JP2006045565A - 表面を潤滑化する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルミニウム含有合金表面上における摩擦及び表面摩耗を低減すること。
【解決手段】 アルミニウム合金表面を潤滑化する方法であって、該表面に対して、潤滑粘性オイルと油溶性の三核有機モリブデン化合物とを含んでいる潤滑油組成物を供給することを含む前記方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面を潤滑化する方法、特に、内燃エンジン内の表面を潤滑化する方法に関する。
自動車及びエンジン設計の開発では、より多様なエンジン部品製造用材料が使用されている。特には、アルミニウム合金が、エンジン部品を製造するためにますます使用されている。
本発明の第1態様によれば、アルミニウム合金表面を潤滑化する方法が提供され、その方法は、潤滑粘性オイル(好ましくは多量である)と油溶性の三核有機モリブデン化合物をと含む潤滑油組成物を該表面に供給することを含む。
三核有機モリブデン添加剤は、二核有機モリブデン化合物では観察されない程度まで、アルミニウム含有合金表面上における摩擦及び表面摩耗を実質的に低減することが見出された。
アルミニウム合金は、適切には、アルミニウム−珪素合金を含み、前記アルミニウム−珪素合金は、ある割合の銅及び/又はマグネシウムを付加的に含んでいてもよい。適切には、アルミニウム合金が、100〜150Hv、好ましくは110〜130Hv、より好ましくは約120Hvの硬度を有する。適切には、アルミニウム合金が、2.0〜3.0 gcm-3、好ましくは2.4〜2.8 gcm-3、より好ましくは約2.6 gcm-3の密度を有する。
典型的には、三核有機モリブデン添加剤は、潤滑油組成物中において元素モリブデンを25〜1000ppm(質量で百万分の1)、好ましくは200〜750ppm、より好ましくは400〜600ppm、有利には500ppm提供するように使用される(ASTM D5185により測定)。
本発明の第1態様の潤滑油組成物は、更に、第1級アルコールから製造される油溶性のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)(これ以降、第1級ZDDPと称する)を含んでいてもよい。適切には、第1級ZDDPは、第1級アルコールから製造されるZDDPを、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、有利には実質的に100%で含む。
潤滑油組成物は、適切には、0.2〜1.0質量%、好ましくは0.4〜0.8質量%、より好ましくは0.6〜0.75質量%の第1級ZDDPを含む。
本発明の第1態様による方法は、適切には、アルミニウム合金表面と非アルミニウム合金表面、例えば鉄表面(ferrous surface)との間に潤滑化を提供することを包含する。
本発明の第2態様は、アルミニウム合金からなり且つ内燃エンジンのリザーバーに収容される1又は2以上の構成部品と、潤滑粘性オイル(好ましくは多量である)及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含む該部品を潤滑化するための潤滑油組成物とを有する内燃エンジンである。前記エンジン内のリザーバーは、4ストロークエンジンにおけるクランクケース油溜め(crankcase sump)であってもよく、そこから、潤滑化のために潤滑油組成物がエンジンの周囲に分配される。本発明は、2ストローク及び4ストロークのスパーク点火エンジン及び圧縮点火エンジンに用いることができる。
本発明の第3態様は、アルミニウム合金表面を潤滑化するための、潤滑粘性オイル及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含む潤滑油組成物の使用に関する。
本発明の第4態様では、表面間の摩擦を低減するための、潤滑油組成物における油溶性の三核有機モリブデン化合物の使用が提供され、前記表面のうちの1つがアルミニウム合金を含む。
本発明の第5態様によれば、2つの鉄表面の間の潤滑性を提供する方法が提供され、その表面のうちの1つは英国規格BS EN31に準拠するクロム含有鉄合金を含み、他方の表面は英国規格BS EN1452に準拠する鋳鉄を含む。該方法は、潤滑粘性オイル(好ましくは多量である)及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含む潤滑油組成物を該表面に供給することを含む。
三核有機モリブデン添加剤が、二核有機モリブデン化合物では観察されない程度まで、鉄含有表面上における摩擦及び表面摩耗を実質的に低減するであろうことを見出した。
典型的には、三角有機モリブデン添加剤は、潤滑油組成物中において、元素モリブデンを25〜1000ppm(質量で百万分の1)、好ましくは200〜750ppm、より好ましくは400〜600ppm、有利には500ppm提供するように使用される(ASTM D5185により測定する場合)。
本発明の第5態様の潤滑油組成物は、更に、第2級アルコールから製造される油溶性のジヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛(ZDDP)(これ以降、第2級ZDDPと称する)を含んでいてもよい。適切には、第2級ZDDPは、第2級アルコールから製造されるZDDPを少なくとも55%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも85%含み、実質的には100%含んでもよい。
潤滑油組成物は、適切には、0.2〜1.0質量%、好ましくは0.4〜0.8質量%、より好ましくは0.6〜0.75質量%の第2級ZDDPを含む。
本発明の第6態様は、英国規格BS EN1452に準拠する鉄合金からなる構成部品及びそれに隣接している英国規格BS EN31に準拠するクロム含有鉄合金からなる構成部品と、潤滑粘性オイル(好ましくは多量である)及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含む該構成部品を潤滑化するための潤滑油組成物とを有する内燃エンジンであって、該両構成部品が内燃エンジンのリザーバーに収容される前記内燃エンジンである。前記エンジン内のリザーバーは、4ストロークエンジンにおけるクランクケース油溜めであってもよく、そこから、潤滑化のために潤滑油組成物がエンジンの周囲に分配される。本発明は、2ストローク及び4ストロークのスパーク点火エンジン及び圧縮点火エンジンに用いることができる。
本発明の第7態様は、英国規格BS EN31に準拠するクロム含有鉄合金表面と英国規格BS EN1452に準拠する鉄合金表面との間に潤滑性を提供するための、潤滑粘性オイル及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含む潤滑油組成物の使用に関する。
本発明の第8態様では、英国規格BS EN31に準拠するクロム含有鉄合金表面と英国規格BS EN1452に準拠する鉄合金表面との間の摩擦を低減するための、潤滑油組成物における油溶性の三核有機モリブデン化合物の使用を提供する。
本発明の態様の方法は、特に、特定の材料からなる部分又は構成部品を有する、スパーク点火又は圧縮点火される2ストローク又は4ストローク内燃エンジンの潤滑にも用いることができる。そのような構成部品の例としては、カムシャフト、特にはカムローブ;ピストン、特にはピストンスカート;シリンダライナー;及びバルブが挙げられる。
適切な油溶性の三核有機モリブデン化合物の例として、モリブデンのジチオカルバメート類、ジチオフォスフェート類、ジチオフォスフィネート類、キサンテート(xanthate)類、チオキサンテート(thioxanthate)類及びスルフィド類並びにそれらの混合物が挙げられ得る。
加えて、モリブデン化合物は酸性モリブデン化合物であってもよい。これらの化合物は、ASTMテストD−664又はD−2896滴定法によって測定した場合に典型的には6価である塩基性窒素化合物と反応し得る。モリブデン酸には、アンモニウム モリブデート、ナトリウム モリブデート、カリウム モリブデート及び他のアルカリ金属モリブデート類、並びに例えば三酸化モリブデン又は同様な酸性モリブデン化合物といった他のモリブデン塩類が含まれる。
本発明の潤滑剤組成物に有用な三核有機モリブデン化合物の群は、式Mo3knzのもの及びそれらの混合物である
(式中、
Lが、独立に選択されるリガンドであって、化合物をオイル中に溶解又は分散させ得るのに充分な数の炭素原子を有する有機基を有し;
nが1から4であり;
kが4から7までを変動し;
Qが、水、アミン類、アルコール類、ホスフィン類及びエーテル類のような中性電子供与化合物の群より選択され;
zが0から5であり、非化学量論的な値を含む)。
nが3、2又は1である場合には、三核モリブデン化合物に電気的な中立性を与えるために、適切な電荷のイオン種が必要とされる。前記イオン種は、例えば一原子価又は二原子価といったいずれかの原子価であり得る。さらに前記イオン種は負に荷電していてもよく、すなわち陰イオン種であってもよく、又は正に荷電していてもよく、すなわち陽イオン種であってもよく、又は陰イオンと陽イオンとの組合せであってもよい。これらの用語は当業者には既知である。前記イオン種は、共有結合を通じて、すなわちコア中の1以上のモリブデン原子と配位結合して、又は対イオンの場合のように静電結合若しくは相互作用を通じて、又は共有結合と静電結合との間の中間の結合形態を通じて、化合物中に存在し得る。陰イオン種の例としては、ジスルフィド、ヒドロキシド、アルコキシド、アミド、チオシアネート又はそれらの誘導体が挙げられる;好ましくは、陰イオン種がジスルフィドイオンである。陽イオン種の例としては、アンモニウムイオン、及びアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン又は遷移金属イオンのような金属イオンが挙げられ、好ましくはRが独立にH又はアルキル基である[NR4]+のようなアンモニウムイオンであり、より好ましくはRがHである、すなわち[NH4]+である。リガンドの有機基には全て、少なくとも21の総炭素原子、例えば少なくとも25、少なくとも30又は少なくとも35の炭素原子が存在するべきである。
リガンドは、以下の基及びそれらの混合物から独立に選択される



















Figure 2006045565
(式中、
X、X1、X2及びYが、酸素及び硫黄の群から独立に選択され;
1、R2及び#が、同一であっても又は異なっていてもよく、水素及び有機基から独立に選択される)。
好ましくは、前記有機基が、アルキル基(例えば、リガンドの残りに結び付く炭素原子が第一級又は第二級である)、アリール基、置換アリール基及びエーテル基のようなハイドロカルビル基である。より好ましくは、各リガンドが同一のハイドロカルビル基を有する。
“ハイドロカルビル”という用語は、リガンドの残りに直接結び付く炭素原子を有する置換基を表し、本発明の文脈では特性が優勢にハイドロカルビルである。このような置換基は、次のものを含む:
1.脂肪族(例えばアルキル又はアルケニル)置換基、脂環式(例えばシクロアアルキル又はシクロアルケニル)置換基、芳香族-、脂肪族-若しくは脂環式-置換芳香族の核など、又はリガンドの別の部分を通じて環が完成されている環式置換基(つまり、いずれか2つの指示された置換基が一緒になって脂環式基を形成し得る)である、炭化水素置換基;
2.本発明の文脈では、置換基の優勢なハイドロカルビル特性を変えない非炭化水素基を含む、置換炭化水素置換基。当業者であれば、適切な基(例えば、ハロ、特にクロロ及びフルオロ、アミノ、アルコキシル、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ及びスルホキシ)を知っているであろう;
3.本発明の文脈の中での特性は優位に炭化水素であるが、他の炭素原子で構成される鎖又は環に存在する炭素以外の原子を含む置換基である、ヘテロ置換基。
重要なのは、リガンドの有機基が、化合物をオイル中に溶解又は分散させるために充分な数の炭素原子を有することである。例えば、各基の炭素原子の数は、一般的に1〜100、好ましくは1〜30、より好ましくは4〜20の範囲であり得る。好ましいリガンドとしては、ジアルキルジチオフォスフェート、アルキルキサンテート(alkylxanthate)及びジアルキルジチオカルバメートが挙げられ、この中でもジアルキルジチオカルバメートが最も好ましい。2以上の上記官能性を含む有機リガンドは、リガンドとして機能することもでき、1以上のコアに対して結合することもできる。当業者であれば、本発明の化合物の構成がコアの電荷のバランスをとるのに適切な電荷を有するリガンドの選択を必要とすることを理解するであろう。
式Mo3knzを有する化合物は陰イオン性リガンドに囲まれている陽イオン性のコアを有し、前記コアは以下のような構造によって表わされ、+4の正味電荷を有する。
Figure 2006045565
結論として、これらのコアを安定化するために、リガンドの総電荷が全て−4でなければならない。4つの一価陰イオン性リガンドが好ましい。どの理論によっても拘束されることを望まないが、多座配位であり得る1以上のリガンドによって2以上の三核コアが結合又は相互接続され得ることが信じられている。前記構造は、本発明の範囲内に含まれる。本発明の範囲は、単一のコアに対して複数の接続を有する多座配位リガンドの場合を含む。酸素及び/又はセレンがコアの中の硫黄に対して置換し得ることが信じられている。
油溶性又は油分散性の三核モリブデン化合物は、(NH4)2Mo313・n(H2O)のようなモリブデン供給源(式中、nが0〜2の間を変動し、非化学量論的な値を含む)をテトラルキルチウラム(tetralkylthiuram)ジスルフィドのような適切なリガンド供給源と共に、適切な液体/溶媒中で反応させることによって提供され得る。他の油溶性又は油分散性の三核モリブデン化合物は、(NH4)2Mo3S13・n(H2O)のようなモリブデン供給源と、テトラルキルチウラムジスルフィド、ジアルキルジチオカルバメート又はジアルキルジチオフォスフェートのような適切なリガンド供給源と、シアン化物イオン、亜硫酸イオン又は置換ホスフィン類のような硫黄抽出剤との適切な溶媒中における反応の間に形成され得る。あるいは、[M']2[Mo376]のような三核モリブデンハロゲン化硫黄塩(M'が対イオンであり、AがCl、Br又はIのようなハロゲンである)が、ジアルキルジチオカルバメート又はジアルキルジチオフォスフェートのようなリガンド供給源と共に適切な液体/溶媒中で反応させられて、油溶性又は油分散性の三核モリブデン化合物を形成し得る。適切な液体及び/又は溶媒は、例えば水性又は有機性であり得る。
化合物の油溶性又は油分散性は、リガンドの有機基における炭素原子の数によって影響され得る。本発明において使用される化合物では、リガンドの有機基には全て、少なくとも21の総炭素原子が存在すべきである。好ましくは、選択されるリガンド供給源が、潤滑組成物中に前記化合物を溶解又は分散させるのに充分な数の炭素原子をリガンドの有機基に有する。
モリブデン化合物は、好ましくは、三核モリブデンジチオカルバメートである。
本発明において潤滑粘性オイル(ベースストック(basestock)としても知られる)として有用な天然油には、動物性油及び植物性油(例えばひまし油、ラード油)、流動パラフィン油、並びに、パラフィン類、ナフテン類及びパラフィン類-ナフテン類混合物の水素化精製(hydrorefined)、溶媒処理又は酸性処理した鉱物潤滑油が挙げられる。石炭又はシェールに由来する潤滑粘性のオイルも、有用なベースオイルである。
アルキレンオキシドのポリマー及び共重合体、並びに末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化等によって改変されたそれらの誘導体は、本発明のベースストックとして有用な既知の種類の合成潤滑油である。それらは、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの重合化によって調製されるポリオキシアルキレンポリマー;そのポリオキシアルキレンポリマーのアルキルエーテル類及びアリールエーテル類(例えば、平均分子量1000を有するメチル-ポリイソプロピレングリコールエーテル、分子量500〜1000を有するポリ-エチレングリコールのジフェニルエーテル、分子量1000〜1500を有するポリプロピレングリコールのジエチルエーテル);並びに、それらのモノ-及びポリカルボン酸エステル類、例えばテトラエチレングリコールの酢酸エステル類、混合C3-C8脂肪酸エステル類及びC13オキソ酸ジエステルによって、例示される。
本発明において有用な別の適切な種類の合成潤滑油は、ジカルボン酸(例えばフタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸類、アルケニルコハク酸類、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸二量体、マロン酸、アルキルマロン酸類及びアルケニルマロン酸類)と種々のアルコール類(i−ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2-エチルへキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール)とのエステル類を含む。それらのエステル類の具体的な例には、ジブチルアジペート、ジ(2-エチルへキシル)セバケート、ジ-n-ヘキシルフマレート、ジオクチルセバケート、ジイソオクチルアゼラート、ジイソデシルアゼラート、ジオクチルフタレート、ジデシルフタレート、ジエイコシルセバケート、リノール酸二量体の2-エチルヘキシルジエステル、並びに1モルのセバシン酸と2モルのテトラエチレングリコール及び2モルの2-エチルへキサン酸との反応によって形成される複合エステルが挙げられる。
合成油として有用なエステル類は、C5-C12のモノカルボン酸とポリオール類から製造されるもの、並びにネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びトリペンタエリトリトールのようなポリオール エステル類も含む。
ポリアルキルシロキサン オイル、ポリアリールシロキサン オイル、ポリアルコキシシロキサン オイル又はポリアリールオキシシロキサン オイルのようなシリコンをベースとするオイル類及びシリケートオイル類は、別の有用な種類の合成潤滑剤を含む;それらには、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラ-(2-エチルヘキシル)シリケート、テトラ-(4-メチル-2-エチルへキシル)シリケート、テトラ-(p-tert-ブチルフェニル)シリケート、ヘキサ-(4-メチル-2-ペントキシ)ジシロキサン、ポリ(メチル) シロキサン類及びポリ(メチルフェニル)シロキサン類が挙げられる。他の合成潤滑油は、リン含有酸の液体エステル類(例えば、トリクレシルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、デシルリン酸のジエチルエステル)及びテトラヒドロフラン重合体を含む。
未精製油、精製油及び再精製油が本発明の潤滑油組成物に用いられ得る。未精製油は、さらなる精製処理なしに、天然又は合成供給源から直接得られるものである。例えば、レトルト操作から直接得られるシェール油、蒸留から直接得られる石油、又はエステル化処理から直接得られるエステル油であって、さらなる処理なしに用いられるものが未精製油であり得る。精製油は、1以上の精製工程で更に処理されて1以上の特性を向上させられることを除いて、未精製油と同様である。蒸留、溶媒抽出、酸性又は塩基性抽出、濾過及びパーコレーションのような前記の精製技術の多くは、当業者にとって既知である。再精製油は、精製油を得ることに用いられるのと同様な方法を既に使用された精製油に対して用いることによって得られる。前記再精製油は再生油又は再加工油としても知られており、消耗した添加剤及び油分解生成物を除去するための技術によって更なる処理がなされることが多い。
本発明の態様において有用な潤滑油組成物は、また、以下に列挙する従来の添加剤(幾つかの付加的な摩擦改質剤を含む)を含み、それは、典型的には少量、例えばそれらの通常付随する機能を提供するような量で用いられる。個々の成分にとって典型的な量も以下に示している。列挙する全ての値は、総潤滑油組成物中の有効成分の質量パーセントとして提示している。
Figure 2006045565
個々の添加剤は、都合のよい方法のいずれによってもベースストック中に組込まれ得る。従って成分の各々は、ベースストック中に所望の濃度レベルで分散又は溶解させることによって、ベースストックに直接に添加されてもよい。そのような混合は、室温又は高温において起こり得る。
好ましくは、粘度調整剤及び流動点降下剤を除く全ての添加剤が、濃縮物(すなわち添加剤パッケージ)に混合され、続いてベースストック中に混合されて完成品の潤滑油組成物を製造する。このような濃縮物の使用が便利である。前記濃縮物は、典型的には適切な量の添加剤を含むように配合されて、その濃縮物が所定量のベースオイルと混合される場合に最終潤滑油組成物において所望の濃度を提供し得る。
濃縮物は、米国特許第4,938,880号に記載される方法に従って簡便に製造される。前記特許は、少なくとも約200℃の温度で予備混合される無灰分散剤と金属清浄剤とのプレミックスの製造法を記載している。その後、前記プレミックスは少なくとも85℃まで冷却されて、添加剤成分が添加される。
最終クランクケース潤滑油組成物は、2〜20質量%、好ましくは4〜15質量%の濃縮物(添加剤パッケージ)と残余分のベースストックとを使用し得る。
無灰分散剤は、摩耗又は燃焼の間にオイルの酸化から生じた油不溶物を懸濁状態に維持する。無灰分散剤は、特にガソリンエンジンにおいて、スラッジの沈着及びニスの形成を防ぐために特に有利である。
無灰分散剤は、分散されるべき粒子と結び付き得る1以上の官能基を有する油溶性ポリマー炭化水素骨格を含む。典型的には前記ポリマー骨格が、アミン、アルコール、アミド又はエステルの極性部分によって、しばしば架橋原子団を介して機能させられる。無灰分散剤は、例えば、モノ-及びジカルボン酸又はそれらの無水物によって置換された長鎖炭化水素の油溶性の塩、エステル類、アミノエステル類、アミド類、イミド類、オキサゾリン類;長鎖炭化水素のチオカルボキシレート誘導体;直接結び付いているポリアミンを有する長鎖脂肪族炭化水素;並びに、フェノールで置換された長鎖とホルムアルデヒド及びポリアルキレンポリアミンとの縮合によって形成されたマンニッヒ縮合生成物;から選択され得る。
このような分散剤の油溶性ポリマー炭化水素骨格は、典型的にはオレフィンポリマー又はポリエンから得られ、特に、主要なモル量(すなわち、50モル%より多く)のC2-C18オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン、オクテン-1、スチレン)、典型的にはC2-C5オレフィンを含むポリマーから得られる。油溶性ポリマー炭化水素骨格は、ホモポリマー(例えばポリプロピレン又はポリイソブチレン)又は前記オレフィン類の2以上のコポリマー(例えばエチレンと、プロピレン若しくはブチレンのようなα-オレフィンとのコポリマー、又は二つの異なるα-オレフィンのコポリマー)であり得る。他のコポリマーには、例えば1〜10モル%といった少ないモル量のコポリマー単量体、C3-C22非共役ジオレフィンのようなα,ω-ジエン(例えばイソブチレンとブタジエンとのコポリマー、又はエチレン、プロピレンと1,4-ヘキサジエン若しくは5-エチリデン-2-ノルボルネンとのコポリマー)が挙げられる。好ましくはポリイソブテニル(Mn 400〜2500、好ましくは950〜2200)スクシンイミド分散剤である。
粘度調整剤(VM)は、高温及び低温での作用能力(operability)を潤滑油組成物に与えることに機能する。用いられるVMは、前記のような唯一の機能を有し得るか又は多機能であり得る。
分散剤としても機能する多機能粘度調整剤も既知である。適切な粘度調整剤は、ポリイソブチレン、エチレンとプロピレンと高級α-オレフィン類とのコポリマー、ポリメタクリレート類、ポリアルキルメタクリレート類、メタクリレートコポリマー、不飽和ジカルボン酸とビニル化合物とのコポリマー、スチレンとアクリル酸エステルとの共重合体、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン及びイソプレン/ブタジエンの部分的水素化コポリマー、ブタジエンとイソプレンとイソプレン/ジビニルベンゼンとの部分的水素化ホモポリマーである。
金属含有又は灰形成(ash-forming)清浄剤が存在してもよく、沈着物を減少させる又は除去する清浄剤として且つ酸中和剤又は錆止めとして機能し、それによって摩耗及び腐食を減少させエンジン寿命を延長させる。清浄剤は一般的に長い疎水性の尾を有する極性の頭部を含み、前記極性の頭部が酸性有機化合物の金属塩を含む。前記塩は、実質的に化学量論的な量の金属を含んでもよく、通常は正塩又は中性塩として記述され、ASTM D−2896によって測定され得る場合に、典型的には0〜80の総塩基数(TBN)を有し得る。過剰量の金属化合物(例えばオキシド又はヒドロキシド)と二酸化炭素のような酸性ガスとを反応させることによって、多量の金属塩基を含めることが可能である。得られた過塩基性清浄剤は、中性清浄剤を金属塩基(例えばカーボネート)ミセルの外側の層として含む。そのような過塩基性清浄剤は、150以上のTBN、典型的には250〜450又はそれ以上のTBNを有し得る。
用いられ得る清浄剤には、油溶性で中性又は過塩基性のスルホネート類、フェナート類、硫化フェナート類、チオフォスフォネート類、サリチラート類及びナフテネート類、並びに他の油溶性の金属カルボキシレート類、特に例えばナトリウム、カリウム、リチウム及びマグネシウムといったアルカリ金属のもの、が挙げられる。好ましくは中性又は過塩基性のカルシウム及びマグネシウムのフェナート類及びスルホネート類、特にカルシウムのフェナート類及びスルホネート類である。
他の摩擦改質剤には、油溶性のアミン類、アミド類、イミダゾリン類、アミンオキシド類、アミドアミン類、ニトリル類、アルカノールアミド類、アルコキシル化アミン類、アルコキシル化エーテルアミン類、ポリオールエステル類、ポリカルボン酸のエステル類が挙げられる。
ジヒドロカルビルジチオリン酸金属塩は、抗摩耗剤及び酸化防止剤として頻繁に用いられる。その金属はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、鉛、スズ、モリブデン、マンガン、ニッケル又は銅であり得る。それらは、既知の技術に従い、通常は1以上のアルコール又はフェノールとP25との反応によって最初にジヒドロカルビルジチオフォスフェート(DDPA)を生成させ、生成したDDPAを次に亜鉛化合物で中和することによって、調製され得る。例えばジチオフォスフェートは、第一級アルコールと第二級アルコールとの混合物を反応させることによって、製造され得る。あるいは、あるジチオフォスフェートにおけるハイドロカルビル基の特性が全て第二級であり、他のジチオフォスフェートにおけるハイドロカルビル基の特性が全て第一級であるように、複数のジチオフォスフェートが調製され得る。亜鉛塩を製造するために、塩基性又は中性の亜鉛化合物のいずれもが用いられ得るが、オキシド類、ヒドロキシド類及びカーボネート類が最も一般的に用いられる。市販の添加剤は、中性反応において過剰量の塩基性亜鉛化合物を使用するために、過剰量の亜鉛を含む場合が多い。
ZDDPは、比較的低費用で非常に優れた摩耗防御を提供し、また酸化防止剤としても機能する。しかしながら、潤滑剤中のリンが自動車の排気触媒の有効期間を短くさせ得る幾つかの証拠が存在する。従って、本発明の潤滑油組成物は、好ましくは、0.8質量%以下、例えば50ppm〜0.06質量%のリンを含む。リンの量と関係なく、潤滑油組成物は、好ましくは0.5質量%以下、好ましくは50ppm〜0.3質量%の硫黄を有し、そのような硫黄及びリンの量はASTM D5185に従って測定される。
酸化防止剤又は抗酸化剤は、ベースストックが使用中に劣化する傾向を減少させる。その劣化は、金属表面上のスラッジ及びニス様沈着物のような酸化生成物並びに粘性の増加によって証明され得る。前記のような酸化防止剤には、ヒンダードフェノール類、好ましくはC5-C12アルキル側鎖を有するアルキルフェノールチオエステル類のアルカリ土類金属塩、カルシウムノニルフェノールスルフィド、無灰油溶性のフェナート類及び硫化フェナート類、リン硫化又は硫化炭化水素、リン酸エステル類、金属チオカルバメート類、米国特許第4,867,890号に記載されるような油溶性銅化合物、並びにモリブデン含有化合物が挙げられる。
非イオン性ポリオキシアルキレンポリオール類、それらのエステル類、ポリオキシアルキレンフェノール類及び陰イオン性アルキルスルホン酸からなる群より選択される錆止め剤が用いられ得る。
銅及び鉛を有する腐食防止剤を用いてもよいが、典型的には本発明の潤滑油組成物に必要としない。そのような化合物は、典型的には5〜50の炭素原子を含むチアジアゾールポリスルフィド類、それらの誘導体及びそれらのポリマーである。米国特許第2,719,125号、第2,719,126号及び第3,087,932号に記載されるような1,3,4-チアジアゾール類の誘導体が典型的である。他の同様な材料は、米国特許第3,821,236号、第3,904,537号、第4,097,387号、第4,107,059号、第4,136,043号、第4,188,299号及び第4,193,882号に記載されている。他の添加剤は、英国特許明細書第1,560,830号に記載されているもののようなチアジアゾール類のチオ-及びポリチオスルフェンアミド類である。ベンゾトリアゾール誘導体も、この種類の添加剤に含まれる。これらの化合物が潤滑剤組成物に含まれる場合は、有効成分の0.2質量%を超えない量で存在するのが好ましい。
少量の乳化破壊成分が用いられてもよい。好ましい乳化破壊成分は、欧州特許出願公開第330,522号に記載されている。前記乳化破壊成分は、ビス-エポキシドと多価アルコールとの反応によって得られた付加生成物と、アルキレンオキシドとの反応によって得られる。乳化破壊剤は、有効成分の0.1質量%を超えないレベルで用いられるべきである。有効成分の0.001〜0.05質量%の処理比率が好都合である。
流動点降下剤、別名潤滑油向上剤は、流体が流動し得る又は注がれ得る最低温度を低下させる。そのような添加剤は周知である。流体の低温流動性を向上させる典型的な添加剤は、C8-C18ジアルキルフマレート/ビニルアセテートコポリマー及びポリアルキルメタクリレート類である。
例えばシリコーンオイル又はポリジメチルシロキサンといったポリシロキサン類の消泡剤を含む多くの化合物によって、泡の制御が提供され得る。
本願明細書において、用語“含む(comprising)”(又は同語源、例えば“含む(comprise)”)は、明確に規定されている特徴、整数、工程又は構成部品の存在を意味するが、1又はそれより多くの他の特徴、整数、工程、構成部品又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。用語“含む”(又は同語源)を本願明細書において使用する場合、用語“本質的に〜からなる”(及びその同語源)は、“含む”の範囲内にあり、好ましい実施態様である;従って、用語“〜からなる”(及びその同語源)は、“本質的に〜からなる”の範囲内にあり、その好ましい実施態様である。
用語“油溶性”又は“油分散性”は、化合物が全ての割合でオイル中に溶解性、可溶性、混和性又は懸濁可能であることを意味する訳ではない。しかしながら、それらの用語は、化合物が、例えば、本発明の組成物が使用される環境下で、意図されている効果を発揮するのに充分な程度までオイル中に可溶性であるか又は安定に分散し得ることを意味する。更に、上述するような他の添加剤の更なる導入は、化合物の溶解性又は分散性に影響し得る。
用語“多量(major amount)”は、組成物の50質量%を超えることを意味する。
用語“少量(minor amount)”は、組成物の50質量%未満を意味する。
本発明は次の実施例によってさらに説明されるが、次の実施例を本発明の範囲の制限とみなすべきでない。全てのパーセント数は、担体又は希釈オイルに関係なく、添加剤の有効成分含量の質量パーセントである。
以下の全ての実験は、プレート摩擦計上のキャメロンプリント往復ピンを用いて、以下の試験プロトコールを用いて行った:

Figure 2006045565
使用した表面材料は、以下に示すものとした:

Figure 2006045565
以下の潤滑剤組成物の各々と各種表面との組合せについて、摩擦係数及び摩耗係数を測定した:
1.100℃で4.2μm2-1(CSt)の動粘度を有するグループIIIベースオイル;
2.組成物1のベースオイル及び500ppmのモリブデン(以下に示されるような構造を有する三核モリブデンジチオカルバメートとして)を含む組成物:
Figure 2006045565
3.組成物1のベースオイル及び500ppmのモリブデン(以下に示されるような構造を有する二核モリブデンジチオカルバメートとして)を含む組成物:
Figure 2006045565
4.組成物2が少量の第2級ZDDP添加剤を更に含んでいる組成物;及び
5.組成物2が少量の第1級ZDDPを更に含んでいる組成物。
(実施例1:Al−Si合金プレート上におけるBS EN1452ピン)
組成物1、2及び3についての摩擦係数の比較を表1及びグラフ1に記載する。組成物1、2及び3についての摩耗係数の比較をグラフ2に記載する。
図1の表1及びグラフ1から、三核有機モリブデン化合物を含む組成物2が、組成物1又は3より有意に低い摩擦係数を示すことが分かる。更に、組成物2の摩擦係数は、試験が進むにつれて摩擦係数が増加する組成物1又は3とは異なり、試験が進むにつれ減少し続ける。
同様に、試験中同時点で組成物1と比べた組成物2の摩擦係数における%改良の比較は、組成物2の摩擦係数の低減が組成物1と比べて総体的に増加していることを示す。また、表1は、組成物1より総体的に劣って機能する(マイナスの接頭辞により示されている)組成物3よりも、組成物2が摩擦係数の低減においてより効果的に機能することを有意に示す。
図2のグラフ2から、潤滑組成物1又は3で潤滑化する場合よりも三核有機モリブデン化合物を含む組成物2で潤滑化する場合の方が、アルミナプレートの受ける摩耗が有意に低いことが分かる。
組成物2、4及び5についての摩擦係数の比較を図3の表2及びグラフ3に記載する。
グラフ3から、組成物5が組成物4よりも低い摩擦係数を示すことが分かる。三核有機モリブデン含有組成物である組成物2へのZDDP添加は、三核モリブデン化合物と関連する摩擦の低減に負の影響を有するが、グラフ3は、組成物5の第1級ZDDPの有する摩擦係数に対する有害な影響が、組成物4の第2級ZDDPよりも少ないことを示す。
(実施例2:BS EN31プレートにおけるBS EN1452ピン)
組成物1、2及び3についての摩擦係数の比較を、表3及びグラフ4に記載する。組成物1、2及び3についての摩耗係数の比較をグラフ5に記載する。
表3及びグラフ4から、三核有機モリブデン化合物を含む組成物2が、潤滑剤組成物1又は3よりも有意に低い摩擦係数を生じることが分かる。表3の%改良データは、組成物1又は3のいずれかと比較して、組成物2は試験が進むにつれてよりよい摩擦性能を提供することを示す。グラフ4及び表3は、二核モリブデンを含む組成物3が、実際は、モリブデン添加剤を含まない組成物1よりも高い摩擦係数を示すことも表している。
グラフ5から、BS EN31プレートは、潤滑組成物1又は3のいずれの場合よりも潤滑組成物2で潤滑化する場合に、有意に低い摩耗を示すことが分かる。
組成物2、4及び5についての摩擦係数の比較を表4及びグラフ6に記載する。
表4及びグラフ6から、潤滑組成物2又は5のいずれよりも、潤滑組成物4が摩擦係数をより減少させるように作用することが分かる。驚くべきことに、BS EN31プレートにおいてBS EN1452ピンを潤滑化する場合に、三核モリブデンを含む潤滑剤への第2級ZDDP添加剤の添加(組成物4)が摩擦係数を改良する。第2級ZDDPの代わりに第1級ZDDPを潤滑剤へ添加すること(組成物5)は、摩擦係数に負の影響を及ぼす。
組成物1、2及び3について摩擦係数の比較を示している表1及びグラフ1を図示する。 組成物1、2及び3について摩耗係数の比較を示しているグラフ2を図示する。 組成物2、4及び5について摩擦係数の比較を示している表2及びグラフ3を図示する。 組成物1、2及び3について摩擦係数の比較を示している表3及びグラフ4を図示する。 組成物1、2及び3について摩耗係数の比較を示しているグラフ5を図示する。 組成物2、4及び5について摩擦係数の比較を示している表4及びグラフ6を図示する。

Claims (12)

  1. アルミニウム合金表面を潤滑化する方法であって、
    潤滑粘性オイルと油溶性の三核有機モリブデン化合物とを含んでいる潤滑油組成物を該表面に供給することを含む前記方法。
  2. アルミニウム合金が、100〜150Hvの硬度及び2.0〜3.0gcm-3の密度を有するアルミニウム−珪素合金である請求項1に記載の方法。
  3. 潤滑油組成物が、更に、第1級ZDDPを含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. アルミニウム合金表面が内燃エンジンの構成部品の表面であり、潤滑油組成物が該エンジンに供給される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 2つの鉄表面の間に潤滑性を提供する方法であって、
    一方の鉄表面が英国規格BS EN31に準拠するクロム含有合金鋼を含み、他方の鉄表面が英国規格BS EN1452に準拠する鉄合金を含み、且つ
    該方法が、好ましくは多量の潤滑粘性オイルと、油溶性の三核有機モリブデン化合物とを含んでいる潤滑組成物を該両表面に供給することを含む前記方法。
  6. 潤滑油組成物が、更に、第2級ZDDPを含む請求項5に記載の方法。
  7. 潤滑油組成物が、更に、無灰分散剤、金属清浄剤、腐食防止剤、金属ジヒドロカルビルジチオフォスフェート、酸化防止剤、流動点降下剤、消泡剤、更なる摩擦改良剤、耐摩耗剤及び粘度調整剤からなる群より選択される1又はそれより多くの付加的添加剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 三核有機モリブデン化合物が三核ジチオカルバメート化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. アルミニウム合金からなり且つ内燃エンジンのリザーバー内に収容される1又は2以上の構成部品と、多量の潤滑粘性オイル及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含み且つ該構成部品を潤滑化するための潤滑油組成物とを有する、内燃エンジン。
  10. 英国規格BS EN1452に準拠する鋳鉄合金からなる構成部品及びそれに隣接している英国規格BS EN31に準拠するクロム含有鉄合金からなる構成部品と、多量の潤滑粘性オイル及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含む該構成部品を潤滑化するための潤滑油組成物とを有する内燃エンジンであって、
    該両構成部品が内燃エンジンのリザーバー内に収容される、前記内燃エンジン。
  11. アルミニウム合金からなり且つ内燃エンジンのリザーバー内に収容される1又は2以上の構成部品を有する内燃エンジンに使用される、該構成部品を潤滑化するための潤滑油組成物であって、
    多量の潤滑粘性オイル及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含む前記潤滑油組成物。
  12. 英国規格BS EN1452に準拠する鋳鉄合金からなる構成部品及びそれに隣接している英国規格BS EN31に準拠するクロム含有鉄合金からなる構成部品を有し且つ両構成部品をリザーバー内に収容する内燃エンジンに使用される、該両構成部品を潤滑化するための潤滑油組成物であって、
    多量の潤滑粘性オイル及び油溶性の三核有機モリブデン化合物を含む前記潤滑油組成物。
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