JP2006046425A - 歯車式無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非円形歯車の回転軸線に直交して動作可能な支持部材が、回転軸線方向に全長が長くなることをなるべく抑制でき、かつ、その支持部材の構造の簡略化を図ることの可能な歯車式無段変速機を提供する。
【解決手段】 複数の非円形歯車18,〜21を噛み合わせてなる複数組の無段変速ユニット1,〜4と、複数の非円形歯車18,〜21を回転可能に支持する複数の支持部材5,6,7と、複数組の無段変速ユニット1,〜4毎に、いずれかの非円形歯車18,〜21と支持部材5とを動力伝達可能に連結する一方向クラッチ22とを有し、複数の支持部材5,6,7に、回転軸線に直交して移動可能な可動式支持部材7と、回転軸線に直交して移動不可能な固定式支持部材5とが含まれた歯車式無段変速機100において、固定式支持部材5と、固定式形支持部材5に取り付けられた非円形歯車18,〜21とが、一方向クラッチ22により連結されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、楕円歯車や指数関数歯車あるいは、中心から外れた偏心位置を基準として回転させられる円形の歯車などの非円形歯車、換言すれば、歯車の回転中心から、歯車同士の噛み合い箇所までの距離が、歯車の回転にともなって変化する非円形歯車を使用した無段変速機に関するものである。
この種の非円形歯車を使用した無段変速機の例が、特許文献1に記載されている。その構成を簡単に説明すると、特許文献1に記載された無段変速機は、第1の回転軸および第2の回転軸および第3の回転軸を有しており、第2の回転軸には入力軸がトルク伝達可能に連結され、第3の回転軸には出力軸がトルク伝達可能に連結されている。前記第1の回転軸には、第1組の第1の非円形歯車および第2組の第1の非円形歯車が、位相を互いにずらして固定されている。また、第2の回転軸には、第1組の第2の非円形歯車および第2組の第2の非円形歯車が、位相を互いにずらして取り付けられている。第1組の第2の非円形歯車は第2の回転軸に固定されており、第2組の第2の非円形歯車と第2の回転軸との間には軸受が介在されている。さらに、第3の回転軸には、第1組の第3の非円形歯車および第2組の第3の非円形歯車が、位相を互いにずらして取り付けられている。そして、第1組の第2の非円形歯車が、第1組の第1の非円形歯車および第1組の第3の非円形歯車に噛合されている。また、第2組の第2の非円形歯車が、第1組の第2の非円形歯車および第2組の第3の非円形歯車に噛合されている。
一方、固定フレームとして第1のフレームが設けられており、第1の回転軸は第1のフレームに取り付けられた軸受により支持されている。また、第2の回転軸も、第1のフレームに取り付けられた軸受により支持されている。さらに可動フレームとして第2のフレームが設けられており、第2のフレームは第2の回転軸に取り付けられた軸受により回動可能に支持されている。そして、第3の回転軸は第2のフレームに取り付けられた軸受により支持されている。さらにまた、第3の回転軸と、第1組の第3の非円形歯車との間には一方向クラッチが介在され、第3の回転軸と、第2組の第3の非円形歯車との間にも一方向クラッチが介在されている。
その一方向クラッチは、第3の非円形歯車が、第3の回転軸より低速で回転する場合(第3の非円形歯車が第3の回転軸に対して相対的に逆回転する場合)には解放状態となり、これとは反対に第3の非円形歯車が第3の回転軸より速く回転しようとする場合には係合して両者一体となるように構成されている。すなわち、第3の非円形歯車から第3の回転軸にトルクを伝達するように構成されている。
この特許文献1に記載された無段変速機においては、歯の噛み合い箇所の回転中心からの距離が連続的に変化する。したがって、入力軸から第2の回転軸にトルクが伝達された場合に、第1組の第2の非円形歯車が一定回転数で回転しても、第1組の第1の非円形歯車の回転数が連続的に変化し、さらに第1組の第3の非円形歯車の回転数がその歯車の形状に従って連続的に変化する。また、第2組の第2の非円形歯車が一定回転数で回転しても、第2組の第1の非円形歯車の回転数が連続的に変化し、さらに、第2組の第3の非円形歯車の回転数がその歯車の形状に従って連続的に変化する。すると、第1組の第3の非円形歯車と、第2組の第3の非円形歯車とでは、第3の回転軸に対する相対回転数が逐次変化するので、各非円形歯車と第3の回転軸との相対回転数の変化に応じて、2つの一方向クラッチが、順次、かつ、交互に係合・解放を繰り返す。その結果、第3の回転軸は、2つの第3の非円形歯車のうち、最も回転速度の速い第3の非円形歯車と一体となって回転する。
これら互いに噛み合っている非円形歯車同士の間の回転速度比は、非円形歯車のピッチ円形状から定まる所定の関数で表される。その関係は、第1の非円形歯車と第3の非円形歯車との間でも成立するが、第2のフレームを回動させることにより、第3の回転軸と共に第3の非円形歯車を、第1の非円形歯車の回転中心軸線を中心にして公転させると、第1の非円形歯車と第3の非円形歯車との相対的な位相が、第1の非円形歯車と第2の非円形歯車との位相に対して変化し、その位相同士の変位が、第2の回転軸と第3の回転軸との間における変速比に現れる。したがって、第2の回転軸と第3の回転軸との間における変速比は、第2のフレームの回動角度に応じて、連続的に(無段階に)変化することになる。
特公平5−78705号公報
上述した一方向クラッチとしては、スプラグタイプおよびローラタイプが知られているが、いずれも内輪および外輪および係合体等の部品を有している。このため、特許文献1に記載されているように、第2のフレームと共に非円形歯車の回転軸線に直交して動作可能な第3の回転軸に一方向クラッチが取り付けられている場合は、その第3の回転軸の構造が複雑化し、かつ、軸線方向における全長が長くなる可能性があった。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、非円形歯車の回転軸線に直交して動作可能な支持部材が、回転軸線方向に全長が長くなることをなるべく抑制でき、かつ、その支持部材の構造の簡略化を図ることの可能な歯車式無段変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の非円形歯車を噛み合わせてなる複数組の無段変速ユニットと、前記複数の非円形歯車を回転可能に支持する複数の支持部材と、前記複数組の無段変速ユニット毎に、いずれかの非円形歯車と前記支持部材とを動力伝達可能に連結する一方向クラッチとを有し、前記複数の支持部材には、前記非円形歯車の回転軸線に直交する方向に移動可能に構成された可動式支持部材と、前記非円形歯車の回転軸線に直交する方向に移動不可能に構成された固定式支持部材とが含まれている構成の歯車式無段変速機において、前記固定式支持部材と、この固定式形支持部材に取り付けられた前記非円形歯車とが、前記一方向クラッチにより連結されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記一方向クラッチに潤滑油を供給する潤滑機構が、前記固定式支持部材に設けられていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、複数の非円形歯車を噛み合わせてなる複数組の無段変速ユニットにおいては、固定式支持部材に取り付けられている非円形歯車のうち、最も回転速度の速い非円形歯車と固定式支持部材とを連結する一方向クラッチが係合される。そして、係合された一方向クラッチに対応する非円形歯車と、固定式支持部材との間でトルクが伝達される。さらに、回転軸線方向に回転不可能な固定式支持部材に一方向クラッチが設けられているため、可動式支持部材の構造が簡略化され、回転軸線方向における全長が短縮化される。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、固定式支持部材は、回転軸線に直交する方向には移動しない構造であるため、固定式支持部材には潤滑機構を設けやすく、一方向クラッチに供給する潤滑油の漏れなども生じにくくなり、潤滑効率の低下を抑制できる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1は、車両に搭載される歯車式無段変速機100の一例を模式的に示す正面断面図、図2は、図1のII−II線における略示的な側面断面図である。ここに示す歯車式無段変速機100は、3つの非円形歯車を噛み合わせた歯車列を使用して1組の無段変速ユニットとし、全部で4組の無段変速ユニット1,2,3,4を有している。この4組の無段変速ユニット1,2,3,4は、入力軸5と出力軸6との間の動力伝達経路に並列に配置されている。車両の駆動力源から車輪に至る動力伝達経に歯車式無段変速機100が配置された場合は、駆動力源としてのエンジン(図示せず)またはモータ・ジェネレータ(図示せず)のトルクが、入力軸5に伝達されるように構成される。さらに、出力軸6のトルクが車輪(図示せず)に伝達されるように構成される。
無段変速ユニット1,2,3,4を構成する非円形歯車は、指数関数歯車や楕円歯車などであって、ピッチ円の形状が円形となっていない歯車である。図1および図2に示す例では、楕円歯車を使用した例を示してあり、かつ、図2においては、ピッチ円の形状で各歯車を示しており、歯は省略してある。
前記無段変速ユニット1,2,3,4および入力軸5および中間軸7および出力軸6を保持する固定フレーム8が設けられており、固定フレーム8に取り付けられた軸受9により、入力軸5が回転可能に保持されている。この固定フレーム8は、ケーシングあるいは機台部もしくは機枠となっている。また、固定フレーム8には相互に平行な壁部10,11が形成されており、壁部10,11に軸受9が取り付けられている。また、壁部10,11には軸受12が取り付けられており、この軸受12により出力軸6が回転可能に保持されている。さらに、出力軸6にはキャリヤ13が取り付けられている。このキャリヤ13は、壁部10と壁部11との間に配置されており、キャリヤ13は相互に平行な壁部14,15を有している。この壁部14,15に取り付けた軸受16により、中間軸7が回転可能に保持されている。さらにまた、出力軸6とキャリヤ13とが軸受17により連結されている。上記の構成により、入力軸5の回転軸線A1と、出力軸6の回転軸線B1と、中間軸7の回転軸線C1とが相互に平行に配置されているとともに、キャリヤ13が回転軸線B1を中心として回転可能となっている。
つぎに、無段変速ユニット1,2,3,4の構成について説明する。まず、入力軸5に、複数(具体的には4つ)の非円形第1歯車である入力歯車18,19,20,21が取り付けられている。これらの入力歯車18,19,20,21は、入力軸5に対して、回転軸線方向の異なる位置に配置されている。各入力歯車18,19,20,21は、歯数やピッチ円などの諸元が同一の楕円歯車である。各入力歯車18,19,20,21は、それぞれ一方向クラッチ22を介して入力軸5に取り付けられている。一方向クラッチ22は、入力軸5と一体回転する内輪23と、各入力歯車18,19,20,21と一体回転する外輪24と、内輪23と外輪24との間に配置された係合体25と、ニードルベアリング26とを有する公知のものである。この一方向クラッチ22は、スプラグタイプまたはローラタイプのいずれでもよい。そして、内輪23と入力軸5とがスプライン結合されており、外輪24の外周に歯が形成されている。
また、この一方向クラッチ22にはスラストベアリング(図示せず)が取り付けられている。上記構成の一方向クラッチ22は、入力軸5が、入力歯車18,19,20,21に対して、例えば図2の矢印で示す時計方向に回転しようとする場合には係合して、入力軸5と入力歯車18,19,20,21との間でトルクが伝達される一方、入力軸5が、入力歯車18,19,20,21に対して、図2で反時計方向に回転しようとする場合に解放されて、入力軸5と入力歯車18,19,20,21との間でトルクが伝達されないように構成されている。
一方、各入力歯車18,19,20,21に対応し、かつ、それぞれの入力歯車に噛み合う複数の非円形第2歯車である中間歯車27,28,29,30が、出力軸6によって保持されている。これらの中間歯車27,28,29,30同士は、諸元が同じ非円形歯車であって、上記の入力歯車18,19,20,21が楕円歯車であれば、それに合わせて楕円歯車が使用される。そして、これらの中間歯車27,28,29,30は、軸受31を介して出力軸6に対して回転可能に保持されている。なお、入力歯車18,19,20,21と、中間歯車27,28,29,30とを楕円歯車で構成した場合は、入力軸5の回転軸線A1と、出力軸6の回転軸線B1との距離は、楕円の長軸方向の半径と、短軸方向の半径とを加算した距離に設定される。
上記の中間歯車27,28,29,30に対応し、かつ、それぞれの中間歯車に噛み合う複数の非円形第3歯車である可動歯車32,33,34,35が、前記中間軸7によって保持されている。これらの可動歯車32,33,34,35は、歯数やピッチ円などの諸元が同一の楕円歯車である。これらの可動歯車32,33,34,35と、中間軸7とが一体回転するように、スプライン結合されている。また、中間歯車27,28,29,30と、可動歯車32,33,34,35とを楕円歯車で構成した場合は、中間軸7の回転軸線C1と、出力軸6の回転軸線B1との距離は、楕円の長軸方向の半径と短軸方向の半径とを加算した距離に設定される。
上記の入力歯車18および中間歯車27および可動歯車32の歯車列により、無段変速ユニット1が構成され、入力歯車19および中間歯車28および可動歯車33の歯車列により、無段変速ユニット2が構成され、入力歯車20および中間歯車29および可動歯車34の歯車列により、無段変速ユニット3が構成され、入力歯車21および中間歯車30および可動歯車35の歯車列により、無段変速ユニット4が構成されている。上記のように各無段変速ユニット1,2,3,4は、それぞれ3つの楕円歯車で構成されている。また、無段変速ユニット1においては、入力歯車18と中間歯車27とが噛合された状態で、入力歯車18の取り付け角度に対して、中間歯車27の取り付け角度がπ/2ずれている。さらに、無段変速ユニット2においては、入力歯車19と中間歯車28とが噛合された状態で、入力歯車19の取り付け角度に対して、中間歯車28の取り付け角度がπ/2ずれている。さらに、無段変速ユニット3においては、入力歯車20と中間歯車29とが噛合された状態で、入力歯車20の取り付け角度に対して、中間歯車29の取り付け角度がπ/2ずれている。さらに、無段変速ユニット4においては、入力歯車21と中間歯車30とが噛合された状態で、入力歯車21の取り付け角度に対して、中間歯車30の取り付け角度がπ/2ずれている。
一方、上記のように構成された中間歯車27,28,29,30および可動歯車32,33,34,35の幅は、一方向クラッチ22を有する入力歯車18,19,20,21の幅よりも狭く設定されている。ここで、各歯車の幅とは、少なくともボス部の幅を意味する。これは、一方向クラッチ22が、前述したような各種の部品から構成されているためである。さらに、入力歯車18,19,20,21に対応する全ての一方向クラッチ22を係合させた場合に、入力軸5に対する入力歯車18,19,20,21同士の円周方向の位相が、同方向に順次π/4ずつずれるように、入力軸5に入力歯車18,19,20,21が取り付けられている。さらに、中間軸7に対する可動歯車32,33,34,35同士の円周方向の位相が、同方向に順次π/4ずつずれるように、中間軸7に可動歯車32,33,34,35が取り付けられている。
さらに、中間軸7と一体回転するカウンタドライブギヤ36が設けられており、出力軸6と一体回転するカウンタドリブンギヤ37が設けられている。このカウンタドリブンギヤ37とカウンタドライブギヤ36とが噛合されている。また、カウンタドライブギヤ36およびカウンタドリブンギヤ37は、共に円形歯車により構成されている。
上記のキャリヤ13と共に中間軸7および可動歯車32,33,34,35およびカウンタドライブギヤ36を、出力軸6の周りで所定の角度範囲内で回動させるための回動機構について説明すると、出力軸6に軸受38を介して従動ギヤ39が取り付けられるとともに、アクチュエータであるモータ40で回転させられる駆動ギヤ41が、その従動ギヤ39に噛み合っている。また、駆動ギヤ39とキャリヤ13とが、回転軸線B1を中心として一体回転するように連結されている。さらに、モータ40としてはステッピングモータが用いられており、モータ40を駆動して駆動ギヤ41を所定角度範囲内で回動することにより、キャリヤ13および中間軸7が、回転軸線B1を中心として回転する。その結果、出力軸6を中心とする各中間歯車27,28,29,30のピッチ円上で、可動歯車32,33,34,35と中間歯車27,28,29,30との噛み合い位置が、図2に示すように、円周方向に変位する。
つぎに、入力軸5に設けられた各一方向クラッチ22を潤滑する潤滑機構について説明する。この潤滑機構は、入力軸5の中心に、回転軸線A1に沿って形成された油路42を有している。また、入力軸5の半径方向に延ばされ、かつ、油路42に接続された油路43が複数、具体的には4つ設けられている。各油路43は、各一方向クラッチ22に対応するものであり、回転軸線方向の配置位置は、各一方向クラッチ22の内側となっている。この各油路43から各一方向クラッチ22に潤滑油を供給することが可能となっている。
上述した歯車式無段変速機100の作用について説明する。図示しない駆動力源のトルクが歯車式無段変速機100の入力軸5に伝達されると、そのトルクが各無段変速ユニット1,2,3,4および中間軸7を経由して出力軸6に伝達される。具体的に説明すると、各無段変速ユニット1,2,3,4においては、各入力歯車と各中間歯車との間で変速が生じ、かつ、各中間歯車と各可動歯車との間で変速が生じる。したがって、入力軸5と出力軸6との間における変速比は、入力歯車と中間歯車との間における変速比と、中間歯車と可動歯車との間における変速比との比で表される。
入力軸5と出力軸6との間における変速の原理を、無段変速ユニット1を例として説明する。まず、入力歯車18の回転速度をω1とし、入力歯車18に噛み合っている中間歯車27の回転速度をω2とした場合、速度比ω2/ω1は、回転軸線A1,B1と、各歯車18,27の接触点(噛み合い位置)との距離の連続的な変化に対応して変化する。同様に、可動歯車32の回転速度をω3とし、可動歯車32に噛み合っている中間歯車27の速度比をω2とした場合、速度比ω3/ω2は、回転軸線B1,C1と、各歯車27,32の接触点との距離の連続的な変化に対応して変化する。
図2においては、回転軸線A1,B1,C1が直線D1に位置している状態(この状態を基準状態と呼ぶ)に対応して、各歯車およびキャリヤ13が実線で示されている。図2においては、各入力歯車および各可動歯車および各中間歯車が、便宜上、それぞれ同一の位相として示されている。この基準状態においては、入力歯車18および可動歯車32の長軸(図示せず)が、直線D1上に位置し、中間歯車27の短軸(図示せず)が直線D1上に位置する。この基準状態においては、前記の速度比ω2/ω1は、最も小さく(増速側に)なる。また、前記速度比ω3/ω2は、最も大きく(減速側に)なる。図3には、各歯車を楕円歯車で構成した場合における各速度比ω2/ω1,ω3/ω2と、各歯車の回転角度(位相)との関係を線図で示してある。上記のように入力歯車18と中間歯車27との間の速度比ω2/ω1が最小の時に、中間歯車27と可動歯車32との間の速度比ω3/ω2が最大となるから、速度比ω2/ω1と、速度比ω3/ω2とは、その位相がπ/2ずれる。したがって、前記の基準状態においては、入力歯車18と可動歯車32との間の速度比ω3/ω1は、“1”となる。すなわち、増減速が生じない。
一方、モータ40を駆動させて、図2において、キャリヤ13および中間軸7を回転軸線B1を中心として反時計方向に回動させることにより、回転軸線C1を、直線D1とは異なる直線D2上に変位させることが可能である。ここで、直線D1と直線D2の間には、回転軸線B1を基準として所定の角度(零度を越える値)αが存在する。例えば、前記キャリヤ13を、図2で半時計方向に所定角度α回転させると、入力歯車18と中間歯車27との間の速度比が最増速比となっていても、中間歯車27と可動歯車32との間の速度比は、最減速比よりも小さい減速比となる。その結果、入力歯車18と可動歯車32との間の速度比ω3/ω1は、“1”より小さくなる。
非円形歯車からなる歯車を噛み合わせてなる歯車列において、非円形歯車からなる入力歯車と非円形歯車からなる中間歯車との間の速度比ω2/ω1を、(1+Csin2θ)(Cは絶対値が1より小さい定数)で表すと、中間歯車と可動歯車との間の速度比ω3/ω2は(1+Csin2(θ+α))で表され、結局、入力歯車と可動歯車との間における速度比ω3/ω1は、
(1+Csin2(θ+α))/(1+Csin2θ)
となる。無段変速ユニット全体としての変速比は、無段変速ユニットを構成する歯車が、楕円歯車である場合、指数関数歯車である場合など、その歯車の形状に応じて演算可能である。
この実施例のように、3個の楕円歯車を用いた無段変速ユニット1において、
入力歯車と中間歯車との速度比ω2/ω1=は、
ω2/ω1=(1−ε2 )/(1+ε2 +2・ε・cos(2θ1)) ・・・(1)
で表される。
また、中間歯車と可動歯車との間の速度比ω3/ω2は、
ω3/ω2=(1−ε2 )/(1+ε2 +2・ε・cos(2θ2)) ・・・(2)
で表される。上記の式(1)および式(2)において、εは、離心率である。離心率とは、歯車の中心から、歯車同士の噛み合い点までの距離の変化を示すものであり、離心率は、
0<ε<1
で表される。上記の式(1)および式(2)から、無段変速ユニット1としての速度比ω3/ω1を算出可能であり、キャリヤ13の角度αを変化させることにより、無段変速ユニット1としての変速比が連続的に(無段階に)変化することが判明している。
図3においては、回転軸線C1を直線D1上から変位させた場合における速度比ω2/ω1が線E1で示され、速度比ω3/ω2が線E2で示されている。なお、他の無段変速ユニット2,3,4における変速の原理は、無段変速ユニット1と同様である。さらに、回転軸線C1を直線D1上から変位させた場合において、無段変速ユニット2における速度比ω2/ω1は線E3で示され、速度比ω3/ω2は線E4で示され、無段変速ユニット3における速度比ω2/ω1は線E5で示され、速度比ω3/ω2は線E6で示され、無段変速ユニット4における速度比ω2/ω1は線E7で示され、速度比ω3/ω2は線E8で示されている。
上述したように、各無段変速ユニット1,2,3,4には、それぞれ一方向クラッチ22が介装されている。このため、前述の基準状態においては、全ての入力歯車18,19,20,21の回転速度が同一となり、4つの一方向クラッチ22が共に係合される。したがって、入力軸5のトルクは、全ての無段変速ユニット1,2,3,4を経由して中間軸7に伝達される。これに対して、キャリヤ13および中間軸7を回動させて、回転軸線C1を直線D1とは異なる位置に変位させると、入力軸5に対して中間軸7を増速させるように機能するいずれかの無段変速ユニットを経由して、トルクの伝達がおこなわれる。より具体的には、入力歯車の回転速度が最高速となる無段変速ユニットを順次経由して、トルクが伝達される。つまり、歯車式無段変速機100全体としての変速比は、図3に示すように、各無段変速ユニット1,2,3,4における速度比のピーク付近を接続した線F1で表される。すなわち、前記基準状態以外では、角度αを一定に維持(固定)した場合でも、変速比は微小幅G1の範囲で変化する。
そして、キャリヤ13および中間軸7の位置を制御することにより、歯車式無段変速機100全体としての変速比を“1”以下の領域で大小に制御することが可能である。ちなみに、角度αは、90度の範囲で調整可能であり、図2に示すように、角度αを90度に設定して回転軸線C1を直線D上に移動させた場合は、変速比が最も小さくなる。
上記のようにして、入力軸5から各無段変速ユニット1,2,3,4を経由して中間軸7にトルクが伝達されるとともに、そのトルクはカウンタドライブギヤ36およびカウンタドリブンギヤ37を経由して出力軸6に伝達される。この出力軸6のトルクは車輪に伝達される。また、油路42および油路43を経由して潤滑油が各一方向クラッチ22に供給され、一方向クラッチ22が潤滑および冷却される。
この実施例においては、一方向クラッチ22が入力軸5に設けられており、この入力軸5は回転軸線A1に直交する方向には移動しない構成となっている。言い換えれば、キャリヤ13と共に動作可能な中間軸7には、一方向クラッチが設けられていない。したがって、中間軸7の構成を簡略化することが可能である。また、一方向クラッチ22は、内輪23および外輪24および係合体25およびスラストベアリング(図示せず)などの部品を有しており、軸線方向における配置スペースが拡大される構成となっている。このような一方向クラッチが、中間軸7に設けられていないため、中間軸7の回転軸線方向における全長を短縮することができる。また、入力軸5は回転軸線A1に直交する方向には動作しない構成であるため、一方向クラッチ22に潤滑油を供給する潤滑機構の配置位置や形状に制約を受けることが少なく、かつ、一方向クラッチ22に潤滑油を供給する途中で潤滑油が漏れることを抑制できる。したがって、一方向クラッチ22における潤滑油不足を抑制でき、かつ、潤滑効率の向上を図ることができる。
ところで、この発明で使用できる非円形歯車は楕円歯車に限定されず、各種の形状のものを使用することができる。すなわち、この発明における「非円形歯車」とは、歯車の回転中心から、歯車同士の噛み合い点までの距離が、歯車の回転にともなって変化する構成の歯車を意味する。このため、この発明における非円形歯車には、指数関数歯車、偏心位置を中心に回転する円形歯車などが含まれる。ここで、円形歯車とは、歯先円の形状が円形である構成の歯車を意味する。また、キャリヤ13を回動させるためのアクチュエータとしてモータ以外の回転式のアクチュエータや直動型のアクチュエータを使用してもよい。また、複数の無段変速ユニットは、5組以上でもよいし、2組または3組でもよい。無段変速ユニットの組数に応じて、一方向クラッチが係合された状態における入力歯車同士の位相のずれ量、および可動歯車同士の位相のずれ量が設計されることは当然である。
ここで、この実施例で説明した構成と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、入力歯車18,19,20,21および中間歯車27,28,29,30および可動歯車32,33,34,35が、この発明の複数の非円形歯車に相当し、無段変速ユニット1,2,3,4が、この発明の複数組の無段変速ユニットに相当し、入力軸5および中間軸7および出力軸6が、この発明の複数の支持部材に相当し、中間軸7が、この発明の可動式支持部材に相当し、入力軸5が、この発明の固定式支持部材に相当し、油路42,43が、この発明の潤滑機構に相当する。
この発明の歯車式無段変速機の一例を示す正面断面図である。 図1のII−II線における模式的な側面断面図である。 入力歯車と中間歯車と可動歯車との間の回転速度比を示す線図である。
符号の説明
1,2,3,4…無段変速ユニット、 5…入力軸、 6…出力軸、 7…中間軸、 18,19,20,21…入力歯車、 22…一方向クラッチ、 27,28,29,30…中間歯車、 32,33,34,35…可動歯車、 42,43…油路、 100…歯車式無段変速機。

Claims (2)

  1. 複数の非円形歯車を噛み合わせてなる複数組の無段変速ユニットと、前記複数の非円形歯車を回転可能に支持する複数の支持部材と、前記複数組の無段変速ユニット毎に、いずれかの非円形歯車と前記支持部材とを動力伝達可能に連結する一方向クラッチとを有し、前記複数の支持部材には、前記非円形歯車の回転軸線に直交する方向に移動可能に構成された可動式支持部材と、前記非円形歯車の回転軸線に直交する方向に移動不可能に構成された固定式支持部材とが含まれている構成の歯車式無段変速機において、
    前記固定式支持部材と、この固定式形支持部材に取り付けられた前記非円形歯車とが、前記一方向クラッチにより連結されていることを特徴とする歯車式無段変速機。
  2. 前記一方向クラッチに潤滑油を供給する潤滑機構が、前記固定式支持部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の歯車式無段変速機。
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