JP2006034310A - Mr用ヘッドコイル - Google Patents

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雄治 岩舘
Naoyuki Takei
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Abstract

【課題】被検体の鼻および口を覆うように装着したガス吸入マスクに繋がるガス管をヘッドコイルから外部へと導出しやすい構造としたMR用ヘッドコイルを提供する。
【解決手段】ガス吸入マスク6はヘッドコイル1の内側に在り、ガス吸入マスク6に繋がるガス管7はヘッドコイル1の壁面に穿設されたガス管挿通孔4を通じて外側に導出され、図示せぬ希ガス・ポーラライザ装置へと繋がっている。
【効果】コイル全長が長くなった二重同調コイルでもガス管7をヘッドコイル1から導出しやすくなる。被検体の顔側のヘッドコイルの壁面を顔に近づけることが出来る。
【選択図】図1

Description

本発明は、MR(Magnetic Resonance)用ヘッドコイルに関し、さらに詳しくは、被検体の少なくとも鼻孔部を覆うように装着したガス吸入マスクに繋がるガス管をヘッドコイルから外部へと導出しやすい構造としたMR用ヘッドコイルに関する。
従来、超偏極状態とした希ガスを被検体に吸入させて頭部のMR撮影を行う場合、被検体の鼻および口を覆うようにガス吸入マスクを装着した後、被検体の頭部にヘッドコイルを被せ、ガス吸入マスクに繋がるガス管をヘッドコイルの開口から外部の希ガス・ポーラライザ装置へと導出している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−113317号公報(図1)
超偏極状態とした希ガスを被検体に吸入させて頭部のMR撮影を行う場合のヘッドコイルとしては、例えば目的核種用バードケージコイルの外側に比較やシミングに必要なプロトン画像を得るためのプロトン用バードケージコイルを配置した二重同調コイルを用いることが必須である。つまり、通常の単同調コイルに比べてコイル全長が長くなっている。しかし、コイル全長が長くなった二重同調コイルの開口からはガス管を導出しにくい問題点がある。
また、被検体の顔側のヘッドコイルの壁面がガス吸入マスクおよびガス管の高さだけ顔から離れるため、被検体の後頭部側のヘッドコイルの壁面を後頭部に密接させると、撮影対象部位である脳がコイル中心から後頭部側にずれてしまう問題点がある。なお、被検体の後頭部側のヘッドコイルの壁面を後頭部から離せば、撮影対象部位である脳をコイル中心に位置させ得るが、SN比の損失を招くという別の問題点が生じる。
そこで、本発明の目的は、被検体の少なくとも鼻孔部を覆うように装着したガス吸入マスクに繋がるガス管をヘッドコイルから外部へと導出しやすい構造としたMR用ヘッドコイルを提供することにある。
第1の観点では、本発明は、被検体の少なくとも鼻孔部を覆うガス吸入マスクに繋がるガス管を、壁面の一部と交差させて外部へ導出可能にしたことを特徴とするMR用ヘッドコイルを提供する。
上記第1の観点によるMR用ヘッドコイルでは、被検体の少なくとも鼻孔部を覆うガス吸入マスクに繋がるガス管をヘッドコイルの壁面と平行に導出するのでなく、壁面の一部と交差させて外部へ導出可能な構造とした。このため、コイル全長が長くなった二重同調コイルでもガス管を導出しやすくなる。また、被検体の顔側のヘッドコイルの壁面を顔に近づけることが出来る。このため、被検体の後頭部側のヘッドコイルの壁面を後頭部に密接させても、撮影対象部位である脳がコイル中心から後頭部側にほとんどずれなくなる。
第2の観点では、本発明は、上記構成のMR用ヘッドコイルにおいて、前記壁面に挿通孔を穿設し、該挿通孔に前記ガス管を挿通したことを特徴とするMR用ヘッドコイルを提供する。
上記第2の観点によるMR用ヘッドコイルでは、被検体の少なくとも鼻孔部を覆うガス吸入マスクに繋がるガス管をヘッドコイルの壁面と平行に導出するのでなく、挿通孔に挿通させて外部へ導出可能とした。このため、コイル全長が長くなった二重同調コイルでもガス管を導出しやすくなる。また、被検体の顔側のヘッドコイルの壁面を顔に近づけることが出来るため、被検体の後頭部側のヘッドコイルの壁面を後頭部に密接させても、撮影対象部位である脳がコイル中心から後頭部側にほとんどずれなくなる。
第3の観点では、本発明は、上記構成のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管が交差する壁面部分を、外側へ膨出させた形状にしたことを特徴とするMR用ヘッドコイルを提供する。
上記第3の観点によるMR用ヘッドコイルでは、ガス管が交差する壁面部分を外側へ膨出させた形状にした。換言すれば、ガス管が交差する壁面部分以外の被検体の顔側のヘッドコイルの壁面を顔に近づけた構造とした。このため、被検体の後頭部側のヘッドコイルの壁面を後頭部に密接させても、撮影対象部位である脳がコイル中心から後頭部側にほとんどずれなくなる。
第4の観点では、本発明は、上記構成のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管が交差する壁面部分が、他の部分から取り外し可能であることを特徴とするMR用ヘッドコイルを提供する。
上記第4の観点によるMR用ヘッドコイルでは、ガス管が交差する壁面部分を取り外した状態にすることで、ヘッドコイルを被検体の頭部に被せる作業が容易になる。
第5の観点では、本発明は、上記構成のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管が交差する壁面部分が、ヒンジにより開閉可能になっていることを特徴とするMR用ヘッドコイルを提供する。
上記第5の観点によるMR用ヘッドコイルでは、ガス管が交差する壁面部分を開いた状態にすることで、ヘッドコイルを被検体の頭部に被せる作業が容易になる。
第6の観点では、本発明は、上記構成のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管は、前記ガス管が交差する壁面部分に固定されていないことを特徴とするMR用ヘッドコイルを提供する。
上記第6の観点によるMR用ヘッドコイルでは、ガス管が交差する壁面部分にガス管が固定されていないため融通がきき、ヘッドコイルを被検体の頭部に被せる作業が容易になる。
第7の観点では、本発明は、上記構成のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管が交差する壁面部分に前記ガス管を固定するためのガス管固定手段を備えたことを特徴とするMR用ヘッドコイルを提供する。
上記第7の観点によるMR用ヘッドコイルでは、ヘッドコイルを被検体の頭部に被せた後、ガス管が交差する壁面部分にガス管を固定することにより、間接的にガス吸入マスクを固定できる。
第8の観点では、本発明は、上記構成のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス吸入用マスクが、超偏極状態とした希ガスであることを特徴とするMR用ヘッドコイルを提供する。
上記第8の観点によるMR用ヘッドコイルでは、超偏極状態とした希ガスを被検体に吸入させて頭部のMR撮影を好適に行うことが出来る。
本発明のMR用ヘッドコイルによれば、被検体の少なくとも鼻孔部を覆うように装着したガス吸入マスクに繋がるガス管をヘッドコイルから外部へと導出しやすくなり、ヘッドコイルを被検体の頭部に被せる作業が容易になる。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、実施例1に係るMR用ヘッドコイル10を示す斜視図である。
このMR用ヘッドコイル10は、ヘッドコイル1と、ガス吸入マスク6とを具備してなる。
ヘッドコイル1は、円筒形状であり、被検体の頭部を入れるための開口2と、被検体の視野を確保するための窓3とを有している。
ガス吸入マスク6は、ヘッドコイル1の内側に在る。ガス吸入マスク6に繋がるガス管7は、ヘッドコイル1の壁面に穿設されたガス管挿通孔4を通じて外側に導出され、図示せぬ希ガス・ポーラライザ装置へと繋がっている。
ガス管固定具5は、ヘッドコイル1の壁面に、ガス管挿通孔4を取り巻くように設置されている。ガス管固定具5を締め付けることにより、ガス管7をヘッドコイル1に固定することが出来る。
図2に示すように、ヘッドコイル1は、目的核種用のバードケージコイル8の外側にプロトン用のバードケージコイル9を配置した二重同調コイルである。
図3に示すように、ガス管固定具5を緩めてガス管7をヘッドコイル1に固定しない状態にし、ガス吸入マスク6をヘッドコイル1から引き出し、ガス吸入マスク6を被検体Kの顎の下に挟む。次に、ガス管7をガス管挿通孔4から引っ張り出しながら、被検体Kの頭部にヘッドコイル1を被せる。
次に、図4に示すように、被検体Kの頭部をヘッドコイル1に収容した状態で、ガス吸入マスク6を被検体Kの鼻および口を覆うように載せる。
そして、ガス管固定具5を締め付けて、ガス管7をヘッドコイル1に固定する。これにより、被検体Kとヘッドコイル1とガス吸入マスク6とを一体化することが出来る。
実施例1のMR用ヘッドコイル10によれば、被検体Kの鼻および口を覆うガス吸入マスク6に繋がるガス管7をヘッドコイル1の壁面と平行に導出するのでなく、壁面の一部と交差させて外部へ導出可能であるため、コイル全長が長くなった二重同調コイルでもガス管7を導出しやすくなる。また、被検体Kの顔側のヘッドコイルの壁面を顔に近づけることが出来る。このため、被検体Kの後頭部側のヘッドコイルの壁面を後頭部に密接させても、撮影対象部位である脳がコイル中心から後頭部側にほとんどずれなくなる。
図5は、実施例2に係るMR用ヘッドコイル20を示す斜視図である。
このMR用ヘッドコイル20は、ヘッドコイル1’と、ガス吸入マスク6とを具備してなる。
ヘッドコイル1’は、円筒形状であり、被検体の頭部を入れるための開口2と、被検体の視野を確保するための窓3と、壁面の一部を外側へ膨出させて作ったマスク退避スペース1aとを有している。
ガス吸入マスク6は、ヘッドコイル1’の内側に在る。ガス吸入マスク6に繋がるガス管7は、マスク退避スペース1aの頂部の壁面に穿設されたガス管挿通孔4を通じて外側に導出され、図示せぬ希ガス・ポーラライザ装置へと繋がっている。
ガス管固定具5は、ヘッドコイル1’の壁面に、ガス管挿通孔4を取り巻くように設置されている。ガス管固定具5を締め付けることにより、ガス管7をヘッドコイル1’に固定することが出来る。
ヘッドコイル1’は、実施例1と同様、目的核種用のバードケージコイル8の外側にプロトン用のバードケージコイル9を配置した二重同調コイルである。
図6に示すように、ガス管固定具5を緩めてガス管7をヘッドコイル1’に固定しない状態にし、ガス吸入マスク6をマスク退避スペース1aに入れる。次に、被検体Kの頭部にヘッドコイル1を被せる。
次に、図7に示すように、ガス吸入マスク6を被検体Kの鼻および口を覆うように載せる。
そして、ガス管固定具5を締め付けて、ガス管7をヘッドコイル1’に固定する。これにより、被検体Kとヘッドコイル1’とガス吸入マスク6とを一体化することが出来る。
図8は、実施例3に係るMR用ヘッドコイル30を示す斜視図である。
このMR用ヘッドコイル30は、ヘッドコイル1”と、ガス吸入マスク6とを具備してなる。
ヘッドコイル1”は、本体部1bと開閉部1cとからなり、全体として円筒形状であり、被検体の頭部を入れるための開口2と、被検体の視野を確保するための窓3とを有している。
ガス吸入マスク6は、ヘッドコイル1”の内側に在る。ガス吸入マスク6に繋がるガス管7は、ヘッドコイル1”の壁面に穿設されたガス管挿通孔4を通じて外側に導出され、図示せぬ希ガス・ポーラライザ装置へと繋がっている。
ガス管固定具5は、ヘッドコイル1”の壁面に、ガス管挿通孔4を取り巻くように設置されている。ガス管固定具5を締め付けることにより、ガス管7をヘッドコイル1”に固定することが出来る。
ヘッドコイル1”は、実施例1と同様、目的核種用のバードケージコイル8の外側にプロトン用のバードケージコイル9を配置した二重同調コイルである。但し、バードケージコイル8,9のエレメントの一部が、後述する開閉部1cの分離/結合と共に分離/結合できるようになっている。
図9に示すように、本体部1bから開閉部1cを分離する。
次に、図10に示すように、被検体Kの頭部に本体部1bを被せる。次に、ガス管固定具5を緩めてガス管7を開閉部1cに固定しない状態にし、ガス吸入マスク6を引き出して被検体Kの鼻および口を覆うように載せる。
そして、図11に示すように、本体部1bに開閉部1cを結合し、ガス管固定具5を締め付けて、ガス管7を開閉部1cに固定する。これにより、被検体Kとヘッドコイル1”とガス吸入マスク6とを一体化することが出来る。
図12は、実施例4に係るMR用ヘッドコイル40を示す斜視図である。
このMR用ヘッドコイル40は、実施例3に係るMR用ヘッドコイル30と基本的に同じ構成であるが、本体部1bと開閉部1cとがヒンジ1dで連結されている。
従って、実施例3のように開閉部1cを分離/結合する代わりに、開閉部1cをヒンジ1dで開/閉するようになっている。
ガス管固定具5として、ベルトやマジックテープ(登録商標)を用いてもよい。
本発明のMR用ヘッドコイルは、超偏極状態とした希ガスを被検体に吸入させて頭部のMR撮影を行うのに利用できる。
実施例1にかかるMR用ヘッドコイルを示す斜視図である。 二重同調コイルの構成を示す斜視図である。 実施例1に係るMR用ヘッドコイルの使用前状態を示す説明図である。 実施例1に係るMR用ヘッドコイルの使用中状態を示す説明図である。 実施例2にかかるMR用ヘッドコイルを示す斜視図である。 実施例2に係るMR用ヘッドコイルの使用前状態を示す説明図である。 実施例2に係るMR用ヘッドコイルの使用中状態を示す説明図である。 実施例3にかかるMR用ヘッドコイルを示す斜視図である。 実施例3にかかるMR用ヘッドコイルの開閉部を分離した状態を示す斜視図である。 実施例3に係るMR用ヘッドコイルの使用前状態を示す説明図である。 実施例3に係るMR用ヘッドコイルの使用中状態を示す説明図である。 実施例4にかかるMR用ヘッドコイルを示す斜視図である。
符号の説明
1,1’,1” ヘッドコイル
1a マスク退避スペース
1b 本体部
1c 開閉部
4 ガス管挿通孔
5 ガス管固定具
6 ガス吸入マスク
7 ガス管
10,20,30,40 MR用ヘッドコイル

Claims (8)

  1. 被検体の少なくとも鼻孔部を覆うガス吸入マスクに繋がるガス管を、壁面の一部と交差させて外部へ導出可能にしたことを特徴とするMR用ヘッドコイル。
  2. 請求項1に記載のMR用ヘッドコイルにおいて、前記壁面に挿通孔を穿設し、該挿通孔に前記ガス管を挿通したことを特徴とするMR用ヘッドコイル。
  3. 請求項1または請求項2に記載のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管が交差する壁面部分を、外側へ膨出させた形状にしたことを特徴とするMR用ヘッドコイル。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管が交差する壁面部分が、他の部分から取り外し可能であることを特徴とするMR用ヘッドコイル。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管が交差する壁面部分が、ヒンジにより開閉可能になっていることを特徴とするMR用ヘッドコイル。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管は、前記ガス管が交差する壁面部分に固定されていないことを特徴とするMR用ヘッドコイル。
  7. 請求項6に記載のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス管が交差する壁面部分に前記ガス管を固定するためのガス管固定手段を備えたことを特徴とするMR用ヘッドコイル。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のMR用ヘッドコイルにおいて、前記ガス吸入用マスクが、超偏極状態とした希ガスであることを特徴とするMR用ヘッドコイル。
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