JP2006035123A - フライアッシュ中の有害元素の溶出低減方法 - Google Patents

フライアッシュ中の有害元素の溶出低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホウ素、セレン、フッ素、六価クロム、砒素などの有害元素の溶出量が極めて少ないフライアッシュを得る。
【解決手段】電気集塵機内に設置された複数の集塵段のうち、特定の集塵段からフライアッシュを捕集し、かつ、排ガスの煙道方向に設置された複数の集塵段のうち、最も排ガス上流側に位置する集塵段からフライアッシュを捕集する、フライアッシュ中の有害元素の溶出低減方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、石炭火力発電所から排出される石炭灰、中でもフライアッシュから溶出するホウ素、セレン、フッ素、六価クロム、砒素などの有害元素を低減するするための新規な方法に関するものである。
石炭火力発電所から排出されるフライアッシュは、現在、埋め立て処分の他、セメント原料、コンクリート混和剤などのセメント・コンクリート分野や、盛土、地盤改良材などの土木材料として有効利用が図られている。
しかしながら、フライアッシュ中にはホウ素、セレン、フッ素、六価クロム、砒素などの有害元素が微量ながら含まれており、フライアッシュの有効利用に際してはこれら有害元素の溶出を抑制することが必要となる。例えば、土木材料として利用する場合には、施工後の強度、透水性などの物理的性質の他、微量化学成分の溶出量が、埋め立て基準よりも10倍以上厳しい土壌環境基準を満たすことが必要である。
現在、フライアッシュなどの焼却灰からの微量元素溶出抑制技術として、一般的に、(1)セメント固化法、(2)溶融法、(3)酸処理法、(4)水熱処理による固化法などの処理方式があり、実際に実施されている。
これらの微量元素溶出抑制技術のうち、原料の入手が簡単であるなどの点から、(1)セメント固化法による処理方式が広く実用化されている。そのセメント固化法においては、これまでポルトランドセメントの利用が主流であったが、六価クロムの溶出を抑制することは難しく、それに代わり得る方法として、例えば、特許文献1には、石炭灰に高炉セメントB種や、高炉スラグなどを添加剤として用いる方法が開示されており、また、特許文献2には、セメントの他、木酢液や竹酢液を添加、混合することにより、六価クロムなどの重金属元素の溶出が抑制された例が開示されている。
その他の微量元素溶出抑制技術については、(2)溶融法については、例えば、特許文献3には、ボイラーの炉底灰(クリンカアッシュ)をフライアッシュとともに1000℃〜1500℃で溶融させ、炉底灰(クリンカアッシュ)の被覆作用により、フライアッシュからの有害元素の溶出を抑制する方法が開示されており、また、(3)酸処理法については、例えば、特許文献4に温水や炭酸水による洗浄で重金属イオンを除去する技術が開示されている。さらに、(4)水熱処理による固化法については、例えば、特許文献5には、石炭灰に生石灰や消石灰などのカルシウム源のほか、NaOHやKOHなどのアルカリ源を添加、水熱合成を行いゼオライト系を形成させる方法が開示され、また、特許文献6には石灰などカルシウム源のほか、硫黄や硫化物などの硫酸源を添加してエトリンガイド系鉱物を形成させる方法が開示されている。
なお、(1)セメント固化法と(4)水熱処理による固化法では、カルシウム源を添加する点では同じであるが、(1)セメント固化法では主として強固な結合体を形成してその物理的な力で有害元素の溶出を抑制するのに対し、(4)水熱処理による固化法では、ゼオライトや複合酸化物などの鉱物を形成させ、その構造中に有害元素を取り込むことで溶出を抑制する点で異なるものである。
さらに、フライアッシュについての検討例は少ないが、土壌中の有害元素を対象にした除去法については、キレートなどの化学薬剤処理によって金属を封じ込める技術が知られている。
特開2000−301107号公報 特開2001−157884号公報 特開2002−104850号公報 特開2001−047007号公報 特開平10−296205号公報 特開昭62−148355号公報
(1)セメント固化法、および(4)水熱処理による固化法による固化は、施工後のpHなどの影響を受ける場合がある上、未だ処理コストが高いという問題点がある。また、(2)溶融法は、高温加熱による溶融で重金属などをガラス質に封じ込めるため、長期安定性が図れるが、設備費用や設備維持管理コストが高く、一部で採用されるにとどまっているに過ぎない。さらに、(3)酸処理法では、塩酸など有害な試薬を用いる上、その設備には耐酸性の部材が必要であり、また廃液処理の問題などから、コスト増となる問題がある。最後に、化学薬剤処理は反応に適したpHの管理が必要なことなど、コストの増加および取り扱いに困難が伴うものであった。
このような状況から、複雑な処理を必要とせず、かつ、処理コストの低い溶出抑制技術が望まれていた。
本発明は、このような事情のもので、複雑な処理を必要とせず、処理コストが低く、かつ、有害元素の溶出量が極めて低い、新規なフライアッシュ中の有害元素の溶出低減方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、(1)セメント固化法および(4)水熱処理による固化法など、フライアッシュを捕集した後に溶出抑制対策を行うと、処理のための装置が必要となり、それがコスト増に繋がることから、捕集する前の段階で溶出を抑制することが得策であると考えた。この考えを基に、電気集塵機でのフライアッシュの挙動に注目し、検討を重ねた結果、電気集塵機からの灰の採集方法を工夫することで微量有害元素の溶出量を制御できることを見いだし、本発明をなすに至った。
電気集塵機とは、負に帯電させたガス中のフライアッシュを、正に帯電した集塵電極上で捕集する装置であり、装置規模にもよるが、ガス中の粒子を90〜99%程度捕集することができる。また、電気集塵機は、ガスの流れ方向に複数の集塵段が設定され、さらに各々の段は、並列に配置された複数のホッパを有している。
フライアッシュは、通常、それぞれのホッパに捕集されたものを段別に回収しているが、それらを一つのラインでまとめて輸送し、これを最終的にサイロで貯蔵する方法を取っているため、一般的にフライアッシュと呼ぶ場合には、このように格段毎に集塵したフライアッシュの混合物を指す。
一方、電気集塵機内の段別のフライアッシュの特性については、一部検討された例があり、格段毎で、比重、粉末度、平均粒径などの物性が異なることが知られている。すなわち、捕集段がガス下流側になるほど、フライアッシュの最大粒径、平均粒径は小さくなるとともに、ブレーン比表面積が大きくなるため、ガス下流側で集塵したフライアッシュは、コンクリート混和剤として流動性や圧縮強度の点でガス上流側で集塵したフライアッシュよりも優れる。
以上の状況を鑑み、本発明者らは電気集塵機内の段別でのフライアッシュの性質を詳細に検討した結果、各々の集塵段でフライアッシュの物理的性質が異なるだけでなく、有害元素溶出量など、化学的性質についても異なることを見出した。また、排ガス上流側により近い集塵段から得られたフライアッシュは、有害元素溶出量が極めて少ないことを見出した。
すなわち、本発明によれば、電気集塵機内に設置された複数の集塵段のうち、特定の集塵段からフライアッシュを捕集し、かつ、排ガスの煙道方向に設置された複数の集塵段のうち、最も排ガス上流側に位置する集塵段からフライアッシュを捕集すれば、ホウ素、セレン、フッ素、六価クロム、砒素などの有害元素の溶出量が極めて少ないフライアッシュを得ることができる。
例えば、ホウ素はその濃度が高くなると毒性を示すことが知られているが、排ガス煙道方向に6段のホッパを設置した電気集塵機で捕集した場合、各集塵段のフライアッシュを混合する通常の捕集形態のもの(以下、「原粉」という。)では、その溶出量が1.48mg/lと高い値を示していたが、段別に捕集したフライアッシュの有害元素溶出量をみると、排ガス上流側から順に0.47mg/l、2.01mg/l、4.05mg/lという分布を有しており、1段目の集塵段では、その溶出量が3段目の集塵段の1/10程度となっている。
また、この例の場合、原粉ではその有害元素溶出量が土壌環境基準である1mg/lを満足しないが、1段目の集塵段から分取したフライアッシュの場合には、有害元素溶出量が土壌環境基準を満たす。
さらに、個々の集塵段でのフライアッシュの捕集量は、電気集塵機の運転状況にもよるが、おおむね排ガス上流側から、8:1.5:0.5程度であり、4段以上配置した場合であっても排ガス上流側から3段目の集塵段程度でフライアッシュのほぼ全量が捕集される上、1段目の集塵段での捕集量が最も多い。
従って、本発明によれば、1段目の集塵段で得られるフライアッシュを別ラインで搬送すれば、微量有害元素の溶出量が極めて少ないフライアッシュを自動的に大量に得ることができる。つまり、電気集塵機では、極めて有害元素溶出量の少ないフライアッシュを捕集している集塵段があるにもかかわらず、これまでは有害元素溶出量の比較的多いフライアッシュを捕集する集塵段のフライアッシュまで混合してしまったことになる。
また、フライアッシュ集塵段の位置が、より排ガス上流側であるほど、有害元素溶出量が低いという傾向は、ホウ素以外のセレン、フッ素、六価クロム、砒素についても同じである。
さらに、この傾向は、石炭火力発電所のプラント効率、出力、原料石炭の種類などのボイラ側での運転条件の他、電気集塵機自体の諸条件にも左右されることはない。例えば、電気集塵機内の温度(排ガス温度)については、高温電気集塵機(350℃程度)でも低温電気集塵機(90℃程度)のいずれでもよい。このように、排ガス上流側の集塵段ほど有害元素の溶出量が少ないという傾向そのものは集塵温度と無関係である。
このように、電気集塵機内に設置された集塵段が前段であるほど有害元素の溶出が抑制される要因としては、集塵段毎で、フライアッシュの粒径や有害元素の含有量が異なることによると考えられる。電気集塵機内に設置された集塵段が前段であればあるほど、フラウアッシュの粒径が大きく、また、表面積も小さいため溶出量も少ないと考えられる。これに加えて、六価クロム以外の有害元素については、集塵段が前段であるほど、その含有量自身も少ないという傾向があり、このことも関与していると考えられる。
本発明において用いられるフライアッシュは、火力発電用の微粉炭燃焼ボイラの燃焼ガスから集塵機で採集された石炭灰のことを指す。なお、空気予熱機・節炭器などを通過する際に落下採集された石炭灰をシンダアッシュと呼び、フライアッシュ、シンダアッシュを総称してフライアッシュと呼ぶこともあるが、本発明ではシンダアッシュは除外する。
また、フライアッシュは、外観は灰白色であり、灰中の未撚炭素分が増えるに従って黒みを帯びる。密度1.9〜2.3g/cm2、かさ比重0.8〜1.0であり、また粒径分布は0.1mm以下が90%以上を占める。
さらに、フライアッシュは、大部分の非晶質ガラスと一部分の結晶質鉱物によって構成され、該結晶質鉱物としてはクオーツ(SiO2)、ムライト(2SiO2・3Al23)、マグネタイト(Fe34)などが存在する。
次に、本発明でいう溶出について説明する。
前述したように、フライアッシュにはホウ素、砒素、セレン、六価クロムなどの有害元素が含まれているため、フライアッシュが自然環境中に置かれた場合に、雨水などの自然作用により有害元素が溶出し、周辺環境に悪影響を与えることが懸念される。そのため、フライアッシュの処分・利用については、各種法令により規制を受ける。
第一に、埋立処分については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、「金属等を含む産業廃棄物に係る判断基準を定める総理府令」の中で溶出量についての規制値が、また環境庁告示第13号に示す「産業廃棄物に含まれる金属等の検出方法」では溶出試験方法が定められている。
一方、有効利用用途については、埋立処分とは事情が多少異なる。すなわち、関連法令としては、建設省技調発第48号「セメント及び、セメント固化材の地盤改良への使用及び改良土の再利用に関する当面の措置について」の中で、六価クロムの溶出量が、土壌環境基準を満たすよう定めた指針があるに過ぎず、地盤改良以外の用途についてはどの法律をどの程度まで適用するかについて明確な基準が示されていない。従って、規制については利用用途によって排出業者が行政と個別に対応し決定しているのが実情である。
基準値については、土壌と接触する用途が多いという利用用途の特性及び環境保全の観点から、最も厳しい土壌環境基準値を採用する場合が多く、この基準を満足することが法規制面での必要十分条件である。
なお、本明細書中での分析は、すべて、土壌環境基準に係る測定方法(環境庁告示第46号)で実施している。
また、本発明において用いられる電気集塵機について詳細に説明する。
本発明においては、火力発電所で一般的に使用される、乾式電気集塵機、中でも平行平板型のものを用いることができる。乾式電気集塵機は、図1に示すとおり、
1)コロナ放電を行う放電極
2)このコロナ放電によって帯電したフライアッシュを捕集する集塵極
3)電極表面に捕集付着したフライアッシュを剥離するため振動を与える槌打装置
4)集塵室内のガス流速を均一に分布させるための分布板
5)放電極と集塵極板間に高電圧を印加するための荷電装置
6)フライアッシュを一時貯蔵するためのホッパ
などの機器により構成される。
ホッパの配置については、ガス流れ方向に複数の集塵段が設定され、さらに各々の段は並列に配置された複数のホッパを有している。図1に示される電気集塵機においては、集塵段数4段、列数4であり、合計ホッパは16個となる。
本発明によれば、電気集塵機内に設置された複数の集塵段のうち、特定の集塵段からフライアッシュを捕集し、かつ、排ガスの煙道方向に設置された複数の集塵段のうち、最も排ガス上流側に位置する集塵段からフライアッシュを捕集すれば、ホウ素、セレン、フッ素、六価クロム、砒素などの有害元素の溶出量が極めて少ないフライアッシュを得ることができる。
以下、本発明において用いられるフライアッシュ中の有害元素の溶出低減方法の構成および効果について、本発明の最良の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)各集塵段で捕集したフライアッシュの有害元素溶出量(その1)
(発電出力:70万kw、電気集塵機温度:約90℃)
下記表1に、発電出力70万kwの発電所から排出されるフライアッシュについて、電気集塵機(日立プラント株式会社製、処理ガス量(湿り):2,155(×103Ncm3/h))内の各集塵段で捕集したフライアッシュからの有害元素溶出量を、排ガスの上流側にある1段目の集塵段からのフライアッシュA1、2段目の集塵段からのフライアッシュA2、および下流側にある3段目の集塵段からのフライアッシュA3、について測定した例を示した。
なお、電気集塵機のホッパ配置図を図2(A)、(B)に示す。図2(A)はホッパ配置の上面図であり、図2(B)はホッパ配置の側面図である。実施例1で用いた電気集塵機は、集塵段数3段、列数4、さらに水平方向に2つの処理系統を有するホッパ配列である。ホッパ列間の変動がほとんどなかったため、下記表1には各集塵段のうちから任意に選択した測定例を示した。
さらに、下記表1中、原粉Aとは、各集塵段で捕集したフライアッシュの混合物であり、1段目〜3段目の各集塵段からのフライアッシュを、おおむね、フライアッシュA1:フライアッシュA2:フライアッシュA3=8:1.5:0.5の割合(重量%)で含む。また、各集塵段中の排ガス温度はいずれも約90℃であり、各集塵段毎に温度の変化はほとんどないことを確認している。
下記表1に示される結果から明らかであるように、すべての有害元素について、集塵段が前段であるほどその溶出量が少なく(六価クロムで一部例外があるが)、また、溶出量が少ないほど平均粒径が増加する傾向が得られた。また、原粉Aの有害元素溶出量に対する、1段目フライアッシュA1の有害元素溶出量は、それぞれ、砒素44%、セレン56%、六価クロム62%、フッ素39%、ホウ素50%であった。さらに、砒素、ホウ素については、原粉Aでは有害元素溶出量が基準値を越えていたが、1段目で捕集したフライアッシュA1は基準値以下であった。
Figure 2006035123
なお、キャンバーウエル100%とは、キャンバーウエル炭(鉱山名)を単一(100%)で燃焼したフライアッシュであるという意味である。
(実施例2)各集塵段で捕集したフライアッシュの有害元素溶出量(その2)
(発電出力:60万kw、電気集塵機温度:約140℃)
下記表2に、発電出力60万kwの発電所から排出されるフライアッシュについて、電気集塵機(ガデリウス株式会社製、処理ガス量(湿り):1,960(×103Ncm3/h))内の各集塵段で捕集したフライアッシュからの有害元素溶出量を、排ガスの上流側にある1段目の集塵段からのフライアッシュB1、2段目の集塵段からのフライアッシュB2、および下流側にある3段目の集塵段からのフライアッシュB3、について測定した例を示した。
なお、電気集塵機のホッパ配置図を図3(A)、(B)に示す。図3(A)はホッパ配置の上面図であり、図3(B)はホッパ配置の側面図である。実施例2で用いた電気集塵機は、集塵段数6段、列数4、さらに水平方向に2つの処理系統を有するホッパ配列である。ホッパ列間の変動がほとんどなかったため、下記表2には各集塵段のうちから任意に選択した測定例を示した。
さらに、下記表2中、原粉Bとは、各集塵段で捕集したフライアッシュの混合物であり、1段目〜3段目の各集塵段からのフライアッシュB1、B2、B3を、おおむね、フライアッシュB1:フライアッシュB2:フライアッシュB3=8:1.5:0.5の割合(重量%)で含む。また、各集塵段中の排ガス温度はいずれも約140℃であり、各集塵段毎に温度の変化はほとんどないことを確認している。
下記表2に示される結果から明らかであるように、すべての有害元素について、集塵段が前段であるほどその溶出量が少なく、また、溶出量が少ないほど平均粒径が増加する傾向が得られた。また、原粉Bの有害元素溶出量に対する、1段目フライアッシュB1の有害元素溶出量は、重量%で、それぞれ、砒素84%、セレン23%、六価クロム67%、フッ素43%、ホウ素77%であった。
Figure 2006035123
(実施例3)各集塵段で捕集したフライアッシュの有害元素溶出量(その3)
(発電出力:35万kw、電気集塵機温度:350℃)
下記表3に、発電出力35万kwの発電所から排出されるフライアッシュについて、電気集塵機(日立プラント株式会社製、処理ガス量(湿り):1,280(×103Ncm3/h))内の各集塵段で捕集したフライアッシュからの有害元素溶出量を、排ガスの上流側にある上段1段目の集塵段からのフライアッシュC1、上段2段目の集塵段からのフライアッシュC2、および下流側にある上段3段目の集塵段からのフライアッシュC3、排ガスの上流側にある下段1段目の集塵段からのフライアッシュC4、下段2段目の集塵段からのフライアッシュC5、および下流側にある下段3段目の集塵段からのフライアッシュC6について、測定した例を示した。
なお、この例では、電気集塵機温度が350℃、いわゆる高温電気集塵機であるため、排ガス量が極めて多く、排ガスは水平方向のみならず、上下方向にも分流する機構となっている。電気集塵機のホッパ配置図を図4(A)、(B)に示す。図4(A)はホッパ配置の上面図であり、図4(B)はホッパ配置の側面図である。実施例3で用いた電気集塵機は、集塵段数4段、列数2、水平方向に2系統、上下方向に2系統の4つの処理系統を有するホッパ配列である。実施例1及び実施例2と同じく、ホッパ列間の変動がほとんどなかったため、下記表3には各集塵段のうちから任意に選択した測定例を示した。
下記表3中、原粉Cとは、各集塵段で捕集したフライアッシュの混合物であり、各集塵段からのフライアッシュC1〜C6を、上段:下段=1:2(重量比)、また、段別では、1段目:2段目:3段目=8:1.5:0.5の割合(重量%)で含む。また、各集塵段中の排ガス温度はいずれも350℃であり、各集塵段毎に温度の変化はほとんどないことを確認している。
下記表3に示される結果から明らかであるように、有害元素の溶出量が極めて少ないセレンを除くすべての元素で、集塵段が前段であるほどその溶出量が少なく、また、溶出量が少ないほど平均粒径が増加しする傾向が得られた。この傾向は集塵段の位置(上・下段)に関係なかった。上段よりも下段の方が若干、溶出量が少なくなっているが、これは、重量の関係から粒径が大きい、すなわち、重い粒子ほど下段に分流しやすいためと考えられ、この下段1段目のフライアッシュC4の溶出量は、原粉Cの溶出量に対して、それぞれ、砒素43%、六価クロム50%、フッ素43%、ホウ素32%であった。また、この例に限れば、ホウ素については、原粉Cでは溶出量が基準値を越えていたが、上・下段の各1段目で捕集したフライアッシュC1・C4は基準値以下であった。
Figure 2006035123
乾式電気集塵機の一部分解概略図である。 本発明の実施例1に係る電気集塵機のホッパ配置図である。 本発明の実施例2に係る電気集塵機のホッパ配置図である。 本発明の実施例3に係る電気集塵機のホッパ配置図である。

Claims (3)

  1. 電気集塵機内に設置された複数の集塵段のうち、特定の集塵段からフライアッシュを捕集することを特徴とするフライアッシュ中の有害元素の溶出低減方法。
  2. 電気集塵機内において、排ガスの煙道方向に設置された複数の集塵段のうち、最も上流側に位置する集塵段からフライアッシュを捕集することを特徴とする請求項1記載のフライアッシュ中の有害元素の溶出低減方法。
  3. 前記有害元素が、ホウ素、セレン、フッ素、六価クロム、砒素であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のフライアッシュ中の有害元素の溶出低減方法。
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