JP2006042389A - 移動通信システム及びその動作制御方法並びにそれに用いるノード - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動通信システムにおいて、MBMSと称される高速データ通信に対応したサービスを提供するために必要なIuインタフェースにおける論理コネクションを構成する際に、他のパケット通信サービスとの競合をなくす。
【解決手段】 CN10のSGSN12と無線制御装置22との間における論理コネクションとして、既存のパケット通信サービスのためのPS(パケット交換処理)機能用コネクション121と、新たな高速データ通信であるMBMSサービスのためのコネクション122とを独立に分離して設ける構成とする。これにより、PSサービスとMBMSサービスとの異種サービス間での競合がなくなり、異種サービス間での処理が、互いの処理を意識することなく行えることになる。また、コネクションの開放処理が、各サービス毎に単独で行えるので、SGSN12の処理の複雑さが解消される。
【選択図】 図1

Description

本発明は移動通信システム及びその動作制御方法並びにそれに用いるノードに関し、特に移動通信システムにおいてMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)と呼ばれる高速データ通信に対応したブロードキャストやマルチキャストサービスを提供する際に必要となる、コアネットワークと無線制御装置との間のインタフェースにおけるシグナリングコネクションの構成方式に関するものである。
W−CDMA(Wideband-CDMA )方式の移動通信システムにおける各種制御信号の転送制御を行うためのシグナリングコネクションの構成方法が、3GPP(Third Generation Partnership Project)により発行されている仕様書であるTS25.331の第5章の“RRC Services provided to upper layers ”(非特許文献1)に規定されている。図7を参照して、このシグナリングコネクションの構成方式について説明する。
図7において、W−CDMA移動通信システムは、交換機ネットワークであるコアネットワーク(CN)10と、無線制御装置(RNC)22と、移動端末(UE)51とを有している。コアネットワーク10と無線制御装置22との間には、シグナリング転送用の論理的なコネクション(論理コネクション)111や121が設定されている。なお、111はCS Iuコネクションと称されるものであり、コアネットワーク10を構成するMSC(Mobile-services Switching Center)11と無線制御装置22との間の論理コネクションであって、音声通信用の回線交換(Circuit Switched)機能を有するCS網であるCSドメイン用の論理コネクションである。
また、121はPS Iuコネクションと称されるものであり、コアネットワーク10を構成するSGSN(Serving GPRS(Global Packet Radio Service)Support Node )12と無線制御装置22との間の論理コネクションであって、パケット交換(Packet Switched )機能を有するPS網であるPSドメイン用の論理コネクションである。無線制御装置22は無線リソースの管理や無線基地局であるノードB(図示せず)の制御等を行うものであり、例えば、ハンドオーバの制御を行う制御装置である。
この無線制御装置22と移動端末51との間には、シグナリング転送用のRRC(Radio Resource Connection )コネクション211が設定されている。このRRCコネクション211は移動端末51におけるRRCシグナリングコネクション711に対応しており、このRRCシグナリングコネクション711はCSドメイン611用のCSシグナリングコネクション511とPSドメイン612用のPSシグナリングコネクション512とからなる。
この様に、W−CDMA移動通信システムでは、移動端末51において、CSドメイン611及びPSドメイン612の各々に対応して1つのシグナリングコネクション511及び512を確立することが可能であることが、上記非特許文献1に定義されている。
この様な構成を有するW−CDMA移動通信システムにおいて、新たなサービスであるMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)をサポートする場合が考えられる。すなわちMBMSと呼ばれる、動画像や音響情報付きの画像等の大容量の高速データ通信に対応したブロードキャストやマルチキャストサービスを提供するような場合、図8に示すシステム構成となる。図8においては、マルチキャストサービスの場合を示す。
図8において図7と同等部分は同一符号により示されている。図8を参照すると、コアネットワーク10と移動端末51〜53との間には、RAN(無線アクセス制御装置)21が設けられており、このRAN21は無線制御装置(RNC)22とノードB23とからなっており、図7ではノードB23を省略して、無線制御装置22のみを示している。
MBMSのマルチキャストサービスの情報を配信するエリアであるMBMSエリア41内には、MBMSサービスに加入している移動端末51,52と、MBMSサービスに加入していない移動端末53とが在圏しているものとする。マルチキャストは指定された複数の宛先アドレス(移動端末)に対して同一データを配信するサービスである。
この場合において、コアネットワーク10と無線制御装置22との間におけるシグナリング用の論理コネクションは図9に示す如くなる。図9において、移動端末51では、既に、CSドメイン611のCSシグナリングコネクション511とPSドメイン612のPSシグナリングコネクション512とが確立しているものとし、その状態で、移動端末51が更にMBMSサービスを受ける場合には、この移動端末51に対しては、MBMSサービスに対して新たなシグナリングコネクションの確立処理を実施する必要はない。すなわち、MBMSサービスもパケット通信であるために、パケット交換処理機能のPSドメインに含まれるものと考えて、既に確立されている論理コネクションであるPS Iuコネクション121を使用することができるためである。
この様に、移動端末に対して既にPSドメイン用のIuコネクションが確立されている場合には、SGSN12はRANAP(Radio Access Network Application Part )プロトコルに準拠したページング処理(複数ある無線制御装置エリア(セル)の中で、移動端末がどのエリアに在圏しているかを把握するための処理)を行わないことになる。
これに対して、他の移動端末52に対しては、PSドメインのシグナリングコネクションが確立されていないために、MBMSサービスを実施するために、新たにMBMSシグナリングコネクション523を確立することが必要になり、SGSN12はページング処理が要求されることになる。なお、613は移動端末52のPSドメインを示し、712は移動端末52のRRCシグナリングコネクションを示す。また、212は移動端末52と無線制御装置22との間のRRCコネクションであり、122はコアネットワーク10と無線制御装置22との間のMBMS Iuコネクションを示す。
3GPP発行の仕様書TS25.331,v3.10.0の第5章及び第10章
図9を参照して説明した様に、W−CDMA移動通信システムにおいてMBMSサービスを新たにサポートする場合、移動端末51において既にPSドメイン用のPSシグナリングコネクション512が確立しており、コアネットワーク10と無線制御装置22との間に、論理コネクションであるPS Iuコネクション121が確立しているときには、MBMS用のシグナリングも、このPS Iuコネクション121を用いることができる。
しかしながら、この様に、既存のパケット交換サービスであるPSサービスと新たなMBMSサービスとに共通してシグナリングコネクションを使用することは、異種サービス間での処理の競合が発生するという問題がある。すなわちMBMSサービス実施中に、通常のパケットサービスの確立要求(パケットデータの着信等)が発生すると、PSシグナリングコネクションは既に確立されているために、ページング処理は実施されないが、MBMSサービスで使用されていたシグナリングコネクションがパケットサービスのRAB(Radio Access Bearer )確立処理のために使用されるために、MBMSサービスとパケット通信サービスとの競合処理が発生する可能性が高い。
また、コアネットワーク10におけるSGSN12における処理が複雑化するという問題が生ずる。すなわち、移動端末においては、PSドメインで1つのシグナリングコネクションしか持っていないために、通常のパケットサービス向けに、PSのシグナリングコネクションが確立済みの移動端末に対しては、既存のPSシグナリングコネクションを使用してメッセージの送受信が行われる。そのために、MBMSサービス向けに新たなPSシグナリング確立は不要であるが、PSシグナリングコネクションの確立が行われていない移動端末に対しては、MBMSサービス向けにPSシグナリングコネクションを確立して、MBMSのメッセージの送受信を行うので、SGSNは各移動端末のPSシグナリングコネクションの確立の状態をチェックして、メッセージの送受信に用いるシグナリングコネクションを決定する必要がある。また、MBMSサービスが終了した場合も、通常のパケットサービスを実施中の移動端末かどうかを判断して、SGSNはシグナリングコネクションの解放処理を行う必要が生ずる。
本発明の目的は、既存のパケット通信サービスと新たなMBMSサービスとの競合発生をなくした移動通信システム及びその動作制御方法並びにそれに用いるノードを提供することである。
本発明の他の目的は、SGSNにおける処理の複雑化をなくした移動通信システム及びその動作制御方法並びにそれに用いるノードを提供することである。
本発明による移動通信システムは、パケットデータ通信のためのパケット交換機能を有するノードを有するコアネットワークと、無線制御装置と、移動端末とを含み、前記無線制御装置と前記ノードとの間のインタフェースにおいてコネクションを設定するようにした移動通信システムであって、前記パケットデータ通信よりも高速なマルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記パケットデータ通信のためのコネクションとは別に設定するコネクション設定手段を含むことを特徴とする。
そして、前記コネクション設定手段は、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末に対して共通に設定するか、または前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末の各々に対して個々に設定することを特徴とする。
本発明による動作制御方法は、パケットデータ通信のためのパケット交換機能を有するノードを有するコアネットワークと、無線制御装置と、移動端末とを含み、前記無線制御装置と前記ノードとの間のインタフェースにおいてコネクションを設定するようにした移動通信システムにおける動作制御方法であって、前記パケットデータ通信よりも高速なマルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記パケットデータ通信のためのコネクションとは別に設定するコネクション設定ステップを含むことを特徴とする。
そして、前記コネクション設定ステップは、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末に対して共通に設定するか、または前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末の各々に対して個々に設定することを特徴とする。
本発明によるノードは、パケットデータ通信のためのパケット交換機能を有するノードを有するコアネットワークと、無線制御装置と、移動端末とを含み、前記無線制御装置と前記ノードとの間のインタフェースにおいてコネクションを設定するようにした移動通信システムにおけるノードであって、前記パケットデータ通信よりも高速なマルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記パケットデータ通信のためのコネクションとは別に設定するコネクション設定手段を含むことを特徴とする。
本発明によるプログラムは、パケットデータ通信のためのパケット交換機能を有するノードを有するコアネットワークと、無線制御装置と、移動端末とを含み、前記無線制御装置と前記ノードとの間のインタフェースにおいてコネクションを設定するようにした移動通信システムにおけるノードの動作制御をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、前記パケットデータ通信よりも高速なマルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記パケットデータ通信のためのコネクションとは別に設定するコネクション設定ステップを含むことを特徴とする。
本発明の作用を述べる。コアネットワークと無線制御装置との間における論理コネクションとして、既存のパケット通信サービスのためのPS(パケット交換処理)機能用コネクションと、新たな高速データ通信であるMBMS(ブロードキャスト/マルチキャスト)サービスのためのMBMS用コネクションとを独立に分離して設ける構成とする。これにより、PSサービスとMBMSサービスとの異種サービス間での競合がなくなり、異種サービス間での処理が、互いの処理を意識することなく行えることになる。また、コネクションの開放処理が、各サービス毎に単独で行えるので、SGSNの処理の複雑さが解消されることにもなる。
本発明によれば、MBMSサービスのためのIuコネクションを、PS用のIuコネクションとは別に独立して設けたので、MBMSサービスと他のサービス(パケットデータ通信)との競合が発生することがなくなり、他のサービスを意識することなくMBMSサービスの実施ができ、特に他のサービスのシグナリングコネクションの確立状態をチェックする必要もなくなるという効果がある。
以下に図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。図1は本発明の一実施例の概略システム構成図であり、図7〜9と同等部分は同一符号にて示している。図1を参照すると、コアネットワーク(CN)10は、音声通信用の回線交換処理機能を有するMSC11(CSドメインとして定義される)と、パケットデータ通信用のパケット交換処理機能を有するSGSN(汎用パケット無線サービスサポートノード)12(PSドメインとして定義される)とを含んでいる。このSGSN12は既存のパケットサービスの他、上述した新たなMBMSサービス(当該パケットサービスよりも高速のデータ通信に対応したブロードキャストやマルチキャスト通信サービス)に対応しており、移動端末51,52も同様であるものとする。
これ等移動端末51,52は、共に、MBMSの情報を配信するエリア内に在圏しており(図8参照)、MBMSサービスに加入しているものとする。
無線制御装置(RNC)22は無線リソースの管理や無線基地局であるノードB(図示せず)の制御などを行うものである。この無線制御装置22と各移動端末51や52との間には、RRCコネクション211や212が設定される。移動端末51には、既にCSシグナリングコネクション511とPSシグナリングコネクション512とが確立されており、よって、コアネットワーク10と無線制御装置22との間のIuインタフェースには、論理コネクションとして、移動端末51用のCS Iuコネクション111とPS Iuコネクション121とが、確立されている。これにより、移動端末51はMSC11やSGSN12とメッセージの送受信を可能としている。
更に、移動端末51がMBMSサービスを受ける場合、このMBMSサービスのための論理コネクションとして、本実施例では、PS Iuコネクション121を使用せずに、その代りに、MBMSサービス専用のMBMS Iuコネクション122を別に確立するのである。移動端末51側では、PSドメイン612内において、PSシグナリングコネクション512とMBMSシグナリングコネクション513とが設定される。これにより、移動端末52はSGSN12とMBMSサービスを受けるために必要となるメッセージの送受信が可能となる。
ここで、他の移動端末52が同一のMBMSサービスを受ける場合には、移動端末51に対するMBMSサービス用に既に確立されているMBMS Iuコネクション122を共用するようになっている。更に別の移動端末が同一のMBMSサービスを受ける場合にも、このMBMS Iuコネクション122を共用するのである。移動端末52において、523はMBMSシグナリングコネクションである。
複数の移動端末に共用のMBMS Iuコネクション122はMBMSサービスに関連したメッセージのみを扱い、PSドメイン612,614のシグナリングコネクションとして設定される。
MBMSのマルチキャストサービスでは、移動端末がネットワークに対してマルチキャストモードのデータを受信したい(マルチキャストモードのサービスを受けたい、すなわち入会したい)ことを通知する、いわゆる“Joining”と呼ばれる処理、マルチキャストデータの転送等が実施されることを通知する“MBMS notification”処理、MBMSデータの転送処理、マルチキャストサービスから脱会する“Leaving”処理等を実施することになる。
次に、図2〜図4のシーケンス図を参照して本実施例の全体の動作について詳細に説明する。なお、本実施例では、移動端末51に対する“Joining”処理が完了した後に、他の移動端末52から“Joining”の要求が通知されるものとする。図2は“Joining”処理の動作を示すシーケンス図であり、図3,4はデータ転送と“Leaving”処理の動作を示すシーケンス図である。これ等各図における右端の四角で囲むステップは、SGSN12での処理を示しているものとする。なお、図4は図3におけるシーケンス中のMBMS向けのConnection確立処理(ステップC3)の詳細を示す図である。
まず、移動端末51は電源投入等の操作をトリガとしてRRCコネクションを無線制御装置22との間で確立する(ステップA1)。そして、移動端末51はSGSN12に対して“Joining”に関する情報を通知する。無線制御装置22はSGSN12に対してコネクションの確立を要求し、無線制御装置22とSGSN12との間にIuコネクションを確立する。この処理により、SGSN12は移動端末51からMBMSのデータ受信要求があることを認識する(ステップA2)。
ステップA2において、“Initial Direct Transfer “なるメッセージは、シグナリングコネクションを確立するために使用されるものであり、無線上、最初のNAS(移動端末とコアネットワークとの間で授受される)メッセージを送信するための使用される。また、“SCCP”は“Signaling Connection Control Part ”の略であり、アプリケーションの信号や情報を効率的に転送するための信号方式を意味し、“CR”は“Connection Request”の略であり、シグナリングコネクションの設定要求のために使用される。“CC”は“Connection Confirm”の略であり、シグナリングコネクションの設定を実行したことを通知するメッセージである。
その後、SGSN12は認証やセキュリティの処理を実施し、不正な移動端末でないことを確認すると(ステップA3,A3´)、SGSN12は移動端末51の“Joining”情報を、図示せぬ上位のゲートウェイ(GGSN)に通知し、移動端末51に対しても“Joining”処理が完了したことを通知する(ステップA4,A5)。“Joining”処理が完了すると、MBMSデータの送信が実施されるまでコネクションが不要なため、一度Iuコネクションの開放を行う(ステップA6)。
ステップA3において、“DT1”は“Data Form 1”であり、様々なSCCPデータ(認証の要求や応答に関する情報など)を相手ノードへ送信するために使用されるメッセージである。
ここで、電源投入などによりRRCコネクションが確立されている(ステップA7)移動端末52からSGSN12に対して“Joining”に関する情報が通知された場合、移動端末51に対すると同様の処理を実施し(ステップA8,A9)、不正な移動端末でないことを確認すると、ゲートウェイであるGGSNに対する移動端末52の“Joining”情報の通知と、移動端末52への“Joining”処理の完了報告を行う(ステップA10,A11)。“Joining”処理の完了後、一度Iuコネクションの開放を行う(ステップA12)。このステップA12で、一旦Iuコネクションの開放を行うのは、“Joining”の後、直ちに図3に示す“MBMS Notification”処理を行うとは限らないので、その間、別のサービスを実施するユーザに対してリソースを有効に割り当てるためである。
各移動端末の“Joining”処理の完了後に、実際にMBMSデータの転送が実施されることを、MBMSサービスに加入した移動端末51,52に通知する“MBMS notification”処理が実施される(ステップC1,C2)。このとき、SGSN12から無線制御装置22に対して“MBMS notification”を移動端末へ送信するために要求するメッセージは“Joining”処理でIuコネクションを開放しているため、コネクションレスで実施される。また、無線制御装置22に要求するメッセージは1メッセージのみであるが、同一のMBMSサービスを受ける複数の移動端末に対しては、同じMBMSサービスを受けるグループを示すグループ番号を使用することにより、同時に複数の移動端末にメッセージを送信することが可能になる。なお、この“UDT”は“Unitdata”の略であり、コネクションレスでデータを送信したい場合に使用されるメッセージである。
なお、このグループ番号はMBMSサービスの種別を示す識別番号であって、予めシステム側(MBMSサービスを提供するサーバ)から、不特定多数の移動端末に対して、予め識別番号とそれに対応するサービス種別とを報知しておき、移動端末は、自分が享受したいサービス種別に対応する識別番号を“Joining”情報に含ませてSGSN12へ送信するようになっている。従って、この“Joining”情報に含まれている識別番号により、SGSN12は、“Joining”要求のあった移動端末がどのMBMSサービスを享受するのか判断することができることになる。
“MBMS notification”を受信した移動端末51は、サービス享受のために、再度RRCコネクションを無線制御装置22との間で確立し(ステップB1)、MBMSサービスを要求するために、コネクションレスでSGSN12にメッセージを受信したことを通知する(ステップB2)。次に、移動端末51からのMBMSサービス要求が、同一のMBMSエリア41(図8参照)に存在する複数の移動端末の中で、最初のMBMSサービス要求であれば、SGSN12は無線制御装置22に対してIuコネクション122の確立を要求する(ステップB3、B3´)。この処理により、呼MBMSサービスの呼毎にIuコネクションを確立することが不要になり、メッセージ量を減らす効果がある。その後、認証やセキュリティの処理を実施し、不正な移動端末でないことを確認すると、移動端末51に対してMBMSサービス要求が完了したことを通知する(ステップB4,B5)。
ここで、“MBMS Notification”を受信し、RRCコネクションを確立している(ステップB6)移動端末52からも、SGSN12に対してMBMSサービス要求に関する情報が通知された場合、既にMBMS向けのIuコネクションが確立されているために、無線制御装置22に対してIuコネクションの確立要求が再度なされることはない(ステップB7、B8)。SGSN12は、移動端末51に対すると同様に、移動端末52に対しても認証やセキュリティの処理を実施し、不正な端末でないことを確認すると、移動端末52に対してMBMSサービス要求が完了したことを通知する(ステップB9,B10)。
MBMSサービスでIuコネクション122を共有しているため、MBMSのRABの確立処理、MBMSデータの転送、データ転送後に実施されるMBMSのRAB解放処理は、同一のコネクションを用いて実施することになる(ステップC4,C4´及びC5,C6,C6´)。
次に、MBMSデータの受信が不要になった場合、MBMSサービスから脱会するために“Leaving”処理が実施される(ステップC7)。この処理では、仮に移動端末52の“Leaving”処理のみが終了した場合、移動端末51の“Leaving”処理が終了していないため、Iuコネクション122の解放処理を実施する必要がない(ステップC8)。最後に、MBMSサービスに加入していた全移動端末(移動端末51及び52)で“Leaving”処理が完了すると、SGSN12は無線制御装置22とのIuコネクション122を解放して、MBMSのマルチキャストサービスを終了する(ステップC9,C9´)。
なお、ステップC9において、“RLSD”は“Released”を示し、シグナリングコネクションや割当てられていたリソースの開放のために使用され、“RLC”はRelease Complete”であり、開放が完了したことを通知するためのものである。
この様に、MBMSサービスのためのIuコネクション122を、PS用のIuコネクション121とは別に独立して設けたので、MBMSサービスと他のサービス(パケットデータ通信)との競合が発生することがなくなり、他のサービスを意識することなくMBMSサービスの実施ができ、特に他のサービスのシグナリングコネクションの確立状態をチェックする必要もなくなる。
更に、MBMSサービスに加入している複数の移動端末に対して、MBMS用のシグナリングコネクションを共用する構成とすることにより、各移動端末に対して、個別の識別番号(IMSI:International Mobile Subscriber Identify)を用いて個別にメッセージの送信を行う必要がなく、MBMSサービスに属していることを示すグループ番号(TMGI:Teporary mobile Group Identify)を用いてメッセージを送信することができ、更にはまた、一度、Iuコネクションを確立すれば、同一のMBMSサービスを受けている移動端末の全てが“Leaving”するまで、Iuコネクション122を開放する必要がなく、よってノード間のメッセージ量を削減することができる。
図5は本発明の他の実施例の概略ブロック図であり、図1と同等部分は同一符号により示している。本例では、移動端末51において、確立される3つのシグナリングコネクションのうち、MBMS用のシグナリングコネクション513がPSドメン612ではなく、新たなMBMSドメイン613に対して確立されている点が、図1の実施例とは相違する。
ただし、無線制御装置22と移動端末との間にRRCコネクションを確立する場合に、コアネットワーク10から無線制御装置22へのメッセージにおいて、移動端末でのドメインの指定が異なるだけで、他の動作態様は図2〜図4に示した動作シーケンスと同一である。本実施例では、シグナリングコネクションを、それぞれ互いに異なるドメンイに確立するため、移動端末におけるシグナリングコネクションの管理が容易となる。
より詳述すると、コアネットワーク10側では、CSドメインやPSドメイン毎に管理しているエリアが異なっており、CSドメインであれば、LA(Local Area)と呼ばれるエリアで移動端末の位置管理をしており、またPSドメインであれば、RA(Routing Area)と呼ばれるエリアで移動端末の位置管理をしている。MBMSでは、MBMSエリアと呼ばれるエリアによって、MBMS情報の送付先を管理することになるので、PSドメインのRAエリアと同じ範囲のエリアであるとは決まっていない。仮に、既存のPSのシグナリングコネクションと、新たなMBMSのシグナリングコネクションとを、図1の実施例のように、同一のPSドメインで管理すると、PSドメインとしてのRAは変わっていなくても、MBMSエリアが変われば、位置登録を行う必要があり、1つのドメインで2つのエリアをチェックすることが必要となる。
そこで、図5に示す実施例のように、ドメインをPSドメイン612とMBMSドメイン613とに分割することにより、ドメインと管理するエリアとが一対一にすることができ、管理が容易となるのである。
但し、SGSN12で問題が発生した場合、無線制御装置22でRRCシグナリングコネクションの開放処理が必要であるが、この場合、本実施例では、“RRC:Signaling Connection Release”メッセージをドメイン毎に送信する必要があるが、先の実施例では、ドメインを分割していないので、1回のメッセージで済むことになる。
図6は本発明の更に他の実施例の概略ブロック図であり、図1と同等部分は同一符号にて示している。本例では、移動端末にそれぞれ対応して、MBMS用シグナリングコネクションのためのMBMS Iuコネクション122,123をそれぞれに設ける構成であり、他は図1の構成と同じである。これ等各コネクション122,123の確立処理及び開放処理は、各移動端末毎に独立してSGSN12にて実施されることになるが、PS用シグナリングコネクションのためのPS Iuコネクション121とは別にMBMS Iuコネクションを設けているので、異種サービスとの競合の発生やSGSNでの処理の複雑化をなくすことができる。
なお、この図6に示した実施例では、移動端末毎に異なるIuコネクションを設定する場合には、同一メッセージを複数の指定された移動端末に対して送信する必要があり、よって無線上の複数のメッセージの送信により、輻輳が発生し、またノード間で実施されるメッセージ量が増大して処理能力に影響が出る可能性があるが、図1に示した実施例では、複数の移動端末に共通にIuコネクションを設定することで、無線上の同一メッセージによる輻輳の発生やノード間での処理能力に対する悪影響はなくなる。
なお、図6の実施例に図5に示した実施例を適用することができることは明白である。
上記実施例の動作は、予め記録媒体に動作手順をプログラムとして格納しておき、これをコンピュータ(CPU)により読取らせて順次実行することにより実現可能であることは勿論である。
本発明の一実施例の概略ブロック図である。 本発明の一実施例のMBSMにおけるマルチキャストサービスへの“Joining”処理を示すシーケンス図である。 本発明の一実施例のMBSMにおけるマルチキャストサービスのデータ転送と“Leaving”処理を示すシーケンス図である。 本発明の一実施例のMBSMにおけるマルチキャストサービスでのコネクション確立処理を示すシーケンス図であり、図3の処理C3の詳細を示すものである。 本発明の他の実施例の概略ブロック図である。 本発明の更に他の実施例の概略ブロック図である。 従来例を説明する概略ブロック図である。 MBSMにおけるマルチキャストサービスのための概略システム図である。 図7に示した構成においてMBSMにおけるマルチキャストサービスを受ける場合の説明図である。
符号の説明
10 コアネットワーク(CN)
11 MSC
12 SGSN
22 無線制御装置(RNC)
51,52 移動端末
111 CS Iuコネクション
121,122 MBMS Iuコネクション
211,212 RRCコネクション
511 CSシグナリングコネクション
512 PSシグナリングコネクション
513,523 MBMSシグナリングコネクション
611 CSドメイン
612,614 PSドメイン
613,615 MBMSドメイン
711,712 RRCシグナリングコネクション

Claims (26)

  1. パケットデータ通信のためのパケット交換機能を有するノードを有するコアネットワークと、無線制御装置と、移動端末とを含み、前記無線制御装置と前記ノードとの間のインタフェースにおいてコネクションを設定するようにした移動通信システムであって、
    前記パケットデータ通信よりも高速なマルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記パケットデータ通信のためのコネクションとは別に設定するコネクション設定手段を含むことを特徴とする移動通信システム。
  2. 前記コネクション設定手段は、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末に対して共通に設定することを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
  3. 前記コネクション設定手段は、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける最初の移動端末からのサービス実施要求に応答して、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを設定することを特徴とする請求項2記載の移動通信システム。
  4. 前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける最後の移動端末からのサービス脱会要求に応答して、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを開放する手段を、更に含むことを特徴とする請求項2または3記載の移動通信システム。
  5. 前記コネクション設定手段は、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末の各々に対して個々に設定することを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
  6. 前記移動端末の各々からの前記マルチキャストデータ通信のサービス脱会要求に応答して、当該移動端末に対応した前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを開放する手段を、更に含むことを特徴とする請求項5記載の移動通信システム。
  7. 前記コアネットワークでの前記パケット交換機能のための領域であるPSドメインで、前記移動端末の前記マルチキャストデータ通信用のコネクションを管理するようにしたことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の移動通信システム。
  8. 前記コアネットワークでの前記パケット交換機能のための領域であるPSドメインとは別の前記マルチキャストデータ通信のためのドメインで、前記移動端末の前記マルチキャストデータ通信用のコネクションを管理するようにしたことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の移動通信システム。
  9. パケットデータ通信のためのパケット交換機能を有するノードを有するコアネットワークと、無線制御装置と、移動端末とを含み、前記無線制御装置と前記ノードとの間のインタフェースにおいてコネクションを設定するようにした移動通信システムにおける動作制御方法であって、
    前記パケットデータ通信よりも高速なマルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記パケットデータ通信のためのコネクションとは別に設定するコネクション設定ステップを含むことを特徴とする動作制御方法。
  10. 前記コネクション設定ステップは、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末に対して共通に設定することを特徴とする請求項9記載の動作制御方法。
  11. 前記コネクション設定ステップは、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける最初の移動端末からのサービス実施要求に応答して、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを設定することを特徴とする請求項10記載の動作制御方法。
  12. 前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける最後の移動端末からのサービス脱会要求に応答して、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを開放するステップを、更に含むことを特徴とする請求項10または11記載の動作制御方法。。
  13. 前記コネクション設定ステップは、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末の各々に対して個々に設定することを特徴とする請求項9記載の動作制御方法。
  14. 前記移動端末の各々からの前記マルチキャストデータ通信のサービス脱会要求に応答して、当該移動端末に対応した前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを開放するステップを、更に含むことを特徴とする請求項13載の動作制御方法。
  15. パケットデータ通信のためのパケット交換機能を有するノードを有するコアネットワークと、無線制御装置と、移動端末とを含み、前記無線制御装置と前記ノードとの間のインタフェースにおいてコネクションを設定するようにした移動通信システムにおけるノードであって、
    前記パケットデータ通信よりも高速なマルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記パケットデータ通信のためのコネクションとは別に設定するコネクション設定手段を含むことを特徴とするノード。
  16. 前記コネクション設定手段は、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末に対して共通に設定することを特徴とする請求項15記載のノード。
  17. 前記コネクション設定手段は、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける最初の移動端末からのサービス実施要求に応答して、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを設定することを特徴とする請求項16記載のノード。
  18. 前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける最後の移動端末からのサービス脱会要求に応答して、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを開放するコネクション開放手段を、更に含むことを特徴とする請求項16または17記載のノード。
  19. 前記コネクション設定手段は、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末の各々に対して個々に設定することを特徴とする請求項15記載のノード。
  20. 前記移動端末の各々からの前記マルチキャストデータ通信のサービス脱会要求に応答して、当該移動端末に対応した前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを開放する手段を、更に含むことを特徴とする請求項19記載のノード。
  21. パケットデータ通信のためのパケット交換機能を有するノードを有するコアネットワークと、無線制御装置と、移動端末とを含み、前記無線制御装置と前記ノードとの間のインタフェースにおいてコネクションを設定するようにした移動通信システムにおけるノードの動作制御をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、
    前記パケットデータ通信よりも高速なマルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記パケットデータ通信のためのコネクションとは別に設定するコネクション設定処理を含むことを特徴とするコンピュータ読取り可能なプログラム。
  22. 前記コネクション設定処理は、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末に対して共通に設定することを特徴とする請求項21記載のプログラム。
  23. 前記コネクション設定処理は、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける最初の移動端末からのサービス実施要求に応答して、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを設定することを特徴とする請求項22記載のプログラム。
  24. 前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける最後の移動端末からのサービス脱会要求に応答して、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを開放する処理を、更に含むことを特徴とする請求項22または23記載のプログラム。
  25. 前記コネクション設定処理は、前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを、前記マルチキャストデータ通信のサービスを受ける複数の移動端末の各々に対して個々に設定することを特徴とする請求項21記載のプログラム。
  26. 前記移動端末の各々からの前記マルチキャストデータ通信のサービス脱会要求に応答して、当該移動端末に対応した前記マルチキャストデータ通信のためのコネクションを開放する処理を、更に含むことを特徴とする請求項25載のプログラム。
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