Transmitter )11と、受信部(Receiver)12と、デュープレクサ(DUPLEXER)13とから構成されている。送信部11は、図示しない無線基地局へ送信するための送信信号Tを発生する。受信部12は、無線基地局からの受信信号Rを受信する。デュープレクサ13は、送信信号Tと受信信号Rとを、お互いの妨害にならないように分離する。制御部14は、この携帯無線端末全体を制御するCPU15及び同CPU15を動作させるための各種プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)16を有している。制御部14は、予め定められたプログラムに基づいてアンテナ選択信号dを出力する。アンテナ選択信号dは、アンテナ選択部30に入力されるようになっている。制御部14は、アンテナ選択信号dを用いて、アンテナ・スイッチ31を制御する。
このアンテナ・スイッチ31は、同図10に示すように、アナログスイッチ回路33,34と、論理回路35と、スイッチ36,37とから構成されている。論理回路35は、アンテナ選択信号dに基づいてアナログスイッチ回路33,34及びスイッチ36,37の制御を行う。アナログスイッチ回路33,34は、電圧変換回路32の出力電圧Vaが印加されると動作し、論理回路35からの制御に基づいてオン状態/オフ状態となる。スイッチ36,37がオン状態のとき、アナログスイッチ回路33,34は、出力電圧Vaが電源として供給され、送信信号Tを受け、選択されたアンテナ21又はアンテナ22に送出し、受信時は、逆にアンテナ21,22からの受信信号Rを送受信回路10に出力する。
このアナログスイッチ回路33は、同図11に示すように、インバータ100と、pチャネル型MOSFET(以下、「pMOS」という)101とから構成されている。インバータ100の出力側は、FET101のゲートに接続されている。また、インバータ100の電源入力端子、及びFET101のソースには、外部から出力電圧Vaが印加されている。なお、アナログスイッチ回路33とアンテナ21との間には、図示しないコンデンサが挿入されている。それによって、携帯無線端末のユーザがアンテナに触れたとしても、直流電圧が変化せず、回路が正常に動作する。なお、アナログスイッチ回路34も同様の構成となっている。
この例の無線装置は、携帯無線端末であり、同図に示すように、送受信回路40と、検波回路44と、アンテナ51,52と、アンテナ選択部60と、制御部70とから構成されている。送受信回路40は、送信部(Transmitter )41と、受信部(Receiver)42と、デュープレクサ(DUPLEXER)43とから構成されている。送信部41は、送信動作時、送信信号Tを発生する。受信部42は、受信信号Rを受信する。デュープレクサ43は、送信信号Tと受信信号Rとを、お互いの妨害にならないように分離する。検波回路44は、検波用ダイオード及びLPF(Low Pass Filter )などで構成され、送信信号Tの検波を行い、検波信号eを出力する。検波信号eは、送信信号Tのパワーに関する情報を含む。
同図に示すように、左の列が、送信信号Tのパワーに基づいた制御の場合分けである。
送信信号TのパワーPoutが予め定められた閾値A以上である場合には、電圧変換制御信号cが“H”となる。この場合、電圧変換回路62は動作を開始し、出力電圧Vaがアンテナ・スイッチ61に印加される。また、送信信号TのパワーPoutが、予め定められた閾値Aより小さい場合には、電圧変換制御信号cが“L”となる。この場合、電圧変換回路62は動作を停止し、出力電圧Vaに代えて電源電圧Vcがアンテナ・スイッチ61に印加される。
これらの図を参照して、この例の携帯無線端末に用いられる電圧変換回路の動作制御方法の処理内容について説明する。
この携帯無線端末では、送信部41から発生する送信信号Tのレベルに基づいて電圧変換回路62の動作/停止状態が制御され、動作状態のときに出力電圧Vaがアンテナ・スイッチ61のアナログスイッチ回路に印加され、停止状態のときに電源電圧Vcが同アナログスイッチ回路に印加される。
この例の携帯無線端末では、同図5に示すように、図1中のアンテナ選択部60及び制御部70に代えて、新たな機能が付加されたアンテナ選択部60A及び制御部70Aが設けられている。また、電源LSI(大規模集積回路)80が新たに設けられている。アンテナ選択部60Aでは、図1中の電圧変換回路62に代えて、異なる構成の電圧変換回路62Aが設けられ、半導体スイッチ63が削除されている。電圧変換回路62Aは、電圧変換回路62の機能に加え、電源LSI80から送出されるリファレンス信号mにより出力電圧Vaが可変制御される。よって、同出力電圧Vaは、連続的に変化する。制御部70Aは、制御部70の機能に加え、検波信号eのレベルに基づいて送信信号Tの送信パワー値に対応した送信パワー情報pを生成する。送信パワー情報pは、所定の量子化ビット数のデジタル値で構成されている。電源LSI80は、送信パワー情報pのビット数に対応したDAC(デジタル/アナログ・コンバータ)81を有している。DAC81は、送信パワー情報pをアナログのリファレンス信号mに変換する。このため、制御部70Aは、電源LSI80と相俟って、送信信号Tの送信パワー値に対応して電圧変換回路62Aの出力電圧Vaを可変制御する。他は、図1と同様の構成である。
この図を参照して、この例の携帯無線端末に用いられる制御方法の処理内容について説明する。
まず、制御部70Aにより、検波回路44からの検波信号eに基づいて、送信信号Tの送信パワーPoutが測定される(ステップS141)。続いて、制御部70Aにより、送信パワーPoutに対応した送信パワー情報pが生成され(ステップS142)、同送信パワー情報pが電源LSI80に出力される(ステップS143)。
この例の携帯無線端末では、同図7に示すように、図1中の送受信回路40及び制御部70に代えて、異なる構成の送受信回路40B及び制御部70Bが設けられ、検波回路44が削除されている。送受信回路40Bでは、送信部41に代えて、新たな機能が付加された送信部41Bが設けられている。送信部41Bは、送信部41の機能に加え、ノーマルモードによる動作又は低消費電流モードによる動作が、制御部70Bからのモード切替制御信号fに基づいて切り替えられるようになっている。ノーマルモードによる動作は、送信信号Tの送信パワー値が所定の基準値以上のある固定値で出力される動作である。一方、低消費電流モードによる動作は、同送信パワー値が同基準値よりも小さいある固定値で出力される動作である。固定値は複数種類あってもよい。それぞれの動作モードの出力信号の送信パワーは予めROM72に記憶され、制御部70Bは、その値に基づいて送信部41Bの送信信号Tの送信パワーを制御する。
この図を参照して、この例の携帯無線端末に用いられる制御方法の処理内容について説明する。
制御部70Bにより、動作モードが確認される(ステップS151)。この場合、たとえばCPU71内の特定のレジスタに現在の動作モードを判断する領域を確保しておき、同レジスタを確認する。同レジスタに“1”が記憶されていればノーマルモード、及び“0”が記憶されていれば低消費電流モードである。現在の動作モードがノーマルモードである場合、制御部70Bにより、ノーマルモードへの切替え制御信号f(たとえば、“H”)が出力される(ステップS152)。一方、現在の動作モードが低消費電流モードである場合、制御部70Bにより、低消費電流モードへの切替え制御信号f(たとえば、“L”)が出力される(ステップS153)。この図8に示す一連の制御は、繰り返し行われる。また、アンテナの切り替え動作では、制御部70Bにより、第1の実施例の図4と同様の処理が行われる。また、携帯無線端末の動作モードの決定は、別の制御プログラムに基づいて行ってもよい。同制御プログラムは、たとえば、図示しない無線基地局からの制御信号に基づいて、動作モードの切り替えを設定するように構成されている。この場合、制御部70Bにより、CPU71内の特定のレジスタの値が書き換えられる。
たとえば、図1中のアンテナ選択部60は、電源電圧Vc又は出力電圧Vaが電圧変換回路制御信号cに基づいて選択されてアンチナ・スイッチ61に印加されるようになっていれば、任意の構成で良い。また、半導体スイッチ63は、FETの他、別のアナログスイッチ回路で構成してもよい。また、図5中の電源LSI80は、送信パワー情報pをリファレンス信号mに変換する構成になっていれば、任意の構成で良い。また、図5中のCPU71が電源LSI80と同じ機能をプログラムで実現する構成も可能である。この場合、電源LSI80とは別のDACを用いて電圧変換回路62Aの出力電圧を可変制御する構成とする。
11,41,41B 送信部(Transmitter )
12,42 受信部(Receiver)
13,43 デュープレクサ(DUPLEXER)
44 検波回路
21,22,51,52 アンテナ
30,60,60A アンテナ選択部
14,70,70A,70B 制御部
31,61 アンテナ・スイッチ(アンテナ選択部の一部)
32,62,62A 電圧変換回路(アンテナ選択部の一部)
33,34 アナログスイッチ回路(アンテナ選択部の一部)
35 論理回路(アンテナ選択部の一部)
36,37 スイッチ(アンテナ選択部の一部)
63 半導体スイッチ(アンテナ選択部の一部)
71 CPU(中央処理装置)(制御部の一部)
72 ROM(リードオンリメモリ)(制御部の一部)
80 電源LSI(大規模集積回路)
100 インバータ(アナログスイッチ回路の一部)
101 pMOS(アナログスイッチ回路の一部)
Claims (9)
- 送信信号を発生する送信部と、
前記送信信号に対応した電波を放射するための複数のアンテナと、
制御部と、
前記複数のアンテナのうちの1つをアンテナ選択信号に基づいて選択するアンテナ選択部とを備え、
前記アンテナ選択部は、
電源電圧を該電源電圧よりも高い所定の出力電圧に変換する電圧変換回路と、
該電圧変換回路から出力される前記所定の出力電圧又は前記電源電圧が印加されて動作するアナログスイッチ回路とを有し、
前記制御部は、
前記送信部から発生する前記送信信号のレベルに基づいて前記電圧変換回路の動作/停止状態を制御し、動作状態のときに前記所定の出力電圧を前記アナログスイッチ回路に印加し、停止状態のときに前記電源電圧を前記アナログスイッチ回路に印加する構成とされていることを特徴とする無線装置。 - 前記制御部は、
前記送信部から発生する前記送信信号の送信パワー値が所定の閾値以上のときに前記電圧変換回路を動作させて前記所定の出力電圧を前記アナログスイッチ回路に印加し、前記送信パワー値が前記閾値よりも小さいとき、前記電圧変換回路を停止させると共に、前記所定の出力電圧に代えて前記電源電圧を前記アナログスイッチ回路に印加する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の無線装置。 - 前記制御部は、
前記送信部から発生する前記送信信号の有/無に基づいて前記電圧変換回路の動作/停止を制御する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の無線装置。 - 前記制御部は、
前記送信部から発生する前記送信信号の送信パワー値に基づいて前記電圧変換回路の前記力電圧を可変制御する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の無線装置。 - 送信信号を発生する送信部と、
前記送信信号に対応した電波を放射するための複数のアンテナと、
前記複数のアンテナのうちの1つをアンテナ選択信号に基づいて選択するアンテナ選択部とを備え、
前記アンテナ選択部は、
電源電圧を該電源電圧よりも高い所定の出力電圧に変換する電圧変換回路と、
該電圧変換回路から出力される前記所定の出力電圧又は前記電源電圧が印加されて動作するアナログスイッチ回路とを有する無線装置に用いられ、
前記送信部から発生する前記送信信号のレベルに基づいて前記電圧変換回路の動作/停止状態を制御し、動作状態のときに前記所定の出力電圧を前記アナログスイッチ回路に印加し、停止状態のときに前記電源電圧を前記アナログスイッチ回路に印加することを特徴とする無線装置の制御方法。 - 前記送信部から発生する前記送信信号の送信パワー値が所定の閾値以上のときに前記電圧変換回路を動作させて前記所定の出力電圧を前記アナログスイッチ回路に印加し、前記送信パワー値が前記閾値よりも小さいときに前記電圧変換回路を停止させると共に、前記所定の出力電圧に代えて前記電源電圧を前記アナログスイッチ回路に印加することを特徴とする請求項5記載の無線装置の制御方法。
- 前記送信部から発生する前記送信信号の有/無に基づいて前記電圧変換回路の動作/停止を制御することを特徴とする請求項5記載の無線装置の制御方法。
- 前記送信部から発生する前記送信信号の送信パワー値に基づいて前記電圧変換回路の前記出力電圧を可変制御することを特徴とする請求項5記載の無線装置の制御方法。
- 送信信号を発生する送信部と、
前記送信信号に対応した電波を放射するための複数のアンテナと、
制御部と、
前記複数のアンテナのうちの1つをアンテナ選択信号に基づいて選択するアンテナ選択部とを備え、
前記アンテナ選択部は、
電源電圧を該電源電圧よりも高い所定の出力電圧に変換する電圧変換回路と、
該電圧変換回路から出力される前記所定の出力電圧又は前記電源電圧が印加されて動作するアナログスイッチ回路とを有する、無線装置に対して、前記制御部に制御させるための制御プログラムであって、
前記送信部から発生する前記送信信号のレベルに基づいて前記電圧変換回路の動作/停止状態を制御し、動作状態のときに前記所定の出力電圧を前記アナログスイッチ回路に印加し、停止状態のときに前記電源電圧を前記アナログスイッチ回路に印加することを特徴とする制御プログラム。
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